JP3952755B2 - 電源用トランス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電装、産業、民生に用いられる電源用トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、放電灯点灯装置等に用いられる電源用のトランスは、絶縁物であるボビンや巻線治具などに予め平角導体を巻き螺旋形状のコイルに形成しておいて、その形成したコイルをボビンから取り外し、コアに差し込むことで形成されていた。
【0003】
コアにコイルを差し込んだものとして、特開平7−335449に記載のコイル部品等がある。特開平7−335449に記載のコイル部品では、断面T型コアと断面C型コアを有して、T型コアとC型コア間に隙間を設けることにより外力に対する強度を向上させるとともに、薄型でかつ大インダクタンスを得るコイル部品である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このコイル部品では、コア中脚の周囲に、断面円状の丸線を巻いてコイルとしているので、巻回された丸線間に隙間が生じている。
【0005】
また、予めボビン等で平角導体を螺旋形状のコイルに形成してから、コア中脚に差し込む場合には、安定して製造を行うために、コイルの内径とコア中脚の外径に十分な許容差が必要になる。さらに、ボビン自体の厚みもあるために、コイルの内周面とコア中脚の外周面には、間隙が生じてしまうことがあるとともに、コイル間にも隙間が生じてしまう。この間隙により、トランスの結合係数が低下したり、トランス全体の小型化を図ることができないという問題があるが、これを解消するような、コイル間や、コイルの内周面とコア中脚の外周面に隙間のないもの、導体間が隙間なく密にコア中脚に巻回されているトランスは提供されていなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、トランス全体の小型化を図りつつ、大きな結合係数を有するトランスを提供することにある。
【0007】
そこで、本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、トランス全体の小型化を図りつつ、大きなトランス結合係数を有するトランスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の電源用トランスは、以下の構成を備える。
【0009】
請求項1の発明では、電気絶縁性を有する円柱状のコア中脚と、表面絶縁されるとともに断面長方形状に形成されて幅方向及び厚み方向を有する薄肉長尺状の第1平角導線が螺旋形状に形成された第1巻線部と、表面絶縁されるとともに断面長方形状に形成されて幅方向及び厚み方向を有する厚肉長尺状の第2平角導線が螺旋形状に形成された第2巻線部と、を備えた電源用トランスであって、前記第1巻線部は、前記第1平角導線の一側端面が前記コア中脚の外周面に密接するとともに、前記第1平角導線の長幅方向が前記コア中脚の軸線方向に垂直となるよう巻回され、前記第2平角導線の一側端面が前記第1巻線部の外周面に密接するとともに、前記第2平角導線の長幅方向が前記コア中脚の軸線方向に垂直となるよう巻回されたものであることを特徴とする。
【0013】
請求項の発明では、請求項に記載の電源用トランスにおいて、前記厚肉の平角導線を1次側、前記薄肉の平角導線を2次側としたことを特徴とする。
【0014】
請求項の発明では、請求項1又は請求項に記載の電源用トランスにおいて、前記第1巻線部の端線部と、前記第2巻線部の端線部とが、前記コア中脚を挟むように、前記電源用トランスの側方へ引き出されたことを特徴とする。
【0015】
請求項の発明では、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の電源用トランスにおいて、前記第1巻線部の端線部と、前記第2巻線部の端線部とが、前記電源用トランスの側方へ同方向に引き出されていることを特徴とする。
【0016】
請求項の発明では、請求項1乃至請求項のいずれかに記載の電源用トランスにおいて、前記コア中脚及び前記第1巻線部及び前記第2巻線部は、前記第1平角導線の両端部及び前記第2平角導線の両端部を導出した状態で樹脂封止されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電源用トランスを製造するにあたって、前記コア中脚の直径より大きい直径の孔が長手方向に形成された空芯の巻線治具を用いて製造する製造方法であって、前記コア中脚を前記巻線治具の前記孔に挿入する挿入工程と、前記第1平角導線の一側端面が前記コア中脚の外周面に密接するよう前記コア中脚に巻回する巻回工程と、前記コア中脚に密接した前記平角導線を前記巻線治具により前記コア中脚の軸線方向に押圧する押圧工程と、を備え、前記巻回工程と前記押圧工程とを順次繰り返すことを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明では、請求項9に記載の電源用トランスの製造方法において、前記巻線治具は、その長手方向にスリットが形成されているとともに、前記巻回工程の前に、前記第1平角導線を前記スリットに導入する導入工程をも備え、前記巻回工程は、前記巻線治具を前記コア中脚を回転軸にして、回転させながら行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1参考例
本発明に係わる第1の参考例について、図1を参照して以下に説明する。
参考例においては、電源用トランスは、電気絶縁性を有するコア中脚と、コア中脚に螺旋形状に巻回された第1平角導線よりなる第1巻線部と、同じくコア中脚に螺旋形状に巻回された第2平角導線よりなる第2巻線部と、を備える。
【0020】
図1(a)は電源用のトランスの外観図を、図1(b)はコア中脚を有するE型コア半体の外観図を、図1(c)は図1(a)のA‐A’断面を、図1(d)はトランスの等価回路図を、それぞれ示している。
【0021】
E型コア半体10は、図1(b)に示すように、絶縁性の高いNi‐Zn系のフェライトを材料とし、その形状はコア中脚11と鍔部12を備えたE型形状であり、図1(a)に示すように、コア中脚11の外周面に巻装された第1平角導線21の端線部22と、第2平角導線23の端線部24とを、トランスの側方に引き出せるようにしている。このE型コア半体10とI型コア半体13とを組み合わせて閉磁路型のトランスを構成している。なお、端線部22と端線部24は、それぞれ第1平角導線21と第2平角導線の両端部にある。図1(a)では、端線部22と端線部24の両端部のうちそれぞれ一方だけを示しているが、図面奥側に端線部22と端線部24のもう一方をそれぞれ引き出しているものである。
【0022】
第1平角導線21及び第2平角導線23は、銅等の導体を材料とし、その表面が絶縁被膜されている。この平角導線21を製造する際には、丸線の銅を圧縮し扁平させて断面平角形状とし、ポリウレタンやポリエステル、エナメル等で平角形状の銅を被膜することにより製造している。
【0023】
また、図2(a)に示すように、巻線治具30は、その軸線方向に孔33が形成されて空芯となっており、軸線方向に沿ってスリット31が設けられている。このスリット31の幅は、第1平角導線21と第2平角導線23の厚みより若干大きく、スリット31を通る平角導線が滑らかに通過できる幅としている。
【0024】
次に、このトランスの製造方法について以下に説明する。図2(b)に示すように、巻線治具30をE型コア半体10のコア中脚11に差し込む。次に、第1平角導線21の端線部22をE型コア半体10の鍔部12に固定するとともに、第1平角導線21をスリット31に導入する。第1平角導線21の一方の端線部22がE型コア半体10に固定された状態で、コア中脚11を軸にして巻線治具30を回転させる。巻線治具30を回転させると、スリット31に導入された第1平角導線21が引き出される。コア中脚11に巻回される際、巻回方向に対して交差する方向から第1平角導線21を引き出しているので、第1平角導線には張力がかかり、それにより第1平角導線の一側端面がコア中脚11に密接するように巻回される。巻回した第1平角導線21をE型コア半体10の鍔部12方向に巻線治具30の一端面により押圧することにより、第1平角導線21の幅広面がE型コア半体10の鍔部12に密接する。さらに、巻線治具30を回転させることにより、第1平角導線21を引き出すとともにコア中脚11に巻回し、巻回した第1平角導線21を巻線治具30により鍔部12方向に押す。順次、この工程を繰り返して、コア中脚11の外周面に密接するよう直接、第1平角導線21を巻回して、螺旋形状の第1巻線部21aに形成する。
【0025】
以上の工程を、第2平角導線に対しても行い、第1巻線部21aと第2巻線部23aがコア中脚11の軸方向に密接するように形成することにより、図1(a)に示すトランスが形成される。
【0026】
図1(a)に示すように、第1巻線部21aの端線部22と、第2巻線部23aの端線部24とがコア中脚11を挟んでトランスの同じ方向に引き出されている。引き出した端線部をコア中脚11の軸線方向に折り曲げれば、コア中脚11が基板(図示せず)と垂直となる向きにトランスを実装するのに適した形状となり、基板への表面実装も可能となる。なお、図1(a)で、端線部24の引出しはそのままに、端線部22を図面奥側に引き出してもよい。
【0027】
図4は、第1平角導線21の端線部22と第2平角導線23の端線部24以外を除いて、樹脂封止したことを示している。このようにトランスを樹脂封止することにより、耐湿性や絶縁性が向上するので、トランスを基板に直接実装することが可能となり、トランスの低背化、小型化を図ることができる。
【0028】
また、端線部22と端線部24と別の方向に引き出す実施例として、図3に示すように、端線部22と端線部24とをトランスの側方へ同方向に引き出してもよく、この場合には、コア中脚11を基板(図示せず)に水平にしてトランスを実装するのに適している。
【0029】
なお、この製造方法では巻線治具30をE型コア半体10に対し回転させていたが、逆に巻線治具30を固定し、コア中脚11を軸にしてE型コア半体10を回転させてもよく、E型コア半体10の材料には、ケイ素鋼板やパーマロイ等を用いることができるが、導体の場合には表面絶縁されている。
【0030】
以上のように、コア中脚11に対し第1平角導線21と第2平角導線23を直接巻回することにより、平角導線の一側面とコア中脚との隙間が小さくなるとともに、コア中脚に丸線を巻回する場合より、導線同士をより密接させて密に巻回することができるので、トランスの結合性能を低下させることなく、小型化が可能となる。
【0031】
(第2参考例
本発明に係わるトランスの第2の参考例を、以下に説明する。本参考例においては、図5(a)に示すように、トランスは、電気絶縁性のコア中脚11を有したT型コア半体14と、コア中脚11の先端と鍔部の両端で接触するC型コア半体15と、コア中脚11に螺旋形状に巻装された第1平角導線21と、を備えており、T型コア半体14とC型コア半体15とで閉磁路型のトランスを構成している。
【0032】
第1平角導線21は、表面絶縁された鉄線が圧縮され、扁平されて断面長方形に形成されたもので、第1実施形態と同じように、その一側端面がコア中脚11の外周面に密接するよう巻回されて、螺旋形状となっている。また、図5(b)は図5(a)のB‐B’断面を、図5(c)は等価回路図を、それぞれ示している。
【0033】
このトランスの製造方法を以下に説明する。図6(a)に示すように、T型コア半体14のコア中脚11の直径より大きい直径の孔35を有する巻線治具34をコア中脚11に差し込む。次に、図6(b)に示すように、T型コア半体14の鍔部16に、第1平角導線21の一方の端線部22を固定する。次に、コア中脚11の軸線方向に直交する方向のみ引き出し可能なように平角導線21を保持するとともに巻線治具34も回転しないように固定する。T型コア半体14をコア中脚11を軸として回転させると、一方の端線部22がT型コア半体14に固定された第1平角導線21が、コア中脚11の軸線方向に直交する方向から巻回され、その一側端面がコア中脚11に密接する。巻線治具34をT型コア半体14の鍔部16方向に押すことにより、コア中脚11に巻回された第1平角導線21をT型コア半体14の鍔部16に密接させる。さらにT型コア半体14を回転させることで第1平角導線21をコア中脚11に巻回し、巻線治具34を鍔部16方向に押すことで、巻回された第1平角導線21の幅広面同士が密接する。このようにして、第1平角導線21をコア中脚11に巻回することにより、第1平角導線21が螺旋形状に形成され、第1巻線部21aが形成される。
【0034】
以上の工程を、第2平角導線に対しても行い、第1巻線部21aと第2巻線部23aがコア中脚11の軸方向に密接するように形成することにより、図5(a)に示すトランスが形成される。
【0035】
以上のように、コア中脚11に直接、第1平角導線21と第2平角導線23とを巻回するので、第1平角導線21及び第2平角導線23の一側端面とコア中脚11の隙間がなくなり、トランスの性能はそのままに、小型化を図ることが可能となる。
【0036】
(第3参考例
本発明に係わる第の参考例について、以下に説明する。本実施の形態においては、第1の参考例における第1平角導線21を、薄肉導線を複数重ねて、その端部で接続したものである。
【0037】
図7(a)に示すように、第1平角導線21の厚みが厚いと、スリット31により直線状に導入された第1平角導線21が巻線治具30のスリット31を出たところで、急峻に曲成され螺旋形状に巻回するため、曲成された第1平角導線21の内側にしわが発生することがある。このように巻回する第1平角導線21にしわが発生すると、螺旋形状に巻回された第1平角導線21間で隙間が生じてしまうことがある。しかし、図7(b)に示すように、スリット31に導入する第1平角導線21を薄肉導線25を重ねたものとすることで、スリット31を出たところでしわが発生することなく、第1平角導線21同士を密接させて巻回することができる。
【0038】
また、コア中脚の長さをTwとし、コア中脚に巻くことができる可能な最大厚みをTpとし、所望のインダクタンスを得るために必要となるコア中脚に巻回する第1平角導線21の巻数をnとすれば、巻数nは、式1により決定される。
【0039】
【式1】
ただし、Tpは、コア材料や、トランス形状、巻線治具、平角導線材料等により決まるものである。
【0040】
この場合のトランスの製造方法は、図7(c)に示すものであり、その詳細は第1参考例と同じである。図7(d)はトランスの外観図を、図7(e)は図7(d)のC‐C’断面を、図7(f)は等価回路図を、それぞれ示している。
【0041】
以上のように、薄肉導線25を複数重ねて第1平角導線21としたので、巻回時の急峻な曲成によるしわの発生を抑えることができ、生産性、品質が向上するとともに、コア中脚11に巻回される第1平角導線21の断面積を増加させることができるので、トランスに大電流を流すことが可能となった。さらに、トランスを高周波で使用するときに問題となる第1平角導線21の表皮効果による損失も低減することができるものである。
【0042】
(第実施形態)
本発明に係わる第の実施の形態について、図8を参照して以下に説明する。本実施の形態においては、第1の参考例におけるトランスの製造方法に従って、コア中脚11の外周面に、厚肉の第1平角導線21を巻回して螺旋形状の第1巻線部21aを形成し、同じ工程により、薄肉の第2平角導線23をコア中脚の外周面に巻回して螺旋形状の第2巻線部23aを形成し、さらに同じ工程により、厚肉の第1平角導線をコア中脚11の外周面に螺旋形状に巻回して第1巻線部21aを形成している。すなわち、コア中脚の軸線方向に一列に、第1巻線部21a、第2巻線部23a、第1巻線部21aと形成され、それぞれの端面部が密接するよう形成されている。
【0043】
なお、図8(a)はトランスの外観図、図8(b)は図8(a)のD‐D’断面図、図8(c)は等価回路図、をそれぞれ示している。
【0044】
以上のように、薄肉の第2巻線部23aを挟むようにして厚肉の第1巻線部21aを形成しているので、磁束の通過する断面積を増加させることができ、トランスに大電流を流すことが可能となるとともに、電流値が同じ場合、平角導線による損失を低減でき、トランスの効率を向上させることができる。
【0045】
(第実施形態)
本発明に係わる第の実施の形態について、図9を参照して以下に説明する。本実施の形態では、図9(b)に示すように、I型コア半体13と、E型コア半体10と、コア中脚11と、第1巻線部21aと、第2巻線部23aと、を備えており、I型コア半体13とE型コア半体10とが組み合わされて閉磁路型のトランスを構成するものである。図9(a)はトランスの外観図、図9(b)は図9(a)のE‐E’断面、図9(c)は等価回路図、をそれぞれ示している。
【0046】
薄肉の第1平角導線がコア中脚に直接巻回されて螺旋形状となった第1巻線部21aの外周面に、厚肉の第2平角導線が巻回されているものである。第2平角導線を第1巻線部21aの外周面に巻回する際には、第1の実施の形態での工程において、コア中脚11を第1巻線部21aと見なし、第1平角導線を第2平角導線と見なせば、ほぼ同じ工程により、第2巻線部23aを第1巻線部21aの外周面に直接形成することができる。
【0047】
以上のように、薄肉の第1平角導線を螺旋形状に形成した第1巻線部21aの外周面に、圧肉の第2平角導線を螺旋形状に巻回したので、第1巻線部21aの外周面と第2巻線部23aの内周面との間に隙間を生じないので、トランス全体の小型化が可能となる。また、トランス全体の大きさが同じ場合には、巻回する平角導線の断面積を増加させることができるので、平角導線による損失を低減することができ、トランスの変換効率を向上させることができる。これは、コア中脚に巻回する平角導線が3つ以上の場合でも同等の効果が得られる。
【0048】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限らず、種々の形態で実施することができる。
【0049】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の電源用トランスによれば、第1平角導線は薄肉の平角導線であるとともに、第2巻線部は、断面長方形状に形成されて幅方向及び厚み方向を有する長尺状の薄肉の平角導線であり、第2平角導線の一側端面が第1巻線部の外周面に密接するとともに、第2平角導線の長幅方向がコア中脚の軸線方向に垂直となるよう巻回されたものであるので、第2巻線部の内周面が第1巻線部の外周面に密接するので、トランスの結合係数を増大させることができ、電源用トランスの性能を向上させることができる。
【0053】
本発明の請求項記載の電源用トランスによれば、請求項に記載の発明による効果に加えて、厚肉の平角導線を1次側、薄肉の平角導線を2次側としたので、電流の大きい側に厚肉の平角導線が接続され、電流の小さい側に薄肉の平角導線が接続されるので、平角導線による損失をより低減でき、トランスの変換効率を向上させることが可能となる。
【0054】
本発明の請求項記載の電源用トランスによれば、請求項1又は請求項に記載の発明による効果に加えて、第1巻線部の端線部と、第2巻線部の端線部とが、コア中脚を挟むように、電源用トランスの側方へ引き出されたので、第1巻線部の端線部と、第2巻線部の端線部とを離すことができるので、より耐圧を確保することが可能となる。
【0055】
本発明の請求項記載の電源用トランスによれば、請求項1乃至請求項に記載の発明による効果に加えて、第1巻線部の端線部と、第2巻線部の端線部とが、電源用トランスの側方へ同方向に引き出されているので、基板に電源用トランスを実装する際に、コア中脚が基板に水平となる方向にすることができ、電源用トランスの低背化、小型化が可能となる。
【0056】
本発明の請求項記載の電源用トランスによれば、請求項1乃至請求項に記載の発明による効果に加えて、コア中脚及び第1巻線部及び第2巻線部は、第1平角導線の両端部及び第2平角導線の両端部を導出した状態で樹脂封止されているので、耐湿性や絶縁性が向上し、基板に直接実装することが可能となり、電源用トランスの低背化、小型化が可能となる。
【0057】
本発明の請求項9記載の電源用トランスの製造方法によれば、請求項1乃至請求項8に記載の電源用トランスを製造するにあたって、コア中脚の直径より大きい直径の孔が長手方向に形成された空芯の巻線治具を用いて製造する製造方法であって、コア中脚を巻線治具の孔に挿入する挿入工程と、第1平角導線の一側端面がコア中脚の外周面に密接するようコア中脚に巻回する巻回工程と、コア中脚に密接した平角導線を巻線治具によりコア中脚の軸線方向に押圧する押圧工程と、を備え、巻回工程と押圧工程とを順次繰り返すので、平角導線の一側端面を安定してコア中脚の外周面に巻回することが可能となり、生産性と品質よく電源用トランスを製造することが可能となる。
【0058】
本発明の請求項10記載の電源用トランスの製造方法によれば、請求項9に記載の発明による効果に加えて、巻線治具は、その長手方向にスリットが形成されているとともに、巻回工程の前に、第1平角導線をスリットに導入する導入工程をも備え、巻回工程は、巻線治具をコア中脚を回転軸にして、回転させながら行うので、平角導線を保持する手間を省くことができ、より簡単に安定して電源用トランスを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電源用トランスの第1の参考例を示す図である
【図2】上記電源用トランスの製造方法を示す図である
【図3】 上記電源用トランスの別の参考例を示す図である
【図4】上記電源用トランスを樹脂封止したものを示す図である
【図5】 本発明に係わる電源用トランスの第2の参考例を示す図である
【図6】上記電源用トランスの製造方法を示す図である
【図7】 本発明に係わる電源用トランスの第参考例を示す図である
【式1】上記電源用トランスの平角導線の巻数に関する式である
【図8】 本発明に係わる電源用トランスの第の実施の形態を示す図である
【図9】 本発明に係わる電源用トランスの第の実施の形態を示す図である
【符号の説明】
11 コア中脚
21 第1平角導線
21a 第1巻線部
22 端線部
23 第2平角導線
23a 第2巻線部
24 端線部
30 巻線治具
31 スリット
33 孔
34 巻線治具
35 孔

Claims (5)

  1. 電気絶縁性を有する円柱状のコア中脚と、表面絶縁されるとともに断面長方形状に形成されて幅方向及び厚み方向を有する薄肉長尺状の第1平角導線が螺旋形状に形成された第1巻線部と、表面絶縁されるとともに断面長方形状に形成されて幅方向及び厚み方向を有する厚肉長尺状の第2平角導線が螺旋形状に形成された第2巻線部と、を備えた電源用トランスであって、前記第1巻線部は、前記第1平角導線の一側端面が前記コア中脚の外周面に密接するとともに、前記第1平角導線の長幅方向が前記コア中脚の軸線方向に垂直となるよう巻回され、前記第2平角導線の一側端面が前記第1巻線部の外周面に密接するとともに、前記第2平角導線の長幅方向が前記コア中脚の軸線方向に垂直となるよう巻回されたものであることを特徴とする電源用トランス。
  2. 前記厚肉の平角導線を1次側、前記薄肉の平角導線を2次側としたことを特徴とする請求項に記載の電源用トランス。
  3. 前記第1巻線部の端線部と、前記第2巻線部の端線部とが、前記コア中脚を挟むように、前記電源用トランスの側方へ引き出されたことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の電源用トランス。
  4. 前記第1巻線部の端線部と、前記第2巻線部の端線部とが、前記電源用トランスの側方へ同方向に引き出されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の電源用トランス。
  5. 前記コア中脚及び前記第1巻線部及び前記第2巻線部は、前記第1平角導線の両端部及び前記第2平角導線の両端部を導出した状態で樹脂封止されていることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の電源用トランス。
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