JP3638007B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動油タンクの側方であって上部旋回体側面の外形面の一部を形成する作動油タンク側パネルを有する油圧ショベル等の建設機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の油圧ショベルの一例を図3を用いて詳細に説明する。図3は、従来の油圧ショベルの側面図である。
【0003】
図において、31は油圧ショベルであって、この油圧ショベル31は、走行自在な下部走行体32と、この下部走行体32の上部に旋回自在に搭載される上部旋回体33と、この上部旋回体33の前部中央に一端を回動中心として伏仰自在に取り付けられるアタッチメント34とを備えている。
【0004】
前記アタッチメント34は、前記上部旋回体33に一端が取り付けられたブーム35と、このブーム35の他端側に一端が取り付けられたアーム36と、このアーム36の先端部に取り付けられたバケット37とを有している。前記ブーム35は、両端が前記上部旋回体33の前部とブーム35とに接続された一対のブームシリンダ35aによって伏仰自在とされている。また、前記アーム36は、前記ブーム35の背面とアーム36の端部との間に配置されたアームシリンダ36aによって回動自在とされている。さらに、前記バケット37は、このバケット37と前記アーム36の背面との間に配置されたバケットシリンダ37aによって回動自在とされている。
【0005】
前記上部旋回体33の前部左側には運転室33aが備えられている。また、前記上部旋回体33の後端部にはカウンタウエイト33bが取り付けられている。また、前記上部旋回体33の右側側面であって、前記カウンタウエイト33bの前方には、サイドカバー33c,作動油タンクに取り付けられる作動油タンク側パネル33d及び燃料タンク33eが前記上部旋回体33の右側側面の外形を形成するように並列に配置されている。前記サイドカバー33cは、一側端を回動中心として開閉自在に取り付けられており、開放時には上部旋回体33内に配置されるエンジン等の機器類のメンテナンスが行えるようになっている。
【0006】
次に従来の作動油タンク側パネル33dの取り付け構造を図4を用いて説明する。図4は、従来の作動油タンク側パネルの取り付け構造を示す図である。なお、図3と同様の構成のものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0007】
図において、41は上部フレームであって、この上部フレーム41は前述した上部旋回体33の下部に備えられ、エンジン等の機器類を載置する。また、この上部フレーム41上には作動油タンク40が配置されている。なお、この作動油タンク40の上部フレーム41への取付けにおいては、複数種類のシム42が用いられ、その取付位置の調整がなされている。前述した作動油タンク側パネル33dの上下端は、それぞれ前記タンク40と上部フレーム41とにボルト等で接続されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、油圧ショベル等の建設機械においても、デザインが重要視され始め、曲面形状等何らかのデザイン処理がなされた上部旋回体が一般的になっている。このため、上部旋回体に搭載される例えば燃料タンクにおいても上部旋回体側面の外形に関する面には曲面形状等を施すのが一般的である。一方、圧力容器である作動油タンクはその形状が制約されるため、図4に示すように作動油タンクの外形側に上部旋回体側面の外形の一部を形成する作動油タンク側パネルを別途取り付ける必要があった。
【0009】
図3に示される油圧ショベルにおいては、上部旋回体の右側側面の外形は、前述したようにサイドカバー,作動油タンク側パネル及び燃料タンクによって形成されている。しかしながら、前記サイドカバー,作動油タンク側パネル及び燃料タンクという3つの構成部品をそれぞれ位置調整して上部旋回体側面の外形となすことは、時間と労力を多く費やす為、組立コストの面であまり有効といえなかった。特に、作動油タンクに作動油タンク側パネルを取り付ける構成(図4)においては、作動油タンク自体が、シムによる上部フレーム据付面とのガタ調整及び油圧ポンプ,油圧配管との位置調整及び上部旋回体上面との位置調整といった多くの調整を行う必要があり、この作動油タンクの取付後に、さらに、サイドカバー及び燃料タンクとの位置調整を図りながら作動油タンク側パネルを取り付けなければならないことから、この作動油タンク側パネルの位置調整に多大な時間と労力を必要としていた。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、上部旋回体側面の外形の形成に係る時間と労力とを軽減し、組立作業性の高効率化を図ることが可能な建設機械を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上部旋回体の後端部に搭載されるカウンタウエイトと、該上部旋回体上であって、前記カウンタウエイトの前方に搭載されるエンジン等の機器類と、前記エンジン等の機器類の前方であって、上部旋回体の一側方に前後に並列に配置される作動油タンク及び燃料タンクとを有し、前記上部旋回体一側面の外形面が、前記燃料タンクの側面と、前記作動油タンクの側方に作動油タンクと別体で配置される作動油タンク側パネルと、前記エンジン等の機器類を覆うサイドカバーとで大略構成される建設機械において、前記作動油タンクは、前記燃料タンクと前記エンジン等の機器類との間に配置され、前記作動油タンク側パネルが、前記サイドカバーを支持するサイドカバーブラケットと前記燃料タンクとで位置決め支持されて、略面一の外形面を形成することを特徴とするものである。
【0012】
これによると、燃料タンク並びにサイドカバー用ブラケットの位置調整が決まれば作動油タンク側パネルの位置も決まるので、従来のように作動油タンクの位置調整後に作動油タンク用パネルの調整を行う必要もなくなり、組立時の時間短縮及び労力低減を図ることができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施形態を図1に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る上部旋回体の要部詳細図である。なお、従来技術と同一構成のものについては同符号を付す。
【0022】
図において、41は上部フレームであって、この上部フレーム41の上部には燃料タンク33eが上部旋回体側面の外形を形成するように配置されている。また、この燃料タンク33eの一側面aに近接して作動油タンク40が配置されている。さらに、この作動油タンク40の前記燃料タンク33eと反対側にはサイドカバーを取付可能な支持体であるサイドカバー用ブラケット10が立設されている。なお、前記燃料タンク33eの一側面aの外形面近傍の上下端付近には、後述する作動油タンク側パネル11を取付可能なボルト穴16を有する一対の支持体である燃料タンク側ブラケット14が設けられている。また、前記サイドカバー用ブラケット10の一面10aにも後述する作動油タンク側パネル11を取付可能なボルト穴15が設けられている。
【0023】
11は作動油タンク側パネルであって、この作動油タンク側パネル11は、一端に前記一対のボルト穴15とボルトによって接続可能な一対のボルト穴15aを有する取付板12を有している。また、他端の内側には前記一対のボルト穴16とボルトによって接続可能なボルト穴16aを有する一対の作動油タンク側パネル用ブラケット13が設けられている。なお、この取付板12及び作動油タンク側パネル用ブラケット13の位置とサイドカバー用ブラケット10及び燃料タンク側ブラケット14の位置とは、作動油タンク側パネル11を取り付けたときに燃料タンク33e及びサイドカバーの外形面と作動油タンク側パネル11の外形面とが面一になるように設定するのがよい。
【0024】
次に作動油タンク側パネル11の取付方法について説明する。まず、燃料タンク33e,作動油タンク40及びサイドカバー用ブラケット10をそれぞれ所定の位置に位置調整等行いながら据え付ける。次に作動油タンク側パネル11を、そのボルト穴15a,16aが前記ボルト穴15,16と合致するように配置してボルト等によって固定する。これにより、作動油タンク側パネル11の取付は完了する。すなわち、作動油タンク側パネル11を従来のように作動油タンク40に取り付けることをやめ、燃料タンク33e及びサイドカバー用ブラケット10に取り付けたことにより、従来必要だった作動油タンク側パネルの燃料タンク及びサイドカバーとの位置調整が必要なくなるので組立時の労力軽減及び時間短縮を図ることができる。
【0025】
次に本発明の第二実施形態を図2に基づいて詳細に説明する。図2は、本発明の第二実施形態に係る上部旋回体の要部詳細図である。なお、従来技術と同一構成のものについては同符号を付す。
【0026】
図において、41は上部フレームであって、この上部フレーム41の上部には燃料タンク33eが上部旋回体側面の外形面を形成するように配置されている。また、この燃料タンク33eの一側面aに近接して作動油タンク40が配置されている。さらに、この作動油タンク40の前記燃料タンク33eと反対側にはサイドカバーを取付可能な支持体であるサイドカバー用ブラケット10が立設されている。また、前記作動油タンク40の側方の燃料タンク33e近傍には、前記上部フレーム41に一端が固定されて立設される支持体である補助ブラケット21が配置されている。なお、この補助ブラケット21の上下端近傍には後述する作動油タンク側パネル23を取付可能な一対のボルト穴22が設けられている。また、前記サイドカバー用ブラケット10の一面10aにも後述する作動油タンク側パネル23を取付可能なボルト穴15が設けられている。
【0027】
また、23は作動油タンク側パネルであって、この作動油タンク側パネル23は、一端に前記一対のボルト穴15とボルトによって接続可能な一対のボルト穴15aを有する取付板12を有している。また、他端近傍の内側面には前記一対のボルト穴22とボルトによって接続可能な一対のボルト穴22aを有する補助ブラケット用板材20が設けられている。なお、この取付板12及び補助ブラケット用板材20の位置とサイドカバー用ブラケット10及び補助ブラケット21の位置とは、作動油タンク側パネル23を取り付けたときに燃料タンク33e及びサイドカバーの外形面と作動油タンク側パネル23の外形面が面一になるように設定するのがよい。
【0028】
次に作動油タンク側パネル23の取付方法について説明する。まず、燃料タンク33e,作動油タンク40,サイドカバー用ブラケット10及び補助ブラケット21をそれぞれ所定の位置に位置調整等行いながら据え付ける。次に作動油タンク側パネル23を、そのボルト穴15a,22aが前記ボルト穴15,22と合致するように配置してボルト等によって固定する。これにより、作動油タンク側パネル23の取付は完了する。すなわち、作動油タンク側パネル23を従来のように作動油タンク40に取り付けることをやめ、補助ブラケット21及びサイドカバー用ブラケット10に取り付けたことにより、従来必要だった作動油タンク側パネルの燃料タンク及びサイドカバーとの位置調整が必要なくなるので組立時の時間短縮及び作業軽減を図ることができる。
【0029】
なお、本発明ではサイドカバー用ブラケットを作動油タンク側パネルの取付に利用したが、これに限らず作動油タンク側パネルの取付用に別途ブラケットを用意してもかまわない。また、本発明では作動油タンク側パネルの両端部を支持するように構成したが、これに限らず例えば一端のみを支持するようにしてもよいし、また中央近傍を支持するようにしてもよい。また、作動油タンク側パネルの下端のみを例えば上部フレームに支持してもよい。また、本発明は燃料タンクと作動油タンクの配置が逆の場合にも適用可能である。さらにまた、本発明では、作動油タンク側パネルの上部旋回体側面への取付手段としてボルトを用いたがこれに限らず、例えば接着剤やリベット等で取り付けることも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によると、燃料タンク並びにサイドカバー用ブラケットの位置調整が決まれば作動油タンク側パネルの位置も決まるので、従来のように作動油タンクの位置調整後に作動油タンク用パネルの調整を行う必要もなくなり、組立時の時間短縮及び労力低減を図ることができる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施形態に係る上部旋回体の要部詳細図である。
【図2】 本発明の第二実施形態に係る上部旋回体の要部詳細図である。
【図3】 従来の油圧ショベルの側面図である。
【図4】 従来の作動油タンク側パネルの取り付け構造を示す図である。
【符号の説明】
10:サイドカバー用ブラケット
11,23:作動油タンク側パネル
14:燃料タンク側ブラケット
21:補助ブラケット
33:上部旋回体
33c:サイドカバー
33e:燃料タンク
40:作動油タンク
Claims (1)
- 上部旋回体の後端部に搭載されるカウンタウエイトと、該上部旋回体上であって、前記カウンタウエイトの前方に搭載されるエンジン等の機器類と、前記エンジン等の機器類の前方であって、上部旋回体の一側方に前後に並列に配置される作動油タンク及び燃料タンクとを有し、
前記上部旋回体一側面の外形面が、前記燃料タンクの側面と、前記作動油タンクの側方に作動油タンクと別体で配置される作動油タンク側パネルと、前記エンジン等の機器類を覆うサイドカバーとで大略構成される建設機械において、
前記作動油タンクは、前記燃料タンクと前記エンジン等の機器類との間に配置され、
前記作動油タンク側パネルが、前記サイドカバーを支持するサイドカバーブラケットと前記燃料タンクとで位置決め支持されて、略面一の外形面を形成することを特徴とする建設機械。
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