JP3642160B2 - 基板の2枚取り検出装置および2枚取り検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リードフレームなどの積層して収納された基板をピックアップして取出す際の2枚取りを検出する基板の2枚取り検出装置および検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リードフレームやプリント基板などの薄形の基板は一般にマガジン内に積層して収納され、これらの基板を後工程の各種装置に供給する際には、1枚づつマガジンからピックアップして取り出される。ところが、リードフレームなど薄くて軽量の基板では、積層された基板をピックアップして取り出す際に、1枚づつ分離せずに2枚以上の基板が互いに密着した状態で同時に取り出される、いわゆる2枚取りが発生しやすい。このため、この密着した状態の基板がそのまま後工程に供給されることのないよう、マガジンから取り出された時点で基板の2枚取り検出が行われる。
【0003】
2枚取り検出の方法として、従来、2枚取りセンサを用いるものや、変位拡大機構を応用した機械式のセンサを用いる方法などが知られている。2枚取りセンサは磁気センサを使用したもので、金属などの導電体の基板に用いられる。また機械式センサは、基板の1枚の厚みと2枚以上が密着した状態の厚みの差を、レバーなどで機械的に拡大して検出するものであり、比較的厚いもの(例えば0.1mm程度)を対象として用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年リードフレームはますます薄形化し、上述の機械式センサでは2枚取り検出が困難になってきている。またFPCなどの樹脂基板が広く用いられるようになり、これらの非金属の基板に対しては金属を検出対象とした2枚取りセンサは使用することができない。このように、非金属の基板や薄形の基板については、確実に2枚取りを検出することができないという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は、非金属の基板や薄形の基板でも確実に2枚取りを検出できる薄形基板の2枚取り検出装置および2枚取り検出方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の基板の2枚取り検出装置は、基板を載置して基板の2枚取りを検出する検出台と、検出台に当接することにより電気的に導通して当接を検知するプローブと、このプローブを上下動させて検出台に当接させる上下動手段と、前記基板の上方に位置し、前記プローブと一体的に上下動して前記検出台上の基板の表面に当接する当接部と、この当接部の前記プローブに対する相対的な上下方向の位置を調整する当接位置調整手段と、前記プローブの電気的導通の有無に基いて前記基板の2枚取りの判定を行う判定手段とを備えた。
【0007】
請求項2記載の基板の2枚取り検出方法は、基板供給部から検出台上に移載された基板の上面にプローブと一体的に上下動しかつこのプローブの下端部より前記基板厚みに基づいて決定される所定寸法だけ高い位置に設定された当接部を下降させ、前記プローブが検出台と電気的に導通したならば前記基板は1枚であると判定し、前記当接部が前記検出台上の基板に当接した状態で前記プローブが前記検出台と導通しないならば前記基板は2枚以上であると判定するようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記構成の本発明によれば、検出台上に載置された基板の上面にプローブと一体的に上下動し、かつプローブの下端部の高さより基板厚みに基づいて決定される所定寸法だけ高い位置に設定された当接部を下降させ、プローブと検出台との電気的な導通の有無に基いて2枚取りの判定を行うことにより、非金属の基板または薄形の基板であっても2枚取りの検出ができる。
【0009】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態のリードフレーム供給装置の正面図、図2は同2枚取り検出装置の斜視図、図3は同2枚取り検出装置の部分断面図、図4(a),(b),(c)は同2枚取り検出装置の部分側面図である。
【0010】
まず、図1を参照してリードフレームの供給装置の構造を説明する。図1において、基板であるリードフレーム1はマガジン3内に積層されて収納されている。マガジン3内には押上板4が設けられており、押上ロッド5で押上板4を徐々に押上ることにより、押上板4上に積層されたリードフレーム1の最上段のリードフレーム1を所定のレベルに保持する。マガジン3の側方には、左右一対の搬送レール6a,6bが設けられている。搬送レール6a、6bは、マガジン3から取り出されたリードフレーム1を後工程に搬送する。
【0011】
マガジン3の上方には、転送ヘッド10が配設されている。転送ヘッド10にはノズル11が備えられており、ノズル11の下端部には吸着パッド12が装着されている。転送ヘッド10はシリンダ14のロッド13に結合されている。ロッド13が突没すると転送ヘッド10は上下動する。シリンダ14はスライダ15に結合されている。スライダ15は水平なシャフト16にスライド自在に装着されており、空圧力によってシャフト16に沿って水平移動する。従って、ロッド13による上下動とスライダ15による水平移動を組合せることにより、転送ヘッド10はマガジン3からリードフレーム1を真空吸着してピックアップし、搬送レール6a,6b上に載置する(矢印a参照)。
【0012】
搬送レール6a上には、2枚取り検出装置20が配設されている。以下、図2、図3を参照して2枚取り検出装置20について説明する。図2において、リードフレーム1は導電体の搬送レール6a,6b上に載置される。この状態で2枚取り検出装置20を搬送レール6a上に下降させてリードフレーム1の2枚取りの検出を行う。すなわち搬送レール6aは2枚取りを検出する検出台となっている。2枚取り検出装置20は、当接部としてのマイクロメータヘッド26a、プローブ27およびシリンダ21より成る。シリンダ21は、シリンダ駆動部31により駆動される。プローブ27は導通検出部33と接続されている。導通検出部33は、プローブ27と導電体である搬送レール6aとの電気的な導通の有無を検出する。制御部32は、シリンダ駆動部31を制御するとともに、導通検出部33から送られる導通検出結果に基づいて2枚取りの判定を行う。すなわち制御部32は、リードフレーム1の2枚取りの判定手段となっている。
【0013】
図3において、プレート25にはプローブ27が装着されている。プレート25には、マイクロメータヘッド26が装着されている。マイクロメータヘッド26を回転させることにより、先端の当接部26aの上下方向の位置、従ってプローブ27の下端部の高さと当接部26aの高さの差dを10ミクロンオーダーの高精度で調整することができる。すなわちマイクロメータヘッド26は当接部26aのプローブ27に対する相対的な上下方向の位置を調整する当接位置調整手段となっている。
【0014】
プレート25の中央にはスライド軸受29が装着されており、スライド軸受29には、シャフト24がスライド自在に装着されている。シャフト24にはスプリング30が装着されており、シャフト24の上部はブロック23によりシリンダ21のロッド22と結合されている。シリンダ21のロッド22が突没するとプレート25は上下動する。すなわちシリンダ21はプレート25に装着されたプローブ27を上下動する上下動手段となっている。シリンダ21のロッド22が突出して、プローブ27の下端部または当接部26aのいずれかが搬送レール6aまたはリードフレーム1に当接すると、ロッド22はスプリング30を介してプレート25を押し下げる。したがってスプリング30の弾発力以上の押圧力はプレート25に作用せず、当接部26aやプローブ27が過大な押圧力でリードフレーム1や搬送レール6aの上面に押しつけられることがない。
【0015】
この2枚取り検出装置は上記のような構成より成り、次に各図を参照して動作を説明する。まず、2枚取り検出動作を行う前の準備作業として、検出対象のリードフレーム1の厚みに応じて当接部26aの位置調整を行う。図4(a)に示すように、当接部26aとプローブ27の下端部の高さの差dは、対象のリードフレーム1の厚みtに基づいて決定され、通常はtよりもわずかに大きくなるようにマイクロメータヘッド26を調整する。
【0016】
この後、図1に示すように、転送ヘッド10によりリードフレーム1をマガジン3からピックアップし、搬送レール6a,6b上に載置する。このとき、図2に示すように、リードフレーム1の縁部の上方に当接部26aが、また搬送レール6aの上方にプローブ27が位置するようにリードフレーム1を位置決めする。
【0017】
次にシリンダ21のロッド22を下降させてリードフレーム1の2枚取り検出を行う。図4(b)はリードフレーム1が1枚である場合を、図4(c)は2枚である場合を示している。図4(b)に示すように、リードフレームが1枚の場合には、当接部26aとプローブ27の下端部の高さの差dは、リードフレーム1の厚みtより大きい(d>t)。このため、当接部26aはリードフレーム1の表面に当接することなく、プローブ27が搬送レール6aの表面と当接する。この結果プローブ27は搬送レール6aと電気的に導通し、この導通を導通検出部33を介して判定手段である制御部32が検知すると、リードフレームは1枚であると判定する。
【0018】
これに対し、図4(c)に示すようにリードフレーム1が2枚存在する場合には、2枚分の厚みは設定された高さの差dより大きい(2t>d)ため、当接部26aがリードフレーム1の表面に当接した状態でもプローブ27は搬送レール6aに当接せず、したがって電気的に導通しない。この場合にはリードフレーム1は2枚以上であると判定される。
【0019】
このように、プローブ27と当接部26aより成る2枚取り検出装置20を、検出台上に載置されたリードフレーム1上に下降させることにより、電気的な導通の有無を検知する簡単な方法で、リードフレーム1の2枚取りを検出することができる。この2枚取り検出方法は非導電体の基板に対しても適用することができ、また当接部26aの位置調整を高精度で行うことにより、薄形の基板であっても確実に2枚取りの検出ができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、検出台上に載置された基板の上面にプローブと一体的に上下動し、かつプローブの下端部の高さより基板厚みに基づいて決定される所定寸法だけ高い位置に設定された当接部を下降させ、プローブと検出台との電気的な導通の有無に基いて2枚取りの判定を行うようにしているので、簡単な機構で非導電体の基板であってもまた薄形の基板であっても確実に2枚取りの検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のリードフレーム供給装置の正面図
【図2】本発明の一実施の形態の2枚取り検出装置の斜視図
【図3】本発明の一実施の形態の2枚取り検出装置の部分断面図
【図4】(a)本発明の一実施の形態の2枚取り検出装置の部分側面図
(b)本発明の一実施の形態の2枚取り検出装置の部分側面図
(c)本発明の一実施の形態の2枚取り検出装置の部分側面図
【符号の説明】
1 リードフレーム
3 マガジン
6a、6b 搬送レール
10 転送ヘッド
20 2枚取り検出装置
21 シリンダ
24 シャフト
25 プレート
26 マイクロメータヘッド
26a 当接部
27 プローブ
31 シリンダ駆動部
32 制御部
33 導通検出部
Claims (2)
- 基板を載置して基板の2枚取りを検出する検出台と、検出台に当接することにより電気的に導通して当接を検知するプローブと、このプローブを上下動させて検出台に当接させる上下動手段と、前記基板の上方に位置し、前記プローブと一体的に上下動して前記検出台上の基板の表面に当接する当接部と、この当接部の前記プローブに対する相対的な上下方向の位置を調整する当接位置調整手段と、前記プローブの電気的導通の有無に基いて前記基板の2枚取りの判定を行う判定手段とを備えたことを特徴とする基板の2枚取り検出装置。
- 基板供給部から検出台上に移載された基板の上面にプローブと一体的に上下動しかつこのプローブの下端部より前記基板厚みに基づいて決定される所定寸法だけ高い位置に設定された当接部を下降させ、前記プローブが検出台と電気的に導通したならば前記基板は1枚であると判定し、前記当接部が前記検出台上の基板に当接した状態で前記プローブが前記検出台と導通しないならば前記基板は2枚以上であると判定することを特徴とする基板の2枚取り検出方法。
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JP19354197A JP3642160B2 (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 基板の2枚取り検出装置および2枚取り検出方法 |
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JPH1135152A JPH1135152A (ja) | 1999-02-09 |
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KR20190112951A (ko) * | 2018-03-27 | 2019-10-08 | 현대제철 주식회사 | 철편검출기용 파손 방지장치 |
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