JP3640780B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンあたため機能を有する加熱調理器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、加熱調理器において、バターロール、フランスパン、ハンバーガー、ホットドッグやアンパンといったパンをあたためる場合には、マグネトロンによる電子レンジ機能により加熱したり、あるいは、ヒータによるトースタグリル機能により加熱したりすることが一般的である。
【0003】
しかしながら、電子レンジ機能によりパンを加熱すると、パンが固くなってしまったり、また回転皿を使用するため、皿接触部分やその近傍部分が水分が多くて柔らかい状態いわゆる「べちゃ」とした状態となってしまい、パンがふっくらとあたたまらないというのが実情であった。また、トースタグリル機能によりパンを加熱する場合、内部まであたたかめようとすると表面部分が焼け過ぎ状態となって焦げてしまい、逆に表面部分が焦げないようにすると内部はほとんどあたたまっていない状態となり、この場合も、パンがふっくらとあたたまらないというのが実情であった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パンを良好にあたためることができる加熱調理器を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、食品が収容される加熱室と、
この加熱室内に配置されパンを直接載せるための焼網と、
前記加熱室内の食品を高周波加熱するマグネトロンと、
前記加熱室内の食品をヒータ加熱するヒータと、
トーストキーとは別のキーであってパンをあたためるときにオン操作されるパンキーと、
このパンキーからの入力に基いて、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間前記ヒータにより加熱する第1の加熱行程と前記マグネトロンによる第2の加熱行程とを順に行なうパンあたためコースを実行して前記焼網上のパンを加熱する加熱制御手段と、
を備えてなる。
【0006】
この構成においては、パンをあたためる場合には、ヒータによりパンの表面部分が焦げない程度に設定された時間ヒータにより加熱する第1の加熱行程と、マグネトロンによる第2の加熱行程とを順に実行するから、パンをふっくらとあたためることができるようになる。すなわち、ヒータによる第1の加熱行程が最初に実行されるから、パンの表面部分が加熱されて「ぱりっ」とした状態になる。このときパン内部はあたためられいない。しかして、このヒータ加熱を内部があたたかくなるまで続けると、パン表面部分が焦げてしまうが、上記構成においては、次にマグネトロンによる第2の加熱行程を行なうから、パン表面部分は焦がさずにパン内部をあたためることができる。このときパン表面部分が「ぱりっ」とした状態となっているから内部の水分が逃げず、これにより固くなることがなく、全体的にふっくらとした良好な仕上がり状態にあたためることができる。
【0007】
しかも、焼網にパンを直接載せるので、調理皿にパンを載せてヒータ加熱する場合と異なり、ヒータによる第1の加熱行程においてヒータの熱がパン全体に行き届くと共に、また、調理皿にパンを載せてマグネトロン調理する場合と異なり、マグネトロンによる第2の加熱行程においてはパンが部分的に「べちゃ」となることがない。総じて、パンのあたため仕上がり状態がきわめて良好となり、また、加熱調理時間の短縮が図れる。
【0008】
請求項2の発明は、第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率がパンの種類によって異なるところに特徴を有する。
これによれば、パンの種類が異なってもパンのあたため仕上がり状態が常に良好となる。すなわち、パンには、バターロール、フランスパン、ハンバーガー、ホットドッグやアンパンといった種類があり、特に、バターロール及びフランスパンといった通常パンは内部に具が入っておらず、これに対して、ハンバーガー、ホットドッグやアンパンといった調理パンは内部に具が入っている。従って、パン内部の加熱負荷の大きさが異なる。しかるに上記構成においては、パンの種類によって、第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率を異ならせているから、上述したパンの種類に応じた加熱が可能となり、もって、パンの種類が異なってもパンのあたため仕上がり状態が常に良好となる。
【0009】
請求項3の発明は、パンあたためコースとして、通常パン用あたためコースと、第1の加熱行程の実行時間及び第2の加熱行程の実行時間がそれぞれ該通常パン用あたためコースのそれより長い調理パン用あたためコースとを設け、通常パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間の増加率よりも、通常パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間の増加率を大きくしたところに特徴を有する。
【0010】
この構成においては、上述した通常パンと調理パンとを良好な仕上がり状態にあたためることができる。すなわち、調理パンはパン生地内部に具が入っており、全体として加熱負荷として大きい。従って、調理パン用あたためコースを、その第1の加熱行程の実行時間及び第2の加熱行程の実行時間が該通常パン用あたためコースのそれより長く設定することで、通常パン及び調理パンを良好にあたためることができる。しかも、この場合、通常パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間の増加率よりも、通常パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間の増加率を大きくしたから、調理パンの内部の具も良好にあたためることができるようになる。つまり、調理パンの内部には具があるから、マグネトロン加熱の調理時間の増加率が少ないとパン内部があまりあたたまらないことがあるが、上記構成においてはこのような不具合はない。
【0011】
請求項4の発明は、第2の加熱行程の実行時間を、第1の加熱行程の実行時間の1/3以下に設定したところに特徴を有する。
この構成においては、マグネトロン加熱の実行時間がヒータ加熱の実行時間の1/3以下であるから、パン内部が熱くなりすぎることがなく、パンの脱水率が適正に抑えられ、乾燥しすぎいわゆる「ぱさぱさ」となることがない。
【0012】
請求項5の発明は、パンあたためコースについて時間調節をするための仕上がり調節キーを備え、この仕上がり調節キーによる第2の加熱行程の時間調節幅を10秒以内に設定したところに特徴を有する。
この構成においては、パン内部が過加熱状態となることがない範囲で、ややあたたかい、あたたかい、大分あたたかいといった仕上がり状態を得ることができるようになる。
【0013】
請求項6の発明は、パンあたためコースについて時間調節をするための仕上がり調節キーを備え、この仕上がり調節キーから入力があったときには、第1の加熱行程の実行時間は一定で、第2の加熱行程の実行時間を時間調節するようにし、且つその時間調節幅を10秒以内に設定したところに特徴を有する。
【0014】
上記構成においては、パンの仕上がり調節を行なう場合に、ヒータ加熱の実行時間を一定とし、マグネトロン加熱の実行時間を調節するから、パン全体をふっくら状態に保ちながら異なる仕上がり状態を良好に得ることができるようになる。すなわち、ヒータによる第1の加熱行程は、パンの表面を「ぱりっ」とさせて内部水分の放出をある程度阻止することにきわめて有効であり、このような表面状態を得た後は、内部のあたため度合いが仕上がり調節の強弱度合いとなって現れる。従って、第1の加熱行程の実行時間を一定として適正な表面状態とした上で、マグネトロン加熱の実行時間を調節することは、パン全体をふっくら状態に保ちながら異なる仕上がり状態を良好に得ることができるものである。また、この場合、第2の加熱行程の実行時間を時間調節幅を10秒以内としているから、パン内部が過加熱状態となることがない範囲で、ややあたたかい、あたたかい、大分あたたかいといった仕上がり状態を得ることができるものである。
【0015】
請求項7の発明は、連続してヒータ加熱調理が行なわれたことを判断する機能を備え、連続してヒータ加熱調理が行なわれたことが判断されると、第1の加熱行程の実行時間を連続しない場合の加熱調理時のそれより短く設定し且つ第2の加熱行程の実行時間は連続しない場合の加熱調理時のそれとほぼ同じに設定するようにしたところに特徴を有する。
【0016】
ヒータ加熱調理が連続して行なわれると、加熱室内の初期温度が、連続しない場合の(最初の)加熱調理開始時の初期温度よりも高くなっている。従って、2回目以降の加熱調理時間は連続しない場合の加熱調理時間よりも短くする方が好ましい。この場合、第1の加熱行程と第2の加熱行程との双方を短くすることが考えられる。しかし、このようにすると、あたため不足を来すものである。すなわち、加熱室の初期温度が高いと、パンの表面側は温度影響を受けるものであるが、パン内部はさほど温度影響を受けないことが判った。つまり、単純に加熱調理時間を短かくすると、パン内部があたたまり難くなるものである。しかるに上記構成においては、連続ヒータ加熱調理のときには、第1の加熱行程の実行時間を連続しない場合の加熱調理時のそれより短く設定し且つ第2の加熱行程の実行時間は連続しない場合の加熱調理時のそれとほぼ同じに設定するようにしたから、パン表面の焦げすぎ及び内部の加熱不足をなくし得てパン全体をふっくらとあたためることができるものである。
【0017】
請求項8の発明は、焼網の上に選択的に配置される調理皿と、この調理皿が焼網の上に配置されたことを検出する皿検出手段と、報知手段とを備え、前記皿検出手段により前記調理皿の配置が検出されたときには、パンキーの入力に基いて前記報知手段を報知動作させるようにしたところに特徴を有する。
【0018】
加熱調理器においては、一般的に調理皿(回転皿)を備ており、これは、マグネトロンによる加熱調理において通常使用されるもので、焼網の上に選択的に配置される。しかし、この調理皿がパンのあたため調理に使用されると、ヒータによる第1の加熱行程実行時にヒータの熱が受け難くてパン表面における調理皿接触部分やその近傍部分が「ぱりっ」とした状態にならず、また、マグネトロンによる第2の加熱行程の実行時にパンにおける調理皿接触部分やその近傍部分が「べちゃ」とした状態になりやすく、総じてパンのあたためがうまくいかないものである。しかるに上記構成においては、調理皿の配置が検出されたときには、パンキーの入力に基いて報知手段を報知動作させるようにしたから、パンのあたためを行なうときに、調理皿の使用中止を報知することができ、パンのあたため失敗を未然に防ぐことができるようになる。
【0019】
請求項9の発明は、焼網の上に選択的に配置される調理皿と、この調理皿が焼網の上に配置されたことを検出する皿検出手段とを備え、この皿検出手段により前記調理皿の配置が検出されたときには、パンあたためコースでの加熱調理を開始しないようにしたところに特徴を有する。
この構成においては、調理皿の配置が検出されると、パンあたためコースでの加熱調理を開始しないから、あたため失敗がなくなる。
【0020】
請求項10の発明は、パンあたためコースとして複数種のパンあたためコースを備えると共に、パンキーは、パンあたためコース選択キーを兼用し、このパンあたためコース選択キーのオン操作に基いて前記複数種のパンあたためコースを択一的に選択し得るようにしたところに特徴を有する。
この構成においては、複数種のパンあたためコースを一つのパンあたためコース選択キーにより選択できて、キー個数の削減を図り得て構成の簡単化に寄与できるようになる。
【0021】
請求項11の発明は、パンあたためコースとして複数種のパンあたためコースを備えると共に、パンキーは、パンあたためコース選択キーを兼用し、このパンあたためコース選択キーの最初のオン操作で前記複数種のパンあたためコースのうちから一つを選択し且つ当該パンあたためコースで加熱調理を開始し、且つそれ以降のオン操作で他のパンあたためコースを選択し且つ当該パンあたためコースに変更して加熱調理を続けるようになっており、パンあたためコースの選択順位は、加熱時間が短いものが優先されるようになっているところに特徴を有する。
【0022】
この構成においては、複数種のパンあたためコースを一つのパンあたためコース選択キーにより選択できて、キー個数の削減を図り得て構成の簡単化に寄与できるようになる。しかも、このパンあたためコース選択キーの最初のオン操作により加熱調理も開始できて迅速な加熱調理スタートに寄与できる。さらに、パンあたためコースの選択順位は、加熱時間が短いものが優先されるようになっているから、過加熱によるあたため失敗をなくすことができるようになる。すなわち、コース選択と同時に加熱調理スタートが行なわれるところのワンタッチスタート方式の場合、使用者は、最初のオン操作で加熱調理スタートすると、使用者が所望するコースがこの後の操作で選択されるにもかかわらず次以降の操作(コース選択操作)を忘れることがある。しかるに上記構成においては、最初のオン操作で加熱時間の短いコースが選択されるから、そのまま加熱調理が実行されても、未加熱状態となることはあっても過加熱状態となることはない。そして、未加熱状態は加熱調理のやり直しがきくものであり、総じて、あたため失敗をなくし得る。
【0023】
請求項12の発明は、パンあたためコースについて時間調節をするための仕上がり調節キー、または、複数種のパンあたためコースを選択するためのパンあたためコース選択キーを備え、この仕上がり調節キーによる時間調節またはパンあたためコース選択キーによるコース選択は加熱調理開始から所定時間以内に限って受け付けるようにしたところに特徴を有する。
【0024】
この構成においては、過加熱によるあたため失敗をなくし得るようになる。すなわち、ヒータによる第1の加熱行程とマグネトロンによる第2の加熱行程とを順に行なうと、パンの表面は焦げずに内部も良好にあたためられるという効果が得られる。換言すれば、加熱調理開始時期と終了時期とでは外観状さほど変化がみられない。このため、使用者は、加熱調理の終了時期に外観の変化がないことをもって、あたため不足と判断して仕上がり調節キーをオン操作して、過加熱状態を惹起する虞がある。また、コース選択は、加熱調理の開始からさほど時間が経過していない方が好ましく、加熱調理開始から時間がたってからコース変更をすると未加熱となることもあるが過加熱となることがあり、過加熱の場合にはあたため失敗を惹起する。しかるに上記構成においては、仕上がり調節キーによる時間調節またはパンあたためコース選択キーによるコース選択は加熱調理開始から所定時間以内に限って受け付けるから、パンが過加熱状態となることを防止できるようになる。
【0025】
請求項13の発明は、食品が収容される加熱室と、
この加熱室内に配置されパンを直接載せるための焼網と、
前記加熱室内の食品を高周波加熱するマグネトロンと、
前記加熱室内の食品をヒータ加熱するヒータと、
トーストキーとは別のキーであってパンをあたためるときにオン操作されるパンキーと、
このパンキーからキー入力に基いて、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間前記ヒータにより加熱する第1の加熱行程と、前記マグネトロンと前記ヒータとの交互加熱による第2の加熱行程とを順に行なうパンあたためコースを実行して前記焼網上のパンを加熱する加熱制御手段と、
を備えてなる。
【0026】
この構成においては、パンをあたためる場合には、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間ヒータにより加熱する第1の加熱行程と、マグネトロンとヒータとの交互加熱による第2の加熱行程とを順に実行するから、最小にパンの表面部分を「ぱりっ」とした状態にでき、次いで、パン内部をあたためることができ、もって、パンをふっくらとあたためることができるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図10を参照して説明する。まず、図2ないし図5は本実施例に係る加熱調理器1の構成を示している。この加熱調理器1の外箱2内には内箱3が配設され、その内箱3内が加熱室4とされている。また、外箱2の前面には加熱室4を開閉するための扉5が設けられている。そして、前記加熱室4の底部には、焼網たる回転網6が設けられ、この回転網6の上面部に、後述するように食品を支持する調理皿たる回転皿(丸皿)7(図5参照)がセットされるようになっている。上記回転網6は例えば鉄板を打ち抜いて形成されており、また回転皿7は耐熱ガラスから構成されている。
【0028】
前記回転網6(回転皿7)は、図4,図5に示すように、加熱室4の外底部部分に設けられたモータ8により、軸9を介して回転されるようになっている。また、前記軸9に作用する荷重つまり食品の重量を検出する重量センサ10が設けられている。この重量センサ10は後述の制御回路22とで皿検出手段も兼用するものである。さらに、前記加熱室4の天井部には、ランプヒータからなる上ヒータ11が設けられ、加熱室4の底部には、平面ヒータからなる下ヒータ12が設けられている。これら上ヒータ11及び下ヒータ12により食品がヒータ加熱されるようになっている。
【0029】
そして、図3に示すように、外箱2内には、前記加熱室4の右隣に位置して機械室13が設けられている。この機械室13内には、マグネトロン14が配設されていると共に、そのマグネトロン14等を冷却するための冷却ファン15が設けられている。前記マグネトロン14から発振されるマイクロ波は、図示しない導波管を介して前記加熱室4内に供給され、以て食品が高周波加熱されるようになっている。
【0030】
また、前記加熱室4の図で右側部には導風ダクト16が設けられ、前記冷却ファン15からの冷却風が、その導風ダクト16を通して加熱室4内に供給されるようになっている。一方、前記加熱室2の左側部には排気ダクト17が設けられ、この排気ダクト17を通して加熱室4内からの排気が行われるようになっている。そして、前記機械室13内には、外箱2の周辺の温度(機外の温度)を検出する室温センサ18が配設され、前記加熱室4内には、該加熱室4内の温度を検出する温度センサ19が配設されている。
【0031】
さらに、前記排気ダクト17内には、食品から発生するガスの量(濃度)を検出するためのガスセンサ20が配設されている。さらに、図2に示すように、前記外箱2の前面には操作パネル21が設けられ、その操作パネル21の裏面側に位置してマイコン等からなる制御回路22(図1に図示)が設けられている。詳しく図示はしないが、前記操作パネル21には、報知手段たる表示器23や各種の操作キー24が設けられている。
【0032】
この各種操作キー24としては、本発明と関わりがあるものについて述べると、パンキー24a、仕上がり調節キー24bおよび24cがある。上記パンキー24aはパンあたためコース選択キーとしての機能とパンあたため開始キーとしての機能とを兼用しており、このパンキー24aが最初にオン操作されると、「通常パン用あたためコース」が選択されると共にこのコースで加熱調理が開始されるようになっており、また次のオン操作で他のパンあたためコースである「調理パン用あたためコース」を選択し且つこの「調理パン用あたためコース」に変更して加熱調理を続けるようになっている。また、上記仕上がり調節キー24bは、パンあたためコースが実行されているときに、仕上がり状態を熱くしない方向へ調節するためのものであり、仕上がり調節キー24cは、パンあたためコースが実行されているときに、仕上がり状態を熱くする方向へ調節するためのものである。上記パンキー24aは、トーストキーとは別に設けられたものである。図6において、「1 トースト」なる表示部分が適宜選択されて「あたためスタート」の文字が付されたキーがオン操作されると、トースト調理がなされるものであり、上記「あたためスタート」の文字が付されたキーがトーストキーに相当する。
【0033】
さて、図1は、前記制御回路22を中心とした電気的構成を示している。制御回路22はマイクロコンピュータ及び各種A/D変換器を備えて構成されており、加熱制御手段たるものである。この制御回路22には、前記温度センサ19、室温センサ18、重量センサ10、ガスセンサ20の検出信号が夫々入力されるようになっており、また、前記操作パネル21の各種操作キー24からの信号が入力されるようになっている。これと共に、制御回路22は、内蔵する制御プログラム及びそれら入力信号に基づいて、前記マグネトロン14、上,下ヒータ11,12、冷却ファン15、モータ8を、駆動回路25を介して夫々通電制御して加熱調理を実行するようになっており、また、前記表示器23の表示も制御するようになっている。さらに報知手段としてブザー26が備えられており、このブザー26も制御回路22により駆動制御されるようになっている。
【0034】
そして、前記制御回路22は、パンあたため調理に関して次の機能を有する。すなわち、パンあたためコース(パンあたため用のプログラム)として上述した「通常パン用あたためコース」と「調理パン用あたためコース」とを備えている。ここで「通常パン」とは、内部に具が入っていない、もしくは具が少ないパンをいうものであり、例えばバターロールやフランスパン等がある。また、「調理パン」とは、内部に具が入っているパンをいうものであり、例えば、ハンバーガー、ホットドッグやアンパンがある。
【0035】
上記「通常パン用あたためコース」は、図8(a)の当該コースのA欄(「標準コース」)に示すように、ヒータ11,12を通電発熱させる第1の加熱行程を、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間である「1分30秒」実行し、この後、マグネトロン14を駆動させる第2の加熱行程を「17秒」実行させるコースである。この場合、第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率は、約1:0.189である。
【0036】
「調理パン用あたためコース」は、図8(a)の当該コースのB欄(「標準コース」)に示すように、ヒータ11,12を通電発熱させる第1の加熱行程をパンの表面部分が焦げない程度に設定された時間である「2分30秒」実行し、この後、マグネトロン14を駆動させる第2の加熱行程を「30秒」実行させるコースである。この場合、第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率は、1:0.200である。すなわち、パンの種類によって上記比率が異なっている。但し、「通常パン用あたためコース」及び「調理パン用あたためコース」とも、第2の加熱行程の実行時間を、第1の加熱行程の実行時間の1/3以下に設定している。
【0037】
また、この「調理パン用あたためコース」の第1の加熱行程の実行時間及び第2の加熱行程の実行時間とも「通常パン用あたためコース」の各第1の加熱行程の実行時間及び第2の加熱行程の実行時間より長くなっており、そして、第2の加熱行程の実行時間の増加率(1.765)が第1の加熱行程の実行時間の増加率(1.667)より大きくなっている。
【0038】
また、制御回路22は、パンキー24aがオン操作されてから15秒間に限って、前記仕上がり調節キー24b,24cの入力を受け付ける(調節を行なう)ものである。
そして、減少用の仕上がり調節キー24bが操作されるとその操作回数に応じて、図8(a)に示すように、「通常パン用あたためコース」あるいは「調理パン用あたためコース」のうちの「弱1コース」、「弱2コース」、「弱3コース」のいずれかが設定されるようになっている。これらの隣合うコースにおいて、第2の加熱行程の実行時間幅を「10秒以内」に設定している。
また、増加用の仕上がり調節キー24cが操作されるとその操作回数に応じて、図8(a)に示すように、「通常パン用あたためコース」あるいは「調理パン用あたためコース」のうちの「強1コース」、「強2コース」、「強3コース」のいずれかが設定されるようになっている。これらの隣合うコースにおいて、第2の加熱行程の実行時間幅を「10秒以内」に設定している。
【0039】
この場合、仕上がり調節キー24b及び24cにより仕上がり調節がなされる場合には、通常は、「弱1コース」、「弱2コース」、「強1コース」、「強2コース」のいずれかが一般的に設定されるものである。これら「弱1コース」、「弱2コース」、「強1コース」、「強2コース」をみた場合、いずれも、第1の加熱行程の実行時間は同じで、第2の加熱行程の実行時間が上述の「10秒以内」で異なるものである。
【0040】
さらに制御回路22は、連続してヒータ加熱調理が行なわれたことを判断する機能を備えている。すなわち、温度センサ19による検出温度(加熱室4内の温度とほぼ同じである)が「90℃」以上であると、今回行なおうとするヒータ加熱調理は、連続して行なわれるものであると判断し、「90℃」未満の場合には、連続したヒータ加熱調理でないと判断する。連続ヒータ加熱調理の場合には、図8(b)に示す「通常パン用あたためコース」、「調理パン用あたためコース」のいずれかが選択されるようになっている。この場合、第1の加熱行程の実行時間を連続調理でない加熱調理時(図8(a)に示す加熱調理)のそれより短く設定し且つ第2の加熱行程の実行時間は連続調理でない加熱調理時のそれとほぼ同じに設定するものである。例えば、図8(a)のA欄に示す「通常パン用あたためコース」のうちの「標準コース」と図8(b)のC欄に示す「通常パン用あたためコース」のうちの「標準コース」とを比較した場合、第1の加熱行程の実行時間は図8(b)の方が短く設定され、そして第2の加熱行程の実行時間は、図8(a),(b)いずれとも、同じに設定されている。
【0041】
さらにまた、制御回路22は、前記重量センサ10とで皿検出手段を構成するものであり、すなわち、回転皿7が回転網6の上に配置されたことを前記重量センサ10からの信号に基いて検出するようになっている。そして、制御回路22は、後述するが、この回転皿7が配置されていることを検出すると、パンキー24aがオン操作されたとき、すなわちパンキー24aの入力に基いて前記表示器23及びブザー26を報知動作させるようになっている。
【0042】
さて、上述のように構成した本実施例の作用と制御回路22の制御内容とについて図10も参照して述べる。
制御回路22は、電源投入状態ではキー入力を待機した状態にあり(ステップS1)、今、使用者によりキー入力があると、ステップS2に移行してパンキー24aからの入力であるか否か(パンキー24aが操作されたか否か)判断し、このパンキー24a以外のキーからの入力であれば、ステップS3に移行して、該当キーに対応する制御を実行する。
【0043】
さて、キー入力がパンキー24aからであると判断すると、ステップS4に移行し、重量センサ10からの信号に基いて回転皿7が回転網6に配置されているか否かを判断し、配置されていれば、ステップS5に示すようにブザー26及び表示器23を駆動制御して、回転皿7が配置されている旨を報知する。そして、この場合ステップS1に戻り、もって、パンあたためコースでの加熱調理開始を行なわないようにしている。
【0044】
上記ステップS4において回転皿7が配置されていないことが判断されると、ステップS6に移行して連続ヒータ加熱調理か否か(温度センサ19の検出温度が「90℃」以上か否か)を判断する。連続ヒータ加熱調理でないことが判断されると、ステップS7に移行して、パンあたためコースとして、図8(a)の「通常パン用あたためコース」この場合「標準コース」を選択する。また連続ヒータ加熱調理であることが判断されるとステップS8に移行して、図8(b)の「通常パン用あたためコース」この場合「標準コース」を選択する。
【0045】
その後、ステップS9に移行して、選択されたコースで、ヒータ11,12による第1の加熱行程を開始する。つまり、パンキー24aの最初の操作で加熱調理をスタートするものである。そして、ステップS10では加熱調理開始から所定時間例えば15秒が経過したか否かを判断し、経過していなければ、ステップS11に移行してパンキー24aが再度操作されたか否かを判断する。再度操作されたことが判断されると、ステップS12に移行してその回数(最初の操作は1回にカウントする)に応じてコースを変更する。すなわち、2回目であるときには、前述のステップS6の判断結果が連続加熱調理でない場合に図8(a)の「調理パン用あたためコース」の「標準コース」、また、上記判断結果が連続加熱調理のときには図(b)の「調理パン用あたためコース」の「標準コース」が選択される。また、パンキー24aの操作回数が3回目のときには「通常パン用あたためコース」に、第4回目のときは「調理パン用あたためコース」に、というように繰り返し再選択されるようになっている。
【0046】
上記ステップS11でパンキー24aが操作されていないと判断されると、ステップS13に移行し、仕上がり調節キー24b,24cが操作されたか否かを判断し、操作されたことが判断されると、ステップS14に移行して、そのキーの種類及び操作回数に応じてコースを変更する。すなわち、例えば仕上がり調節キー24bが操作されると、その操作回数に応じ、ステップS7、ステップS8及びステップS12のいずれかで選択されたコースのうちの「弱1コース」、「弱2コース」、「弱3コース」のいずれかを選択し、また、仕上がり調節キー24cが操作されるとその回数に応じて、「強1コース」、「強2コース」、「強3コース」のいずれかを選択する。
【0047】
これらパンキー24a、仕上がり調節キー24b,24cからの入力は、ステップS10での所定時間以内で受け付けられるものであり、この所定時間が経過すると(ステップS10の「Y」)、ステップS15に移行し、第1の加熱行程の設定時間が経過すると、ヒータ11,12を断電してこの第1の加熱行程を終了し、そしてステップS16に移行してマグネトロン14を駆動して第2の加熱行程を開始する。この後、この第2の加熱行程の設定時間が経過すると(ステップS18にて判断)、ステップS19に移行して、マグネトロン14の駆動を停止して第2の加熱行程を終了する。
【0048】
図7(a)には、「通常パン用あたためコース」の「標準コース」にて加熱調理が実行された場合のパンの表面部近くの温度変化とパンの内部の温度変化を示している。この場合、最終的に、パンは全体的にほぼ60℃の温度状態にあたためられる。同図(b)には、「調理パン用あたためコース」の「標準コース」にて加熱調理が実行された場合のパンの表面部近くの温度変化とパンの内部の温度変化を示している。この場合も、最終的に、パンは全体的にほぼ60℃の温度状態にあたためられる。
【0049】
このような本実施例によれば、ヒータ11,12による第1の加熱行程の実行により、まずパンの表面部分が焦げない程度に加熱されて「ぱりっ」とした状態になる。この後、マグネトロン14による第2の加熱行程を実行するから、パン表面部分は焦がさずに内部をあたためることができる。このときパン表面部分が「ぱりっ」とした状態となっているから内部の水分が逃げず、これにより固くなることがなく、全体的にふっくらとした良好な仕上がり状態にあたためることができる。しかも、回転網6にパンを直接載せるので、回転皿7にパンを載せてヒータ加熱する場合と異なり、ヒータ11,12による第1の加熱行程においてヒータ11,12の熱がパン全体に行き届くと共に、また、回転皿7にパンを載せてマグネトロン調理する場合と異なり、マグネトロン14による第2の加熱行程においてはパンが部分的に「べちゃ」となることがない。総じて、パンのあたため仕上がり状態がきわめて良好となり、また、加熱調理時間の短縮が図れる。
【0050】
また、本実施例によれば、第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率をパンの種類(通常パンと調理パン)によって異ならせているから、パンの種類が異なってもパンのあたため仕上がり状態が常に良好となる。すなわち、バターロール及びフランスパンといった通常パンは内部に具が入っておらず、これに対して、ハンバーガー、ホットドッグやアンパンといった調理パンは内部に具が入っている。従って、パン内部の加熱負荷の大きさが異なるが、しかるに上記実施例においては、パンの種類によって、第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率を異ならせているから、上述したパンの種類に応じて、パン内部・表面部に対する加熱パターンを変えた加熱制御が可能となり、もって、パンの種類が異なってもパンのあたため仕上がり状態が常に良好となる。
【0051】
特に本実施例によれば、パンあたためコースとして、「通常パン用あたためコース」と、第1の加熱行程の実行時間及び第2の加熱行程の実行時間がそれぞれ該「通常パン用あたためコース」のそれより長い「調理パン用あたためコース」とを設け、「通常パン用あたためコース」の第1の加熱行程の実行時間に対する「調理パン用あたためコース」の第1の加熱行程の実行時間の増加率よりも、「通常パン用あたためコース」の第2の加熱行程の実行時間に対する「調理パン用あたためコース」の第2の加熱行程の実行時間の増加率を大きくしたから、図7(a)及び(b)に示したように、通常パンの場合も調理パンの場合も同様に、パン全体をほぼ60℃の温度状態に仕上げることができる。すなわち、調理パンの内部には具があるから、マグネトロン加熱の調理時間の増加率が少ないとパン内部があまりあたたまらないことがあるが、上記実施例では、マグネトロン加熱の調理時間の増加率をヒータ加熱の調理時間の増加率よりも大きくしたから、このような不具合はない。
【0052】
さらに本実施例によれば、「通常パン用あたためコース」および「調理パン用あたためコース」のいずれとも、第2の加熱行程の実行時間を、第1の加熱行程の実行時間の1/3以下に設定したから、パン内部が熱くなりすぎることがなく、パンの脱水率(水分がなくなる目安)が適正に抑えられ、乾燥しすぎいわゆる「ぱさぱさ」となることがない。ちなみに、図9には、室温を20℃±2℃、パンをバターロールとし、ヒータによる加熱時間を1分30秒(秒換算で90秒)に固定した上で、マグネトロンによる加熱時間を変化させたときの重量変化率(下記式で示す)をプロットして示している。
この重量変化率は脱水率の指標となるもので、下記式で求めた重量変化率の値(%)が大きいほど脱水率が小さいことを意味する。
【0053】
重量変化率=加熱調理後のパン重量/加熱調理前のパン重量
図9から判るように、ヒータによる加熱時間90秒に対してマグネトロンによる加熱時間が30秒以下(1/3以下)であるときに、ふっくらとして美味しいと感じられるところの重量変化率98%〜100%の範囲となり、30秒を超えると重量変化率が下がって美味しくなくなるものである。
【0054】
さらに本実施例によれば、仕上がり調節キー24b,24cによる第2の加熱行程の時間調節幅を10秒以内に設定したから、パン内部が過加熱状態となることがない範囲で、ややあたたかい、あたたかい、大分あたたかいといった仕上がり状態を得ることができる。
【0055】
この場合、特に、この仕上がり調節キー24b,24cにより仕上がり調節がなされるときには、第1の加熱行程の実行時間は一定で、第2の加熱行程の実行時間を上述の10秒以内の時間幅で調節するようにしたから、パン全体をふっくら状態に保ちながら異なる仕上がり状態を良好に得ることができるようになる。すなわち、ヒータ11,12による第1の加熱行程は、パンの表面を「ぱりっ」とさせて内部水分の放出をある程度阻止することにきわめて有効であり、このような表面状態を得た後は、内部のあたため度合いが仕上がり調節の度合いとなって現れる。従って、第1の加熱行程の実行時間を一定として適正な表面状態とした上で、マグネトロン加熱の実行時間を調節することは、パン全体をふっくら状態に保ちながら異なる仕上がり状態を良好に得ることができる。
【0056】
ところで、ヒータ加熱調理が連続して行なわれると、加熱室4内の初期温度が最初の加熱調理開始時の初期温度よりも高くなっている。従って、2回目以降の加熱調理時間は、連続しない場合の加熱調理時間よりも短くする方が好ましい。この場合、第1の加熱行程と第2の加熱行程との双方を短くすることが考えられる。しかし、このようにすると、あたため不足を来すものである。すなわち、加熱室の初期温度が高いと、パンの表面側は温度影響を受けるものであるが、パン内部はさほど温度影響を受けない。つまり、単純に加熱調理時間を短かくすると、パン内部があたたまり難くなるものである。しかるに上記実施例においては、連続ヒータ加熱調理のときには、第1の加熱行程の実行時間を、連続しない場合の加熱調理時のそれより短く設定し、且つ第2の加熱行程の実行時間は、連続しない場合の加熱調理時のそれとほぼ同じに設定するようにしたから、パン全体をふっくらとあたためることができる。
【0057】
パンのあたためを行なう場合に、回転皿7を用いると、ヒータ11,12による第1の加熱行程実行時にパン表面が「ぱりっ」とした状態にならず、また、マグネトロン14による第2の加熱行程の実行時にパンが「べちゃ」とした状態となるが、本実施例によれば、回転皿7が回転網6の上に配置されたことを検出したときには、パンキー24aの入力に基いてブザー26及び表示器23を動作させるようにしたから、パンのあたためを行なうときに、回転皿7の使用中止を報知することができ、パンのあたため失敗を未然に防ぐことができる。
この場合、回転皿7の配置が検出されたときには、パンあたためコースでの加熱調理を開始しないようにしたから、これによっても、あたため失敗をなくすことができる。
【0058】
また本実施例によれば、複数種のパンあたためコースを、パンあたためコース選択キーを兼用するパンキー24aにより選択できて、キー個数の削減を図り得て構成の簡単化に寄与できる。
そして、この場合、パンキー24aの最初のオン操作で前記複数種のパンあたためコースのうちから一つを選択し且つ当該パンあたためコースで加熱調理を開始し、且つそれ以降のオン操作で他のパンあたためコースを選択し且つ当該パンあたためコースに変更して加熱調理を続けるようになっているから、パンあたためコース選択キーの最初のオン操作により加熱調理も開始できて迅速な加熱調理スタートに寄与でき、さらに、パンあたためコースの選択順位は、加熱時間が短いものが優先されるようになっているから、過加熱によるあたため失敗をなくすことができるようになる。
【0059】
すなわち、本実施例のように、パンキー24aによるコース選択と同時に加熱調理スタートが行なわれるところのワンタッチスタート方式の場合、使用者は、最初の操作で加熱調理スタートすると、使用者はスタートしたことで次以降のコース選択操作を忘れることがある。
【0060】
しかるに上記実施例によれば、パンキー24aの最初の操作では加熱時間の短いコースが選択されるから、そのまま加熱調理が実行されても、未加熱状態となることはあっても過加熱状態となることはなく、そして、未加熱状態は加熱調理のやり直しがきくものであり、総じて、あたため失敗をなくし得る。
【0061】
ところで、本実施例のようにヒータ11,12による第1の加熱行程とマグネトロン14による第2の加熱行程とを順に行なうと、パンの表面は焦げずに内部も良好にあたためられるという効果が得られる。しかしこの場合、加熱調理開始時期と終了時期とでは外観状さほど変化がみられないことから、使用者は、この外観の変化がないことをもって、あたため不足と判断して仕上がり調節キー24cを操作してしまい、過加熱状態を惹起する虞がある。一方、パンキー24aの操作によるコース選択は、加熱調理の開始からさほど時間が経過していない方が好ましく、加熱調理開始から時間がたってからコース変更をすると未加熱となることもあるが過加熱となることがあり、過加熱の場合にはあたため失敗を惹起する。
しかるに本実施例によれば、仕上がり調節キー24b,24cによる時間調節またはパンキー24aによるコース選択は加熱調理開始から所定時間以内に限って受け付けるようにしたから、過加熱によるあたため失敗をなくし得る。
【0062】
図11は本発明の第2の実施例を示しており、この実施例においては、第2の加熱行程を、マグネトロン14による加熱とヒータ11,12による加熱とを交互に繰り返す行程内容としている。このようにしても第1の実施例と同様の効果を期待できる。
なお、報知手段としてはブザー26及び表示器23のいずれか一つでも良い。また、皿検出手段としては光センサを用いても良い。また、連続して加熱調理が行なわれたことを判断する機能としては、前回の加熱調理終了時点から今回の加熱調理開始までの時間を計測し、その計測時間が所定時間より短いことをもって、連続加熱調理が行なわれたと判断するようにしても良い。
【0063】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、次の効果を得ることができる。◎
請求項1の発明によれば、パンをあたためる場合に、焼網にパンを直に載せ、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間ヒータによる加熱を行う第1の加熱行程と、マグネトロンによる第2の加熱行程とを順に実行するから、べちゃついたりぱさついたりすることなく、パンをふっくらとあたためることができ、また、加熱調理時間も短くできる。
【0064】
請求項2の発明によれば、第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率がパンの種類によって異なるようにしたから、パンの種類が異なってもパンのあたため仕上がり状態を常に良好となし得る。
請求項3の発明によれば、調理パン用あたためコースを、その第1の加熱行程の実行時間及び第2の加熱行程の実行時間が該通常パン用あたためコースのそれより長く設定することで、通常パン及び調理パンを良好にあたためることができ、しかも、通常パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間の増加率よりも、通常パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間の増加率を大きくしたから、調理パンの内部の具も良好にあたためることができ、パンあたための仕上がりが常に良好である。
【0065】
請求項4の発明によれば、第2の加熱行程の実行時間を、第1の加熱行程の実行時間の1/3以下に設定したから、パン内部が熱くなりすぎることがなく、パンの脱水率が適正に抑えられ、乾燥しすぎいわゆる「ぱさぱさ」となることがない。
【0066】
請求項5の発明によれば、仕上がり調節キーによる第2の加熱行程の時間調節幅を10秒以内に設定したから、パン内部が過加熱状態となることがない範囲で、ややあたたかい、あたたかい、大分あたたかいといった仕上がり状態を得ることができる。
【0067】
請求項6の発明によれば、パンの仕上がり調節を行なう場合に、ヒータ加熱の実行時間を一定とし、マグネトロン加熱の実行時間を調節するから、パン全体をふっくら状態に保ちながら、異なる仕上がり状態を良好に得ることができる。
【0068】
請求項7の発明によれば、連続してヒータ加熱調理が行なわれたことが判断されると、第1の加熱行程の実行時間を連続しない場合の加熱調理時のそれより短く設定し且つ第2の加熱行程の実行時間は連続しない場合の加熱調理時のそれとほぼ同じに設定するようにしたから、ヒータ加熱調理が連続して行なわれる場合でも、パン全体をふっくらとあたためることができる。
【0069】
請求項8の発明によれば、皿検出手段により調理皿の配置が検出されたときには、パンキーの入力に基いて報知手段を報知動作させるようにしたから、パンのあたためを行なうときに、調理皿の使用中止を報知することができ、パンのあたため失敗を未然に防ぐことができる。
請求項9の発明によれば、皿検出手段により調理皿の配置が検出されたときには、パンあたためコースでの加熱調理を開始しないようにしたから、あたため失敗がなくなる。
【0070】
請求項10の発明によれば、複数種のパンあたためコースを一つのパンあたためコース選択キーにより選択できて、キー個数の削減を図り得て構成の簡単化に寄与できるようになる。
請求項11の発明によれば、パンあたためコース選択キーの最初のオン操作で複数種のパンあたためコースのうちから一つを選択し且つ当該パンあたためコースで加熱調理を開始し、且つそれ以降のオン操作で他のパンあたためコースを選択し且つ当該パンあたためコースに変更して加熱調理を続けるようになっているから、一つのパンあたためコース選択キーにより選択できて、キー個数の削減を図り得、しかも、このパンあたためコース選択キーの最初のオン操作により加熱調理も開始できて迅速な加熱調理スタートに寄与でき、さらに、パンあたためコースの選択順位は、加熱時間が短いものが優先されるようになっているから、過加熱によるあたため失敗をなくすことができる。
【0071】
請求項12の発明によれば、仕上がり調節キーによる時間調節またはパンあたためコース選択キーによるコース選択を加熱調理開始から所定時間以内に限って受け付けるようにしたから、パンが過加熱状態となることを防止できる。
【0072】
請求項13の発明によれば、パンをあたためる場合に、焼網にパンを直に載せ、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間ヒータにより加熱する第1の加熱行程と、マグネトロンとヒータとの交互加熱による第2の加熱行程とを順に実行するようにしたから、べちゃついたりぱさついたりすることなく、パンをふっくらとあたためることができ、また、加熱調理時間も短くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電気的構成のブロック図
【図2】遠近法を用いて示す加熱調理器の正面図
【図3】加熱調理器の横断平面図
【図4】加熱調理器の縦断側面図
【図5】回転皿を配置した状態の加熱調理器の縦断側面図
【図6】操作パネルの正面図
【図7】パンの温度変化を示す図
【図8】各コースの内容を示す図
【図9】ヒータ加熱時間に対してマグネトロン加熱時間を変化させたときの脱水率の変化を示す図
【図10】制御内容を示すフローチャート
【図11】本発明の第2の実施例におけるヒータ及びマグネトロンの駆動状況を示す図
【符号の説明】
4は加熱室、6は回転網(焼網)、7は回転皿(調理皿)、10は重量センサ(皿検出手段)、11は上ヒータ、12は下ヒータ、14はマグネトロン、18は温度センサ、22は制御回路(加熱制御手段、皿検出手段)、23は表示器(報知手段)、24aはパンキー(パンあたためコース選択キー)、24b,24cは仕上がり調節キー、26はブザー(報知手段)を示す。

Claims (13)

  1. 食品が収容される加熱室と、
    この加熱室内に配置されパンを直接載せるための焼網と、
    前記加熱室内の食品を高周波加熱するマグネトロンと、
    前記加熱室内の食品をヒータ加熱するヒータと、
    トーストキーとは別のキーであってパンをあたためるときにオン操作されるパンキーと、
    このパンキーからの入力に基いて、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間前記ヒータにより加熱する第1の加熱行程と前記マグネトロンによる第2の加熱行程とを順に行なうパンあたためコースを実行して前記焼網上のパンを加熱する加熱制御手段と、
    を備えてなる加熱調理器。
  2. 第1の加熱行程の実行時間と第2の加熱行程の実行時間との比率がパンの種類によって異なることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. パンあたためコースには、通常パン用あたためコースと、第1の加熱行程の実行時間及び第2の加熱行程の実行時間がそれぞれ該通常パン用あたためコースのそれより長い調理パン用あたためコースとがあり、通常パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第1の加熱行程の実行時間の増加率よりも、通常パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間に対する調理パン用あたためコースの第2の加熱行程の実行時間の増加率を大きくしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  4. 第2の加熱行程の実行時間を、第1の加熱行程の実行時間の1/3以下に設定したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  5. パンあたためコースについて時間調節をするための仕上がり調節キーを備え、この仕上がり調節キーによる第2の加熱行程の時間調節幅を10秒以内に設定したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  6. パンあたためコースについて時間調節をするための仕上がり調節キーを備え、この仕上がり調節キーから入力があったときには、第1の加熱行程の実行時間は一定で、第2の加熱行程の実行時間を時間調節するようにし、且つその時間調節幅を10秒以内に設定したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  7. 連続してヒータ加熱調理が行なわれたことを判断する機能を備え、連続して調理が行なわれたことが判断されると、第1の加熱行程の実行時間を連続しない場合の加熱調理時のそれより短く設定し且つ第2の加熱行程の実行時間は連続しない場合の加熱調理時のそれとほぼ同じに設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  8. 焼網の上に選択的に配置される調理皿と、この調理皿が焼網の上に配置されたことを検出する皿検出手段と、報知手段とを備え、前記皿検出手段により前記調理皿の配置が検出されたときには、パンキーの入力に基いて前記報知手段を報知動作させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  9. 焼網の上に選択的に配置される調理皿と、この調理皿が焼網の上に配置されたことを検出する皿検出手段とを備え、この皿検出手段により前記調理皿の配置が検出されたときには、パンあたためコースでの加熱調理を開始しないようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  10. パンあたためコースとして複数種のパンあたためコースを備えると共に、パンキーは、パンあたためコース選択キーを兼用し、このパンあたためコース選択キーのオン操作に基いて前記複数種のパンあたためコースを択一的に選択し得るようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  11. パンあたためコースとして複数種のパンあたためコースを備えると共に、パンキーは、パンあたためコース選択キーを兼用し、このパンあたためコース選択キーの最初のオン操作で前記複数種のパンあたためコースのうちから一つを選択し且つ当該パンあたためコースで加熱調理を開始し、且つそれ以降のオン操作で他のパンあたためコースを選択し且つ当該パンあたためコースに変更して加熱調理を続けるようになっており、パンあたためコースの選択順位は、加熱時間が短いものが優先されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  12. パンあたためコースについて時間調節をするための仕上がり調節キー、または、複数種のパンあたためコースを選択するためのパンあたためコース選択キーを備え、この仕上がり調節キーによる時間調節またはパンあたためコース選択キーによるコース選択は加熱調理開始から所定時間以内に限って受け付けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  13. 食品が収容される加熱室と、
    この加熱室内に配置されパンを直接載せるための焼網と、
    前記加熱室内の食品を高周波加熱するマグネトロンと、
    前記加熱室内の食品をヒータ加熱するヒータと、
    トーストキーとは別のキーであってパンをあたためるときにオン操作されるパンキーと、
    このパンキーからキー入力に基いて、パンの表面部分が焦げない程度に設定された時間前記ヒータにより加熱する第1の加熱行程と、前記マグネトロンと前記ヒータとの交互加熱による第2の加熱行程とを順に行なうパンあたためコースを実行して前記焼網上のパンを加熱する加熱制御手段と、
    を備えてなる加熱調理器。
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