JP3520394B2 - ダイバーズ用情報処理装置 - Google Patents

ダイバーズ用情報処理装置

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JP3520394B2
JP3520394B2 JP12456897A JP12456897A JP3520394B2 JP 3520394 B2 JP3520394 B2 JP 3520394B2 JP 12456897 A JP12456897 A JP 12456897A JP 12456897 A JP12456897 A JP 12456897A JP 3520394 B2 JP3520394 B2 JP 3520394B2
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63CLAUNCHING, HAULING-OUT, OR DRY-DOCKING OF VESSELS; LIFE-SAVING IN WATER; EQUIPMENT FOR DWELLING OR WORKING UNDER WATER; MEANS FOR SALVAGING OR SEARCHING FOR UNDERWATER OBJECTS
    • B63C11/00Equipment for dwelling or working underwater; Means for searching for underwater objects
    • B63C11/02Divers' equipment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63CLAUNCHING, HAULING-OUT, OR DRY-DOCKING OF VESSELS; LIFE-SAVING IN WATER; EQUIPMENT FOR DWELLING OR WORKING UNDER WATER; MEANS FOR SALVAGING OR SEARCHING FOR UNDERWATER OBJECTS
    • B63C11/00Equipment for dwelling or working underwater; Means for searching for underwater objects
    • B63C11/02Divers' equipment
    • B63C2011/021Diving computers, i.e. portable computers specially adapted for divers, e.g. wrist worn, watertight electronic devices for detecting or calculating scuba diving parameters

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  • Electric Clocks (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイブコンピュー
タとも称せられるダイバーズ用情報処理装置に関するも
のである。さらに詳しくは、このような情報処理装置に
おける潜水情報の記録技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるダイブコンピュータと称せられ
るダイバーズ用情報処理装置において行われる潜水後の
減圧条件の計算方法については、KEN LOYST et al. 著
の「DIVE COMPUTERS A CONSUMER'S GUIDE TO HISTORY、
THEORY & PERFORMANCE' 」Watersport Publishing Inc.
(1991)に詳細に述べられている。また、理論についての
文献としては、A.A.Buhlmann著の「Decompression-Deco
mpression Sickness」、Springer、Berlin(1984)に詳し
い。これらいずれの文献にも、ダイビングにより体内に
溶け込んだ吸気中の窒素などの不活性ガスは体内で気泡
となって減圧症を招くおそれがあることを示唆してい
る。ここで、減圧症をより確実に防ぐという観点から
は、A.A.Buhlmann著の「Decompression-Decompression
Sickness」、Springer、Berlin(1984)、 pp.14に記載の
下式に基づく計算も検討されている。
【0003】
【数1】
【0004】この式において、PIigは呼吸気の不活
性ガス分圧であり、kは半飽和時間によって決定される
定数である。
【0005】この式によると、Pigt(t)<P
Iigのとき、体内不活性ガス分圧Pigt(t)は
増加、すなわち不活性ガスを吸収し、Pigt
(t)>PIigのとき、体内不活性ガス分圧Pi
gt(t)は減少、すなわち不活性ガスを排出するこ
とになる。
【0006】すなわち、不活性ガスの体内への吸収/排
出は、浮上や潜降とは関係なく、体内不活性ガス分圧と
呼吸気の不活性ガスの大小関係によって決まる。従っ
て、ダイバーズ用情報処理装置において、この大小関係
から体内不活性ガス蓄積量を把握することにより、潜水
終了後、体内の不活性ガスの量が通常状態に戻るまでの
所要時間(体内不活性ガス排出時間)、または現状の体
内不活性ガス蓄積量から判断して、ある水深においてこ
れから無減圧潜水を行うことのできる時間(無減圧潜水
可能時間)を求め、それをダイバーに報知すれば、ダイ
バーは減圧症を起こすことのない条件で潜水を行うこと
ができる。
【0007】また、ダイバーズ用情報処理装置では、今
回行ったダイビングの潜水時間や最大水深などの潜水情
報を後で再生できると便利であることから、潜水情報を
1回のダイビング毎にRAMなどにログデータとして記
録しておけるように構成されている。但し、ダイビング
が終了する度にダイバー自身がスイッチ操作を行い、潜
水情報をログデータとして記録する方法では不便であ
る。そこで、従来のダイバーズ用情報処理装置では、図
9(A)に示すように、潜水終了判定用水深値を予め設
定しておき、時刻T21において潜水終了判定用水深値
より浅い位置に浮上した時点をダイビング終了時と自動
的に判定し、ダイビング終了時までの潜水情報をダイビ
ング1回分のログデータとして自動的に記録するように
構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のダイバ
ーズ用情報処理装置のように、潜水終了判定用水深値よ
り浅い位置に浮上した時点をダイビング終了時と判定す
るだけの構成では、使い勝手がわるいという問題点があ
る。すなわち、実際のダイビングでは、図9(B)に示
すように、時刻T22において潜水終了判定用水深値よ
り浅い位置まで浮上した後、時刻T23において再び、
潜水終了判定用水深値より深い位置まで潜ることが多々
あるが、潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮上する
度にダイビング終了と判定すると、ダイバーとしては1
回のダイビングと思っていたのが、潜水情報(ログデー
タ)を再生してみると、時刻T22までのダイビング
と、時刻T23から時刻T24までの2回のダイビング
を行ったように潜水情報が分割されて再生され、不便で
ある。また、ダイバーズ用情報処理装置において記録で
きるログデータは、ダイビング数として何回分か限られ
ているのが一般的であるため、従来のように、潜水終了
判定用水深値より浅い位置に浮上する度に1回のダイビ
ングとして扱うと、すぐにメモリオーバーになってしま
うという不便さもある。
【0009】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
ダイビングの終了を適正に判断することにより、実情に
あった形態で潜水情報を記録、再生することのできるダ
イバーズ用情報処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、各種の情報を表示する表示部と、水深
を計測する水深計測手段と、時間経過を計測する計時手
段と、ダイビング中には前記表示部に水深等の潜水情報
を表示させるとともに、該潜水情報を一時記録部に記録
していき、1回のダイビングが終了したと判断する度に
前記一時記録部に記録されている潜水情報を潜水情報再
生用のログデータとしてログデータ記録部に記録してお
く制御手段とを有するダイバーズ用情報処理装置におい
て、前記制御手段は、前記水深計測手段の計測結果およ
び前記計時手段の計測結果に基づいて、ダイバーが潜水
開始判定用水深値より深い位置まで潜降した以降、ダイ
バーが潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮上してか
ら潜水終了判定用時間が経過する前に再度、前記潜水終
了判定用水深値より深い位置に潜水したときには1回の
ダイビングが継続しているものと判断し、前記潜水終了
判定用水深値より浅い位置に浮上したまま前記潜水終了
判定用時間が経過したときにダイビングが終了したと判
断し、今回のダイビングで最初に前記潜水開始判定用水
深値より深い位置に潜水した時点から前記潜水終了判定
用水深値より浅い位置に最後に浮上した時点までの前記
一時記録部に記録されている潜水情報をダイビング1回
分のログデータとして前記ログデータ記録部に記録する
と共に、ダイバーが前記潜水終了判定用水深値より浅い
位置に浮上してから前記潜水終了判定用時間が経過する
までの間も、ダイビング中に前記表示部で表示していた
潜水情報と同一内容の潜水情報を前記表示部に表示させ
続けるように構成されていることを特徴とする。
【0011】本発明では、潜水終了判定用水深値より浅
い位置に浮上し、かつ、このような浅い位置に浮上した
まま所定時間(潜水終了判定用時間)が経過したときを
ダイビング終了時と判定するため、潜水終了判定用水深
値より浅い位置まで浮上した後、再び深い位置まで潜っ
た場合でも1回のダイビングと扱われるので、誤って複
数のダイビングとして扱われることがない。それ故、潜
水情報が細切れに記録、再生されるということがないな
ど、実情にあった形態で潜水情報を記録、再生すること
ができる。また、ログデータをたとえば最大10回のダ
イビング分だけしか記録できない場合でも、メモリオー
バーが不要に発生しない。さらに、ログデータをたとえ
ば最大10回のダイビング分だけしか記録できず、それ
以上潜水した場合には古いデータから順に自動的に削除
するように構成した場合でも、重要なログデータが不用
意に更新、削除されることがない。しかも、ダイバーが
潜水開始判定用水深値より深い位置まで潜降したような
ダイビングについてのみ潜水情報をログデータとして記
録するため、素潜りのような浅いダイビングの潜水情報
が記録されてしまうことを防ぐことができる。さらにま
た、潜水終了判定用時間が経過したときまでの潜水情報
ではなく、あくまで潜水終了判定用水深値より浅い位置
に最後に浮上した時点までの潜水情報をログデータとし
て記録するので、潜水終了判定用時間が経過するまでの
無駄なデータが記録されない。
【0012】また、本発明では、ダイバーが前記潜水終
了判定用水深値より浅い位置に浮上してから前記潜水終
了判定用時間が経過するまでの間も、ダイビング中に前
記表示部で表示していた潜水情報と同一内容の潜水情報
を前記表示部に表示させ続けるので、1回のダイビング
中にダイバーが潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮
上してから再び深いところに潜水していく場合があって
も、ダイビングが継続しているものとして、そのダイビ
ングの潜水情報を表示させ続けることができる。
【0013】本発明において、前記制御手段は、ダイバ
ーが前記潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮上して
から前記潜水終了判定用時間が経過するまでの間は前記
一時記録部に記録されている潜水情報を前記表示部で表
示できるように構成されていることが好ましい。すなわ
ち、潜水情報がログデータとして確定するまで待たなく
ても、今回の潜水情報を再生、表示できれば便利であ
る。
【0014】本発明において、前記制御手段は、今回の
ダイビングで最初に前記潜水終了判定用水深値より深い
位置に潜水した時点から前記潜水終了判定用水深値より
浅い位置に最後に浮上した時点までの時間が潜水判定用
時間を越えたときのみ前記一時記録部に記録されていた
潜水情報をログデータとして前記ログデータ記録部に記
録しておくように構成されていることが好ましい。この
ように構成すると、素潜りのような短時間のダイビング
が記録されてしまうことを防ぐことができるので、メモ
リを節約できる。
【0015】本発明において、前記潜水開始判定用水深
値と前記潜水終了判定用水深値とを異なる水深値に設定
してもよいが、水深の浅いところまで浮上した後にすぐ
に再び深いところまで潜ったときの判定と、ダイビング
を開始したと最初に判定するときの基準を合わせるとい
う観点から、前記潜水開始判定用水深値と前記潜水終了
判定用水深値とを同一の水深値に設定しておくことが好
ましい。
【0016】本発明では、さらに、前記水深計測手段の
計測結果および前記計時手段の計測結果に基づいて浮上
時の浮上速度を計測する浮上速度計測手段と、該浮上速
度計測手段の計測結果と予め設定されている浮上速度上
限値とを比較して現在の浮上速度が前記浮上速度上限値
より速い場合には浮上速度違反との警告を行う浮上速度
違反警告手段とを有し、前記制御手段は、ダイビングが
終了する度に今回のダイビング中に浮上速度違反があっ
たか否かも前記ログデータ記録部にログデータとして記
録しておくように構成されていることが好ましい。
【0017】この場合に、前記制御手段は、今回のダイ
ビング中に前記浮上速度違反警告が複数回、連続して発
せられたときにのみ、浮上速度違反があった旨を前記ロ
グデータ記録部にログデータとして記録しておくように
構成されていることが好ましい。ダイバーが腕を動かし
たことに起因して浮上速度が高めに計測されたために浮
上速度違反となったような場合には、浮上速度違反があ
ったとログデータとして記録したくないからである。
【0018】本発明において、前記制御手段は、前記計
時手段の計測結果に基づいて、ダイビングを休止してい
る間の経過時間を前記表示部に表示させるように構成さ
れ、飛行機に搭乗するまでの時間などを24時間、さら
には48時間と十分に確保するのに役立つように構成さ
れていることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の最
適な形態を説明する。
【0020】[全体構成]図1(A)、(B)はそれぞ
れ、本形態のダイバーズ用情報処理装置の装置本体およ
び腕バンドの一部を示す平面図、および6時の方から装
置本体をみたときの側面図である。図2はそのブロック
図である。
【0021】図1において、本形態のダイバーズ用情報
処理装置1は、いわゆるダイブコンピュータとも称せら
れるものであり、潜水中に体内に蓄積される窒素量(体
内窒素分圧)を計測し、この計測結果から、潜水後に陸
上でとるべき休止時間などを表示するものである。この
ダイバーズ用情報処理装置1は、矩形の装置本体2に対
して、腕時計における6時の側および12時の側に腕バ
ンド3、4がそれぞれ連結され、これらの腕バンド3、
4によって腕時計と同様、腕に装着して使用することが
できる。装置本体2は、上ケース21と下ケース22と
が完全水密状態でビス止めなどの方法で固定され、その
内部には各種の電子部品などが搭載された基板(図示せ
ず。)が収納されている。この装置全体の電源は、装置
本体2に内蔵のボタン型の電池(図示せず。)である。
【0022】装置本体2の上面側には、液晶表示パネル
11を用いた表示部10が構成され、それより腕時計に
おける6時の側には2つのプッシュボタンからなるスイ
ッチA、Bが構成されている。このため、潜水中でもス
イッチ操作が容易である。スイッチA、Bは、後述する
とおり、ダイバーズ用情報処理装置1で行われる各モー
ドを選択、切り換えするための操作部5である。装置本
体2の上面側のうち、腕時計における9時の側には、潜
水を開始したか否かを監視するための入水監視スイッチ
30(水分検知センサー)が構成されている。この入水
監視スイッチ30は、装置本体の上面に露出している2
つの電極31、32を備え、これらの電極31、32が
海水などで導通し、電極31、32間の抵抗値が小さく
なったときに入水したものと判断する。但し、この入水
監視スイッチ30は、あくまで入水したことを検出し
て、後述するダイビングモードに移行するのに用いられ
るもので、1回のタイビングを開始した旨を検出するも
のではない。すなわち、ダイバーズ用情報処理装置1を
装着した腕が海水に浸かっただけのこともあり、このよ
うな場合にはダイビングを開始したものと扱うべきでは
ないからである。それ故、本形態のダイバーズ用情報処
理装置1では、装置本体に内蔵の圧力センサによって水
深(水圧)が一定以上、たとえば、本形態では水深が
1.5m(潜水開始判定用水深値)より深くなったとき
にダイビングを開始したものと見做す。
【0023】図2に示すように、本形態のダイバーズ用
情報処理装置1は、各種の情報を表示して利用者に報知
するための液晶表示パネル11、およびそれを駆動する
液晶ドライバー12を備える表示部10と、各モードで
の処理を行うとともに、各モードに応じた表示を液晶表
示パネル11で行わせる制御部50(制御手段)とが構
成されている。制御部50に対しては、スイッチA、
B、および入水監視スイッチ30からの出力などが入力
されるようになっている。
【0024】ダイバーズ用情報処理装置1では、通常時
刻の表示や潜水時間の計測を行うことから、制御部50
に対しては、発振回路31からのクロック出力が分周回
路32を介して入力され、時刻用カウンタ33によって
1秒単位での計時が行われる計時手段68が構成されて
いる。
【0025】また、ダイバーズ用情報処理装置1は、水
深を計測、表示するとともに、水深(水圧)と潜水時間
とから体内に蓄積される窒素ガス(不活性ガス)の量を
計測していくことから、圧力センサ34(半導体圧力セ
ンサ)、この圧力センサ34の出力信号に対する増幅回
路35、およびこの増幅回路35から出力されるアナロ
グ信号をデジタル信号に変換して制御部50に出力する
A/D変換回路36を備える水深計測手段61が構成さ
れている。さらに、ダイバーズ用情報処理装置1には報
音装置37や振動発生装置38が構成され、アラーム音
や振動でダイバーに警告を発することが可能である。
【0026】本形態において、制御部50は、装置全体
の制御を司るCPU51と、このCPU51の制御の下
に液晶ドライバー12および時刻用カウンタ33を制御
する制御回路52と、ROM53と、RAM54とから
構成され、ROM53に格納されているプログラムに基
づいてCPU51が行う各処理によって後述する各モー
ドが実現される。RAM54は、潜水中に得られる各種
データ(潜水情報)を一時記録しておくメモリ、および
後述するログモードで潜水情報を再生するためのログデ
ータを記録しておくメモリなどとして使用される。
【0027】[表示部の説明]再び図1(A)におい
て、液晶表示パネル11の表示面は、8つの表示領域が
構成されている。これら8つの表示領域のうち、腕時計
の12時の側に位置する第1の表示領域111は、各表
示領域のうちで最も大きく構成され、そこには、後述す
るダイビングモード、サーフェスモード(時刻モー
ド)、プランニングモード、ログモードのときにそれぞ
れ現在水深、現在月日、水深ランク、潜水月日(ログナ
ンバー)が表示される。第1の表示領域111より3時
の側に位置する第2の表示領域112には、ダイビング
モード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニン
グモード、ログモードのときにそれぞれ潜水時間、現在
時刻、無減圧潜水可能時間、潜水開始時刻(潜水時間)
が表示される。第1の表示領域111より6時の側に位
置する第3の表示領域113には、ダイビングモード、
サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモー
ド、ログモードのときにそれぞれ最大水深、体内窒素排
出時間、セーフティレベル、最大水深(平均水深)が表
示される。第3の表示領域113より3時の側に位置す
る第4の表示領域114には、ダイビングモード、サー
フェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ロ
グモードのときにそれぞれ無減圧潜水可能時間、水面休
止時間、温度、潜水終了時刻(最大水深時水温)が表示
される。第3の表示領域113より6時の側に位置する
第5の表示領域115には、電源容量切れ警告104や
高所ランク103が表示される。液晶表示パネル11の
最も6時の側に位置する第6の表示領域116には、体
内窒素蓄積量がグラフ表示される。また、第6の表示領
域116より3時の側に位置する第7の表示領域117
には、ダイビングモードで減圧潜水状態になったときに
窒素(不活性ガス)が吸収傾向にあるのか、排出傾向に
あるかを示す領域、浮上速度が高すぎる旨の浮上速度違
反警告の1つとしての「SLOW」を表示する領域、お
よび潜水中に減圧潜水に至った旨の警告としての「DE
CO」を表示する領域が構成されている。
【0028】このように、液晶表示パネル11の表示面
では、ダイビングモードのときに現在水深を表示する領
域(第1の表示領域111)が最も大きく確保されてい
るので、ダイバーは重要なデータである現在水深の表示
を視認しやすい。しかも、液晶表示パネル11の表示面
が上ケース21の上面より凹んでいるため液晶表示パネ
ル11の表示面の周囲に上ケース21に起因する段差が
あっても、ダイビングモードのときの現在水深の表示領
域(第1の表示領域111)が12時の側に配置されて
いるので、前記の段差によって現在水深の表示が隠れる
ことがない。それ故、この点からも、本形態の情報処理
装置1では、重要なデータである現在水深の表示を視認
しやすい。
【0029】[安全情報導出手段の構成]図3は、本形
態のダイバーズ用情報処理装置1において体内窒素蓄積
量(体内不活性ガス蓄積量)を計算し、その結果に基づ
いて、体内窒素排出時間や無減圧潜水可能時間などの安
全情報を導出する安全情報導出手段の機能ブロック図で
ある。
【0030】図3において、ダイバーズ用情報処理装置
1には、吸気に含まれる窒素が体内に吸収され、かつ、
排出されていく様子をシュミレートして、体内窒素量
(体内窒素分圧)を計算する安全情報導出手段60が構
成され、この安全情報導出手段60は、体内窒素量に基
づいて、ある水深で何時間無減圧潜水できるか(無減圧
潜水可能時間)、およびこれまでの潜水で体内に過剰に
溶け込んだ窒素が水面上でどれ位の時間で排出されるか
(体内窒素排出時間/体内不活性ガス排出時間)をダイ
バーが安全に潜水を行うための安全情報として導出する
ように構成されている。なお、以下に説明する体内窒素
量の計算はあくまで一例であり、各種の方法を用いるこ
とができることから、ここではその一例を簡単に説明し
ておく。
【0031】安全情報導出手段60では、まず、体内窒
素蓄積量を分圧として計算するために、図2に示した圧
力センサー34、増幅回路35、A/D変換回路36を
利用した水深計測手段61、図2に示したCPU51、
ROM53、RAM54の機能として実現される呼吸気
窒素分圧計算手段62、図2に示したRAM54を利用
した呼吸気窒素分圧記憶手段63、図2に示したCPU
51、ROM53、RAM54の機能として実現される
体内窒素分圧計算手段64、図2に示したRAM54を
利用した体内窒素分圧記憶手段65、図2に示した時刻
用カウンタ33を利用した計時手段68、図2に示した
CPU51、ROM53、RAM54の機能として実現
され、呼吸気窒素分圧記憶手段63と体内窒素分圧記憶
手段65に記憶されているデータ比較を行う比較手段6
6、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54
の機能として実現される半飽和時間選択手段67が構成
されている。
【0032】これらの構成要素のうち、呼吸気窒素分圧
計算手段62、体内窒素分圧計算手段64、比較手段6
6、半飽和時間選択手段67は、図2のCPU51、R
OM53、およびRAM54にてソフトウエアとして実
現可能であるが、ハードウエアである論理回路のみ、あ
るいは論理回路とCPUを含む処理回路とソフトウエア
を組み合わせることで実現することも可能である。
【0033】この構成例では、水深計測手段61は、時
間tに対応する水圧P(t)を計測して出力する。
【0034】呼吸気窒素分圧計算手段62は、水深計測
手段61から出力された水圧P(t)に基づいて、呼吸
気窒素分圧PIN(t)を計算し、出力する。呼吸
気窒素分圧PIN(t)は潜水中の水圧P(t)よ
り次式 PIN(t)=0.79×P [bar] により計算で求めることができる。
【0035】呼吸気窒素分圧記憶手段63は、呼吸気窒
素分圧計算手段62において上式のように計算されたP
IN(t)の値を記憶する。
【0036】体内窒素分圧計算手段64は、窒素の吸収
/排出の速度が異なる組織毎に体内窒素分圧PGT
(t)を計算する。1つの組織を例にとると、潜水時刻
t=tからtまでに吸収/排出する体内窒素分圧
PGT(t)は、t時の体内窒素分圧PGT
(t)と潜水時間tと、半飽和時間Tより
計算される。
【0037】ここでいう半飽和時間Tとは、図4に
示すように、体内窒素分圧PGT(t)がt
の体内窒素分圧PGT(t)からこの水圧下での呼
吸気窒素分圧PIIGに到達する過程で体内窒素分圧P
GT(t)と呼吸気窒素分圧PIIGとの中間圧力
値に到達するまでの時間(ハーフタイム)に相当する。
【0038】そして、その結果は、図3に示すように、
PGT(t)として体内窒素分圧記憶手段65に記
憶される。そのための計算式は、下式のとおりである。
【0039】
【数2】
【0040】ここで、kは実験的に求められる定数であ
る。
【0041】次に、比較手段66により、呼吸気窒素分
圧記憶手段63の結果であるPIN(t)と体内窒
素分圧手段5の結果であるPGT(t)を比較し、その
結果、半飽和時間選択手段67によって、体内窒素分圧
計算手段64で用いられる半飽和時間Tを可変とす
る。
【0042】たとえば、t=t時の呼吸気窒素分圧
PIN(t)、体内窒素分圧PGT(t
が、それぞれ呼吸気窒素分圧記憶手段63と体内窒素分
圧記憶手段65に記憶されているとすると、比較手段6
6はこのPIN(t)とPGT(t)を比較
する。
【0043】そして、体内窒素分圧計算手段64は、半
飽和時間選択手段67により、次のように制御され、t
=tの時の体内窒素分圧PGT(t)が計算さ
れる。
【0044】
【数3】
【0045】
【数4】
【0046】上記2式では、kは定数、TH2<TH1
と計算される。
【0047】なお、PGT(t)=PIN(t
)のときは、半飽和時間T=(TH2+TH1
/2として計算するのが好ましい。また、これらの時間
(tやtについての計測)は、図2の計時手段
68によって管理される。
【0048】ここで、PGT(t)>PIN
(t)のときは、体内から窒素が排出される場
合であり、PGT(t)<PIN(t)の
ときは、体内へ窒素が吸収される場合である。これらの
時に半飽和時間を可変するということは、窒素が排出さ
れる場合は、半飽和時間が長く、排出に時間がかかるこ
とを意味し、逆に窒素が吸収される場合は半飽和時間が
短く、吸収にかかる時間は排出にかかる時間と比較する
と短いことになる。このようにすれば、体内窒素量のシ
ュミレーションをより厳密に行うことができる。従っ
て、体内窒素分圧の許容値を設定しておけば、ある水深
(水圧)でこの許容値に到達するまでの時間(無減圧潜
水可能時間/安全情報)、および水面上で体内窒素分圧
が平衡値にまで低下するまでの時間(体内窒素排出時間
/安全情報)を精度よく求めることができる。このよう
にして本形態のダイバーズ用情報処理装置1には、無減
圧潜水可能時間および体内窒素排出時間をダイバーの安
全情報として導出する潜水可能時間導出手段92および
体内窒素排出時間導出手段91が構成されている。
【0049】[ダイビングの開始・終了を判定するため
の構成]ダイバーズ用情報処理装置1は、ダイビング
中、水深の計測、水温の計測、潜水時間の計測、潜水中
に体内に蓄積される体内窒素蓄積量の計測、ダイバーの
浮上速度の計測などが行われ、これらの計測結果に基づ
いて、表示や警告などが行われる。また、ダイビング終
了時には、これらの計測結果や警告の有無などの潜水情
報がログデータとして記録され、後述するログモードで
再生されるように構成されている。これらの潜水情報の
記録動作は、図2に示す計時手段68、水深計測手段6
1、入水監視スイッチ30、および制御部50の機能
(CPU51、ROM53、RAM54などの機能)の
一部を使用して行われる。
【0050】すなわち、図5に示すように、ダイバーズ
用情報処理装置1では、図2に示す水深計測手段61、
計時手段68、および入水監視スイッチ30の出力はい
ずれも制御部50に入力され、この制御部50には、潜
水開始・終了判定手段81と、RAM54をメモリとし
て利用する潜水情報記録手段85とが構成されている。
これらの構成を、図6も参照しながら以下に詳述する。
【0051】潜水開始・終了判定手段81は、時刻T1
1にダイバーが水中に入ったことを入水監視スイッチ3
0が検知した以降、時刻T12に潜水開始判定用水深値
82として設定されている1.5mの水深値よりも深く
潜ったときにダイビングが開始されたものと判定する。
その結果、潜水時間の計測などが開始される。このよう
にして計測される潜水時間、平均水深、潜水開始時刻、
潜水中の体内窒素量、最大水深、潜水時間、最大水深時
の水温、さらには潜水日時、高所ランクなどの潜水情報
は、潜水情報記録手段85において、必要に応じてダイ
ビングの途中で更新されながらRAM54に構成されて
いる一時記録領域86(一時記録部)に記録されてい
く。
【0052】また、潜水開始・終了判定手段81は、ダ
イビングを開始した以降、水深計測手段61の計測結果
および計時手段68の計測結果に基づいて、時刻T13
に潜水終了判定用水深値83として設定されている1.
5mの水深値よりも浅い位置にダイバーが浮上しても、
潜水終了判定用時間84として設定されている10分間
が経過しなれば1回のダイビングが終了したものとして
判断しない。このため、潜水開始・終了判定手段81
は、時刻T13に1.5mの水深値(潜水終了判定用水
深値82)よりも浅い位置にダイバーが浮上しても、1
0分(潜水終了判定用時間84)が経過する前に再び、
時刻T14に1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値
82)よりも深い位置まで潜ったときには1回のダイビ
ングが継続しているものと判断する。
【0053】すなわち、潜水開始・終了判定手段81
は、時刻T15に1.5mの水深値(潜水終了判定用水
深値83)よりも浅い位置にダイバーが浮上し、かつ、
時刻T16に10分(潜水終了判定用時間84)が経過
したときにはじめてダイビングが終了したものと判断す
る。そして、潜水情報記録手段85は、今回のダイビン
グで最初に潜水開始判定用水深値82より深い位置に潜
水した時点(時刻T12)から潜水終了判定用水深値8
3より浅い位置に最後に浮上した時点(時刻T15)ま
での一時記録部86に記録されている潜水情報をダイビ
ング1回分のログデータとして確定し、RAM54に構
成されているログデータ記録領域87にログナンバーを
付して記録していく。従って、ログデータ記録領域87
に記録されているログデータを用いれば、図6に示すよ
うなダイビングであっても、時刻T12(ダイビング開
始時点)から時刻T15(ダイビング終了時点)までの
ダイビングを1回のダイビングとして、そのときの潜水
情報を後で表示部10の液晶表示パネル11に表示、再
生することができる。
【0054】ここで、ダイビング中は、液晶表示パネル
11において現在水深、潜水時間、最大水深、無減圧潜
水可能時間、体内窒素グラフ、高度ランクなど、ダイビ
ングに必要な潜水情報が表示されるが、本形態では、
1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値83)よりも
浅い位置にダイバーが浮上し、それから10分(潜水終
了判定用時間84)が経過するまでの間も、液晶表示パ
ネル11において前記の潜水情報が表示され続ける。前
述のように、時刻T13に1.5mの水深値(潜水終了
判定用水深値82)よりも浅い位置にダイバーが浮上し
ても、10分(潜水終了判定用時間84)が経過する前
に再び、時刻T14に1.5mの水深値(潜水終了判定
用水深値82)よりも深い位置まで潜ったときには1回
のダイビングが継続しているものと扱うからである。さ
らに、1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値83)
よりも浅い位置にダイバーが浮上し、それから10分
(潜水終了判定用時間84)が経過した後、ダイバーが
水面上に上がって電極31、32が絶縁状態に戻るまで
の間も、液晶表示パネル11において前記の各情報が表
示され続ける。すなわち、ダイバーが水中に入ったこと
を電極31、32が導通することによって入水監視スイ
ッチ30が検知してから、ダイバーが水面上に上がって
入水監視スイッチ30の電極31、32が絶縁状態に戻
るまでの間は、ダイビングモードであるとして同一内容
の情報が液晶表示パネル11に表示され続ける。
【0055】また、本形態では、時刻T15にダイバー
が1.5m(潜水終了判定用水深値83)より浅い位置
に最後に浮上してから時刻T16に10分間(潜水終了
判定用時間84)が経過するまでの間は、所定のスイッ
チ操作によって、一時記録部86に記録されている潜水
情報を表示部10の液晶表示パネル11で表示できるよ
うになっている。それ故、今回のダイビングにおいて潜
水情報がログデータとして確定する以前でも、今回のダ
イビングの潜水情報を再生、表示できるので、便利であ
る。
【0056】このように、本形態のダイバーズ用情報処
理装置1によれば、浅い位置まで浮上した後、再び深い
位置まで潜った場合でも1回のダイビングと扱われ、誤
って複数のダイビングとして扱われることがない。よっ
て、潜水情報が細切れに記録、再生されるということが
ないなど、実情にあった形態で潜水情報を記録、再生す
ることができる。しかも、素潜りのような不要な潜水情
報がログデータ記録領域87に記録されてしまうことを
防ぐことができる。
【0057】ここで、ログデータ記録領域87にログデ
ータをたとえば最大10回のダイビング分だけしか記録
できないことから、それ以上潜水した場合には古いデー
タから順に自動的に削除される。このように構成して
も、本形態では、浅い位置まで浮上した後、再び深い位
置まで潜った場合でも、あくまで1回のダイビングと扱
われるので、重要なログデータが不用意に更新、削除さ
れることがない。
【0058】また、潜水開始・終了判定手段81は、時
刻T11にダイバーが水中に入ったことを電極31、3
2が導通することによって入水監視スイッチ30が検知
した以降、時刻T12に1.5mの水深値(潜水開始判
定用水深値82)よりも深く潜ってから時刻T15に
1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値83)よりも
浅いところまで最後に浮上するまでの時間が、潜水判定
用時間88として予め設定されている3分以内であれ
ば、すなわち、ダイビングが3分以上行われなかった場
合には、素潜り程度のものであるとして、今回行ったダ
イビングの潜水情報は、ログデータとしてはログデータ
記録領域87に記録しない。このため、不要な潜水情報
はログデータ記録領域87に記録されないので、ログデ
ータ記録領域87にログデータを最大10回のダイビン
グ分だけしか記録できず、それ以上潜水した場合には古
いデータから順に自動的に削除される場合でも、重要な
ログデータが不用意に更新、削除されることがない。
【0059】[浮上速度監視機能]ダイバーズ用情報処
理装置1は、後述するダイビングモード中、ダイバーの
浮上速度を監視するように構成され、この機能は、CP
U51、ROM53、RAM54などの機能を利用して
以下の構成として実現される。
【0060】すなわち、図5に示すように、ダイバーズ
用情報処理装置1では、前記の計時手段68の計測結果
および水深計測手段61の計測結果に基づいて浮上時の
浮上速度を計測する浮上速度計測手段75と、浮上速度
計測手段75の計測結果と予め設定されている浮上速度
上限値76とを比較して現在の浮上速度が浮上速度上限
値76より速い場合には浮上速度違反との警告を行う浮
上速度違反警告手段77とが構成されている。浮上速度
計測手段75は、図2に示したCPU51、ROM5
3、RAM54の演算機能として実現される一方、浮上
速度違反警告手段77は、図2に示したCPU51、R
OM53、RAM54、報音装置37、振動発生装置3
8、液晶表示パネル11での表示などの機能として実現
される。
【0061】本形態において、浮上速度違反警告手段7
7は、前記の浮上速度上限値76としてROM53に格
納されている水深範囲毎の浮上速度上限値と現在の浮上
速度とを比較して、現在の浮上速度が現在水深に対応す
る浮上速度上限値76より速い場合には液晶表示パネル
11での表示、報音装置37からのアラーム音の発生、
さらに振動発生装置38からダイバーへの振動の伝達な
どの方法で浮上速度違反の警告を行い、浮上速度が浮上
速度上限値76より遅い状態に戻った時点で浮上速度違
反の警告を停止する。本形態では、前記の浮上速度上限
値76として各水深範囲毎に以下に示す値 今回の水深計測値 浮上速度上限値 1.8m未満 警告なし 1.8m〜 5.9m 8m/分(約0.8m/6秒) 6.0m〜17.9m 12m/分(約1.2m/6秒) 18.0m以上 16m/分(約1.6m/6秒) が設定されている。すなわち、水深が深いところでは、
同じ浮上速度で浮上しても単位時間当たりの浮上前後の
水圧比が小さいので、比較的大きな浮上速度を許容して
も減圧症を十分に防止できるからである。これに対し
て、水深が浅いところでは、同じ浮上速度で浮上しても
単位時間当たりの浮上前後の水圧比が大きいので、比較
的小さな浮上速度しか許容しないようになっている。
【0062】本形態では、浮上速度上限値として6秒当
たりの水深値がROM53に格納されている。これは、
図7に示すように、水深の計測は1秒毎に行うが、ダイ
バーズ用情報処理装置1を装着した腕の動きが浮上速度
に影響を及ぼすことを防ぐために、浮上速度計測の方は
6秒毎に行っており、今回の水深計測値と6秒前の前回
の水深計測値との差分を算出し、この差分を浮上速度と
して見做して上記の浮上速度上限値(m/6秒)とを比
較するからである。
【0063】また、本形態のダイバーズ用情報処理装置
1には、潜水情報(ダイビングの日付、潜水時間、最大
水深などの様々なデータ)をRAM54のログデータ記
録領域87に記憶、保持しておく潜水情報記録手段85
が構成されているが、この潜水情報記録手段85は、浮
上速度違反警告手段77から警告が発せられたか否かも
ログデータとしてログデータ記録領域87に記録してお
く。従って、今回のダイビング中に浮上速度違反があっ
たか否かも、後で液晶表示パネル11で再生、表示され
る。但し、潜水情報記録手段85は、1回のダイビング
中に連続して2回以上の警告を発したときのみ浮上速度
違反があったとログデータとしてログデータ記録領域8
7に記録する。従って、ダイバーの腕の動きによって浮
上速度が誤って速く計測されてしまったような場合に
は、浮上速度違反があった旨はログデータとして記録さ
れない。
【0064】また、本形態のダイバーズ用情報処理装置
1では、水深が1.5mより深い状態が3分以上続いた
ときに初めてダイビングを行ったものとして扱うため、
水深が1.5mより浅い位置まで浮上したときには、水
深が0mと見做され、その表示はあくまで0mである。
従って、このような浅い所でも深い所と同様に浮上速度
違反警告手段77が浮上速度違反警告を発すると、水深
が1.5mよりわずかに深いところで数cmの腕の動き
があって、水深が1.5mよりわずかでも浅く、0mと
見做されると、浮上速度を守っているにもかかわらず、
浮上速度違反警告が発せられることになる。その結果、
ダイバーは浮上速度違反警告の信頼性に疑問を抱いてし
まう。しかるに本形態では、現在水深が所定値(1.5
m)よりも浅いときには、浮上速度にかかわらず、浮上
速度違反の警告を発しない。それ故、上記の不自然な警
告が発せられることがないので、この警告への信頼感を
高めることができる。すなわち、図7に示すように、た
とえば、浮上中に前回計測した水深が1.8mで、この
位置から実線L11で示すように浮上して、6秒経過後
に計測した現在の水深が1.5m(潜水終了判定用水深
値)以浅であれば、浮上速度違反との警告を発しない。
【0065】[水面休止時間の計測機能]このように、
ダイビング中にはダイバーの体内には過剰な窒素が蓄積
されるため、急速な浮上は、体内窒素が気泡となって減
圧症の原因となる。同様に、ダイビングの終了後、体内
に過剰な窒素が蓄積されている状態で飛行機に搭乗して
高所に移動したときにも気圧が急激に低下するので、体
内窒素が気泡となって減圧症を引き起こすことがある。
従って、ダイビングの終了後は、24時間、好ましくは
48時間が経過した後に飛行機に搭乗すべきである。そ
こで、図5に示すように、本形態のダイバーズ用情報処
理装置1では、水深計測手段61の計測結果および計時
手段68の計測結果に基づいて、ダイビングを終了して
からの経過時間を水面休止時間として計測する水面休止
時間計測手段89が構成されている。すなわち、水面休
止時間計測手段89は、水深計測手段61の計測結果お
よび計時手段68の計測結果に基づいて潜水開始・終了
判定手段81がダイビング終了と判断したときからの経
過時間を水面休止時間として計測する。
【0066】従って、ダイビング終了後、水面休止時間
計測手段89によって求めた水面休止時間を液晶表示パ
ネル11に表示すれば、ダイバーに対して、十分な休止
時間をとって体内から過剰な窒素が排出された後、飛行
機に搭乗するように警告することができる。
【0067】[各モードの説明]このように構成したダ
イバーズ用情報処理装置1は、図8を参照して以下に説
明する各モード(時刻モードST1、サーフェスモード
ST2、プランニングモードST3、設定モードST
4、ダイビングモードST5、ログモードST6)で使
用される。
【0068】(時刻モードST1)時刻モードST1
は、スイッチ操作を行わず、かつ、体内窒素が平衡状態
時、陸上で携帯するときの機能であり、液晶表示パネル
11には現在月日100、現在時刻101、高度ランク
103(図1を参照。/高度ランクがランク0の場合に
はマークが表示されない。)が表示される。高度ランク
103は、現在の場所の高度を自動的に計測し、3つの
ランクで表示するようになっている。現在時刻101は
コロンが点滅することによって、この表示が現在時刻1
01である旨を知らせる。たとえば、図8に示す状態で
は、現在12月5日の10時06分であると表示されて
いる。
【0069】また、海抜の高い所、低い所を上下したと
きも気圧が変化するので、過去のダイビングの有無にか
かわらず、体内への窒素の溶け込みや窒素の排出が起き
る。そこで、本形態のダイバーズ用情報処理装置1で
は、時刻モードST1であってもこのような高度変化が
あったときには減圧計算を自動的に開始し、表示が変わ
る。すなわち、図示を省略するが、高度が変わってから
の時間、体内窒素が平衡状態になるまでの時間、現在か
ら平衡状態になるまで排出または溶け込む窒素量が表示
される。
【0070】この時刻モードST1では、スイッチAを
押すとプランニングモードST3に直接、移行し、スイ
ッチBを押すとログモードST6に直接、移行する。ま
た、スイッチAを押した後、スイッチAを押したままス
イッチBを5秒間押し続けると、設定モードST4に移
行する。
【0071】この時刻モードST1の間に、図1、図2
に示した入水監視スイッチ30を介して入水したことを
検出したときには自動的に機能チェックを行い、センサ
などが正常であることが確認できれば、ダイビングモー
ドST5に自動的に移行する。このときセンサなどに異
常があったときには、その旨を図2に示した報音装置3
7からのアラーム音などで報知する。
【0072】(サーフェスモードST2)ダイバーズ用
情報処理装置1は、ダイビングの終了後、導通していた
入水監視スイッチ30が絶縁状態になると自動的にサー
フェスモードST2に移行する。このサーフェスモード
ST2は、前回のダイビングから48時間経過するま
で、陸上で携帯するときの機能である。このサーフェス
モードST2では、時刻モードST1で表示するデータ
(現在月日100、現在時刻101、高度ランク)の他
に、ダイビング終了後の体内窒素量の変化の目安などを
表示する。すなわち、体内に溶け込んだ過剰な窒素が排
出され、平衡状態になるまでの時間が体内窒素排出時間
201として表示される。この体内窒素排出時間201
は、平衡状態になるまでの時間をカウントダウンする。
体内窒素排出時間201が0時間00分になった以降
は、無表示となる。また、潜水後の経過時間が水面休止
時間202として表示され、この水面休止時間202
は、ダイビングモードST5において水深が1.5mよ
りも浅いところに最後に浮上した時点をダイビングの終
了として計時が開始され、48時間まで計測した後、無
表示となる。従って、ダイバーズ用情報処理装置1にお
いて、ダイビング終了後、48時間が経過するまでは陸
上においてこのサーフェスモードST2となり、それ以
降は時刻モードST1である。なお、図8に示す状態で
は、現在、12月5日の11時58分であり、ダイビン
グ終了後、1時間13分経過していると表示されてい
る。また、これまで行ったダイビングにより体内に溶け
込んだ窒素量が体内窒素グラフ203の4個分に相当す
ることが表示され、この状態から体内の過剰な窒素が排
出されて平衡状態になるまでの時間(体内窒素排出時間
201)が、たとえば10時間55分であると表示され
ている。
【0073】このサーフェスモードST2では、スイッ
チAを押すとプランニングモードST3に直接、移行
し、スイッチBを押すとログモードST6に直接、移行
する。また、スイッチAを押した後、スイッチAを押し
たままスイッチBを5秒間押し続けると、設定モードS
T4に移行する。
【0074】このサーフェスモードST2の間に、入水
監視スイッチ30を介して入水したことを検出したとき
には自動的に機能チェックを行い、センサなどが正常で
あることを確認できれば、ダイビングモードST5に自
動的に移行する。このときセンサなどに異常があったと
きにはその旨を報音装置37からのアラーム音などで報
知する。
【0075】(設定モードST4)設定モードST4
は、月日100、現在時刻101の設定の他に、警告ア
ラームのON/OFF設定、セーフティレベルの設定を
も行うための機能である。この設定モードST4では、
現在月日100、年106、現在時刻101、セーフテ
ィレベル(図示せず。)、アラームのON/OFF(図
示せず。)、高度ランクが表示され、これらの項目のう
ち、セーフティレベルは、通常の減圧計算を行うレベル
と、ダイビング後に1ランク高い高度ランクの場所へ移
動することを前提とした減圧計算を行うレベルの2つの
レベルに設定できる。アラームのON/OFFは、報音
装置37から各種警告のアラームを鳴らすか否かを設定
するための設定であり、アラームをOFFに設定してお
けば、アラームが鳴らない。従って、ダイバーズ用情報
処理装置1のように電池切れが特に致命的である装置で
は、アラームのために消費される電力を削減でき、都合
がよい。
【0076】この設定モードST4では、スイッチAを
押す度に設定項目が時、秒、分、年、月、日、セーフテ
ィレベル、アラームON/OFFの順に切り換わり、そ
れに相当する部分の表示が点滅する。このとき、スイッ
チBを押すと設定項目の数値または文字が変わり、押し
続けると数値や文字が早く変わる。アラームのON/O
FFが点滅しているときにスイッチAを押すと、サーフ
ェスモードST2または時刻モードST1に戻る。ま
た、スイッチA、Bのいずれもが1分〜2分間押されな
ければ、サーフェスモードST2または時刻モードST
1に自動的に戻る。
【0077】この設定モードST4の間に、入水監視ス
イッチ30を介して入水したことを検出したときにも自
動的に機能チェックを行い、センサなどが正常であるこ
とを確認できれば、ダイビングモードST5に自動的に
移行する。このときセンサなどに異常があったときには
その旨を報音装置37からのアラーム音などで報知す
る。
【0078】(プランニングモードST3)プランニン
グモードST3とは、次に行うダイビングの最大水深と
潜水時間の目安を入力するためのモードである。このモ
ードでは、水深ランク301、無減圧潜水可能時間30
2、セーフティレベル、高度ランク、水面休止時間20
2、体内窒素グラフ203が表示される。水深ランク3
01のランクは、低ランクから高ランクへと順次、表示
が変わっていくとともに、各水深ランク301での無減
圧潜水可能時間302が表示される。たとえば、水深ラ
ンク301は、9m、12m、15m、18m、21
m、24m、27m、30m、33m、36m、39
m、42m、45m、48mの順に5秒毎に切り換わ
る。このとき、時刻モードST1からプランニングモー
ドST3に移行したのであれば、過去の潜水によって体
内に過剰な窒素蓄積がない初回潜水の計画であるため、
体内窒素グラフ203が0であり、水深が15mのとき
に無減圧潜水可能時間302が66分と表示される。そ
れ故、水深12m以上、15m以下のところで66分未
満まで無減圧潜水が可能であることがわかる。これに対
して、サーフェスモードST2からプランニングモード
ST3に移行したのであれば、過去の潜水によって体内
に過剰の窒素蓄積がある反復潜水の計画であるため、体
内窒素グラフ203が4つ分であり、最大水深が15m
のときであれば、無減圧潜水可能時間302は49分と
表示される。それ故、水深12m以上、15m以下のと
ころで49分未満まで無減圧潜水が可能であることがわ
かる。
【0079】このプランニングモードST3では、水深
ランク301が48mと表示されるまでの間にスイッチ
Aを2秒以上押し続けると、サーフェスモードST2に
直接、移行する。また、水深ランク301が48mと表
示された後には時刻モードST1またはサーフェスモー
ドST2に自動的に移行する。さらに、所定の期間、ス
イッチ操作がないときにはサーフェスモードST2また
は時刻モードST1に自動的に移行するので、その都
度、スイッチ操作を行う必要がない分、便利である。こ
れに対して、スイッチBを押すとログモードST6に直
接、移行する。
【0080】また、プランニングモードST3の間に、
入水監視スイッチ30を介して入水したことを検出した
ときには自動的に機能チェックを行い、センサなどが正
常であることを確認できれば、ダイビングモードST5
に自動的に移行する。このときセンサなどに異常があっ
たときにはその旨を報音装置37からのアラーム音など
で報知する。
【0081】(ダイビングモードST5)ダイビングモ
ードST5とは、潜水時のモードであり、無減圧潜水モ
ードST51では、現在水深501、潜水時間502、
最大水深503、無減圧潜水可能時間302、体内窒素
グラフ203、高度ランクなど、ダイビングに必要な情
報が表示される機能である。たとえば、図8に示す状態
では、ダイビングを開始してから12分経過し、水深が
16.8mのところにおり、この水深ではあと42分間
無減圧潜水を続けることができる旨が表示されている。
また、現在までの最大水深は20.0mである旨が表示
され、さらに現在の体内窒素量は体内窒素グラフ203
のマークが4つ点灯しているレベルである旨が表示され
る。
【0082】ここで、ダイビングモードST5に移行し
たことをダイバーに知らせる目的で、現在水深501の
表示などを点滅させてもよい。このように構成すると、
ダイビングモードST5での処理を行っている旨を液晶
表示パネル11での表示で視認できるので、ダイバー
は、ダイビングモードST5が正常に機能しているか否
かを心配する必要がないので、便利である。
【0083】このダイビングモードST5では、浮上速
度監視機能として前記したとおり、急激な浮上は減圧症
の原因となることから、6秒毎に現在の浮上速度を求め
るとともに、この浮上速度と現在水深に対応する浮上速
度許容値とを比較し、今回求めた浮上速度が浮上速度許
容値よりも速い場合には、報音装置37から4kHzの
周波数でアラーム音(浮上速度違反警告)を3秒間発す
るとともに、浮上速度を落とすように液晶表示パネル1
1において「SLOW」との表示と、現在水深の表示と
を1Hz周期で交互に点滅させ、浮上速度違反警告を行
う。そして、浮上速度が正常なレベルにまで低下したと
きには前記の浮上速度違反警告を停止する。
【0084】なお、ダイビングモードST5では、スイ
ッチAを押すと、それが押し続けられている間だけ、現
在時刻表示モードST52として、現在時刻101と現
在水温504が表示される。図8に示す状態では、現
在、時刻が10時18分であり、水温が23℃であると
表示されている。このように、ダイビングモードST5
においてその旨のスイッチ操作があったときには所定の
期間だけ現在時刻101や現在水温の表示を行うため、
小さな表示面内で常時はダイビングに必要なデータだけ
を表示するように構成したとしても(無減圧潜水モード
ST51)、現在時刻101などを必要に応じて表示で
きるので(現在時刻表示モードST52)、便利であ
る。しかも、このようにダイビングモードST5におい
ても、表示の切り換えにスイッチ操作を用いたので、ダ
イバーが知りたい情報を適正なタイミングで表示でき
る。
【0085】このダイビングモードST5の間に、水深
が1.5mより浅いところにまで浮上したときには、ダ
イビングが終了したものとして処理され、導通していた
入水監視スイッチ30が絶縁状態になった時点でサーフ
ェスモードST2に自動的に移行する。この間、図3に
示した潜水情報記録手段78は、水深が1.5m以深に
なったときから最後に1.5m以浅になったときまでを
1回のダイビングとしてこの間の潜水情報(ダイビング
の日付、潜水時間、最大水深などの様々なデータ)を潜
水情報記録手段78(RAM54)に記憶、保持してお
く。併せて、今回のダイビング中に前記の浮上速度違反
警告が連続して2回以上あったときには、その旨も潜水
情報として記録する。
【0086】本形態のダイバーズ用情報処理装置1は、
あくまで無減圧潜水を前提に構成されているものである
が、万が一、減圧潜水の状態になったときには、その旨
のアラーム音でダイバーに報知するとともに、以下の減
圧潜水表示モードST53に切り換わる。すなわち、減
圧潜水表示モードST53では、現在水深501、潜水
時間502、体内窒素グラフ203、高度ランク、減圧
停止深度505、減圧停止時間506、総浮上時間50
7が表示される。図8に示す状態では、潜水開始から2
4分経過し、水深が29.5mのところにいる旨が表示
されている。また、体内窒素量が最大許容値を越え、危
険であるため、安全な浮上速度を守りながら、水深3m
のところまで浮上し、そこで1分間の減圧停止をするよ
うにとの指示が表示される。また、安全な浮上速度とし
て水面までには最低でも5分かけるようにとの指示が表
示される。さらに、現在、体内窒素量が増大傾向にある
旨が上向きの矢印508で表示される。そこで、ダイバ
ーは、上記の表示内容に基づいて減圧停止した後、浮上
するが、この減圧を行っている間、体内窒素量が減少傾
向にある旨が下向きの矢印509で表示される。
【0087】(ログモードST6)時刻モードST1ま
たはサーフェスモードST2においてスイッチBを押す
と、ログモードST6に直接、移行する。ログモードS
T6は、前記のとおり、ダイビングモードST5に入っ
た状態で3分以上、水深1.5mよりも深く潜水したと
きの各種潜水情報を潜水情報記録手段85がログデータ
記録領域87に記憶していたものを表示、再生する機能
である。このようなダイビングのデータは、ログデータ
として潜水毎に順次記憶され、最大10本のログデータ
が記憶、保持され、それ以上潜水した場合には古いデー
タから順に削除され、常に最新の10本分のダイビング
が記憶されている。
【0088】このログモードST6において、ログデー
タは4秒毎に切り換わる2つの画面で表示される。第1
の画面ST61では、潜水月日601、平均水深50
9、潜水開始時刻603、潜水終了時刻604、高度ラ
ンク、潜水を終了したときの体内窒素グラフ203が表
示される。第2の画面ST62では、その日での潜水ナ
ンバーであるログナンバー605、最大水深608、潜
水時間606、最大水深時の水温607、高度ランク、
潜水を終了したときの体内窒素グラフ203が表示され
る。たとえば、図8に示す状態では、高度ランクが0の
ところで、12月5日の2本目のダイビングは潜水が1
0時07分に開始された以降、10時45分で終了し、
38分間の潜水であった旨が表示されている。このとき
のダイビングでは、平均水深が14.6m、最大水深が
26.0m、最大水深時の水温が23℃であり、ダイビ
ング終了後、体内窒素グラフ203が4つ分の窒素が体
内に溶け込んだ旨を表示してる。このように、ログモー
ドST6では2画面を自動的に切り換えながら各種の情
報を表示するので、表示面が小さくても表示できる情報
量が多い。
【0089】また、ログモードST6では、今回表示し
ているダイビング中に前記の速度違反警告が2回以上あ
ったときには、その旨を、たとえば液晶表示パネル11
の第7の表示領域117において「SLOW」と表示す
る。
【0090】このログモードST6ではスイッチBを押
す度に、新しいデータから古いデータに切り換わり、最
も古いデータが表示された後は、時刻モードST1また
はサーフェスモードST2に移行する。その途中にスイ
ッチBを2秒以上押し続けた場合も時刻モードST1ま
たはサーフェスモードST2に移行する。さらに、スイ
ッチA、Bのいずれもが1分〜2分間押されない場合
も、サーフェスモードST2または時刻モードST1に
自動的に戻るので、その都度、スイッチ操作を行う必要
がない分、便利である。これに対して、スイッチAを押
すと、プランニングモードST3に直接、移行する。こ
のように、本形態では、プランニングモードST3、サ
ーフェスモードST2、ログモードST6のうち、いず
れのモード間でも1回のスイッチ操作で相互の直接移行
が可能である。従って、各モードへの移行ルートの自由
度が高いので、プランニングモードST3とログモード
ST6との間でも1回の操作で相互に、直接移行できる
ため、過去の潜水記録を参照しながら潜水計画を立てる
のに手間がかからず、便利である。
【0091】また、ログモードST6の間に、入水監視
スイッチ30を介して入水したことを検出したときには
自動的に機能チェックを行い、センサなどが正常である
ことを確認できれば、ダイビングモードST5に自動的
に移行する。このときセンサなどに異常があったときに
はその旨を報音装置37からのアラーム音などで報知す
る。このように、プランニングモードST3、サーフェ
スモードST2(時刻モードST1)、ログモードST
6、設定モードST4のいずれのモードからもダイビン
グモードST5に自動的に移行することができるので、
たとえば、ログモードST6において過去の潜水記録を
確認した後、あるいはプランニングモードST3で潜水
計画を設定した後、そのまますぐに潜水を開始すること
ができるなど、便利である。また、いずれもモードから
でもダイビングモードST5に移行できるので、ダイビ
ングモードST5に移行する準備ができていなくてダイ
ビングモードST5に移行し損ねたことを潜水を開始し
た後にはじめて知るという失敗がないので、使い勝手が
よい。しかも、ダイビングモードST5に移行する際に
は予め機能チェックを行い、該機能チェックにおいて異
常を検出したときにはダイビングモードST5への移行
を自動的に停止するとともに、その旨の報知を行うた
め、異常があるままダイビングモードST5に移行する
という失敗がなく、しかも異常にすぐ気付くので、便利
である。また、潜水中に体内に蓄積される不活性ガスの
量を監視し損なうということがないので、減圧症を防止
するという観点から安全でもある。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るダイ
バーズ用情報処理装置では、予め設定しておいた潜水終
了判定用水深値より浅い位置に浮上し、かつ、このよう
な浅い位置に浮上したまま、予め設定しておいた潜水終
了判定用時間が経過したときをダイビング終了時と判定
し、潜水情報を後の再生用にログデータとして記録、保
存する。従って、本発明によれば、浅い位置まで浮上し
た後、再び深い位置まで潜った場合でも1回のダイビン
グと扱われ、誤って複数のダイビングとして扱われるこ
とがない。それ故、潜水情報が細切れに記録、再生され
るということがないなど、実情にあった形態で潜水情報
を記録、再生することができる。また、ログデータをた
とえば最大10回のダイビング分だけしか記録できない
場合でも、メモリオーバーが不要に発生しない。さらに
また、潜水終了判定用時間が経過したときまでの潜水情
報ではなく、あくまで潜水終了判定用水深値より浅い位
置に最後に浮上した時点までの潜水情報をログデータと
して記録するので、潜水終了判定用時間が経過するまで
の無駄なデータが記録されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明を適用したダイバーズ用情報
処理装置の装置本体および腕バンドの一部を示す平面
図、(B)は、その装置本体を腕時計の6時の方からみ
たときの側面図である。
【図2】本発明を適用したダイバーズ用情報処理装置全
体のブロック図である。
【図3】本発明を適用したダイバーズ用情報処理装置に
構成した安全情報導出手段の機能ブロック図である。
【図4】本発明を適用したダイバーズ用情報処理装置に
おいて、体内窒素量を計測する際に用いる半飽和時間の
意味を示す説明図である。
【図5】本発明を適用したダイバーズ用情報処理装置に
おいて、ダイビングの開始・終了の判定、浮上速度違反
警告、および水面休止時間の計測を行うための構成を示
す機能ブロック図である。
【図6】本発明を適用したダイバーズ用情報処理装置に
おいて、ダイビングの開始・終了を判定するための処理
内容を示す説明図である。
【図7】本発明を適用したダイバーズ用情報処理装置に
おいて浮上速度を監視するために行う浮上速度の計測の
タイミング、および浅いとこでは浮上速度違反警告を発
しない理由を示す説明図である。
【図8】本発明を適用したダイバーズ用情報処理装置で
行われる各モードを説明するためのフローチャートであ
る。
【図9】従来のダイバーズ用情報処理装置において、ダ
イビングの開始・終了を判定するための処理内容を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 ・・・ダイバーズ用情報処理装置 5 ・・・操作部 10・・・表示部 11・・・液晶表示パネル 30・・・入水監視スイッチ 34・・・圧力センサ 37・・・報音装置 38・・・振動発生装置 50・・・制御部 51・・・CPU 53・・・ROM 54・・・RAM 61・・・水圧計測手段 62・・・呼吸気窒素分圧計算手段 63・・・呼吸気窒素分圧記憶手段 64・・・体内窒素分圧計算手段 65・・・体内窒素分圧記憶手段 67・・・半飽和時間選択手段 68・・・計時手段 75・・・浮上速度計測手段 76・・・浮上速度上限値 77・・・浮上速度違反警告手段 78・・・潜水情報記録手段 81・・・潜水開始・終了判定手段 82・・・潜水開始判定用水深値 83・・・潜水終了判定用水深値 84・・・潜水終了判定用時間 85・・・潜水情報記録手段 86・・・一時記録領域 87・・・ログデータ記録領域 88・・・潜水判定用時間 89・・・水面休止時間計測手段 A、B・・・スイッチ ST1・・・時刻モード ST2・・・サーフェスモード ST3・・・プランニングモード ST4・・・設定モード ST5・・・ダイビングモード ST6・・・ログモード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 和子 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 小山 登志子 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−157562(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63C 11/02 G01C 13/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種の情報を表示する表示部と、水深を
    計測する水深計測手段と、時間経過を計測する計時手段
    と、ダイビング中には前記表示部に水深等の潜水情報を
    表示させるとともに、該潜水情報を一時記録部に記録し
    ていき、1回のダイビングが終了したと判断する度に前
    記一時記録部に記録されている潜水情報を潜水情報再生
    用のログデータとしてログデータ記録部に記録しておく
    制御手段とを有するダイバーズ用情報処理装置におい
    て、 前記制御手段は、前記水深計測手段の計測結果および前
    記計時手段の計測結果に基づいて、ダイバーが潜水開始
    判定用水深値より深い位置まで潜降した以降、ダイバー
    が潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮上してから潜
    水終了判定用時間が経過する前に再度、前記潜水終了判
    定用水深値より深い位置に潜水したときには1回のダイ
    ビングが継続しているものと判断し、前記潜水終了判定
    用水深値より浅い位置に浮上したまま前記潜水終了判定
    用時間が経過したときにダイビングが終了したと判断
    し、今回のダイビングで最初に前記潜水開始判定用水深
    値より深い位置に潜水した時点から前記潜水終了判定用
    水深値より浅い位置に最後に浮上した時点までの前記一
    時記録部に記録されている潜水情報をダイビング1回分
    のログデータとして前記ログデータ記録部に記録する
    共に、 ダイバーが前記潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮
    上してから前記潜水終了判定用時間が経過するまでの間
    も、ダイビング中に前記表示部で表示していた潜水情報
    と同一内容の潜水情報を前記表示部に表示させ続ける
    うに構成されていることを特徴とするダイバーズ用情報
    処理装置。
  2. 【請求項2】 各種の情報を表示する表示部と、水深を
    計測する水深計測手段と、時間経過を計測する計時手段
    と、ダイビング中には前記表示部に水深等の潜水情報を
    表示させるとともに、該潜水情報を一時記録部に記録し
    ていき、1回のダイビングが終了したと判断する度に前
    記一時記録部に記録されている潜水情報を潜水情報再生
    用のログデータとしてログデータ記録部に記録しておく
    制御手段とを有するダイバーズ用情報処理装置におい
    て、 前記制御手段は、前記水深計測手段の計測結果および前
    記計時手段の計測結果に基づいて、ダイバーが潜水開始
    判定用水深値より深い位置まで潜降した以降、ダイバー
    が潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮上してから潜
    水終了判定用時間が経過する前に再度、前記潜水終了判
    定用水深値より深い位置に潜水したときには1回のダイ
    ビングが継続しているものと判断し、前記潜水終了判定
    用水深値より浅い位置に浮上したまま前記潜水終了判定
    用時間が経過したときにダイビングが終了したと判断
    し、今回のダイビングで最初に前記潜水開始判定用水深
    値より深い位置に潜水した時点から前記潜水終了判定用
    水深値より浅い位置に最後に浮上した時点までの前記一
    時記録部に記録されている潜水情報をダイビング1回分
    のログデータとして前記ログデータ記録部に記録すると
    共に、 ダイバーが前記潜水終了判定用水深値より浅い位置に浮
    上してから前記潜水終了判定用時間が経過するまでの間
    は前記一時記録部に記録されている潜水情報を前記表示
    部で表示できる ように構成されていることを特徴とする
    ダイバーズ用情報処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記制御手
    段は、今回のダイビングで最初に前記潜水開始判定用水
    深値より深い位置に潜水した時点から前記潜水終了判定
    用水深値より浅い位置に最後に浮上した時点までの時間
    が潜水判定用時間を越えたときのみ前記一時記録部に記
    録されていた潜水情報をログデータとして前記ログデー
    タ記録部に記録しておくように構成されていることを特
    徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記潜水開始判定用水深値と前記潜水終了判定用水深値
    とは同一の水深値に設定されていることを特徴とするダ
    イバーズ用情報処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    さらに、前記水深計測手段の計測結果および前記計時手
    段の計測結果に基づいて浮上時の浮上速度を計測する浮
    上速度計測手段と、該浮上速度計測手段の計測結果と予
    め設定されている浮上速度上限値とを比較して現在の浮
    上速度が前記浮上速度上限値より速い場合には浮上速度
    違反との警告を行 う浮上速度違反警告手段とを有し、前
    記制御手段は、ダイビングが終了する度に今回のダイビ
    ング中に浮上速度違反があったか否かも前記ログデータ
    記録部にログデータとして記録しておくように構成され
    ていることを特徴とするダイバー用情報処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記制御手段は、今
    回のダイビング中に前記浮上速度違反警告が複数回、連
    続して発せられたときにのみ、浮上速度違反があった旨
    前記ログデータ記録部にログデータとして記録してお
    くように構成されていることを特徴とするダイバー用情
    報処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記制御手段は、前記計時手段の計測結果に基づいて、
    ダイビングを休止している間の経過時間を前記表示部に
    表示させるように構成されていることを特徴とするダイ
    バー用情報処理装置。
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