JPH0717874Y2 - 自動車用歯車変速機のシフト装置 - Google Patents

自動車用歯車変速機のシフト装置

Info

Publication number
JPH0717874Y2
JPH0717874Y2 JP1988115894U JP11589488U JPH0717874Y2 JP H0717874 Y2 JPH0717874 Y2 JP H0717874Y2 JP 1988115894 U JP1988115894 U JP 1988115894U JP 11589488 U JP11589488 U JP 11589488U JP H0717874 Y2 JPH0717874 Y2 JP H0717874Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
reverse
primary
shaft
synchronizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1988115894U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0236646U (ja
Inventor
潤一郎 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP1988115894U priority Critical patent/JPH0717874Y2/ja
Publication of JPH0236646U publication Critical patent/JPH0236646U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0717874Y2 publication Critical patent/JPH0717874Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は自動車用歯車変速機のシフト装置、特に、リ
バースシンクロギヤがマニユアルトランスミツシヨンの
特定の前進段の同期装置の側方に配設され、プライマリ
シヤフト及びセカンダリシヤフト間を互いに連係し、同
期装置のシンクロナイザリングに接触するコンーン面を
有する構成の、自動車用歯車変速機のシフト装置に関す
る。
[従来の技術] 一般に、エンジンにクラツチを介して接続されるプライ
マリシヤフトと、これに平行に配設されたセカンダリシ
ヤフトとの間に複数組のギヤ装置を並設し、その一つを
選択的に伝動状態とすることによつて上記両シヤフト間
の変速比の切換えを行う自動車用歯車変速機において
は、前進用のギヤ装置としては常時噛合い式のものが用
いられ、且つ、これを非伝動状態から伝動状態に円滑に
切換えるための同期噛合装置が備えられている。また、
リバース用のギヤ装置については、プライマリシヤフト
上のリバースプライマリギヤと、セカンダリシヤフト上
のリバースセカンダリギヤと、両ギヤ間に配設されたリ
バースアイドルギヤのうち一つを摺動させることによつ
て、これらを伝動状態に噛合せる選択摺動式のものが用
いられるのが通例である。
この場合、特にこの変速機に使用される潤滑油の粘性が
低い時やアイドリング状態でのエンジンの回転数が比較
的高い場合には、リバースへの変速時に、クラツチを切
断してもプライマリシヤフトの慣性回転が容易に低下せ
ず、この為、このクラツチの切断直後にリバースへのシ
フト操作を行つた場合には、プライマリシヤフトとセカ
ンダリシヤフトとの回転数が相違することにより、この
リバース用ギヤ装置を構成するギヤ間で噛合異音が発生
することになつていた。
これに対しては、クラツチ切断後におけるプライマリシ
ヤフトの慣性回転を抑制し、これによりこのクラツチの
切断後、直ちにリバースへのシフト操作を行つてもリバ
ース用ギヤ装置から異音が発生せず或いはこの異音を低
減するようにした自動車用歯車変速機として、実開昭59
-189947号公報に記載された考案がある。
この公報に開示された考案は、プライマリシヤフトの後
端部にこのシヤフトと一体回転するように設けられたブ
レーキ用プライマリギヤと、セカンダリシヤフトの後端
部にこのシヤフトに対して相対回転自在に嵌合されて、
ブレーキ用プライマリギヤに噛合されたブレーキ用セカ
ンダリギヤとからなるブレーキ用ギヤ装置を備えると共
に、セカンダリシヤフト上におけるブレーキ用セカンダ
リギヤとその前方に相対回転自在に嵌合された前進用ギ
ヤ装置におけるセカンダリギヤとの間に、シフトロツド
の前進変速段もしくはリバース変速段へのシフト動作に
応じて、この前進用ギヤ装置を構成するセカンダリギヤ
をセカンダリシヤフトに結合し、もしくはブレーキ用ギ
ヤ装置を介してプライマリシヤフトをセカンダリシヤフ
トに同期させる同期装置を備えた構成とされたものであ
る。
これによれば、クラツチ切断後において慣性回転するプ
ライマリシヤフト上のブレーキ用プライマリギヤによ
り、停止状態にあるセカンダリシヤフト上のブレーキ用
セカンダリギヤが回転されると共に、このセカンダリシ
ヤフト上に設けられて停止状態にある前進−リバース用
の同期装置を回転するブレーキ用セカンダリギヤに摺接
させることにより、ブレーキ用セカンダリギヤおよびこ
れに噛合するブレーキ用プライマリギヤを介して、プラ
イマリシヤフトにブレーキ力を作用させてこのプライマ
リシヤフトの慣性回転を抑制するようにされている。こ
れにより、クラツチの切断後、直ちにリバースへのシフ
ト操作を行つてもリバース用ギヤ装置が噛合異音を発生
することなく円滑に噛合されることになる。
[考案が解決しようとする課題] ところで、上記した考案においては、歯車変速機をリバ
ースモードに設定すべく、プライマリシヤフトにブレー
キ力を作用し、このプライマリシヤフトの慣性回転を抑
制して停止した後において、リバースアイドルギヤが軸
方向に移動してリバースプライマリギヤと噛合すること
になる。
ここで、これらリバースアイドルギヤとリバースプライ
マリギヤとの互いの噛み合い始める各歯の端面は、例え
同位相の状態で同期したとしても、噛合動作が良好に行
なわれるように、刃先状に鋭利に形成されている。この
ようにして、リバースアイドルギヤの刃先のテーパ面
が、リバースプライマリギヤの刃先のテーパ面に係合し
てこれを押し付け、相対的に回動させて、互いに噛合す
る状態にもたらされるものである。
ここで、上述したブレーキ力を発揮する所のシンクロナ
イザリングとブレーキとブレーキ用プライマリギヤとの
間を摩擦係合させる作用力は、シフトノブのリバース位
置への移動完了に伴ない解除され、この結果、ブレーキ
力は開放されるように設定されているものである。
しかしながら、このような従来の構成においては、積極
的に上述した摩擦係合を解除していないので、状態によ
つては、シンクロナイザリングとブレーキ用プライマリ
ギヤとの間に摩擦係合が残る事態、換言すれば、ブレー
キ力が残留する事態が生じることになる。即ち、リバー
スプライマリギヤはプライマリシヤフトに固定されてい
るので、上述したように、このプライマリシヤフトにブ
レーキが作用し続ける状態においては、例え、リバース
アイドルギヤの刃先のテーパ面が、リバースプライマリ
ギヤの刃先のテーパ面に係合して、これをを押し付け
て、相対的に回動しようとしても、リバースプライマリ
ギヤにはブレーキ力が作用しているので、この相対回動
が良好に生じないことになる。即ち、リバースへの操作
性が悪化する問題が発生することになる。
この考案は上述した問題点に鑑みてなされたもので、こ
の考案の目的は、リバースアイドルギヤ、リバースピニ
オンギヤのかき分けが円滑に行なわれるようにして解除
応答性を向上して、特にリバースシフト時におけるシフ
ト操作性を向上させることの出来る自動車用歯車変速機
のシフト装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決し、目的を達成するために本考案の自動
車用歯車変速機のシフト装置は、マニユアルトランスミ
ツシヨンの特定の前進段の同期装置の側方に配設され、
プライマリシヤフト及びセカンダリシヤフト間を互いに
連係するために、プライマリシヤフトに対してスプライ
ン嵌合されたクラツチハブと、クラツチハブに隣接され
るとともにシンクロナイザリングの内円錐面に対して摺
接する外円錐面を有するリバースシンクロギヤと、クラ
ツチハブの外周面においてスプライン嵌合されるスリー
ブとを備えてなる同期装置であつて、シンクロナイザリ
ングに当接し、リバースシンクロギヤに回り止めされた
スラストワツシヤと、スラストワツシヤとリバースシン
クロギヤとの間に介設され、シンクロナイザリングの内
円錐面を、シンクロナイザギヤの外円錐面から離間する
方向に付勢する付勢部材とを具備している。
[作用] 上記の構成によれば、シンクロナイザリングは、付勢部
材により、スラストワツシヤを介して、常時、リバース
シンクロギヤの円錐面から離間する方向に付勢されてい
る。このため、リバースモードが設定される最中におい
ては、シンクロナイザリングは、この付勢部材の付勢力
に抗して、リバースシンクロギヤの円錐面に摩擦係合
し、プライマリシヤフトにブレーキ力が作用することに
なる。
一方、リバース動作の後半時点で、シンクロナイザリン
グをリバースシンクロギヤの円錐面に摩擦係合させる作
用力は解除されることになる。この結果、シンクロナイ
ザリングは、付勢部材の付勢力がスラストワツシヤを介
して作用することにより、リバースシンクロギヤの円錐
面から離間することになる。このようにして、プライマ
リシヤフトへのブレーキ力は解除され、リバースアイド
ルギヤの刃先のテーパ面が、リバースプライマリギヤの
刃先のテーパ面に係合してこれを押し付け、相対的に回
動させて、互いに噛合する状態に良好にもたらされるも
のである。
[実施例] 次に、この考案に係わる自動車用歯車変速機のシフト装
置の一実施例の構成を、例えば、前輪駆動車用の歯車変
速機に適用した場合につき、添付図面を参照して詳細に
説明する。
第1図に示すように歯車変速機1は、トランスミツシヨ
ンケース2に軸受3を介して回転自在に支持されると共
に、クラツチ4を介してエンジン出力軸5に接続された
プライマリシヤフト6と、同じくトランスミツシヨンケ
ース2に軸受7を介して回転自在に支持され、プライマ
リシヤフト6に平行に配設されたセカンダリシヤフト8
とを有している。
そして、このプライマリシヤフト6とセカンダリシヤフ
ト8との間には、プライマリシヤフト6上のプライマリ
ギヤ11,12,13,14,15と、これらのギヤに夫々常時噛合し
たセカンダリシヤフト8上のセカンダリギヤ16,17,18,1
9,20とからなる1速用、2速用、3速用、4速用および
5速用の前進用ギヤ装置21,22,23,24,25が夫々設けられ
ている。
ここで、各ギヤ装置21〜25を構成する一方のギヤ11,12,
18,19,20は、夫々、プライマリシヤフト6又はセカンダ
リシヤフト8に一体形成され或いはスプライン嵌合され
て、それらのシヤフトと一体回転するように構成されて
いる。また、他方のギヤ13,14,15,16,17は、プライマリ
シヤフト6又はセカンダリシヤフト8に対して夫々相対
回転可能に遊嵌合されている。
そして、1速用及び2速用ギヤ装置21,22におけるセカ
ンダリシヤフト8に遊嵌合されたギヤ16,17の間、3速
用及び4速用ギヤ装置23,24におけるプライマリシヤフ
ト6の遊嵌合されたギヤ13,14の間、及び5速用ギヤ装
置25におけるプライマリシヤフト6に遊嵌合されたギヤ
15の後方には、シフトレバー(図示せず)の操作によつ
て上記の遊嵌合された各ギヤ16,17,13,14,15の一つこの
シヤフト8又は6に選択的に結合する1-2速用、3-4速用
及び5速用の同期装置26,27,28が、夫々設けられてい
る。
この同期装置の構成をプライマリシヤフト6の後端部に
配置された5速用の装置28を例にとつて説明すると、こ
の装置28は、プライマリシヤフト6上にスプライン嵌合
されたクラツチハブ29と、その側方に位置する5速用プ
ライマリギヤ15に固設されたギヤスプライン30と、ハブ
29の外周囲にスプライン嵌合されたクラツチハブスリー
ブ31と、このスリーブ31とハブ29との間に介在された複
数のキー32と、このスリーブ31とギヤスプライン30との
間に介在されたシンクロナイザリング33とから構成され
ている。
そして、クラツチハブスリーブ31をその外周囲に形成さ
れた周溝31aに係合されたシフトフオーク34(第2図に
参照)によつてプライマリギヤ15側に摺動させた時に、
シンクロナイザリング33がこのスリーブ31に係合される
と共に、キー32を介してギヤスプライン30に押し付けら
れる。このようにして、このリング33を介してスリーブ
31とギヤスプライン30の回転が同期される。然る後、こ
のスリーブ31がハブ29とギヤスプライン30とに跨つて嵌
合する状態に摺動される。これにより、プライマリギヤ
15がギヤスプライン30、スリーブ31及びハブ29を介して
プライマリシヤフト6に結合される。
一方、プライマリシヤフト6とセカンダリシヤフト8と
の間に設けられた1速用及び2速用ギヤ装置21,22の間
には、リバース用ギヤ装置35が設けられている。このリ
バース用ギヤ装置35は、プライマリシヤフト6に一体形
成されたリバースプライマリギヤ36と、セカンダリシヤ
フト8上における1-2速用同期装置26におけるクラツチ
ハブスリーブ26aの外周囲に形成されたリバースセカン
ダリギヤ37と、図に展開して示すようにアイドル軸38上
に回転及びスライド可能に支持されたリバースアイドル
ギヤ39とから構成されている。
そして、このアイドルギヤ39が、後述するシフト装置に
よつて後方(図面において、左方)にスライドされた時
に、リバースプライマリギヤ36およびリバースセカンダ
リギヤ37に噛合することにより、これらの3個のリバー
スギヤ36,39,37が伝動状態となり、プライマリシヤフト
6とセカンダリシヤフト8とが連結される。ここで、セ
カンダリシヤフト8は、前端部に形成された出力ギヤ
9、及び、このギヤ9に噛合う差動装置(図示せず)の
入力ギヤ10を介して、差動装置から左右の前輪に連結さ
れている。
次に、リバースギヤ装置35を伝動状態にするシフト装置
について説明する。
先ず、第2図に示すように、トランスミツシヨンケース
2には、プライマリシヤフト6用及びセカンダリシヤフ
ト8に平行に、5速−リバース用のシフトロツド40がス
ライド可能に支持されている。このシフトロツド40は、
図示しないシフトレバーの操作に連動するコントロール
ロツド41のセレクト動作(回動)及びシフト動作(スラ
イド)により、ゲート機構42を介して前後にスライドさ
れるよう構成されている。即ち、このシフトロツド40
は、5速への操作時には前方(矢印Aで示す方向)に、
リバースへの操作時には後方(矢印Bで示す方向)に夫
々をスライドされる。
そして、このロツド40の後端部には、5速用同期装置28
のクラツチハブスリーブ31に係合したシフトフオーク34
が固着されている。このロツド40の前方へのスライドに
より、スリーブ31が前方に摺動して、上記のように5速
用プライマリギヤ15がプライマリシヤフト6に結合され
る。また、第2図及び第3図に示すように、このシフト
ロツド40の前部には、嵌合固着されたスリーブ43の側面
にはL形溝43aが形成されている。また、トランスミツ
シヨンケース2に揺動自在に支持され、且つ、リバース
アイドルギヤ39の周溝39aに係合されたシフトフオーク4
4には、ピン44aが突設されている。このピン44aが上記
L形溝43aに係合されている。
これにより、シフトロツド40が後方(矢印Bで示す方
向)にスライドされた時に、シフトフオーク44が、矢印
Cで示す方向に揺動され、これに伴つて、リバースアイ
ドルギヤ39が後方、即ち、第1図に示すリバースプライ
マリギヤ36の噛合う方向に摺動される。この時、シフト
ロツド40の後方へのスライドに伴つて、シフトフオーク
34を介して5速用同期装置28におけるクラツチハブスリ
ーブ31がクラツチハブ29上を後方に遊び摺動されること
になる。
以上の構成に加えて、この変速機1においてはプライマ
リシヤフト6とセカンダリシヤフト8の後端部間に、ブ
レーキ用ギヤ装置45が備えられている。
このブレーキ用ギヤ装置45は、第4図に拡大して示すよ
うに、セカンダリシヤフト8の後端部にスプライン嵌合
されたブレーキ用セカンダリギヤ46と、プライマリシヤ
フト6上の同期装置28のクラツチハブ29におけるボス部
29aの側方に介挿されたスリーブ47の外周に遊嵌合さ
れ、且つ、ブレーキ用セカンダリギヤ46に常時噛合され
たブレーキ用プライマリギヤ48と、このギヤ48に設けら
れた円錐部48aに遊嵌合されたシンクロナイザリング49
とから構成されている。即ち、シンクロナイザリング49
は、軸方向に変位することにより、ブレーキ用プライマ
リギヤ48の円錐部48aに対して、係脱するよう形成され
ている。
そして、このシンクロナイザリング49と円錐部48aと
は、同期装置28におけるクラツチハブ29、クラツチハブ
スリーブ31及びキー32に対してギヤスプライン30の円錐
部30a及びシンクロナイザリング33と前後対称的に配置
されている。
このように構成されるシフト装置には、この考案の特徴
をなす点であるが、第4図に詳細に示すように、シンク
ロナイザリング49をブレーキ用プライマリギヤ48の円錐
部48aから離間する方向に付勢する付勢部材としてのコ
イルスプリング50がスラストワツシヤ51を介して介設さ
れている。
詳細には、このスラストワツシヤ51は、第5図に示すよ
うに、ブレーキ用プライマリギヤ48の、円錐部48aとギ
ヤ部分48bとの間に位置する円筒状部48cの外周に、軸方
向に沿つて摺動可能に遊貫されている。即ち、このスラ
ストワツシヤ51は、円筒状部48cの外周に位置する円筒
体51aと、この円筒状51aのシンクロナイザリング49側の
端面から半径方向外方に延出したフランジ部51bとから
一体に形成されている。換言すれば、このフランジ部51
bの内側面は、シンクロナイザリング49の外側面に対向
するよう設定されている。
ここで、この円筒体51aの一部には、図示するように、
半径方向内方にへこむ段部51cが形成されている。一
方、ブレーキ用プライマリギヤ48の円筒状部48cの外周
面には、この段部51cが嵌入する凹部48dが形成されてい
る。即ち、この段部51cが凹部48dに嵌入することによ
り、スラストワツシヤ51のブレーキ用プライマリギヤ48
に対する相対回転が係止されるよう設定されている。換
言すれば、この段部51cはスラストワツシヤ51の軸方向
に沿う移動は許容するものの回り止め部材として機能す
るものである。
一方、上述したコイルスプリング50は、スラストワツシ
ヤ51の円筒体51aの外周に遊嵌されているものであり、
これの一端(外方端)はブレーキ用プライマリギヤ48の
ギヤ部48bの内側面に、また、他端(内方端)はスラス
トワツシヤ51のフランジ部51bの外側面に、夫々掛止さ
れている。即ち、シンクロナイザリング49は、スラスト
ワツシヤ51を介して、コイルスプリング50の弾性付勢力
を受け、ブレーキ用プライマリギヤ48の円錐面48aから
離間する方向に付勢されることになる。
以下に、以上のように構成された変速機1において、リ
バース変速段へのシフト操作時の作動を説明する。
先ず、クラツチ4を切断した上で、図示しないシフトレ
バーをリバース位置に移動・操作すると、第2図に示す
コントロールロツド41及びゲート機構42を介して、5速
−リバース用シフトロツド40が後方(B方向)にスライ
ドを開始する。このスライドに伴つて、シフトロツド40
の前部に固着されたスリーブ43のL形溝43aにピン44aを
係合されたシフトフオーク44が、矢印Cで示す方向に揺
動されると共に、このシフトフオーク44を介してリバー
スアイドルギヤ39が、リバースプライマリギヤ36側に摺
動される。この場合に、このリバースアイドルギヤ39が
当初の位置からリバースプライマリギヤ36に噛合し始め
る直前までに、シフトロツド40はL形溝43aとピン44aと
の間の遊び分(第3図の符号aで示す。)とリバースプ
ライマリ・リバースアイドル両ギヤ36,39間の隙間分
(第1図の符号bで示す。)とに相当する所期ストロー
ク分だけスライドすることになるが、この間にプライマ
リシヤフト6に、次のようにしてブレーキ力が作用す
る。
即ち、プライマリシヤフト6は、クラツチ4によりエン
ジン出力軸5から切り離されて慣性回転しているもので
あるが、この時、このプライマリシヤフト6の後端部に
配設された5速用同期装置28は、5速用ギヤ装置25およ
びブレーキ用ギヤ装置45のいずれにも摺接しない中立状
態にあり、且つ、5速用ギヤ装置25およびブレーキ用ギ
ヤ装置45を構成するプライマリギヤ15およびブレーキ用
プライマリギヤ48のいずれもが、プライマリシヤフト6
に対して遊嵌合されてるものである。ここで、これらの
ギヤ15および48が停止状態にあるので、この5速用同期
装置28のみが、プライマリシヤフト6と共に慣性回転し
ていることになる。従つて、このプライマリシヤフト6
に作用する慣性モーメントは比較的小さいものとなる。
この状態で、シフトロツド40が後方へスライドすること
により、このシフトロツド40の後端部に固着されたシフ
トフオーク34を介して、プライマリシヤフト6上にスプ
ライン嵌合され、このシヤフト6と共に回転している5
速用同期装置28におけるクラツチハブスリーブ31が、後
方に遊び摺動することによつて、ブレーキ用ギヤ装置45
におけるシンクロナイザリング49に、スリーブ31が係合
し、これにより、このシンクロナイザリング49が、コイ
ルスプリング50の弾性付勢力に抗して、ブレーキ用プラ
イマリギヤ48の円錐部48aに押し付けられることにな
る。
この時、セカンダリシヤフト8が停止しているので、当
然のことながら、このセカンダリシヤフト8の後端にス
プライン嵌合されたブレーキ用セカンダリギヤ46も回転
が停止している。この為、このブレーキ用セカンダリギ
ヤ46と常時噛合し、且つ、プライマリシヤフト6上に遊
嵌合されているブレーキ用プライマリギヤ48も、停止状
態とされているので、ブレーキ用プライマリギヤ48の円
錐部48aとシンクロナイザリング49との間に摺動抵抗が
生じることになる。この結果、プライマリシヤフト6に
ブレーキ力が作用することになる。
しかも、上記のごとく、このプライマリシヤフト6に作
用する慣性モーメントが比較的小さいので、小さなブレ
ーキ力でこのプライマリシヤフト6の慣性回転を速やか
に低下ないし停止させることができるものである。
然る後、シフトロツド40が初期ストロークを越えて更に
スライドすると、ブレーキ用ギヤ装置45におけるシンク
ロナイザリング49に対する、スリーブ31の係合が解除さ
れることになる。これにより、このシンクロナイザリン
グ49が、ブレーキ用プライマリギヤ48の円錐部48aに押
し付けられる押し付け力が解放され、この結果、コイル
スプリング50の弾性付勢力により、シンクロナイザリン
グ49は、円錐部48aから離間するように偏倚されること
になる。
即ち、シフトロツド40が初期ストロークを越えて更にス
ライドすることにより、ブレーキ用ギヤ装置45におい
て、プライマリシヤフト6に対するブレーキ力が解除さ
れ、プライマリシヤフト6は自由に回動し得る状態とな
る。
この状態において、リバースアイドルギヤ39がリバース
プライマリギヤ36に噛合することになる。ここで、両ギ
ヤ36,39の刃先同士が同位相の状態で同期している場合
において、リバースアイドルギヤ39の刃先のテーパ面
が、リバースプライマリギヤ36の刃先のテーパ面に係合
して、これをかき分けるようにして、相対的に回動させ
ることになるが、リバースプライマリギヤ36へのブレー
キ力は解除されているので、この相対回動が良好に生
じ、リバース変速段へのシフト操作が円滑に行なわれる
ことになる。
ここで、この一実施例においては、このコイルスプリン
グ50の弾性付勢力は、スラストワツシヤ51を介して、シ
ンクロナイザリング49に作用するよう設定されている。
そして、このスラストワツシヤ51は、ブレーキ用プライ
マリギヤ48に回転止めされた状態で、配設されている。
この結果、ブレーキ用プライマリギヤ48が回転している
状態において、この回転に常に同期してスラストワツシ
ヤ51も回転するので、コイルスプリング50自身に対し
て、これをねじるような力が作用せず、従つて、このコ
イルスプリング50の弾性付勢力は常に一定な値に維持さ
れることになる。
このようにして、この一実施例においては、プライマリ
シヤフト6の慣性回転を抑制するオイルの粘性抵抗が小
さく、或いは、オートチヨーク装置によつてアイドル回
転数が高く設定されている場合であつても、プライマリ
シヤフト6の慣性回転時にこのシヤフト6に作用する慣
性回転時にこのシヤフト6に作用する慣性モーメントが
比較的小さいので、小さな操作力でシフトレバーのリバ
ース変速段へのシフト操作を行つても、リバース用ギヤ
装置が円滑且つ軽快に噛合することになる。
しかも、この一実施例においては、リバースアイドルギ
ヤ39がリバースプライマリギヤ36に噛合する直前の時点
で、プライマリシヤフト6へのブレーキ力、即ち、リバ
ースプライマリギヤ36へのブレーキ力は、コイルスプリ
ング50の弾性付勢力により強制的に解除されることにな
るので、リバースプライマリギヤ36は回転自在な状態に
設定されることになる。このようにして、リバースアイ
ドルギヤ39がリバースプライマリギヤ36に噛合に際し
て、両ギヤのかき分けが円滑に行なわれることになり、
リバースへの操作性が確実に向上することになる。
この考案は、上述した一実施例の構成に限定されること
なく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能
であることは言うまでもない。
例えば、この考案は、上記した一実施例に示す前進5段
の変速機に限らず、プライマリシヤフトの後端部に3速
用プライマリギヤと3速用同期噛合装置が備えられた前
進3段の変速機についても適用することができる。ま
た、フロントエンジン・リヤドライブ車用の変速機につ
いても同様の構成で適用できる。
また、上述した一実施例においては、付勢部材としてコ
イルスプリング50を用いるように説明したが、この考案
は、このような構成に限定されることなく、第6図に一
実施例の変形例として示すように、ウエーブワツシヤ52
を用いるようにしても、同様な効果を奏することが出来
るものである。
[考案の効果] 以上詳述したように、本考案によれば、リバースアイド
ルギヤ、リバースピニオンギヤのかき分けが円滑に行な
われるようになり解除応答性が向上されるので、特にリ
バースへの操作性を向上させることの出来る自動車用歯
車変速機のシフト装置が提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案に係わる自動車用歯車変速機のシフト
装置の構成を示す縦断面図; 第2図はこの変速機におけるシフトロツド部の構成を示
す側面図; 第3図は第2図に示すIII-III線よりみた拡大矢視図; 第4図は第1図におけるこの考案の要部を拡大して示す
縦断面図; 第5図はスラストワツシヤの構成を示す斜視図;そし
て、 第6図は一実施例の変形例に係わる付勢部材としてのウ
エーブワツシヤを示す斜視図である。 図中、1……歯車変速機、2……トランスミツシヨンケ
ース、3……軸受、4……クラツチ、5……エンジン出
力軸、6……プライマリシヤフト、7……軸受、8……
セカンダリシヤフト、9……出力ギヤ、10……入力ギ
ヤ、11……第1のプライマリギヤ、12……第2のプライ
マリギヤ、13……第3のプライマリギヤ、14……第4の
プライマリギヤ、15……第5のプライマリギヤ、16……
第1のセカンダリギヤ、17……第2のセカンダリギヤ、
18……第3のセカンダリギヤ、19……第4のセカンダリ
ギヤ、20……第5のプライマリギヤ、21……1速用ギヤ
装置、22……2速用ギヤ装置、23……3速用ギヤ装置、
24……4速用ギヤ装置、25……5速用ギヤ装置、26……
1-2速用同期装置、27……3-4速用同期装置、28……5速
用同期装置、29……クラツチハブ、29a……ボス部、30
……ギヤスプライン、31……クラツチハブスリーブ、31
a……周溝、32……キー、33……シンクロナイザリン
グ、34……シフトフオーク、35……リバース用ギヤ装
置、36……リバースプライマリギヤ、37……リバースセ
カンダリギヤ、38……アイドル軸、39……リバースアイ
ドルギヤ、40……5速−リバース用シフトロツド、41…
…コントロールロツド、42……ゲート機構、43……スリ
ーブ、43a……L形溝、44……シフトフオーク、44a……
ピン、45……ブレーキ用ギヤ装置、46……ブレーキ用セ
カンダリギヤ、47……スリーブ、48……ブレーキ用プラ
イマリギヤ、48a……円錐部、48b……ギヤ部、48c……
円筒状部、48d……凹部、49……シンクロナイザリン
グ、50……コイルスプリング、51……スラストワツシ
ヤ、51a……円筒体、51b……フランジ部、51c……段
部、52……ウエーブワツシヤ(変形例)である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】マニユアルトランスミツシヨンの特定の前
    進段の同期装置の側方に配設されるとともに、プライマ
    リシヤフト及びセカンダリシヤフト間を互いに連係する
    ために、 前記プライマリシヤフトに対してスプライン嵌合された
    クラツチハブと、 該クラツチハブに隣接されるとともにシンクロナイザリ
    ングの内円錐面に対して摺接する外円錐面を有するリバ
    ースシンクロギヤと、 前記クラツチハブの外周面においてスプライン嵌合され
    るスリーブとを備えてなる同期装置であつて、 前記シンクロナイザリングに当接し、前記リバースシン
    クロギヤに回り止めされたスラストワツシヤと、 該スラストワツシヤと前記リバースシンクロギヤとの間
    に介設され、前記シンクロナイザリングの前記内円錐面
    を、前記シンクロナイザギヤの前記外円錐面から離間す
    る方向に付勢する付勢部材とを具備した事を特徴とする
    自動車用歯車変速機のシフト装置。
JP1988115894U 1988-09-05 1988-09-05 自動車用歯車変速機のシフト装置 Expired - Lifetime JPH0717874Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988115894U JPH0717874Y2 (ja) 1988-09-05 1988-09-05 自動車用歯車変速機のシフト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988115894U JPH0717874Y2 (ja) 1988-09-05 1988-09-05 自動車用歯車変速機のシフト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0236646U JPH0236646U (ja) 1990-03-09
JPH0717874Y2 true JPH0717874Y2 (ja) 1995-04-26

Family

ID=31357953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1988115894U Expired - Lifetime JPH0717874Y2 (ja) 1988-09-05 1988-09-05 自動車用歯車変速機のシフト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0717874Y2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5970956U (ja) * 1982-11-02 1984-05-14 トヨタ自動車株式会社 手動変速機におけるギヤ鳴り防止装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0236646U (ja) 1990-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6312272Y2 (ja)
KR870000976B1 (ko) 동기장치를 갖춘 부변속기
JP2001132771A (ja) トランスミッションの同期結合装置
KR960016601B1 (ko) 변속기의 리버어스브레이크구조
US4856361A (en) Reverse synchronizer with a smaller synchronization capacity then the forward gear synchronizers
JPH0717874Y2 (ja) 自動車用歯車変速機のシフト装置
JPH051059U (ja) 変速機のギヤ鳴り防止装置
JPS6314221B2 (ja)
JP2627752B2 (ja) 変速機の同期噛合装置
JPS6329960Y2 (ja)
JPS6329959Y2 (ja)
JPH06159389A (ja) 変速機の同期装置
CA1131939A (en) Blocked change gear transmission utilizing resilient shifting mechanisms and improved jaw clutch assembly therefor
JP3187094B2 (ja) 常時噛合式変速機
JPS645158Y2 (ja)
JPS645154Y2 (ja)
JPS627013Y2 (ja)
JPH11210778A (ja) 変速機の同期装置
JPS58214021A (ja) 車両用変速機のギヤ抜け防止機構
JP2886574B2 (ja) 手動変速機の同期機構
JPH0320580Y2 (ja)
JPH081325Y2 (ja) 歯車式変速機
JPH024252Y2 (ja)
JPH024828B2 (ja)
JPH09236178A (ja) 歯車式変速機のリバースシンクロ装置