JP3640841B2 - サンルーフ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の屋根に搭載されるサンルーフ装置に係り、詳しくは可動パネルのチルトアップに連動してサンシェードパネルを開くサンルーフ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の屋根に搭載されるサンルーフ装置としては、例えば特開平6−191283号公報に記載されたものが知られている。同公報記載のサンルーフ装置においては、車両のルーフパネルの開口部に設けられる可動パネルをチルトアップするリンク機構と、このリンク機構とレイン部材とを連結するコネクティングロッドと、可動パネルのチルトアップに連動してサンシェードパネルを開く連動機構とを備えている。この連動機構は、上記コネクティングロッドに回転自在に支持されたピニオンギヤと、リンク機構に固定され且つコネクティングロッドに摺動自在に支持されてピニオンギヤと噛合する第1のラックギヤと、サンシェードパネルに連係され且つコネクティングロッドに摺動自在に支持されてピニオンギヤと噛合する第2のラックギヤとを備えている。そして、可動パネルがチルトアップすると、第1のラックギヤはリンク機構とともにコネクティングロッドに沿って前方に摺動する。このとき、第1のラックギヤ、ピニオンギヤ及び第2のラックギヤの噛合によって第2のラックギヤがコネクティングロッドに沿って後方に摺動する。従って、この第2のラックギヤに連係されたサンシェードパネルは、同ギヤとともに後方(開方向)に移動し、チルトアップに連動してサンシェードパネルが開くようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなピニオンギヤ及び第1、第2のラックギヤ等を備える連動機構の場合、その構造が複雑であり、多大な部品点数も必要とされていた。また、ピニオンギヤや第1、第2のラックギヤそのものも高価であり、サンルーフ装置の製造コストの増大を余儀なくされていた。
【0004】
本発明の目的は、部品点数を低減し、製造コストを削減することができるサンルーフ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ガイドレールに摺動自在に支持されたリフトガイドを備えるリンク機構の作動による可動パネルのチルトアップに連動してサンシェードパネルを開くサンルーフ装置において、前記リフトガイドに装着された連動ピンと、前記サンシェードパネルに設けられた係合壁とを備え、前記連動ピンの先端には前記リフトガイドの移動によって前記係合壁に係止される係止片が形成され、前記リンク機構及び前記サンシェードパネルは前記連動ピン及び前記係合壁が係止されて連結され、該サンシェードパネルは前記可動パネルのチルトアップに伴う該リンク機構の移動に基づき開くことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサンルーフ装置において、前記リンク機構は、前記可動パネルを支持すると共に前記リフトガイドの移動により回動するリフトリンクをさらに備えることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のサンルーフ装置において、前記可動パネルがチルトアップした状態において前記サンシェードパネルが閉鎖された場合、前記連動ピン及び前記係合壁の係止状態が解除されることを要旨とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のサンルーフ装置において、前記連動ピン及び前記係合壁の係止状態が解除された状態において前記サンシェードパネルが開放された場合、前記連動ピン及び前記係合壁の係止状態が復元されることを要旨とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のサンルーフ装置において、前記リンク機構には、前記連動ピンのずれを規制する規制手段が設けられたことを要旨とする。
【0009】
(作用)
請求項1に記載の発明の構成によれば、上記リンク機構及びサンシェードパネルは上記リンク機構が備えるリフトガイドに装着された連動ピンと、サンシェードパネルに設けられた係合壁とが係止されて連結される。そして、このような極めて簡易な構成により、上記サンシェードパネルは可動パネルのチルトアップに伴う上記リンク機構の移動に基づき開けられる。
【0010】
また、リンク機構の作動による可動パネルのチルトアップに連動してサンシェードパネルを開くための機能部品は連動ピン及び係合壁のみであり、その部品点数は低減される。
【0011】
さらに、このような連動機構を構成するために、例えばピニオンギヤ等を採用した場合に比べ、製造コストの削減が図られる。
請求項3に記載の発明の構成によれば、上記可動パネルがチルトアップした状態においてサンシェードパネルが閉鎖された場合、上記連動ピン及び係合壁の係止状態が解除される。従って、上記可動パネルがチルトアップされた状態において、サンシェードパネルが閉鎖されても、上記連動ピン及び係合壁等の機能部品が損傷したりすることは回避される。
【0012】
請求項4に記載の発明の構成によれば、上記連動ピン及び係合壁の係止状態が解除された状態においては、上記サンシェードパネルを開放することで、同連動ピン及び係合壁の係止状態が容易に復元される。
【0013】
請求項5に記載の発明の構成によれば、上記リンク機構に設けられた規制手段により、上記連動ピンのずれが規制される。従って、上記連動ピンは所要の位置に安定配置される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化したサンルーフ装置の一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
【0015】
図2に示されるように、自動車のルーフパネル1には開口部2が形成されている。この開口部2には、可動パネル3が装着されている。この可動パネル3は、図2に示すように開口部2を閉じた全閉状態と、図3に示すようにその後部を上方に持ち上げたチルトアップ状態と、図4に示すように開口部2を開いたスライド状態とに後述するリンク機構によって切り替え可能となっている。
【0016】
図1は、本実施形態におけるサンルーフ装置を示す分解斜視図である。なお、同図1においては、車両の一側(右側)のみを示すが、他側(左側)はこれと対称形となるのでその説明を省略する。
【0017】
図1に示されるように、サンルーフ装置は、ガイドレール11、第1チェックブロック12、ケーブルシュー13、第2チェックブロック14、シェード連動作動用リフトガイド15、パネルブラケット取付具16、リフトリンク17、パネルブラケット18、第1係止手段としてのチルト連動ピン19、規制手段としてのチルト連動ピンスプリング20及びサンシェードパネル21等を備えている。なお、上記第1チェックブロック12、ケーブルシュー13、第2チェックブロック14、シェード連動作動用リフトガイド15、パネルブラケット取付具16、リフトリンク17及びパネルブラケット18等によって上述のリンク機構が構成されている。
【0018】
図10は上記ガイドレール11の断面形状を示し、同ガイドレール11の長手方向(前後方向)に直行する略中央部には、下方に凹設された第1レール26が形成されている。この第1レール26は、前記第1チェックブロック12を摺動自在に支持する。
【0019】
また、この第1レール26に対してその外側及び内側(図10の左・右側)には、それぞれ第2レール27及び第3レール28が立設されている。これら第2レール27及び第3レール28は互いに相対する側が開口しており、前記ケーブルシュー13、第2チェックブロック14、シェード連動作動用リフトガイド15及びパネルブラケット取付具16を摺動自在に支持するようになっている。
【0020】
さらに、上記第3レール28には、内側(図10の右側)に略水平に突出する第4レール29が、同第3レール28と一体で形成されている。この第4レール29は前記サンシェードパネル21を摺動自在に支持するようになっている。
【0021】
図1において、上記第1レール26に摺動自在に支持される第1チェックブロック12には、第1連結孔31及び第1ガイド溝32が形成されている。上記第1連結孔31には、前記パネルブラケット取付具16が連結される。また、上記第1ガイド溝32は、前記ケーブルシュー13が上記第1チェックブロック12に対して前後方向に所定の範囲で移動可能となるように同ケーブルシュー13と係合する。
【0022】
前記ケーブルシュー13は、上記第2及び第3レール27,28に対応してそれぞれ第1ガイドシュー33及び第2ガイドシュー34を有しており、これら第1及び第2ガイドシュー33,34の間は連結板35によって橋絡されている。そして、上記ケーブルシュー13は、これら第1及び第2ガイドシュー33,34がそれぞれ上記第2及び第3レール27,28に装着されることで、摺動自在に支持されている。
【0023】
なお、上記連結板35の下面には、前記第1チェックブロック12の第1ガイド溝32に係合される図示しない突出片が形成されている。従って、このケーブルシュー13は、この突出片が上記第1ガイド溝32に沿って移動することで、上記第1チェックブロック12に対して前後方向に所定の範囲で移動可能となっている。また、この突出片が上記第1ガイド溝32の後端に達すると、同突出片は第1ガイド溝32に係止され、上記ケーブルシュー13は第1チェックブロック12と一体で後方に移動する。
【0024】
上記第1ガイドシュー33には、図示しないモータに駆動連結されたドライブケーブル36が直結されている。従って、モータの駆動状態に応じてドライブケーブル36が前後方向に移動すると、上記ケーブルシュー13は同方向に沿って移動する。
【0025】
また、上記第2ガイドシュー34には、内側方向に突出する第1係合突部37が形成されている。この第1係合突部37は、前記第2チェックブロック14と係合するためのものである。
【0026】
前記第2チェックブロック14は、上記ケーブルシュー13の第1係合突部37に係合されて上記第3レール28に収容されている。すなわち、図2〜図4に示されるようにこの第2チェックブロック14の外側の側面には、その長手方向(前後方向)に沿って第2ガイド溝38が形成されており、その前端部(図2の左側)には同第2ガイド溝38の上側に連続する第2連結孔39が形成されている。そして、上記ケーブルシュー13の第1係合突部37が上記第2連結孔39に配置されている状態(図2参照)においては、同第1係合突部37は同第2連結孔39に係止されるため、上記第2チェックブロック14はケーブルシュー13と一体で移動する。一方、上記ケーブルシュー13の第1係合突部37が上記第2ガイド溝38に配置されている状態(図3及び図4参照)においては、同第1係合突部37は同第2ガイド溝38に沿って移動可能となるため、同ケーブルシュー13は上記第2チェックブロック14に対して相対移動する。
【0027】
上記第2チェックブロック14の後端(図2の右側)には、第3連結孔40が形成されている。この第3連結孔40は、前記シェード連動作動用リフトガイド15を連結するためのものである。
【0028】
前記シェード連動作動用リフトガイド15は、その前・後部が上方に湾曲する略弓状のブロック41と、前記第2及び第3レール27,28に対応して同ブロック41にそれぞれ設けられた第3ガイドシュー42及び第4ガイドシュー43と、前記第2チェックブロック14の第3連結孔40に係合する内側方向に突出する第2係合突部44とを有している。そして、このシェード連動作動用リフトガイド15は、その第2係合突部44が上記第3連結孔40に連結され、上記第3及び第4ガイドシュー42,43がそれぞれ上記第2及び第3レール27,28に装着されることで、上記第2チェックブロック14と一体で摺動自在に支持されている。
【0029】
図2〜図4に示されるように、上記シェード連動作動用リフトガイド15の外側の側面には、その略中央部から前方(図2の左側)に向かって上方に湾曲する第3ガイド溝45が形成されている。この第3ガイド溝45は、上記シェード連動作動用リフトガイド15の移動に基づき前記リフトリンク17を回動するように同リフトリンク17と係合する。
【0030】
また、上記シェード連動作動用リフトガイド15の後端部には、前記第3レール28及び第4レール29をまたぐように延出形成されたチルト連動ピン取付部46が設けられている。このチルト連動ピン取付部46には、内側方向に開口された第1ピン取付溝46a及び同第1ピン取付溝46aと直交する第2ピン取付溝46bが形成されている(図1、図5及び図10参照)。これら第1及び第2ピン取付溝46a,46bは、前記チルト連動ピン19及び前記チルト連動ピンスプリング20が装着される。なお、上記第2ピン取付溝46bには、同第2ピン取付溝46bよりも若干浅い第3取付溝46cが並設されている。この第3取付溝46cは、上記装着されたチルト連動ピンスプリング20が係止される。
【0031】
前記パネルブラケット取付具16は、前記第2及び第3レール27,28にそれぞれ対応して設けられた第5ガイドシュー47及び第6ガイドシュー48を有して略四角枠状に形成されている。そして、このパネルブラケット取付具16の下面には、前記第1チェックブロック12の第1連結孔31に連結される図示しない突出片が形成されている。このパネルブラケット取付具16は、この突出片と第1連結孔31とが連結され、上記第5及び第6ガイドシュー47,48がそれぞれ上記第2及び第3レール27,28に装着されることで、上記第1チェックブロック12と一体で摺動自在に支持されている。
【0032】
また、このパネルブラケット取付具16の後端には、上方に立設されて前記第3レール28をまたぐように延出形成されたスライド連動ピン取付部49が設けられている。このスライド連動ピン取付部49には、内側方向に開口された第4ピン取付溝49a及び同第4ピン取付溝49aと直交する第5ピン取付溝49bが形成されている(図1及び図9参照)。これら第4及び第5ピン取付溝49a,49bは、図9に示されるスライド連動ピン50が装着される。このスライド連動ピン50は前記ガイドレール11の第4レール29をまたいで下方に折り返されるように湾曲形成されており、その先端部50aは同第4レール29に配置されている。このスライド連動ピン50(先端部50a)は、前記サンシェードパネル21と係合するようになっている。
【0033】
前記リフトリンク17は、上記ガイドレール11の後部に回動自在に支持されている。そしてこのリフトリンク17には、前記シェード連動作動用リフトガイド15の第3ガイド溝45と係合される第1ガイドピン51が設けられている(図2〜図4参照)。上記リフトリンク17は、同リフトリンク17に対するシェード連動作動用リフトガイド15の移動により、上記第1ガイドピン51が第3ガイド溝45に沿って移動することで回動するようになっている。
【0034】
なお、上記リフトリンク17には、前記パネルブラケット18を移動及び回動自在に支持する第2ガイドピン52が設けられている(図2〜図4参照)。
前記パネルブラケット18は、その前部が水平方向に若干の遊びを持たせた状態で前記パネルブラケット取付具16に回動自在に支持されている(図2〜図4参照)。また、図2〜図4に示されるように、このパネルブラケット18の外側の側面には、その長手方向(前後方向)に沿って第4ガイド溝53が形成されている。そして、上記パネルブラケット取付具16が停止している状態(図2及び図3参照)においては、前記リフトリンク17が上方に回動することで、上記パネルブラケット18は、その後部を持ち上げるように回動する。またこの状態から、上記パネルブラケット取付具16が後方に移動すると(図4参照)、上記第2ガイドピン52及び第4ガイド溝53にガイドされ、上記パネルブラケット18は上記リフトリンク17に対して移動する。
【0035】
なお、このパネルブラケット18の上面には、前記可動パネル3が取り付けられている。従って、前記ルーフパネル1の開口部2は、このパネルブラケット18(可動パネル3)の回動若しくは移動により全閉状態、チルトアップ状態若しくはスライド状態へと切り替えられる。
【0036】
前記チルト連動ピン19は略L字状に屈曲されており、その先端部には内側方向に湾曲する第2係止片61が形成されている。このチルト連動ピン19は、前記チルト連動ピンスプリング20に弾圧されて前記シェード連動作動用リフトガイド15(チルト連動ピン取付部46)の第1及び第2ピン取付溝46a,46bに沿って装着されている。このチルト連動ピン19(第2係止片61)は、前記サンシェードパネル21と係止するためのものである。なお、上記チルト連動ピンスプリング20はチルト連動ピン取付部46の第3取付溝46cに係止され、同チルト連動ピンスプリング20はチルト連動ピン19の上方へのずれを規制する。
【0037】
前記サンシェードパネル21は、前記ガイドレール11の第4レール29に摺動自在に支持されている。すなわち、このサンシェードパネル21の前後方向に沿う各側には、パネルホルダ62が設けられており、同パネルホルダ62には上記第4レール29に対応して所定間隔ごとに突出する複数(4つ)の第7ガイドシュー63が一体で設けられている。そして、上記サンシェードパネル21は、上記第7ガイドシュー63が第4レール29に装着されることで、摺動自在に支持されている。
【0038】
ここで、最前部に配設された第7ガイドシュー63の前方には、鉛直方向に対向配置された一対のスライド連動ピン係止部64が設けられている。このスライド連動ピン係止部64には、前記スライド連動ピン50の先端部50aが係止されている(図9参照)。そして、上記スライド連動ピン50(パネルブラケット取付具16)が後方に移動すると、上記サンシェードパネル21も一体で後方(開方向)に移動する。
【0039】
一方、上記パネルホルダ62の後端には、内側から上方に立設されて外側に折り返されたチルト連動ピン係止部65が一体で設けられている。図5に示されるように、このチルト連動ピン係止部65の内部は第2係止手段としての係合壁66によって区画されている。そして、この係合壁66の前端面66aは、前後方向に対して直角よりも若干緩い角度にて形成されている。また、この係合壁66の後端面66bは、前後方向に対して斜めの角度にて形成されている。なお、図5及び図6に示されるように通常は、上記チルト連動ピン19の第2係止片61は上記係合壁66に対してその前方(前端面66a側)に配置されている。従って、上記チルト連動ピン19(シェード連動作動用リフトガイド15)が後方に移動すると、上記第2係止片61は係合壁66の前端面66aに係止され、上記サンシェードパネル21も一体で後方(開方向)に移動する。
【0040】
次に、このサンルーフ装置の動作について説明する。
図2に示されるように、前記ルーフパネル1の開口部2が、上記可動パネル3によって閉鎖されている状態においては、前記ケーブルシュー13は前記パネルブラケット取付具16に近接して配置されており、前記第1チェックブロック12に対して後方への移動が可能となっている。また、上記ケーブルシュー13の第1係合突部37は前記第2チェックブロック14の第2連結孔39に配置されており、同ケーブルシュー13は第2チェックブロック14と一体に連結されている。
【0041】
ここで、モータが駆動されて上記ケーブルシュー13が上記第1チェックブロック12の第1ガイド溝32に沿って後方に移動すると、上記シェード連動作動用リフトガイド15は上記第2チェックブロック14を介して後方に移動する。このとき、上記第1チェックブロック12及びパネルブラケット取付具16は停止したままである。そして、図3に示されるように上記シェード連動作動用リフトガイド15が後方に移動することにより、前記リフトリンク17の第1ガイドピン51は前記第3ガイド溝45にガイドされ、同リフトリンク17は上方に回動する。そして、前記パネルブラケット18は上記パネルブラケット取付具16側を回動中心として上方に傾き、同パネルブラケット18に取り付けられた可動パネル3も上方に傾く(チルトアップする)。
【0042】
一方、上記シェード連動作動用リフトガイド15が後方に移動することにより、そのチルト連動ピン取付部46に装着されていたチルト連動ピン19も後方に移動する(図6参照)。そして、このチルト連動ピン19の第2係止片61は前記サンシェードパネル21(係合壁66)の前端面66aに係止され、同サンシェードパネル21は上記シェード連動作動用リフトガイド15とともに後方(開方向)に移動する。
【0043】
なお、このチルトアップに伴って上記サンシェードパネル21が開いた状態において、例えば運転者が本来の操作に反してこのサンシェードパネル21を強制的に閉鎖したとする。このとき、図7に示されるように上記チルト連動ピン19は、チルト連動ピン係止部65の係合壁66(前端面66a)に押圧されて外側方向に弾性変形する。そして、上記チルト連動ピン19及びチルト連動ピン係止部65等の機能部品が損傷したりすることなく、同チルト連動ピン19によるサンシェードパネル21の係止状態は解除される。
【0044】
また、チルト連動ピン19によるサンシェードパネル21の係止状態が解除された状態において、上記サンシェードパネル21が後方(開方向)に移動すると、図8に示されるように上記チルト連動ピン19は、チルト連動ピン係止部65の係合壁66(後端面66b)に沿って押圧されて外側方向に弾性変形し、本来の位置へと復帰する。そして、上記チルト連動ピン19によるサンシェードパネル21の係止状態が復元される。
【0045】
なお、チルトアップした状態においては、上記ケーブルシュー13の第1係合突部37が前記第2チェックブロック14の第2ガイド溝38に配置されるように、同第2チェックブロック14は後部(第3連結孔40)を中心に上方に回動し、その位置で固定されるようになっている。従って、上記ケーブルシュー13は上記第2チェックブロック14に沿って移動可能とされる。
【0046】
この状態で、モータが駆動されて上記ケーブルシュー13が更に後方に移動すると、同ケーブルシュー13は上記第1チェックブロック12の第1ガイド溝32に係止されるため、同第1チェックブロック12、パネルブラケット取付具16及びパネルブラケット18とともにケーブルシュー13は上記第2チェックブロック14に沿って後方に移動する。また、上記パネルブラケット18の後部は、その第4ガイド溝53に係合された前記リフトリンク17の第2ガイドピン52によってガイドされて移動する。従って、上記パネルブラケット18は後方に移動し、同パネルブラケット18に取り付けられた可動パネル3も後方に移動する(スライドする)。
【0047】
一方、上記パネルブラケット取付具16が後方に移動することにより、そのスライド連動ピン取付部49に装着されていたスライド連動ピン50も後方に移動する(図9参照)。そして、このスライド連動ピン50の先端部50aは前記サンシェードパネル21のスライド連動ピン係止部64に係止され、上記サンシェードパネル21は上記パネルブラケット取付具16とともに後方(開方向)に移動する。
【0048】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、可動パネル3のチルトアップに連動して後方に移動するシェード連動作動用リフトガイド15にチルト連動ピン取付部46を形成した。そして、このチルト連動ピン取付部46に装着されたチルト連動ピン19をサンシェードパネル21のチルト連動ピン係止部65に係止するという極めて簡易な構成により、可動パネル3のチルトアップに連動して同サンシェードパネル21を開くことができる。
【0049】
また、このような連動のための部品点数を低減することができる。
さらに、このような連動のために、例えばピニオンギヤ等を採用した場合に比べ、製造コストの削減を図ることができる。
【0050】
(2)本実施形態では、可動パネル3がチルトアップされた状態において、本来の操作に反してこのサンシェードパネル21が強制的に閉鎖された場合、チルト連動ピン19は、チルト連動ピン係止部65の係合壁66に押圧されて外側方向に弾性変形し、サンシェードパネル21の係止状態は解除される。従って、このような操作に伴ってチルト連動ピン19及びチルト連動ピン係止部65等の機能部品が損傷したりすることを回避することができる。
【0051】
(3)本実施形態においては、チルト連動ピン19によるサンシェードパネル21の係止状態が解除された状態において、手動若しくはモータ駆動によりサンシェードパネル21を後方(開方向)に移動すると、チルト連動ピン19は、チルト連動ピン係止部65の係合壁66(後端面66b)に沿って押圧されて外側方向に弾性変形し、本来の位置へと復帰される。そして、チルト連動ピン19によるサンシェードパネル21の係止状態を容易に復元することができる。
【0052】
(4)本実施形態においては、チルト連動ピン19の上方へのずれをチルト連動ピンスプリング20によって規制している。従って、チルト連動ピン19をサンシェードパネル21の上面に安定配置することができる。
【0053】
(5)本実施形態においては、可動パネル3をチルトアップした通常の状態においては、サンシェードパネル21は開いている。従って、このサンシェードパネル21の状態を目視で確認することにより、可動パネル3の閉め忘れを防止することができる。
【0054】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、チルト連動ピン19の第2係止片61を内側方向に湾曲する形状とした。これに対して、例えば内側方向に屈曲するのみの形状としてもよい。要は、チルト連動ピン係止部65の係合壁66に簡易に係止される形状であればよい。
【0055】
・前記実施形態においては、チルト連動ピン19の第2係止片61を内側方向に湾曲する形状とした。そして、チルト連動ピン係止部65の係合壁66に外側から係止するようにした。これに対して、チルト連動ピン19の第2係止片を外側方向に湾曲する形状とし、チルト連動ピン係止部の係合壁に内側から係止しうるように同係合壁を形成してもよい。
【0056】
次に、以上の実施形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)前記第1係止手段は先端側が曲成された係止片を有するピンであり、前記第2係止手段は前記サンシェードパネルに一体形成された係合壁であり、前記リンク機構及び前記サンシェードパネルは前記係止片及び前記係合壁が係止されて連結されたことを特徴とするサンルーフ装置。
【0057】
同構成によれば、上記第1係止手段及び第2係止手段は、それぞれ極めて簡単な構成であるピン及び係合壁にて構成される。
(ロ)上記(イ)に記載のサンルーフ装置において、前記可動パネルがチルトアップした状態において前記サンシェードパネルが閉鎖された場合、前記係止片が前記係合壁に押圧されて前記ピンが弾性変形し、該係止片及び該係合壁の係止状態が解除されることを特徴とするサンルーフ装置。
【0058】
同構成によれば、上記可動パネルがチルトアップした状態においてサンシェードパネルが閉鎖された場合、上記係止片が係合壁に押圧されてピンが弾性変形し、同係止片及び係合壁の係止状態が解除される。従って、上記可動パネルがチルトアップされた状態において、サンシェードパネルが閉鎖されても、上記ピン及び係合壁等の機能部品が損傷したりすることは回避される。
【0059】
(ハ)上記(ロ)に記載のサンルーフ装置において、前記係止片及び前記係合壁の係止状態が解除された状態において前記サンシェードパネルが開放された場合、前記係止片が前記係合壁に押圧されて前記ピンが弾性変形し、該係止片及び該係合壁の係止状態が復元されることを特徴とするサンルーフ装置。
【0060】
同構成によれば、上記係止片及び係合壁の係止状態が解除された状態においては、上記サンシェードパネルを開放することで、同係止片が係合壁に押圧されてピンが弾性変形し、係止片及び係合壁の係止状態が容易に復元される。
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、部品点数を低減し、製造コストを削減することができるサンルーフ装置を提供することができる。
【0062】
請求項3に記載の発明によれば、可動パネルがチルトアップされた状態において、サンシェードパネルが閉鎖されても、連動ピン及び係合壁等の機能部品が損傷したりすることを回避することができる。
【0063】
請求項4に記載の発明によれば、連動ピン及び係合壁の係止状態が解除された状態においては、サンシェードパネルを開放することで、同連動ピン及び係合壁の係止状態を容易に復元することができる。
【0064】
請求項5に記載の発明によれば、連動ピンを所要の位置に安定配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサンルーフ装置の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態を外側から見た側面図。
【図3】同実施形態を外側から見た側面図。
【図4】同実施形態を外側から見た側面図。
【図5】同実施形態を示す平面図。
【図6】同実施形態の動作態様を示す平面図。
【図7】同実施形態の動作態様を示す平面図。
【図8】同実施形態の動作態様を示す平面図。
【図9】同実施形態を示す平面図。
【図10】同実施形態の断面図。
【符号の説明】
3 可動パネル
15 リンク機構を構成するシェード連動作動用リフトガイド
19 第1係止手段としてのチルト連動ピン
20 規制手段としてのチルト連動ピンスプリング
21 サンシェードパネル
66 第2係止手段としての係合壁
Claims (5)
- ガイドレールに摺動自在に支持されたリフトガイドを備えるリンク機構の作動による可動パネルのチルトアップに連動してサンシェードパネルを開くサンルーフ装置において、
前記リフトガイドに装着された連動ピンと、
前記サンシェードパネルに設けられた係合壁とを備え、
前記連動ピンの先端には前記リフトガイドの移動によって前記係合壁に係止される係止片が形成され、前記リンク機構及び前記サンシェードパネルは前記連動ピン及び前記係合壁が係止されて連結され、該サンシェードパネルは前記可動パネルのチルトアップに伴う該リンク機構の移動に基づき開くことを特徴とするサンルーフ装置。 - 請求項1に記載のサンルーフ装置において、
前記リンク機構は、前記可動パネルを支持すると共に前記リフトガイドの移動により回動するリフトリンクをさらに備えることを特徴とするサンルーフ装置。 - 請求項1又は2に記載のサンルーフ装置において、
前記可動パネルがチルトアップした状態において前記サンシェードパネルが閉鎖された場合、前記連動ピン及び前記係合壁の係止状態が解除されることを特徴とするサンルーフ装置。 - 請求項3に記載のサンルーフ装置において、
前記連動ピン及び前記係合壁の係止状態が解除された状態において前記サンシェードパネルが開放された場合、前記連動ピン及び前記係合壁の係止状態が復元されることを特徴とするサンルーフ装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のサンルーフ装置において、
前記リンク機構には、前記連動ピンのずれを規制する規制手段が設けられたことを特徴とするサンルーフ装置。
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