JP4188642B2 - 建設機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車体フレームに防振マウントを介してエンジンを搭載した油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成され、該作業装置を作動させることによって土砂の掘削作業等を行うものである。
【0003】
そして、このような油圧ショベルの上部旋回体は、支持構造体として形成された旋回フレームと、該旋回フレームの前部左側に設けられたキャブと、該キャブの後側に位置して前記旋回フレーム上に複数箇所、例えば4箇所で防振マウントを介して取付けられ、前記作業装置の動力源となるエンジンと、該エンジンに取付けられた油圧ポンプと、前記エンジン、油圧ポンプ等を覆う外装カバーと、前記旋回フレームの後端部に取付けられたカウンタウエイトとによって大略構成されている。
【0004】
また、旋回フレームに搭載されるエンジンは、クランクケースと、該クランクケース上に取付けられたシリンダと、前記クランクケース内に回転可能に設けられたクランク軸と、該クランク軸にコネクティングロッドを介して接続され、前記シリンダ内に往復動可能に挿嵌されたピストンと、前記クランク軸の一端側に取付けられ、熱交換器に冷却風を供給する冷却ファンと、前記クランク軸の出力側となる他端側に取付けられ、該クランク軸の回転を円滑にするフライホイールと、前記クランクケースの軸方向の他側に取付けられ、前記フライホイールを覆うフライホイールカバーとによって大略構成されている。
【0005】
また、エンジンのクランクケースとフライホイールカバーには、防振マウントに対してエンジンを取付けるためのエンジン支持ブラケットがそれぞれ2個ずつ設けられている。この種の従来技術による油圧ショベルは、例えば実開平5−36063号公報等によって知られている。
【0006】
さらに、エンジンに設けられた複数個のエンジン支持ブラケットは、該エンジンのクランクケース、フライホイールカバーと別個に形成され、ボルト等を用いて該クランクケース、フライホイールカバーにそれぞれ取付ける構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるものでは、各エンジン支持ブラケットは、クランクケース、フライホイールカバーと別個に形成しているから、エンジンを構成する部品の他に、4個のエンジン支持ブラケット、該エンジン支持ブラケットをエンジンに取付けるためのボルト等が別途必要になる。
【0008】
従って、エンジンを組立てるときには、多くの部品を組付ける必要があり、組立作業に手間を要してしまい、生産性の低下、製造コストの上昇等を招いてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、エンジンに組付ける部品の数を削減して、組立作業を容易に行なうことができるようにした建設機械を提供することある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による建設機械は、前側に作業装置が取付けられる車体フレームと、該車体フレーム上に設けられ前記作業装置の動力源となるエンジンと、該エンジンの出力側に位置してフライホイールを覆って設けられたフライホイールカバーと、前記エンジンを車体フレームに対して防振状態で支持するため前記車体フレームとフライホイールカバーとの間に複数箇所設けられた防振マウントとを備えている。
【0011】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、フライホイールカバーには、防振マウントに対してエンジンを取付けるため前記フライホイールカバーの軸線と平行で水平方向に延びる舌片状の板体からなるエンジン支持ブラケットと、該エンジン支持ブラケットとフライホイールカバーとの間を該エンジン支持ブラケットの上 , 下方向に三角形状をなして延び該エンジン支持ブラケットの剛性を高める上側補強リブ,下側補強リブとを、鋳造手段によって一体形成する構成としたことにある。
【0012】
このように構成したことにより、エンジン支持ブラケット、上側補強リブおよび下側補強リブは、フライホイールカバーに鋳造手段を用いて一体的に形成されているから、エンジンに組付ける部品の数を削減することができ、組立作業を容易に行なうことができる。しかも、上側補強リブと下側補強リブとはエンジン支持ブラケットの上 , 下方向に三角形状をなして延びることにより、エンジン支持ブラケットの剛性を高めることができ、エンジンの荷重、振動による負荷を十分に受止めることができる。
【0013】
請求項2の発明によると、フライホイールカバーの中心部には、当該フライホイールカバーに油圧ポンプを接続するための開口部を設け、上側補強リブ,下側補強リブは、水平方向に延びるエンジン支持ブラケットのうち前記開口部に近い方の端部側に一体形成する構成としている。
【0014】
このように構成したことにより、エンジン支持ブラケットの上 , 下方向に延びる上側補強リブ,下側補強リブを、水平方向に延びるエンジン支持ブラケットのうちフライホイールカバーの開口部に近い方の端部側に一体形成することができ、これによって、エンジン支持ブラケットの剛性を高めることができ、エンジンの荷重、振動による負荷を十分に受止めることができる。
【0015】
請求項3の発明によると、防振マウントは、軸方向に積層された上側と下側のゴムブッシュと、該各ゴムブッシュを軸方向に貫通し該各ゴムブッシュを挟んで支持する固定ボルトとにより形成し、エンジン支持ブラケットには前記防振マウントのゴムブッシュの外周側が嵌合するゴムブッシュ嵌合穴を一体形成し、車体フレームには前記防振マウントの固定ボルトが締着されるボルト穴を設ける構成としたことにある。
【0016】
このように構成したことにより、フライホイールカバーにエンジン支持ブラケット等を一体形成しても、この部品は車体フレームに比較して非常に小さな部品であるから、切削加工を施す場合には容易に取扱うことができる。これにより、エンジン支持ブラケットにはゴムブッシュ嵌合穴を簡単に形成することができる。一方、非常に大きな部品である車体フレームは、容易に取扱うことができないが、ボルト穴は高い加工精度を必要としないため例えばドリル加工等によって簡単に形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械として小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0020】
まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。1は本実施の形態に適用される建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4とによって大略構成されている。
【0021】
ここで、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム8を有し、該旋回フレーム8上には運転室としてのキャブ5、外装カバー6、作動油タンク、燃料タンク(図示せず)およびカウンタウエイト7等が設けられている。そして、外装カバー6はキャブ5とカウンタウエイト7との間に位置し、後述のエンジン31、油圧ポンプ38等を収容する機械室を画成している。
【0022】
8は支持構造体をなす車体フレームとしての旋回フレームで、該旋回フレーム8は、図2、図3に示すように、後述するセンタフレーム9、エンジン支持台16、左サイドフレーム17、右サイドフレーム19等によって大略構成されている。
【0023】
9は旋回フレーム8の中央部分を構成するセンタフレームで、該センタフレーム9は、中央部に位置して設けられ、前,後方向に長尺なほぼ長円形状の厚板からなる底板10と、該底板10上の右前側寄りに前,後方向に延びて立設された左,右の前縦板11,11と、該各前縦板11の後端部から左,右方向に延びるように前記底板10上に立設された中間縦板12と、該中間縦板12から後側に延びるように前記底板10上の後側寄りに左,右方向に離間して立設された左,右の後縦板13,13と、該各後縦板13間の前部に位置して底板10上に設けられた補強板14と、前記各後縦板13間の後部に位置して底板10上に設けられたウエイト取付板15と、後述のエンジン支持台16とによって大略構成されている。
【0024】
ここで、左,右の前縦板11,11には、作業装置4が俯仰動可能に取付けられている。また、補強板14とウエイト取付板15とは、後述するエンジン31のクランクケース32側を支持する支持台を構成するもので、該補強板14とウエイト取付板15には、後述の防振マウント28,28を取付けるためのボルト穴14A,15Aが形成されている。
【0025】
16,16は左側の後縦板13の左側面に沿って底板10上に立設された前,後のエンジン支持台で、該各エンジン支持台16は、エンジン31のフライホイールカバー34側を支持するもので、上部が水平方向に屈曲した逆L字状の板体として形成されている。また、エンジン支持台16の上部にはボルト穴16Aが形成されている。
【0026】
このボルト穴16Aは、図7に示すように、後述する防振マウント21の固定ボルト25が遊嵌状態で挿通するもので、高い加工精度を必要としない小径な貫通穴として形成され、例えばドリル加工によって容易に穿設することができる。
【0027】
17はセンタフレーム9の左側に設けられた左サイドフレームで、該左サイドフレーム17は、旋回フレーム8全体がほぼ円形状をなすように円弧状に湾曲して形成されている。そして、左サイドフレーム17は、張出しビーム18等を介してセンタフレーム9に取付けられている。
【0028】
また、19はセンタフレーム9の右側に設けられた右サイドフレームで、該右サイドフレーム19は、左サイドフレーム17とほぼ同様に、円弧状に湾曲して形成されている。そして、右サイドフレーム19は、張出しビーム20等を介してセンタフレーム9に取付けられている。
【0029】
次に、21,21は旋回フレーム8のエンジン支持台16,16と後述するエンジン支持ブラケット35,35との間に軸方向に積層して設けられた2個の防振マウントで、該各防振マウント21は、図7に示す如く、エンジン支持ブラケット35を上,下方向から挟むように軸方向に積層して配置され、外周側に嵌合段部22Aが形成された上側と下側のゴムブッシュ22と、該ゴムブッシュ22の軸中心部に軸方向に挿嵌されたスリーブ23と、上側のゴムブッシュ22を上側から押え付ける円環状の押え板24と、該押え板24、各スリーブ23に挿通して設けられた固定ボルト25とによって大略構成され、前記固定ボルト25の先端にはナット26が螺着される。
【0030】
そして、防振マウント21は、エンジン支持ブラケット35を挟むように上側のゴムブッシュ22と下側のゴムブッシュ22を対向して配置し、該各ゴムブッシュ22の嵌合段部22Aをエンジン支持ブラケット35のゴムブッシュ嵌合穴35Aに嵌合する。また、上側のゴムブッシュ22上に押え板24を配置し、固定ボルト25を押え板24、各スリーブ23に貫通させ、その先端部を旋回フレーム8に設けられたエンジン支持台16のボルト穴16Aに挿通し、固定ボルト25の先端部にナット26を螺着する。
【0031】
これにより、固定ボルト25は、ゴムブッシュ22が潰れるのをスリーブ23により防止した状態で、エンジン支持台16と押え板24との間に各ゴムブッシュ22を挟んで固定することができ、防振マウント21は、エンジン支持ブラケット35をエンジン支持台16に取付けることができる。
【0032】
このようにして取付けられた防振マウント21は、エンジン31が振動したときに、この振動に応じて各ゴムブッシュ22を上,下方向と水平方向とに撓ませることにより、このときの振動を吸収することができ、旋回フレーム8にエンジン31を防振状態で支持することができる。
【0033】
また、27は防振マウント21と旋回フレーム8のエンジン支持台16との間に設けられたストッパ部材としてのストッパ筒で、該ストッパ筒27は、円板状に形成された底部27Aと、該底部27Aの周辺部から上向きに突出した短尺な筒部27Bとからなり、前記底部27Aの中心部にはボルト挿通孔27Cが形成されている。
【0034】
また、ストッパ筒27は、底部27Aを防振マウント21の下側のゴムブッシュ22とエンジン支持台16との間に配置し、ボルト挿通孔27Cに固定ボルト25を挿通することにより、防振マウント21と一緒にエンジン支持台16に取付けられている。これにより、ストッパ筒27は、ゴムブッシュ22が軸方向と直交する径方向(水平方向)に大きく撓もうとしたときに、該ゴムブッシュ22を筒部27Bに当接させることにより、該ゴムブッシュ22の撓み量を制限する。そして、ストッパ筒27は、後述するエンジン31の振動(揺れ)を抑制し、該エンジン31が周囲の部材に干渉するのを防止することができる。
【0035】
また、28,28は旋回フレーム8の補強板14,ウエイト取付板15と後述するエンジン31との間に設けられた2個の他の防振マウント(図4中に図示)で、該各防振マウント28は、前述した防振マウント21とほぼ同様に形成されている。そして、防振マウント28は、防振マウント21と協働して旋回フレーム8にエンジン31を防振状態で支持するものである。
【0036】
次に、31は旋回フレーム8の後部側に搭載されたエンジンで、該エンジン31は、図4、図5に示す如く、左,右方向に延在する横置き状態に配設されている。そして、エンジン31は、箱型形状のクランクケース32と、該クランクケース32上に設けられたシリンダ33と、後述のフライホイールカバー34とを備え、これらの内部には、軸線O−Oを回転中心とするクランク軸、該クランク軸に接続されたピストン、前記クランク軸の出力側に取付けられ、該クランク軸の回転を円滑にするフライホイール等が設けられている。
【0037】
34はエンジン31の一部を構成するフライホイールカバーで、該フライホイールカバー34は、フライホイールを覆うようにクランクケース32の出力側に取付けられている。また、フライホイールカバー34は、図6に示す如く、円板状に形成され、その外周側にはクランクケース32にボルト止めするためのボルト挿通孔34A,34A,…が周方向の複数箇所に形成されている。また、フライホイールカバー34の中心部(軸線O−Oの位置)には、後述の油圧ポンプ38を接続するための開口部34Bが形成され、該開口部34Bの周囲は油圧ポンプ38を取付けるための取付座34Cとなっている。
【0038】
35,35は軸線O−Oを挟んでフライホイールカバー34の外周側に設けられた2個のエンジン支持ブラケットで、該各エンジン支持ブラケット35は、防振マウント21に対してエンジン31を取付けるものである。また、各エンジン支持ブラケット35は、後述の補強リブ36,37と一緒にフライホイールカバー34を鋳造等の手段を用いて成形するときに一体的に形成されている。また、各エンジン支持ブラケット35は、フライホイールカバー34から軸線O−Oとほぼ平行で水平方向に延びる舌片状の板体からなり、該フライホイールカバー34に片持ち支持されている。さらに、エンジン支持ブラケット35には、その先端側に位置してゴムブッシュ嵌合穴35Aが上,下方向に貫通して形成されている。
【0039】
ここで、ゴムブッシュ嵌合穴35Aは、ゴムブッシュ22の嵌合段部22Aが嵌合するもので、前述したエンジン支持台16のボルト穴16Aよりも大きな大径穴として形成されている。しかし、エンジン支持ブラケット35は、フライホイールカバー34と一体形成されていても、この一体形成された部品は旋回フレーム8に比較して小さな部品となっている。このため、エンジン支持ブラケット35は、加工作業時に容易に取扱うことができるから、切削加工等によってゴムブッシュ嵌合穴35Aを簡単に加工することができる。
【0040】
また、36,36はエンジン支持ブラケット35,35の上面とフライホイールカバー34との間に設けられた上側補強リブ、37,37はエンジン支持ブラケット35,35の下面とフライホイールカバー34との間に設けられた下側補強リブを示している。また、各補強リブ36,37は、エンジン支持ブラケット35の剛性を高めるもので、水平方向に延びるエンジン支持ブラケット35のうち、フライホイールカバー34の開口部34Bに近い方の端部側に位置して上,下方向に延びるほぼ三角形状の板体として形成されている。そして、各補強リブ36,37は、エンジン支持ブラケット35と一緒にフライホイールカバー34と一体的に形成されている。
【0041】
このように、フライホイールカバー34とエンジン支持ブラケット35と各補強リブ36,37は、鋳造等の手段を用いて一体形成されているから、部品点数を削減して、組立作業を簡略化することができる。しかも、エンジン支持ブラケット35は、各補強リブ36,37によって剛性を高めることができるから、エンジン31の荷重、振動による負荷を十分に受止めることができる。
【0042】
38はエンジン31に取付けられた油圧ポンプ(図4、図5中に図示)で、該油圧ポンプ38は、エンジン31によって回転駆動されることにより、作動油タンク(図示せず)内の作動油を圧油として吐出するものである。また、油圧ポンプ38は、フライホイールカバー34の取付座34Cにボルト止めされている。
【0043】
なお、39はエンジン31に設けられた冷却ファン(図示せず)の前面に位置して旋回フレーム8上に配設されたラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器を示している。
【0044】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0045】
まず、オペレータはキャブ5内に乗り込んで運転席に着座し、走行操作レバーを操作することにより、下部走行体2を走行させる。また、作業操作レバー(いずれも図示せず)を操作したときには、作業装置4を俯仰動させたり、上部旋回体3を旋回させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0046】
また、走行時、作業時には油圧ショベル1が振動し、上部旋回体3に搭載されたエンジン31も振動する。このときに防振マウント21,28は、エンジン31が振動するのを抑制することができる。
【0047】
かくして、本実施の形態によれば、エンジン31のフライホイールカバー34とエンジン31を旋回フレーム8側に取付けるエンジン支持ブラケット35と該エンジン支持ブラケット35の剛性を高める補強リブ36,37とを一体的に形成している。従って、別部材として設けられたエンジン支持ブラケットをボルトを用いてフライホイールカバーに取付ける必要がないから、エンジン31を組立てるときの部品点数を削減することができ、生産性の向上、製造コストの低減を図ることができる。
【0048】
しかも、エンジン支持ブラケット35は、補強リブ36,37によってフライホイールカバー34に対する取付け強度(剛性)を高めることができるから、エンジン31の荷重、振動による負荷に対して強度を得ることができ、耐久性を高めて信頼性を向上することができる。
【0049】
また、フライホイールカバー34、エンジン支持ブラケット35等を一体的に形成しても、この一体形成された部品は旋回フレーム8に比較して小さな部品となっているから、加工作業時に容易に取扱うことができ、エンジン支持ブラケット35には、切削加工等によって大径なゴムブッシュ嵌合穴35Aを簡単に加工することができる。
【0050】
一方、旋回フレーム8のエンジン支持台16には、固定ボルト25が遊嵌状態で挿通するボルト穴16Aを形成しているから、高い加工精度を必要としない小径なボルト穴16Aをドリル加工等によって簡単に穿設することができる。これにより、ゴムブッシュ嵌合穴35Aとボルト穴16Aとの両方を簡単に形成することができ、作業性を向上することができる。
【0051】
さらに、防振マウント21のゴムブッシュ22と旋回フレーム8のエンジン支持台16との間には、ゴムブッシュ22の撓み量を制限するストッパ筒27を設けているから、エンジン31が大きく振動して周囲の部材に干渉するのを防止できる。また、ストッパ筒27は、防振マウント21と一緒に旋回フレーム8に簡単に取付けることができる。
【0052】
次に、図8は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、エンジン支持ブラケットには、防振マウントを形成するゴムブッシュの撓み量を制限するストッパ部材を設けたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0053】
41は本実施の形態によるフライホイールカバー、42は該フライホイールカバー41に設けられたエンジン支持ブラケット、43,44は該エンジン支持ブラケット42とフライホイールカバー41との間に設けられた補強リブをそれぞれ示し、これらのフライホイールカバー41、エンジン支持ブラケット42、補強リブ43,44は、前述した第1の実施の形態によるフライホイールカバー34、エンジン支持ブラケット35、補強リブ36,37とほぼ同様に形成されている。
【0054】
しかし、本実施の形態によるエンジン支持ブラケット42は、後述のストッパ筒45が一体的に設けられている点で第1の実施の形態によるエンジン支持ブラケット35と相違している。
【0055】
45はエンジン支持ブラケット42の下面側に設けられたストッパ部材としてのストッパ筒で、該ストッパ筒45は、ゴムブッシュ嵌合穴42Aの周囲からゴムブッシュ22側に延びて形成されている。これにより、ストッパ筒45は、ゴムブッシュ22が大きく撓もうとしたときに、該ゴムブッシュ22に当接して撓み量を制限することができる。
【0056】
かくして、このように構成された本実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態によれば、ストッパ筒45は、エンジン支持ブラケット42に一体的に設けているから、この点においても部品点数の削減、組立作業性の向上を図ることができる。
【0057】
なお、第1の実施の形態では、エンジン31にはクランク軸によって駆動される冷却ファンを設けるものとして説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば冷却ファンをエンジン31から切離し、モータによって駆動する構成としてもよい。
【0058】
また、各実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧クレーン等の他の建設機械に適用してもよいものである。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、エンジンの出力側に位置してフライホイールを覆うフライホイールカバーには、防振マウントに対して前記エンジンを取付けるため前記フライホイールカバーの軸線と平行で水平方向に延びる舌片状の板体からなるエンジン支持ブラケットと、該エンジン支持ブラケットとフライホイールカバーとの間を該エンジン支持ブラケットの上 , 下方向に三角形状をなして延び該エンジン支持ブラケットの剛性を高める上側補強リブ,下側補強リブとを、鋳造手段によって一体形成する構成としている。従って、エンジン支持ブラケットをフライホイールカバーに取付ける必要がなくなるから、エンジンに組付ける部品の数を削減して組立作業を容易に行なうことができ、生産性の向上、製造コストの低減を図ることができる。また、上側補強リブと下側補強リブとにより、部品点数を増大することなく、エンジン支持ブラケットの剛性を高めることができ、エンジンの荷重、振動による負荷を十分に受止めることができ、耐久性を高めて信頼性を向上することができる。
【0060】
請求項2の発明によれば、フライホイールカバーの中心部には、当該フライホイールカバーに油圧ポンプを接続するための開口部を設け、上側補強リブ,下側補強リブは、水平方向に延びるエンジン支持ブラケットのうち前記開口部に近い方の端部側に一体形成する構成としている。これにより、エンジン支持ブラケットの上 , 下方向に延びる上側補強リブ,下側補強リブを、水平方向に延びるエンジン支持ブラケットのうちフライホイールカバーの開口部に近い方の端部側に一体形成することができ、これによって、エンジン支持ブラケットの剛性を高めることができ、エンジンの荷重、振動による負荷を十分に受止めることができると共に、耐久性を高めて信頼性を向上することができる。
【0061】
請求項3の発明によれば、防振マウントは、軸方向に積層された上側と下側のゴムブッシュと、該各ゴムブッシュを軸方向に貫通し該各ゴムブッシュを挟んで支持する固定ボルトとにより形成し、エンジン支持ブラケットには前記防振マウントのゴムブッシュの外周側が嵌合するゴムブッシュ嵌合穴を設け、車体フレームには前記防振マウントの固定ボルトが締着されるボルト穴を設ける構成としている。
【0062】
従って、フライホイールカバーにエンジン支持ブラケット等を一体形成しても、この部品は車体フレームに比較して非常に小さな部品であるから、切削加工を施す場合には容易に取扱うことができる。これにより、エンジン支持ブラケットにはゴムブッシュ嵌合穴を簡単に形成することができる。
【0063】
一方、非常に大きな部品である車体フレームは、容易に取扱うことができないが、ボルト穴は高い加工精度を必要としないため例えばドリル加工等によって簡単に形成することができる。この結果、ゴムブッシュ嵌合穴とボルト穴との両方を簡単に形成することができ、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】旋回フレームを単体で示す正面図である。
【図3】旋回フレームを単体で示す平面図である。
【図4】旋回フレームにエンジン、油圧ポンプ、熱交換器を搭載した状態で示す平面図である。
【図5】旋回フレームの後部、防振マウント、エンジン等を示す要部拡大の正面図である。
【図6】フライホイールカバー、エンジン支持ブラケット、補強リブを一体形成した部品を拡大して示す外観斜視図である。
【図7】エンジン支持台、エンジン支持ブラケット、防振マウント、ストッパ筒を図4中の矢示VII−VII方向から拡大して示す縦断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態によるエンジン支持ブラケット、ストッパ筒をエンジン支持台、防振マウントと一緒に拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械)
8 旋回フレーム(車体フレーム)
16 エンジン支持台
16A ボルト穴
21,28 防振マウント
22 ゴムブッシュ
22A 嵌合段部
25 固定ボルト
27,45 ストッパ筒(ストッパ部材)
31 エンジン
34,41 フライホイールカバー
35,42 エンジン支持ブラケット
35A,42A ゴムブッシュ嵌合穴
36,37,43,44 補強リブ
Claims (3)
- 前側に作業装置が取付けられる車体フレームと、該車体フレーム上に設けられ前記作業装置の動力源となるエンジンと、該エンジンの出力側に位置してフライホイールを覆って設けられたフライホイールカバーと、前記エンジンを車体フレームに対して防振状態で支持するため前記車体フレームとフライホイールカバーとの間に複数箇所設けられた防振マウントとを備えてなる建設機械において、
前記フライホイールカバーには、前記防振マウントに対して前記エンジンを取付けるため前記フライホイールカバーの軸線と平行で水平方向に延びる舌片状の板体からなるエンジン支持ブラケットと、該エンジン支持ブラケットとフライホイールカバーとの間を該エンジン支持ブラケットの上 , 下方向に三角形状をなして延び該エンジン支持ブラケットの剛性を高める上側補強リブ,下側補強リブとを、鋳造手段によって一体形成する構成としたことを特徴とする建設機械。 - 前記フライホイールカバーの中心部には、当該フライホイールカバーに油圧ポンプを接続するための開口部を設け、前記上側補強リブ,下側補強リブは、前記水平方向に延びる前記エンジン支持ブラケットのうち前記開口部に近い方の端部側に一体形成する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
- 前記防振マウントは、軸方向に積層された上側と下側のゴムブッシュと、該各ゴムブッシュを軸方向に貫通し該各ゴムブッシュを挟んで支持する固定ボルトとにより形成し、前記エンジン支持ブラケットには前記防振マウントのゴムブッシュの外周側が嵌合するゴムブッシュ嵌合穴を一体形成し、前記車体フレームには前記防振マウントの固定ボルトが締着されるボルト穴を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
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