JP3640226B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像処理機能を持つ複写機、FAX装置、プリンタ装置などで使用される画像処理装置に係わり、特にカラー原稿画像を処理して、指定色の情報、黒色の情報などの2色情報以外の色情報、例えば黄色の情報などをも抽出するようにした画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤色/黒色あるいは青色/黒色の2色複写機などで使用される色分離方法、即ち、カラー原稿画像を色分離する方法として、従来、カラー原稿画像を赤色、緑色、青色の3色に分解してそのうちの赤色データと緑色データとによって、赤/黒の2色画像に変換する方法、あるいは青色データと黒色データとによって青/赤の2色画像に変換する方法などが提案されている。
このような色分離方法では、予め入力されている赤色データと緑色データとによって赤色、黒色、白色の判定範囲を設定し、この設定内容に基づいてカラー原稿画像を処理し、赤色/黒色の2色画像を生成する方法、あるいは予め入力されている青色データと、赤色データとによって青色、黒色、白色の判定範囲を設定し、この設定内容に基づいてカラー原稿画像を処理し、青色/黒色の2色画像を生成する方法などでカラー原稿画像を2色画像に変換し、また1画素の色ずれに対応する補正方法などで色ずれに対する処理を行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の2色分離方法では次に述べるような問題があった。
すなわち、従来の2色分離方法では画像処理装置に装着されている現像器で使用されている色以外の色に対する分離、あるいは判定の処理を行なっていないことから、原稿上の指定色(現像器で使用されるトナーの色)以外の情報を単独で取り出すことができないため、カラー原稿画像を2色画像に変換する際、指定色と、黒色とにしか色を分離することができない。
このため、原稿上の指定色以外の色、例えばマーカーペンの色を検出しようとしても、従来の2色分離方法では、これを検出することができないという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、請求項1では、指定色が赤色のとき、赤色の識別と無関係に、指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時、設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して、赤色に対する2色分離を行なうと同時に、黄色などを識別することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
請求項2では、指定色が青色のとき、青色の識別と無関係に、指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時、設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して、青色に対する2色分離を行なうと同時に、黄色などを識別することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
請求項3では、指定色が赤色であるとき、赤色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲によって、同一の画素が赤色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき、指定色となっている赤色と識別した方を優先させることができ、これによって原稿画像上の赤画像を確実に再現させることができる画像処理装置を提供することを目的としている。
請求項4では、指定色が青色であるとき、青色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲によって、同一の画素が青色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき、指定色となっている青色と識別した方を優先させることができ、これによって原稿画像上の青画像を確実に再現させることができる画像処理装置を提供することを目的としている。
請求項5では、処理対象となる原稿画像を白黒画像に指定したとき、赤色、青色、あるいは黄色のうち、指定された色のみを識別することができ、これによって原稿上に記入された色マークなどを検出することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
請求項6では、処理対象となる原稿画像を白黒画像に指定したとき、赤色、青色、あるいは黄色のうち、指定された2つの色を識別することができ、これによって原稿上に記入された2種類の色マークなどを検出することができる画像処理装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、カラー画像を赤、緑、青の3色に分解し、これらの各光量値に基づいて前記カラー画像を赤、黒を指定色とする2色画像に変換する際、前記カラー画像を構成する各画素に対し、第1赤色補正値、第2赤色補正値、緑色に対するしきい値を使用して、
G>KG …(1)
R>G+KR1 …(2)
R>G+KR2 …(3)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
KG :緑色に対するしきい値
KR1:第1赤色補正値
KR2:第2赤色補正値
を演算する機能を持ち、前記(1)式および(2)式が成立し、あるいは前記(1)式が不成立で前記(3)式が成立する画素に対しては、画素の色を赤と判定し、これ以外の画素に対しては、画素の色を赤でないと判定する色検出部を備えた画像処理装置において、
R≧Tr …(7)
G≧Tg …(8)
B≦Tb …(9)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
B:判定対象画素の青色光量
Tr:赤色のしきい値
Tg:緑色のしきい値
Tb:青色のしきい値
これら(7)式〜(9)式で示すされる各判断条件を満たす画素のうち、
R<G+Tgr …(10)
この(10)式に示す条件を満たす画素を黄色と判定することを特徴としている。
【0005】
請求項2では、カラー画像を赤、緑、青の3色に分解し、これらの各光量値に基づいて前記カラー画像を青、黒を指定色とする2色画像に変換する際、前記カラー画像を構成する各画素に対し、第1青色補正値、第2青色補正値、緑色に対するしきい値を使用して、
R>KR …(4)
B>R+KB1 …(5)
B>R+KB2 …(6)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
B:判定対象画素の青色光量
KR :赤色に対するしきい値
KB1:第1青色補正値
KB2:第2青色補正値
を演算する機能を持ち、前記(4)式および(5)式が成立し、あるいは前記(4)式が不成立で前記(6)式が成立する画素に対しては、画素の色を青と判定し、これ以外の画素に対しては、画素の色を青でないと判定する色検出部を備えた画像処理装置において、
R≧Tr …(7)
G≧Tg …(8)
B≦Tb …(9)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
B:判定対象画素の青色光量
Tr:赤色のしきい値
Tg:緑色のしきい値
Tb:青色のしきい値
これら(7)式〜(9)式で示す各判断条件を満たす画素のうち、
R<G+Tgr …(10)
この(10)式に示す条件を満たす画素を黄色と判定することを特徴としている。
【0006】
請求項3では、請求項1に記載の画像処理装置において、指定色が赤である場合に、画素の色を赤と判断するしきい値の設定範囲または前記画素の色を黄色と判定するしきい値の設定範囲によって、同一画素が赤色および黄色と判断されたとき、指定色となっている赤色を優先させて画素の色を決定することを特徴としている。
請求項4では、請求項2に記載の画像処理装置において、指定色が青である場合に、画素の色を青と判断するしきい値の設定範囲または前記画素の色を黄色と判定するしきい値の設定範囲によって、同一画素が青色および黄色と判断されたとき、指定色となっている青色を優先させて画素の色を決定することを特徴としている。
請求項5では、請求項1または2に記載の画像処理装置において、処理対象となる原稿画像として、白黒の原稿画像を指定したとき、赤色、青色あるいは黄色のうち、1色を単独で識別することを特徴としている。
請求項6では、請求項1または2に記載の画像処理装置において、処理対象となる原稿画像として、白黒の原稿画像を指定したとき、赤色、青色あるいは黄色のうち、2色を識別することを特徴としている。
【0007】
上記の構成により、請求項1では、カラー画像を赤、緑、青の3色に分解し、これらの各光量値に基づいて前記カラー画像を赤、黒を指定色とする2色画像に変換する際、前記カラー画像を構成する各画素に対し、第1赤色補正値、第2赤色補正値、緑色に対するしきい値を使用して、
G>KG …(1)
R>G+KR1 …(2)
R>G+KR2 …(3)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
KG :緑色に対するしきい値
KR1:第1赤色補正値
KR2:第2赤色補正値
を演算する機能を持ち、前記(1)式および(2)式が成立し、あるいは前記(1)式が不成立で前記(3)式が成立する画素に対しては、画素の色を赤と判定し、これ以外の画素に対しては、画素の色を赤でないと判定する色検出部を備えた画像処理装置において、
R≧Tr …(7)
G≧Tg …(8)
B≦Tb …(9)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
B:判定対象画素の青色光量
Tr:赤色のしきい値
Tg:緑色のしきい値
Tb:青色のしきい値
これら(7)式〜(9)式で示すされる各判断条件を満たす画素のうち、
R<G+Tgr …(10)
この(10)式に示す条件を満たす画素を黄色と判定することにより、指定色が赤色のとき、赤色の識別と無関係に、指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時、設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して、赤色に対する2色分離を行なうと同時に、黄色などを識別する。
【0008】
請求項2では、カラー画像を赤、緑、青の3色に分解し、これらの各光量値に基づいて前記カラー画像を青、黒を指定色とする2色画像に変換する際、前記カラー画像を構成する各画素に対し、第1青色補正値、第2青色補正値、緑色に対するしきい値を使用して、
R>KR …(4)
B>R+KB1 …(5)
B>R+KB2 …(6)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
B:判定対象画素の青色光量
KR :赤色に対するしきい値
KB1:第1青色補正値
KB2:第2青色補正値
を演算する機能を持ち、前記(4)式および(5)式が成立し、あるいは前記(4)式が不成立で前記(6)式が成立する画素に対しては、画素の色を青と判定し、これ以外の画素に対しては、画素の色を青でないと判定する色検出部を備えた画像処理装置において、
R≧Tr …(7)
G≧Tg …(8)
B≦Tb …(9)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
B:判定対象画素の青色光量
Tr:赤色のしきい値
Tg:緑色のしきい値
Tb:青色のしきい値
これら(7)式〜(9)式で示す各判断条件を満たす画素のうち、
R<G+Tgr …(10)
この(10)式に示す条件を満たす画素を黄色と判定することにより、指定色が青色のとき、青色の識別と無関係に、指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時、設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して、青色に対する2色分離を行なうと同時に、黄色などを識別する。
【0009】
請求項3では、請求項1に記載の画像処理装置において、指定色が赤である場合に、画素の色を赤と判断するしきい値の設定範囲または前記画素の色を黄色と判定するしきい値の設定範囲によって、同一画素が赤色および黄色と判断されたとき、指定色となっている赤色を優先させて画素の色を決定することにより、指定色が赤色であるとき、赤色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲によって、同一の画素が赤色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき、指定色となっている赤色と識別した方を優先させ、これによって原稿画像上の赤画像を確実に再現させる。
【0010】
請求項4では、請求項2に記載の画像処理装置において、指定色が青である場合に、画素の色を青と判断するしきい値の設定範囲または前記画素の色を黄色と判定するしきい値の設定範囲によって、同一画素が青色および黄色と判断されたとき、指定色となっている青色を優先させて画素の色を決定することにより、指定色が青色であるとき、青色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲によって、同一の画素が青色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき、指定色となっている青色と識別した方を優先させ、これによって原稿画像上の青画像を確実に再現させる。
【0011】
請求項5では、請求項1または2に記載の画像処理装置において、処理対象となる原稿画像として、白黒の原稿画像を指定したとき、赤色、青色あるいは黄色のうち、1色を単独で識別することにより、処理対象となる原稿画像を白黒画像に指定したとき、赤色、青色、あるいは黄色のうち、指定された色のみを識別し、これによって原稿上に記入された色マークなどを検出する。
【0012】
請求項6では、請求項1または2に記載の画像処理装置において、処理対象となる原稿画像として、白黒の原稿画像を指定したとき、赤色、青色あるいは黄色のうち、2色を識別することにより、処理対象となる原稿画像を白黒画像に指定したとき、赤色、青色、あるいは黄色のうち、指定された2つの色を識別し、これによって原稿上に記入された2種類の色マークなどを検出する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した形態例に基づいて詳細に説明する。
《本発明で使用される色分離方法の原理説明》
まず、本発明による画像処理装置の詳細な説明に先だって、図2に示すブロック図を参照しながら、本発明で使用される色分離方法の原理となる色の検出方法、白黒の判定方法、色ずれの補正方法について説明する。
<色の検出方法>
まず、図2に示す色検出部101では、指定色として赤色または青色のいすれかが設定されており、この設定内容に基づきカラー原稿画像を赤色、緑色、青色に分離して得られたR信号、G信号、B信号が入力されたとき、これらR信号、G信号、B信号が処理されて、赤色の画素(または、青色)と黒色の画素とが検出され、この検出結果が色ずれ補正部103と、白黒判定部102とに供給される。
この場合、例えば赤色が指定された状態、すなわち赤/黒モードが指定された状態では、赤色の検出範囲を決定するために、予め設定されている赤色に対する2つの補正値(第1赤色補正値と、第2赤色補正値)と、緑色に対するしきい値とに基づき各判定対象画素が次式に示す3つの判定条件を満たしているかどうかがチェックされる。
G>KG …(1)
R>G+KR1 …(2)
R>G+KR2 …(3)
但し、R:R信号の値で示される判定対象画素の赤色光量
G:G信号の値で示される判定対象画素の緑色光量
KG :緑色に対するしきい値
KR1:第1赤色補正値
KR2:第2赤色補正値
そして、これらの各チェック結果が次表に示す組み合わせ中の、どの組み合わせに属するかが判定されて、図3に示す如く判定対象となっている画素が赤色であるかどうかが判定され、この判定結果に基づき色を示すデータが生成され、これが色ずれ補正部103に供給されるとともに、色ではない示すデータが生成され、これが白黒判定部102に供給される。
【0014】
【表1】
また、指定色として、青色が指定された状態、すなわち青/黒モードが指定された状態では、青色の検出範囲を決定するために、予め設定されている、青色に対する2つの補正値(第1青色補正値と、第2青色補正値)と、赤色に対するしきい値とに基づき各判定対象画素が次式に示す3つの判定条件を満たしているかどうかがチェックされる。
R>KR …(4)
B>R+KB1 …(5)
B>R+KB2 …(6)
但し、R:R信号の値で示される判定対象画素の赤色光量
B:B信号の値で示される判定対象画素の青色光量
KR :赤色に対するしきい値
KB1:第1青色補正値
KB2:第2青色補正値
そして、これらの各チェック結果が次表に示す組み合わせ中の、どの組み合わせに属するかが判定されて、図4に示す如く判定対象となっている画素が青色であるかどうかが判定され、この判定結果に基づき色を示すデータが生成され、これが色ずれ補正部103に供給されるとともに、色ではない示すデータが生成され、これが白黒判定部102に供給される。
【0015】
【表2】
また、色検出部101では、上述した指定色の判定処理とともに、予め設定されている、赤色のしきい値、緑色のしきい値、青色のしきい値、緑色の補正値とに基づき各判定対象画素が次式に示す3つの判定条件を満たしているかどうかがチェックされ、
R≧Tr …(7)
G≧Tg …(8)
B≦Tb …(9)
但し、R:R信号の値で示される判定対象画素の赤色光量
G:G信号の値で示される判定対象画素の緑色光量
B:B信号の値で示される判定対象画素の青色光量
Tr:赤色のしきい値
Tg:緑色のしきい値
Tb:青色のしきい値
これらの各判断条件を満たす画素について、次式に示す条件を満たす画素が黄色と判定されて、この判定結果が色ずれ補正回路103に供給される。
R<G+Tgr …(10)
これによって、赤/黒モードが設定されているとき、カラー原稿画像を分解して得られたR信号、G信号、B信号がRGBの3色空間上で、図5に示す如く赤色、青色および黄色に分離され、また青/黒モードが設定されているとき、カラー原稿画像を分解して得られたR信号、G信号、B信号がRGBの3色空間上で、図6に示す如く青色、赤色および黄色に分離される。
【0016】
<白黒の判定方法>
また、白黒判定部102では、色検出部101から出力される色ではないデータに基づき、赤/黒モードで赤色以外と判定された画素や青/黒モードで青色以外と判定された画素に対し、次表に基づき、各画素の輝度が白黒判定条件を満たすかどうかがチェックされ、このチェック結果に基づき、白黒データが生成され、これが色ずれ補正部103に供給される。
【0017】
【表3】
<色ずれの補正方法>
また、色ずれ補正部103では、色検出部101から供給される色であるデータ、白黒判定部102から供給される白黒データが取り込まれ、色の識別処理が終わった画素について対象画素の周辺にある各画素がチェックされ、各画像のエッジ部分などで読取系の照明ムラ、CCDのライン位置ずれなどに起因する色ずれなどが生じていないかどうかがチェックされ、これらが生じていればこれが補正されて輝度画像データと色画像データとが生成される。
補正方法としては、例えば注目画素を中心画素として同じライン上の左右、上下にある各画素および主走査方向の前後、それぞれ2ラインの同じ位置にある25個の画素によって図7に示す如く5×5のマトリックスが構築され、このマトリックス上で注目画素を中心として、図8(a)〜(h)に示す如く縦方向、横方向、斜め方向に、注目画素を3番目の画素とする4つの画素で構成される8つのリニアパターンが抽出された後、次表に基づきこれら各リニアパターンの3番目に含まれる注目画素の色が色から黒に、または黒から色に補正される。
【0018】
【表4】
《形態例の説明》
次に、このような補正方法で、色の検出、白黒の判定、色ずれの補正を行なう本発明による画像処理装置について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は本発明による画像処理装置の一形態例を示すブロック図である。
この図に示す画像処理装置1は、レジスタ部2と、入力選択部3と、色検出部4と、輝度計算部5と、色判定部6と、マトリックス生成部7と、パターンマッチング部8と、色ずれ補正部9と、黄色検出部10と、タイミング調整部11と、出力モード処理部12とを備えており、赤/黒モードが指定されているときには、前記(1)式〜(3)式と、表1〜4と、前記(7)式〜(10)式とに基づきカラー原稿画像を分解して得られるR信号、G信号、B信号を画像処理して、現像器色データ、輝度データ、黄色データを生成し、また青/黒モードが指定されているときには、上述した(4)式〜(6)式と、表1〜4と、前記(7)式〜(10)式とに基づき、カラー原稿画像を分解して得られるR信号、G信号、B信号を画像処理して、現像器色データ、輝度データ、黄色データを生成する。
【0019】
この場合、レジスタ部2は、色分離のモードを示す第1モード信号、第2モード信号、白黒の判定に必要な輝度しきい値、色の検出および色の判定に必要な黄色検出しきい値、第1色補正値、第2色補正値、色しきい値などの特性データを保存する部分であり、第1、第2モード信号によって赤/黒モードが指定されているときには、外部から入力された黄色検出しきい値と、輝度しきい値と、赤色に対する第1赤色補正値と、第2赤色補正値と、緑色に対するしきい値とを取り込んでこれを記憶するとともに、これらの各特性データを色判定部6と、色検出部4と、入力選択部3とに各々供給する。また、青/黒モードが指定されているときには、外部から入力された黄色検出しきい値と、輝度しきい値と、青色に対する第1青色補正値と、第2青色補正値と、緑色に対するしきい値とを取り込んでこれを記憶するとともに、これらの各特性データを色判定部6と、色検出部4と、入力選択部5とに各々供給する。
【0020】
入力選択部3は、カラー原稿画像を分離して得られたR信号、G信号、B信号を取り込むとともに、レジスタ部2から出力される第1モード信号で指定されたモードで、これらR信号、G信号、B信号の中から2つの信号を選択する部分であり、前記第1モード信号によって赤/黒モードが指定されているとき、前記R信号、G信号、B信号のうち、R信号と、G信号とを選択して、これを色検出部4に供給し、また前記第1モード信号によって青/黒モードが指定されているとき、前記R信号、G信号、B信号のうち、R信号と、B信号とを選択して、これを色検出部4に供給する。
色検出部4は、レジスタ部2から出力される指定色の第1色補正値、第2色補正値、しきい値を使用して、前記入力選択部3から出力される2つの信号(R信号、G信号の2つまたはR信号、B信号の2つ)に対し、各画素毎に上述した色検出方法で説明した画像処理を行なって、各画素のが指定色かどうかを検出する部分であり、この検出動作で得られた各画素の色情報を色判定部6に供給する。
【0021】
また、輝度計算部5は、カラー原稿画像を分離して得られた8ビットのR信号、G信号、B信号を取り込むとともに、これらR信号、G信号、B信号で示される各画素の輝度を計算し、この計算結果(各画素の輝度情報)を色判定部6と、タイミング調整部11とに供給する。
色判定部6は、レジスタ部2から出力される輝度しきい値を使用して、色検出部4から出力される色情報と、輝度計算部5から出力される各画素の輝度情報に対し、各画素毎に、上述した色検出方法、白黒判定方法で説明した画像処理を行なって、各画素の色が指定色か、黒色か、白色からを判定する部分であり、この判定結果(各画素の色情報)をマトリックス生成部7に供給する。
マトリックス生成部7は、色判定部6から出力される各画素の色情報を取り込んで5ライン単位でこれを保持しながら、注目画素を中心画素として、同じライン上の左右、上下にある各画素および主走査方向の前後、それぞれ2ラインの同じ位置にある25個の画素によって5×5のマトリックスを構築し、このマトリックス上で注目画素を中心として縦方向、横方向、斜め方向に、注目画素を3番目の画素とする4つの画素で構成される8つのリニアパターンを抽出する部分であり、この抽出処理で得られた8つのリニアパターンをパターンマッチング部8に供給する。
【0022】
パターンマッチング部8は、前記マトリックス生成部7から出力される8つのリニアパターンを取り込むとともに、予め設定されている基準パターンと、各リニアパターンとを比較する部分であり、これらの各比較結果を色ずれ補正部9に供給する。
色ずれ補正部9は、前記パターンマッチング部8から出力される各比較結果を取り込み一致を示すリニアパターンについてこれらの各リニアパターンの3番目に含まれる注目画素の色を補正するかどうかを判断する部分であり、上述した表4の内容にしたがって注目画素の色補正を行なって、各リニアパターンの3番目に含まれる注目画素の色を色から黒に、または黒から色に補正した後、色補正済みの画素情報を出力モード処理部12に供給し、また一致していないリニアパターンについては、これらの各リニアパターンの3番目に含まれる画素を色補正することなく、この画素の情報をそのまま出力モード処理部12に供給する。
【0023】
また、黄色検出部10は、レジスタ部2から出力される黄色検出しきい値を使用して、カラー原稿画像を分離して得られた8ビットのR信号、G信号、B信号に対し、各画素毎に上述した黄色検出方法で説明した画像処理を行なって各画素が黄色かどうかを検出する部分であり、この検出動作で得られた各画素の色情報をタイミング調整部11に供給する。
タイミング調整部11は、色ずれ補正部9から出力される各画素の色情報と、輝度計算部5から出力される各画素の輝度情報と、前記黄色検出部10から出力される各画素の色情報との出力タイミングを調整して、同一の画素についての色情報、輝度情報が同一タイミングで出力モード処理部12に供給されるようにする部分であり、輝度計算部5から出力される各画素の輝度情報と、前記黄色検出部10から出力される各画素の色情報とを取り込んで予め設定されている遅延時間だけ遅延させた後、これら輝度情報、色情報を出力モード処理部12に供給する。
出力モード処理部12は、色ずれ補正部9から出力される各画素の色情報、前記タイミング調整部11から出力される各画素の輝度情報、各画素の色情報を取り込むとともに、レジスタ部2から出力されるモード指定信号に基づき、これら各画素の色情報、輝度情報に基づき、各画素の色、輝度を決定する部分であり、レジスタ部2から出力されるモード指定信号で指定されたモードに応じた優先順位で前記各画素の色情報、輝度情報を処理して各画素の色を決定するとともに、この決定結果に基づき現像器色データ、輝度データ、黄色データを1つまたは2つを生成し、これを現像ユニット機構(図示は省略する)などに供給する。
【0024】
このように、この形態例では、赤/黒モードが指定されているときには、前記(1)式〜(3)式と、表1〜4と、前記(7)式〜(10)式とに基づき、カラー原稿画像を分解して得られるR信号、G信号、B信号を画像処理して、現像器色データ、輝度データ、黄色データを生成し、また青/黒モードが指定されているときには、上述した(4)式〜(6)式と、表1〜4と、前記(7)式〜(10)式とに基づき、カラー原稿画像を分解して得られるR信号、G信号、B信号を画像処理して、現像器色データ、輝度データ、黄色データを生成するようにしたので、指定色が赤色のとき赤色の識別と無関係に指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して赤色に対する2色分離を行なうと同時に黄色などを識別することができ、また指定色が青色のとき青色の識別と無関係に指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して青色に対する2色分離を行なうと同時に黄色などを識別することができる。
【0025】
また、この形態例では、出力モード処理部12によって各画素の色情報、輝度情報を処理して、指定されたモードに応じた優先順位で画素の色を選択するようにしているので、指定色が赤色であるとき赤色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲により、同一の画素が赤色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき指定色となっている赤色と識別した方を優先させることができ、また指定色が青色であるとき青色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲によって、同一の画素が青色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき指定色となっている青色と識別した方を優先させることができる。
また、この形態例では、色判定部6によって色検出部4の出力と、輝度計算部5の出力とを処理して、各画素の色が指定色か、黒色か、白色かを判定させるとともに、黄色検出部10によって各画素が黄色かどうかを検出させ、出力モード処理部12により、これらの各判定結果、各検出結果を総合的に判定させて各画素の色を決定するようにしているので、処理対象となる原稿画像を白黒画像に指定したとき、赤色、青色、あるいは黄色のうち指定された色のみ、または指定された2つの色を識別させることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、請求項1では、指定色が赤色のとき、赤色の識別と無関係に、指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して、赤色に対する2色分離を行なうと同時に、黄色などを識別することができる。
また、請求項2では、指定色が青色のとき、青色の識別と無関係に、指定色以外の色、例えば黄色などに関するしきい値を常時設定しておくだけで、カラー原稿画像の同じ画素に対して、青色に対する2色分離を行なうと同時に、黄色などを識別することができる。
【0027】
また、請求項3では、指定色が赤色であるとき、赤色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲によって、同一の画素が赤色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき、指定色となっている赤色と識別した方を優先させることができ、これによって原稿画像上の赤画像を確実に再現させることができる。
また、請求項4では、指定色が青色であるとき、青色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲または黄色を識別するときに使用するしきい値の設定範囲によって、同一の画素が青色に識別されるとともに、黄色に識別されたとき、指定色となっている青色と識別した方を優先させることができ、これによって原稿画像上の青画像を確実に再現させることができる。
【0028】
また、請求項5では、処理対象となる原稿画像を白黒画像に指定したとき、赤色、青色、あるいは黄色のうち、指定された色のみを識別することができ、これによって原稿上に記入された色マークなどを検出することができる。
また、請求項6では、処理対象となる原稿画像を白黒画像に指定したとき、赤色、青色、あるいは黄色のうち、指定された2つの色を識別することができ、これによって原稿上に記入された2種類の色マークなどを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像処理装置の一形態例を示すブロック図である。
【図2】本発明で使用される色分離方法の原理となる色の検出方法、白黒の判定方法、色ずれの補正方法を説明するためのブロック図である。
【図3】図2に示す色検出部で行われる赤の領域と、赤以外の領域とを分離するときの動作例を示す模式図である。
【図4】図2に示す色検出部で行われる青の領域と、青以外の領域とを分離するときの動作例を示す模式図である。
【図5】図2に示す色検出部で行われる、赤/黒モード設定時の赤領域、青領域、黄色領域の分離動作例を示す空間分離領域図である。
【図6】図2に示す色検出部で行われる、青/黒モード設定時の赤領域、青領域、黄色領域の分離動作例を示す空間分離領域図である。
【図7】図2に示す色ずれ補正部で作成されるマトリックスの一例を示す模式図である。
【図8】(a)乃至(h)は図2に示す色ずれ補正部で作成される8つのリニアパターンの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…画像処理部、2…レジスタ部、3…入力選択部、4…色検出部、5…輝度計算部、6…色判定部、7…マトリックス生成部、8…パターンマッチング部、9…色ずれ補正部、10…黄色検出部、11…タイミング調整部、12…出力モード処理部
Claims (6)
- カラー画像を赤、緑、青の3色に分解し、これらの各光量値に基づいて、前記カラー画像を赤、黒を指定色とする2色画像に変換する際、前記カラー画像を構成する各画素に対し、第1赤色補正値、第2赤色補正値、緑色に対するしきい値を使用して、
G>KG …(1)
R>G+KR1 …(2)
R>G+KR2 …(3)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
KG :緑色に対するしきい値
KR1:第1赤色補正値
KR2:第2赤色補正値
を演算する機能を持ち、前記(1)式および(2)式が成立し、あるいは前記(1)式が不成立で前記(3)式が成立する画素に対しては、画素の色を赤と判定し、これ以外の画素に対しては、画素の色を赤でないと判定する色検出部を備えた画像処理装置において、
R≧Tr …(7)
G≧Tg …(8)
B≦Tb …(9)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
B:判定対象画素の青色光量
Tr:赤色のしきい値
Tg:緑色のしきい値
Tb:青色のしきい値
これら(7)式〜(9)式で示すされる各判断条件を満たす画素のうち、
R<G+Tgr …(10)
この(10)式に示す条件を満たす画素を黄色と判定することを特徴とする画像処理装置。 - カラー画像を赤、緑、青の3色に分解し、これらの各光量値に基づいて、前記カラー画像を青、黒を指定色とする2色画像に変換する際、前記カラー画像を構成する各画素に対し、第1青色補正値、第2青色補正値、緑色に対するしきい値を使用して、
R>KR …(4)
B>R+KB1 …(5)
B>R+KB2 …(6)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
B:判定対象画素の青色光量
KR :赤色に対するしきい値
KB1:第1青色補正値
KB2:第2青色補正値
を演算する機能を持ち、前記(4)式および(5)式が成立し、あるいは前記(4)式が不成立で前記(6)式が成立する画素に対しては、画素の色を青と判定し、これ以外の画素に対しては、画素の色を青でないと判定する色検出部を備えた画像処理装置において、
R≧Tr …(7)
G≧Tg …(8)
B≦Tb …(9)
但し、R:判定対象画素の赤色光量
G:判定対象画素の緑色光量
B:判定対象画素の青色光量
Tr:赤色のしきい値
Tg:緑色のしきい値
Tb:青色のしきい値
これら(7)式〜(9)式で示す各判断条件を満たす画素のうち、
R<G+Tgr …(10)
この(10)式に示す条件を満たす画素を黄色と判定することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置において、
指定色が赤である場合に、画素の色を赤と判断するしきい値の設定範囲または前記画素の色を黄色と判定するしきい値の設定範囲によって、同一画素が赤色および黄色と判断されたとき、指定色となっている赤色を優先させて画素の色を決定することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項2に記載の画像処理装置において、
指定色が青である場合に、画素の色を青と判断するしきい値の設定範囲または前記画素の色を黄色と判定するしきい値の設定範囲によって、同一画素が青色および黄色と判断されたとき、指定色となっている青色を優先させて画素の色を決定することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1または2に記載の画像処理装置において、
処理対象となる原稿画像として、白黒の原稿画像を指定したとき、赤色、青色あるいは黄色のうち、1色を単独で識別することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1または2に記載の画像処理装置において、
処理対象となる原稿画像として、白黒の原稿画像を指定したとき、赤色、青色あるいは黄色のうち、2色を識別することを特徴とする画像処理装置。
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JP23847096A JP3640226B2 (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | 画像処理装置 |
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JPH1058755A JPH1058755A (ja) | 1998-03-03 |
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- 1996-08-21 JP JP23847096A patent/JP3640226B2/ja not_active Expired - Fee Related
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