JP4765370B2 - ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法および制御プログラム - Google Patents

ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法および制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法および制御プログラムに係り、特にダイビング状態と誤認識することに伴う情報の信頼性の低下を防止する技術に関する。
潜水時には水深計測及び計時機能を有する情報機器が用いられるが、近年はそれらの計測値をもとに、潜水中における水圧変化及び高所移動時の気圧変化を計測し体内への不活性ガス(窒素)の吸収/排出量を演算によりシミュレーションし、ダイバーが減圧症を回避し安全にダイビングを行うための情報表示を行う、いわゆるダイブコンピュータと呼ばれるダイバーズ用情報処理装置がダイバーに普及している。
従来、特許文献1に提案されているように、水深計測機能をもつ情報機器において所定時間ごとに気圧計測を行い、2つの電極によって構成される水検知スイッチの入水による導通の検出によって、いかなる表示モードからでもすぐに潜水状態、すなわちダイビングモードへ遷移し、所定時間ごとの気圧値を0メートルとして水深計測を開始する。また、入水を検出後、且つ所定水深以上検出後において水検知スイッチが継続してオフしていれば水深表示をキャンセルし時刻表示を行う。また、入水検出後、且つ所定水深以上検出後にスイッチオンカウント回路により水感知スイッチの入力状態をチェックし、オフであれば水深モードに移行せず、時刻表示のままという提案もなされている。
しかしながら、潜水開始以降において所定水深値以上を検出後であってもダイバーが吐き出した呼吸気の気泡の付着や、入水を検出する導通スイッチ端子表面の絶縁性の被膜形成などによる、一時的な水検知スイッチの絶縁が検出されることもあり、このような場合には水中であっても潜水情報を表示しないという問題点が生じる。これはダイバーにより安全な潜水管理を実施してもらうための情報機器であることの致命的な問題である。
さらに、大気中において装置本体が濡れたものと一緒に扱われたり、水検知スイッチ部に身体の一部で接触されたりすることで導通を検出してしまうことがあるが、飛行機搭乗中などの高所移動中にこのような誤操作によりダイブモードに遷移したのち、高度低下による気圧変化が起こった場合、圧力差を水深として計測・表示するという誤動作が起こってしまうこともある。このとき、単純にダイブモードを解除し、高所移動前の元の表示状態に戻してしまうことは、不活性ガス吸収/排出計算がすべて初期状態にクリアされ、高所移動による気圧変化の身体への影響が全く加味されず、携帯機器の利点である継続的な計測とその計測結果に基づく体内不活性ガス量の演算の継続が行われないという問題点がある。
これを解決すべく、特許文献2記載の技術においては、高所移動中に潜水表示状態となった場合において水検知スイッチの検出状態、圧力変化量及びそれら状態の経過時間によって高所移動中であることを判定しダイブモードを解除し、且つ誤動作状態から大気中での表示状態に復帰させた以降においても体内不活性ガスの吸収/排出シミュレーションを継続的に実施し表示する構成が提案されている。
特開平8−327355号公報 特開2003−118690号公報
しかしながら、ダイブモードに移行したことをユーザであるダイバーの認識していない状態で自動的に解除することは、必ずしも適切ではない場合も生じ得る。
そこで、本発明の目的は、操作性の低下あるいは信頼性の低下を招くことなく、誤認識によりダイブモードに移行し、かつ、ユーザの管理下でのみ、ダイブモードの解除を行うことが可能なダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法および制御プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、水深値を計測する水深計測部と、入水状態にあるか否かを検出する入水検出部と、前記入水状態が検出され、計測された前記水深値が予め設定した潜水判定用水深値より深い場合に潜水状態であると判定する潜水判定部と、前記水深値および潜水中の経過時間により体内に吸収/排出される不活性ガス量を演算し、ダイバーに安全情報を提供する安全情報導出部と、を有するダイバーズ用情報処理装置において、前記潜水状態と判定された後に、当該潜水状態の判定が誤認定による誤認状態であるか否かを判別する誤認状態判別部と、前記誤認状態であると判別された場合に、当該誤認状態である旨を告知する告知部と、前記告知部が告知した前記誤認状態を解除するとした確認結果が入力されると、当該確認結果に基づいて前記誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態に遷移させる制御部と、各種情報を表示する表示部と、を備え、前記告知部は、前記告知を前記表示部により行い、前記告知部が告知した前記誤認状態を、解除するか否かの確認を前記表示部により行う、ことを特徴としている。
上記構成によれば、誤認状態判別部は、前記潜水状態と判定された後に、当該潜水状態の判定が誤認定による誤認状態であるか否かを判別し、告知部は、誤認状態判別部により誤認状態であると判別された場合に、当該誤認状態である旨を告知する。
そして、制御部は、告知部が告知した誤認状態を解除するとした確認結果が入力されると、当該確認結果に基づいて前記誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態に遷移させる。
この場合において、各種情報を表示する表示部を備え、前記告知部は、前記告知を前記表示部により行い、前記告知部が告知した前記誤認状態を、解除するか否かの確認を前記表示部により行うようにしてもよい。
また、前記誤認状態を解除するための指示を入力するための指示入力部を備えるようにしてもよい。
さらに、前記誤認状態判別部は、前記潜水状態と判定された後に、前記入水状態が解除され、当該解除後の経過時間が所定時間以上である場合に、前記誤認状態にあると判別するようにしてもよい。
また、水深値を計測する水深計測部と、入水状態にあるか否かを検出する入水検出部と、前記水深値および潜水中の経過時間により体内に吸収/排出される不活性ガス量を演算し、ダイバーに安全情報を提供する安全情報導出部と、を備えたダイバーズ用情報処理装置の制御方法において、前記入水状態が検出され、計測された前記水深値が予め設定した潜水判定用水深値より深い場合に潜水状態であると判定する潜水判定過程と、前記潜水状態と判定された後に、当該潜水状態の判定が誤認定による誤認状態であるか否かを判別する誤認状態判別過程と、前記誤認状態であると判別された場合に、当該誤認状態である旨を、各種情報を表示する表示部に表示して告知し、告知した前記誤認状態を、解除するか否かの確認を前記表示部により行う告知過程と、前記告知過程で告知した前記誤認状態を、解除するとした確認結果に基づいて、前記誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態に遷移させる動作制御過程と、を備えたことを特徴としている。
また、水深値を計測する水深計測部と、入水状態にあるか否かを検出する入水検出部と、前記水深値および潜水中の経過時間により体内に吸収/排出される不活性ガス量を演算し、ダイバーに安全情報を提供する安全情報導出部と、を備えたダイバーズ用情報処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、前記入水状態が検出され、計測された前記水深値が予め設定した潜水判定用水深値より深い場合に潜水状態であると判定させ、前記潜水状態と判定された後に、当該潜水状態の判定が誤認定による誤認状態であるか否かを判別させ、前記誤認状態であると判別された場合に、当該誤認状態である旨を、各種情報を表示する表示部に表示して告知させ、告知させた前記誤認状態を、解除するか否かの確認を前記表示部により行わせ、告知した前記誤認状態を、解除するとした確認結果に基づいて、前記誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態に遷移させることを特徴としている。
本発明によれば、ダイバーズ用情報処理装置が潜水状態に移行したと誤認定により判定された場合であっても、自動的に潜水状態を解除することなく、当該誤認状態を解除するとした確認結果が入力されることで、潜水状態の解除を行うので、収集した情報の信頼性を向上させ、より信頼性の高い安全情報を提供することができる。
次に図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[1]全体構成
図1は、実施形態のダイバーズ用情報処理装置の外観図である。
ダイバーズ用情報処理装置(以下、ダイブコンピュータという)1は、図1に示すように、潜水中に体内に蓄積される窒素量(体内窒素分圧)を計測し、この計測結果から、潜水後に陸上でとるべき休止時間などを表示するものである。このダイブコンピュータ1は、矩形の装置本体2に対して、腕時計における6時の側および12時の側に腕バンド3、4がそれぞれ連結され、これらの腕バンド3、4によって腕時計と同様、腕に装着して使用することができる。装置本体2は、上ケースと下ケースとが完全水密状態でビス止めなどの方法で固定され、その内部には各種の電子部品などが搭載された基板(図示せず)が収納されている。この装置全体の電源は、装置本体2に内蔵のボタン型の電池(図示せず)である。
装置本体2の上面側には、液晶表示パネル11を用いた表示部10が構成され、それより腕時計における6時の側には2つのプッシュボタンからなるスイッチA、Bが構成されている。このため、潜水中でもスイッチ操作が容易である。スイッチA、Bは、後述するとおり、ダイブコンピュータ1で行われる各モードを選択、切り換えするための操作部5である。装置本体2の上面側のうち、腕時計における9時の側には、潜水を開始したか否かを監視するための入水監視スイッチ30(水分検知センサ)が構成されている。
この入水監視スイッチ30は、装置本体の上面に露出している2つの電極30A、30Bを備え、これらの電極30A、30Bが海水などで導通し、電極30A、30B間の抵抗値が小さくなったときに入水したものと判断する。但し、この入水監視スイッチ30は、あくまで入水したことを検出して、後述するダイビングモードに移行するのに用いられるもので、1回のタイビングを開始した旨を検出するものではない。すなわち、ダイブコンピュータ1を装着した腕が海水に浸かっただけのこともあり、このような場合にはダイビングを開始したものと扱うべきではないからである。それ故、本実施形態のダイブコンピュータ1では、装置本体に内蔵の圧力センサによって水深(水圧)が一定以上、たとえば、本実施形態では水深が1.5m(潜水開始判定用水深値)より深くなったときにダイビングを開始したものと見做している。
図2は、実施形態のダイバーズ用情報処理装置の概要構成ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のダイブコンピュータ1は、各種の情報を表示して利用者に報知するための液晶表示パネル11、およびそれを駆動する液晶ドライバー12を備える表示部10と、各モードでの処理を行うとともに、各モードに応じた表示を液晶表示パネル11で行わせる制御部50(制御部)とが構成されている。制御部50に対しては、スイッチA、B、および入水監視スイッチ30からの出力などが入力されるようになっている。
ダイブコンピュータ1では、通常時刻の表示や潜水時間などの計測を行うことから、制御部50に対しては、発振回路31からのクロック出力が分周回路32を介して入力され、時刻用カウンタ33によって1秒単位での計時が行われる計時部68が構成されている。
また、ダイブコンピュータ1は、ダイビング中は水深を計測、表示するとともに、水深(水圧)と潜水時間とから体内に蓄積される窒素ガス(不活性ガス)の量を計測していくことから、圧力センサ34(半導体圧力センサ)、この圧力センサ34の出力信号に対する増幅回路35、およびこの増幅回路35から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して制御部50に出力するA/D変換回路36を備える水深計測部61が構成されている。ここで、圧力センサ34は、水深計測と気圧計測を兼用したものであってもよいし、別体であってもよい。水深計測と気圧計測を兼用したものであれば、携帯サイズを小型化でき、水深0メートルと標高0メートルにおける圧力値の基準値の差異も調整しやすくなる。
なお、本実施形態に構成されている圧力センサ34は、水深計測と気圧計測を兼用できるよう構成されており、入水監視スイッチ30が絶縁されている、後述するサーフェスモードST2、プランニングモードST3、ログモードST4の大気中のモードにおいては、所定時間ごとに気圧計測部69により定期的に気圧を計測し、高度ランク判定部95により予め区分されているどの高度ランクに属しているかを判定する。
さらに、本実施形態のダイブコンピュータ1は、高所移動などによる急激な気圧変化、及び高度変化に伴う体内への不活性ガス(窒素ガス)の吸収/排出にも対応するため、高度ランク判定後に、高度ランク比較部96により前回計測した高度ランクと比較して変更があったときには体内窒素量の吸収/排出の演算を開始し、高度ランク変化後の経過時間及び不活性ガス順応時間を表示するサーフェスモードST2に遷移するように構成されている。
さらに、本実施形態のダイブコンピュータ1は、報音装置37や振動発生装置38を備え、報音装置37によれば聴覚的に、振動発生装置38によれば触覚的に警告を発することが可能である。体内に溶け込む窒素の量が増加すると、窒素には麻酔作用があるため、ダイバー自身が意識しない間に、意識朦朧状態となることがあるので、これらの警告機能があると、より安全なダイビングが可能となる。特に状況判断・危険認識が鈍くなっている身体にとって、振動発生装置38は他の警告機能に比べてより強力な刺激としてダイバーに警告を発することが可能である。
制御部50は、装置全体の制御を司るCPU51と、このCPU51の制御の下に液晶ドライバー12および時刻用カウンタ33を制御する制御回路52と、ROM53と、RAM54とから構成され、ROM53に格納されているプログラムに基づいてCPU51が行う各処理によって後述する各モードが実現される。RAM54は、潜水中に得られる各種データ(潜水情報)を一時記録しておくメモリ、および後述するログモードで潜水情報を再生するためのログデータを記録しておくメモリなどとして使用される。
[1.1]表示部の説明
再び図1において、液晶表示パネル11の表示面は、7つの表示領域が構成されている。
第1の表示領域111は、腕時計の12時の側に位置しており、7つの表示領域のうちで最も大きく構成されている。第1の表示領域111には、後述するダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモードのときにそれぞれ現在水深、現在月日、水深ランク、潜水月日(ログナンバー)が表示される。
第2の表示領域112は、第1の表示領域111より3時の側に位置しており、ダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモードのときにそれぞれ潜水時間、現在時刻、無減圧潜水可能時間、潜水開始時刻(潜水時間)が表示される。
第3の表示領域113は、第1の表示領域111より6時の側に位置しており、ダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモードのときにそれぞれ最大水深、体内窒素排出時間、セーフティレベル、最大水深(平均水深)が表示される。
第4の表示領域114は、第3の表示領域113より3時の側に位置しており、ダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモードのときにそれぞれ無減圧潜水可能時間、水面休止時間、温度、潜水終了時刻(最大水深時水温)が表示される。
第5の表示領域115は、第3の表示領域113より6時の側に位置しており、電源容量切れ警告104や高所ランク103が表示される。
第6の表示領域116は、液晶表示パネル11の最も6時の側に位置しており、体内窒素蓄積量がグラフ表示される。
第7の表示領域117は、第6の表示領域116より3時の側に位置しており、ダイビングモードで減圧潜水状態になったときに窒素(不活性ガス)が吸収傾向にあるのか、排出傾向にあるかを示す領域、浮上速度が高すぎる旨の浮上速度違反警告の1つとしての「SLOW」を表示する領域、および潜水中に減圧潜水に至った旨の警告としての「DECO」を表示する領域が構成されている。
このように、液晶表示パネル11の表示面では、ダイビングモードのときに現在水深を表示する領域(第1の表示領域111)が最も大きく確保されているので、ダイバーは重要なデータである現在水深の表示を視認しやすい。しかも、液晶表示パネル11の表示面が上ケースの上面より凹んでいるため液晶表示パネル11の表示面の周囲に上ケースに起因する段差があっても、ダイビングモードのときに表示される現在水深の表示領域(第1の表示領域111)が12時の側に配置されているので、前記の段差によって現在水深の表示が隠れることがない。それ故、この点からも、本実施形態の情報処理装置1では、重要なデータである現在水深の表示を視認しやすい。
[1.2]安全情報導出部の構成
図3は、本実施形態のダイブコンピュータ1において体内窒素蓄積量(体内不活性ガス蓄積量)を計算し、その結果に基づいて、体内窒素排出時間や無減圧潜水可能時間などの安全情報を導出する安全情報導出部の機能ブロック図である。
図3において、ダイブコンピュータ1には、吸気に含まれる窒素が体内に吸収され、かつ、排出されていく様子をシミュレートして、体内窒素量(体内窒素分圧)を計算する安全情報導出部60が構成されている。
安全情報導出部60は、体内窒素量に基づいて、ある水深で何時間無減圧潜水できるか(無減圧潜水可能時間)、およびこれまでの潜水で体内に過剰に溶け込んだ窒素が水面上でどれ位の時間で排出されるか(体内窒素排出時間/体内不活性ガス排出時間)をダイバーが安全に潜水を行うための安全情報として導出するように構成されている。なお、以下に説明する体内窒素量の計算はあくまで一例であり、各種の方法を用いることができることから、ここではその一例を簡単に説明しておく。
安全情報導出部60では、まず、体内窒素蓄積量を分圧として計算するために、図2に示した圧力センサ34、増幅回路35、A/D変換回路36を利用した水深計測部61、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54の機能として実現される呼吸気窒素分圧計算部62、図2に示したRAM54を利用した呼吸気窒素分圧記憶部63、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54の機能として実現される体内窒素分圧計算部64、図2に示したRAM54を利用した体内窒素分圧記憶部65、図2に示した時刻用カウンタ33を利用した計時部68、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54の機能として実現され、呼吸気窒素分圧記憶部63と体内窒素分圧記憶部65に記憶されているデータ比較を行う比較部66、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54の機能として実現される半飽和時間選択部67が構成されている。
これらの構成要素のうち、呼吸気窒素分圧計算部62、体内窒素分圧計算部64、比較部66、半飽和時間選択部67は、図2のCPU51、ROM53、およびRAM54にてソフトウエアとして実現可能であるが、ハードウエアである論理回路のみ、あるいは論理回路とCPUを含む処理回路とソフトウエアを組み合わせることで実現することも可能である。
この構成例では、水深計測部61は、時間tに対応する水圧P(t)を計測して出力する。
呼吸気窒素分圧計算部62は、水深計測部61から出力された水圧P(t)に基づいて、呼吸気窒素分圧PIN2 (t)を計算し、出力する。呼吸気窒素分圧PIN2 (t)は潜水中の水圧P(t)より次式により計算で求めることができる。
PIN2 (t)=0.79×P [bar]
呼吸気窒素分圧記憶部63は、呼吸気窒素分圧計算部62において上式のように計算されたPIN2 (t)の値を記憶する。
体内窒素分圧計算部64は、窒素の吸収/排出の速度が異なる組織毎に体内窒素分圧PGT(t)を計算する。1つの組織を例にとると、潜水時刻t=t0からtE までに吸収/排出する体内窒素分圧PGT(tE )は、時刻t0における体内窒素分圧PGT(t0 )と潜水時間tE と、半飽和時間TH より計算される。
ここで、半飽和時間TH とは、図4に示すように、体内窒素分圧PGT(tE )がt0 時の体内窒素分圧PGT(t0 )からこの水圧下での呼吸気窒素分圧PIIGに到達する過程で体内窒素分圧PGT(t0 )と呼吸気窒素分圧PIIGとの中間圧力値に到達するまでの時間(ハーフタイム)に相当する。
そして、その結果は、図3に示すように、PGT(tE )として体内窒素分圧記憶部65に記憶される。そのための計算式は、下式のとおりである。
PGT(tE)=PGT(t0)
+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT)}
ここで、kは実験的に求められる定数である。
次に、比較部66により、呼吸気窒素分圧記憶部63の結果であるPIN2 (t)と体内窒素分圧部5の結果であるPGT(t)を比較し、その結果、半飽和時間選択部67によって、体内窒素分圧計算部64で用いられる半飽和時間TH を可変とする。
たとえば、t=t0 時の呼吸気窒素分圧PIN2 (t0 )、体内窒素分圧PGT(t0 )が、それぞれ呼吸気窒素分圧記憶部63と体内窒素分圧記憶部65に記憶されているとすると、比較部66はこのPIN2 (t0)とPGT(t0 )を比較する。
そして、体内窒素分圧計算部64は、半飽和時間選択部67により、次のように制御され、t=tE の時の体内窒素分圧PGT(tE )が計算される。
・PGT(t0)>PIN2(t0)の場合
PGT(tE)=PGT(t0)+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT1)}
・PGT(t0)<PIN2(t0)の場合
PGT(tE)=PGT(t0) +{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT2)}
これらの場合において、HT2<HT1となっている。
なお、PGT(t0)=PIN2(t0)の場合には、
PGT(tE)=PGT(t0)
となる。
また、これらの時間(t0やtE についての計測)は、図2の計時部68によって管理される。
ここで、PGT(t0 )>PIN2 (t0 )のときは、体内から窒素が排出される場合であり、PGT(t0 )<PIN2 (t0 )のときは、体内へ窒素が吸収される場合である。これらの時に半飽和時間を可変するということは、窒素が排出される場合は、半飽和時間が長く、排出に時間がかかることを意味し、逆に窒素が吸収される場合は半飽和時間が短く、吸収にかかる時間は排出にかかる時間と比較すると短いことになる。このようにすれば、体内窒素量のシミュレーションをより厳密に行うことができる。従って、体内窒素分圧の許容値を設定しておけば、ある水深(水圧)でこの許容値に到達するまでの時間(無減圧潜水可能時間/安全情報)、および水面上で体内窒素分圧が平衡値にまで低下するまでの時間(体内窒素排出時間/安全情報)を精度よく求めることができる。
このようにして本実施形態のダイブコンピュータ1には、無減圧潜水可能時間および体内窒素排出時間をダイバーの安全情報として導出する潜水可能時間導出部92および体内窒素排出時間導出部91が構成されている。
[1.3]ダイビングの開始・終了を判定するための構成
ダイブコンピュータ1は、ダイビング中、水深の計測、水温の計測、潜水時間の計測、潜水中に体内に蓄積される体内窒素蓄積量の計測、ダイバーの浮上速度の計測などが行われ、これらの計測結果に基づいて、表示や警告などが行われる。また、ダイビング終了時には、これらの計測結果や警告の有無などの潜水情報がログデータとして記録され、後述するログモードで再生されるように構成されている。これらの潜水情報の記録動作は、図2に示す計時部68、水深計測部61、入水監視スイッチ30、および制御部50の機能(CPU51、ROM53、RAM54などの機能)の一部を使用して行われる。
すなわち、図5に示すように、ダイブコンピュータ1では、図2に示す水深計測部61、計時部68、および入水監視スイッチ30の出力はいずれも制御部50に入力され、この制御部50には、潜水開始・終了判定部81と、RAM54をメモリとして利用する潜水情報記録部85とが構成されている。これらの構成を、図6も参照しながら以下に詳述する。
潜水開始・終了判定部81は、時刻T11にダイバーが水中に入ったことを入水監視スイッチ30が検知した以降、時刻T12に潜水開始判定用水深値82として設定されている1.5mの水深値よりも深く潜ったときにダイビングが開始されたものと判定する。その結果、潜水時間の計測などが開始される。このようにして計測される潜水時間、平均水深、潜水開始時刻、潜水中の体内窒素量、最大水深、潜水時間、最大水深時の水温、さらには潜水日時、高所ランクなどの潜水情報は、潜水情報記録部85において、必要に応じてダイビングの途中で更新されながらRAM54に構成されている一時記録領域86(一時記録部)に記録されていく。
また、潜水開始・終了判定部81は、ダイビングを開始した以降、水深計測部61の計測結果および計時部68の計測結果に基づいて、時刻T13に潜水終了判定用水深値83として設定されている1.5mの水深値よりも浅い位置にダイバーが浮上しても、潜水終了判定用時間84として設定されている10分間が経過しなれば1回のダイビングが終了したものとして判断しない。
このため、潜水開始・終了判定部81は、時刻T13に1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値82)よりも浅い位置にダイバーが浮上しても、10分(潜水終了判定用時間84)が経過する前に再び、時刻T14に1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値82)よりも深い位置まで潜ったときには1回のダイビングが継続しているものと判断する。
すなわち、潜水開始・終了判定部81は、時刻T15に1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値83)よりも浅い位置にダイバーが浮上し、かつ、時刻T16に10分(潜水終了判定用時間84)が経過したときにはじめてダイビングが終了したものと判断する。
そして、潜水情報記録部85は、今回のダイビングで最初に潜水開始判定用水深値82より深い位置に潜水した時点(時刻T12)から潜水終了判定用水深値83より浅い位置に最後に浮上した時点(時刻T15)までの一時記録部86に記録されている潜水情報をダイビング1回分のログデータとして確定し、RAM54に構成されているログデータ記録領域87にログナンバーを付して記録していく。従って、ログデータ記録領域87に記録されているログデータを用いれば、図6に示すようなダイビングであっても、時刻T12(ダイビング開始時点)から時刻T15(ダイビング終了時点)までのダイビングを1回のダイビングとして、そのときの潜水情報を後で表示部10の液晶表示パネル11に表示、再生することができる。
ここで、ダイビング中は、液晶表示パネル11において現在水深、潜水時間、最大水深、無減圧潜水可能時間、体内窒素グラフ、高度ランクなど、ダイビングに必要な潜水情報が表示されるが、本実施形態では、1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値83)よりも浅い位置にダイバーが浮上し、それから10分(潜水終了判定用時間84)が経過するまでの間も、液晶表示パネル11において前記の潜水情報が表示され続ける。前述のように、時刻T13に1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値82)よりも浅い位置にダイバーが浮上しても、10分(潜水終了判定用時間84)が経過する前に再び、時刻T14に1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値82)よりも深い位置まで潜ったときには1回のダイビングが継続しているものと扱うからである。
さらに、1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値83)よりも浅い位置にダイバーが浮上し、それから10分(潜水終了判定用時間84)が経過した後、ダイバーが水面上に上がって電極30A、30Bが絶縁状態に戻るまでの間も、液晶表示パネル11において前記の各情報が表示され続ける。すなわち、ダイバーが水中に入ったことを電極30A、30Bが導通することによって入水監視スイッチ30が検知してから、ダイバーが水面上に上がって入水監視スイッチ30の電極30A、30Bが絶縁状態に戻るまでの間は、ダイビングモードであるとして同一内容の情報が液晶表示パネル11に表示され続ける。
また、本実施形態では、時刻T15にダイバーが1.5m(潜水終了判定用水深値83)より浅い位置に最後に浮上してから時刻T16に10分間(潜水終了判定用時間84)が経過するまでの間は、所定のスイッチ操作によって、一時記録部86に記録されている潜水情報を表示部10の液晶表示パネル11で表示できるようになっている。それ故、今回のダイビングにおいて潜水情報がログデータとして確定する以前でも、今回のダイビングの潜水情報を再生、表示できるので、便利である。
このように、本実施形態のダイブコンピュータ1によれば、浅い位置まで浮上した後、再び深い位置まで潜った場合でも1回のダイビングと扱われ、誤って複数のダイビングとして扱われることがない。よって、潜水情報が細切れに記録、再生されるということがないなど、実情にあった形態で潜水情報を記録、再生することができる。しかも、素潜りのような不要な潜水情報がログデータ記録領域87に記録されてしまうことを防ぐことができる。
ここで、ログデータ記録領域87にログデータをたとえば最大10回のダイビング分だけしか記録できないことから、それ以上潜水した場合には古いデータから順に自動的に削除される。このように構成しても、本実施形態では、浅い位置まで浮上した後、再び深い位置まで潜った場合でも、あくまで1回のダイビングと扱われるので、重要なログデータが不用意に更新、削除されることがない。なお、特に重要なログデータに関しては、更新あるいは削除を禁止するように設定可能な構成としても良い。
また、潜水開始・終了判定部81は、時刻T11にダイバーが水中に入ったことを電極30A、30Bが導通することによって入水監視スイッチ30が検知した以降、時刻T12に1.5mの水深値(潜水開始判定用水深値82)よりも深く潜ってから時刻T15に1.5mの水深値(潜水終了判定用水深値83)よりも浅いところまで最後に浮上するまでの時間が、潜水判定用時間88として予め設定されている3分以内であれば、すなわち、ダイビングが3分以上行われなかった場合には、素潜り程度のものであるとして、今回行ったダイビングの潜水情報は、ログデータとしてはログデータ記録領域87に記録しない。
このため、不要な潜水情報はログデータ記録領域87に記録されないので、ログデータ記録領域87にログデータを最大10回のダイビング分だけしか記録できず、それ以上潜水した場合には古いデータから順に自動的に削除される場合でも、重要なログデータが不用意に更新、削除されることがない。
[1.4]誤認識状態における潜水状態を解除するための機能構成
全体構成で前述したが、本実施形態のダイビング情報処理装置1では気圧計測部69により定期的に気圧を計測し、高度ランク判定部95により予め区分されているどの高度ランクに属するかを判定し、高度ランク比較部96により、前回気圧計測後に高度ランク記憶部97によってRAM54に格納されている前回の高度ランクと比較して、変更があったときには体内窒素量の吸収/排出の演算を開始し、潜水終了後の休息時間に表示するサーフェスモードST2に遷移するように構成されている。
このような気圧変化の顕著な例として、たとえば、飛行機の搭乗中の高度変化があげられる。ここで、飛行機搭乗中などによる急激な気圧変化の状態と、本発明における誤動作の解除の構成について図10及び図11を用いて詳述する。
時刻T21に気圧計測部69は気圧を計測し、高度ランクとして高度ランク記憶部97によりRAM54に格納する。時刻T22に入水監視スイッチ30への濡れた手指などの接触などにより導通を検出し、水深計測部61により水深計測を開始する。その後、例えば1500m以上降下した場合、気圧値が高くなる。その差は、水圧にして1.5m相当であり、時刻T23には潜水開始終了判定部81によって1.5m(潜水開始判定水深値72)との比較により潜水中と判定される。時刻T24に入水監視スイッチ30の絶縁が検出されるが、時刻T23以降、潜水中であると判定されているためダイブモードST5を継続し、水深計測部61による水深計測も行われている。
また、時刻T24に入水監視スイッチ30の電気導通状態が絶縁検出されたことにより、解除部93は水面休止時間計測部83によって、入水監視スイッチ30の絶縁している時間を水面休止時間として計時を開始する。
制御部50は、所定時間ごとに水面休止時間と解除判定用時間94(本実施形態では、10分間)とを比較し、それ以上経過している場合には、ダイブモードST5による潜水中の状態は、潜水状態であるとの誤認識に基づくものであると判別する。
これにより、制御部50は、確認部98を構成する表示部10の液晶表示パネル11に誤認状態を解除するか否かをユーザに確認する確認画面を表示する。さらに制御部50は、誤認状態であることをユーザに告知すべく、振動発生装置38で振動を発生させ、報音装置で注意を喚起するための音を発生する。
その後、ユーザが誤認解除部93として機能する操作部5を介して誤認状態の解除を指示する。
この場合において、誤認状態の解除方法としては、例えば、ボタンスイッチAとボタンスイッチBを同時に押し、且つ同時押しの状態を所定時間以上継続することが考えられる。
これにより、ユーザが誤認識状態におけるダイブモードで動作している誤動作状態を確認できその状態をすぐに解除したい場合には、容易に解除できるため、使い勝手がよい。さらに、製造工程において、たとえば気圧調整装置などによって低気圧化した環境での品質検査などの際に、誤動作の潜水状態になることがあり、その時には特定の操作によって潜水状態を解除できることとなり、次工程へ効率よく流さなければならないため実用的である。なお、低気圧化した環境とは海抜0メートル地点における標準大気圧値よりも低い状態をさし、たとえば人間が通常生活を営める標高領域(概ね2000メートルまで)における気圧値をいう。
これらの結果、制御部50は、誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態、すなわち、動作モードをサーフェスモードST2へ遷移し、表示パネルに対応する画面を表示させる。
より具体的には、制御部50は、入水監視スイッチ30の導通検出したのち、潜水開始終了判定部81によって潜水中であると判定されていても、時刻T25に入水監視スイッチ30が継続して絶縁検出されている時間が解除判定用時間94(=10分)以上を経過した場合には、誤認状態を解除するか否かをユーザに確認することとなる。
さらに、ユーザの指示により、誤認状態が確認されたことに伴って、動作モードをダイブモードからサーフェスモードに移行した旨を報音装置37からのアラームおよび振動発生装置38での振動によりダイバーへの報知を行う。また、表示部10を発光体などにより発光させて報知してもよい。すなわち、誤認状態が確実に解除され、表示パネル11に表示される情報が更新されたことをユーザに確実に報知する。
これらの動作により、ユーザの非管理下で誤認状態に伴う動作モードの自動的な遷移がなされることがなくなり、収集した情報の信頼性が向上することとなる。
さらに、ユーザは、飛行機から下りてから気がつくと表示が潜水状態のままで大気中の情報を確認できないということがなく、また身体にかかる圧力の変化を表示部にあらわし、ダイバーの体内不活性ガスが平衡状態になるまでの情報を表示することができるので便利である。
本実施形態では、解除判定用時間94は潜水終了判定用時間85と同様10分間を適用し、制御部50のROM53、CPU51の効率化を図っているが、さらに解除動作までの時間を、たとえば潜水判定用時間88などのより短い時間をもちいるなど、時間カウンタの短いものを適用してもよい。
また、本実施形態では、誤認解除部93を介して、ユーザが誤認状態を解除する場合には、大気中での表示であるサーフェスモードST2へ遷移する時刻T25において、気圧計測部69により気圧を計測し、高度ランク判定部95により判定した高度ランクと、高度ランク比較部96により前回時刻T21に計測し判定した前回高度ランクとを比較し、低い高度ランクへの変更があることが判定される。これにより高度の変化があったとして、単なる時刻表示状態ではなく、体内不活性ガスの吸収/排出演算中を示すサーフェスモードST2へ遷移する。
すなわち、誤動作中の表示パネル11の表示情報は水中での表示状態ではあるが、その時の環境圧を常に計測し、その結果をもって体内の不活性ガスの吸収/排出演算は継続されており、誤動作解除後においても引き続き継続され、体内の不活性ガス量に変化があったことを示すサーフェスモードST2を表示するため、実際の体内で起きている状態をより厳密にシミュレーションし情報提供を行うことができる。その後の潜水の安全性をより高め、また通常状態に復帰した時の表示情報の信頼性を向上させることができる。
[1.5]浮上速度監視機能
ダイブコンピュータ1は、後述するダイビングモード中、ダイバーの浮上速度を監視するように構成され、この機能は、CPU51、ROM53、RAM54などの機能を利用して以下の構成として実現される。
すなわち、図5に示すように、ダイブコンピュータ1では、前記の計時部68の計測結果および水深計測部61の計測結果に基づいて浮上時の浮上速度を計測する浮上速度計測部75と、浮上速度計測部75の計測結果と予め設定されている浮上速度上限値76とを比較して現在の浮上速度が浮上速度上限値76より速い場合には浮上速度違反との警告を行う浮上速度違反警告部77とが構成されている。浮上速度計測部75は、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54の演算機能として実現される一方、浮上速度違反警告部77は、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54、報音装置37、振動発生装置38、液晶表示パネル11での表示などの機能として実現される。
本実施形態において、浮上速度違反警告部77は、前記の浮上速度上限値76としてROM53に格納されている水深範囲毎の浮上速度上限値と現在の浮上速度とを比較して、現在の浮上速度が現在水深に対応する浮上速度上限値76より速い場合には液晶表示パネル11での表示、報音装置37からのアラーム音の発生、さらに振動発生装置38からダイバーへの振動の伝達などの方法で浮上速度違反の警告を行い、浮上速度が浮上速度上限値76より遅い状態に戻った時点で浮上速度違反の警告を停止する。
本実施形態では、前記の浮上速度上限値76として各水深範囲において以下に示す値今回の水深計測値 浮上速度上限値1.8m未満 警告なし1.8m〜 5.9m 8m/分(約0.8m/6秒)6.0m〜17.9m 12m/分(約1.2m/6秒)18.0m以上 16m/分(約1.6m/6秒)が設定されている。すなわち、水深が深いところでは、同じ浮上速度で浮上しても単位時間当たりの浮上前後の水圧比が小さいので、比較的大きな浮上速度を許容しても減圧症を十分に防止できるからである。これに対して、水深が浅いところでは、同じ浮上速度で浮上しても単位時間当たりの浮上前後の水圧比が大きいので、比較的小さな浮上速度しか許容しないようになっている。
本実施形態では、浮上速度上限値として6秒当たりの水深値がROM53に格納されている。これは、図7に示すように、水深の計測は1秒毎に行うが、ダイブコンピュータ1を装着した腕の動きが浮上速度に影響を及ぼすことを防ぐために、浮上速度計測の方は6秒毎に行っており、今回の水深計測値と6秒前の前回の水深計測値との差分を算出し、この差分を浮上速度として見做して上記の浮上速度上限値(m/6秒)とを比較するからである。
また、本実施形態のダイブコンピュータ1には、潜水情報(ダイビングの日付、潜水時間、最大水深などの様々なデータ)をRAM54のログデータ記録領域87に記憶、保持しておく潜水情報記録部85が構成されているが、この潜水情報記録部85は、浮上速度違反警告部77から警告が発せられたか否かもログデータとしてログデータ記録領域87に記録しておく。従って、今回のダイビング中に浮上速度違反があったか否かも、後に液晶表示パネル11で再生、表示される。但し、潜水情報記録部85は、1回のダイビング中に連続して2回以上の警告を発したときのみ浮上速度違反があったとログデータとしてログデータ記録領域87に記録する。従って、ダイバーの腕の動きによって浮上速度が誤って速く計測されてしまったような場合には、浮上速度違反があった旨はログデータとして記録されない。
また、本実施形態のダイブコンピュータ1では、水深が1.5mより深い状態が3分以上続いたときに初めてダイビングを行ったものとして扱うため、水深が1.5mより浅い位置まで浮上したときには、水深が0mと見做され、その表示はあくまで0mである。従って、このような浅い所でも深い所と同様に浮上速度違反警告部77が浮上速度違反警告を発すると、水深が1.5mよりわずかに深いところで数cmの腕の動きがあって、水深が1.5mよりわずかでも浅く、0mと見做されると、浮上速度を守っているにもかかわらず、浮上速度違反警告が発せられることになる。その結果、ダイバーは浮上速度違反警告の信頼性に疑問を抱いてしまう。しかるに本実施形態では、現在水深が所定値(1.5m)よりも浅いときには、浮上速度にかかわらず、浮上速度違反の警告を発しない。それ故、上記の不自然な警告が発せられることがないので、この警告への信頼感を高めることができる。すなわち、図7に示すように、たとえば、浮上中に前回計測した水深が1.8mで、この位置から実線L11で示すように浮上して、6秒経過後に計測した現在の水深が1.5m(潜水終了判定用水深値)以浅であれば、浮上速度違反との警告を発しない。
[1.6]水面休止時間の計測機能
上述したように、ダイビング中にはダイバーの体内には過剰な窒素が蓄積されるため、急速な浮上は、体内窒素が気泡となって減圧症の原因となる。同様に、ダイビングの終了後、体内に過剰な窒素が蓄積されている状態で飛行機に搭乗して高所に移動したときにも気圧が急激に低下するので、体内窒素が気泡となって減圧症を引き起こすことがある。従って、ダイビングの終了後は、24時間、好ましくは48時間が経過した後に飛行機に搭乗すべきである。
そこで、図5に示すように、本実施形態のダイブコンピュータ1では、水深計測部61の計測結果および計時部68の計測結果に基づいて、ダイビングを終了してからの経過時間を水面休止時間として計測する水面休止時間計測部89が構成されている。すなわち、水面休止時間計測部89は、水深計測部61の計測結果および計時部68の計測結果に基づいて潜水開始・終了判定部81がダイビング終了と判断したときからの経過時間を水面休止時間として計測する。
従って、ダイビング終了後、水面休止時間計測部89によって求めた水面休止時間を液晶表示パネル11に表示すれば、ダイバーに対して、十分な休止時間をとって体内から過剰な窒素が排出された後、飛行機に搭乗するように警告することができる。
[1.7]各モードの説明
このように構成したダイブコンピュータ1は、図8を参照して以下に説明する各モード(時刻モードST1、サーフェスモードST2、プランニングモードST3、設定モードST4、ダイビングモードST5、ログモードST6)で使用される。
[1.7.1]時刻モードST1
時刻モードST1は、スイッチ操作を行わず、かつ、体内窒素が平衡状態時、陸上で携帯するときの機能であり、液晶表示パネル11には現在月日100、現在時刻101、高度ランク103(図1を参照。/高度ランクがランク0の場合にはマークが表示されない。)が表示される。高度ランク103は、現在の場所の高度を自動的に計測し、3つのランクで表示するようになっている。現在時刻101はコロンが点滅することによって、この表示が現在時刻101である旨を知らせる。たとえば、図8に示す状態では、現在12月5日の10時06分であると表示されている。
また、海抜の高い所、低い所を上下したときも気圧が変化するので、過去のダイビングの有無にかかわらず、体内への窒素の溶け込みや窒素の排出が起きる。そこで、本実施形態のダイブコンピュータ1では、時刻モードST1であってもこのような高度変化があったときには減圧計算を自動的に開始し、表示が変わる。すなわち、図示を省略するが、高度が変わってからの時間、体内窒素が平衡状態になるまでの時間、現在から平衡状態になるまで排出または溶け込む窒素量が表示される。
行し、スイッチBを押すとログモードST6に直接、移行する。また、スイッチAを押した後、スイッチAを押したままスイッチBを5秒間押し続けると、設定モードST4に移行する。
時刻モードST1の間に、図1、図2に示した入水監視スイッチ30を介して入水したことを検出したときには自動的に機能チェックを行い、センサなどが正常であることが確認できれば、ダイビングモードST5に自動的に移行する。このときセンサなどに異常があったときには、その旨を図2に示した報音装置37からのアラーム音などで報知する。
また、この時刻モードST1の間に、(サーフェスモードST2)ダイブコンピュータ1は、ダイビングの終了後、導通していた入水監視スイッチ30が絶縁状態になると自動的にサーフェスモードST2に移行する。
[1.7.2]サーフェスモードST2
サーフェスモードST2は、前回のダイビングから48時間経過するまで、陸上で携帯するときに実行される動作モードである。
サーフェスモードST2では、時刻モードST1で表示するデータ(現在月日100、現在時刻101、高度ランク103)の他に、ダイビング終了後における体内窒素量の変化の目安などを表示する。すなわち、体内に溶け込んだ過剰な窒素が排出され、平衡状態になるまでの時間が体内窒素排出時間201として表示される。この体内窒素排出時間201は、平衡状態になるまでの時間をカウントダウンする。体内窒素排出時間201が0時間00分になった以降は、無表示となる。
また、潜水後の経過時間が水面休止時間202として表示され、この水面休止時間202は、ダイビングモードST5において水深が1.5mよりも浅いところに最後に浮上した時点をダイビングの終了として計時が開始され、48時間まで計測した後、無表示となる。従って、ダイブコンピュータ1において、ダイビング終了後、48時間が経過するまでは陸上においてこのサーフェスモードST2となり、それ以降は時刻モードST1である。
なお、図8に示す状態では、現在、12月5日の11時58分であり、ダイビング終了後、1時間13分経過していると表示されている。また、これまで行ったダイビングにより体内に溶け込んだ窒素量が体内窒素グラフ203の4個分に相当することが表示され、この状態から体内の過剰な窒素が排出されて平衡状態になるまでの時間(体内窒素排出時間201)が、たとえば10時間55分であると表示されている。
このサーフェスモードST2では、スイッチAを押すとプランニングモードST3に直接、移行し、スイッチBを押すとログモードST6に直接、移行する。また、スイッチAを押した後、スイッチAを押したままスイッチBを5秒間押し続けると、設定モードST4に移行する。
サーフェスモードST2の間に、入水監視スイッチ30を介して入水したことを検出したときには自動的に機能チェックを行い、センサなどが正常であることを確認できれば、ダイビングモードST5に自動的に移行する。このときセンサなどに異常があったときにはその旨を報音装置37からのアラーム音などで報知する。
[1.7.3]プランニングモードST3
プランニングモードST3とは、次に行うダイビングの最大水深と潜水時間の目安を入力するための動作モードである。
プランニングモードST3では、水深ランク301、無減圧潜水可能時間302、セーフティレベル、高度ランク、水面休止時間202、体内窒素グラフ203が表示される。水深ランク301のランクは、低ランクから高ランクへと順次、表示が変わっていくとともに、各水深ランク301での無減圧潜水可能時間302が表示される。たとえば、水深ランク301は、9m、12m、15m、18m、21m、24m、27m、30m、33m、36m、39m、42m、45m、48mの順に5秒毎に切り換わる。このとき、時刻モードST1からプランニングモードST3に移行したのであれば、過去の潜水によって体内に過剰な窒素蓄積がない初回潜水の計画であるため、体内窒素グラフ203が0であり、水深が15mのときに無減圧潜水可能時間302が66分と表示される。それ故、水深12m以上、15m以下のところで66分未満まで無減圧潜水が可能であることがわかる。これに対して、サーフェスモードST2からプランニングモードST3に移行したのであれば、過去の潜水によって体内に過剰の窒素蓄積がある反復潜水の計画であるため、体内窒素グラフ203が4つ分であり、最大水深が15mのときであれば、無減圧潜水可能時間302は49分と表示される。それ故、水深12m以上、15m以下のところで49分未満まで無減圧潜水が可能であることがわかる。
このプランニングモードST3では、水深ランク301が48mと表示されるまでの間にスイッチAを2秒以上押し続けると、サーフェスモードST2に直接、移行する。また、水深ランク301が48mと表示された後には時刻モードST1またはサーフェスモードST2に自動的に移行する。さらに、所定の期間、スイッチ操作がないときにはサーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に移行するので、その都度、スイッチ操作を行う必要がない分、便利である。これに対して、スイッチBを押すとログモードST6に直接、移行する。
また、プランニングモードST3の間に、入水監視スイッチ30を介して入水したことを検出したときには自動的に機能チェックを行い、センサなどが正常であることを確認できれば、ダイビングモードST5に自動的に移行する。このときセンサなどに異常があったときにはその旨を報音装置37からのアラーム音などで報知する。
[1.7.4]設定モードST4
設定モードST4は、月日100、現在時刻101の設定の他に、警告アラームのON/OFF設定、セーフティレベルの設定をも行うための機能である。この設定モードST4では、現在月日100、年106、現在時刻101、セーフティレベル(図示せず。)、アラームのON/OFF(図示せず。)、高度ランク103が表示される。
これらの項目のうち、セーフティレベルは、通常の減圧計算を行うレベルと、ダイビング後に1ランク高い高度ランクの場所へ移動することを前提とした減圧計算を行うレベルの2つのレベルに設定できる。
また、アラームのON/OFFは、報音装置37から各種警告のアラームを鳴らすか否かを設定するための設定であり、アラームをOFFに設定しておけば、アラームが鳴らない。従って、ダイブコンピュータ1のように電池切れが特に致命的である装置では、アラームのために消費される電力を削減でき、都合がよい。
設定モードST4では、スイッチAを押す度に設定項目が時、秒、分、年、月、日、セーフティレベル、アラームON/OFFの順に切り換わり、それに相当する部分の表示が点滅する。このとき、スイッチBを押すと設定項目の数値または文字が変わり、押し続けると数値や文字が早く変わる。アラームのON/OFFが点滅しているときにスイッチAを押すと、サーフェスモードST2または時刻モードST1に戻る。また、スイッチA、Bのいずれもが1分〜2分間押されなければ、サーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に戻る。
設定モードST4の間に、入水監視スイッチ30を介して入水したことを検出したときにも自動的に機能チェックを行い、センサなどが正常であることを確認できれば、ダイビングモードST5に自動的に移行する。このときセンサなどに異常があったときにはその旨を報音装置37からのアラーム音などで報知する。
[1.7.5]ダイビングモードST5
ダイビングモードST5とは、潜水時の動作モードであり、無減圧潜水モードST51、現在時刻表示モードST52および減圧潜水表示モードST53を備えている。
無減圧潜水モードST51では、現在水深501、潜水時間502、最大水深503、無減圧潜水可能時間302、体内窒素グラフ203、高度ランクなど、ダイビングに必要な情報が表示される機能である。たとえば、図8に示す状態では、ダイビングを開始してから12分経過し、水深が16.8mのところにおり、この水深ではあと42分間無減圧潜水を続けることができる旨が表示されている。また、現在までの最大水深は20.0mである旨が表示され、さらに現在の体内窒素量は体内窒素グラフ203のマークが4つ点灯しているレベルである旨が表示される。
ここで、ダイビングモードST5に移行したことをダイバーに知らせる目的で、現在水深501の表示などを点滅させてもよい。このように構成すると、ダイビングモードST5での処理を行っている旨を液晶表示パネル11での表示で視認できるので、ダイバーは、ダイビングモードST5が正常に機能しているか否かを心配する必要がないので、便利である。
このダイビングモードST5では、浮上速度監視機能として前記したとおり、急激な浮上は減圧症の原因となることから、6秒毎に現在の浮上速度を求めるとともに、この浮上速度と現在水深に対応する浮上速度許容値とを比較する。
この比較により、今回求めた浮上速度が浮上速度許容値よりも速い場合には、報音装置37から4kHzの周波数でアラーム音(浮上速度違反警告)を3秒間発する。このアラーム音の発生とともに、浮上速度を落とすように液晶表示パネル11において「SLOW」との表示と、現在水深の表示とを1Hz周期で交互に点滅させ、浮上速度違反警告を行う。そして、浮上速度が正常なレベルにまで低下したときには前記の浮上速度違反警告を停止する。
ダイビングモードST5では、スイッチAを押すと、それが押し続けられている間だけ、現在時刻表示モードST52として、現在時刻101と現在水温504が表示される。図8に示す状態では、現在、時刻が10時18分であり、水温が23℃であると表示されている。このように、ダイビングモードST5においてその旨のスイッチ操作があったときには所定の期間だけ現在時刻101や現在水温の表示を行うため、無減圧潜水モードST51において、小さな表示面内で常時はダイビングに必要なデータだけを表示するように構成したとしても、現在時刻モードST52に移行すれば、現在時刻101などを必要に応じて表示できるので便利である。しかも、このようにダイビングモードST5においても、表示の切り換えにスイッチ操作を用いたので、ダイバーが知りたい情報を適正なタイミングで表示できる。
このダイビングモードST5の間に、水深が1.5mより浅いところにまで浮上したときには、ダイビングが終了したものとして処理され、導通していた入水監視スイッチ30が絶縁状態になった時点でサーフェスモードST2に自動的に移行する。この間、図3に示した潜水情報記録部78は、水深が1.5m以深になったときから最後に1.5m以浅になったときまでを1回のダイビングとしてこの間の潜水情報(ダイビングの日付、潜水時間、最大水深などの様々なデータ)を潜水情報記録部78(RAM54)に記憶、保持しておく。併せて、今回のダイビング中に前記の浮上速度違反警告が連続して2回以上あったときには、その旨も潜水情報として記録する。
本実施形態のダイブコンピュータ1は、あくまで無減圧潜水を前提に構成されているものであるが、万が一、減圧潜水の状態になったときには、その旨のアラーム音でダイバーに報知するとともに、以下の減圧潜水表示モードST53に切り換わる。
すなわち、減圧潜水表示モードST53では、現在水深501、潜水時間502、体内窒素グラフ203、高度ランク、減圧停止深度505、減圧停止時間506、総浮上時間507が表示される。図8に示す状態では、潜水開始から24分経過し、水深が29.5mのところにいる旨が表示されている。また、体内窒素量が無減圧潜水を行うための最大許容値を越え、そのまま減圧せずに浮上した場合には危険であるため、安全な浮上速度を守りながら水深3mのところまで浮上し、そこで1分間の減圧停止をするようにとの指示が表示される。
また、安全な浮上速度として水面までには最低でも5分かけるようにとの指示が表示される。さらに、現在、体内窒素量が増大傾向にある旨が上向きの矢印508で表示される。
そこで、ダイバーは、上記の表示内容に基づいて減圧停止した後、浮上することとなるが、この減圧を行っている間、体内窒素量が減少傾向にある旨が下向きの矢印509で表示される。
[1.7.6]ログモードST6
時刻モードST1またはサーフェスモードST2においてスイッチBを押すと、ログモードST6に直接、移行する。ログモードST6は、前記のとおり、ダイビングモードST5に入った状態で3分以上、水深1.5mよりも深く潜水したときの各種潜水情報を潜水情報記録部85がログデータ記録領域87に記憶していたものを表示、再生する機能である。このようなダイビングのデータは、ログデータとして潜水毎に順次記憶され、最大10本のログデータが記憶、保持され、それ以上潜水した場合には古いデータから順に削除され、常に最新の10回分(10本分)のダイビングが記憶されている。
ログモードST6において、ログデータは4秒毎に切り換わる2つの画面で表示される。第1の画面ST61では、潜水月日601、平均水深509、潜水開始時刻603、潜水終了時刻604、高度ランク、潜水を終了したときの体内窒素グラフ203が表示される。第2の画面ST62では、その日での潜水ナンバーであるログナンバー605、最大水深608、潜水時間606、最大水深時の水温607、高度ランク、潜水を終了したときの体内窒素グラフ203が表示される。
たとえば、図8に示す状態では、高度ランクが0のところで、12月5日の2本目のダイビングは潜水が10時07分に開始された以降、10時45分で終了し、38分間の潜水であった旨が表示されている。このときのダイビングでは、平均水深が14.6m、最大水深が26.0m、最大水深時の水温が23℃であり、ダイビング終了後、体内窒素グラフ203が4つ分の窒素が体内に溶け込んだ旨を表示している。このように、ログモードST6では2画面を自動的に切り換えながら各種の情報を表示するので、表示面が小さくても表示できる情報量が多い。
また、ログモードST6では、今回表示しているダイビング中に前記の速度違反警告が2回以上あったときには、その旨を、たとえば液晶表示パネル11の第7の表示領域117において「SLOW」と表示する。
このログモードST6ではスイッチBを押す度に、新しいデータから古いデータに切り換わり、最も古いデータが表示された後は、時刻モードST1またはサーフェスモードST2に移行する。また、ログモードST6でスイッチBを2秒以上押し続けた場合も時刻モードST1またはサーフェスモードST2に移行する。さらに、スイッチA、Bのいずれもが1分〜2分間押されない場合も、サーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に戻るので、その都度、スイッチ操作を行う必要がない分、便利である。
これに対して、スイッチAを押すと、プランニングモードST3に直接、移行する。このように、本実施形態では、プランニングモードST3、サーフェスモードST2、ログモードST6のうち、いずれのモード間でも1回のスイッチ操作で相互の直接移行が可能である。従って、各モードへの移行ルートの自由度が高いので、プランニングモードST3とログモードST6との間でも1回の操作で相互に、直接移行できるため、過去の潜水記録を参照しながら潜水計画を立てるのに手間がかからず、便利である。
また、ログモードST6の間に、入水監視スイッチ30を介して入水したことを検出したときには自動的に機能チェックを行い、センサなどが正常であることを確認できれば、ダイビングモードST5に自動的に移行する。このときセンサなどに異常があったときにはその旨を報音装置37からのアラーム音などで報知する。
このように、プランニングモードST3、サーフェスモードST2(時刻モードST1)、ログモードST6、設定モードST4のいずれのモードからもダイビングモードST5に自動的に移行することができるので、たとえば、ログモードST6において過去の潜水記録を確認した後、あるいはプランニングモードST3で潜水計画を設定した後、そのまますぐに潜水を開始することができるなど、便利である。また、いずれもモードからでも入水監視スイッチ30を介して入水したことを検出したときには、自動的にダイビングモードST5に移行できるので、例えば、手動でダイビングモードに切替るなどの操作を必要としない。
すなわち、ダイビングモードST5に移行する準備ができていないときに、ダイビングモードST5に移行し損ねたことを、潜水を開始した後にはじめて知るという失敗がないので、使い勝手がよい。しかも、ダイビングモードST5に移行する際には予め機能チェックを行い、この機能チェックにおいて異常を検出したときにはダイビングモードST5への移行を自動的に停止するとともに、その旨の報知を行うため、異常があるままダイビングモードST5に移行するという失敗がなく、しかも異常にすぐ気付くので、便利である。また、潜水中に体内に蓄積される不活性ガスの量を監視し損なうということがないので、減圧症を防止するという観点から安全でもある。
[2]実施形態の効果
以上の説明のように、本発明に係るダイブコンピュータでは、高所移動中にダイバーが意図していないときにダイビングモードとなってしまった場合でも、水検知スイッチの絶縁状態である時間が予め設定した解除判定時間を経過したときに潜水状態をユーザの確認の上で解除し、大気中での状態に遷移するので、水深0m計測地点へ戻る必要がない。さらに、携帯者の移動による圧力の変化があっても、計測値を用いて体内窒素量の吸収/排出の演算は定期的に実施され中断することがなく、表示モードが変化していても継続して、より厳密にシミュレートできるため、安全性、信頼性を高めることができる。
従って、本実施形態によれば、大気中において誤って潜水状態となった以降、潜水状態として扱い続けることがなく、大気中での情報提供状態にユーザの確認を求めた上で遷移するため、実使用に沿った形態で情報提供を行うことができるとともに、収集した情報の信頼性をより向上させることができる。
さらに、誤認状態の判別は、ROM53に格納されている制御プログラムにより制御部50により自動的に実施されるので、従来の電子回路による制御に頼らないので、回路基板の実装面積を縮小化でき、装置の小型化、薄型化などに貢献する。
実施形態のダイバーズ用情報処理装置の外観図である。 実施形態の本発明を適用したダイブコンピュータ全体のブロック図である。 安全情報導出部の機能ブロック図である。 ダイブコンピュータにおける半飽和時間を説明するための図である。 ダイビングの開始・終了の判定、浮上速度違反警告、および水面休止時間の計測を行うための構成を示す機能ブロック図である。 ダイビングの開始・終了を判定するための処理内容を示す説明図である。 浮上速度の計測のタイミングおよび浅いところでは浮上速度違反警告を発しない理由を示す説明図である。 各動作モードを説明するためのフローチャートである。 従来のダイビングの開始・終了を判定するための処理内容を示す説明図である。 潜水状態の解除を判定するための構成を示すブロック図である。 誤認識に伴う潜水状態動作と、潜水状態の解除における処理タイミングと内容を示す説明図である。
符号の説明
1…ダイブコンピュータ、5…操作部(指示入力部)、10…表示部(告知部、確認部)、11…液晶表示パネル(告知部、確認部)、30…入水監視スイッチ(入水検出部)、34…圧力センサ、37…報音装置、38…振動発生装置、50…制御部(安全情報導出部、誤認状態確認部)、51…CPU、53…ROM、54…RAM、61…水深計測部、68…計時部、69…気圧計測部、81…潜水開始終了判定部、82…潜水開始判定用水深値、83…潜水終了判定用水深値、84…潜水終了判定用時間、85…潜水情報記録部、88…潜水判定用時間、89…水面休止時間計測部、93…誤認解除部、94…解除判定時間、95…高度ランク判定部、96…高度ランク比較部、97…高度ランク記憶部、98…確認部。

Claims (5)

  1. 水深値を計測する水深計測部と、入水状態にあるか否かを検出する入水検出部と、前記入水状態が検出され、計測された前記水深値が予め設定した潜水判定用水深値より深い場合に潜水状態であると判定する潜水判定部と、前記水深値および潜水中の経過時間により体内に吸収/排出される不活性ガス量を演算し、ダイバーに安全情報を提供する安全情報導出部と、を有するダイバーズ用情報処理装置において、
    前記潜水状態と判定された後に、当該潜水状態の判定が誤認定による誤認状態であるか否かを判別する誤認状態判別部と、
    前記誤認状態であると判別された場合に、当該誤認状態である旨を告知する告知部と、
    前記告知部が告知した前記誤認状態を解除するとした確認結果が入力されると、当該確認結果に基づいて前記誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態に遷移させる制御部と、
    各種情報を表示する表示部と、を備え、
    前記告知部は、前記告知を前記表示部により行い、前記告知部が告知した前記誤認状態を、解除するか否かの確認を前記表示部により行う、
    ことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  2. 請求項1記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記誤認状態を解除するための指示を入力するための指示入力部を備えたこと
    を特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記誤認状態判別部は、前記潜水状態と判定された後に、前記入水状態が解除され、当該解除後の経過時間が所定時間以上である場合に、前記誤認状態にあると判別することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  4. 水深値を計測する水深計測部と、入水状態にあるか否かを検出する入水検出部と、前記水深値および潜水中の経過時間により体内に吸収/排出される不活性ガス量を演算し、ダイバーに安全情報を提供する安全情報導出部と、を備えたダイバーズ用情報処理装置の制御方法において、
    前記入水状態が検出され、計測された前記水深値が予め設定した潜水判定用水深値より深い場合に潜水状態であると判定する潜水判定過程と、
    前記潜水状態と判定された後に、当該潜水状態の判定が誤認定による誤認状態であるか否かを判別する誤認状態判別過程と、
    前記誤認状態であると判別された場合に、当該誤認状態である旨を、各種情報を表示する表示部に表示して告知し、告知した前記誤認状態を、解除するか否かの確認を前記表示部により行う告知過程と、
    前記告知過程で告知した前記誤認状態を、解除するとした確認結果に基づいて、前記誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態に遷移させる動作制御過程と、
    を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置の制御方法。
  5. 水深値を計測する水深計測部と、入水状態にあるか否かを検出する入水検出部と、前記水深値および潜水中の経過時間により体内に吸収/排出される不活性ガス量を演算し、ダイバーに安全情報を提供する安全情報導出部と、を備えたダイバーズ用情報処理装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムにおいて、
    前記入水状態が検出され、計測された前記水深値が予め設定した潜水判定用水深値より深い場合に潜水状態であると判定させ、
    前記潜水状態と判定された後に、当該潜水状態の判定が誤認定による誤認状態であるか否かを判別させ、
    前記誤認状態であると判別された場合に、当該誤認状態である旨を、各種情報を表示する表示部に表示して告知させ、告知させた前記誤認状態を、解除するか否かの確認を前記表示部により行わせ、
    告知した前記誤認状態を、解除するとした確認結果に基づいて、前記誤認状態を解除して潜水状態の動作状態から非潜水状態の動作状態に遷移させる
    ことを特徴とする制御プログラム。
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