JP3636521B2 - フイルム箱詰め方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フイルムが収容された筒状容器をハンガー付き箱体内に装填した後、前記ハンガー付き箱体と他のハンガー付き箱体とをそれぞれ所望の数ずつ箱部材に一体的に装填するフイルム箱詰め方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、写真フイルムでは、遮光状態で巻回された未露光フイルムが合成樹脂製の筒状容器に収容された後、この筒状容器が紙製箱体に装填されている。この種の箱体としては、立方体形状を有する箱体の他、吊り下げ用に板状のハンガー部が一体的に設けられたハンガー付き箱体が採用されている。
【0003】
ところで、上記の箱体は、複数個(例えば、4〜6個)ずつ箱部材内に一体的に装填され、さらに複数個の箱部材を一体的にケース内に収納した状態で出荷されている。このため、工場内では、未露光フイルムが収容された筒状容器を箱体内に装填した後、前記箱体を所望の数ずつ箱部材に一体的に装填し、次いで、所望の数の前記箱部材をケース内に一体的に収納するフイルム箱詰め作業が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、箱体として上記のハンガー付き箱体を用いる場合、板状のハンガーが存在するためにこの箱体の取り扱い作業が煩雑となり、フイルム箱詰め作業全体の自動化が困難になるという問題が指摘されている。特に、種類の異なるハンガー付き箱体を、それぞれ複数個ずつ互いのハンガーを逆向きにして一体的に箱部材に装填する際に、前記フイルム箱詰め作業の自動化および効率化が遂行されないという問題がある。
【0005】
本発明は、この種の問題を解決するものであり、ハンガー付き箱体を用いて自動的かつ効率的なフイルム箱詰め作業を可能にするフイルム箱詰め方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、フイルムが収容された筒状容器をハンガー付き箱体内に挿入した後、このハンガー付き箱体を所定の姿勢で順次搬送するとともに、所望の数のハンガー付き箱体と他のハンガー付き箱体とを、互いのハンガー部分と箱体部分とを重ね合わせるようにして一体的に整列させて箱部材に自動的に収納する。このため、筒状容器をハンガー付き箱体に挿入した後、種類の異なるハンガー付き箱体同士を一体的に箱部材に収納するまでの作業が、自動的かつ効率的に遂行される。
【0007】
さらに、整列搬送機構、箱詰め機構、箱体搬送機構および投入機構が、第1〜第4制御部により個別に制御自在である。従って、各作業を個別に行うことが可能になり、種々の仕様の変更等に容易に対応することができ、汎用性および作業性の向上が図られる。また、第1〜第4制御部が主制御部で一括して制御されることにより、フイルム箱詰め作業全体が円滑かつ確実に遂行される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るフイルム箱詰め装置10の全体構成を示す概略平面図であり、図2は、このフイルム箱詰め装置10の動作を示す工程図である。
【0009】
フイルム箱詰め装置10は、未露光フイルム12が収容された筒状容器14を整列して搬送する整列搬送機構16と、吊り下げ用の板状のハンガー18を一体的に有した箱体20内に前記筒状容器14を挿入する箱詰め機構22と、前記筒状容器14が挿入された前記箱体20を所定の姿勢に変換して順次搬送する箱体搬送機構24と、前記箱体搬送機構24により搬送される箱体20を所望の数だけ取り出し、該所望の数の箱体20と他の箱体搬送機構25から搬入される所望の数の他の箱体20aとをそれぞれのハンガー18、18aを互いに逆方向に向けた状態で一体的に整列させて箱部材26に収納する投入機構28とを備える。
【0010】
図1に示すように、整列搬送機構16、箱詰め機構22、箱体搬送機構24および投入機構28は、それぞれ第1〜第4制御部30、32、34および36により個別に制御自在に構成されるとともに、この第1〜第4制御部30〜36は、主制御部38を介し一括して制御可能である。
【0011】
図1および図3に示すように、整列搬送機構16は、未露光フイルム12が収容された筒状容器14が多数個導入されるサイロ40と、このサイロ40の導出口42から供給される前記筒状容器14を送り出す第1リフトコンベア44と、この第1リフトコンベア44から供給される前記筒状容器14を上方に搬送しながら一列に整列させる第2リフトコンベア46と、この第2リフトコンベア46から一列で送り出される該筒状容器14を箱詰め機構22に所望の姿勢で送り出すシュート48とを備える。
【0012】
第2リフトコンベア46には、この第2リフトコンベア46に供給されている筒状容器14の残量を検出するための第1および第2フォトセンサ50、52が配設される一方、シュート48には、このシュート48を通過する前記筒状容器14を検出するための第3フォトセンサ54が配設される(図3参照)。第2リフトコンベア46は、図示しないスクリューにより筒状容器14を巻き上げるように構成されるとともに、上方に向かって幅狭に形成されており、その通路上には、前記筒状容器14同士が重なり合って損傷することを防止するためにゴム部材56が装着されている。
【0013】
箱詰め機構22は、シュート48を介して一列に整列されて順次供給される筒状容器14を箱詰めステーション58に搬送するコンベア60を備え、このコンベア60に平行して箱体搬送コンベア62が配設される。箱体搬送コンベア62の上流側には、整箱前の箱体20を供給するための箱体供給部64が設けられ、この箱体供給部64に近接して整箱手段66が配設される。この整箱手段66は、実質的には箱体20を吸着してこの箱体20を整箱するための吸着盤(図示せず)を備えている。
【0014】
箱詰めステーション58には、複数の押圧ロッド68が配設される。この押圧ロッド68は、コンベア60上に配置されて矢印A方向に搬送される筒状容器14を、箱体搬送コンベア62上に配置されて矢印A方向に搬送される箱体20内に挿入するために矢印B方向(矢印A方向に直交する方向)に進退自在に構成される。この箱詰めステーション58の下流側には、筒状容器14が挿入された箱体20のフラップ21に糊付けするためのホットメルト手段70が配設される。
【0015】
コンベア60には、筒状容器14のキャップ部14aの有無を検知するための第4フォトセンサ72が配設される。箱体搬送コンベア62には、この箱体搬送コンベア62上の所定の位置に箱体20が配置されたか否かを検出する第5フォトセンサ74と、糊付け後の箱体20内の中身(筒状容器14)の有無を検出する静電容量型センサ76と、前記箱体20のフラップずれを検知する第6フォトセンサ78とが配設される。
【0016】
箱体搬送コンベア62の下流側には、箱体20の両側部を把持して箱体搬送機構24に送り出す一対のベルト80a、80bと、このベルト80a、80bに把持されて搬送途上の前記箱体20に対して印字を行うためのレーザプリンタ82とが配置される。ベルト80a、80bの下流側前方には、姿勢変換手段を構成する棒体84が配設されるとともに、この棒体84の下方には、箱体搬送機構24が配設される。
【0017】
箱体搬送機構24は、各箱体20同士の間隔を調整するために速度の異なる複数の搬送コンベア86a〜86dを備える。搬送コンベア86aには、箱体20の搬送中、または停止時にこの箱体20の重量を検出して正常品以外を排出するためのウエイトチェッカー(図示せず)が設けられている。図1に示すように、搬送コンベア86bには、この搬送コンベア86b上の箱体20の有無を検出するための第7フォトセンサ88が配設される。
【0018】
図1および図4に示すように、投入機構28は、基台90を備え、この基台90上に搬送コンベア86bの端部に連設してコンベア92が載置される。このコンベア92上には、箱体20の有無を検出する第8フォトセンサ94と、箱体係止手段96とが装着される。箱体係止手段96は、箱体20の一方の側部に係合する固定パッド98と、シリンダ100に連結されて揺動自在なリンク102に固定され、前記箱体20の他方の側部に係合自在な可動パッド104とを備える。
【0019】
箱体係止手段96の下流側には、箱体先端規制手段106とハンガー押さえ手段107とが配設される。箱体先端規制手段106は、シリンダ108を備え、このシリンダ108から矢印B方向に延在するロッド110には、コンベア92上に延在するストッパ112の端部が固着される。ハンガー押さえ手段107は、ハンガー18の両端部側に向かってエアを噴射するためのエアノズル113a、113bを備えている。
【0020】
箱体先端規制手段106に保持されている所定数(例えば、8個)の箱体20を、それぞれ4個ずつ取り出して第1および第2整列ステーション114a、114bに送り出す第1および第2箱体取り出し手段116、118が、基台90上に装着される。
【0021】
第1箱体取り出し手段116は、ロータリアクチュエータ120を備え、このロータリアクチュエータ120に連結されるロータリアーム122の先端に、矢印B方向に配列して第1〜第4吸着盤124a〜124dが取着される。この第1〜第4吸着盤124a〜124dは、真空ポンプ125(図1参照)に連通しており、コンベア92上の箱体20同士の間隔に対応してそれぞれの離間間隔が設定されている。
【0022】
第1〜第4吸着盤124a〜124dは、コンベア92上で下方向に指向してその吸着面を箱体20に対向させる一方、このコンベア92上から約180度反転した位置でそれぞれの吸着面を上方に向かうように配置する。この上向き位置には、第1〜第4吸着盤124a〜124dを通過させるための溝部126を有したガイド部材128が矢印B方向に沿って配置されている。ガイド部材128に平行して走行路130が設けられ、この走行路130には、ロッドレスシリンダ132が矢印B方向に進退自在に装着される。ロッドレスシリンダ132は、取付部材134を介してロータリアクチュエータ136を設けており、このロータリアクチュエータ136には、約90度の角度で回動自在な押圧ロッド138が連結される。
【0023】
ガイド部材128の矢印B方向前方に設けられる第1整列ステーション114aは、矢印C方向に走行する箱体コンベア140の上方に配置されて開閉自在な載置板142a、142bを備える。図5に示すように、シリンダ144から水平方向に延在するロッド146に長尺リンク148の一端部が係合するとともに、この長尺リンク148の他端部に載置板142aがピン150と長穴152を介して係合する。長尺リンク148の支点位置に第1歯車154が固着され、この第1歯車154に歯合する第2歯車156は、短尺リンク158の一端側支点位置に固着される。短尺リンク158の他端には、載置板142bがピン160と長穴162を介して係合する。
【0024】
第2箱体取り出し手段118および第2整列ステーション114bは、上記した第1箱体取り出し手段116および第1整列ステーション114aと同様に構成されており、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0025】
図1に示すように、箱体コンベア140に平行して箱体搬送機構25が配設される。この箱体搬送機構25は、箱体20とは異なる種類のハンガー付き箱体20aを搬送するものであり、この箱体20a内には、図示しないが、箱体20と同様に未露光フイルムを収容した筒状容器が収納されている。
【0026】
箱体搬送機構25の端部に位置して取り出しロボット172が配設され、この取り出しロボット172は、前記箱体搬送機構25上の箱体20aを所定の数、例えば1〜3個取り出して箱体コンベア140上の各バケット141に送り出す。箱体20aは、箱体コンベア140上のバケット141内において、ハンガー18aが下側にかつ矢印B方向下流側に位置して配置される。この箱体コンベア140上には、箱体20aを前記箱体コンベア140上で矢印B方向下流側の係止板174に押圧位置決めするための押圧手段(図示せず)が配置される。
【0027】
箱体コンベア140の搬送方向(矢印C方向)下流側に箱体挿入ステーション178が設けられるとともに、この箱体コンベア140に平行して箱部材搬送路180が併設される。箱部材搬送路180は、製箱された箱部材182を矢印C方向に搬送するように構成され、この箱部材182内に所定数の箱体20、20aが一体的に挿入される。箱部材搬送路180上には、図示しないが、フラップ糊付け用ホットメルト手段および印字手段等が配置されている。
【0028】
このように構成されるフイルム箱詰め装置10の動作について、本実施形態に係るフイルム箱詰め方法との関連で以下に説明する。
【0029】
図2を参照して、本実施形態に係るフイルム箱詰め方法の概略を説明すると、先ず、未露光フイルム12が収容された筒状容器14は、整列搬送機構16を介してキャップ部14aを一方に向けて一列ずつ整列搬送され、箱詰め機構22でこの筒状容器14に並列して搬送される箱体20内に挿入される。次いで、箱体20のフラップ21に糊付けが行われ、この箱体20のハンガー18の裏面側に所定の印字処理が施された後、箱体搬送機構24で前記箱体20が反転されてハンガー18が下方にかつ搬送方向下流側に配置される。
【0030】
さらに、投入機構28では、箱体20が所定の数、例えば、4個ずつ一組として取り出される。各4個の箱体20aと所望の数、例えば2個の他の箱体20aとが、それぞれのハンガー18、18aを互いに逆方向に向けて一体的に整列される。この整列された全6個の箱体20、20aは、箱部材26内に一体的に挿入される。
【0031】
次に、フイルム箱詰め装置10との関連で、以下に詳細に説明する。なお、フイルム箱詰め装置10は、主制御部38を介して第1〜第4制御部30、32、34、36が一括して制御されることにより、以下の動作を連続して行う。
【0032】
図1および図3に示すように、サイロ40内の筒状容器14は、導出口42から第1リフトコンベア44に送り出され、この第1リフトコンベア44の作用下に第2リフトコンベア46に供給される。この第2リフトコンベア46では、第1および第2フォトセンサ50、52を介して筒状容器14の残量が検出されており、第1および第2フォトセンサ50、52により一定時間の入光が検出されると、サイロ40側の第1リフトコンベア44が駆動されて前記第2リフトコンベア46に筒状容器14が供給される。
【0033】
第2リフトコンベア46が駆動されて筒状容器14が上方に巻き上げられると、この第2リフトコンベア46の上方側が幅狭に構成されているため、前記筒状容器14は、該第2リフトコンベア46の上方側に至る時点で略一列に配列される。その際、第2リフトコンベア46には、ゴム部材56が配置されており、この第2リフトコンベア46に沿って上昇される筒状容器14に傷等が発生することを阻止することができる。
【0034】
第2リフトコンベア46の上部側からシュート48に送り出された筒状容器14は、一列に整列されて箱詰め機構22を構成するコンベア60に送り出される。筒状容器14は、コンベア60に沿って矢印A方向に搬送され、第4フォトセンサ72によりこの筒状容器14のキャップ部14aの有無が検知される。
【0035】
ここで、キャップ部14aが「ない」と判定されると、箱体20の取り出しが行われず、筒状容器14は、ストック部(図示せず)に送り出される。一方、キャップ部14aが「ある」と判定されると、箱体供給部64から製箱前の箱体20が箱体搬送コンベア62上に送り出され、製箱手段66で製箱された後、箱詰めステーション58に搬送される。この箱詰めステーション58では、複数の押圧ロッド68が矢印B方向に進退駆動され、これによりコンベア60上の筒状容器14が箱体20内に挿入される。
【0036】
筒状容器14が挿入された箱体20は、矢印A方向に搬送されてホットメルト手段70を介してフラップ21の糊付けが行われた後、静電容量型センサ76で金属検出を行い、中身の検知がなされる。また、同位置で、第6フォトセンサ78を介して箱体20のフラップずれの検知を行い、フラップずれが、例えば1.5mm以上であればNGとして、次ステップにて排出処理が施される。
【0037】
正常な箱体20は、箱体搬送コンベア62からベルト80a、80bに移送され、このベルト80a、80bでその両側部が挟持されて矢印A方向に搬送されながら、レーザプリンタ82による印字処理が施される。
【0038】
その後、図6Aおよび図6Bに示すように、箱体20が棒体84に係止されて90度反転した状態で搬送コンベア86aに一旦載置され、さらにこの棒体84にハンガー18が当接して90度反転する(図6C参照)。このため、箱体20は180度反転されてハンガー18が下方にかつ搬送方向下流側に向かって位置決めされる。
【0039】
箱体20は、搬送コンベア86a〜86dに順次移送されながら図示しないウエイトチェッカーでこの箱体20の中身が正常品であるか否かが検出され、正常品以外は排出され、正常な箱体20のみが投入機構28を構成するコンベア92に順次送られる。ここで、後述するように、第1および第2箱体取り出し手段116、118により所定数ずつの箱体20が取り出される際、コンベア92上に停止されている箱体20に負荷がかかることを阻止する必要がある。このため、第7フォトセンサ88により搬送コンベア86b上の箱体20を検出し、搬送コンベア86a〜86dを間欠駆動するように制御する。
【0040】
投入機構28に送り込まれた箱体20は、第8フォトセンサ94により検出されてコンベア92を介し矢印B方向に順次搬送され、その最先端に位置する箱体20が、図4中、二点鎖線で示す位置に配置されているストッパ112に当接支持される。ストッパ112と箱体係止手段96との間で8個の箱体20が整列された時点で、この箱体係止手段96を構成するシリンダ100が駆動される。これにより、可動パッド104が固定パッド98側に揺動して9番目以降の箱体20が挟持される。この状態で、箱体先端規制手段106を構成するシリンダ108が駆動されてロッド110と一体的にストッパ112が矢印B方向に移動し、このストッパ112に当接支持されている8個の箱体20は、コンベア92を介して矢印B方向に移動して取り出し位置に配置される。
【0041】
そこで、第1箱体取り出し手段116を構成するロータリアクチュエータ120が駆動され、ロータリアーム122がコンベア92側に揺動する(図7中、二点鎖線参照)。このため、ロータリアーム122の先端部に設けられている第1〜第4吸着盤124a〜124dは、ストッパ112に当接してコンベア92上に配置されている8個の箱体20の中、5番目〜8番目の箱体20に当接し、真空ポンプ125の作用下にこれらを吸着する。
【0042】
次いで、ロータリアクチュエータ120が駆動され、ロータリアーム122を介して第1〜第4吸着盤124a〜124dがそれぞれ箱体20を吸着した状態でコンベア92からガイド部材128側に旋回する。その際、第1〜第4吸着盤124a〜124dは、ガイド部材128に形成された溝部126内に進入して4個の箱体20のみをこのガイド部材128上に載置させる(図7中、実線参照)。
【0043】
真空ポンプ125による第1〜第4吸着盤124a〜124dの吸着作用が解除された後、図4に示すように、ロータリアクチュエータ136が駆動されて押圧ロッド138がガイド部材128側に旋回され、ロッドレスシリンダ132の駆動作用下にこの押圧ロッド138が第1整列ステーション114a側に移動する。これにより、4 個の箱体20は、矢印B方向に移動して載置板142a、142b上に配置される。
【0044】
上記のように、第1箱体取り出し手段116を介して4個の箱体20がガイド部材128側に取り出された後、第2箱体取り出し手段118が駆動される。従って、コンベア92上にストッパ112を介して位置決めされている残り4個の箱体20は、第2箱体取り出し手段118を構成するガイド部材128上に取り出された後、第2整列ステーション114b側に送り出される。
【0045】
一方、箱体搬送機構25により搬送されてくる他の箱体20aは、取り出しロボット172を介して箱体コンベア140上の各バケット141内に2個ずつ送り込まれる。そして、箱体コンベア140が矢印C方向に走行し、この箱体コンベア140上の各バケット141内に配置されている箱体20aが第1および第2整列ステーション114a、114bに対応して搬送される。
【0046】
ここで、第1および第2整列ステーション114a、114bに設けられている各シリンダ144が駆動され、ロッド146が内方に変位して長尺リンク148が、図5中、矢印D方向に揺動する。このため、長尺リンク148に固着されている第1歯車154が回転し、これに噛合する第2歯車156を介して短尺リンク158が矢印E方向に揺動する。従って、長尺リンク148および短尺リンク158の上端部にピン150、160および長穴152、162を介して係合する載置板142a、142bは、互いに離間する方向に変位し、これに載置されている各4個ずつの箱体20が、箱体コンベア140上に落下する。
【0047】
その際、載置板142a、142b上の箱体20は、コンベア92上の姿勢から反転されており、ハンガー18が上方にかつ矢印B方向後方側に位置している。一方、箱体コンベア140上の他の箱体20aは、ハンガー18aが下方にかつ矢印B方向先端側に位置している。これにより、箱体20と箱体20aとは、それぞれのハンガー18、18aを逆方向に向けて各バケット141内で一体的に整列される。
【0048】
ところで、他の箱体20aが、箱体コンベア140上のバケット141内に間隔を置いて搬入される際には、第1箱体取り出し手段116のみが駆動される。すなわち、先ず、ストッパ112を介してコンベア92上に8個の箱体20が位置決めされた状態で、5番目から8番目の箱体20が第1箱体取り出し手段116を介してガイド部材128側に取り出される。
【0049】
次いで、シリンダ108を介してストッパ112が、図4中、実線の位置から二点鎖線の位置に戻るとともに、このストッパ112に支持されている4個の箱体20の中、第4番目の箱体20のハンガー18に向かってエアノズル113a、113bからエアが導出される。この状態で、箱体係止手段96を構成するシリンダ100が駆動されて可動パッド104が箱体20から離間し、次なる4個の箱体20がストッパ112に支持されている4個の箱体20側に整列される。
【0050】
このように、ストッパ112に支持されている4番目の箱体20のハンガー18は、エア圧によってコンベア92に対して押圧保持されており、このハンガー18が上方に浮き上がって新たに搬送されてくる箱体20に干渉することを阻止できる。
【0051】
さらに、シリンダ108が駆動されてストッパ112が実線の位置まで進出し、このストッパ112に8個の箱体20が位置決めされるとともに、それ以外の箱体20は、箱体係止手段96を介して保持される。
【0052】
箱体コンベア140上の各バケット141内に4個の箱体20と2個の箱体20aが一体的に整列された後、これらの箱体20、20aは、箱体挿入ステーション178に搬送される。この箱体挿入ステーション178では、箱部材搬送路180を介して箱部材26が製箱された状態で搬送され、所定数の箱体20、20aが、図示しないプッシャーを介して前記箱部材26内に挿入される。その後、箱部材26には、フラップの糊付け(ホットメルト処理)や印字処理等が施される。
【0053】
この場合、本実施形態では、図2に示すように、未露光フイルム12が収容された筒状容器14を箱体20に挿入した後、この箱体20と他の箱体20aとを互いに逆向きにして所定の数ずつ一体的に整列させ、さらに箱部材26内に収納するまでの作業を、自動的に一括して行うことができる。これにより、フイルム箱詰め作業全体が、従来の手作業によるものに比べて、一挙に効率的に遂行されるという効果が得られる。
【0054】
さらに、本実施形態では、筒状容器14を一列に整列搬送する整列搬送機構16、この筒状容器14を箱体20内に挿入する箱詰め機構22、前記筒状容器14が挿入された箱体20を順次搬送する箱体搬送機構24、および4個の前記箱体20と2個の他の箱体20aとをそれぞれのハンガー18、18aを互いに逆方向に向けて一体的に整列させて箱部材26内に収納する投入機構28を、第1〜第4制御部30、32、34、36により個別に制御自在である。
【0055】
すなわち、整列搬送機構16、箱詰め機構22、箱体搬送機構24および投入機構28は、第1〜第4制御部30、32、34、36を介してそれぞれの作業を個別に行うことが可能になる。これにより、フイルム箱詰め装置10において、種々の仕様の変更等が発生した際にも容易に対応することができ、汎用性および作業性が有効に向上するという利点がある。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るフイルム箱詰め方法および装置では、フイルムが収容された筒状容器をハンガー付箱体内に挿入した後、所望の数のハンガー付箱体と他のハンガー付箱体とを、それぞれのハンガーを逆にした状態で一体的に整列させて箱部材に収納するまでの作業が、自動的に一括して遂行される。このため、フイルム箱詰め作業全体の効率化が容易に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るフイルム箱詰め装置の概略平面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係るフイルム箱詰め方法の概略説明図である。
【図3】前記フイルム箱詰め装置を構成する整列搬送機構および箱詰め機構の側面説明図である。
【図4】前記フイルム箱詰め装置を構成する投入機構の平面説明図である。
【図5】前記投入機構の一部側面図である。
【図6】前記フイルム箱詰め装置を構成する箱体搬送機構の動作説明図であり、
図6Aは、前記箱詰め機構から前記箱体搬送機構に箱体が搬送される直前の説明図であり、
図6Bは、前記箱体が前記箱体搬送機構に受け渡された直後の説明図であり、
図6Cは、前記箱体が前記箱体搬送機構により搬送される際の説明図である。
【図7】前記投入機構の動作を示す側面図である。
【符号の説明】
10…フイルム箱詰め装置 12…未露光フイルム
14…筒状容器 16…整列搬送機構
18、18a…ハンガー 20、20a…箱体
22…箱詰め機構 24、25…箱体搬送機構
26…箱部材 28…投入機構
30、32、34、36…制御部 38…主制御部
44、46…リフトコンベア 48…シュート
58…箱詰めステーション 60…コンベア
62…箱体搬送コンベア 80a、80b…ベルト
84…棒体 96…箱体係止手段
106…箱体先端規制手段 114a、114b…整列ステーション
116、118…箱体取り出し手段 124a〜124d…吸着盤
140…箱体コンベア 142a、142b…載置板

Claims (3)

  1. 製箱前のハンガー付き箱体を箱体搬送路に供給し、前記箱体搬送路上で前記ハンガー付き箱体を製箱する工程と、
    フイルムが収容された筒状容器を、前記箱体搬送路に並列される搬送路に沿って整列搬送する工程と、
    前記筒状容器を搬送方向に交差する方向に押圧し、該筒状容器を前記製箱されたハンガー付き箱体内に挿入する工程と、
    前記筒状容器が挿入された前記ハンガー付き箱体のフラップを糊付けする工程と、
    前記フラップが糊付けされた前記ハンガー付き箱体を、ハンガー部分が第1位置に位置した定姿勢で順次搬送する工程と、
    前記所定姿勢で搬送される前記ハンガー付き箱体を所望の数だけ取り出し、該所望の数のハンガー付き箱体を、ハンガー部分が前記第1位置とは逆の第2位置に位置しかつ前記ハンガー部分が前記所定姿勢とは逆方向に向かう反転姿勢に反転する工程と、
    前記反転姿勢のハンガー付き箱体と前記所定姿勢の他のハンガー付き箱体とを、互いのハンガー部分と箱体部分とを重ね合わせるようにして一体的に整列させる工程と、
    前記整列された所定数のハンガー付き箱体を箱部材内に一体的に収容する工程と、
    を有し、前記各工程を自動的に一括して行うことを特徴とするフイルム箱詰め方法。
  2. 製箱前のハンガー付き箱体を箱体搬送路に供給し、前記箱体搬送路上で前記ハンガー付き箱体を製箱する製箱機構と、
    フイルムが収容された筒状容器を、前記箱体搬送路に並列される搬送路に沿って整列搬送するとともに、前記筒状容器を搬送方向に交差する方向に押圧し、該筒状容器を前記製箱されたハンガー付き箱体内に挿入する箱詰め機構と、
    前記筒状容器が挿入された前記ハンガー付き箱体のフラップを糊付けする糊付け機構と、
    前記フラップが糊付けされた前記ハンガー付き箱体を、ハンガー部分が第1位置に位置した定姿勢で順次搬送する箱体搬送機構と、
    前記箱体搬送機構により搬送される前記ハンガー付き箱体を所望の数だけ取り出し、該所望の数のハンガー付き箱体を、ハンガー部分が前記第1位置とは逆の第2位置に位置しかつ前記ハンガー部分が前記所定姿勢とは逆方向に向かう反転姿勢に反転するとともに、前記反転姿勢のハンガー付き箱体と前記所定姿勢の他のハンガー付き箱体とを、互いのハンガー部分と箱体部分とを重ね合わせるようにして一体的に整列させて箱部材に収容する投入機構と、
    を備えることを特徴とするフイルム箱詰め装置。
  3. 請求項2記載のフイルム箱詰め装置において、前記整列搬送機構を個別に制御自在な第1制御部と、
    前記箱詰め機構を個別に制御自在な第2制御部と、
    前記箱体搬送機構を個別に制御自在な第3制御部と、
    前記投入機構を個別に制御自在な第4制御部と、
    前記第1乃至第4制御部を一括して制御可能な主制御部と、
    を備えることを特徴とするフイルム箱詰め装置。
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