JP3644436B2 - ダイバーズ用情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

ダイバーズ用情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイバーの安全性を考慮しながら、様々なダイビングパターンや、ダイバーのレベル、目的、状態等に応じた、より有効な情報を提示するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイブコンピュータと称せられるダイバーズ用情報処理装置は、ダイバーが安全に潜水を行うことができるように各種の安全機能を備えている。
例えば、ダイバーズ用情報処理装置は、一定時間毎に水深と潜水時間とを計測し、それらを元に、ダイバーの体内に蓄積される不活性ガス量を各種潜水理論に基づいて、身体区画毎に算出する。算出された不活性ガス量に基づいてダイバーが安全に潜水することが可能な無減圧潜水可能時間などを計算するようになっている。ダイバーは、ダイバーズ用情報処理装置が提示する無減圧潜水可能時間を超えない範囲で、ダイビングを行うことが望ましい。
【0003】
ここで、身体区画とは、不活性ガスの蓄積・排出の速度に応じて区分けされた体内組織(血液、筋肉、脂肪、骨、脳、神経等)のことであり、例えば、A.A.Buhlmann著の「Decompression-Decompression Sickness」においては、身体を16の身体区画に区分けすることが提案されている。そして、不活性ガスの蓄積量が飽和状態の半分に達する時間を半飽和時間という。
【0004】
従来のダイバーズ用情報処理装置では、その計算処理能力が比較的乏しいという点、娯楽を目的とした一般ダイバーは比較的安全な潜水パターンでダイビングを行うことが多いという点から鑑みて、16の身体区画全てを考慮に入れるのではなく、7若しくは9個の身体区画についてのみ不活性ガス量や、無減圧潜水可能時間等を算出していた。
【0005】
ところが、近年、酸素と窒素の混合比が空気中の混合比と異なる呼吸気や、酸素や窒素に加えてヘリウムが含有される呼吸気を用いて、従来より長い時間潜水を行うこともできるようになってきた。そして、潜水時間が長くなったことにより、より精密で正確な情報が必要とされるようになった。
従って、ダイバーズ用情報処理装置では、より多くの身体区画を考慮に入れて計算を行う必要性が出てきた。しかし逆に、潜水時間がそれほど長くない一般のダイビングの場合には、より多くの身体区画を考慮に入れて提示された過度な情報は、かえって、必要な安全情報が分かりづらくなる可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、より適切な数の身体区画に基づいて、ダイバーの安全に関する情報を提示することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、操作子と、前記操作子に対して行われた操作に基づいて、身体区画数を設定する身体区画数設定手段と、前記身体区画数設定手段により設定された身体区画数に基づいて、複数の身体区画を特定する身体区画設定手段と、前記身体区画設定手段により特定された各身体区画に蓄積される不活性ガス量を計算する不活性ガス量算出手段と、前記不活性ガス量算出手段により算出された不活性ガス量に基づいて潜水の安全性に関する安全情報を生成する安全情報生成手段と、前記安全情報生成手段により生成された安全情報を出力する出力手段とを備えることを特徴とするダイバーズ用情報処理装置を提供する。なお、不活性ガス量に基づく潜水の安全性に関する情報とは、不活性ガス量をグラフ化したものや、無減圧潜水可能時間、体内不活性ガス排出時間などである。
【0008】
このダイバーズ用情報処理装置、ダイバーが行う潜水によってダイバーの体内に蓄積される不活性ガス量を身体区画毎に計算する際に、身体区画設定手段によって特定された身体区画について、蓄積される不活性ガス量を計算し、前記不活性ガス量に基づいて、前記潜水の安全性に関する情報を生成し、出力する。
【0009】
好ましい態様において、ダイバーが潜水の際用いる呼吸気の不活性ガスの比率を設定する呼吸気比率設定手段を備え、前記不活性ガス量算出手段は、前記呼吸気比率手段によって設定された不活性ガスの比率が予め定められた範囲であることを検知すると、前記身体区画設定手段の設定に関わらず、予め定められた所定の身体区画について不活性ガス量を計算するようにしても良い。
【0010】
前記不活性ガス量算出手段における前記予め定められた範囲は、空気中とは異なる不活性ガスの比率の範囲であり、前記不活性ガス量算出手段は、前記呼吸気比率手段によって設定された不活性ガスの比率が、空気中とは異なる不活性ガスの比率の範囲であることを検知すると、計算対象となる最大数の身体区画について、不活性ガス量を計算するようにしても良い。
【0011】
前記身体区画設定手段は、身体区画数と、該身体区画数に対応付けられた複数の身体区画の組合せとを記憶する身体区画記憶手段を備えるようにしても良い。
【0012】
また、本発明は、操作子に対して行われた操作に基づいて、身体区画数を設定する身体区画数設定ステップと、前記身体区画数設定ステップにより設定された身体区画数に基づいて、複数の身体区画を特定する身体区画設定ステップと、前記身体区画設定ステップにより特定された各身体区画に蓄積される不活性ガス量を計算する不活性ガス量算出ステップと、前記不活性ガス量算出ステップにより算出された不活性ガス量に基づいて潜水の安全性に関する安全情報を生成する安全情報生成ステップと、前記安全情報生成手段により生成された安全情報を出力する出力ステップとを備えることを特徴とするダイバーズ用情報処理方法を提供する。
【0013】
このダイバーズ用情報処理方法、ダイバーが行う潜水によってダイバーの体内に蓄積される不活性ガス量を身体区画毎に計算する際に、身体区画設定ステップによって特定された身体区画について、蓄積される不活性ガス量を計算し、前記不活性ガス量に基づいて、前記潜水の安全性に関する情報を生成し、出力する。
【0014】
また、本発明操作子に対して行われた操作に基づいて、身体区画数を設定する身体区画数設定手段と、前記身体区画数設定手段により設定された身体区画数に基づいて、複数の身体区画を特定する身体区画設定手段と、前記身体区画設定手段により特定された各身体区画に蓄積される不活性ガス量を計算する不活性ガス量算出手段と、前記不活性ガス量算出手段により算出された不活性ガス量に基づいて潜水の安全性に関する安全情報を生成する安全情報生成手段と、前記安全情報生成手段により生成された安全情報を出力する出力手段とをコンピュータに実現させるためのプログラムを提供する。
【0015】
このプログラムによれば、コンピュータは、ダイバーが行う潜水によってダイバーの体内に蓄積される不活性ガス量を身体区画毎に計算する際に、身体区画設定手段によって特定された身体区画について、蓄積される不活性ガス量を計算し、前記不活性ガス量に基づいて、前記潜水の安全性に関する情報を生成し、出力する。
【0016】
また、本発明操作子に対して行われた操作に基づいて、身体区画数を設定する身体区画数設定手段と、前記身体区画数設定手段により設定された身体区画数に基づいて、複数の身体区画を特定する身体区画設定手段と、前記身体区画設定手段により特定された各身体区画に蓄積される不活性ガス量を計算する不活性ガス量算出手段と、前記不活性ガス量算出手段により算出された不活性ガス量に基づいて潜水の安全性に関する安全情報を生成する安全情報生成手段と、前記安全情報生成手段により生成された安全情報を出力する出力手段とをコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0017】
この記録媒体によれば、コンピュータは、ダイバーが行う潜水によってダイバーの体内に蓄積される不活性ガス量を身体区画毎に計算する際に、身体区画設定手段によって特定された身体区画について、蓄積される不活性ガス量を計算し、前記不活性ガス量に基づいて、前記潜水の安全性に関する情報を生成し、出力する。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
(1)ダイブコンピュータの外観構成
図1は、本実施形態に係るダイブコンピュータ1を正面から見た場合の外観構成を示す図である。このダイブコンピュータ1は、潜水中のダイバーの水深や無減圧潜水時間を計算して表示するとともに、潜水中に体内に蓄積される不活性ガス量を分圧として身体区画毎に計算し、その値に基づいて、無減圧潜水可能時間、体内窒素排出時間などを計算して表示するように構成されている。このとき、不活性ガス量、無減圧潜水可能時間、体内窒素排出時間などの計算時に使用される身体区画数を、ダイバーによって設定することができる。更に、ヘリウムを用いたり、酸素分圧を空気より高くした空気以外の呼吸気を用いる場合には、その酸素比率、ヘリウム比率を設定することができる共に、その場合に応じた計算がなされる。
【0019】
また、図1に示すように、液晶パネル11の中央に表示領域11Aが位置する。表示領域11Aは、第1の表示領域111〜第7の表示領域117によって構成されている。これら第1の表示領域111〜第7の表示領域117には、例えば、現在月日、現在時刻、潜水月日、予定水深、現在水深、最大水深、水深ランク、潜水時間、潜水開始時刻、潜水終了時刻、体内不活性ガス排出時間、潜水安全率、無減圧潜水可能時間、水面休止時間、温度、電源容量切れ警告、高度ランク(ダイバーが位置する地点の高度)、不活性ガスの吸収・排出傾向、浮上速度違反警告、減圧潜水警告等の各種情報が表示されるようになっている。
【0020】
(2)ダイブコンピュータ1の電気的構成
次に、図2のブロック図を参照しながら、ダイブコンピュータ1の電気的構成について説明する。
図2に示すように、ダイブコンピュータ1は、大別すると、各種操作を行うための操作部5、各種情報を表示する表示部10、潜水動作監視スイッチ30、ブザーなどのアラーム音によりダイバーに報知を行う報音装置37、振動によりダイバーに報知を行う振動発生装置38、ダイブコンピュータ1全体の制御を行う制御部50、気圧あるいは水圧を計測するための水深計測部61、および各種計時処理を行う計時部68を備えて構成されている。
【0021】
表示部10は、各種の情報を表示するための液晶パネル11および液晶パネル11を駆動するための液晶ドライバ12を備えている。
制御部50には、操作部5、潜水動作監視スイッチ30、報音装置37および振動発生装置38が接続されている。この制御部50は、装置全体の制御を行うCPU51と、CPU51の制御下で各動作モードに対応した表示を液晶パネル11に行わせるため液晶ドライバ12を制御するとともに時刻用カウンタ33における各動作モードにおける処理を行う制御回路52と、制御用プログラムおよび制御用データを格納したROM53と、各種データを一時的に格納するRAM54とを備えている。CPU51は、ROM53に格納されている制御プログラム及び制御データを読み出して、これにより後述する各種動作モードにおける処理を実行する。
【0022】
また、ROM53は、身体区画エリア53aと、計算対象身体区画エリア53bとを備えている。
身体区画エリア53aには、図8に示すように、身体区画毎の窒素の半飽和時間HTN2、ヘリウムの半飽和時間HThe、及び許容過飽和不活性ガス分圧M0がそれぞれ記憶されている。詳細については後述する。なお、COMPnとは身体区画のことであり、nをその身体区画の番号とする。
計算対象身体区画エリア53bには、計算対象身体区画数と、それに対応付けられた複数の身体区画に組合せが記憶されている。本実施形態では、図7に示すように、計算対象身体区画数=7に対して、計算対象の身体区画=COMP1、COMP2,COMP4、COMP6,COMP8,COMP11,COMP15(合計7区画)が対応付けられて記憶されており、計算対象身体区画数=9に対して、計算対象の身体区画=COMP1、COMP2,COMP4、COMP6,COMP8,COMP11,COMP13,COMP14、COMP15(合計9区画)が対応付けられて記憶されており、計算対象身体区画数=16に対して、計算対象の身体区画=COMP1〜COMP16(合計16区画)が対応付けられて記憶されている。
【0023】
このように予め記憶される身体区画は、より安全性を考慮したものが優先して組み合わされている。なお、組合せに際しては、上述のものに限らず、例えば、COMP1は、急激な浮上を伴うダイビングを行う場合に考慮されるのが望ましく、COMP2〜9は、通常のダイビングを行う場合に考慮されるのが望ましく、COMP10〜16は、1日に数多く潜水する場合や、長時間潜水する場合、あるいは幾日にも渡って潜水する場合や、かなり深く潜水する場合などに考慮されるのが望ましい。尚、身体区画については、後述する「(3)本実施形態における計算対象について」において詳細に説明する。
このように、身体区画を16個の区画から適宜選択すれば、様々なダイビングスタイルに対応することができる。
【0024】
RAM54は、設定身体区画数エリア54aと、呼吸比率エリア54bとを備えている。
設定身体区画数エリア54aには、CPU51にて設定された計算対象の身体区画数が記憶される。
呼吸比率エリア54bには、操作部5にて設定された酸素比率FO2と、ヘリウム比率FHeとが記憶される。
【0025】
水深計測部61は、半導体圧力センサにより構成される圧力センサ34と、この圧力センサ34の出力信号を増幅するための増幅回路35と、増幅回路35の出力信号のアナログ/ディジタル変換を行い、制御部50に出力するA/D変換回路36とを備えている。これにより、ダイバーが水中で受ける圧力を計測し、計測された圧力が水深に対応する。
【0026】
計時部68は、所定の周波数を有するクロック信号を出力する発振回路31と、この発振回路31からのクロック信号の分周を行う分周回路32と、分周回路32の出力信号に基づいて1秒単位での計時処理を行う時刻用カウンタ33とを備えている。CPU51は、時刻用カウンタ33のカウンタ値に基づいて時刻の計測や、ダイバーが潜水を開始してからの潜水時間の計測を行う。
【0027】
(3)本実施形態における計算対象について
ここで、本実施形態における計算対象の身体区画の半飽和時間と許容過飽和不活性ガス分圧について説明する。
体内組織には、不活性ガスの吸収、排出が速い組織と遅い組織があるが、ある体内組織が新しい圧力で飽和される速度は、主に不活性ガスの体内組織への溶け易さと、血流の速さによって定まる。例えば、脂肪組織は、血流の流れが少ないため、飽和するのに長い時間がかかる。一方、脳は血流が良く、その結果速く飽和する。すなわち、血液、脳等が飽和が速い組織であり、骨髄、軟骨、脂肪組織等が遅い組織である。これらの体内組織の違いを表す指標として、半飽和時間と許容過飽和不活性ガス分圧がある。例えば、A.A.Buhlmann著の「Decompression-Decompression Sickness」では、体内組織を16種類の身体区画に区分することが提案されている。但し、この身体区画は、体内で起こっていることを数学的に近似したものに過ぎない。
図8は、16区画に分類された身体区画毎の、不活性ガス分圧である窒素の半飽和時間HTN2及びヘリウムの半飽和時間HTHe、許容過飽和不活性ガス分圧M0の一覧表であり、不活性ガスの半飽和時間が小さいものから「1」〜「16」の身体区画番号を付したCOMPnに分類される。
図8より、窒素の半飽和時間HTN2及びヘリウムの半飽和時間HTHeが増加するほど、許容過飽和不活性ガス分圧M0は減少しており、半飽和時間HTN2及びHTHeが短い身体区画ほど許容過飽和不活性ガス分圧M0が大きいことが分かる。これら図8の値は、上述の通り、ダイブコンピュータ1のROM53の身体区画エリア53aに記憶されている。
【0028】
(4)体内不活性ガス分圧の計算方法
体内不活性ガス分圧の計算方法について説明する。本実施形態において行われる体内不活性ガス分圧の計算方法については、例えばKEN LOYST et al.著の「DIVE COMPUTERS A CONSUMER'S GUIDE TO HISTORY, THEORY & PERFORMANCE」Watersport Publishing Inc.(1991)や、A.A.Buhlmann著の「Decompression-Decompression Sickness」(特に第14頁)、Springer,Berlin(1984)に記載されている。なお、ここで示す体内不活性ガス分圧の計算方法はあくまで一例であり、この他にも各種の方法を用いることができる。
【0029】
まず、ダイバーの呼吸気の不活性ガス分圧を算出する。
時刻tに対応する水深d(t)と、呼吸気比率エリア54bに記憶された酸素比率FO2と、ヘリウム比率FHeとに基づいて、ダイバーが呼吸している呼吸気中の不活性ガス分圧について、それぞれ呼吸気窒素分圧PIN2(t)、呼吸気ヘリウム分圧PIHe(t)を計算し、出力する。
【0030】
ここで、呼吸気窒素分圧PIN2(t)、呼吸気ヘリウム分圧PIHe(t)は、次式により算出される。
PIN2(t)=(1−FO2―FHe)×{10+d(t)}[msw]・・・▲1▼
PIHe(t)=FHe×{10+d(t)}[msw]・・・▲2▼
【0031】
なお、不活性ガス分圧の単位「msw」は、標高0mにおける大気圧を10「msw」としたものである。従って、潜水水域の高度が標高0mの場合は、▲1▼式をそのまま用いることができるが、例えば、標高800mとか1600mといった高所での潜水においては、▲1▼式中の「10」の値は、より小さい値となる。また、時刻0や時刻tなどの時間の計測は、図2に示した計時部68によって管理されている。
【0032】
ここで、ダイバーが用いる呼吸について説明する。一般に、空気中においては窒素と酸素がおおよそ0.79:0.21という体積比率で構成されていることが知られている。従って、タンクに空気を充填して使用する場合には酸素比率FO2=0.21となる。また、いわゆるナイトロックスとは、空気よりも酸素比率を大きくした気体であり、一般に、窒素と酸素がおおよそ0.68:0.32或いは0.64:0.36という体積比率となっている。また、いわゆるトライミックスとは、窒素と酸素の他にヘリウムを混合した気体であり、例えば、窒素:酸素:ヘリウム=0.34:0.16:0.50という体積比率となっている。
【0033】
なお、▲1▼式における(1−FO2―FHe)は、呼吸気中に占める窒素の割合を示す数値である。
例えば、呼吸気が空気である場合、呼吸気比率エリア54bに酸素比率FO2は0.21(21%)、ヘリウム比率FHeは0(0%)と記憶されているはずであるから、
1−FO2―FHe=1−0.21=0.79
となる。
また例えば、呼吸気にトライミックスを用いた場合、呼吸気比率エリア54bに酸素比率FO2が0.16(16%)、ヘリウム比率FHeが0.50(50%)と記憶されてれば、
1−FO2―FHe=1−0.16−0.50=0.34
となる。
【0034】
次に、不活性ガスの吸収/排出の速度が異なる身体区画毎にそれぞれ、ダイバーの体内に蓄積される体内不活性ガス分圧を計算することとなる。まず、窒素とヘリウムの各々について、体内における窒素分圧(以下、体内窒素分圧)とヘリウム分圧(以下、体内ヘリウム分圧)を求める。次いで、これらの体内窒素分圧と体内ヘリウム分圧を足して、最終的に求めるべき体内不活性ガス分圧を算出するようになっている。このように呼吸気中に2種類以上の不活性ガスが混合されている場合、まず、各々の不活性ガスに着目して計算した後、その計算結果を合計して不活性ガス全体についての数値を算出する。
【0035】
各々の身体区画については、身体区画番号をnとし、まず、体内窒素分圧を求めると、潜水時間t=0〜tまでに吸収/排出する体内窒素分圧PGTN2n(t)は、計算開始時(t=0時)の体内窒素分圧PGTN2n(0)として、次式によって計算される。
PGTN2n(t)=PGTN2n(0)+{PIN2(0)−PGTN2n(0)}×{1−exp(−Kt/HTN2n)}・・・▲3▼
【0036】
なお、Kは実験的に求められる定数であり、HTN2nは上述した半飽和時間のうち、窒素に関するものであり、図8に示されるように、各身体区画によって異なる数値である。この半飽和時間HTnは、後述するように、PGTN2n(0)とPIN2(0)の大小に応じて可変となる。これは、PGT(0)とPIN2(0)の大小に応じて、不活性ガスが排出傾向にあるか吸収傾向にあるかということが定まるが、不活性ガスの排出と吸収とでは半飽和時間が異なるからである。
【0037】
ここで、ダイブコンピュータ1のCPU51は、設定身体区画数エリア54aに記憶された身体区画数に基づいて、計算対象身体区画エリア53bを参照し、そこに記憶された計算対象身体区画数に対応付けられた身体区画について計算を行う。
例えば、設定身体区画数エリア54aに記憶された身体区画数が7である場合、CPU51は、計算対象身体区画エリア53bに記憶された計算対象身体区画数=7に対応付けられた身体区画を参照する。本実施形態では、上述の通り、その身体区画はCOMP1、COMP2,COMP4、COMP6,COMP8,COMP11,COMP15であるから、n=1,2,4,6,8,11,15について、CPU51は計算を行う。
設定身体区画数エリア54aに記憶された身体区画数が9である場合、CPU51は、計算対象身体区画エリア53bに記憶された計算対象身体区画数=9に対応付けられた身体区画を参照する。本実施形態では、上述の通り、これに対応付けられた身体区画は、COMP1、COMP2,COMP4、COMP6,COMP8,COMP11,COMP13,COMP14、COMP15であるから、n=1,2,4,6,8,11,13、14、15について、CPU51は計算を行う。
設定身体区画数エリア54aに記憶された身体区画数が16である場合、CPU51は、計算対象身体区画エリア53bに記憶された計算対象身体区画数=16に対応付けられた身体区画を参照する。本実施形態では、上述の通り、これに対応付けられた身体区画は、COMP1〜COMP16であるから、n=1〜16について、CPU51は計算を行う。
【0038】
また、潜水時間t=0〜tまでに吸収/排出する体内ヘリウム分圧PGTHen(t)は、計算開始時(t=0時)の体内窒素分圧PGTHen(0)として、▲3▼式と同様に、以下の式で算出される。
Figure 0003644436
【0039】
HTHenは、上述した半飽和時間のうち、ヘリウムに関するものであり、図8に示されるように、各身体区画によって異なる数値である。以下、上述の窒素の場合と同様に、CPU51は、設定身体区画数エリア54aに記憶された身体区画数に基づいて、計算対象身体区画エリア53bを参照し、そこに記憶された計算対象身体区画数に対応付けられた身体区画について計算を行う。
【0040】
そして、▲3▼、▲4▼式で求められた所定の身体区画毎の体内窒素分圧PGTN2n(t)及び体内ヘリウム分圧PGTHen(t)を足して、所定の身体区画毎の体内不活性ガス分圧PGTn(t)を求める。
PGTn(t)=PGTN2n(t)+PGTHen(t)・・・▲5▼
【0041】
次に、無減圧潜水可能時間(Non Decompression Limit:以下NDLという)を算出する方法について説明する。
無減圧潜水可能時間は、上述のように計算された▲5▼式におけるPGTn(t)が、図8に示されるような身体区画毎の許容過飽和不活性ガス量Mon(msw)となる場合の時間tを求めることによって算出される。即ち、PGTn(t)=Monとなるときのtを求めれば良い。
ここで、本発明の一実施形態におけるダイブコンピュータ1では、上述の体内不活性ガス分圧の計算と同様に、CPU51は、設定身体区画数エリア54aに記憶された身体区画数に基づいて、計算対象身体区画エリア53bを参照し、そこに記憶された計算対象身体区画数に対応付けられた身体区画について計算を行う。
これにより、所定の各身体区画における無減圧潜水可能時間が全て算出され、その中でもっとも小さい値が、求めるべき無減圧潜水可能時間となる。
【0042】
次に、水面浮上後において体内不活性ガスが排出されるまでの体内不活性ガス排出時間の算出方法について説明する。
この体内不活性ガス排出時間を算出するには、上述した▲3▼、▲4▼式において、窒素、ヘリウムついて身体区画毎に、それぞれPGTN2n(t)=0、PGTHen(t)=0となる時間tを求めればよい。しかしながら、上述ような指数関数では、時間tが無限大にならなければ、PGTN2n(t)=0、PGTHen(t)=0とならないため、便宜的に下式を用いて、窒素、ヘリウムについてそれぞれ、身体区画毎の体内不活性ガス排出時間を算出する。まず、窒素について、身体区画毎の体内不活性ガス排出時間tZN2nを算出する。
tZN2n=−HTN2n×ln(1−f)/K・・・▲6▼
ただし、
f=(PdeNEn−PGTN2n)/(PBsN2−PGTN2n
である。
【0043】
ここで、HTN2nは上述した身体区画毎の窒素における半飽和時間であり、既知の値である。PBsN2は、大気中の呼吸気窒素分圧であり、標高0mの場合には、▲1▼式より0.79×10(msw)である。PdeNEnは、PBsN2に比べて各身体区画において残留窒素が十分に排出したとみなすことができる窒素分圧であり、これはPBsN2によって変化する。またこれは既知の値である。また、PGTN2nは、ダイビング終了時の身体区画毎の体内窒素分圧である。
【0044】
次に、ヘリウムについて、▲6▼式と同様に、身体区画毎の体内不活性ガス排出時間tZHenを算出する。
tZHen=−HTHen×ln(1−f´)/K・・・▲7▼
ただし、
f´=(PdeHen−PGTHen)/(PBsHe−PGTHen
となる。
【0045】
ここで、HTHenは上述した身体区画毎のヘリウムにおける半飽和時間であり、既知の値である。PBsHeは、水面における(即ち大気中)の呼吸気ヘリウム分圧であり、0である。PdeHenは、PBsHeに比べて各身体区画において残留ヘリウムが完全に排出したとみなすことができるヘリウム分圧であり、既知の値である。また、PGTHenは、ダイビング終了時の身体区画毎の体内ヘリウム分圧である。
【0046】
ここで、ダイブコンピュータ1では、上述▲6▼、▲7▼式において、上述の体内不活性ガス分圧の計算と同様に、CPU51は、設定身体区画数エリア54aに記憶された身体区画数に基づいて、計算対象身体区画エリア53bを参照し、そこに記憶された計算対象身体区画数に対応付けられた身体区画について計算を行う。
このようにして窒素、ヘリウムそれぞれについて、所定の身体区画毎にtZN2n、tZHenを算出し、その中でもっとも大きい値が体内不活性ガス排出時間となる。
以上が各種理論値の計算方法である。
【0047】
上述のように算出された無減圧潜水可能時間は、例えば図5に示されるようなダイビングモードにおいて、現在水深501、潜水時間502、最大水深503、体内窒素グラフ203とともに、符号302のように表示される。また、上述のように計算された身体区画毎に、無減圧潜水可能時間を表示するようにしても良い。
また、体内不活性ガス排出時間は、例えば図6に示されるようなサーフェースモードにおいて、現在月日100、現在時刻101、高度ランク102、水面休止時間202、体内不活性ガス量グラフ203とともに、符号201のように表示される。また、上述のように計算された身体区画毎に、体内不活性ガス排出時間を表示するようにしても良い。
また、不活性ガス量は、図5、6に示される符号203のようにグラフ表示される。尚、この不活性ガス量グラフは、許容過飽和不活性ガス分圧M0に対する現在の不活性ガス量の割合を、9段階で表している。例えば図5,6においては、4つの棒が点灯しており、許容過飽和不活性ガス分圧M0の9に対して、現在の不活性ガス量の割合が4であることを示している。
また、上述のように計算された身体区画毎に、各不活性ガス量を表示するようにしても良い。
【0048】
(5)ダイブコンピュータ1の機能構成
図3は、ダイブコンピュータ1において、上述の不活性ガス量を計算する機能についてブロック化した図である。1点鎖線の中に示した部分が上述の機能を示している。
図3に示す体内不活性ガス量算出機能60、体内不活性ガス排出時間算出機能69、無減圧潜水可能時間算出機能70は、図2に示したROM53に記憶されている実行されるソフトウェアをCPU51が実行することによって実現される。
【0049】
体内不活性ガス量算出機能60は、ダイバーがダイビングを行うことによってそのダイバーの体内に蓄積される窒素やヘリウムなどの不活性ガスの分圧(以下、体内不活性ガス分圧と呼ぶ)を算出する。不活性ガスの分圧算出の際には、身体区画エリア53a、計算対象身体区画エリア53b、設定身体区画数エリア54a、呼吸気比率エリア54bに記憶される値を参照する。
体内不活性ガス排出時間算出機能69は、体内不活性ガス量算出機能60によって求められた体内不活性ガス分圧に基づいて、上述ダイバーの体内に残留した不活性ガスが水面浮上後に排出されるまでの時間(以下、体内不活性ガス排出時間と呼ぶ)を算出する。体内不活性ガス排出時間算出の際には、身体区画エリア53a、計算対象身体区画エリア53b、設定身体区画数エリア54aに記憶される値を参照する。
無減圧潜水可能時間算出機能70は、体内不活性ガス量算出機能60によって算出された体内不活性ガス分圧に基づいて、前記ダイバーによって無減圧潜水が可能な時間(以下、無減圧潜水可能時間と呼ぶ)を算出する。無減圧潜水可能時間の際には、身体区画エリア53a、計算対象身体区画エリア53b、設定身体区画数エリア54aに記憶される値を参照する。
以上が、本実施形態に係るダイブコンピュータ1の機能的な構成である。
【0050】
(6)動作
次に、前記構成からなるダイブコンピュータ1の動作について説明する。
ダイブコンピュータ1の動作モードには、時刻モード、サーフェスモード、プランニングモード、設定モード、ダイビングモード、ログモード、ダイビング条件設定モードなどがある。以下、各動作モードについて、液晶パネル11の表示領域のうち、表示領域11Aに表示される項目と共に簡単に説明する。なお、これらの各種動作モードにおける処理は、上述したように制御部50によって実行され、CPU51にてスイッチA、スイッチBが所定の順番で、所定の回数押されたことが検知されると、所定のモードへと移行する。
【0051】
時刻モードは、陸上で携帯するときのモードであり、現在月日、現在時刻、高度ランクを表示する。
サーフェスモードは、前回のダイビングから48時間経過するまでの間に、ダイブコンピュータ1を陸上で携帯するときに使用されるモードであり、時刻モードで表示される現在月日、現在時刻および高度ランク、水面休止時間、体内不活性ガス量グラフの他に、表示領域113に後述する体内不活性ガス排出時間201をカウントダウン表示する。
プランニングモードは、次に行うダイビングの水深を入力し、その水深での無減圧潜水可能時間を、ダイビング前に確認することが可能な動作モードである。
設定モードは、現在月日や現在時刻の設定の他に、警告アラームのオン/オフ設定、セーフティレベルの設定を行うための動作モードである。
ダイビングモードは、ダイビングに必要な情報として、無減圧潜水時には、現在水深、潜水時間、最大水深、体内不活性ガス量グラフ、高度ランクなどを表示するほか、無減圧潜水可能時間を表示領域114に表示する。また、減圧潜水時には、その旨のアラームオンでダイバーに告知すると共に、現在水深、潜水時間、体内不活性グラフ、高度ランク、減圧停止深度、減圧停止時間、総浮上時間を表示する。
ログモードは、ダイビングモードに入った状態で水深1.5mよりも深くに3分以上潜水したときの各種データを記憶、表示する機能である。
【0052】
次に、ダイビング条件設定モードについて詳細に説明する。ダイビング条件設定モードは、ダイバーが用いる呼吸気の酸素比率、ヘリウム比率を設定し、計算対象となる身体区画数を設定するための動作モードである。
ダイバーが、時刻モードにおいてスイッチAを押すと、CPU51がこれを検知してプランニングモードへ移行させる。そして、プランニングモードにおいてスイッチA及びBの同時押しが検知されると、CPU51は動作モードを条件設定モードに移行させる。
ダイビング条件設定モードに移行すると、図4(A)、(B)に示すように、CPU51は、設定対象項目名を表示領域114aに表示し、設定数値を表示領域114に表示する。そして、スイッチAの押下を検知する度に、表示領域114aに表示する設定対象項目名を、酸素比率(O2)、ヘリウム比率(He)、計算対象身体区画数(COMP)の順に切り替え、表示領域114に表示される設定対象の数値を点滅させる。このとき、CPU51は、スイッチBの押下を検知すると、設定対象の数値を変更し、スイッチBの持続的な押下を検知すると、設定対象の数値を素早く変更する。
【0053】
なお、酸素比率の設定数値は、0〜99(%)の範囲で数値が変わり、99(%)の次は0(%)に変わるよう制御される。そして、設定数値が決定されると、CPU51は、呼吸気比率エリア54bに酸素比率FO2として実効数値(100%を1としたときの数値)を記憶させる。
また、ヘリウム比率の設定数値については、CPU51は、呼吸気比率エリア54bに記憶されている酸素比率FO2の値に基づいて、0(%)から(1―FO2)×100(%)の範囲で、数値が変わるように制御する。そして、設定数値が決定されると、CPU51は、呼吸気比率エリア54bにヘリウム比率FHeとして実効数値(100%を1としたときの数値)を記憶させる。
なお、本実施形態において、酸素比率を設定するのは、不活性ガス比率を求めるためである。
【0054】
計算対象身体区画数の設定数値は、7、9、16の順に切り替わり、16の次は7となるよう制御される。そして、設定数値が決定されると、設定身体区画数エリア54aに、選択された計算対象身体区画数が記憶される。しかし、設定された酸素比率が21(%)ではない場合やヘリウム比率が0(%)ではない場合、CPU51は、強制的に、設定身体区画数エリア54aに計算対象身体区画数=16を記憶させる。この場合、上述の計算対象身体区画数の設定動作において、設定数値は16に自動的に変わり、ダイバーは7や9の数値を設定することができず、計算対象身体区画数=16が記憶される。なお、再度酸素比率又はヘリウム比率の設定が行われ、CPU51が、呼吸気比率エリア54bに記憶される酸素比率が21(%)且つヘリウム比率が0(%)となったことを検知した場合には、上述の通り設定が可能となり、操作部5によって決定された設定数値を設定身体区画数エリア54aにそのまま記憶させる。
【0055】
例えば、大気中の空気と同じ呼吸気を用いてダイビングを行う場合、図4(A)に示されるように、酸素比率を21(%)とし、次にヘリウム比率を0(%)とし、次に計算対象身体区画数を7として設定が行われる。すると、CPU51は、呼吸気比率エリア54bに、酸素比率FO2=0.21と、ヘリウム比率FHe=0とを各々記憶する。そして、計算対象身体区画数が7に設定されると、CPU51は、設定身体区画数エリア54aに‘7’を記憶させる。
【0056】
また例えば、呼吸気にトライミックスを使用する場合、図4(B)に示されるように、酸素比率を16(%)とし、次にヘリウム比率を50(%)として設定が行われる。するとCPU51は、呼吸気比率エリア54bに、酸素比率FO2=0.16と、ヘリウム比率FHe=0.50とを記憶させる。そして、強制的に、設定身体区画数エリア54aに‘16’を記憶させる。
【0057】
上述したような実施形態では、ダイバーは操作部5において簡単に、計算対象となる身体区画を設定できたり、潜水時の呼吸気比率を設定できる。これにより、ダイバーは、様々なダイビングパターンや、ダイバーのレベル、目的、状態等に応じた、より有効な情報を得ることができる。即ち、ダイバーは、長時間あるいは多くの回数潜水する場合等には、16区画全てを考慮に入れて計算された情報によって、より安全で確実な情報を得ることができる。また、あまり長く潜水しない一般的なダイビングを行う場合には、不必要に半飽和時間の長い身体区画による、過度の安全情報に混乱し、使いにくくなるといった問題を防ぐことができる。
【0058】
また、酸素比率が空気中の酸素比率と異なる値に設定された場合には、強制的に16区画全てについての不活性ガスの計算や、安全情報の生成が行われるので、誤って、それより少ない数の身体区画を用いて行われた計算や情報生成によって、安全性の低い情報提示を行うことを回避することができる。
【0059】
(7)ROM53に記憶されたプログラム
本実施形態では、上述した各種動作を行うためのプログラムが予めROM53に記憶されていた。ただし、これに限らず、図示せぬパーソナルコンピュータとダイブコンピュータ1を通信接続し、このパーソナルコンピュータからダイブコンピュータ1に上述プログラムをダウンロードするような形態であってもよい。この場合、ダイブコンピュータ1内の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示略)にプログラムが記憶されることになる。そして、CPU51は、この不揮発性メモリからプログラムを読み出して、これを実行すればよい。
【0060】
以上この発明の一実施形態について説明したが、上述実施形態はあくまでも例示であり、上述実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。
例えば、上述の実施形態のダイバーの体内に蓄積される不活性ガス量を計算する機能はこれに限らず、ハードウェアである論理回路のみ、あるいは、論理回路とCPUを含む処理回路とソフトウェアとを組み合わせることで実現することも可能である。
また、計算対象身体区画数は上述の通りでなくても良く、更にそれに対応付けられた身体区画も上述の通りでなくても良い。
【0061】
更に計算対象となる身体区画そのものを、ダイバーが操作部を操作し選択設定できるようにしても良い。この場合、CPUは、選択設定された身体区画を、計算対象の身体区画としてRAM等に一時記憶し、各種計算時に、RAMに記憶された計算対象の身体区画を参照して計算を行うようにすれば良い。なお、この身体区画の設定に際しては、実施形態において述べたように、より安全性を考慮したものが優先して組み合わされることが望ましい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、身体区画を設定することができるので、より適切な身体区画について不活性ガス量の算出を行うことができ、更にそれに基づく安全情報の生成・出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るダイブコンピュータを正面から見た場合の外観構成を示す模式図である。
【図2】 同実施形態に係るダイブコンピュータの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】 同実施形態に係るダイブコンピュータの機能構成を示すブロック図である。
【図4】 同実施形態における呼吸気比率、計算対象身体区画数を設定する動作の説明図である。
【図5】 同実施形態における安全情報の表示例を説明するためのイメージ図である。
【図6】 同実施形態における安全情報の表示例を説明するためのイメージ図である。
【図7】 同実施形態における計算対象身体区画数に対応する計算対象の身体区画を示す図である。
【図8】 同実施形態における身体区画毎の窒素の半飽和時間、ヘリウムの半飽和時間、許容過飽和不活性ガス分圧を示した一覧図である。
【符号の説明】
1・・・ダイブコンピュータ(ダイバーズ用情報処理装置)、5・・・操作部、10・・・表示部、11・・・液晶パネル、12・・・液晶ドライバ、30・・・潜水動作監視スイッチ、31・・・発振回路、32・・・分周回路、33・・・時刻用カウンタ、34・・・圧力センサ、35・・・増幅回路、36・・・変換回路、37・・・報音装置、38・・・振動発生装置、50・・・制御部、51・・・CPU、52・・・制御回路、53・・・ROM、53a・・・身体区画エリア、53b・・・計算対象身体区画エリア、54・・・RAM、54a・・・設定身体区画数エリア、54b・・・呼吸気比率エリア、60・・・体内不活性ガス量算出機能、61・・・水深計測部、68・・・計時部、69・・・体内不活性ガス排出時間算出機能、70・・・無減圧潜水可能時間算出機能。

Claims (7)

  1. 操作子と、
    前記操作子に対して行われた操作に基づいて、身体区画数を設定する身体区画数設定手段と、
    前記身体区画数設定手段により設定された身体区画数に基づいて、複数の身体区画を特定する身体区画設定手段と、
    前記身体区画設定手段により特定された各身体区画に蓄積される不活性ガス量を計算する不活性ガス量算出手段と、
    前記不活性ガス量算出手段により算出された不活性ガス量に基づいて潜水の安全性に関する安全情報を生成する安全情報生成手段と、
    前記安全情報生成手段により生成された安全情報を出力する出力手段と
    を備えることを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  2. 請求項1において、ダイバーが潜水の際用いる呼吸気の不活性ガスの比率を設定する呼吸気比率設定手段を備え、前記不活性ガス量算出手段は、前記呼吸気比率手段によって設定された不活性ガスの比率が予め定められた範囲であることを検知すると、前記身体区画設定手段の設定に関わらず、予め定められた所定の身体区画について不活性ガス量を計算することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  3. 請求項2において、前記不活性ガス量算出手段における前記予め定められた範囲は、空気中とは異なる不活性ガスの比率の範囲であり、前記不活性ガス量算出手段は、前記呼吸気比率手段によって設定された不活性ガスの比率が、空気中とは異なる不活性ガスの比率の範囲であることを検知すると、計算対象となる最大数の身体区画について、不活性ガス量を計算することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  4. 請求項1乃至請求項3において、前記身体区画設定手段は、身体区画数と、前記身体区画数に対応付けられた複数の身体区画の組合せとを記憶する身体区画記憶手段を備えることを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  5. 操作子に対して行われた操作に基づいて、身体区画数を設定する身体区画数設定ステップと、
    前記身体区画数設定ステップにより設定された身体区画数に基づいて、複数の身体区画を特定する身体区画設定ステップと、
    前記身体区画設定ステップにより特定された各身体区画に蓄積される不活性ガス量を計算する不活性ガス量算出ステップと、
    前記不活性ガス量算出ステップにより算出された不活性ガス量に基づいて潜水の安全性に関する安全情報を生成する安全情報生成ステップと、
    前記安全情報生成手段により生成された安全情報を出力する出力ステップと
    を備えることを特徴とするダイバーズ用情報処理方法。
  6. 操作子に対して行われた操作に基づいて、身体区画数を設定する身体区画数設定手段と、
    前記身体区画数設定手段により設定された身体区画数に基づいて、複数の身体区画を特定する身体区画設定手段と、
    前記身体区画設定手段により特定された各身体区画に蓄積される不活性ガス量を計算する不活性ガス量算出手段と、
    前記不活性ガス量算出手段により算出された不活性ガス量に基づいて潜水の安全性に関する安全情報を生成する安全情報生成手段と、
    前記安全情報生成手段により生成された安全情報を出力する出力手段
    としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  7. 請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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