JP3634981B2 - Pc鋼より線巻付方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的高さのあるコンクリート構造物、例えば高さ50m以上の橋脚などにおいて、地震等の強振動に対する靱性・耐荷重性の向上のために縦方向の主筋にPC鋼より線を巻付けるPC鋼より線巻付方法及び該方法の実施に使用して好適とされる巻付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
橋脚等の縦長コンクリート構造物の靱性・耐荷重性を向上させるためとして、該構造物中の縦方向の主筋に外側から巻付ける帯状筋に代えてPCストランドを採用し、このPCストランドを主筋の外側に巻付かせ施工する装置の典型的な先行技術が特許第 2709277号(特許公報第 2709277号、平成10年 2月 4日発行、参照)に挙げられる。
【0003】
上記先行技術は、建造される橋脚の周りにエンドレスの軌道を設け、その軌道上をPC鋼より線を巻いたドラムを載せた台車が自走し、巻かれているPC鋼より線を橋脚の主筋外側に巻付けるようにした巻付装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この巻付装置は、次のような問題点がある。すなわち、▲1▼PC鋼より線を巻いたドラムを台車に、軌道上を自走するものであるから、広い作業場所を必要として作業ステージが大きくなり、大掛かりな装置となる、▲2▼高橋脚(high pier)のように高い場所での作業となると、重量のあるドラムが回転・走行することにより偏荷重が起こる為、仮設足場の強度を高める必要があって足場設置コストが増大する、▲3▼パトライトや警報装置を備えた台車でも走行時に作業者への接触の危険があり、また、PCストランド繰り出しノズル側に安全柵を設けることが困難な装置構成となっていることから、安全性の面で十分とは言い難い、▲4▼一定の周期で重量物(コイル)の吊り上げ作業を必要として、設備費が嵩むし、作業時間が長くなる、▲5▼巻付装置全体として大掛かりなものとなる、▲6▼電気設備が定置式でないために配電方式としてトロリー線を必要とするなど複雑となる、▲7▼台車の躯体形状に合わせた軌道設備が必要であり、形状が対象となるコンクリート構造物に応じて固定化することから転用しにくくコスト増に繋がる、▲8▼建造されるコンクリート構造物の横断面形状が長方形の場合、これに対応した軌道を設けることが難しくて楕円形や円形にせざるを得なく、作業ステージが広大となるし、巻付け張力を調整する作業が増大してスムーズな巻付け作業が行い難い、などである。
【0005】
本発明は、このような問題点の解消を図るために成されたものであり、従って、本発明の目的は、軽量で簡易な構造の装置を用いて高所でのPC鋼より線の巻取り及び巻付け作業を軽力の下に安定的かつ効率的に行うことができるPC鋼より線巻付方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため以下に述べる構成としたものである。即ち、本発明における請求項1の発明はPC鋼より線巻付方法に関し、構築されるコンクリート構造物1における縦方向の主筋3群の周りに順次組立てられる、又は吊下げられる足場5に設置された作業ステージ6上に、払い出し可能なコイル状にPC鋼より線4を巻取り収容する無端コンベアからなる無端巻取り機構7をコンクリート構造物1に囲ませて作業ステージ6上での駆動により回転可能に配設するとともに、PC鋼より線4を引き取って送り出す送り込み装置8を無端巻取り機構7の外側の作業ステージ6上に設置し、一方、PC鋼より線4を繰り出す繰り出し装置9をコンクリート構造物1の周りの地上を含み前記作業ステージ6とは別の場所に配設し、送り込み装置8の駆動に伴い無端巻取り機構7を回転駆動して繰り出し装置9から繰り出されるPC鋼より線4を無端巻取り機構7に所定長のコイル状に巻取らせた後、この無端巻取り機構7を駆動により回転させながら、該巻取り機構7に巻取られているPC鋼より線4を払い出して主筋3群の外側に巻付かせて行くことを特徴とするPC鋼より線巻付方法である。
【0007】
また、本発明に係る請求項2の発明はPC鋼より線巻付方法に関し、構築されるコンクリート構造物1の周りに組立てた足場5の上に取付けてコンクリート構造物1の縦方向の主筋3群に囲ませて設けるための作業ステージ6を、コンクリート構造物1を取り巻く地上を含み平坦に展開してなる作業場所に移設が可能に配設し、PC鋼より線4を払い出し可能なコイル状に巻取り収容する無端コンベアからなる無端巻取り機構7を作業ステージ6上に駆動により回転可能にコンクリート構造物1に対して同心させて搭載する一方、PC鋼より線4を繰り出す繰り出し装置9と、PC鋼より線4を引き取って無端巻取り機構7に送り出す送り込み装置8とを前記作業場所に配設して、送り込み装置8の駆動に伴い無端巻取り機構7を回転駆動して繰り出し装置9から繰り出されるPC鋼より線4を無端巻取り機構7に所定長のコイル状に巻取らせた後、この作業ステージ6をクレーン等の起重機により足場5上に移設して、作業ステージ6上の無端巻取り機構7を駆動により回転させながら、無端巻取り機構7に巻取られているPC鋼より線4を払い出して主筋3群の外側に巻付かせて行き、前記作業場所でのPC鋼より線4の巻取りと、足場5でのPC鋼より線4の巻付けとを、起重機による作業ステージ6の移設に応じて交互に繰り返して行わせることを特徴とするPC鋼より線巻付け方法である。
【0008】
また、本発明に係る請求項3の発明はPC鋼より線巻付装置に関し、構築されるコンクリート構造物1における縦方向の主筋3群の周りに順次組立てられる、又は吊下げられる足場5に設置された作業ステージ6上に、コンクリート構造物1に囲ませて作業ステージ6上での回転可能に配設されてPC鋼より線4を払い出し可能なコイル状に巻取り収容する無端コンベアからなる無端巻取り機構7と、無端巻取り機構7の外側の作業ステージ6上に設けられて無端巻取り機構7を回転させる回転駆動装置10と、無端巻取り機構7の外側の作業ステージ6上に設置されてPC鋼より線4を引き取って送り出す送り込み装置8と、コンクリート構造物1の周りの地上を含み前記作業ステージ6とは別の場所に配設されてPC鋼より線4を繰り出す繰り出し装置9とを含み、送り込み装置8の駆動に伴い無端巻取り機構7を回転駆動装置10により回転して、繰り出し装置9から繰り出されるPC鋼より線4を無端巻取り機構7に所定長のコイル状に巻取らせる巻取り手段と、この無端巻取り機構7を駆動により回転させて該巻取り機構7に巻取られているPC鋼より線4を払い出して主筋3群の外側に巻付かせる巻付け手段とを交互に繰り返して行わせることを特徴とするPC鋼より線巻付装置である。
【0009】
また、本発明に係る請求項4の発明はPC鋼より線巻付装置に関し、構築されるコンクリート構造物1の周りに組立てた足場5の上とコンクリート構造物1を取り巻く地上を含み平坦に展開してなる作業場所とに移設可能に、かつ、コンクリート構造物1の縦方向の主筋3群を包囲可能に設けられる作業ステージ6と、PC鋼より線4を払い出し可能なコイル状に巻取り収容する無端コンベアからなり、作業ステージ6上に駆動により回転可能にコンクリート構造物1に対して同心させて搭載される無端巻取り機構7と、PC鋼より線4を引き取り無端巻取り機構7に送り出すために前記作業場所に据え付けられる送り込み装置8と、PC鋼より線4を繰り出すために前記作業場所に据え付けられる繰り出し装置9と、作業ステージ6を前記作業場所と足場5上とに移設させるために前記作業場所に据え付けられるクレーン等の起重機とを含み、送り込み装置8の駆動に伴い無端巻取り機構7を回転駆動して繰り出し装置9から繰り出されるPC鋼より線4を無端巻取り機構7に所定長のコイル状に巻取らせる巻取り手段と、無端巻取り機構7を駆動により回転させながら、該巻取り機構7に巻取られているPC鋼より線4を払い出して主筋3群の外側に巻付かせる巻付け手段とを、起重機による作業ステージ6の移設に応じて交互に繰り返して行わせる如くしたことを特徴とするPC鋼より線巻付け装置である。
【0010】
また、本発明に係る請求項5の発明は、上記請求項3記載のPC鋼より線巻付装置に関して、無端巻取り機構7が、PC鋼より線4を載せる円環状の底部16及び該底部16の内・外周縁部から立上げた内・外周側壁部17,18を備える円環樋状の台枠12と、内・外周側壁部17,18の上部にそれぞれ組付けてなるPC鋼より線脱落防止用の内側パイプ枠14及び外側パイプ枠15と、台枠12の下底部に取付けた複数個の車輪13とを含み、コンクリート構造物1を囲む円環形に組付けて作業ステージ6上に設けた複数分割が可能な軌道ガイド枠11に車輪13を介し乗載され、かつ、外周側壁部18が被動部として回転駆動装置10の駆動輪20に当接して回転駆動力を受けることによって、作業ステージ6上での回転可能に配設されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る請求項6の発明は、上記請求項5記載のPC鋼より線巻付装置に関して、無端巻取り機構7が、前記巻付け手段の作動の際、PC鋼より線4が急激に払い出されるのを制動するブレーキ装置21を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る請求項7の発明は、上記請求項5記載のPC鋼より線巻付装置に関して、無端巻取り機構7における台枠12が、円環状に組付け可能な複数個の分割体から成ることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る請求項8の発明は、上記請求項3記載のPC鋼より線巻付装置に関して、無端巻取り機構7が、バケット可動式の無端コンベアからなり、作業ステージ6上に主筋3群を取り囲ませる環状に敷設されたチェーン受けレール37と、チェーン受けレール37と同じ環状のチェーン案内用細長穴53を該受けレール37の直上方に位置させて有し、チェーン受けレール37の上方に設けられたチェーンガイド38と、上下に環状に並べて設けられた上列チェーン及び下列チェーンを有し、上列チェーンの上面部にはバケット係止部材54が定ピッチで立設され、下列チェーンの下面部には転動ローラ55が定ピッチで取付けられて、上列チェーンがチェーン案内用細長穴53に介挿され、下列チェーンが転動ローラ55を介してチェーン受けレール37に支持され、かつ回転駆動装置10により回転駆動力が与えられることによって、主筋3群の平面配列パターンに相似する環状に作業ステージ6上を走行旋回可能に形成される無端ダブルチェーン39と、チェーン受けレール37を挟み内側及び外側に該チェーン受けレール37に相似する環状に沿った配列で、相互間に所定の間隔をとって立設された複数個の内側バケットガイド枠40及び外側バケットガイド枠41と、複数個の内側バケットガイド枠40の中間部に亘らせてチェーン受けレール37に相似する環状に設けた内側バケットガイドレール42と、複数個の外側バケットガイド枠41の中間部に亘らせてチェーン受けレール37に相似する環状に設けた外側バケットガイドレール43と、底桁とその両端部から立ち上がらせた内側桁及び外側桁のU字状桁材からなり、上列チェーン上にバケット係止部材54を介して該チェーン走行方向の前後に定ピッチで取付けられて、内側バケットガイドレール42及び外側バケットガイドレール43により、荷重が支承され、横振れが抑えられながら主筋3群の平面配列パターンに相似する環状に走行旋回可能に形成される複数個のバケット44とを含んで構成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る請求項9の発明は、上記請求項8記載のPC鋼より線巻付装置に関して、複数個の内側バケットガイド枠40の上端部に亘らせて内側上桟45が設けられ、複数個の外側バケットガイド枠41の上端部に亘らせて外側上桟46が設けられ、コイル状に巻取られ複数個のバケット44間に収容されたPC鋼より線4を払い出すためのリング付ガイド部材47が、内側上桟45及び外側上桟46に対して手操作による走行可能に橋架されて設けられる構成としたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る請求項10の発明は、上記請求項8又は9記載のPC鋼より線巻付装置に関して、無端巻取り機構7が、直線部を形成する直線部分割体とコーナー部を形成する曲線部分割体とからなる複数個の分割体により、主筋3群の平面配列パターンに相似する環状に組付け可能に構成されて、そのうちの少なくとも一つの分割体に回転駆動装置10が付設されてなる構成としたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る請求項11の発明は、上記請求項10記載のPC鋼より線巻付装置に関して、隣合う2個の内側バケットガイド枠40、この両内側バケットガイド枠40に対向する位置に隣合う2個の外側バケットガイド枠41、それら4個のバケットガイド枠40、41内に存するチェーン受けレール37、チェーンガイド38、内側バケットガイドレール42及び外側バケットガイドレール43を含んで分割体のユニットが構成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る請求項12の発明は、上記請求項10又は11記載のPC鋼より線巻付装置に関して、バケット係止部材54が、上列チェーンの上面部から垂直上向きに立設してなるバケット係止ピンであり、バケット44が、底桁の下面に開口して前記バケット係止ピン54が係合されるピン穴を備える構成としたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る請求項13の発明は、上記請求項10又は11記載のPC鋼より線巻付装置に関して、回転駆動装置10が、遠隔操作による回転速度の調節可能に形成され、PC鋼より線4を主筋3群に巻付けるに際し、バケット44とコンクリート構造物1との周長差によるPC鋼より線4の弛みをバケット44の走行速度調節によって一定に保持し得るようにしたことを特徴とする。
【0019】
このような本発明によれば、高所の作業ステージ6上に設けられる構造体としては、コイル状にPC鋼より線4を巻取り収容する環状の無端巻取り機構7と、無端巻取り機構7に乗載される一回の巻付けに必要な長さのPC鋼より線4とだけで済み、必要に応じてそれらにストランドプッシャー等で実現される簡易・軽量の送り込み装置8が追加されるものであって、局部的に荷重を加える高重量構造体としての繰り出し装置9は前記作業ステージ6とは別の高重量に十分耐え得る地上等の設置場所に配設する方式であるから、作業ステージ6は、面積を広く取らないコンパクトなもので済むし、全周に亘って荷重が均等に加わるので安定性が良いことから簡易な構造のもので充分対応可能である。
【0020】
また、環状の無端巻取り機構7で囲むことができるコンクリート構造物1であれば、径の大小や、円形、角形の形状の違いに影響されることなく対応可能であって普遍性の点で優れている。また、全周に展開する環状の無端巻取り機構7を緩やかに回転させることによってPC鋼より線4を主筋3群に巻取らせるようにしているので、ブロック構造の台車等を走行させる従来のものと比べて作業ステージ6上の作業員に及ぼす危険度が少なくて安全面で優れる。
【0021】
さらに本発明によれば、PC鋼より線4を縦方向の主筋3群に巻付かせる際、払い出し量に対応して無端巻取り機構7を手動又は駆動で緩やかに回転させればよいので、取扱いが簡便であり、また、払い出し量の過不足に対する調整が簡単かつ確実にできて、安定した巻締め力で巻ピッチが一定に整合された主筋3群への巻付けを行わせることが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。図1には、本発明の第1実施形態に係る橋脚での作業足場・作業ステージ組立ての態様が、(イ)に平面図、(ロ)に正面図でそれぞれ示される。図2には、同じく本発明の第1実施形態に係るPC鋼より線巻付装置における橋脚の作業ステージ上での組立ての態様が、(イ)に平面図、(ロ)に正面図でそれぞれ示される。図3には、同じく本発明の第1実施形態に係るPC鋼より線巻付装置の無端巻取り機構における橋脚の作業ステージ上での初段階組立ての態様が、(イ)に部分示する平面図、(ロ)に(イ)のA−A矢視線に沿う断面図でそれぞれ示される。図4には、同じく本発明の第1実施形態に係るPC鋼より線巻付装置の無端巻取り機構における橋脚の作業ステージ上での中段階組立ての態様が、(イ)に部分示する平面図、(ロ)に(イ)のB−B矢視線に沿う断面図でそれぞれ示される。また、図5には、同じく本発明の第1実施形態に係るPC鋼より線巻付装置の無端巻取り機構における橋脚の作業ステージ上での終段階組立ての態様が、(イ)に部分示する平面図、(ロ)に(イ)のC−C矢視線に沿う断面図でそれぞれ示される。
【0023】
図1乃至図5を参照して、構築されるコンクリート構造物1としては、図1及び図2において高速道路等の橋脚が例示されるが、複数本の例えば4本の鋼管2を立設するとともに、その周りに複数本の主筋3を縦方向に延在して配設し、次いで帯状筋に代わるPC鋼より線4を主筋3群の外側に巻付けて、骨格構造を形成した後、その周りにコンクリートを打設することによって所定形状の橋脚が形成される。図中の5は、コンクリート構造物(以下、橋脚という)1を構築するための作業用の足場であって、立設された鋼管2及び主筋3群の周りに通常は地上から立体格子状に順次積み上げて組立てられる。この足場5は、何らかの理由で地上から構築できないような場合には吊り足場が用いられることもある。
【0024】
上記足場5の頂部には四方形縁枠状の作業ステージ6が設けられる。この作業ステージ6は、作業員が乗載する水平床部を鋼管2及び主筋3群を取り囲む「周り廊下」状に備えていて、橋脚1の工事の進捗につれて作業ステージ6は順次高位置に移設される。図2(イ)、(ロ)の7は無端巻取り機構、10は回転駆動装置であり、無端巻取り機構7はPC鋼より線4を払い出し可能なコイル状に巻取って収容する受容体に形成されて、橋脚1の主筋3群に同心的に囲ませて作業ステージ6上に前記水平床部上での回転可能に配設される。一方、回転駆動装置10は、作業ステージ6上における無端巻取り機構7に外側で近接する位置に設けられて、無端巻取り機構7に回転動力を与えるようになっている。
【0025】
無端巻取り機構7及び回転駆動装置10の態様の詳細について図3乃至図5に基づき以下に説明する。複数の分割体から形成される軌道ガイド枠11を主筋3群を囲むように例えば円環樋形に組立てて作業ステージ6の上に設ける。この軌道ガイド枠11に無端巻取り機構7が回転可能に乗載されるが、無端巻取り機構7は、軌道ガイド枠11と同じように複数個の好ましくは同一形状になる分割体から形成されていて、コイル状のPC鋼より線4が載る個所となる円環状の底部16及びこの底部16の内・外周縁部から立上げた内・外周側壁部17、18を備える円環樋状の台枠12と、内・外周側壁部17、18の上部の一定間隔をとった複数個所にそれぞれ固定したパイプピット22と、このパイプピット22にパイプからなる縦枠を嵌合して取付けることにより、内・外周側壁部17、18に一体的に組付けてなるPC鋼より線脱落防止用の内側パイプ枠14及び外側パイプ枠15と、台枠12の下底部に分散して回転自在に取付けた複数個の車輪13とから構成され、軌道ガイド枠11に複数個の車輪13を介して回転自在に乗載される。なお、台枠12は、胴回りが小さい橋脚に対応して小径である場合は、分割体でなく単一体の円環状に形成したものであっても良く、また、内・外周側壁部17、18については、底部16上に乗載された一回分のコイル状PC鋼より線4の積載高さに対応する高さを持つ低い側壁であれば良い。
【0026】
回転駆動装置10は、軌道ガイド枠11における一つの分割体に対してその外側に組付けられる。この回転駆動装置10は、例えばモータ及び減速機からなる原動機19と、この原動機19から駆動力が与えられて垂直軸周りに駆動回転する駆動輪20とからなっていて、軌道ガイド枠11に乗載されている無端巻取り機構7の台枠12における外周側壁部18の外壁面に駆動輪20を弾力的に当接させて設けられる。なお、回転駆動装置10は、例えば、駆動輪20が先端部に取付けられている支持アームを動かすことにより、駆動輪20を外周側壁部18の外壁面に弾力的に当接させ、あるいは外壁面から離すことができるようになっていて、無端巻取り機構7を回転駆動装置10により駆動回転させ、あるいは回転駆動装置10から切り離して作業員により手動回転させる二通りの運転を選択して切替え得るようになっている。なお、この運転切替え手段としては、アーム移動方式に限らなく、その他、原動機19側或いは駆動輪20側にクラッチ機構を備えたクラッチ方式等であってもよい。なお、図中、23は反力ローラであり、台枠12を挟んで駆動輪20に対向する位置に、内周側壁部17の外壁面に回転自在に当接させて設けられているが、これは、駆動輪20の回転力を外周側壁部18の外壁面に確実かつスムーズに伝達させる作用を成す部材である。
【0027】
以上のようにして、構築中の橋脚1の主筋3群の周りに、回転駆動装置10を持ち、駆動と手動による作業ステージ6上での水平回転が可能に形成した無端巻取り機構7が配設される。
【0028】
図6には、本発明の第1実施形態に係るPC鋼より線巻付装置の全容についての橋脚への設置状態が、(イ)に平面図、(ロ)に正面図でそれぞれ概要示される。
【0029】
図6を参照して、本発明の第1実施形態に係るPC鋼より線巻付装置は、前記無端巻取り機構7及び回転駆動装置10を備える他に、さらに、送り込み装置8及び繰り出し装置9を備えていて、PC鋼より線4を無端巻取り機構7に巻取らせる巻取り手段とこの巻取ったPC鋼より線4を払い出して主筋3群の外側に巻付かせる巻付け手段とを交互に繰り返して行わせるように構成される。送り込み装置8は、無端巻取り機構7の外側の作業ステージ6上に、PC鋼より線4を無端巻取り機構7に送り込み易い高さで設置される。この送り込み装置8は通常に使用される小型のストランドプッシャーが適用されるものであって、線状体を引き取って送りだすことが可能な装置であれば特別なものを必要としない。一方、繰り出し装置9は、橋脚1の周りの地上側など送り込み装置8に対して下方位置の適当な設置場所に配設される。この繰り出し装置9はリールレスコイル又はドラム巻で回転して引き出すことが可能な汎用形のサプライスタンド等が適用される。
【0030】
図7には、上記PC鋼より線巻付装置におけるPC鋼より線の巻取り手段の態様が、(イ)に平面図、(ロ)に正面図でそれぞれ示される。また、図8には、同じく上記PC鋼より線巻付装置におけるPC鋼より線4の巻付け手段の態様が(イ)に平面図、(ロ)に正面図、(ハ)に(ロ)における丸囲み部分Dの拡大図でそれぞれ示される。
【0031】
図3乃至図8を参照して、本発明の第1実施形態に係るPC鋼より線4の巻取り・巻付の方法について以下に説明する。繰り出し装置9からPC鋼より線4を引き出し、作業ステージ6上の送り込み装置8に線端をセットする。送り込み装置8を作動させ、これに応動させて回転駆動装置10を駆動して、無端巻取り機構7を送り込み装置8の送り込み速度に同調した速度で回転させ、無端巻取り機構7内に必要量のPC鋼より線4を送り込んでコイル状に巻取らせる。送り込み装置8の出口には、送り出されたPC鋼より線4の長さが測定可能な条長カウンタ24を設けることにより、長さを確認しながら作業を進めることができる。所定長のPC鋼より線4が巻取られると、送り込み装置8及び回転駆動装置10を停止させて一回の巻取り工程が終わる。この巻取り工程の概要は図7に示される通りである。
【0032】
必要条長のコイル状に巻取られ、切断された無端巻取り機構7内のPC鋼より線4の切断側端末部を内側パイプ枠14に乗り越えさせて該パイプ枠14と主筋3群の間から主筋巻付け開始位置まで垂れ降ろす。この切断側端末部を主筋3に結束した後、足場5に登載している作業員によって一定ピッチでPC鋼より線4を順次主筋3群に巻付けて行き、これに合わせて、作業ステージ6上に乗載している別の作業員が無端巻取り機構7を手動により又は遠隔操作の駆動により緩やかな同調速度にて回転させる。このようにして、図8に示されるように、一回の巻付け工程が行われる。
【0033】
なお、図8(ハ)に概要示されるが、ローラからなるブレーキ装置21を無端巻取り機構7に付設することにより、引き出されるPC鋼より線4が急激に下降することがないように制動を加えるようにすることは、主筋3群への巻付けを円滑に行わせる点で好ましい態様である。この場合、前記ローラは内・外側パイプ枠14、15間において回転(自転)自在、かつ移動(公転)可能に設けるものである。
【0034】
以上述べた巻取り工程及び巻付け工程を作業ステージ6の昇揚と合わせて交互に繰り返し行わせることによって図9に示されるように、順次高い個所に移動しながらPC鋼より線4の主筋3群への巻付けを行わせることが可能であり、50m以上の高橋脚(high pier)の場合でも円滑な巻付けが実現できる。
【0035】
次に、図10には、本発明の第2の実施形態に係るローラコンベア方式PC鋼より線巻付装置の要部構成が平面図で示され、図11には、図10に対応するPC鋼より線4の1回巻付けの状態が平面図で示される。
【0036】
橋脚1の横断面形状が図10に示すように極端な長方形になった場合、円環形の無端巻取り機構7では短辺側で主筋と巻取り機構との間隔が広くなって巻付け作業への対応が困難となることも考えられる。このような場合は、図10に示すローラコンベア方式の本実施例又は後述するチエーン方式の他実施例により、橋脚1の横断面形状に近い形でPC鋼より線4をコイルに形成することが可能である。
【0037】
図10を参照して、作業ステージ6の各コーナー及び各長辺側中央部の6個所に、駆動ローラ枠25を設置し、各駆動ローラ枠25には、PC鋼より線4に対する摩擦係数の大きい、例えばウレタンゴムを表面にライニングした駆動ローラ27と駆動用モータ(図示せず)とを取付ける。一方、隣り合う駆動ローラ枠25間には、自由に回転できる前記駆動ローラ27に比し径が少し小さい自由ローラ28が取付けられた自由ローラ枠26を設置する。それらの各枠25、26相互を継ぎワイヤガイド29で連結する。これによってローラコンベアが構成される。なお、作業ステージ6、送り込み装置8及び繰り出し装置9の態様については、図1乃至図8における実施形態のものと同じであるので、図示並びに説明を省略する。
【0038】
ストランドプッシャ等の送り込み装置8でPC鋼より線4を各枠25、26の中に一周送り込み、図11に示すように先端部を手操作でラップさせてローラコンベア内で引っ掛からないようにシージング(sheathing :結束・鎧装する)する。
【0039】
送り込み装置8と駆動ローラ枠25の駆動ローラ27とを同調させて駆動し、ローラコンベア内にPC鋼より線4を所定長巻取り貯線する。貯線後、駆動ローラ枠25の駆動ローラ27を駆動させ、ローラコンベア内に貯線されたコイル状のPC鋼より線4の線端を橋脚1外周部に垂れ降ろす。駆動ローラ27を前/後回転させながらPC鋼より線4を誘導して橋脚1の主筋3群に巻付けて行く。この巻取り・巻付けを繰り返すことにより、PC鋼より線4の主筋3群への巻付けを行わせる。
【0040】
図12には、本発明の第3の実施形態に係るベルトコンベア方式PC鋼より線巻付装置の要部構成が平面図で示される。また図13には、図12に図示するPC鋼より線巻付装置における橋脚でのPC鋼より線の巻付け手段の態様が正面図で示される。前述の第1及び第2の実施形態に係るPC鋼より線巻付けの方法は、作業ステージ6上にストランドプッシャ等の送り込み装置8が常に設置されている巻付け装置を使用する場合の構築方法に係るものであって、これに対して、本第3実施形態は、作業ステージ6上に無端コンベアからなる無端巻取り機構7を搭載するだけで、送り込み装置8は置かない場合の構築方法に用いて好適なものであり、従って、送り込み装置8の設置スペースを省略できて作業ステージ6のコンパクト化が果たされる利点を有している。
【0041】
因みに、第1及び第2の実施形態に係るPC鋼より線巻付け方法は、地組みした足場だけでは構築するのが困難な、高い橋脚を構築する場合に適用される方法で、この場合、橋脚のトップから足場5と作業ステージ6とを吊って、橋脚の構築と共に上げて行くという方法が専ら採用されることから、作業ステージ6上には送り込み装置8が常に必要となるものである。
【0042】
これに対して、本第3実施形態に係るPC鋼より線巻付け方法は、地上から50m前後の高さの橋脚1を構築する場合に適用されるものであって、この場合、足場5は地上から組上げて行き、▲1▼鋼管を立てる(つなぐ)、▲2▼主筋3を立てる(つなぐ)、▲3▼足場を組む、▲4▼PC鋼より線4を巻付ける、▲5▼コンクリートを打設する、の一連の作業を繰り返して、橋脚1を構築して行くものであり、その際に、現場では重量物の運搬のためにクレーン72等の起重機が常設されているので、このような場合、地上等作業場所において無端巻取り機構7にPC鋼より線4を必要長さ分だけ巻取らせて、該機構7の設置スペース及び最小限必要な作業スペースを有するコンパクトな形態の作業ステージ6とそれに搭載されている前記無端巻取り機構7とをクレーン72で吊り上げて橋脚1のトップ(地組みした足場の上)に移設させる、という方法が好適な手段として考えられる。
【0043】
本発明の上記第3実施形態に係るPC鋼より線巻付装置は、図12及び図13に示されるように、作業ステージ6と、無端コンベアからなる無端巻取り機構7と、送り込み装置8と、繰り出し装置9と、クレーン72で実現される起重機と、巻取り手段と、巻付け手段とを含んで構成される。
【0044】
作業ステージ6は、橋脚1の周りに組立てた足場5の上と橋脚1を取り巻く地上を含み平坦に展開してなる作業場所とに移設可能であって、かつ、橋脚1の縦方向の主筋3群を包囲可能に、回り廊下状に設けられる。この作業ステージ6は後述する無端巻取り機構7に対応する設置スペース及び最小限必要とされる作業スペースを有するコンパクトな構造のものである。
【0045】
無端巻取り機構7は、作業ステージ6上に同心の環状に連結され組付けられた複数個のコンベア分割体(ユニット)から形成され、それらのユニットは、送りベルト73及び駆動プーリ74を備えた、直線部を形成する直線部ユニット7UL及びコーナー部を形成する曲線部ユニット7UCの2種類からなっている。
【0046】
送り込み装置8及び繰り出し装置9については、前記第1、第2実施形態におけるものと同じであるので構造の説明を省略するが、両装置8、9は前記作業場所に据え付けられる。一方、クレーン72は、本体が走行可能、かつ、ブーム75が起伏及び旋回可能なクローラクレーン等が用いられる。
【0047】
図12及び図13を参照して、本発明の第3実施形態に係るPC鋼より線4の巻取り・巻付け方法の態様を説明すると、地上等の作業場所においてクレーン72によって作業ステージ6を定置し、その上に搭載されている無端巻取り機構7に所定長のPC鋼より線4を巻取らせる。この場合、作業ステージ6の近傍に据え付けられた繰り出し装置9からPC鋼より線4を引き出し、駆動する送り込み装置8を通して同調駆動している無端巻取り機構7に送り込んで、コンクリート打設分に相当する所定長をコイル状に巻取らせてコンベア上に貯線する。以上が巻取り手段によって行われる巻取り工程である。
【0048】
上記巻取り工程に続けて、貯線されている無端巻取り機構7が搭載されている作業ステージ6をクレーン72によって吊り上げて橋脚1の足場5上に移送し、主筋3群を取囲ませるように足場5上に設置する。その後、コンベア上に貯線されているPC鋼より線4を巻付け手段によって主筋3群に巻付かせる。この巻付け方法は、前記第1の実施形態の場合の巻付け要領と殆ど同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0049】
上記巻付け工程が終わると、クレーン72によって作業ステージ6を足場5上から吊り上げて前記作業場所に戻して定置させ、前述と同じ巻取り工程を行わせ、次の巻付け工程に備えさせる。以上の作業順序を繰り返すことによって橋脚1へのPC鋼より線4の巻付けを順次行うことができる。
【0050】
図14には、本発明の第4の実施形態に係るチェーンコンベア方式PC鋼より線巻付装置の要部構成が平面図で示される。作業ステージ6の各コーナーの4個所に、駆動枠30を設置し、各駆動枠30には、スプロケット33、スプロケット駆動用モータ(図示せず)及び自由に回転できる線受けローラ32を取付ける。一方、駆動枠30間には、自由に回転できる前記線受けローラ32が取付けられた線受け枠31を設置する。それらの各枠30、31相互を継ぎワイヤガイド29で連結し、各スプロケット33にチェーン34をエンドレスに張架する。このチェーン34の1個所に線固定金具35を取付けておく。これによってチェーンコンベアが構成される。
【0051】
送り込み装置8から送り込まれたPC鋼より線4の端部を前記線固定金具35に固定し、送り込み装置8と各スプロケット33とを同調させて駆動し、チェーンコンベア内にPC鋼より線4を所定長巻取り貯線する。貯線後、駆動枠30のスプロケット33を駆動させ、チェーンコンベア内に貯線されたコイル状のPC鋼より線4の線端を橋脚1外周部に垂れ降ろす。スプロケット33を前/後回転させながらPC鋼より線4を誘導して橋脚1の主筋3群に巻付けて行く。この巻取り・巻付けを繰り返すことにより、PC鋼より線4の主筋3群への巻付けを行わせる。
【0052】
次いで、図15及び図16には、本発明の第5実施形態に係るPC鋼より線巻付装置における橋脚の作業足場・作業ステージ上での組立ての態様が平面図及び正面図でそれぞれ示され、また、図17及び図18には、本発明の第5実施形態に係るPC鋼より線巻付装置の無端巻取り機構7のユニットを部分示する平面図及び正面図がそれぞれ示される。また、図20には同じく無端巻取り機構7のユニットが斜視図により概要示される。
【0053】
図15乃至図20を参照して、本発明の第5実施形態に係るPC鋼より線巻付装置は、バケット可動式の無端コンベアからなる無端巻取り機構7を構成要素として備える。この無端巻取り機構7は、作業ステージ6上に所定の間隔をとって設置した複数個の連結ベース36間に配設され、かつ、該連結ベース36によって環状に連結され組付けられた複数個の分割体(ユニット)から形成される。それらのユニットは、直線部を形成する直線部ユニット7ULとコーナー部を形成する曲線部ユニット7UCの2種類からなっていて、そのうちの少なくとも一つのユニット、例えば直線部ユニット7ULには、後述する回転駆動装置10が付設されて駆動部ユニット7UDを形成している。このような無端巻取り機構7は、図15に平面示されるように、主筋3群を取り囲ませてその平面配列パターンに相似する同心的な環状に組付けられて作業ステージ6上に敷設される。
【0054】
上記無端巻取り機構7は、チェーン受けレール37と、チェーンガイド38と、無端ダブルチェーン39と、内側バケットガイド枠40と、外側バケットガイド枠41と、内側バケットガイドレール42と、外側バケットガイドレール43と、バケット44と、内側上桟45と、外側上桟46と、後述する回転駆動装置10と、同じく後述するリング付ガイド部材47とを構成要素部材に備えている。
【0055】
チェーン受けレール37は、例えば四角筒形状の型鋼からなり、作業ステージ6上に該ステージ幅方向に敷設した連結ベース36の隣合うベースの中央部間に橋架け状にそれぞれ渡しかつ互いに突き合わせて連結した状態で連結ベース36に固定することにより、主筋3群を取り囲ませてその平面配列パターンに相似する同心的な環状に敷設される。このチェーン受けレール37は、無端巻取り機構7のセンターラインCLに沿った基準線に相当する部材であって、平坦に形成された上面が無端ダブルチェーン39を円滑に走行させるためとしての案内面となっている。
【0056】
内側バケットガイド枠40及び外側バケットガイド枠41は、梁材48、49、50及びL形材51、52により直立した縦枠に組付けられてなる枠体であって、前記センターラインCLを通る垂直面を基準とした対称関係に連結ベース36の内側上端部及び外側上端部にそれぞれ立設される。なお、本実施形態に係る内側バケットガイド枠40及び外側バケットガイド枠41は、図19に示すように下部、中間部が前記垂直面に対して等距離を保持した真っ直ぐに直立し、上部が該垂直面に近付くように内側に折れ曲がるく字状を成す枠体に形成される。
【0057】
チェーンガイド38は、前記L形材51、52に取付けて横一列に並べ、チェーン受けレール37の上方に設けられた2枚の板材からなっていて、該レール37と同じ環状のチェーン案内用細長穴53をチェーン受けレール37の直上方に平行に位置させて有する。
【0058】
無端ダブルチェーン39は、リンク部材の連結部に同軸の直列に並べた2個のローラを持つダブルローラチェーンからなっていて、チェーン受けレール37及びチェーンガイド38と同じ環状で上下2段に並列する無端ダブルローラチェーンに形成して、チェーン受けレール37及びチェーンガイド38に関連させて配設される。
【0059】
上記無端ダブルチェーン39は、図18及び図19に示されるように、上列チェーンの上面部のリンク部材に、ピンで実現されるバケット係止部材54が例えばリンク連結ピンのピッチと同じ一定ピッチで立設される一方、下列チェーンの下面部のリンク部材に、転動ローラ55が例えばリンク連結ピンのピッチの整数倍となる一定ピッチで回転自在に取付けられている。
【0060】
このような無端ダブルチェーン39は、上列チェーンがチェーンガイド38のチェーン案内用細長穴53に介挿され、下列チェーンが各転動ローラ55を介してチェーン受けレール37の上面部に搭載して支持された状態となって配設される。このように設けられてなる無端ダブルチェーン39は、後述するように回転駆動装置10によって下列チェーンに回転動力が付与されることによって、上列チェーンがチェーン案内用細長穴53に案内されながらチェーン受けレール37上で主筋3群の平面配列パターンに相似する環状で円滑に走行旋回させられ、その際、複数個のピン(バケット係止部材)54は、チェーンガイド38におけるチェーン案内用細長穴53の直上方に突出し林立した状態で環状に走行旋回する。
【0061】
内・外側バケットガイドレール42、43は、例えば四角筒形状の型鋼からなり、内側バケットガイドレール42は隣り合う内側バケットガイド枠40の中間部の内側面間に橋架け状で水平にそれぞれ渡しかつ互いに突き合わせて連結した状態で内側バケットガイド枠40に固定して敷設される。外側バケットガイドレール43も内側バケットガイドレール42と同様に外側バケットガイド枠41に固定して敷設される。このように設けられる内・外側バケットガイドレール42、43は、チェーンガイド38に対し少し上方部で、かつ、該ガイド38を挟んで主筋3群寄りとなる内側及びその反対側の外側の位置に、チェーン受けレール37に相似させた環状で水平に対向させて並設されており、水平上面及び垂直側面が走行中の後述するバケット44に対して案内用受け面として機能するようになっている。
【0062】
バケット44は、例えば四角筒形状の型鋼をU字状に成型加工して形成された、底桁及びその両側から立ち上がらせた内・外側桁を一体に備えるU字状桁材からなり、底桁がPC鋼より線4を段積みに乗載させる部分となり、内・外側桁が、底桁上に乗載されたPC鋼より線4を落下させないように両側から支承する部分となるように、前記ピン54を介して無端ダブルチェーン39上に一定ピッチで載架され固定される。このバケット44は、底桁の中央部の下面に、2個のピン穴が該底桁の長手方向に直交する前後方向に所定のピッチで穿設されていて、無端ダブルチェーン39の隣り合う2個のピン54と前記ピン穴とを係合させるようにして無端ダブルチェーン39上に取付けられる。
【0063】
また、バケット44には、荷重受け用ガイドローラ56及び横振れ止め用ガイドローラ57が内・外側桁にそれぞれ取付けれられている。荷重受け用ガイドローラ56は、バケット44を無端ダブルチェーン39上に正姿勢下に取付けた状態において、ローラ周面が内・外側バケットガイドレール42、43の水平上面に回転自在に当接し得るように軸水平に内・外側桁に枢支される。横振れ止め用ガイドローラ57は、同じようにローラ周面が内・外側バケットガイドレール42、43の垂直側面に回転自在に当接し得るように軸垂直に内・外側桁に枢支される。
【0064】
このように構成されるバケット44は、2個のピン54と前記ピン穴とを用いて無端ダブルチェーン39上に該チェーン走行方向に一定ピッチで取付けることによって、底桁が該チェーン39の走行方向に直交差する水平に延在するように載架・支持され、内側バケットガイドレール42及び外側バケットガイドレール43により、荷重が支承され、かつ横振れが抑えられて、正姿勢を安定保持した状態で主筋3群の平面配列パターンに相似する環状に走行可能に設けられるものである。
【0065】
内側上桟45及び外側上桟46は、丸パイプにより形成されていて、内側上桟45は、所定間隔をとって環状の配置にそれぞれ立設させた内側バケットガイド枠40の上端部に亘らせて手摺り状に水平に延在して設けられる。外側上桟46は、内側上桟45と同様に外側バケットガイド枠41の上端部に亘らせて手摺り状に水平に延在して設けられる。
【0066】
なお、図18及び図19において、69は下部ガイドバーであり、PC鋼より線4を払い出す際にPC鋼より線巻付装置への引っ掛かりを防ぎながらPC鋼より線4を円滑に案内するために、内側バケットガイド枠40の下部に取付けて設けられる。70は、外側バケットガイド枠41間に張り渡した安全カバーである。また、図14において、71は線挿入ガイドパイプである。
【0067】
図21には、図17乃至図20に図示する無端巻取り機構7における回転駆動装置10の概要構造が、(イ)に平面図、(ロ)に正面図でそれぞれ示される。この回転駆動装置10は、可変速ギヤードモータ58と、該モータ58の駆動軸に嵌着されたスプロケット59と、タンデムスプロケット60と、スプロケット59とタンデムスプロケット60の小径側スプロケットとに架け渡したローラチェーン61とを備え、架台62上に搭載され固定されて駆動ユニットに形成される。この駆動ユニットは、前記直線部ユニット7ULと前記曲線部ユニット7UCのうちの一つのユニット、例えば前記直線部ユニット7ULに一体的に組付けて、タンデムスプロケット60の大径側スプロケットを無端ダブルチェーン39の下列チェーンに噛合わせている。
【0068】
このように設けられる回転駆動装置10は、図示しないリモコン操作盤を用いて遠隔操作による発停及び回転速度調節の運転制御が行えるようになっており、バケット44を所望の速度で走行させたり、停止させたりすることができる。
【0069】
図22には、図17乃至図20に図示する無端巻取り機構7における手操作ガイド機構の概要構造が、(イ)に平面図、(ロ)に正面図、(ハ)に側面図で示される。この手操作ガイド機構は、内側上桟45と、外側上桟46と、リング付ガイド部材47とにより形成される。リング付ガイド部材47は、直立する中心基軸63と、この中心基軸63から水平の四方向に放射状に腕出させた4個のアーム64と、各アーム64の自由先端部に垂直軸回りの回転自在にそれぞれ枢軸した内側2個及び外側2個の合計4個の鼓形ローラ65と、各アーム64に取付けられて鼓形ローラ65を内側上桟45及び外側上桟46に押付けさせるたるの4個のラバースプリング66と、中心基軸63の上部に一端が固定された手押しレバー67と、このレバー67の上方の中心基軸63上端部に固定されたガイドリング68とを備える。
【0070】
このリング付ガイド部材47は、4個の鼓形ローラ65を内側上桟45及び外側上桟46に内側から弾力的に押付けるように橋架させて配設することにより、両桟45、46に支持され、案内されながら両桟45、46間を4個の鼓形ローラ65の回転運動に伴って走行し得るようになっており、手押しレバー67による手操作で、環状に配設した内側上桟45及び外側上桟46に沿って緩やかに移動させることが可能である。
【0071】
図15乃至図22を参照して、本発明の第5実施形態に係るPC鋼より線4の巻取り・巻付の方法の態様について以下に説明する。
〔巻取りによるPC鋼より線4の貯線作業〕
繰り出し装置9からPC鋼より線4を引き出し、作業ステージ6上の送り込み装置8に線端をセットする。送り込み装置8を作動させ、これに応動させて回転駆動装置10を駆動して、繰り出されたPC鋼より線4を線挿入ガイドパイプ71に通してバケット44内に一周分送り込み、ラップ部分で線先端をキャップ固定(又はシージング)するか、若しくはバケット44端部にPC鋼より線4の先端を固定する。
【0072】
続いて、無端巻取り機構7のバケット44を送り込み装置8の送り込み速度に同調した速度で回転させ、コンクリート打設分に相当する長さのPC鋼より線4をバケット44内に貯線する。この条長を確認の上、送り込み装置8の出口にてPC鋼より線4を切断し線挿入ガイドパイプ71を通過したPC鋼より線4全部をバケット44内に貯線する。線挿入ガイドパイプ71は取外す。
【0073】
〔PC鋼より線4の払出し及び主筋3群への巻付け作業〕
貯線されているPC鋼より線4の端末部をリング付ガイド部材47のガイドリング68に通し、内側上桟45を乗り越えて巻付けのための主筋3群と下部ガイドバー69の間より下方に払出す。払出したPC鋼より線4の端末部を主筋3に結束した後、ガイドリング68を内側上桟45、外側上桟46に沿って移動させる一方、バケット44を回転駆動装置10の駆動によって巻付け速度に同調させて緩やかに回転させることにより、バケット44内に貯線されたPC鋼より線4を掬いつつ下方に払出して行く。
【0074】
その際、周長差に基づくPC鋼より線4のゆるみが生じるものであるが、遠隔無欄操作によるバケット44の旋回速度調節で巻付け張力を制御することによって、過大にゆるむことのない安定した払出しが可能となり、かくして、主筋3群の外周面に一定ピッチにてスパイラルに巻付けて行くことができる。所定長のPC鋼より線4が巻付けられると、送り込み装置8及び回転駆動装置10を停止させて一回の巻取り工程が終わる。
【0075】
本第5実施形態のPC鋼より線巻付装置によれば、構築される高架橋脚の大きさ、形状に対応した形態で主筋3群の外周囲にPC鋼より線4を貯線することができるので、作業ステージ6のコンパクト化が可能となり、これに応じて仮設足場設置コストが低減される。
【0076】
また、PC鋼より線4及びバケット44は、環状に配設して固定された内側バケットガイド枠40及び外側バケットガイド枠41内を旋回する構造のため、この両枠40、41及び内・外側バケットガイドレール42、43並びに内・外側上桟45、46が安全柵の役割を果たし、高所における作業者への安全確保が図れる。
【0077】
また、バケット44を無端ダブルチェーン39に対してピンに差し込むことで簡単に組付けて配設できることから、組立・分解の作業の簡易化及び時間短縮化が果たされる。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。すなわち、本発明によれば、高所の作業ステージ上に設置するPC鋼より線巻取り装置を無端コンベアからなる無端巻取り機構により形成したことにより、無端巻取り機構内に納まるコンクリート構造物であればどのような形状のものであっても対応可能でPC鋼より線の巻付けを円滑に行うことができて汎用性に富んでいる。
【0079】
また本発明は、重量物である繰り出し装置を地上側などの作業ステージとは別の場所に設置して、足場上の作業ステージには、簡易な構造の無端巻取り機構と、回転駆動装置と、必要に応じて追加される送り込み装置とのいずれも比較的軽量な装置だけを配設し、これに無端巻取り機構内に収容される軽量なPC鋼より線コイルが荷重として加算される構造であるので、大掛かりな作業ステージを必要としなく、コンクリート構造物の構築に係る取回り設備の小型化、低コスト化が図れる。
【0080】
更に、従来の台車走行方式では高荷重、偏荷重である上に大型の台車の走行に必要な広い作業場所を必要とするとともに、台車が作業員に接近・離間することにより安全面でも危惧されていたのに対して、本発明は無端コンベア方式を採用したことによって軽荷重、かつ均等荷重の設備になることから、作業ステージはコンパクトなものでよく、しかも、所定領域内でのコンベアの動きにだけ注意を払っていればよいので、作業者に対する安全性の面でも格段に優れている。
【0081】
また、附帯設備である電気関係の設備に関しても固定式であって移動体への給電を一切必要としないので、簡単かつ低コストのもので済み、更に、重量物であるPC鋼より線ドラムを定期的に昇降動させる作業が省けて現場作業の合理化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る橋脚での作業足場・作業ステージ組立ての態様を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るPC鋼より線巻付装置における橋脚の作業ステージ上での組立ての態様を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図3】図2図示のPC鋼より線巻付装置の無端巻取り機構における橋脚の作業ステージ上での初段階組立ての態様を示し、(イ)は部分示する平面図、(ロ)は(イ)におけるA−A矢視線に沿う断面図である。
【図4】図3図示の無端巻取り機構における橋脚の作業ステージ上での中段階組立ての態様を示し、(イ)は部分示する平面図、(ロ)は(イ)におけるB−B矢視線に沿う断面図である。
【図5】図3図示の無端巻取り機構における橋脚の作業ステージ上での終段階組立ての態様を示し、(イ)は部分示する平面図、(ロ)は(イ)におけるC−C矢視線に沿う断面図である。
【図6】図2図示のPC鋼より線巻付装置の全容についての橋脚への設置状態を概要示する図であり、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図7】図6に図示するPC鋼より線巻付装置におけるPC鋼より線の巻取り手段の態様を示す図であり、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図8】図6に図示するPC鋼より線巻付装置におけるPC鋼より線の巻付け手段の態様を示す図であり、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は(ロ)における丸囲み部分Dの拡大図である。
【図9】図6に図示するPC鋼より線巻付装置における高所位置でのPC鋼より線の巻付け手段の態様を示す正面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るローラコンベア方式PC鋼より線巻付装置の要部構成が示される平面図である。
【図11】図10に対応するPC鋼より線1回巻付けの状態が示される平面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係るローラコンベア方式PC鋼より線巻付装置の要部構成が示される平面図である。
【図13】図12に図示するPC鋼より線巻付装置における橋脚でのPC鋼より線の巻付け手段の態様を示す正面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係るチェーンコンベア方式PC鋼より線巻付装置の要部構成が示される平面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係るPC鋼より線巻付装置における橋脚の作業足場・作業ステージ上での組立ての態様を示す平面図である。
【図16】図15に対応する正面図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態に係るPC鋼より線巻付装置の無端巻取り機構のユニットを部分示する平面図である。
【図18】図17に対応する正面図である。
【図19】図18に対応する側面図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係るPC鋼より線巻付装置の無端巻取り機構のユニットの概要示斜視図である。
【図21】図17乃至図20に図示する無端巻取り機構における回転駆動装置の概要構造を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図22】図17乃至図20に図示する無端巻取り機構における手操作ガイド機構の概要構造を示し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は側面図である。
【符号の説明】
1…コンクリート構造物 2…鋼管
3…主筋 4…PC鋼より線
5…足場 6…作業ステージ
7…無端巻取り機構 8…送り込み装置
9…繰り出し装置 10…回転駆動装置
11…軌道ガイド枠 12…台枠
13…車輪 14…内側パイプ枠
15…外側パイプ枠 16…底部
17…内周側壁部 18…外周側壁部
19…原動機 20…駆動輪
21…ブレーキ装置 22…パイプピット
23…反力ローラ 24…条長カウンタ
25…駆動ローラ枠 26…自由ローラ枠
27…駆動ローラ 28…自由ローラ
29…継ぎワイヤガイド 30…駆動枠
31…線受け枠 32…線受けローラ
33…スプロケット 34…チェーン
35…線固定金具 36…連結用ベース
37…チェーン受けレール 38…チェーンガイド
39…無端ダブルチェーン 40…内側バケットガイド枠
41…外側バケットガイド枠 42…内側バケットガイドレール
43…外側バケットガイドレール 44…バケット
45…内側上桟 46…外側上桟
47…リング付ガイド部材 48…梁材
49…梁材 50…梁材
51…L形材 52…L形材
53…チェーン案内用細長穴 54…バケット係止部材
55…転動ローラ 56…荷重受け用ガイドローラ
57…横振れ止め用ガイドローラ 58…可変速ギヤードモータ
59…スプロケット 60…タンデムスプロケット
61…ローラチェーン 62…架台
63…中心基軸 64…アーム
65…鼓形ローラ 66…ラバースプリング
67…手押しレバー 68…ガイドリング
69…下部ガイドバー 70…安全カバー
71…線挿入ガイドパイプ 72…クレーン
73…送りベルト 74…駆動プーリ
75…ブーム

Claims (13)

  1. 構築されるコンクリート構造物における縦方向の主筋群の周りに順次組立てられる、又は吊下げられる足場に設置された作業ステージ上に、払い出し可能なコイル状にPC鋼より線を巻取り収容する無端コンベアからなる無端巻取り機構を前記コンクリート構造物に囲ませて前記作業ステージ上での駆動により回転可能に配設するとともに、PC鋼より線を引き取って送り出す送り込み装置を無端巻取り機構の外側の前記作業ステージ上に設置し、一方、PC鋼より線を繰り出す繰り出し装置を前記コンクリート構造物の周りの地上を含み前記作業ステージとは別の場所に配設し、前記送り込み装置の駆動に伴い無端巻取り機構を回転駆動して繰り出し装置から繰り出されるPC鋼より線を無端巻取り機構に所定長のコイル状に巻取らせた後、この無端巻取り機構を駆動により回転させながら、該巻取り機構に巻取られているPC鋼より線を払い出して前記主筋群の外側に巻付かせて行くことを特徴とするPC鋼より線巻付方法。
  2. 構築されるコンクリート構造物の周りに組立てた足場の上に取付けて前記コンクリート構造物の縦方向の主筋群に囲ませて設けるための作業ステージを、前記コンクリート構造物を取り巻く地上を含み平坦に展開してなる作業場所に移設が可能に配設し、PC鋼より線を払い出し可能なコイル状に巻取り収容する無端コンベアからなる無端巻取り機構を前記作業ステージ上に駆動により回転可能にコンクリート構造物に対して同心させて搭載する一方、PC鋼より線を繰り出す繰り出し装置と、前記PC鋼より線を引き取って前記無端巻取り機構に送り出す送り込み装置とを前記作業場所に配設して、前記送り込み装置の駆動に伴い前記無端巻取り機構を回転駆動して前記繰り出し装置から繰り出される前記PC鋼より線を前記無端巻取り機構に所定長のコイル状に巻取らせた後、この作業ステージをクレーン等の起重機により前記足場上に移設して、前記作業ステージ上の前記無端巻取り機構を駆動により回転させながら、該無端巻取り機構に巻取られているPC鋼より線を払い出して前記主筋群の外側に巻付かせて行き、前記作業場所でのPC鋼より線の巻取りと、前記足場でのPC鋼より線の巻付けとを、前記起重機による作業ステージの移設に応じて交互に繰り返して行わせることを特徴とするPC鋼より線巻付け方法。
  3. 構築されるコンクリート構造物における縦方向の主筋群の周りに順次組立てられる、又は吊下げられる足場に設置された作業ステージ上に、前記コンクリート構造物に囲ませて作業ステージ上での回転可能に配設されてPC鋼より線を払い出し可能なコイル状に巻取り収容する無端コンベアからなる無端巻取り機構と、前記無端巻取り機構の外側の前記作業ステージ上に設けられて該無端巻取り機構を回転させる回転駆動装置と、前記無端巻取り機構の外側の作業ステージ上に設置されてPC鋼より線を引き取って送り出す送り込み装置と、前記コンクリート構造物の周りの地上を含み前記作業ステージとは別の場所に配設されてPC鋼より線を繰り出す繰り出し装置とを含み、前記送り込み装置の駆動に伴い無端巻取り機構を回転駆動装置により回転して、繰り出し装置から繰り出されるPC鋼より線を無端巻取り機構に所定長のコイル状に巻取らせる巻取り手段と、この無端巻取り機構を駆動により回転させて該巻取り機構に巻取られているPC鋼より線を払い出して前記主筋の外側に巻付かせる巻付け手段とを交互に繰り返して行わせることを特徴とするPC鋼より線巻付装置。
  4. 構築されるコンクリート構造物の周りに組立てた足場の上と前記コンクリート構造物を取り巻く地上を含み平坦に展開してなる作業場所とに移設可能に、かつ、前記コンクリート構造物の縦方向の前記主筋群を包囲可能に設けられる作業ステージと、PC鋼より線を払い出し可能なコイル状に巻取り収容する無端コンベアからなり、前記作業ステージ上に駆動により回転可能にコンクリート構造物に対して同心させて搭載される無端巻取り機構と、前記PC鋼より線を引き取り前記無端巻取り機構に送り出すために前記作業場所に据え付けられる送り込み装置と、前記PC鋼より線を繰り出すために前記作業場所に据え付けられる繰り出し装置と、前記作業ステージを前記作業場所と前記足場上とに移設させるために前記作業場所に据え付けられるクレーン等の起重機とを含み、前記送り込み装置の駆動に伴い前記無端巻取り機構を回転駆動して前記繰り出し装置から繰り出される前記PC鋼より線を前記無端巻取り機構に所定長のコイル状に巻取らせる巻取り手段と、前記無端巻取り機構を駆動により回転させながら、該巻取り機構に巻取られているPC鋼より線を払い出して前記主筋群の外側に巻付かせる巻付け手段とを、起重機による前記作業ステージの移設に応じて交互に繰り返して行わせる如くしたことを特徴とするPC鋼より線巻付け装置。
  5. 前記無端巻取り機構が、PC鋼より線を載せる円環状の底部及び該底部の内・外周縁部から立上げた内・外周側壁部を備える円環樋状の台枠と、前記内・外周側壁部の上部にそれぞれ組付けてなるPC鋼より線脱落防止用の内側パイプ枠及び外側パイプ枠と、前記台枠の下底部に取付けた複数個の車輪とを含み、前記コンクリート構造物を囲む円環形に組付けて前記作業ステージ上に設けた複数分割が可能な軌道ガイド枠に前記車輪を介し乗載され、かつ、前記外周側壁部が被動部として前記回転駆動装置の駆動輪に当接して回転駆動力を受けることによって、作業ステージ上での回転可能に配設される請求項3記載のPC鋼より線巻付装置。
  6. 前記無端巻取り機構が、前記巻付け手段の作動の際にPC鋼より線が急激に払い出されるのを制動するブレーキ装置を備える請求項5記載のPC鋼より線巻付装置。
  7. 無端巻取り機構における前記台枠が、円環状に組付け可能な複数個の分割体から成る請求項5記載のPC鋼より線巻付装置。
  8. 無端巻取り機構が、バケット可動式の無端コンベアからなり、作業ステージ上に主筋群を取り囲ませる環状に敷設されたチェーン受けレールと、チェーン受けレールと同じ環状のチェーン案内用細長穴を該受けレールの直上方に位置させて有し、チェーン受けレールの上方に設けられたチェーンガイドと、上下に環状に並べて設けられた上列チェーン及び下列チェーンを有し、上列チェーンの上面部にはバケット係止部材が定ピッチで立設され、下列チェーンの下面部には転動ローラが定ピッチで取付けられて、上列チェーンがチェーン案内用細長穴に介挿され、下列チェーンが転動ローラを介してチェーン受けレールに支持され、かつ回転駆動装置により回転駆動力が与えられることによって、主筋群の平面配列パターンに相似する環状に作業ステージ上を走行旋回可能に形成される無端ダブルチェーンと、前記チェーン受けレールを挟み内側及び外側に該チェーン受けレールに相似する環状に沿った配列で、相互間に所定の間隔をとって立設された複数個の内側バケットガイド枠及び外側バケットガイド枠と、複数個の内側バケットガイド枠の中間部に亘らせて前記チェーン受けレールに相似する環状に設けた内側バケットガイドレールと、複数個の外側バケットガイド枠の中間部に亘らせて前記チェーン受けレールに相似する環状に設けた外側バケットガイドレールと、底桁とその両端部から立ち上がらせた内側桁及び外側桁のU字状桁材からなり、上列チェーン上に前記バケット係止部材を介して該チェーン走行方向の前後に定ピッチで取付けられて、内側バケットガイドレール及び外側バケットガイドレールにより、荷重が支承され、横振れが抑えられながら主筋群の平面配列パターンに相似する環状に走行旋回可能に形成される複数個のバケットとを含んで構成される請求項3記載のPC鋼より線巻付装置。
  9. 複数個の内側バケットガイド枠の上端部に亘らせて内側上桟が設けられ、複数個の外側バケットガイド枠の上端部に亘らせて外側上桟が設けられ、コイル状に巻取られ複数個のバケット間に収容されたPC鋼より線を払い出すためのリング付ガイド部材が、内側上桟及び外側上桟に対して手操作による走行可能に橋架されて設けられる請求項8記載のPC鋼より線巻付装置。
  10. 無端巻取り機構が、直線部を形成する直線部分割体とコーナー部を形成する曲線部分割体とからなる複数個の分割体により、主筋群の平面配列パターンに相似する環状に組付け可能に構成されて、そのうちの少なくとも一つの分割体に回転駆動装置が付設されてなる請求項8又は9記載のPC鋼より線巻付装置。
  11. 隣合う2個の内側バケットガイド枠、この両内側バケットガイド枠に対向する位置に隣合う2個の外側バケットガイド枠、それら4個のバケットガイド枠内に存するチェーン受けレール、チェーンガイド、内側バケットガイドレール及び外側バケットガイドレールを含んで分割体のユニットが構成される請求項10記載のPC鋼より線巻付装置。
  12. バケット係止部材が、上列チェーンの上面部から垂直上向きに立設してなるバケット係止ピンであり、バケットが、底桁の下面に開口して前記バケット係止ピンが係合されるピン穴を備える請求項10又は11記載のPC鋼より線巻付装置。
  13. 回転駆動装置が、遠隔操作による回転速度の調節可能に形成され、PC鋼より線を主筋群に巻付けるに際し、バケットとコンクリート構造物との周長差によるPC鋼より線の弛みをバケットの走行速度調節によって一定に保持し得るようにした請求項10又は11記載のPC鋼より線巻付装置。
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