JP3644601B2 - トラクションコントロール装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両におけるトラクションコントロール装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両において、発進加速時に駆動輪に生ずる加速スリップを防止するために、加速スリップ検出手段と該加速スリップ検出手段が検出した加速スリップ情報に基づき駆動輪の駆動トルクを低減させる制御を行うコントロールユニットとからなるトラクションコントロール装置が従来より提案されている。該トラクションコントロール装置のコントロールユニットの制御は、スロットル開度の戻し或は一部気筒の燃料カット等によりエンジン出力を低減させるエンジン制御と駆動輪のブレーキ装置にブレーキ液圧を供給するブレーキ制御とを組み合わせた制御であり、通常は図3に示すように駆動輪の必要低減トルク量に対しエンジン制御が7〜8割,ブレーキ制御が3〜2割の割合で分担する固定的制御方法を採用している(例えば特開昭62−103235号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のトラクションコントロール装置では、エンジン冷却水温がある基準値(例えば60℃)を下回る場合、トラクションコントロール装置の作動を禁止するという制御を行っていた。このために冬期のエンジン始動直後等では装置が全く働かず、トラクションコントロール装置の機能の1つである発進性改善(ホイールスピンの防止等)が実現できないという課題を有している。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のように、エンジン出力を低減させるようエンジン制御を行うエンジン制御ユニットと、駆動輪のブレーキ装置にブレーキ液圧を供給するブレーキ制御を行うブレーキ制御ユニットとを有し、駆動輪空転量が通常制御パターンにおける制御領域内にあるとき、駆動輪の空転を低減させるべく、上記エンジン制御とブレーキ制御との双方を行う車両のトラクションコントロール装置において、車体速度が設定車速を越える範囲で上記通常制御パターンの非制御領域より非制御領域を拡大したブレーキ単独制御パターンを有し、エンジン冷却水温が設定値より低い場合、上記エンジン制御を禁止すると共に、駆動輪空転量が上記ブレーキ単独制御パターンでの制御領域内にあるとき、上記ブレーキ制御のみを行うことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
上記のように、エンジン冷却水温が低いとき、エンジン制御を禁止とすることでエンストや排気系の異常高温のおそれといった問題をなくし、制御領域を車体速度の極低速範囲に限定しそれより車体速度が高い範囲では制御に入りにくくして行くブレーキ単独制御パターンに基づくブレーキ制御のみとすることで、駆動系及びブレーキへの負荷を抑えた状態で効果的な駆動輪の空転低減を行うことができ、例えば冬期におけるエンジン始動直後の発進といった場合の発進性の向上をはかり得る。
【0007】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0008】
図1は本発明方法が適用されるトラクションコントロール装置の一例を示す構成図であり、1はエンジン,変速機等よりなるパワユニットで、該パワユニット1の出力は差動装置2を介して駆動輪4に伝達され該駆動輪4を駆動する。3はエンジン冷却水の温度を検出する水温センサである。
【0009】
5はトラクションコントロール装置のコントロールユニットで、該コントロールユニット5はエンジン制御ユニット6とブレーキ制御ユニット7とからなる。8はブレーキ液圧制御装置、9は駆動輪4のブレーキ装置、10は従動輪、11は駆動輪4の車輪速度センサ、12は従動輪10の車輪速度センサである。
【0010】
上記トラクションコントロール装置の通常時(エンジン冷却水温が設定値以上である時)の制御について以下概略説明する。
【0011】
車輪速度センサ11が検出した駆動輪の車輪速度と車輪速度センサ12が検出した従動輪の車輪速度との差から加速スリップを検出すると、エンジン制御ユニット6がスロットル開度の減少,一部気筒の燃料噴射カット或は点火時期の遅角化等の手段によりエンジン出力を低下させる制御を行うと共に、ブレーキ制御ユニット7がオイルリザーバ,液圧ポンプ,切換バルブ等よりなるブレーキ液圧制御装置8を作動させるべき信号を発してブレーキペダルの踏み込みなしにブレーキ装置9にブレーキ液圧を供給し、駆動輪4に制動力を付与する制御を行い、上記エンジン制御ユニット6の制御とブレーキ制御ユニット7の制御とにより、検出した加速スリップ(駆動輪の空転量)に見合った駆動トルクの低減を行うものである。この通常時の制御は従来のトラクションコントロール装置の制御と同じであり、その必要低減トルク量に対するエンジン制御とブレーキ制御との分担割合も例えば図3に示す従来の割合とおなじである。
【0012】
本発明では、加速スリップを検出した時水温センサ3が検出したエンジン冷却水温が設定値(例えば60℃)未満であった場合、エンジン制御ユニット6は制御禁止となるが、そのエンジン制御禁止の信号を受けてブレーキ制御ユニット7がブレーキ単独制御パターンに基づいて単独にブレーキ制御を行い、加速スリップを減らし発進性の向上をはかるようにしたものである。
【0013】
以下その制御態様を図2(A)のフローチャートに基づき詳しく説明する。
【0014】
先ず水温センサ3が検出したエンジン冷却水温が設定値(例えば60℃)以上であるかどうかを判断し、設定値以上であればエンジン制御ユニット6のエンジン制御とブレーキ制御ユニット7のブレーキ制御の双方の制御即ち上記通常時の制御を選択する。そして駆動輪4と従動輪10との各車輪速度の差で求められる駆動輪空転量と、従動輪10の車輪速度から推定できる車体速度との関係が図2(B)の制御領域内にあるかどうかを判定し、制御領域内にあればエンジン制御とブレーキ制御の双方にて加速スリップを低減させる制御を行い、非制御領域であればエンジン制御,ブレーキ制御共に行わず最初のステップに戻る。
【0015】
エンジン制御とブレーキ制御の双方を行う通常制御時の制御パターンは、例えば図2(B)に示すように設定される。即ち制御領域を決定する駆動輪空転量は車体速度がある速度V0 (例えば約10km/h )に達する迄は車体速度が増加するに従って次第に減少し、車体速度が上記V0 を越えると一定値となるようなパターンに設定される。
【0016】
エンジン冷却水温が設定値未満であると、エンジン制御が禁止となると共に、図2(C)に示すブレーキ単独制御パターンを選択し、ブレーキ制御ユニット7が該ブレーキ単独制御パターンに基づいてブレーキ制御を行う。即ち駆動輪4の空転量と車体速度との関係が図2(C)の制御領域内にあるかどうかを判定し、制御領域内にあればブレーキ制御を行って駆動輪4の加速スリップを低減させ、非制御領域であるとブレーキ制御を行わず最初のステップに戻る。 ブレーキ単独制御時の制御パターンは図2(C)に示すように、制御領域を決定する駆動輪空転量は車体速度がある速度V0 (例えば約10km/h )に達するまでは図2(B)と同様に漸減しV0 を越え該V0 よりやや高い設定速度V1 (例えば約15km/h )に至る間は一定値となり車体速度が該設定速度V1 を越えると次第に増加するパターンに設定される。即ちブレーキ単独制御は駆動系及びブレーキへの負荷を抑えるために制御領域を車体速度が約15km/h 程度以下の極低速域に限定しその速度を越える領域では駆動輪空転許容量を徐々に大きくして制御に入りにくくする。
【0017】
一般にエンジン冷却水温が低い場合は燃焼が不安定となるので燃料増量を行ってそれに対処するのが普通であり、このような状況で一部気筒の燃料噴射カット等エンジン出力を低下させる制御を行うとエンストのおそれが生じ、又燃料噴射カットを行っている気筒からは新気(空気)が吐き出され一方燃焼を行っている気筒からは排ガスと共に燃え残りの燃料が吐き出され、両者が排気管集合部で出会うとそこで燃焼して排気管の温度が異常に上昇するという問題が生ずる。
【0018】
そこで本発明では、エンジン冷却水温度が低いとき、トラクションコントロール装置のエンジン制御禁止とすることで上記のような問題が生じないようにすると共に、ブレーキ単独制御パターンに基づいたブレーキ制御のみを行うことで発進性の向上というトラクションコントロール装置の本来の機能を満足させることができるものである。
【0019】
尚加速スリップの検出手段としては、上記のように駆動輪の車輪速度センサと従動輪の車輪速度センサとを用いるのが最も簡単で実用的であるが、上記以外に例えばドップラセンサよりなる対地速度センサと駆動輪の車輪速度センサとを用いる等従来より公知の任意の検出手段を採用できる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、加速スリップが生じたときエンジン制御とブレーキ制御の双方で通常の制御パターンに基づいて駆動輪の空転を低減する制御を行う車両のトラクションコントロール装置において、エンジン冷却水温が設定値より低い場合、上記エンジン制御を禁止し、制御領域を車体速度の極低速範囲に限定しそれより車体速度が高い範囲では駆動輪の空転許容量を徐々に大きくして制御に入りにくくして行くブレーキ単独制御パターンに基づくブレーキ制御のみを行って駆動輪の空転を低減させるようにしたことにより、例えば冬期のエンジン始動直後の発進時のようにエンジン冷却水温が低い状態での発進時も、駆動系及びブレーキへの負荷が抑えられた状態でトラクションコントロール装置の機能が効果的に働き、発進性の向上をはかることができ、車両の扱い易さが向上して商品性向上をもたらし得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するトラクションコントロール装置の構成説明図である。
【図2】本発明の実施例を示し、(A)は制御態様を示すフローチャート、(B)はエンジン冷却水温が設定値以上のときに適用される通常時の制御パターンの一例を示す図、(C)はエンジン冷却水温が設定値未満のときに適用されるブレーキ単独制御パターンの一例を示す図である。
【図3】エンジン冷却水温が設定値以上の通常制御時における必要低減トルク量に対するエンジン制御とブレーキ制御との分担割合の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 パワユニット
2 差動装置
3 水温センサ
4 駆動輪
5 コントロールユニット
6 エンジン制御ユニット
7 ブレーキ制御ユニット
8 ブレーキ液圧制御装置
9 ブレーキ装置
10 従動輪
11 駆動輪の車輪速度センサ
12 従動輪の車輪速度センサ
Claims (1)
- エンジン出力を低減させるようエンジン制御を行うエンジン制御ユニットと、駆動輪のブレーキ装置にブレーキ液圧を供給するブレーキ制御を行うブレーキ制御ユニットとを有し、駆動輪空転量が通常制御パターンにおける制御領域内にあるとき、駆動輪の空転を低減させるべく、上記エンジン制御とブレーキ制御との双方を行う車両のトラクションコントロール装置において、車体速度が設定車速を越える範囲で上記通常制御パターンの非制御領域より非制御領域を拡大したブレーキ単独制御パターンを有し、エンジン冷却水温が設定値より低い場合、上記エンジン制御を禁止すると共に、駆動輪空転量が上記ブレーキ単独制御パターンでの制御領域内にあるとき、上記ブレーキ制御のみを行うことを特徴とするトラクションコントロール装置の制御方法。
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---|---|---|---|
JP10936292A JP3644601B2 (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | トラクションコントロール装置の制御方法 |
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JP10936292A JP3644601B2 (ja) | 1992-04-02 | 1992-04-02 | トラクションコントロール装置の制御方法 |
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JPH05278500A JPH05278500A (ja) | 1993-10-26 |
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Country | Link |
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1992
- 1992-04-02 JP JP10936292A patent/JP3644601B2/ja not_active Expired - Fee Related
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