JP3640279B2 - トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、スイッチング電源装置に用いられるものであって、ボビンに一次巻線と二次巻線とをボビンの径方向に重ねて巻回して小型化を図った高周波電源用のトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
小型化を図ることを目的とした高周波電源用のトランスでは、一般に、ボビンに一次巻線と二次巻線をボビンの径方向に重ねて巻回した構成になっている。この種のトランスでは、安全規格で定められた一次巻線と二次巻線間の電気絶縁および空間・沿面距離の条件を満足する必要がある。このような安全性を確保するために、一次巻線および二次巻線として、エナメルコーティング電線のような、電線の表面に単層の絶縁膜をコーティングした軽絶縁電線を用いたトランスでは、コイルボビンの巻枠部における軸心方向の両端部にそれぞれバリアテープを巻き付けることにより、一次巻線と二次巻線との相互間に所要の空間・沿面距離を確保している。しかし、このトランスでは、バリアテープの設置スペース分だけコイルボビンの形状が大きくなるため、特に、小型化を目的とする高周波電源用のトランスにおいて、その要求に相反することになる。
【0003】
そこで、近年においては、図6に示すように、三層に絶縁被覆を施した三層絶縁電線のような重絶縁電線を用いて一次巻線1A,1Bを形成することにより、バリアテープを除外したトランス(実開平7-42507 号公報)が案出されている。このトランスは、一層目と四層目の各コイル巻層をそれぞれ形成する一次巻線1A,1Bに三層の絶縁被覆層を施すことにより、この一次巻線1A,1Bと、エナメルコーティング電線で形成された二次巻線2A,2Bとの間に所要の絶縁性を確保している。また、コイル巻層間は、絶縁テープ4により電気絶縁されている。コイルボビン5は、磁気回路を構成する、例えば、E型コア部6aとI型コア部6bからなるEI型コア6に取り付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一次巻線1A,1Bを形成する三層絶縁電線の一次側端子ピン8Aへの接続は、一次巻線1A,1Bの巻端部からの引出し部1aをコイルボビン5の一方(図の下方)のつば部5aの引出し溝5bから引出し、一方のつば部5aとコイルボビン5の端子板部5cとの間に設けられた引出し線ガイド溝3を介して一次側の端子ピン8Aまで導くとともに、その引出し部1aの先端を半田H付けすることにより行われる。そのため、前記引出し部1aにおける図6の平行横線で図示した半田付け処理部分S1の三層絶縁被覆層が熱劣化により著しく絶縁性が低下する。この三層絶縁電線は、絶縁性が低下すると、空間・沿面距離を確保するための機能を失う。
【0005】
そこで、コイルボビン5に上述の引出し線ガイド溝3を設けるとともに、三層絶縁電線からなる一次巻線1Aの巻き始め端を、一次側の端子ピン8Aに半田H付けにより接続し、その引出し部1aを引出し線ガイド溝3に沿ってコイルボビン5に対し約半周するよう巻き付けたのちに、一方のつば部5aの引出し溝5bを通ってコイルボビン5の巻枠部に連続的に巻き付けている。一次巻線1Bの巻き終わり端も、上述とは逆の経路、つまり、引出し溝5bおよび引出し線ガイド溝3を通って一次側の他の端子ピン8Aに接続される。一方、二次巻線2A,2Bは、コイルボビン5の巻枠部における引出し部2aが、引出し溝5bおよび引出し線ガイド溝3をコイルボビン5の軸心方向に通って二次側の端子ピン8Bに半田H付けにより接続される。それにより、一次巻線1A,1Bの引出し部1aにおける絶縁被覆層の熱劣化していない先端部S2と二次巻線2aとの間に、安全規格の規定を満足する空間・沿面距離Dを確保している。
【0006】
しかしながら、上記トランスは、安全規格の規定を満足する空間・沿面距離Dを確保することはできるが、三層絶縁電線(図6では一次巻線1の場合を例示)が、ほぼ直角に折り曲げられて引出し線ガイド溝3から比較的狭い幅の引出し溝5bに導かれるようになっているため、三層絶縁電線の直角に折り曲げられる部分は、巻き付けるときに引出し溝5cの角部で強くこすれて、その絶縁被覆層が剥がれて絶縁破壊することがある。しかも、一次と二次の両巻線1,2の各々の引出し部1a,2aは、互いに重ねるようにして単一の引出し溝5bに挿通されるため、万一、三層絶縁電線に絶縁破壊が生じると、両巻線1,2間が電気的に短絡するトラブルが生じてトランスの寿命が短くなる。さらに、多出力仕様の場合には、巻線の数が多くなることから、上記の絶縁被覆層の剥がれが発生する可能性がさらに高くなる上に、単一の引出し溝5bに巻線の多くの引出し部が集中するために、混線状態が発生して引出しおよび半田付け作業が難しくなり、生産の自動化が困難となる。
【0007】
また、三層絶縁電線は、比較的幅の狭い引出し線ガイド溝3に約半周巻き付けるとともに、ほぼ直角に折り曲げて引出し溝5bからコイルボビン5の巻枠部に導く不自然な巻回状態となるので、生産性が低下する。さらに、上記トランスでは、所要の空間・沿面距離Dを確保するために、巻線を巻き付ける用途とは無関係な引出し線ガイド溝3を形成しているので、所定の巻数の巻線を巻くよう設定した場合に、コイルボビン5の軸心方向(図6の上下方向)および径方向(図6の左右方向)の寸法が大きくなり、小型化を目的とする高周波電源用のトランスとして適したものにならない。
【0008】
そこで、本発明は、巻線間に安全規格を満足する空間・沿面距離を確保しながらも、巻線間に電気的短絡といったトラブルが発生することがなく、生産性の向上および小型化を達成できる構成を備えたトランスを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明に係るトランスは、一次巻線と二次巻線のうちの少なくとも一次巻線が、複数層 の絶縁被覆を施した重絶縁電線で形成され、コアに取り付けられたボビンに、前記一次巻線と二次巻線がボビンの径方向に重ねて巻かれたトランスであって、
前記ボビンは、主巻枠部と補助巻枠部とが中間つば部を介在してボビンの軸心方向に並設されて一体成形され、
前記補助巻枠部のつば部に、前記ボビンにおける径方向で相対向する第1と第2の側部に位置して、それぞれ一次巻線用と二次巻線用の端子ピンが配設され、 前記中間つば部に、前記第1と第2の側部に対してボビンの周方向に90°ずれた位置において径方向で相対向する第3と第4の側部のそれぞれに位置した、前記中間つば部の端部から底部に向かって進入し、かつ前記第3または第4の側部の幅に対し1/4以上で3/4以下の幅を有する挿通溝が、それぞれ形成され、
前記一次巻線が、前記一次巻線用の一つの端子ピンに半田付けされ、前記補助巻枠部と第3の側部にある挿通溝とを通って主巻枠部に巻かれ、第4の側部にある挿通溝と補助巻枠部とを通って前記一次巻線用の他の端子ピンに半田付けされており、
前記主巻枠部に、さらに前記二次巻線が巻かれるとともに、前記補助巻枠部に、前記重絶縁電線からなるベース巻線が巻かれている。
【0010】
この第1の発明では、補助巻枠部のつば部に、ボビンの径方向で相対向する第1と第2の側部に位置する一次巻線用と二次巻線用の端子ピンがそれぞれ設けられた縦型トランスにおいて、一次巻線と二次巻線のうちの少なくとも一次巻線が、複数層、例えば三層の絶縁被覆層を施した三層絶縁電線で形成されているから、この三層の絶縁被覆層により一次巻線と二次巻線による各コイル巻層間の空間・沿面距離が確保される。一方、三層絶縁電線からなる重絶縁電線である一次巻線は、一次巻線用の一つの端子ピンに半田付けされ、前記補助巻枠部と第3の側部にある挿通溝とを通って主巻枠部に巻かれ、第4の側部にある挿通溝と補助巻枠部とを通って前記一次巻線用の他の端子ピンに半田付けされている。したがって、端子ピンに接続された一次巻線の引出し部における熱劣化していない先端部から二次巻線までの空間・沿面距離は、補助巻枠部の軸心方向の長さに加えてボビンの第1または第2の側部から第3または第4の側部に回り込んだ分だけ長くなり、安全規格を十分確保できる長さとなる。
【0011】
しかも、ボビンの第3または第4の側部の幅に対し1/4以上で3/4以下の比較的大きな幅を有する挿通溝を有しているため、重絶縁電線からなる一次巻線は、僅かに曲げるだけで斜めに挿通溝を通過させることができるから、補助巻枠部での巻き付け方向にほぼ沿って主巻枠部に向かい連続的に巻き付けできる。それにより、一次巻線は、挿通溝の角部への接触によるストレスが殆どなく、巻き付け時に絶縁被覆層が剥がれるおそれが殆どない。また、挿通溝には一次巻線が通されるだけであるから、混線状態が生じないうえに、絶縁被覆層が剥がれるおそれがないので、挿通溝内での両巻線間の電気的短絡といったトラブルが発生することがない。
【0012】
さらに、一次巻線を補助巻枠部から挿通溝を通って主巻枠部にスムーズに巻き付けできることと、挿通溝には一次巻線が通されるだけであって混線状態が生じないことから、引出しおよび半田付け作業が容易になることとにより、生産性を高めることができる。また、重絶縁電線からなるベース巻線を巻き付けるための補助巻線部を利用して安全規格に規定された所要の空間・沿面距離を確保するようになっており、本来の用途である巻線の巻き付けとは無関係の引出し線ガイド溝を利用して所要の空間・沿面距離を確保する従来トランスに比較して、同じ巻数の巻線を巻くよう設定した場合に、ボビンの形状が小さくなり、小型化を要求される高周波電源用のトランスとして適したものとなる。
【0013】
また、第2の発明に係るトランスは、一次巻線と二次巻線のうちの少なくとも一次巻線が、複数層の絶縁被覆を施した重絶縁電線で形成され、コアに取り付けられたボビンに、前記一次巻線と二次巻線がボビンの径方向に重ねて巻かれたトランスであって、
前記ボビンは、主巻枠部と補助巻枠部とが中間つば部を介在してボビンの軸心方向に並設されて一体成形され、
前記ボビンにおける第1の側部に位置して、前記主巻枠部のつば部と補助巻枠部のつば部のそれぞれに対応して二次巻線用の端子ピンと一次巻線用の端子ピンとが配設され、
前記中間つば部に、前記径方向で前記第1の側部に対向する第2の側部、および前記第1と第2の側部に対してボビンの周方向に90°ずれた位置において径方向で相対向する第3と第4の側部のそれぞれに位置した、前記中間つば部の端部から底部に向かって進入し、かつ前記側部の幅に対し1/4以上で3/4以下の幅を有する挿通溝が、それぞれ形成され、
前記一次巻線が、前記一次巻線用の一つの端子ピンに半田付けされ、前記補助巻枠部と第3の側部にある挿通溝とを通って主巻枠部に巻かれ、第4の側部にある挿通溝と補助巻枠部とを通って前記一次巻線用の他の端子ピンに半田付けされており、
前記主巻枠部に、さらに前記二次巻線が巻かれるとともに、前記補助巻枠部に、前記重絶縁電線からなるベース巻線が巻かれている。
【0014】
この第2の発明は、主巻枠部のつば部と補助巻枠部のつば部のそれぞれに、ボビンの特定の側部に位置する端子ピンが設けられた横型トランスにおいて、第1発明と同様に、安全規格を十分確保できる長さの空間・沿面距離を形成できる構成としながらも、重絶縁電線である一次巻線の絶縁被覆層が剥がれるおそれがなく、かつ混線状態が生じないことより、一次および二次の両巻線間の電気的短絡といったトラブルが発生することがなく、さらに、生産性の向上とボビンの小型化といった効果を得ることができる。
【0015】
さらに、第3の発明は、一次巻線と二次巻線のうちの少なくとも一次巻線が、複数層の絶縁被覆を施した重絶縁電線で形成され、コアに取り付けられたボビンに、前記一次巻線と二次巻線がボビンの径方向に重ねて巻かれたトランスであって、
前記両巻線が巻かれるボビン本体の外周面が円形となった前記ボビンは、主巻枠部と補助巻枠部とが中間つば部を介在してボビンの軸心方向に並設されて一体成形され、
前記補助巻枠部のつば部に、前記ボビンにおける径方向で相対向する第1と第2の側部に位置して、それぞれ一次巻線用と二次巻線用の端子ピンが配設され、 前記中間つば部に、前記第1と第2の側部に対してボビンの周方向に90°ずれた位置において径方向で相対向する第3と第4の側部のそれぞれに位置した挿通溝が形成され、
前記各挿通溝は、前記中間つば部の端部から底部に向かって進入し、かつ前記一次巻線用の端子ピンの配列方向にほぼ直角に位置する第1カット面と、この第1カット面に対してボビン本体の軸心回りに30°以上で90°以下の角度だけ離れた第2カット面とによりほぼV字形状となっており、
前記一次巻線が、前記一次巻線用の一つの端子ピンに半田付けされ、前記補助巻枠部と第3の側部にある挿通溝とを通って主巻枠部に巻かれ、第4の側部にある挿通溝と補助巻枠部とを通って前記一次巻線用の他の端子ピンに半田付けされており、
前記主巻枠部に、さらに前記二次巻線が巻かれるとともに、前記補助巻枠部に、前記重絶縁電線からなるベース巻線が巻かれている。
【0016】
この第3の発明は、第1の発明と同等の効果を得られるのに加えて、ボビンのボビン本体の外周面が円形になっているので、巻線を円滑に巻き付けられる利点がある。また、第1の発明のトランスの挿通溝と同等の機能を得られる挿通溝を、ボビン本体の円形の外周面に支障なく一体形成できる形状を有しており、ボビンを、第1の発明のボビンを樹脂成形するための金型と同じ割り数の金型で樹脂成形できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る縦型のトランスを示す縦断面図で、図2はそのボビンを示す斜視図である。これらの図において、ボビン10は、巻線が巻かれる芯となる角筒形のボビン本体10aと、その両端のつば部15,19と、中間つば部14とが一体成形された構成になっており、ボビン本体10aにはコア6の挿通孔13が形成されている。このボビン10は、つば部19と中間つば部14との間に主巻枠部11が形成されているとともに、中間つば部14とつば部15との間に主巻枠部11よりも軸心方向の長さが短い補助巻枠部12が形成されている。
【0018】
また、中間つば部14には、ボビン10における第1の側部F1に対しその両方へ周方向に90°ずれてボビン10の径方向で相対向する第3および第4の側部F3,F4のそれぞれに位置して、その端部から底部に向かって進入する第1の挿通溝14aが形成されているとともに、第1の側部F1に対しボビン10の径方向で相対向する第2の側部F2に位置して、第2の挿通溝14bが形成されている。図2に示す第1の挿通溝14aの幅W1は,第3,第4の側部F3,F4におけるボビン本体10aの幅W2の1/2程度の幅になっている。挿通溝14aの幅W1はボビン本体10aの幅W2の1/4以上で3/4以下が好ましく、1/4以上で2/3以下がより好ましく、1/3以上で2/3以下がさらに好ましい。また、第1の挿通溝14aは、第1の側部F1よりも第2の側部F2寄りに位置する方が好ましい。
【0019】
補助巻枠部12のつば部15には、第1と第2の側部にF1,F2に位置して、それぞれ複数個の引出し溝15aが形成されているとともに、このつば部15における引出し溝15aが形成されている二つの端面に、複数個の引出し溝15bが形成されている。さらに、補助巻枠部12のつば部15には、第1と第2の側部F1,F2に位置して、所要本数の一次側と二次側の端子ピン8A,8Bがその突出した脚部をボビン10の軸心方向に向けた状態でインサート成形により配設されている。前記端子ピン8A,8Bの脚部が配線基板50に差し込まれる。これにより、コア6が配線基板50に垂直になる(縦型トランス)。
【0020】
この実施形態ではスイッチング電源装置用の縦型トランスを例示してある。図1では、一次巻線16、二次巻線17およびベース巻線18の各々について、便宜上、それらのコイル巻層ごとに区分した符号を付してある。ボビン10の主巻枠部11には、一次巻線16A,16Bの大部分と二次巻線17A、17Bの全部とがボビン10の径方向に重ねて巻かれているとともに、ボビン10の補助巻枠部12には、スイッチング素子駆動用のベース巻線18(他の巻線の一種)と、一次巻線16A,16Bの各一部とがボビン10の径方向に重ねて巻かれている。これら一次巻線16A,16B、二次巻線17A、17Bおよびベース巻線18は、図3に示すように、コア6を介して磁気結合されている。
【0021】
図1の主巻枠部11の1層目と4層目のコイル巻層を形成する一次巻線16A,16Bおよび補助巻枠部12の1層目のコイル巻層を形成するベース巻線18は、それぞれ三層絶縁電線のような重絶縁電線により形成されている。上記三層絶縁電線は、例えば下2層に変性ポリエステル、上1層にポリアミドの各被覆を電線の表面に施したものである。主巻枠部11の2層目と3層目のコイル巻層を形成する二次巻線17A,17Bは、通常のエナメルコーティング電線のような軽絶縁電線で形成されている。一方、隣接する各コイル巻層間は、既存の絶縁テープ4で電気絶縁されている。この絶縁テープ4は、各巻線16A、16B、17A,17B,18に対して、その巻き乱れを防止するとともに、ボビン10の径方向内方に加えられる力に抗して機械的に保護している。
【0022】
重絶縁電線からなる一次巻線16は、図2に実線で示すように、一方の引出し部16aが第1の側部F1にある一次側の端子ピン8Aに半田H付けされ、この端子ピン8Aからつば部15の引出し溝15aを通って、矢印方向に補助巻枠部12に巻かれたのち、または巻かれないで補助巻枠部12を通過したのち、第3の側部F3にある第1の挿通溝14aを通って主巻枠部11に巻かれる。一次巻線16はつづいて、第4の側部F4にある第1の挿通溝14aを通り、補助巻枠部12を通過し、別の引出し溝15aを通って、他方の引出し部16b(図1)が別の一次側の端子ピン8Aに半田H付けされている。
【0023】
他方、軽絶縁電線からなる二次巻線17は、図2に一点鎖線で示すように、一方の引出し部17aが第2の側部F2にある二次側の端子ピン8Bに半田H付けされ、この端子ピン8Bからつば部15の引出し溝15aを通って補助巻枠部12を通過したのち、第2の側部F2にある第2の挿通溝14bを通って主巻枠部11に巻かれる。ついで、二次巻線17は、再び第2の挿通溝14bを通り、補助巻枠部12を通過して、他方の引出し部17b(図1)が別の二次側の端子ピン8Bに半田付けされる。ここで、一次巻線16は重絶縁電線なので、絶縁性は高いから、二次巻線17の引出し部17a,17bと一次巻線16間の絶縁距離を大きくとる必要はない。さらに、ベース巻線18は、補助巻枠部12における巻線端からの引出し部18aが引出し溝15aを介して一次側の端子ピン8Aまで引き出されたのちに、半田H付けにより端子ピン8Aに接続されている。
【0024】
上記トランスは、重絶縁電線からなる一次巻線16A,16Bの三層の絶縁被覆層により互いに隣接する一次巻線16A,16Bと二次巻線17A,17Bによる各コイル巻層間の空間・沿面距離が十分に確保されている。一方、重絶縁電線からなる一次巻線16A,16Bの端部は、半田H付けによって、絶縁被覆層の図1に平行横線S1で示す部分が熱劣化で絶縁性が低下するが、この一次巻線16A,16Bの引出し部16a,16bにおける熱劣化していない先端部S2から隣接する二次巻線17A,17Bの主巻枠部11における巻端部S3までの空間・沿面距離D1は、図2に図示する長さとなり、安全規格に規定された長さを十分有している。
【0025】
すなわち、上記トランスは、中間つば部14の第3と第4の側部F3,F4にそれぞれ位置する第1の挿通溝14aが形成されているから、主巻枠部11に巻かれた一次巻線16は、第1の挿通溝14aを通って第3または第4の側部F3,F4から第1または第2の側部F1,F2に回り込んだうえで、第1の側部F1にある一次側の端子ピン8Aに半田H付けで接続される。したがって、この場合の空間・沿面距離D1は、図1の端子ピン8Aに接続された引出し部16a,16bにおける熱劣化していない先端部S2から、主巻枠部11に巻かれた二次巻線17における第1の挿通溝14aで露出する巻端部S3までの距離となる。この空間・沿面距離D1は、一次巻線16を軸心方向に沿って補助巻枠部12を通過させて引き出す場合に比較して、第1の側部F1から第3または第4の側部F3,F4に回り込む分だけ、大幅に長くなる。その結果、安全規格をより一層十分に確保できる。
【0026】
また、第1の挿通溝14aは、第3または第4の側部F3,F4における第2の側部F2寄りの部位に位置しているとともに、第3,第4の側部F3,F4におけるボビン本体10aの幅W2のほぼ半分にも及ぶ大きな幅W1に形成されている。そのため、重絶縁電線からなる一次巻線16は、僅かに曲げるだけで斜めに第1の挿通溝14aを通過させることができるから、補助巻枠部12での巻き付け方向にほぼ沿って主巻枠部11に向かい連続的に巻き付けできる。それにより、一次巻線16の中間つば部14およびボビン本体10aとの接触によるストレスが殆どなくなり、一次巻線16の絶縁被覆層の安全性が高まる。したがって、図1と図6との比較から明らかなように、従来のトランスのように重絶縁電線のほぼ直角に折り曲げられた部位が中間つば部14の角部でこすれて絶縁被覆層が剥がれ、重絶縁電線の絶縁破壊によって両巻線16,17が電気的に短絡するといったトラブルは生じない。また、一次巻線16を補助巻枠部12から第1の挿通溝14aを通って主巻枠部11にスムーズに巻き付けできるので、生産性を高めることもできる。
【0027】
しかも、第1の挿通溝14aが大きな幅W1に設定されているとともに、一次巻線16を第1の挿通溝14aに通し、二次巻線17を第2の挿通溝14bに通しているから、多出力仕様となって巻線の数が多くなっても、図6の従来トランスのように単一の引出し溝5bに両方の巻線1,2を通す場合と異なり、混線状態が発生せず、かつ各挿通溝14a,14bに巻線が集中することによる巻き太りや巻き乱れが生じないので、引き出しおよび半田付け作業が容易になるともに、重絶縁電線の絶縁被覆層の劣化による両巻線16,17間の電気的短絡の発生をより確実に防止できる。
【0028】
また、この実施形態では、主巻枠部11に重ねて巻かれる一次巻線16A,16Bまたは二次巻線17A,17Bのうちの、重絶縁電線で形成された方の巻線の一部を、補助巻枠部12に巻くことにより、ボビン10における一次巻線16A,16Bの一部とベース巻線18を巻くための補助巻線部12を利用して安全規格に規定された所要の空間・沿面距離D1を確保するようになっている。これに対し、図6に示す従来トランスのボビンでは、巻線の巻き付けとは無関係な用途に用いる引出し線ガイド溝3を形成して所要の空間・沿面距離Dを確保している。したがって、図1と図6との比較から明らかなように、第1実施形態のトランスのボビン10は、図6と同じ巻数の巻線を巻くよう設定した場合に上下方向(軸心方向)および左右方向(径方向)の寸法が図6のボビンよりも小さくなり、小型化を要求される高周波電源用のトランスとして適したものとなる。
【0029】
なお、一次巻線16および二次巻線17の両方を重絶縁電線で形成すると、両巻線間の磁気的結合を弱める結果を招いて所期の変圧性能を得られないのに対し、この実施形態では、重絶縁電線が一次巻線16のみに用いられているから、一次及び二次の両巻線16、17間に高い磁気的結合を得てトランスの所期の性能が保持される。
【0030】
図4は本発明の第2実施形態に係る横型のトランスを示す縦断面図である。
このトランスのボビン10の全体形状は第1実施形態のボビン10とほぼ同様であるが、主巻枠部11のつば部19にも、補助巻枠部12のつば部15の引出し溝15aと同様の引出し溝19aが形成されている。また、補助巻枠部12のつば部15および主巻枠部11のつば部19のそれぞれの一端面に、ボビン10の第1の側部F1に位置して、所要本数の一次側と二次側の端子ピン8A,8Bが、それらの脚部をボビン10の径方向に向けた状態で配設されている。これにより、配線基板(図示せず)に対してコア(図示せず)が平行となる(横型トランス)。
【0031】
中間つば部14には、第1実施形態と同様に、ボビン10における第1の側部F1に対しその両方へ周方向に90°ずれてボビン10の径方向で相対向する第3および第4の側部F3,F4のそれぞれに位置して、その端部から底部に向かって進入する合計2つの挿通溝14aが形成されている。この挿通溝14aの幅とボビン本体10aの幅との好ましい関係は、図示していないが、前述の第1実施例の場合と同様である。すなわち、挿通溝14aの幅はボビン本体10aの第3または第4の側部F3,F4の幅の1/4以上で3/4以下が好ましく、1/4以上で2/3以下がより好ましく、1/3以上で2/3以下がさらに好ましい。また、挿通溝14aは、第1の側部F1よりも第2の側部F2寄りに位置する方が好ましい。
【0032】
重絶縁電線からなる一次巻線16は、実線で示すように、一方の引出し部16aが補助巻枠部12のつば部15に設けられた一次側の端子ピン8Aに半田付けされ、この端子ピン8Aからつば部15の引出し溝15aを通って補助巻枠部12に巻かれたのち、または巻かれないで補助巻枠部12を通過したのち、第3の側部F3にある挿通溝14aを通って主巻枠部11に巻かれる。つづいて、第3の側部F3または第4の側部F4にある挿通溝14aを通り、補助巻枠部12を通過し、引出し溝15aを通って、他方の引出し部16bが一次側の端子ピン8Aに半田付けされる。主巻枠部11に巻かれた一次巻線16は、図示しないが、その中間部が第3の側部F3または第4の側部F4にある挿通溝14aおよび補助巻枠部12を通過して、別の一次側の端子ピン8Aに半田付けされて、中間タップ(図3参照)を形成している。
【0033】
他方、軽絶縁電線からなる二次巻線17は、一点鎖線で示すように、一方の引出し部17aが主巻枠部12のつば部19に設けられた二次側の端子ピン8Bに半田付けされ、この端子ピン8Bからつば部19の引出し溝19aを通って主巻枠部11に巻かれる。二次巻線17の他方の引出し部17bは、別の引出し溝19aを通って別の端子ピン8Bに半田付けされる。
【0034】
したがって、この実施形態のトランスは、主に端子ピン8A,8Bの取付形態が異なるだけで、第1実施形態とほぼ同様であり、一次巻線16A,16Bと二次巻線17A,17Bとの間の空間・沿面距離は、図示していないが、第1実施形態と同様に安全規格に規定の長さを十分有している。すなわち、端子ピン8A,8Bが配設された第1の側部F1と90°ずれた第3の側部F3および第4の側部F4に挿通溝14aが形成されているから、重絶縁電線からなる一次巻線16は、挿通溝14aを通って第3または第4の側部から第1の側部に回り込んだうえで、端子ピン8Aに半田H付けで接続される。この場合の空間・沿面距離D2は、端子ピン8Aに接続された引出し部16a,16bにおける熱劣化していない先端部から、主巻枠11に巻かれた二次巻線17が露出する各挿通溝14aまでの距離となる。この空間・沿面距離D2は、一次巻線16を補助巻枠部12の軸心方向に沿って引き出す場合と比較して、第1の側部F1から第3の側部F3,F4に回り込む分だけ、大幅に長くなる。
【0035】
また、2つの挿通溝14aは、第1実施形態と同様に、第3または第4の側部F3,F4における第2の側部F2寄りの部位に位置して、第3,第4の側部F3,F4におけるボビン本体10aの幅のほぼ半分にも及ぶ大きな幅に形成されている。そのため、重絶縁電線からなる一次巻線16は、僅かに曲げるだけで第1の挿通溝14aを通過させることができるから、一次巻線16が中間つば部14の角部でこすれて絶縁被覆層が剥がれるといったおそれがない。また、挿通溝14aを2つ設けたから、単一の挿通溝に一次巻線16のすべての挿通部分を通過させる場合と異なり、混線状態が発生しないので、引き出しおよび半田付け作業が容易になる。
ただし、挿通溝14a は単一としてもよく、その場合、端子ピン8A,8Bが設けられた第1の側部F1から最も遠い第2の側部に挿通溝14aのみを設けるのが好ましく、これにより、空間・沿面距離を長くとることができる。
【0036】
図5は本発明の第3実施形態に係る縦型のトランスを示す斜視図である。
このトランスのボビン10は、ボビン本体10aの外周面が円形に形成されている。補助巻枠部12のつば部15に、ボビン10における径方向で相対向する第1と第2の側部F1,F2に位置して、それぞれ一次巻線用と二次巻線用の端子ピン8A,8Bが配設されている。中間つば部14には、ボビン10における径方向で相対向する第3と第4の側部F3,F4の両方に位置して、中間つば部14の端部から底部に向かって進入し、かつ端子ピン8A,8Bの配列方向にほぼ直角に位置し、かつボビン本体10aの外周面に対して、ほぼ、その接線方向に延びる第1カット面20と、この第1カット面20に対してボビン本体の軸心回りに90°の角度だけ離れた第2カット面21とによりほぼV字形状となった第1の挿通溝14aが形成されている。この第1の挿通溝14aの角度θは、30°以上で90°以下が好ましく、45°以上で90°以下がより好ましい。さらに、中間つば部14には、第2の側部F2に対向する辺に、二次巻線17を個々に挿通させるための複数個の第2の挿通溝14bが形成されている。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0037】
この実施形態のトランスは、図2と図5との比較から明らかなように、各巻線16、17が第1実施形態とほぼ同様に巻かれており、二次巻線17が中間つば部14の複数個の第2の挿通溝14bに個々に通される構成においてのみ第1実施形態と相違する。このトランスにおいても、中間つば部14の第3と第4の側部F3,F4にそれぞれ位置する第1の挿通溝14aが形成されているから、主巻枠部11に巻かれた一次巻線16は、第1の挿通溝14aを通って第3または第4の側部F3,F4から第1または第2の側部F1,F2に回り込んだうえで、第1の側部F1にある一次側の端子ピン8Aに半田H付けで接続される。したがって、この場合の空間・沿面距離D3は、端子ピン8Aに接続された引出し部16a,16bにおける熱劣化していない先端部から、主巻枠部11に巻かれた二次巻線17にまでの距離となり、この空間・沿面距離D3は、一次巻線16を軸心方向に沿って補助巻枠部12を通過させて引き出す場合に比較して、第1の側部F1から第3または第4の側部F3,F4に回り込む分だけ、大幅に長くなる。
【0038】
その他に、前述した第1実施形態の種々の効果と同等の効果を得ることができる。それに加えて、二次巻線17を個々の挿通溝14bを通して混線なく補助巻枠部12を通過させることができる。さらに、ボビン10のボビン本体10aの外周面が円形になっているので、巻線16,17を円滑に巻き付けられる利点がある。この実施形態のトランスは、第1実施形態のトランスの第1および第2の挿通溝14a、14bと同等の機能を得られる第1および第2の挿通溝14a、14bを、円形の外周面を有するボビン本体10aに支障なく一体形成できる形状としたものであり、このボビン10は、第1実施形態のボビン10を樹脂成形するための金型と同じ割り数の金型で樹脂成形できる。つまり、金型を端子ピン8Aの配列方向と直交する方向に開くように分割することにより、端子ピン8Aを設けたつば部15に通常形成される引出し溝15aと、挿通溝14aとを、金型で容易に成形できる。
【0039】
なお、一次巻線、二次巻線およびベース巻線の全てを重絶縁電線で形成してもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明のトランスによれば、縦型および横型のいずれのトランスにおいても、安全規格を十分確保できる空間・沿面距離を形成できる。そのうえに、中間つば部の所要の箇所に大きな幅の挿通溝を形成したので、重絶縁電線からなる一次巻線を、僅かに曲げるだけで挿通溝を通過させながら補助巻枠部と主巻枠部との間に連続的に巻き付けできる結果、一次巻線の絶縁被覆層の剥がれや、隣接する巻線間が電気的短絡するといったトラブルの発生が絶無となる。また、一次巻線を挿通溝を通ってスムーズに巻き付けできることと、挿通溝に混線状態が生じないことから引出しおよび半田付け作業が容易になることとにより、生産性を高めることができる。さらに、巻線を巻くための補助巻線部を利用して所要の空間・沿面距離を確保する構成としたので、ボビンの形状を小さくでき、小型化を要求される高周波電源用のトランスとして適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトランスを示す縦断側面図である。
【図2】同上トランスのボビンを示す斜視図である。
【図3】同上のンスの配線を示す回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るトランスのボビンを示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るトランスのボビンを示す斜視図である。
【図6】従来のトランスを示す縦断面図である。
【符号の説明】
6…コア、8A,8B…端子ピン、10…ボビン、11…主巻枠部、12…補助巻枠部、14…中間つば部、14a…挿通溝、15…補助巻枠部側のつば部、19…主巻枠側のつば部、16,16A,16B…一次巻線、16a,16b…一次巻線の引出し部、17,17A,17B…二次巻線、17a,17b…二次巻線の引出し部、18…ベース巻線(他の巻線)、19…補助巻枠部のつば部、20…第1カット面、21…第2カット面、F1…第1の側部、F2…第2の側部,F3…第3の側部、F4…第4の側部。
Claims (3)
- 一次巻線と二次巻線のうちの少なくとも一次巻線が、複数層 の絶縁被覆を施した重絶縁電線で形成され、コアに取り付けられたボビンに、前記一次巻線と二次巻線がボビンの径方向に重ねて巻かれたトランスにおいて、
前記ボビンは、主巻枠部と補助巻枠部とが中間つば部を介在してボビンの軸心方向に並設されて一体成形され、
前記補助巻枠部のつば部に、前記ボビンにおける径方向で相対向する第1と第2の側部に位置して、それぞれ一次巻線用と二次巻線用の端子ピンが配設され、 前記中間つば部に、前記第1と第2の側部に対してボビンの周方向に90°ずれた位置において径方向で相対向する第3と第4の側部のそれぞれに位置した、前記中間つば部の端部から底部に向かって進入し、かつ前記第3または第4の側部の幅に対し1/4以上で3/4以下の幅を有する挿通溝が、それぞれ形成され、
前記一次巻線が、前記一次巻線用の一つの端子ピンに半田付けされ、前記補助巻枠部と第3の側部にある挿通溝とを通って主巻枠部に巻かれ、第4の側部にある挿通溝と補助巻枠部とを通って前記一次巻線用の他の端子ピンに半田付けされており、
前記主巻枠部に、さらに前記二次巻線が巻かれるとともに、前記補助巻枠部に、前記重絶縁電線からなるベース巻線が巻かれているトランス。 - 一次巻線と二次巻線のうちの少なくとも一次巻線が、複数層の絶縁被覆を施した重絶縁電線で形成され、コアに取り付けられたボビンに、前記一次巻線と二次巻線がボビンの径方向に重ねて巻かれたトランスにおいて、
前記ボビンは、主巻枠部と補助巻枠部とが中間つば部を介在してボビンの軸心方向に並設されて一体成形され、
前記ボビンにおける第1の側部に位置して、前記主巻枠部のつば部と補助巻枠部のつば部のそれぞれに対応して二次巻線用の端子ピンと一次巻線用の端子ピンとが配設され、
前記中間つば部に、前記径方向で前記第1の側部に対向する第2の側部、および前記第1と第2の側部に対してボビンの周方向に90°ずれた位置において径方向で相対向する第3と第4の側部のそれぞれに位置した、前記中間つば部の端部から底部に向かって進入し、かつ前記側部の幅に対し1/4以上で3/4以下の幅を有する挿通溝が、それぞれ形成され、
前記一次巻線が、前記一次巻線用の一つの端子ピンに半田付けされ、前記補助巻枠部と第3の側部にある挿通溝とを通って主巻枠部に巻かれ、第4の側部にある挿通溝と補助巻枠部とを通って前記一次巻線用の他の端子ピンに半田付けされており、
前記主巻枠部に、さらに前記二次巻線が巻かれるとともに、前記補助巻枠部に、前記重絶縁電線からなるベース巻線が巻かれているトランス。 - 一次巻線と二次巻線のうちの少なくとも一次巻線が、複数層の絶縁被覆を施した重絶縁電線で形成され、コアに取り付けられたボビンに、前記一次巻線と二次巻線がボビンの径方向に重ねて巻かれたトランスにおいて、
前記両巻線が巻かれるボビン本体の外周面が円形となった前記ボビンは、主巻枠部と補助巻枠部とが中間つば部を介在してボビンの軸心方向に並設されて一体成形され、
前記補助巻枠部のつば部に、前記ボビンにおける径方向で相対向する第1と第2の側部に位置して、それぞれ一次巻線用と二次巻線用の端子ピンが配設され、 前記中間つば部に、前記第1と第2の側部に対してボビンの周方向に90°ずれた位置において径方向で相対向する第3と第4の側部のそれぞれに位置した挿通溝が形成され、
前記各挿通溝は、前記中間つば部の端部から底部に向かって進入し、かつ前記一次巻線用の端子ピンの配列方向にほぼ直角に位置する第1カット面と、この第1カット面に対してボビン本体の軸心回りに30°以上で90°以下の角度だけ離れた第2カット面とによりほぼV字形状となっており、
前記一次巻線が、前記一次巻線用の一つの端子ピンに半田付けされ、前記補助巻枠部と第3の側部にある挿通溝とを通って主巻枠部に巻かれ、第4の側部にある挿通溝と補助巻枠部とを通って前記一次巻線用の他の端子ピンに半田付けされており、
前記主巻枠部に、さらに前記二次巻線が巻かれるとともに、前記補助巻枠部に、前記重絶縁電線からなるベース巻線が巻かれているトランス。
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