JP3640604B2 - リフトトラック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばローリフト型リフトトラックなどを所望速度で安全に前後進させることができるようにしたリフトトラックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ローリフト型リフトトラックの一例として図7及び図8に示すものがある。これは、1つのドライブホイール1と2つのキャスタホイール2とを有する自走式トラック本体3を有し、該トラック本体3内に、歯車機構4を介してドライブホイール1を正逆回転させる電磁ブレーキ5a付き電動機5が垂直軸心O回りで回転可能に配置されると共に、トラック本体3のケーシング3aの上面に起動スイッチ6が設けられている。
【0003】
また、トラック本体3の前部に左右一対のリフト7が昇降可能に設けられ、該各リフト7の先端に揺動ブラケット8を介して設けたロードホイール9が床面Fに接地され、トラック本体3内に左右一対設けた油圧シリンダ10のピストンロッドがリンク機構11を介して揺動ブラケット8に連結されている。
【0004】
更に、電動機5の上端からケーシング3aを貫通して垂直軸心Oに沿って上方に延びる軸受部5bが設けられ、該軸受部5bに連結軸12を介して操作アーム13が所定角度α(約90°)内上下動可能に連結され、該操作アーム13の先端部両側面に左右一対の略コ字状ハンドル14が突設されており、そのハンドル14を把持して左右に振ることにより、操作アーム13及び電動機5を介してドライブホイール1を垂直軸Oを中心に回転させて、トラック本体3の走行方向を自由に変更することができる。
【0005】
前記各ハンドル14の先端側端部に回転可能に外嵌させた左右一対の操作リング15どうしが連結軸16を介して互いに一体連結され、一方のハンドル14内に内蔵したロータリー式ポテンショメータ(検知器)17が一方の操作リング15に接続されており、操作リング15を中立位置Nから左回しcまたは右回しdすることにより(図10参照)、それを検知するポテンショメータ17の検知信号に基づいて電動機5を正転または逆転させてトラック本体3を所望速度で前進aまたは後進bさせる。なお、18は操作アーム13を上方に付勢する引き上げばね、19は操作アーム13の起立状態(図7仮想線参照)及びその操作アーム13を水平状態(図7実線参照)から若干の角度β(約3°)だけ押し下げた状態を検知して電磁ブレーキ5aを作動させるブレーキスイッチ、20〜22は昇降用リフト釦と非常停止釦であって、操作アーム13の先端面に設けられている。
【0006】
上記構成において、荷物Wをリフトアップする場合には、起動スイッチ6をオン状態とし、オペレータMが一方のハンドル14を把持して操作アーム13をほぼ水平状態まで押し下げ(図7実線参照)、図9及び図10に示すように、親指Maを操作リング15の凹部15a内に挿入し、該操作リング15を中立位置Nから左回しcすることにより、トラック本体3を所望速度で前進aさせ、リフト7を荷物Wの下にもぐり込ませた後、上昇用リフト釦20を押せばよい。これによって、油圧シリンダ10を伸長駆動させることにより、リンク機構11を介して揺動ブラケット8が起立され、リフト7を上昇させて荷物Wを持ち上げることができる(図7仮想線参照)。
【0007】
荷物Wを所定位置まで搬送する場合には、前記と同様の手順で操作リング15を中立位置Nから左回しcすることにより、トラック本体3を所望速度で前進aさせるか、または、操作リング15を中立位置Nから右回しdすることにより、トラック本体3を所望速度で後進bさせればよい。
【0008】
荷物Wをリフトダウンする場合には、下降用リフト釦21を押せばよい。これによって、油圧シリンダ10を縮小駆動させることにより、リンク機構11を介して揺動ブラケット8が倒され、リフト7を下降させて荷物Wを降ろすことができる(図7実線参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成では、例えばトラック本体3を後進bさせる場合に、オペレータMが後方に向いた状態で親指Maにより操作リング15を操作するようになっており(図9及び図10参照)、該操作リング15を無理な姿勢でしかも目視できない状態で操作する必要があるため、その操作リング15を円滑に操作することが困難であり、トラック本体3の走行速度が遅過ぎたり早過ぎたりして、トラック本体3の走行速度を適正に保つことが難しく、特に、その速度が早過ぎたときに、トラック本体3がオペレータMに接触する虞れがあり、安全性に問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の欠点に鑑み、所望速度で安全に前後進させることができるようにしたリフトトラックを提供することを目的としている。
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、前部にリフトを配置した自走式トラック本体から後方に操作アームが延ばされており、該操作アームを左右に振ることによりトラック本体の走行方向を変更するようにしたリフトトラックにおいて、前記操作アームの先端部に設けた把持部に前後一対の押釦が設けられると共に、該各押釦に対応して検知器が把持部内に設けられており、前記各押釦の押圧変位を検知する検知器の検知信号に基づいて、後側押釦を前方に押すと前記トラック本体を前進させ、前側押釦を後方に押すと前記トラック本体を後進させるようにしたことを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、操作アームの先端部に設けた把持部を把持して前側押釦または後側押釦を押圧することにより、その押釦の押圧変位を検知する検知器からの検知信号に基づいてトラック本体を押圧変位幅に比例した速度で前進または後進させることができ、この場合、トラック本体の前後進の向きと各押釦の押圧方向とを一致させることにより、オペレータが楽な操作姿勢でトラック本体を所望の速度で円滑に前後進させることができる。従って、例えばオペレータが後方に向いた状態でトラック本体を後進させる場合でも、そのトラック本体をオペレータに接触しないように安全に走行させることができる。また、前記両押釦を同時に押圧することにより、検知器からの検知信号に基づいて、トラック本体を一時停止させたり非常停止させたりすることもできる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記各押釦が前記把持部の外周面に形成した凹部内に出退可能に配置されると共に、該各押釦を外向きに付勢するばねによりその各押釦の外周面が凹部から若干外方に突出されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、各押釦を把持部の外周面に形成した凹部内に位置ずれしないように配置することができると共に、各押釦をばねで外向きに付勢することにより該各押釦の外周面を凹部から若干外方に突出させているので、その各押釦をばねに抗して容易に押圧することができる。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記把持部が前後方向に若干長い横断面略長円形に形成されていることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、把持部が前後方向に若干長い横断面略長円形に形成されているので、該把持部を横断面真円形に形成した場合に比べて、その把持部を確実に把持して各押釦を容易に押圧することができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記前側押釦が把持部の前面中央部から上方に所定角度ずれた位置に配置されると共に、前記後側押釦が把持部の後面中央部から右または左に所定間隔ずれた位置に配置されていることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、前側押釦が把持部の前面中央部から上方に所定角度ずれた位置に配置されているので、把持部を把持した状態でその前側押釦を人指し指及びまたは中指により確実に押圧することができると共に、後側押釦が把持部の後面中央部から右または左に所定間隔ずれた位置に配置されているので、把持部を把持した状態でその後側押釦を親指により確実に押圧することができるものであって、各押釦の操作を指部により円滑に行なうことができる。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、前記各検知器がポテンショメータからなることを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、ポテンショメータにより押釦の押圧変位を精密に検知することができ、その検知信号に基づいてトラック本体を所望通りに前進または後進させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の実施の一形態であるローリフト型リフトトラックを示すものであって、操作アーム13が、連結軸12を中心に回動可能な基枠13aと、該基枠13aの先端部に外嵌させたハンドル13bとを有し、該ハンドル13bの中央部に指部挿入孔25を貫設することにより該ハンドル13bの先端部に把持部26が形成され、該把持部26に前後一対の押釦27,28が設けられると共に、該各押釦27,28に対応してポテンショメータ(検知器)17A,17Bが把持部26内に設けられている。上記以外の構成は図7及び図8に示す構成とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0022】
前記把持部26は、図5に示すように、その幅Lがその高さHよりも若干大きく設定されて、前後方向e,fに若干長い横断面略長円形に形成されているから、該把持部26を横断面真円形に形成した場合に比べて、その把持部26を確実に把持して各押釦27,28を容易に押圧することができる。
【0023】
また、図5に示すように、各押釦27,28が把持部26の外周面に形成した凹部29内に出退可能に配置されているので、その各押釦27,28を把持部26に位置ずれしないように配置することができる。また、各ポテンショメータ17A,17Bの検知杆17aが各押釦27,28の裏面に連結されると共に、該各検知杆17aにばね30が外嵌され、その各ばね30により各押釦27,28を外向きに付勢することにより、該各押釦27,28の外周面が凹部29から若干の突出幅tだけ外方に突出されているから、その各押釦27,28をばね30に抗して容易に押圧することができる。
【0024】
図4及び図5に示すように、前側押釦27が把持部26の前面中央部から上方に所定角度rずれた位置に配置されているから、把持部26を把持した状態でその前側押釦27を人指し指Mb及びまたは中指Mcにより確実に押圧することができる。また、後側押釦28が把持部26の後面中央部から右に所定間隔R1ずれた位置に配置されているから、把持部26を把持している状態でその後側押釦28を親指Maにより確実に押圧することができるものであって、各押釦27,28の操作を指部により円滑に行なうことができる。なお、図4に仮想線で示すように、後側押釦28を把持部26の後面中央部から左に所定間隔R2ずれた位置に配置してもよい。
【0025】
上記構成に基づいてトラック本体3の前後進a,bの作用を説明すると、各押釦27,28を押圧していない状態では、図6(a)に示すように、両ポテンショメータ17A,17Bの検知杆17aが長く突出されて、その突出長さh1が同一に設定され、トラック本体3を停止させている。
【0026】
上記状態からトラック本体3を前進aさせるために、図6(b)に示すように、オペレータMが把持部26を把持して後側押釦28を前方eに向かって所定の押圧力P1で押すと、後側ポテンショメータ17Bの検知杆17aが押し込まれて、その突出長さh2が短くなり、その突出長さh2に比例して後側ポテンショメータ117Bから出力される検知信号に基づいて電動機5が所定速度で正転され、トラック本体3を所望速度で前進aさせることができる。つまり強く押せば電動機5の回転数が高くなってトラックが早く前進し、弱く押せば電動機5の回転数が低くなってトラックが遅く前進する。またオペレータMが立ち止まれば押す力がなくなるので、トラックは自然に速度を落として停止する
【0027】
また、トラック本体3を後進bさせるために、図6(c)に示すように、オペレータMが把持部26を把持して前側押釦27を後方fに向かって所定の押圧力P2で押すと、前側ポテンショメータ17Aの検知杆17aが押し込まれて、その突出長さh2が短くなり、その突出長さh2に比例して前側ポテンショメータ17Aから出力される検知信号に基づいて電動機5が所定速度で逆転され、トラック本体3を所望速度で後進bさせることができる。
【0028】
更に、図6(d)に示すように、オペレータMが把持部26を把持して両押釦27,28を同時に押すことにより、両ポテンショメータ17A,17Bの検知杆17aが押し込まれて、その突出長さh2,h2が短くなり、その両ポテンショメータ17A,17Bから出力される検知信号に基づいて、電磁ブレーキ5aを作動させてトラック本体3を一時停止させたり、電源オフ状態にしてトラック本体3を非常停止させることができる。
【0029】
図6(a)〜(c)の構成によれば、把持部26を把持して前側押釦27または後側押釦28を押圧することにより、その各押釦27,28の押圧変位を検知するポテンショメータ17A,17Bからの検知信号に基づいてトラック本体3を押圧変位幅h2に比例した速度で前進aまたは後進bさせることができ、この場合、トラック本体3の前後進a,bの向きと各押釦27,28のの押圧方向e,fとを一致させることにより、オペレータMが楽な操作姿勢でトラック本体3を所望の速度で円滑に前後進a,bさせることができる。従って、例えばオペレータMが後方fに向いた状態でトラック本体3を後進bさせる場合でも、そのトラック本体3をオペレータMに接触しないように安全に走行させることができる。
【0030】
上記の実施の一形態では、各押釦27,28の押圧をポテンショメータ17A,17Bで検知するようにしたが、これに限定されるわけではなく、それに代えて例えばロードセルなどの各種検知機器を用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、操作アームの先端部に設けた把持部を把持して前側押釦または後側押釦を押圧することにより、その押釦の押圧変位を検知する検知器からの検知信号に基づいてトラック本体を押圧変位幅に比例した速度で前進または後進させることができ、この場合、トラック本体の前後進の向きと各押釦の押圧方向とを一致させることにより、オペレータが楽な操作姿勢でトラック本体を所望の速度で円滑に前後進させることができる。従って、例えばオペレータが後方に向いた状態でトラック本体を後進させる場合でも、そのトラック本体をオペレータに接触しないように安全に走行させることができる。また、前記両押釦を同時に押圧することにより、検知器からの検知信号に基づいて、トラック本体を一時停止させたり非常停止させたりすることもできる。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、各押釦を把持部の外周面に形成した凹部内に位置ずれしないように配置することができると共に、各押釦をばねで外向きに付勢することにより該各押釦の外周面を凹部から若干外方に突出させているので、その各押釦をばねに抗して容易に押圧することができる。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、把持部が前後方向に若干長い横断面略長円形に形成されているので、該把持部を横断面真円形に形成した場合に比べて、その把持部を確実に把持して各押釦を容易に押圧することができる。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、前側押釦が把持部の前面中央部から上方に所定角度ずれた位置に配置されているので、把持部を把持した状態でその前側押釦を人指し指及びまたは中指により確実に押圧することができると共に、後側押釦が把持部の後面中央部から右または左に所定間隔ずれた位置に配置されているので、把持部を把持した状態でその後側押釦を親指により確実に押圧することができるものであって、各押釦の操作を指部により円滑に行なうことができる。
【0035】
請求項5記載の発明によれば、ポテンショメータにより押釦の押圧変位を精密に検知することができ、その検知信号に基づいてトラック本体を所望通りに前進または後進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態であるリフトトラックの側面図である。
【図2】 同平面図である。
【図3】 同要部の側面図である。
【図4】 同要部の平面図である。
【図5】 図4のB−B矢視図である。
【図6】 (a)〜(d)は検知作用を示す説明図である。
【図7】 従来例を示す側面図である。
【図8】 同平面図である。
【図9】 同要部の拡大平面図である。
【図10】 図9のA−A矢視図である。
【符号の説明】
3 トラック本体
7 リフト
13 操作アーム
17A,17B ポテンショメータ(検知器)
17a ポテンショメータの検知杆
26 把持部
27 前側押釦
28 後側押釦
29 凹部
30 ばね
a 前進
b 後進
e 前方
f 後方

Claims (5)

  1. 前部にリフトを配置した自走式トラック本体から後方に操作アームが延ばされており、該操作アームを左右に振ることによりトラック本体の走行方向を変更するようにしたリフトトラックにおいて、前記操作アームの先端部に設けた把持部に前後一対の押釦が設けられると共に、該各押釦に対応して検知器が把持部内に設けられており、前記各押釦の押圧変位を検知する検知器の検知信号に基づいて、後側押釦を前方に押すと前記トラック本体を前進させ、前側押釦を後方に押すと前記トラック本体を後進させるようにしたことを特徴とするリフトトラック。
  2. 前記各押釦が前記把持部の外周面に形成した凹部内に出退可能に配置されると共に、該各押釦を外向きに付勢するばねによりその各押釦の外周面が凹部から若干外方に突出されていることを特徴とする請求項1記載のリフトトラック。
  3. 前記把持部が前後方向に若干長い横断面略長円形に形成されていることを特徴とする請求項2記載のリフトトラック。
  4. 前記前側押釦が把持部の前面中央部から上方に所定角度ずれた位置に配置されると共に、前記後側押釦が把持部の後面中央部から右または左に所定間隔ずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項3記載のリフトトラック。
  5. 前記各検知器がポテンショメータからなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のリフトトラック。
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