JP3640408B2 - エアバッグ装置のモジュールカバー及びエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自動車のステアリングホイールに取り付けられる運転席用エアバッグ装置のモジュールカバー及び自動車のインストルメントパネル等に取り付けられる助手席用エアバッグ装置や、後席用エアバッグ装置のモジュールカバーに関する。詳しくは、エアバッグ展開時にモジュールカバーが正確にテアラインに沿って開裂するよう改良されたモジュールカバーに関する。また、本発明はこれらのモジュールカバーを備えたエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の運転席用エアバッグ装置及びそのモジュールカバーについて第3図〜第6図を参照して説明する。
【0003】
第3図に示す如く、自動車のステアリング10の中央部分に運転席用エアバッグ装置12が設置されている。この運転席用エアバッグ装置12は、一般にコンテナと称される取付板にインフレータ及びエアバッグが取り付けられ、これらを被うようにモジュールカバー14が装着されたものである。第4、5図の如く、このモジュールカバー14にはステアリング10のスポーク16に整合しうるように係合部18、20、22、24がモジュールカバー側面部分に形成されている。
【0004】
このモジュールカバー14は合成樹脂製である。なお、メッシュなどの補強材を埋設することもある。このモジュールカバー14には、エアバッグ作動時に予定された線で開裂されるようにテアラインが設けられている。
【0005】
このテアラインは、モジュールカバー14の左右の側端縁に沿って車体前後方向に設けられた第2のテアライン30、32と、モジュールカバー14の中央に車体幅方向に設けられた第1のテアライン28とで構成されている。なお、車体前後方向、幅方向を示す場合、ステアリングは、車両が真直ぐに進行する姿勢にあるものとする。このテアライン30、32は、モジュールカバー14をリテーナ(図示略)に対し固定取り付けするための取付片34、36に沿ってはいるが、取付片34、36からは少し離れている。第2のテアライン30、32の外側部100、200の部分の肉厚は、それよりも内側の部分300、400の肉厚と等しくなっている。また、取付片34、36の肉厚は、これら部分100、200、300、400の肉厚と等しくなっている。
【0006】
このテアラインとしては、第6図の如く開裂予定ラインの部分に溝を連続的に設けたものやミシン目状に形成したもの等がある。なお、溝の深さを間隔をおいて深くすることもある。又、該カバーを硬質層と軟質層との2層積層構造としたものにあっては、開裂予定線に沿って硬質層にスリットを形成したものもある。
【0007】
このエアバッグ装置を搭載した自動車が衝突すると、インフレータ(ガスジェネレータ)が作動し、エアバッグが展開する。そして、モジュールカバー14がまず第1のテアライン28に沿って開裂し、さらに開裂が第2のテアライン30、32に伝播することにより、モジュールカバー14が第3図の2点鎖線の矢印の如く大きく開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0008】
第9図は従来の助手席用ないし後席用のエアバッグ装置のモジュールカバーの背面からの斜視図、第10図はこのエアバッグ装置の作動状態を示す概略的な断面図である。
【0009】
このモジュールカバー70は、略々長方形状のものであり、板状のカバー部(リッド部)70aの背面には、長手方向に延在する取付片71,72が突設されている。
【0010】
このモジュールカバー70は、第10図の如く、エアバッグ装置のコンテナ73の前面に取り付けられる。インフレータ74が作動してガスが噴出し、エアバッグ90が展開するときには、第1及び第2のテアライン75,76に沿ってモジュールカバー70が開裂し、エアバッグ90が車両室内に大きく広がる。
【0011】
この第1のテアライン75は、車体の幅方向に延在し、第2のテアライン76はこれと交叉方向(車体の前後方向ないし上下方向)に延在している。なお、第9,10図ではテアライン75,76はH字形状に設けられているが、第11図のモジュールカバー70Aのテアライン77,78の如くU字形状となるように設けられることもある。この場合、エアバッグの展開時にモジュールカバー70Aは第12図の如く開裂する。
【0012】
このモジュールカバー70,70Aのカバー部(リッド部)70aの肉厚は全体に均一である。このモジュールカバー70,70Aは合成樹脂製である。なお、メッシュなどの補強材を埋設することもある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、従来のエアバッグ装置においては、エアバッグの展開時にまず第1のテアラインが開裂し、つづいてこの開裂が第2のテアラインに伝播することによりモジュールカバーが大きく開裂する。
【0014】
この第1のテアラインと第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっている。そのため、第1のテアラインに沿って進行してきた開裂が、そのまま惰性でモジュールカバーの車体側方向に進行してしまうおそれがある。
【0015】
本発明は、エアバッグ装置のモジュールカバーにおいて、第1のテアラインを進んできた開裂が、第2のテアラインとの継続部において確実に進行方向を変更して第2のテアラインに開裂が急速に受け継がれるようにすることを目的とする。
【0016】
また、本発明は、モジュールカバーのコンテナへの取付強度を高めることを目的とする。
【0017】
本発明は、これらのモジュールカバーを備えたエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1のエアバッグ装置のモジュールカバーは、コンテナに固定取り付けされたエアバッグを被装するためのエアバッグ装置のモジュールカバーであって、該コンテナに該モジュールカバーを取り付けるための取付片が背面から突設されており、且つ該エアバッグの展開時に該モジュールカバーを開裂させるためのテアラインが背面に延設されており、該テアラインは、自動車の車体の幅方向に延在する第1のテアラインと、該第1のテアラインに継続しており車体の前後方向又は上下方向に延在する第2のテアラインとを備えており、前記取付片のうち少なくとも一部はモジュールカバーの車体前後方向又は上下方向に延在されており、前記第2のテアラインは、この車体前後方向又は上下方向の取付片から離隔しているモジュールカバーにおいて、該第1のテアラインと該第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっており、該車体前後方向又は上下方向の取付片と第2のテアラインとの間のカバー部の肉厚が、該第2のテアラインよりもモジュールカバー中央側のカバー部の肉厚よりも大きいことを特徴とするものである。
【0019】
請求項2のエアバッグ装置のモジュールカバーは、コンテナに固定取り付けされたエアバッグを被装するためのエアバッグ装置のモジュールカバーであって、車体の幅方向に延在する第1のテアラインと、該第1のテアラインに継続しており、該モジュールカバーの車体幅方向両端側において該車体幅方向と交叉方向に延在している第2のテアラインと、を備えているモジュールカバーにおいて、該第1のテアラインと該第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっており、該第2のテアラインよりも車体幅方向の外側の肉厚を、該第2のテアラインよりも車体幅方向の内側の肉厚よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0020】
本発明のエアバッグ装置は、請求項1又は2のモジュールカバーを備えたものである。
【0021】
【作用】
請求項1〜3のエアバッグ装置のモジュールカバー及びエアバッグ装置においては、第1のテアラインに沿って進行してきた開裂が第2のテアラインとの継続部まで到達すると、それまで進行してきた方向の前方に肉厚の大きな部分が存在することになる。そのため、開裂は速やかに第2のテアラインに移り、第2のテアラインに沿って開裂が急速に進行する。
【0022】
【実施例】
以下図面を参照して実施例について説明する。
【0023】
第1図は本発明の別の実施例に係るモジュールカバー14Bの斜視図、第2図は第1図のII-II線に沿う断面図である。
【0024】
このモジュールカバー14Bは、合成樹脂の一色射出成形品よりなる。本実施例においては、第2のテアライン30、32は取付片34、36から離隔している。第2のテアライン30、32よりも外側の部分(テアライン30、32と取付片34、36との間の部分)100、200の肉厚d7は、テアライン30、32よりも内側の部分300、400の肉厚d6よりも大きい。また、取付片34、36の肉厚d8は、部分100、200の肉厚d7よりも大きい。即ち、d8>d7>d6である。
【0025】
このように構成されたモジュールカバー14Bにおいて、第1のテアライン28から継続部30a、32aに向かって直線的に進行してきた開裂は、部分100、200の肉厚d7が大きいのでそれ以上直線的には進行せず、速やかに進行方向を直角に変更する。そして、第2のテアライン30、32が継続部30a、32aから速やかに開裂を開始する。
【0026】
なお、第1のテアライン28から継続部30a、32aに向かってきた開裂の勢いがきわめて強く、部分100、200に開裂が入り込んだとしても、この開裂は殆ど進行せず、仮に進行したとしてもこの開裂が取付片34、36に当ったところで停止する。これは、取付片34、36の肉厚d8が部分100、200の肉厚d7よりも大きいためである。
【0027】
なお、種々の実験の結果、第1、2図に示したモジュールカバー14Bにおいては、取付片34、36の肉厚d8を100%とした場合、部分100、200の肉厚d7は70〜99%が好適であり、部分300、400の肉厚d6は40〜69%が好適であることが認められた。この場合、テアライン28、30、32の最深部分の肉厚は、上記d 8 を100%とした場合、10〜39%が好適であることが認められた。
【0028】
なお、モジュールカバー14Bにおいて、コンテナへの引掛部37を有する取付片36a、36bについて、その肉厚を取付片36c、36dよりも5〜20%程度大きくするのが好適であることも認められた。これは、エアバッグが展開するときに、取付片36a、36bに対し取付片36c、36dよりも大きな力が加えられるからである。
【0029】
第7,8図は、テアライン76の外側に厚肉部82を設けた実施例に係るモジュールカバー70Cを示すものであり、第8図は第7図のVIII-VIII線に沿う断面斜視図である。
【0030】
本実施例でも、テアライン75に沿って進行してきた開裂は、厚肉部82によって行く手を阻まれ、開裂は速やかにテアライン76にひき継がれる。
【0031】
第7,8図のその他の構成は第9図のものと同様であり、同一符号は同一部分を示している。なお、厚肉部は図示よりももっと広い範囲に設けても良い。
【0032】
第7,8図ではテアラインがH字形状に設けられているが、第11,12図の如くU字形状に設けられたモジュールカバーにも本発明を適用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のエアバッグ装置のモジュールカバー及びエアバッグ装置によると、エアバッグ装置が作動してエアバッグが展開する場合、モジュールカバーは正確に第1のテアライン及び第2のテアラインに沿って開裂するようになり、エアバッグが急速にしかも確実に車両室内に大きく展開するようになる。また、モジュールカバーのコンテナへの取付強度もきわめて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る運転席用エアバッグ装置のモジュールカバーの斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】従来の運転席用エアバッグ装置を示す斜視図である。
【図4】従来の運転席用エアバッグ装置のモジュールカバーを示す斜視図である。
【図5】従来の運転席用エアバッグ装置の背面から見た斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】別の実施例に係るモジュールカバーの斜視図である。
【図8】図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【図9】従来の助手席用又は後席用のエアバッグ装置のモジュールカバー70を示す斜視図である。
【図10】モジュールカバー70の開裂状態を示す断面図である。
【図11】別の従来例に係るモジュールカバー70Aの斜視図である。
【図12】モジュールカバー70Aの開裂状態を示す断面図である。
【符号の説明】
14,14A,14B 運転席用エアバッグ装置のモジュールカバー
28 第1のテアライン
30,32 第2のテアライン
34,36 取付片
80 リブ
82 厚肉部
【産業上の利用分野】
本発明は自動車のステアリングホイールに取り付けられる運転席用エアバッグ装置のモジュールカバー及び自動車のインストルメントパネル等に取り付けられる助手席用エアバッグ装置や、後席用エアバッグ装置のモジュールカバーに関する。詳しくは、エアバッグ展開時にモジュールカバーが正確にテアラインに沿って開裂するよう改良されたモジュールカバーに関する。また、本発明はこれらのモジュールカバーを備えたエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の運転席用エアバッグ装置及びそのモジュールカバーについて第3図〜第6図を参照して説明する。
【0003】
第3図に示す如く、自動車のステアリング10の中央部分に運転席用エアバッグ装置12が設置されている。この運転席用エアバッグ装置12は、一般にコンテナと称される取付板にインフレータ及びエアバッグが取り付けられ、これらを被うようにモジュールカバー14が装着されたものである。第4、5図の如く、このモジュールカバー14にはステアリング10のスポーク16に整合しうるように係合部18、20、22、24がモジュールカバー側面部分に形成されている。
【0004】
このモジュールカバー14は合成樹脂製である。なお、メッシュなどの補強材を埋設することもある。このモジュールカバー14には、エアバッグ作動時に予定された線で開裂されるようにテアラインが設けられている。
【0005】
このテアラインは、モジュールカバー14の左右の側端縁に沿って車体前後方向に設けられた第2のテアライン30、32と、モジュールカバー14の中央に車体幅方向に設けられた第1のテアライン28とで構成されている。なお、車体前後方向、幅方向を示す場合、ステアリングは、車両が真直ぐに進行する姿勢にあるものとする。このテアライン30、32は、モジュールカバー14をリテーナ(図示略)に対し固定取り付けするための取付片34、36に沿ってはいるが、取付片34、36からは少し離れている。第2のテアライン30、32の外側部100、200の部分の肉厚は、それよりも内側の部分300、400の肉厚と等しくなっている。また、取付片34、36の肉厚は、これら部分100、200、300、400の肉厚と等しくなっている。
【0006】
このテアラインとしては、第6図の如く開裂予定ラインの部分に溝を連続的に設けたものやミシン目状に形成したもの等がある。なお、溝の深さを間隔をおいて深くすることもある。又、該カバーを硬質層と軟質層との2層積層構造としたものにあっては、開裂予定線に沿って硬質層にスリットを形成したものもある。
【0007】
このエアバッグ装置を搭載した自動車が衝突すると、インフレータ(ガスジェネレータ)が作動し、エアバッグが展開する。そして、モジュールカバー14がまず第1のテアライン28に沿って開裂し、さらに開裂が第2のテアライン30、32に伝播することにより、モジュールカバー14が第3図の2点鎖線の矢印の如く大きく開放し、エアバッグが車両室内に展開する。
【0008】
第9図は従来の助手席用ないし後席用のエアバッグ装置のモジュールカバーの背面からの斜視図、第10図はこのエアバッグ装置の作動状態を示す概略的な断面図である。
【0009】
このモジュールカバー70は、略々長方形状のものであり、板状のカバー部(リッド部)70aの背面には、長手方向に延在する取付片71,72が突設されている。
【0010】
このモジュールカバー70は、第10図の如く、エアバッグ装置のコンテナ73の前面に取り付けられる。インフレータ74が作動してガスが噴出し、エアバッグ90が展開するときには、第1及び第2のテアライン75,76に沿ってモジュールカバー70が開裂し、エアバッグ90が車両室内に大きく広がる。
【0011】
この第1のテアライン75は、車体の幅方向に延在し、第2のテアライン76はこれと交叉方向(車体の前後方向ないし上下方向)に延在している。なお、第9,10図ではテアライン75,76はH字形状に設けられているが、第11図のモジュールカバー70Aのテアライン77,78の如くU字形状となるように設けられることもある。この場合、エアバッグの展開時にモジュールカバー70Aは第12図の如く開裂する。
【0012】
このモジュールカバー70,70Aのカバー部(リッド部)70aの肉厚は全体に均一である。このモジュールカバー70,70Aは合成樹脂製である。なお、メッシュなどの補強材を埋設することもある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、従来のエアバッグ装置においては、エアバッグの展開時にまず第1のテアラインが開裂し、つづいてこの開裂が第2のテアラインに伝播することによりモジュールカバーが大きく開裂する。
【0014】
この第1のテアラインと第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっている。そのため、第1のテアラインに沿って進行してきた開裂が、そのまま惰性でモジュールカバーの車体側方向に進行してしまうおそれがある。
【0015】
本発明は、エアバッグ装置のモジュールカバーにおいて、第1のテアラインを進んできた開裂が、第2のテアラインとの継続部において確実に進行方向を変更して第2のテアラインに開裂が急速に受け継がれるようにすることを目的とする。
【0016】
また、本発明は、モジュールカバーのコンテナへの取付強度を高めることを目的とする。
【0017】
本発明は、これらのモジュールカバーを備えたエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1のエアバッグ装置のモジュールカバーは、コンテナに固定取り付けされたエアバッグを被装するためのエアバッグ装置のモジュールカバーであって、該コンテナに該モジュールカバーを取り付けるための取付片が背面から突設されており、且つ該エアバッグの展開時に該モジュールカバーを開裂させるためのテアラインが背面に延設されており、該テアラインは、自動車の車体の幅方向に延在する第1のテアラインと、該第1のテアラインに継続しており車体の前後方向又は上下方向に延在する第2のテアラインとを備えており、前記取付片のうち少なくとも一部はモジュールカバーの車体前後方向又は上下方向に延在されており、前記第2のテアラインは、この車体前後方向又は上下方向の取付片から離隔しているモジュールカバーにおいて、該第1のテアラインと該第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっており、該車体前後方向又は上下方向の取付片と第2のテアラインとの間のカバー部の肉厚が、該第2のテアラインよりもモジュールカバー中央側のカバー部の肉厚よりも大きいことを特徴とするものである。
【0019】
請求項2のエアバッグ装置のモジュールカバーは、コンテナに固定取り付けされたエアバッグを被装するためのエアバッグ装置のモジュールカバーであって、車体の幅方向に延在する第1のテアラインと、該第1のテアラインに継続しており、該モジュールカバーの車体幅方向両端側において該車体幅方向と交叉方向に延在している第2のテアラインと、を備えているモジュールカバーにおいて、該第1のテアラインと該第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっており、該第2のテアラインよりも車体幅方向の外側の肉厚を、該第2のテアラインよりも車体幅方向の内側の肉厚よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0020】
本発明のエアバッグ装置は、請求項1又は2のモジュールカバーを備えたものである。
【0021】
【作用】
請求項1〜3のエアバッグ装置のモジュールカバー及びエアバッグ装置においては、第1のテアラインに沿って進行してきた開裂が第2のテアラインとの継続部まで到達すると、それまで進行してきた方向の前方に肉厚の大きな部分が存在することになる。そのため、開裂は速やかに第2のテアラインに移り、第2のテアラインに沿って開裂が急速に進行する。
【0022】
【実施例】
以下図面を参照して実施例について説明する。
【0023】
第1図は本発明の別の実施例に係るモジュールカバー14Bの斜視図、第2図は第1図のII-II線に沿う断面図である。
【0024】
このモジュールカバー14Bは、合成樹脂の一色射出成形品よりなる。本実施例においては、第2のテアライン30、32は取付片34、36から離隔している。第2のテアライン30、32よりも外側の部分(テアライン30、32と取付片34、36との間の部分)100、200の肉厚d7は、テアライン30、32よりも内側の部分300、400の肉厚d6よりも大きい。また、取付片34、36の肉厚d8は、部分100、200の肉厚d7よりも大きい。即ち、d8>d7>d6である。
【0025】
このように構成されたモジュールカバー14Bにおいて、第1のテアライン28から継続部30a、32aに向かって直線的に進行してきた開裂は、部分100、200の肉厚d7が大きいのでそれ以上直線的には進行せず、速やかに進行方向を直角に変更する。そして、第2のテアライン30、32が継続部30a、32aから速やかに開裂を開始する。
【0026】
なお、第1のテアライン28から継続部30a、32aに向かってきた開裂の勢いがきわめて強く、部分100、200に開裂が入り込んだとしても、この開裂は殆ど進行せず、仮に進行したとしてもこの開裂が取付片34、36に当ったところで停止する。これは、取付片34、36の肉厚d8が部分100、200の肉厚d7よりも大きいためである。
【0027】
なお、種々の実験の結果、第1、2図に示したモジュールカバー14Bにおいては、取付片34、36の肉厚d8を100%とした場合、部分100、200の肉厚d7は70〜99%が好適であり、部分300、400の肉厚d6は40〜69%が好適であることが認められた。この場合、テアライン28、30、32の最深部分の肉厚は、上記d 8 を100%とした場合、10〜39%が好適であることが認められた。
【0028】
なお、モジュールカバー14Bにおいて、コンテナへの引掛部37を有する取付片36a、36bについて、その肉厚を取付片36c、36dよりも5〜20%程度大きくするのが好適であることも認められた。これは、エアバッグが展開するときに、取付片36a、36bに対し取付片36c、36dよりも大きな力が加えられるからである。
【0029】
第7,8図は、テアライン76の外側に厚肉部82を設けた実施例に係るモジュールカバー70Cを示すものであり、第8図は第7図のVIII-VIII線に沿う断面斜視図である。
【0030】
本実施例でも、テアライン75に沿って進行してきた開裂は、厚肉部82によって行く手を阻まれ、開裂は速やかにテアライン76にひき継がれる。
【0031】
第7,8図のその他の構成は第9図のものと同様であり、同一符号は同一部分を示している。なお、厚肉部は図示よりももっと広い範囲に設けても良い。
【0032】
第7,8図ではテアラインがH字形状に設けられているが、第11,12図の如くU字形状に設けられたモジュールカバーにも本発明を適用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のエアバッグ装置のモジュールカバー及びエアバッグ装置によると、エアバッグ装置が作動してエアバッグが展開する場合、モジュールカバーは正確に第1のテアライン及び第2のテアラインに沿って開裂するようになり、エアバッグが急速にしかも確実に車両室内に大きく展開するようになる。また、モジュールカバーのコンテナへの取付強度もきわめて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る運転席用エアバッグ装置のモジュールカバーの斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】従来の運転席用エアバッグ装置を示す斜視図である。
【図4】従来の運転席用エアバッグ装置のモジュールカバーを示す斜視図である。
【図5】従来の運転席用エアバッグ装置の背面から見た斜視図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】別の実施例に係るモジュールカバーの斜視図である。
【図8】図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【図9】従来の助手席用又は後席用のエアバッグ装置のモジュールカバー70を示す斜視図である。
【図10】モジュールカバー70の開裂状態を示す断面図である。
【図11】別の従来例に係るモジュールカバー70Aの斜視図である。
【図12】モジュールカバー70Aの開裂状態を示す断面図である。
【符号の説明】
14,14A,14B 運転席用エアバッグ装置のモジュールカバー
28 第1のテアライン
30,32 第2のテアライン
34,36 取付片
80 リブ
82 厚肉部
Claims (3)
- コンテナに固定取り付けされたエアバッグを被装するためのエアバッグ装置のモジュールカバーであって、
該コンテナに該モジュールカバーを取り付けるための取付片が背面から突設されており、且つ該エアバッグの展開時に該モジュールカバーを開裂させるためのテアラインが背面に延設されており、
該テアラインは、自動車の車体の幅方向に延在する第1のテアラインと、該第1のテアラインに継続しており車体の前後方向又は上下方向に延在する第2のテアラインとを備えており、
前記取付片のうち少なくとも一部はモジュールカバーの車体前後方向又は上下方向に延在されており、前記第2のテアラインは、この車体前後方向又は上下方向の取付片から離隔しているモジュールカバーにおいて、
該第1のテアラインと該第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっており、
該車体前後方向又は上下方向の取付片と第2のテアラインとの間のカバー部の肉厚が、該第2のテアラインよりもモジュールカバー中央側のカバー部の肉厚よりも大きいことを特徴とするエアバッグ装置のモジュールカバー。 - コンテナに固定取り付けされたエアバッグを被装するためのエアバッグ装置のモジュールカバーであって、
車体の幅方向に延在する第1のテアラインと、
該第1のテアラインに継続しており、該モジュールカバーの車体幅方向両端側において該車体幅方向と交叉方向に延在している第2のテアラインと、
を備えているモジュールカバーにおいて、
該第1のテアラインと該第2のテアラインとは、それら同士の継続部においてほぼ直角に交わっており、
該第2のテアラインよりも車体幅方向の外側の肉厚を、該第2のテアラインよりも車体幅方向の内側の肉厚よりも大きくしたことを特徴とするエアバッグ装置のモジュールカバー。 - 請求項1又は2のモジュールカバーを備えたエアバッグ装置。
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