JP3640035B2 - 浴槽,洗い場の滑り止め構造 - Google Patents

浴槽,洗い場の滑り止め構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、浴槽,洗い場の滑り止め構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、図9に示す浴槽51及び洗い場52の滑り止めのために、例えば図10の断面図で示すように、底面に凹部53と凸部54を形成した構造が存在するが、このような凹部53,凸部54を底面に形成しただけでは良好な滑り止め効果が得られないものであった。そのため、図11の断面図で示すように、さらに前記凸部54の表面に粗面54aを形成させて滑り止め効果を向上させたものが存在するが、このように粗面54aを形成させると、この粗面54aに排水が溜まり、また汚れが溜まって付きやすく、さらに汚れが落ちにくくなり汚れやすいという問題点があり、また、このように粗面54aを形成させるためには浴槽51等を造形するための型にこのような粗面54aを備える必要があり、型のメンテナンスが行ないにくいという問題点がある。さらに図12に示すように、従来、浴槽51,洗い場52の底面に別体の滑り防止材55を接着により貼着して滑り止め効果を高めたものも存在するが、このような滑り防止材55を貼着したものにおいても、滑り防止材55の部分に汚れが付きやすく、また汚れが落ちにくくなり、また滑り防止材55は耐久性に乏しく剥がれやすい等の問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、滑り止め効果が大で、しかも汚れにくい滑り止め構造を提供せんことを目的とし、その要旨は、浴槽,洗い場の底面上に大きいパターン部を間隔を30mm以内に設定して複数形成し、各パターン部内を、さらに小ブロックに分割して、隣り合う各小ブロック内の小突起の配列方向を異なるものとして、各小ブロック内に上方へ突出する小突起を複数設け、各小突起の端部を他の小突起と当接することがなく水の流通可能に開放させるとともに、各小ブロック間にも水が流れる流路を形成したことである。
【0004】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、浴槽の平面概略構成図であり、浴槽1の底面1aには複数のパターン部2,2,2が間隔をおいて形成されており、この各パターン部2,2,2の拡大図を図2に示すと、各パターン部2内は、さらに小ブロック2a,2bに分割されたものとなっており、小ブロック2aには、図において縦方向に3本の小突起3,3,3が並列状に配列されており、また、小ブロック2bにおいては、横方向に3本の小突起3,3,3が配列されて構成されたものとなっており、各小突起3は上方へ突出して、各小突起3の両端部は開放状態となって他の小突起3と当接することがなく、小突起3,3間には水の流れる流路(隙間)が良好に形成されたものとなっており、各小ブロック2a,2b間にも水の流れる良好な流路(隙間)が確保されたものとなっている。
【0005】
また、各パターン部2,2の間隔は図中aで示す30mm以内に設定されたものとなっている。即ち、30mm以内であれば、子供の足でも何れかのパターン部2上に乗ることができ、複数の小突起3,3,3が足の裏に当接して良好な滑り止め効果を発揮することができる。
なお、図2では、小ブロック2aと小ブロック2bでは、それぞれ小突起3,3の配列方向が異なるものとなっているため、縦方向及び横方向の滑りに良好に対応できるものとなっている。
【0006】
このようにパターン部2内に分割された小ブロック2a,2bが形成され、各ブロック2a,2b間では隙間が形成されて良好に水が流れることができ、しかも小突起3,3の端部も開放されて水が良好に流れることができるものであるため、パターン部2内で水が閉鎖されて溜まることがなく、従って良好に排水が行なわれて、汚れがパターン部2に付きにくくなり、また掃除の時にも良好に水を流して汚れを取り去ることができ、汚れにくい構造となり、しかもパターン部2,2間は30mm以内であるため、子供の足でも何れかのパターン部2に当接して滑りを防ぐことができ、良好に滑りを防ぐことができるものとなる。
【0007】
なお、図3の縦断面拡大図で示すように、各パターン部2を浴槽1の底面1aから上方へ隆起させて、その隆起上面に前記複数の小突起3を上方に突出状に一体形成させたものでも良く、また、図4に示すように、各パターン部2は底面1aとほぼ面一状に形成させて、底面1aから小突起3,3,3を上方へ一体状に突出形成させたものであっても良い。
【0008】
次に、図5は変更例を示すものであり、図5においては、各パターン部2は小判状に形成されており、この各パターン部2内に、傾斜状に小突起3,3,3が間隔をおいて並列状に配列されたものであり、各パターン部2,2間の間隔は前述したものと同様に30mm以内に設定されており、また各小突起3の両端側は開放されて良好に水が流通できるように構成されている。従って、この図5のものにおいても小突起3,3,3により良好に滑り止め効果が達成され、しかも良好に排水が行なわれるため汚れにくいものとなる。
【0009】
次に、図6はさらに異なる変更例を示すものであり、図6においては、隣り合うパターン部2,2をそれぞれ対向状に傾斜させて、略くの字状に間隔をおいて千鳥配列させたものであり、各パターン部2内には、小突起3,3,3が縦方向となっている小ブロック2aと、小突起3,3,3が横方向で配列される小ブロック2bを形成したものであり、小ブロック2aの小突起3と小ブロック2bの小突起3では配列方向が異なるため、あらゆる方向の滑りにも良好に対応することができるものとなり、しかも各小突起3,3間には水の流通可能な隙間が形成されているため、排水が良好であり汚れが付きにくいものとなる。
【0010】
さらに図7は、さらに異なる変更例を示すものであり、図7では、各パターン部2内に、直線状の小突起3,3,3が配列された2つの小ブロック2a,2aと、その中間に、くの字状の小突起3,3,3を配列した小ブロック2bを設けたものであり、小ブロック2aの各小突起3,3はそれぞれ傾斜状に所定間隔で配列されており、小ブロック2bのくの字状の小突起3との間には水の流れる流路が形成されている。また、各パターン部2,2間は前述したのと同様に30mm以内の間隔に設定されている。このような図7の構造においても、滑り止め効果を高めることができ、しかも排水が良好で、汚れが付きにくく、また掃除の時に汚れを良好に落とすことができるものとなる。
【0011】
さらに図8は異なる変更例を示すものであり、図8では、4枚の小突起3,3,3を水車の羽根状に配列して1個の小ブロックを形成させ、小ブロックを4個まとめて1個のパターン部2を形成させたものであり、本例においても各小突起3,3間には水の流れる流路が確保されており、良好な滑り止め効果を達成することができるとともに、水の排水が良好で汚れが付きにくいものとなる。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、浴槽,洗い場の底面上に大きいパターン部を間隔を30mm以内に設定して複数形成し、各パターン部内を、さらに小ブロックに分割して、隣り合う各小ブロック内の小突起の配列方向を異なるものとして、各小ブロック内に上方へ突出する小突起を複数設け、各小突起の端部を他の小突起と当接することがなく水の流通可能に開放させるとともに、各小ブロック間にも水が流れる流路を形成したことにより、子供でも十分に各パターン間に足が乗り、小突起が足の裏に当接して、縦方向及び横方向の滑りに良好に対応でき、良好な滑り止め効果を発揮することができるとともに、各小突起間で水が閉ざされることがなく、水は良好に排水されるように構成されているため汚れが付きにくく、また汚れを掃除時等に良好に落とすことができ、意匠性に優れ、かつ滑り止め効果が大で、汚れが付きにくい浴槽,洗い場の滑り止め構造とし得る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 浴槽の底面の概略構成図である。
【図2】 底面のパターン部内の小突起の配列構造を示す平面構成図である。
【図3】 図2のパターン部の縦断面拡大構成図である。
【図4】 各パターン部が隆起していない場合の図3に対応させた断面構成図である。
【図5】 パターン部及び小突起の変更例を示す平面構成図である。
【図6】 さらに異なる変更例を示す平面構成図である。
【図7】 さらに異なる変更例を示す平面構成図である。
【図8】 さらに異なる変更例を示す平面構成図である。
【図9】 従来の浴槽及び洗い場の斜視構成図である。
【図10】 従来の浴槽の底面の凹凸形状を示す断面構成図である。
【図11】 従来の粗面を形成した凹凸形状の断面構成図である。
【図12】 従来の滑り防止部材を貼着した浴槽底面の断面構成図である。
【符号の説明】
1 浴槽
1a 底面
2 パターン部
2a,2b 小ブロック
3 小突起

Claims (1)

  1. 浴槽,洗い場の底面上に大きいパターン部を間隔を30mm以内に設定して複数形成し、各パターン部内を、さらに小ブロックに分割して、隣り合う各小ブロック内の小突起の配列方向を異なるものとして、各小ブロック内に上方へ突出する小突起を複数設け、各小突起の端部を他の小突起と当接することがなく水の流通可能に開放させるとともに、各小ブロック間にも水が流れる流路を形成したことを特徴とする浴槽,洗い場の滑り止め構造。
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