JP2742966B2 - 板材の分離装置 - Google Patents

板材の分離装置

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JP2742966B2 JP3139544A JP13954491A JP2742966B2 JP 2742966 B2 JP2742966 B2 JP 2742966B2 JP 3139544 A JP3139544 A JP 3139544A JP 13954491 A JP13954491 A JP 13954491A JP 2742966 B2 JP2742966 B2 JP 2742966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積上板材を1枚ずつ分離
して吸着搬出する装置における板材の分離装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】積載された板材(シ―ト状ワ―ク)は、
自重あるいは板材表面に塗られた防錆油や被覆フィルム
などのため、互いに密着しているので、折曲機などの加
工機に板材を供給するとき、1枚ずつ分離する必要があ
る。板材分離装置としては、密着した板材を吸着または
磁力によって吸引したり、積上板材の最上段近くに振動
を与えずれを起させたりするものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の板材分
離装置では、搬送カップ等により取上げる際に、比較的
強く密着している板材に対しては分離方向への力を充分
与えることができないため、2枚またはそれ以上を吸引
することがある。また非磁性材料の板材に対しては磁気
が吸引できないという難点があった。本発明は、折曲加
工時間中は分離動作を繰返して、板材を正確に1枚ずつ
分離して加工機に供給することのできる板材分離装置を
提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、積上板材を吸着し、1枚分の板厚を検出した
のち最上段板材と次段板材との間にスペーサを差込ん
で、1枚ずつの吸着分離を確実に行うようにしたもので
あるすなわち、本発明リフタ7に積上げた板材の
上面縁部近くに設けた縁部吸着手段16によって、最上
段板材14aの縁部を吸着して最上段板材14aと次段
板材14bとの間にスペーサ40を差込んで分離状態を
確保したのち、三次元方向に移動自在としたロボットア
ーム9に取付けた吸着搬送部材10により最上段板材1
4aを順次吸着して加工機供給する装置において;リ
フタ7と加工機との間に配置した基台18と;基台18
の上部に回動する大小のリンク23,24及び25,2
6を介して板材の縁部吸着側に対しそれぞれ進退自在に
取付けたプレート30及びスペーサ40と;前記プレー
ト30の先端に吊り下げた縁部吸着手段16と;縁部吸
着手段16に隣接する位置のプレート30に挿設された
シャフト42に支持されて、縁部が吸着された状態の最
上段板材14aの板厚を検出する手段41と;吸着搬送
部材10による最上段板材14aの吸着搬送時には縁部
吸着手段16及び板厚検出手段41を後退させ、縁部吸
着時には前記縁部吸着手段16及び板厚検出手段41を
板材の縁部吸普側に向けて前進すべく、大形リンク2
3,24を回動させる第1の進退機構と; 吸着搬送部
材10による最上段板材14aの吸着搬送時には前記
ペーサ40を後退させ、縁部吸着時における板厚検出手
段41の信号によって縁部を吸着された最上段板材14
aと次段板材14bとの間にスペーサ40を差込むべ
く、小形リンク25,26を回動させる第2の進退機構
を具えてなることを特徴とする縁部吸着手段16
は、積上板材面に対し互いに僅かな段差をもって前記プ
レート30の先端に吊り下げた複数の吸着パッドまたは
磁力式吸着部材である。また、板厚を検出する手段41
は、 縁部吸着された最上段板材14aの上面に当接
すべく前記シャフト42の下端に形成された検出尖端4
3と、シャフト42の下端近くに設けたブラケット46
と、縁部が吸着された最上段板材14aの下面に当接す
べく ブラケット46に回動自在に支持された検出
バー47 と、検出レバー47に連動して僅かに回動す
る遊動レバー48と、遊動レバー48の回動端の押圧に
より作動して縁部が吸着された板材が所定厚みかどうか
を検出する検出器50、シャフト下端のブラケット4
6と対向する位置に設けた中間プレート35と、中間プ
レート35に固着された操作シリンダであって、縁部が
吸着された最上段板材14aの上面に検出尖端43を突
当てた状態で検出用レバー47の先端が最上段板材14
aの下面に当接すべく回動させると同時に遊動レバー4
8の回動端で検出器50を作動させる操作シリンダ36
とから構成されている。
【0005】
【作用】リフタが上昇し縁部吸着用のパッドを押上げて
停止すると、高低差のある複数の吸着パッドがそれぞれ
弾性変形して吸着する。各吸着パッドは段差があるため
一様には変形せず、順次変形を起してすべての吸着パッ
ドが完全に吸着を終える。吸着が完了すると、リフタを
下降させて最上段板材の縁部を吸着分離する。リフタを
所定の高さ下降させて最上段板材と次段板材との間にス
キマを形成させたのち、板厚検出手段を作動し、正確に
板材1枚であることを検出したのちスペ―サを最上段板
材と次段板材との間に差込む。検出手段は、積上板材端
より板材上部の1辺縁部近くに入る。このようにしたの
ち、ロボットア―ムの吸着部材を最上段板材に吸着さ
せ、ロボットア―ムを操作して板材を吸着搬出すると同
時に、スペ―サを元の位置に戻すことにより全積み高さ
の板材の分離搬出を終わる。板厚検出手段によって板材
2枚以上を検出したときには、検出手段を初めに戻し、
1枚吸着するまで吸着操作を繰返すものである。
【0006】
【実施例】次に図面に基づいて本発明を具体的に説明す
る。図示例は積上板材を1枚ずつ吸着搬送してプレスブ
レ―キに供給する装置に本発明を適用した場合を示すも
ので、図1は本発明分離装置を具えたプレスブレ―キの
部分的側面図、図2は分離装置の拡大側面図である。
【0007】図1に示すように、上型2と下型3を有す
るプレスブレ―キ1の前方に板材分離装置12を設け、更
にその前方のピット6内にリフタ7を埋設して多数の板
材を積載したパレット8をのせる。この積上板材14のほ
ぼ中央に3次元的な移動が可能なロボットア―ム9を取
付け、このロボットア―ム9に吸着パッドまたは磁石な
どの吸着搬送部材10を設ける。なお、図中4はプレスブ
レ―キのベッド、5は下型ホルダである。
【0008】分離装置12は図2に拡大して示すように、
ロボットア―ム9に取付けた吸着搬送部材10とは別に、
積上板材の最上段板材14aの縁部近くを吸着する縁部吸
着手段16と、縁部吸着手段16の下部にあって縁部吸着し
たのちの最上段板材14aと次段板材14bとの間に差込む
スペ―サ40と、板厚検出装置41と、縁部吸着手段16及び
スペ―サ40を側方から最上段板材の縁隅部に向け別々に
進退させる進退機構60とからなる。
【0009】更に、これを詳しく説明すると、分離装置
12の基台18は、図1に示すように、レール19上に
載置されてベッド4の長手方向と平行する方向(横方
向)にスライド可能である。板材の縁部に孔、切欠等が
あると、吸着不能となるため、基台18を横行させて吸
着可能な箇所に分離装置12をセットしておく。基台1
8の上部に2本の軸21,22を横架して大小2種のリ
ンク23,24および25,26を取付ける。板材積載
寄りの軸21の端部には大、小リンクを回動させる第
1,第2のアーム61,62を設け、各アーム端に駆動
シリンダ63,64を連結する。進退機構60は、第
1、第2の進退機構を含んでいる。すなわち、第1の進
退機構は、吸着搬送部材10による最上段板材14aの
吸着搬送時には縁部吸着手段16及び板厚検出手段41
を後退させ、縁部吸着時には前記縁部吸着手段16及び
板厚検出手段41を板材の縁部吸着側に向けて前進すべ
く、大形リンク23,24を回動させるためのものであ
る。第2の進退機構は、吸着搬送部材10による最上段
板材14aの吸着搬送時には前記スペーサ40を後退さ
せ、縁部吸着時における板厚検出手段41の信号によっ
て縁部を吸着された最上段板材14aと次段板材14b
との間にスペーサ40を差込むべく、小形リンク25,
26を回動させるためのものである。
【0010】大形リンク23,24の上端は上板28
に、また小形リンク25,26の上端は下板29にそれ
ぞれ連結されており、基台18、各リンク及び上、下板
によってそれぞれ平行四辺形リンク(4節リンク)が形
成されている。このリンクにより上板28および29は
ストロークAおよびBをもってほぼ水平方向に往復移動
する。上板28の上面には、図3の平面図に示すように
間隔をおいて3枚のプレート30を固着し、各プレート
30の先端にはボール部32を有するシャフト31をス
プリング33により弾力的に吊下げ、かつボール部32
にそれぞれ縁部吸着用の吸着パッド34を取付ける。各
吸着パッド34の吸着面は、同一レベルになく、高低中
またはその逆のように僅かずつ段差(例えば3〜5mm
ずつのレベル差)を保持している。
【0011】次に板厚検出手段41について説明する。図
2および図3に示すように、上記プレ―ト30,30で挟ま
れた上板28に、シャフト42を垂直に挿通する。このシャ
フト42は下端に検出尖端43を有し、上部にスプリング44
を用いて弾力的に吊下げている。シャフト42のほぼ中央
には、後記エアシリンダ36のピストンロッド37を挿通す
る貫通穴45を設けており、その下部に中間プレ―ト35を
水平に固着する。なおシャフト42とエアシリンダのピス
トンロッド37との位置をずらして互いに干渉しないよう
に配置しておけば、図示例のごとくシャフトに貫通穴45
を設けておく必要はない。
【0012】中間プレート35の上面にはエアシリンダ
(操作シリンダ)36を設けるとともに、記シャフト
42を挟んで反対方向にブラケット46を設けてリミッ
トスイッチ、近接スイッチなどの検出器50を固着す
る。ブラケット46には、ピン54を用いて板厚検出用
レバー47と、リミットスイッチ押圧用の遊動レバー4
8を回動自在に取付ける。検出用レバー47の上辺はエ
アシリンダ36のピストンロッド37にピンジョイント
され、かつ屈折斜辺部の両側に遊動レバー48を押込む
ためのピン51,51を突出させている(図5)。検出
用レバー47の下辺には、シャフト側の検出尖端43に
対向するアンビル部49を形成させている。エアシリン
36のピストンロッド37はピストンロッドの伸縮時
にシャフト42と干渉しないようにシャフトにあけた
通穴45に貫挿されている。小リンク25,26に連
結された下板29の上面は、積上板材の最上段と次段と
の板間に差込むためのスペーサ40を有している。な
お、同一厚みの板材に対しては1個の検出器50を用い
ればよいが、厚みの異なる板材を扱う場合には、図5に
示したように検出範囲の異なる複数個の検出器を設けて
おく。また、進退機構の駆動はシリンダ式に限らず、ラ
ック・ピニオンるいはチェーン駆動式としても良い。
【0013】装置の作用を説明する。パレット8に積
上げた板材14をプレスブレーキ1の前方のリフタ7に
載せる。リフタ7を操作して積上最上段の板材14の上
面が吸着作業の標準レベ位置にあるように静止させて
おく。この状態では、駆動シリンダ63,64をリター
ン側に作動して大小のリンク23〜26を右回動端、す
なわち、縁部吸着手段16、板厚検出手段41およびス
ペーサ40のすべてを積上板材の側方に後退させておく
(図4実線)。
【0014】次に、駆動シリンダ63のみの駆により
リンク23,24を反時計方向に回動して縁部吸着
手段のパッド34を、最上段板材14aの上面縁部近く
移動させたのち、リフタ7を駆動積上板材を僅かに
上昇させることにより板材の縁部を吸着させる(図4の
鎖線)。この状態では、エアシリンダ36はリターン側
にあるため、検出レバー47のアンビル49は上昇回
転位置に保持されている。
【0015】最上段板材14aの上面縁部近くを吸着パ
ッド34で吸着すると、リフタ7により積上板材14を
少し下降(図4高さh)させて板間にスキマを形成さ
せ、エアシリンダ36を作動してピストンロッド37を
伸長させ検出用レバー47を時計方向に回動させる。検
出用レバー47の回動により、シャフト検出尖端43
と、レバー下端のアンビル部49との間で最上段の板材
縁部近くをはさむと同時に、レバー上辺のピン51,5
1により遊動レバー48の屈折斜辺部を押圧することに
より遊動バー端のストライカー52でリミットスイッ
チ(検出器)50のプランジャ53を押込む(図1)。
プランジャ53の押し代がリミットスイッチの設定距離
内であれば板材1枚吸着による検出信号を発する。この
信号により駆動シリンダ64を駆動して小リンク23,
24を反時計方向に回動してスペーサ40を板間に差込
む(図2)。次いでロボットアームの吸着搬送部材10
によって最上段板材の上面を吸着させたのち、エアシリ
ンダ36をリターン側にして検出レバー47を元に戻
すと同時に大リンク23,24をリターン側に後退させ
る。このようにしてロボットアームの吸着搬送部材10
によって板材を吸着搬出する。搬出の途中または搬出後
において、小リンク25,26を回動してスペーサ40
を後退させる(図4実線)。これを繰返して全積み高さ
の板材を最上段より順次分離してプレスブレーキなどの
加工機の供給作業を終わる。
【0016】
【発明の効果】上記のように、吸着パッドによって積上
最上段の板材の縁部を吸着したのち、スペ―サを差込ん
でロボットア―ムの吸着搬送部材で吸着するので、非磁
性材を含め確実に一枚ずつを分離することができ、自動
加工作業を円滑に進めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明板材の分離装置を備えたプレスブレー
キの側面図である。
【図2】 板材の分離装置の拡大側面図である。
【図3】 図2の平面図である。
【図4】 縁部吸着手段およびスペサを後退させた状態
の拡大断面図である。
【図5】 図2における板厚検出装置の分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ 2 上型 3 下型 4 ベッド 5 下型ホルダ 6 ピット 7 リフタ 8 パレット 9 ロボットアーム 10 吸着搬送部材 12 分離装置 14 積上板材 14a 最上段板材 14b 次段板材 16 縁部吸着手段 18 基台 19 レール 21、22軸 23、24 大形リンク 25、26 小形リンク 28 上板 29 下板 31 シャフト 33 スプリング 34 吸着パド 35 中間プレート 36 エアシリンダ(操作シリンダ) 37 ピストンロッド 40 スペーサ 41 板厚検出手段 42 シャフト 45 貫通穴 47 検出用レバー 48 遊動レバー 50 リミットスイッチ(検出器) 51 ピン 60 進退機構 61 第1アーム 62 第2アーム 63,64 駆動シリンダ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リフタ7に積上げた板材の上面縁部近く
    に設けた縁部吸着手段16によって、最上段板材14a
    の縁部を吸着して最上段板材14aと次段板材14bと
    の間にスペーサ40を差込んで分離状態を確保したの
    ち、三次元方向に移動自在としたロボットアーム9に取
    付けた吸着搬送部材10により最上段板材14aを順次
    吸着して加工機供給する装置において、リフタ7と加工機との間に配置した基台18と、 基台18の上部に回動する大小のリンク23,24及び
    25,26を介して板材の縁部吸着側に対しそれぞれ進
    退自在に取付けたプレート30及びスペーサ40と、 前記プレート30の先端に吊り下げた 縁部吸着手段16
    と、 縁部吸着手段16に隣接する位置のプレート30に挿設
    されたシャフト42に支持されて、 縁部が吸着された
    態の最上段板材14aの板厚を検出する手段41と、吸着搬送部材10による最上段板材14aの吸着搬送時
    には 縁部吸着手段16及び板厚検出手段41を後退さ
    せ、縁部吸着時には前記縁部吸着手段16及び板厚検出
    手段41を板材の縁部吸着側に向けて前進すべく、大形
    リンク23,24を回動させる第1の進退機構と、吸着搬送部材10による最上段板材14aの吸着搬送時
    には前記 スペーサ40を後退させ、縁部吸着時における
    板厚検出手段41の信号によって縁部が吸着された最上
    段板材14aと次段板材14bとの間にスペーサ40を
    差込むべく、小形リンク25,26を回動させる第2の
    進退機構と、 を具えてなる板材の分離装置。
  2. 【請求項2】 縁部吸着手段16は、積上板材面に対し
    互いに僅かな段差をもって前記プレート30の先端に吊
    り下げた複数の吸着パッドまたは磁力式吸着部材である
    請求項1記載の板材の分離装置。
  3. 【請求項3】 板厚を検出する手段41は、縁部吸着
    された最上段板材14aの上面に当接すべく前記シャフ
    ト42の下端に形成された検出尖端43と、シャフト4
    2の下端近くに設けたブラケット46と、縁部が吸着さ
    れた最上 段板材14aの下面に当接すべく ブラケット
    46に回動自在に支持された検出用レバー47と、検出
    レバー47に連動して僅かに回動する遊動レバー48
    と、遊動レバー48の回動端の押圧により作動して縁部
    が吸着された板材が所定厚みかどうかを検出する検出器
    50と、シャフト下端のブラケット46と対向する位置
    に設けた中間プレート35と、中間プレート35に固着
    された操作シリンダであって、縁部が吸着された最上段
    板材14aの上面に検出尖端43を突当てた状態で検出
    用レバー47の先端が最上段板材14aの下面に当接す
    べく回動させると同時に遊動レバー48の回動端で検出
    器50を作動させる操作シリンダ36とから構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の板材の分離装置。
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