JP3641839B2 - 歯車式変速機のリバース操作機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用の歯車式変速機、特に摺動噛合式のリバースギヤ装置が備えられた歯車式変速機のリバース操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンにクラッチを介して接続されたプライマリシャフトと、駆動輪に連結されたセカンダリシャフトとの間に複数組のギヤ装置を設け、その一つを選択的に伝動状態とすることによって上記両シャフト間の変速比の切換えを行う自動車の歯車式変速機においては、前進用のギヤ装置としては常時噛合式のものが用いられると共に、これらのギヤ装置を非伝動状態から伝動状態へ円滑に切換えるための同期装置が備えられる。
【0003】
一方、リバース用のギヤ装置については、プライマリシャフト上のリバースプライマリギヤとセカンダリシャフト上のリバースセカンダリギヤとを直接噛み合わせない構成としたうえで、これら両シャフトに平行に配置されたアイドルシャフト上に上記両ギヤの双方と噛み合うことのできるリバースアイドルギヤを摺動可能に備え、このリバースアイドルギヤをリバースへの変速操作時に摺動させることにより上記両ギヤと噛み合わせて、これらのギアを伝動状態とする摺動噛合式のギヤ装置が用いられる。そして、このリバースギヤ装置については同期装置は設けられないのが通例であるが、これはリバースへの変速操作が通常セカンダリシャフトの停止状態で行われ、かつプライマリシャフトはクラッチの切断後、オイルの粘性抵抗等によって速やかに回転が低下するので、同期装置を有しない簡素な構造の摺動噛合式のギヤ装置によっても噛み合せることができ、また特にエンジン横置き式のフロントエンジンフロントドライブ車においては、歯車式変速機の軸方向寸法をできるだけ短くする必要があるためである。
【0004】
ところで、かかる摺動噛合式のリバースギヤ装置においては、リバースアイドルギヤを摺動させるための部材としてリバースレバーが備えられる場合がある。このリバースレバーは、例えば実開昭63−166749号公報に開示されているように、一端が支点ピンによって揺動可能に係止されると共に他端がリバースアイドルギヤに形成された周溝と係合し、リバース変速段へのシフト動作を行なうシフトロッド上に取付けられたスリーブに、ガイド溝とこれに係合するガイドピンとを介して係合されて、上記シフトロッドないしスリーブが変位することにより上記支点ピンを支点として揺動し、これにより上記周溝における係合部を介してリバースアイドルギヤを摺動させるものである。なお、上記公報には、リバース操作時にのみスリーブをシフトロッドと一体的に連結して該シフトロッドと共に変位させる構成が開示されている(同公報の第1図又は第2図参照)。
【0005】
また、上記リバースアイドルギヤ、リバースプライマリギヤ及びリバースセカンダリギヤの各歯において、リバースアイドルギヤの摺動時に相互に噛み合い始める側の歯先部には先鋭状の噛み合わせ用チャンファが形成されて、ギヤ同士の噛み合わせが円滑化されるようになされている。そして、リバースアイドルギヤはリバースプライマリギヤと先に噛み合い、次にこのリバースプライマリギヤと噛み合った状態でリバースセカンダリギヤと噛み合うように構成されるのが通例である。これは一般にリバースプライマリギヤの歯数がリバースセカンダリギヤの歯数より少ないため、リバースプライマリギヤにおける各歯間の角度が大きくなり、その結果、図7に示すように、噛み合い時に該リバースプライマリギヤの歯におけるチャンファ先端の稜線xとリバースアイドルギヤの歯におけるチャンファ先端の稜線yとが衝突する確率が高くなって噛み合わせが困難となるので、リバースアイドルギヤが自由回転可能なうちに、先にこの噛み合わせが困難となり易いリバースプライマリギヤと噛み合わせるようにするものである。
【0006】
一方、プライマリシャフトP、セカンダリシャフトS及びアイドルシャフトIは、図8に示すように、三角形の各頂点にそれぞれ位置するように配置されるのが一般的であり、この場合に、リバースレバーを操作するシフトロッドRは、セカンダリシャフトSとアイドルシャフトIとを結ぶ線のプライマリシャフトPと反対側の側方に配置されることがある。そして、このような配置では、リバースレバーLは、シフトロッドR上に取付けられたスリーブVを隔てて該シフトロッドRの側方に配置されるので、その一端がリバースアイドルギヤIGに形成された周溝gと係合するためには、図示したように直線状に延びた形状とされるのが通例である。
【0007】
その場合、リバース操作時にシフトロッドR及びスリーブVが図面上手前方向に変位すると、リバースレバーLが、該スリーブVに設けられたガイド溝hに係合するガイドピンiを介して、その自由端部が手前方向に変位するように支点ピンjを支点として揺動され、その結果、リバースアイドルギヤIGが、リバースレバーLとの係合部Aを介して図面上手前方向に摺動される。そして、該ギヤIGがリバースプライマリギヤPGと先に噛み合い、リバースセカンダリギヤSGと後で噛み合うことにより、リバースギヤ装置が伝動状態に切換えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、リバースレバーLとリバースアイドルギヤIGとの係合部Aが、リバースアイドルギヤIGとリバースセカンダリギヤSGとが噛み合う部位(噛合部)Bに対して、アイドルシャフトIを挟んで反対側に配置される場合には、次のような問題が生じる。
【0009】
すなわち、リバースアイドルギヤIGとリバースセカンダリギヤSGとの噛み合い時に噛合部Bで両ギアの歯同士が当接すると、係合部AにおいてリバースアイドルギヤIGを摺動させようとする力が作用する一方で、該噛合部BにおいてはリバースアイドルギヤIGの摺動を阻止しようとする力が作用する。その場合に、上記係合部Aと噛合部BとがアイドルシャフトIを挟んで反対側に配置されていると、両者A,B間の距離が大きいため、上記二つの力によって大きな偶力が発生し、この偶力がリバースアイドルギヤIGを傾倒させることとなる。その結果、該ギヤIGとアイドルシャフトIとの間に所謂こじれが発生して、該ギヤIGの摺動ないしリバースセカンダリギヤSGとの噛み合わせが円滑に行なわれなくなるのである。
【0010】
また、リバースセカンダリギヤSGが配置されたセカンダリシャフトSは差動装置等を介して駆動輪に連結されて停止しているため、両ギアIG,SGの噛み合わせは、リバースアイドルギヤIG側が噛み合わせ用チャンファをかき分けて回転することにより実現される。しかしながら、上記のようにリバースアイドルギヤIGが傾倒してアイドルシャフトIとの間にこじれが発生すると、該ギヤIGが円滑に回転できなくなり、チャンファのかき分けが良好に行なわれなくなる。しかも、この時点では、リバースアイドルギヤIGは先にリバースプライマリギヤPGと噛み合っているので、該ギヤIGが回転するためには、リバースプライマリギヤPGが配置されたプライマリシャフトPないしクラッチをも一体に回転させなければならず、その結果、リバースアイドルギヤIGが回転抵抗を受けてその回転が重くなるため、チャンファのかき分けが、前述の自由回転可能なうちのリバースプライマリギヤPGとの噛み合い時に比べると、速やかに行われなくなっている。そして、かかる状況の下にリバースアイドルギヤIGの傾倒が起きるので、こじれが益々大きくなり、チャンファのかき分けが困難となって、リバース変速段への操作不良が生じるのである。
【0011】
このような問題は、リバースアイドルギヤが先にリバースセカンダリギヤと噛み合い、後でリバースプライマリギヤと噛み合うように構成された場合において、リバースアイドルギヤとリバースプライマリギヤとの噛み合い時にも発生する。
【0012】
本発明は、摺動噛合式のリバースギヤ装置における上記リバース操作不良に対処するもので、リバースアイドルギアのこじれを抑制して円滑なリバース操作を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本願の請求項1の発明(以下「第1発明」という。)に係る歯車式変速機のリバース操作機構は、プライマリシャフト上のリバースプライマリギヤと、セカンダリシャフト上のリバースセカンダリギヤと、上記両シャフトに平行に配置されたアイドルシャフト上を摺動することにより上記両ギヤに噛み合うリバースアイドルギヤとでなる摺動噛合式のリバースギヤ装置が備えられた歯車式変速機のリバース操作機構であって、上記リバースアイドルギヤを摺動させるリバースレバーと該アイドルギヤとの係合部が、上記プライマリシャフトとセカンダリシャフトのうちのリバース操作時にリバースアイドルギヤが後で噛み合うリバースセカンダリギヤが配置されたセカンダリシャフトと上記アイドルシャフトとの間に配置されていると共に、上記プライマリシャフト、セカンダリシャフト及びアイドルシャフトが三角形の各頂点に位置するように配置され、セカンダリシャフトとアイドルシャフトとを結ぶ線のプライマリシャフトと反対側の側方にリバースレバーを操作するシフトロッドが配置されて、上記リバースレバーが、シフトロッドとアイドルシャフトとの間から折曲されてセカンダリシャフトとアイドルシャフトとの間に導かれており、かつ、上記リバースレバーは、リバース操作時に該リバースレバーからリバースアイドルギヤに作用する摩擦力が、該リバースアイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクと同方向に作用するように設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項2の発明(以下「第2発明」という。)に係る歯車式変速機のリバース操作機構は、上記第1発明において、リバースレバーとリバースアイドルギヤとの係合部が、リバース操作時におけるリバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤとの噛み合い開始時に、アイドルシャフトとセカンダリシャフトとを結ぶ線上に位置することを特徴とする。
【0017】
一方、本願の請求項3の発明(以下「第3発明」という。)に係る歯車式変速機のリバース操作機構は、上記第1発明又は第2発明において、リバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤの少なくとも一方のギヤにおける噛み合わせ用チャンファは、両ギヤの噛み合い時に、リバースアイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクの方向に該アイドルギヤが回転される側で噛み合う確率が大きくなるように、先端がオフセットされていることを特徴とする。
【0019】
【作用】
上記の構成によれば次のような作用が得られる。
【0020】
すなわち、第1発明によれば、リバースアイドルギヤを摺動させるリバースレバーと該リバースアイドルギヤとの係合部が、プライマリシャフトとセカンダリシャフトのうちのリバース操作時にリバースアイドルギヤが後で噛み合う方のギヤが配置されたシャフトとアイドルシャフトとの間に配置されているので、上記係合部は、アイドルシャフトに対して、後で噛み合う方のギヤとの噛合部と同じ側に配置されて、該係合部と噛合部とが接近することとなる。従って、その噛み合い時に両ギアの歯同士が当接した場合に発生する偶力が過大とならず、リバースアイドルギヤの傾倒の程度が軽減される。その結果、リバースアイドルギヤとアイドルシャフトとの間のこじれ、及び後で噛み合う方のギヤとの間のこじれが抑制され、噛み合わせが円滑に行なわれて、リバース操作不良が解消されることとなる。
【0021】
そして、第1発明によれば、リバースプライマリギヤの歯数がリバースセカンダリギヤの歯数より少ない場合においては、リバースアイドルギヤが後で噛み合う方のギヤはリバースセカンダリギヤであり、係合部は該リバースセカンダリギヤが配置されたセカンダリシャフトとアイドルシャフトとの間に配置されているので、歯数が少ないことに起因して噛み合わせが困難となり易いリバースプライマリギヤとリバースアイドルギヤとの噛み合わせを先に行ない、次いでリバースセカンダリギヤとの噛み合わせを行なう場合に、該リバースセカンダリギヤとの噛み合わせ時におけるリバースアイドルギヤのこじれが抑制され、噛み合わせが円滑に行なわれて、リバース操作不良が解消されることとなる。
【0022】
さらに、第1発明によれば、プライマリシャフト、セカンダリシャフト及びアイドルシャフトが三角形の各頂点に位置するように配置され、かつ、セカンダリシャフトとアイドルシャフトとを結ぶ線のプライマリシャフトと反対側の側方にリバースレバーを操作するシフトロッドが配置されている構成において、上記リバースレバーが、シフトロッドとアイドルシャフトとの間から折曲されてセカンダリシャフトとアイドルシャフトとの間に導かれているので、シャフト等の部材の上記のような配置構成において、特別にスペースを確保することなく、係合部をアイドルシャフトに対して噛合部と同じ側に配置することが可能となる。
【0023】
そして、第1発明によれば、リバースレバーは、リバース操作時に該レバーからリバースアイドルギヤに作用する摩擦力が、該アイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクと同方向に作用するように設けられているので、リバースレバーの揺動力の分力として、係合部においてリバースアイドルギヤを回転させるように作用する摩擦力が、上記クラッチ引き摺りトルクと共に、チャンファのかき分けに利用されることとなり、その結果、ギヤの噛み合わせの円滑化がより増進されることとなる。
【0024】
また、第2発明によれば、リバース操作時におけるリバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤとの噛み合い開始時に、係合部がアイドルシャフトとセカンダリシャフトとを結ぶ線上に位置するので、こじれが発生し始める時に、係合部が噛合部に最も接近して発生する偶力が最小となり、その結果、リバースアイドルギヤの傾倒が効率良く抑制されて、より円滑なリバース操作が実現されることとなる。
【0025】
一方、第3発明によれば、リバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤの少なくとも一方のギヤにおける噛み合わせ用チャンファは先端がオフセットされ、該オフセットが、上記両ギヤの噛み合い時に、リバースアイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクの方向に該アイドルギヤが回転される側で噛み合う確率が大きくなるようになされているので、先に噛み合っているリバースプライマリギヤからリバースアイドルギヤに伝達されるクラッチ引き摺りトルクに抗して、該トルクの伝達方向と逆方向にリバースアイドルギヤを回転させなければならなくなるような噛み合いの確率が小さくなる一方で、該トルクの伝達方向と同方向に、かつ該トルクを有効利用しながらリバースアイドルギヤを回転させることができるような噛み合いの確率が大きくなる。その結果、チャンファのかき分け、ないし両ギヤの噛み合わせがより円滑化されることとなる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を図面に示すエンジン横置き式のフロントエンジンフロントドライブ車の歯車式変速機についての実施例に基づいて説明する。
【0027】
まず、図1に示すように、この実施例における歯車式変速機1は、トランスミッションケース2に軸受3,3を介して回転自在に支持され且つクラッチ4を介してエンジン出力軸5に接続されたプライマリシャフト6と、同じくトランスミッションケース2に、上記プライマリシャフト6に平行に配置され、軸受7,7を介して回転自在に支持されたセカンダリシャフト8とを有する。ここで、セカンダリシャフト8は、前端部に形成された出力ギヤ9及び該ギヤ9に噛み合う差動装置10の入力ギヤ10aを介して、該差動装置10から左右の前輪に連結されている。
【0028】
上記プライマリシャフト6とセカンダリシャフト8との間には、プライマリシャフト6上のプライマリギヤ11,12,13,14,15と、これらのギヤ11〜15にそれぞれ常時噛合したセカンダリギヤ16,17,18,19,20とからなる1速用、2速用、3速用、4速用及び5速用のギヤ装置21,22,23,24,25が設けられている。ここで、各ギヤ装置21〜25を構成する一方のギヤ11,12,18,19,20は当該シャフト6又は8に一体形成、或いはスプライン嵌合されて該シャフト6又は8と一体回転するようになされ、また他方のギヤ16,17,13,14,15は当該シャフト6又は8に対して相対回転可能に遊嵌合されている。そして、1速用及び2速用ギヤ装置21,22におけるセカンダリシャフト8に遊嵌合されたギヤ16,17の間、3速用及び4速用ギヤ装置23,24におけるプライマリシャフト6に遊嵌合されたギヤ13,14の間、及び5速用ギヤ装置25におけるプライマリシャフト6に遊嵌合されたギヤ15の後方には、シフトレバー(図示せず)の操作によって上記の遊嵌合された各ギヤ16,17,13,14,15の1つを当該シャフト6又は8に選択的に結合する1ー2速用、3ー4速用及び5速用の同期装置26,27,28が設けられている。
【0029】
この同期装置の構成をプライマリシャフト6の後端部に配置された5速用同期装置28を例にとって説明すると、該装置28は、プライマリシャフト6上にスプライン嵌合されたクラッチハブ29と、その側方に位置する5速用プライマリギヤ15に固設されたギヤスプライン30と、上記ハブ29の外周囲にスプライン嵌合されたクラッチハブスリーブ31と、該スリーブ31と上記ハブ29との間に介在された複数のシンクロナイザキー32と、上記スリーブ31とギヤスプライン30との間に介在されたシンクロナイザリング33とから構成されている。そして、クラッチハブスリーブ31をその外周囲に形成された周溝31aに係合されたシフトフォーク(図示せず)によってプライマリギヤ15側に摺動させた時に、シンクロナイザリング33が該スリーブ31に係合されると共にシンクロナイザキー32を介してギヤスプライン30に押し付けられることにより、該リング33を介して上記スリーブ31とギヤスプライン30の回転が同期され、その後、該スリーブ31が上記クラッチハブ29とギヤスプライン30とに跨がって嵌合する状態に摺動される。これにより、5速用プライマリギヤ15がギヤスプライン30、スリーブ31及びハブ29を介してプライマリシャフト6に結合される。
【0030】
また、プライマリシャフト6とセカンダリシャフト8の後端部間には、リバース変速段へのシフト操作時に、慣性回転しているプライマリシャフト6にブレーキ力を作用して該シャフト6の回転を低下もしくは停止させるブレーキ装置34が備えられている。このブレーキ装置34は、セカンダリシャフト8の後端部にスプライン嵌合されたブレーキ用セカンダリギア35と、上記5速用同期装置28におけるクラッチハブ29の後方でプライマリシャフト6に遊嵌合され且つ上記ブレーキ用セカンダリギア35に常時噛合されたブレーキ用プライマリギア36と、該ギア36に設けられたコーン部36aに遊嵌合されたシンクロナイザリング37とから構成されている。そして、上記同期装置28におけるクラッチハブスリーブ31を、前述とは逆に、後方(図面上左方向)に摺動させた時には、シンクロナイザリング37が該スリーブ31に係合されると共にブレーキ用プライマリギア36のコーン部36aに押し付けられる。このとき、該プライマリギア36は、セカンダリシャフト8及びブレーキ用セカンダリギア35と共に回転が停止しているのに対し、シンクロナイザリング37は、慣性回転しているプライマリシャフト6と共に上記同期装置28を介して回転しているため、上記プライマリギア36のコーン部36aとシンクロナイザリング37との間に摺動抵抗が生じ、これがプライマリシャフト6にブレーキ力として作用される。
【0031】
一方、プライマリシャフト6とセカンダリシャフト8との間に設けられた1速用及び2速用ギヤ装置21,22の間にはリバースギヤ装置38が設けられている。このリバースギヤ装置38は、図2にも示すように、プライマリシャフト6に一体形成されたリバースプライマリギヤ39と、セカンダリシャフト8上における上記1−2速用同期装置26におけるクラッチハブスリーブ26aの外周囲に、上記プライマリギヤ39とは噛み合わないように形成されたリバースセカンダリギヤ40と、上記プライマリシャフト6及びセカンダリシャフト8に平行に配置されたアイドルシャフト41上に回転及び摺動可能に支持されたリバースアイドルギヤ42とから構成されている。そして、該アイドルギヤ42が後述するリバース操作機構によって後方(図2において手前方向)に摺動された時に上記リバースプライマリギヤ39及びリバースセカンダリギヤ40と噛み合うことにより、これらの3個のリバースギヤ39,40,42が伝動状態となり、プライマリシャフト6とセカンダリシャフト8とが連結される。
【0032】
次に、上記リバースギヤ装置38を伝動状態に切換えるリバース操作機構について説明すると、図2及び図3に示すように、上記プライマリシャフト6、セカンダリシャフト8及びアイドルシャフト41に平行に配置された5速−リバース用のシフトロッド43がトランスミッションケース2にスライド可能に支持されている。ここで、このシフトロッド43は、上記プライマリシャフト6、セカンダリシャフト8及びアイドルシャフト41が三角形の各頂点に位置するように配置されているのに対して、セカンダリシャフト8とアイドルシャフト41とを結ぶ線のプライマリシャフト6と反対側の側方に配置されている。そして、このシフトロッド43は、シフトレバー(図示せず)の操作に連動するコントロールロッド44のセレクト動作(回動)及びシフト動作(スライド)によりゲート機構45を介して前後にスライドされ、5速への操作時には前方(図2において向こう方向、図3において右方向)に、リバースへの操作時には後方(図2において手前方向、図3において左方向)にそれぞれスライドされる。なお、このシフトロッド43の後端部には、前述の図示しないシフトフォークが固着されて、上記5速用同期装置28のクラッチハブスリーブ31に係合し、該ロッド43のスライドにより上記スリーブ31を前後方向に摺動させて、前述したように5速用プライマリギヤ15をプライマリシャフト6に結合し、或いはプライマリシャフト6にブレーキ力を作用させる。
【0033】
シフトロッド43の前部にはスリーブ46が嵌合固着され、その突出部46aの側面にL字状のガイド溝47が形成されている一方、トランスミッションケース2にはリバースレバー48が支点ピン49によって揺動可能に支持され、該レバー48の上記スリーブ46と対向する面にガイドピン50が突設されて上記ガイド溝47に係合している。これにより、シフトロッド43がリバース操作時に後方にスライドされた時に、スリーブ46のL字状ガイド溝47がガイドピン50を矢印aの方向に移動させて、リバースレバー48が上記支点ピン49を支点として該a方向に揺動される。なお、支点ピン49は上記コントロールロッド44の位置決め機構を兼ねている。
【0034】
ここで、上記リバースレバー48は、セカンダリシャフト8とアイドルシャフト41とを結ぶ線のプライマリシャフト6と反対側の側方に配置されているシフトロッド43の側方に、スリーブ46の突出部46aを隔てて配置され、しかる後、シフトロッド43とアイドルシャフト41との間を通り、さらにセカンダリシャフト8とアイドルシャフト41との間に導かれるように折曲されて、該レバー48の自由端部51は、上記セカンダリシャフト8とアイドルシャフト41との間で、リバースアイドルギヤ42の前部に形成された周溝52と係合部Aにおいて係合している。これにより、リバースレバー48がa方向に揺動された時の揺動力によって、リバースアイドルギヤ42が、上記係合部Aを介してアイドルシャフト41上で後方に摺動される。なお、この摺動時には、リバースアイドルギヤ42は歯数の少ないリバースプライマリギヤ39と先に噛み合い、歯数の多いリバースセカンダリギヤ40と後で噛み合うようになされている。
【0035】
また、上記アイドルギヤ42がプライマリギヤ39と噛み合った後、セカンダリギヤ40と噛合部Bにおいて噛み合い始める時に、リバースレバー48とアイドルギヤ42との係合部Aが、図2に示すように、アイドルシャフト41とセカンダリシャフト8とを結ぶ線上に位置するようになされている。
【0036】
以上説明した構成によって次のような作用が得られる。すなわち、リバースレバー48がシフトロッド43の側方から折曲されて延びてセカンダリシャフト8とアイドルシャフト41との間にまで至っているため、リバースアイドルギヤ42を後方へ摺動させようとする揺動力の作用する係合部Aが、これら両シャフト8,41の間に配置されることとなる。一方、アイドルギヤ42とセカンダリギヤ40との噛合部Bは上記両シャフト8,41を結ぶ線上に位置する。そして、噛み合い時に上記両ギヤ40,42の歯同士が当接すると、その噛合部Bにおいてリバースアイドルギヤ42の摺動を阻止しようとする力が作用する一方、上記係合部Aにおいてはリバースレバー48の揺動力が作用し、これら二つの力によって、該ギヤ42を傾倒させようとする偶力が発生することとなるが、上記のように、係合部Aがセカンダリシャフト8とアイドルシャフト41との間に配置されて噛合部Bとの間の距離が短いので、発生する偶力は小さくなり、アイドルギヤ42の傾倒が抑制される。その結果、該ギヤ42とアイドルシャフト41との間のこじれ、及びセカンダリギヤ40との間のこじれが回避され、噛み合わせが円滑に行なわれて、リバース操作不良が解消されることとなる。
【0037】
また、リバースレバー48ないし自由端部51の揺動に伴って、係合部Aのリバースアイドルギヤ42に対する相対位置が変化するのであるが、上記偶力が発生する時、すなわち該ギヤ42とセカンダリギヤ40とが噛み合い始める時には、係合部Aが、アイドルシャフト41とセカンダリシャフト8とを結ぶ線上、換言すれば噛合部Bが位置する線上に位置するので、リバースアイドルギヤ42のこじれが発生し始める時に、両者A,Bが最も接近することとなる。従って、発生する偶力は最小となり、該ギヤ42の傾倒が効率良く抑制されて、円滑なリバース操作が実現されることとなる。
【0038】
そして、リバースレバー48の設置位置が上記噛合部Bから比較的隔たっている場合であっても、上記のように該レバー48を折曲させて配置することにより、特にスペースを確保することなく、係合部Aを噛合部Bに接近させて位置させることが可能となる。
【0039】
次に、上記セカンダリギヤ40及びリバースアイドルギヤ42の歯に形成された噛み合わせ用チャンファについて説明する。図4に拡大して示すように、両ギヤ40,42の各歯において対向する側の歯先部には先鋭状にチャンファが形成されて、リバースアイドルギヤ42の摺動時に両ギヤ40,42の噛み合わせが円滑化されるようになされている。そして、各チャンファ先端の稜線40a,42aはそれぞれ歯の中心に位置せずに、リバースアイドルギヤ42に伝達されているクラッチ引き摺りトルクの方向と関連して、次のように一方にずれて(オフセットされて)形成されている。
【0040】
すなわち、前述したように、上記両ギヤ40,42の噛み合い時には、リバースアイドルギヤ42は既にプライマリギヤ39と噛み合っているので、該ギヤ42にはプライマリシャフト6からクラッチ引き摺りトルクが矢印dの方向に伝達されている。このとき、チャンファ先端の稜線40a,42aを歯の中心に形成すると、チャンファ面e,e同士が当接した場合に両ギヤ40,42を噛み合わせるためにリバースアイドルギヤ42を上記引き摺りトルクに抗して該トルクと逆方向に回転させなければならない距離e’と、チャンファ面f,f同士が当接した場合に上記引き摺りトルクを利用して該トルクと同方向にアイドルギヤ42を回転させることができる距離f’とが同じとなる。そこで、図4に示すように、ギアの噛み合わせにとって好ましくない前者の回転距離e’が短くなり、引き摺りトルクを利用し得る後者の回転距離f’が長くなるように、セカンダリギヤ40側のチャンファ稜線40a及びリバースアイドルギヤ42側のチャンファ稜線42aをそれぞれオフセットして形成するのである。これにより、両ギア40,42の歯が当接してチャンファのかき分けが行なわれるときに、引き摺りトルクに抗しなければならないチャンファ面e,e同士の当接する確率が小さくなると共に、該トルクのアシストを受けるチャンファ面f,f同士の当接する確率が大きくなる。また、当接確率の小さい方のチャンファ面e,e同士が当接して上記トルクに抗する場合でも、その回転距離e’が短いので、両ギア40,42の噛み合わせの困難さが低減される一方で、当接確率の大きい方のチャンファ面f,f同士が当接する場合では、リバースアイドルギヤ42は上記引き摺りトルクにアシストされ、これを利用して支障なく回転し、両ギア40,42の噛み合わせが円滑に行なわれる。ここで、上記回転距離e’を0とし、回転距離f’を歯幅いっぱいに設ける、所謂片チャンファとすると、両ギア40,42は常に上記トルクのアシストを受ける面で当接することとなってより好ましい。
【0041】
さらに、この実施例における上記リバースレバー48は、上記クラッチ引き摺りトルクの方向と関連して、次のように設置されている。すなわち、図2及び図3に示すように、リバースレバー48の揺動時におけるa方向への揺動力は、リバースアイドルギヤ42を後方bに摺動させる力と、該ギヤ42をc方向に回転させる力とに分割される。つまり、アイドルギヤ42がb方向に摺動される時には、同時にc方向に回転されるような分力が作用している。そして、このリバースアイドルギヤ42を回転させるようとする分力の作用する方向cが、上記引き摺りトルクの作用する方向dと同じになるように、リバースレバー48が設置されているのである。これにより、セカンダリギヤ40とアイドルギヤ42との噛み合わせをアシストする引き摺りトルクを阻害することなく、さらに該トルクに加えて、上記回転分力の作用により両ギア40,42の噛み合わせがより円滑に行なわれる。
【0042】
また、リバースアイドルギヤ42のアイドルシャフト41との摺動面には、両者42,41間のこじれを低減するために、柔軟性を有する樹脂製のブッシュが該ギヤ42の開口部の前後に備えられている。この樹脂ブッシュ53,54は、図5に示すように、通常リバースアイドルギヤ42の摺動面に設けられる金属製のブッシュ、例えば銅ブッシュ55の前端及び後端において、該銅ブッシュ55より所定量内方向に突出して備えられ、この樹脂ブッシュ53,54を介して該ギヤ42がアイドルシャフト41上を摺動するようになされている。このように構成することにより、係合部Aにおけるb方向への摺動力と噛合部Bにおける摺動阻止力とによる偶力が発生して、リバースアイドルギヤ42が前のめりに傾倒したときの該ギヤ42のこじれが低減されることとなる。
【0043】
すなわち、上記のようにアイドルギヤ42が前のめりに傾倒すると、該ギヤ42の前方上部C及び後方下部Dにおいて、該ギヤ42をアイドルシャフト41へ圧着しようとする力が発生し、これによってリバースアイドルギヤ42のアイドルシャフト41上での摺動が円滑に行なわれなくなるのである。その場合に、柔軟性を有する樹脂ブッシュ53,54が該ギヤ42の前後に備えられているので、上記部位C,Dにおける圧着力が該樹脂ブッシュ53,54によって吸収され、かつ銅ブッシュ55はアイドルシャフト41と接触しないため、リバースアイドルギヤ42は傾倒した状態でもこじれを起こすことなくアイドルシャフト41上を摺動することができる。そして、リバースアイドルギヤ42とセカンダリギヤ40とが噛み合った後、当該リバースギヤ装置38の駆動時には、樹脂ブッシュ53,54が圧縮されて銅ブッシュ55がアイドルシャフト41と当接し、この耐久性を有する銅ブッシュ55によって駆動時の荷重が受け止められる。
【0044】
さらに、この実施例においては、上記プライマリギヤ39とアイドルギヤ42との間のバックラッシュが所定値以上に大きく設けられて、アイドルギヤ42のセカンダリギヤ40との噛み合わせがより円滑に行なわれるようになされている。すなわち、前述したように両ギヤ40,42の噛み合わせは、リバースアイドルギヤ42が、既に噛み合っているリバースプライマリギヤ39を介してプライマリシャフト6ないしクラッチ4をも一体に回転させながら、自らは噛み合わせ用チャンファをかき分けて回転することにより実現される。その場合に、プライマリギヤ39とアイドルギヤ42との間のバックラッシュを大きくすることにより、セカンダリギヤ40との噛み合い時におけるアイドルギヤ42の回転自由度の幅を大きくすることができ、プライマリシャフト6等による回転抵抗を受けずに、円滑に該ギヤ42がセカンダリギヤ40と噛み合うことが可能となる。
【0045】
上記実施例では、図2に示したようにクラッチ引き摺りトルクの方向dが時計回りの方向に伝達される場合を説明したが、該トルクが反時計回りの方向に伝達される場合には、リバースレバー48の揺動によるc方向への回転分力が反時計回りの方向に作用されるように、リバースレバー48の揺動方向が設定されることとなる。例えば図6に示すように、リバース操作時にリバースレバー48を立ち上がらせる方向に揺動させることによって、リバースアイドルギヤ42への回転分力を、引き摺りトルクの伝達方向dと同じ反時計回りの方向cに作用させることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本願の第1発明によれば、リバースアイドルギヤを摺動させるリバースレバーと該リバースアイドルギヤとの係合部が、プライマリシャフトとセカンダリシャフトのうちのリバース操作時にリバースアイドルギヤが後で噛み合う方のギヤが配置されたシャフトとアイドルシャフトとの間に配置されているので、上記係合部は、アイドルシャフトに対して、後で噛み合う方のギヤとの噛合部と同じ側に配置されて、該係合部と噛合部とが接近することとなる。従って、その噛み合い時に両ギアの歯同士が当接した場合に発生する偶力が過大とならず、リバースアイドルギヤの傾倒の程度が軽減される。その結果、リバースアイドルギヤとアイドルシャフトとの間のこじれ、及び後で噛み合う方のギヤとの間のこじれが抑制され、噛み合わせが円滑に行なわれて、リバース操作不良が解消されることとなる。
【0047】
そして、第1発明によれば、リバースプライマリギヤの歯数がリバースセカンダリギヤの歯数より少ない場合においては、リバースアイドルギヤが後で噛み合う方のギヤはリバースセカンダリギヤであり、係合部は該リバースセカンダリギヤが配置されたセカンダリシャフトとアイドルシャフトとの間に配置されているので、歯数が少ないことに起因して噛み合わせが困難となり易いリバースプライマリギヤとリバースアイドルギヤとの噛み合わせを先に行ない、次いでリバースセカンダリギヤとの噛み合わせを行なう場合に、該リバースセカンダリギヤとの噛み合わせ時におけるリバースアイドルギヤのこじれが抑制され、噛み合わせが円滑に行なわれて、リバース操作不良が解消されることとなる。
【0048】
さらに、第1発明によれば、プライマリシャフト、セカンダリシャフト及びアイドルシャフトが三角形の各頂点に位置するように配置され、かつ、セカンダリシャフトとアイドルシャフトとを結ぶ線のプライマリシャフトと反対側の側方にリバースレバーを操作するシフトロッドが配置されている構成において、上記リバースレバーが、シフトロッドとアイドルシャフトとの間から折曲されてセカンダリシャフトとアイドルシャフトとの間に導かれているので、シャフト等の部材の上記のような配置構成において、特別にスペースを確保することなく、係合部をアイドルシャフトに対して噛合部と同じ側に配置することが可能となる。
【0049】
そして、第1発明によれば、リバースレバーは、リバース操作時に該レバーからリバースアイドルギヤに作用する摩擦力が、該アイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクと同方向に作用するように設けられているので、リバースレバーの揺動力の分力として、係合部においてリバースアイドルギヤを回転させるように作用する摩擦力が、上記クラッチ引き摺りトルクと共に、チャンファのかき分けに利用されることとなり、その結果、ギヤの噛み合わせの円滑化がより増進されることとなる。
【0050】
また、第2発明によれば、リバース操作時におけるリバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤとの噛み合い開始時に、係合部がアイドルシャフトとセカンダリシャフトとを結ぶ線上に位置するので、こじれが発生し始める時に、係合部が噛合部に最も接近して発生する偶力が最小となり、その結果、リバースアイドルギヤの傾倒が効率良く抑制されて、より円滑なリバース操作が実現されることとなる。
【0051】
一方、第3発明によれば、リバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤの少なくとも一方のギヤにおける噛み合わせ用チャンファは先端がオフセットされ、該オフセットが、上記両ギヤの噛み合い時に、リバースアイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクの方向に該アイドルギヤが回転される側で噛み合う確率が大きくなるようになされているので、先に噛み合っているリバースプライマリギヤからリバースアイドルギヤに伝達されるクラッチ引き摺りトルクに抗して、該トルクの伝達方向と逆方向にリバースアイドルギヤを回転させなければならなくなるような噛み合いの確率が小さくなる一方で、該トルクの伝達方向と同方向に、かつ該トルクを有効利用しながらリバースアイドルギヤを回転させることができるような噛み合いの確率が大きくなる。その結果、チャンファのかき分け、ないし両ギヤの噛み合わせがより円滑化されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における歯車式変速機の縦断側面図である。
【図2】 上記歯車式変速機のリバース操作機構の構成を示す拡大断面図である。
【図3】 図2におけるア−ア線矢視図である。
【図4】 上記実施例における噛み合わせ用チャンファを示す要部拡大図である。
【図5】 上記実施例におけるリバースアイドルギアを示す拡大断面図である。
【図6】 本発明の別の実施例における歯車式変速機のリバース操作機構の構成を示す拡大断面図である。
【図7】 噛み合わせ用チャンファの当接の態様を示す説明図である。
【図8】 従来のリバース操作機構における問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
1 歯車式変速機
6 プライマリシャフト
8 セカンダリシャフト
38 リバースギヤ装置
39 リバースプライマリギヤ
40 リバースセカンダリギヤ
41 アイドルシャフト
42 リバースアイドルギヤ
43 5速−リバース用シフトロッド
46 スリーブ
47 L字状ガイド溝
48 リバースレバー
50 ガイドピン
51 自由端部(係合部)
52 周溝
53,54 樹脂ブッシュ
Claims (3)
- プライマリシャフト上のリバースプライマリギヤと、セカンダリシャフト上のリバースセカンダリギヤと、上記両シャフトに平行に配置されたアイドルシャフト上を摺動することにより上記両ギヤに噛み合うリバースアイドルギヤとでなる摺動噛合式のリバースギヤ装置が備えられた歯車式変速機のリバース操作機構であって、上記リバースアイドルギヤを摺動させるリバースレバーと該アイドルギヤとの係合部が、上記プライマリシャフトとセカンダリシャフトのうちのリバース操作時にリバースアイドルギヤが後で噛み合うリバースセカンダリギヤが配置されたセカンダリシャフトと上記アイドルシャフトとの間に配置されていると共に、上記プライマリシャフト、セカンダリシャフト及びアイドルシャフトが三角形の各頂点に位置するように配置され、セカンダリシャフトとアイドルシャフトとを結ぶ線のプライマリシャフトと反対側の側方にリバースレバーを操作するシフトロッドが配置されて、上記リバースレバーが、シフトロッドとアイドルシャフトとの間から折曲されてセカンダリシャフトとアイドルシャフトとの間に導かれており、かつ、上記リバースレバーは、リバース操作時に該レバーからリバースアイドルギヤに作用する摩擦力が、該リバースアイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクと同方向に作用するように設けられていることを特徴とする歯車式変速機のリバース操作機構。
- リバースレバーとリバースアイドルギヤとの係合部が、リバース操作時におけるリバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤとの噛み合い開始時に、アイドルシャフトとセカンダリシャフトとを結ぶ線上に位置することを特徴とする請求項1に記載の歯車式変速機のリバース操作機構。
- リバースアイドルギヤとリバースセカンダリギヤの少なくとも一方のギヤにおける噛み合わせ用チャンファは、両ギヤの噛み合い時に、リバースアイドルギヤに伝達されているクラッチ引き摺りトルクの方向に該アイドルギヤが回転される側で噛み合う確率が大きくなるように、先端がオフセットされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の歯車式変速機のリバース操作機構。
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