JP3634156B2 - テレビジョン表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示装置における画像の鮮鋭度を改善するために使用される電子ビームの走査速度変調(SVM)システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム強度を制御するビデオ信号の導関数に従って電子ビームの走査速度を変調することによって、画像解像度を改善し得ることは良く知られている。そのビデオ信号は、ルミナンス信号として周知の信号で、そのルミナンス信号の導関数を使ってビームの走査速度変調(SVM)を行うのである。ビームの走査速度変調を行うと、カラー映像管を使用するカラー・テレビジョン・システムの画像の鮮鋭度が改善される。
【0003】
多くの最新式のカラー・テレビジョン受像機はまた付加ビデオ信号源を持っている。その様な付加ビデオ信号源の一例は、一般にオンスクリーン表示(OSD)発生機と呼ばれるものである。このOSD発生機の機能は、視聴者が普通のテレビジョン番組を観ているときに、付加表示情報を供給することである。すなわち、OSD発生機は、テレビジョンのスクリーン上に表示するために、時刻、チャンネル番号、その他種々の制御情報などを供給する。
【0004】
OSD表示を行う場合、OSD情報は普通の画像情報と一緒に表示される。たとえば、図2に示した様に、テレビジョン・スクリーンには“MUTE”なる語が表示される。この語の表示はOSD発生機によって発生されるものである。この表示は視聴者に対して、テレビジョン画像に付帯している音声が消されていることを、示している。
【0005】
テレビジョン画像に重畳されるこの種の図形(グラフィカル)データを発生する技法に周知である。その様な技法は、テレビジョン(走査)線をカウントして適正なピクセル位置に、時刻、チャンネル番号、“CONTRAST”、“COLOR”、“MUTE”などの語その他を表示するための適切な図形を挿入するOSD発生機を使用するものである。オンスクリーン表示およびそれに伴ってOSD発生機を使用する場合は、そのテレビジョン受像機で処理されている通常のビデオ信号の代わりに異なったビデオ信号すなわち映像管駆動を必要とする。この様にして、観察中の画像の上に適切な情報を重ねることができる。
【0006】
オンスクリーン表示発生機のような付加ビデオ信号源を有するテレビジョン受像機では、走査速度変調に関連して或る問題が発生することがある。周知のように、SVM装置は、主ビデオ信号源から供給されるルミナンス情報を微分した信号に応じて水平ビーム走査速度を変調するように動作する。この変調は、主ルミナンス信号のOSD消去と文字信号の挿入に先行して発生する。この構成では、映像管すなわち表示装置へのOSD信号路がSVM装置をバイパスする。
【0007】
そのために、主ルミナンス信号の消去された部分を表すゴースト像が、挿入したOSD文字情報の近くまたは背後にテレビジョン・スクリーン上に表れる。水平走査は、微分されたルミナンス信号に従って、たとえばルミナンス端縁部に従って、SVMコイルにより変調されているので、OSD表示装置で発生した文字の背後のゴースト像は、主ルミナンス信号の消去された部分に含まれている画像の輪郭として現れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な状況からして、テレビジョン受像機において、OSD発生機の動作中、上記した妨害作用を除きかつSVMによるアーティファクトの発生を大幅に低減させることが、要望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、走査変調回路が、第1のビデオ信号のビデオ成分に応じて、表示装置に表示される画像を変調する。付加ビデオ信号が選択されると、付加ビデオ信号源はその画像情報を表示装置上に表示する。しかし、走査変調回路の動作は上記の選択に応じて変調される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1のカラー・テレビジョン受像機10においてアンテナ11は通常の形でチューナ12に結合されている。チューナ12の出力はIF段13に印加され、IF段13の出力はくし形フィルタ14の入力に供給される。フィルタ14は、2つの出力を有し、その一方をルミナンス信号処理のためにルミナンス処理器15の入力に供給し、他方の出力をクロマ復調器16に供給する。ルミナンス処理器15は、普通の回路で、IF段13の出力に発生する合成カラービデオ信号に含まれているルミナンス信号に応答する。クロマ復調器16は、R−YおよびB−Y信号という様な色差信号を供給する。
【0011】
ルミナンス処理器15の出力から得られるルミナンス信号Yおよびクロマ復調器16の出力からの色差信号は、段17に供給される。段17はRGBマトリクスおよびOSD挿入段として構成されている。段17は、色差信号とルミナンス信号を受入れ、1つのモードでは厳密にRGBマトリクスとして働く。このモードでは、このマトリクスは、色差信号とルミナンス信号とを普通通りに処理して、赤(R)、緑(G)および青(B)信号を生成する。このR、G、B信号は、映像管駆動回路20に供給される。この駆動回路は、普通のカラー・テレビジョン受像機に具えられたカラー映像管21を駆動する。
【0012】
映像管21のネック部には、水平および垂直の両偏向巻線を有する主偏向ヨーク23が配設されている。上記各巻線は、水平偏向回路および垂直偏向回路(共に図示省略)からそれぞれ給電付勢されて、映像管21の観察スクリーンに走査線ラスタを描かせる。映像管中の各ビームには、走査速度変調を与えるように働く補助偏向コイル26によって追加偏向が与えられる。SVMコイル26は単一コイルでも、複数巻線を有するコイルでもよい。何れにしろ、磁気偏向の代わりに静電偏向を利用する偏向板など他の手段により、走査速度変調を行うこともできる。SVM26の付勢は、後述する走査速度変調段35によって行われる。
【0013】
ルミナンス・ビデオ信号YSはルミナンス処理器15により発生し、マトリクス段17に印加される広帯域ルミナンス信号Yを表している。ルミナンス・ビデオ信号YSはSVM段35の入力バッファ増幅器30に供給される。増幅器30の出力は微分回路31の入力に供給され、そこでこの増幅されたビデオ信号は微分処理される。微分されたこのビデオ信号は次にリミッタすなわち振幅制限増幅器32の入力に印加される。このリミッタは、通常動作に関して、この微分されたビデオ信号の振れ(エクスカージョン)を正負両方向にされて制限するように働く。
【0014】
振幅制限増幅器32の出力は、たとえばノイズ除去を行うという様に、更に信号を処理する駆動増幅器33の入力に印加される。駆動増幅器33の出力は、出力電力増幅器34の入力へ結合され、その電力増幅器34への入力電圧が出力電流に変換される。この電流は、上記微分されたビデオ信号の大きさに比例するもので、SVMコイル26の駆動に使用される。
【0015】
SVM段35は、段15,17および20によって処理されているルミナンス信号の遅延と整合するような信号遅延特性を持っている。こうして、表示画像の正しくタイミングの合った端縁改善を行うことができる。
前述したように多くの最新式のテレビジョン受像機はOSD動作をすることができる。OSD動作のために、その様な受像機はOSD発生機40を持っている。OSD発生機は、水平線カウンタを具えていて、垂直同期信号に応答して、テキストや図形が映像管スクリーンに表示されている画像の上に選択的に重畳されるようにする。このOSD情報を重畳させるために、OSD発生機40の出力は信号線40bを介してRGBマトリクスとOSD挿入段17に結合されている。この信号線上の切換信号によって、RGBマトリクス段17は原画像情報駆動信号を消して代わりにOSD文字駆動信号を出力する。
【0016】
SVM段35は、主信号源からのルミナンス信号の微分成分と共に動作し、従ってまた映像管21に印加されている信号が一部OSD発生機40のような付加信号源から取り出されるものであっても動作する。OSD発生機の動作中、映像管すなわち表示装置へのOSD信号路はSVM回路をバイパスする。これによって、前述した好ましくは可視的なアーティファクトがテレビジョン・スクリーンに現れる。
【0017】
OSD発生機とSVM動作の間の上記干渉作用の性質を更に理解するために、OSD発生機が語“MUTE”を生成するように働く、代表的なテレビジョン・シーン36を示している図2を参照して説明する。この語“MUTE”は、参照数字38で表されるように任意形式の図形フォーマットでスクリーン上に現れる。語“MUTE”は、所定数の選ばれた水平線37の間OSD発生機によって発生させられるものであるから、スクリーン上の任意の場所に任意の大きさまたは形で表示することが可能である。シーン36のゴースト像が、この語“MUTE”の表示の背後にまたは近くに現れることがある。それは、SVM段35が、発生した文字情報にでなく消去したルミナンス情報に応答するからである。
【0018】
上記の作用を除くため、この発明の一態様に従って、OSD文字発生期間中、または付加ビデオ信号源による画像表示期間の間、SVM段35はその通常の動作を選択的に禁止される。図1に示すように、OSD発生機40からの出力信号線40CはSVM段35に結合されていて、OSD発生の期間中SVM動作を変更して、OSD動作期間中に可視的なアーティファクトが現れることを大幅に減少させる。
【0019】
SVM段35の詳細を加味した図1の回路の一部が図3に示されている。図3において、ルミナンス・ビデオ信号YSは、抵抗41を介して、共通ベース形式に接続されたトランジスタ42のエミッタ電極に供給される。この共通ベース接続トランジスタに対するベースバイアスは、動作電源+VAと大地との間に接続された抵抗43および44から成る分圧器から、得られる。トランジスタ42のベース電極と大地間にはバイパス・キャパシタ45が結合されている。
【0020】
トランジスタ42のコレクタ電極は、負荷抵抗46を通して動作電源+VAに接続されている。トランジスタ42のコレクタ電極は、また、エミッタホロワ即ちバッファ構成のトランジスタ48のベース電極にも結合されている。トランジスタ48のコレクタ電極は動作電源+VAに結合され、エミッタ電極は抵抗49を介して大地に接続されている。このエミッタ電極は、また、キャパシタ50を介してトランジスタ51のベース電極にもAC結合されている。トランジスタ51は図1の差動振幅制限増幅器32の一部をなしている。
【0021】
トランジスタ51のベースは、インダクタ54とキャパシタ55の並列回路より成るタンク回路に結合されている。このタンク回路は、微分器31の動作について微分器の特性を補償するように平坦な遅延特性を呈し、それによって高周波動作に関して微分出力を直線化する。微分器31はキャパシタ55と抵抗53で構成されている。抵抗53は、タンク回路の端子のうちトランジスタ51のベースから遠い方の端子に一方の端子を接続され、他方の端子を抵抗71,72,73から成る分圧器の抵抗71と72の接続点に接続されている。この分圧器は差動振幅制限増幅器のバイアス点を設定している。
【0022】
差動振幅制限増幅器32はトランジスタ51と52を持っている。トランジスタ51は、コレクタ電極を動作電源+VAに直接結合し、エミッタ電極を可制御電流源18のトランジスタ65のコレクタ電極に抵抗62を通じて結合している。トランジスタ65のエミッタ電極は抵抗66を介して大地に結合されている。同様に、トランジスタ52のエミッタ電極は抵抗63を介して、定電流源トランジスタ65のコレクタ電極に結合されている。抵抗62と63はその値が等しい。
【0023】
抵抗62及び63は、増幅器32の利得を低下させる。即ち、抵抗62及び63の値が増加すると共に、増幅器32の利得は減少する。このような利得の変化は、クリッピングが生ずる入力信号のレベルを変える。例えば、増幅器32の利得の減少はクリッピングが生じる入力信号のレベルを増加させる。
トランジスタ52のコレクタ電極は、コレクタ負荷抵抗68を介して動作電源+VAに結合されていて、この振幅制限増幅器32の出力を生成する。トランジスタ52のベース電極は、抵抗60を介して、抵抗71と72の接続点に結合され、また高周波数信号成分のバイパスとして働くキャパシタ61によって大地に結合されている。トランジスタ51のDCバイアスは抵抗53の接続を介して与えられている。抵抗60と53は、大きさが等しく、トランジスタ51と52に等大のDCバイアスを与え得るようになっている。
【0024】
トランジスタ51のベース電圧が増加すると共に、トランジスタの導通が良くなる。トランジスタ65の電流は変化しないので、トランジスタ52の電流は減少する。トランジスタ51の最大の導通はトランジスタ52がカットオフされたときに生ずる。トランジスタ51のベース電圧が更に増加しても、トランジスタ52のコレクタ電圧はそれ以上減少しない。従って、出力はトランジスタ65の導通によって決められるレベルにクリップされる。
【0025】
トランジスタ51のベース電圧が減少すると共に、トランジスタ52の導通は電流源18のトランジスタ65を通る電流の限界値まで増加する。トランジスタ51のベース電圧が更に減少してもトランジスタ52のコレクタ電圧はこれ以上増加しないので、出力はクリップされる。
従って、トランジスタ52のコレクタの信号は、ピーク・ピーク制限された信号を与えるため正と負の両方向でクリップされ、クリッピングレベルは電流源トランジスタ65の導通のレベルによって制御されることが分かる。
【0026】
電流源トランジスタ65のベース電極は、分圧抵抗72と73の接続点に結合されると共に、また制御トランジスタ118のコレクタ電極にも結合されて振幅制限増幅器32を流れる電流を制御するようになっている。この制御器は、後記するように、振幅制限器のピーク・ピーク出力信号を変化させると共に、ダブルエンデッド制限作用を与える。
【0027】
トランジスタ52のコレクタ電極はエミッタホロワ即ちバッファトランジスタ80のベース電極に直接結合されている。トランジスタ80のコレクタ電極は動作電源+VBに結合され、出力エミッタ電源は駆動段33に結合されている。
駆動段33は、相補型トランジスタ85と88より成り、トランジスタ85のベースはトランジスタ80のエミッタに直結し、トランジスタ88のベースはトランジスタ80のエミッタにダイオード81を介して結合している。ダイオード81は両駆動トランジスタのベース間に直結されている。両トランジスタ85と88のエミッタ相互間には抵抗87が結合され、トランジスタ88のベースと大地間には抵抗82が結合されている。トランジスタ85と88はB級増幅器を形成して、出力段34を駆動するように働く。このB級増幅器は、また、低レベルのノイズ除去作用も行う。その理由は、トランジスタ85又は88のいずれも導通しないエミッタフォロワ即ちバッファトランジスタ80のエミッタの入力信号の値の範囲が存在するからである。
【0028】
抵抗62及び63の値の変化は、増幅器32の利得を変化させると共に、駆動増幅器33によるノイズ除去に影響を与える。例えば、増幅器32の利得の減少は、ノイズ除去される信号の量を増加させ、即ち、増幅器32の利得の減少は駆動増幅器33に供給される信号のレベルを減少させるので、より多くの低レベルノイズが除去される。
【0029】
B級駆動段35中のトランジスタ85と88の両エミッタ電極は、出力段34の相補型トランジスタ111と113の各ベース電極にAC結合されている。このAC結合を行うため、トランジスタ85と88の両エミッタ電極は、それぞれキャパシタ91および92と直列接続された各抵抗89と90を介して、上記各ベース電極に接続されている。トランジスタ111のエミッタ電極は抵抗110を介して動作電極+VCに結合されている。抵抗122とキャパシタ121は電流制限作用と電源濾波作用を行う。動作電源+VCは、たとえば、14ボルトの+VB電圧電源に比べて、たとえば135ボルトという比較的高い値のDC電源である。これによって、出力増幅器段34はSVMコイル26に対して高周波数電流を供給することが可能となる。
【0030】
トランジスタ111のコレクタ電極は、トランジスタ113のコレクタ電極に結合されて、B級出力段を形成している。この出力段の両トランジスタに対するバイアスは、抵抗100,101,102および103から成る分圧器から得られる。トランジスタ113のエミッタ電極は、抵抗114と電流サンプリング抵抗116を介して大地に結合されている。抵抗116はフィルタキャパシタ115によって分路されている。抵抗116とキャパシタ105より成るRCフィルタの時定数は水平線期間20乃至30個分程度である。
【0031】
SVMコイル26の一方に端子はトランジスタ111と113のコレクタ同士の接続点に接続され、他方の端子は接地されたキャパシタ105に結合されている。この様にして、SVMコイル26は出力段34にAC結合され、コイル中にDC電流が流れることはない。SVMコイルの両端間にはダンピング抵抗109が結合されている。このSVMコイル26とキャパシタ105の接続点を抵抗101と102の接続点に結合することによって、DC安定化が得られる。
【0032】
出力段34は、ルミナンス信号YSが可成りの量の平均高周波数成分を含んでいるときこの段で過大電力消費が生じないようにするため、抵抗116によって形成される電流帰還システムを持っている。出力段34を流れるこの平均電流はサンプリング抵抗116を流れる。抵抗116の両端間に生ずる濾波された電圧はこの出力電流を表すもので、抵抗120を介してトランジスタ118のベース電極に結合されている。トランジスタ118のベース電極はキャパシタ117によって大地へバイパスされている。キャパシタ117の大きさは、不要にトランジスタ118に結合される可能性のある高周波数信号およびノイズを大幅に減衰させるように、選ばれる。
【0033】
トランジスタ118のコレクタ電極は、定電流トランジスタ65のベース電極に相当する分圧抵抗72と73の接続点に、抵抗119を介して結合されている。たとえばビデオ信号YSの平均高周波数成分の増加によって、出力段34を流通する電流が増加すると、トランジスタ118の導通が増し、従ってトランジスタ65の電流が減少することになる。トランジスタ65の電流の減少はピーク・ピーク出力応答の低下をもたらす。その結果、出力段34の平均駆動が減少し、この出力段における過大電力消費が防止される。
【0034】
図1および図3のOSD発生機40は、OSD文字発生期間中、1線ごとのベースで、マトリクス段17にOSDブランキング・パルスを供給する。これらのブランキング・パルスは、また、SVM禁止回路19にも結合されて、OSD発生期間中、通常のSVM動作を選択的に禁止する。
図3において、負方向のOSDブランキング・パルス40aが、トランジスタ133のベース電極に抵抗130を介して供給される。トランジスタ133のベース電極と大地間には抵抗132が結合されている。トランジスタ133のコレクタ電極はSVM禁止トランジスタ136のベースに結合されている。トランジスタ136のDCベース・バイアスは抵抗134を介して動作電源+VAから得られる。トランジスタ136のコレクタ電極は、抵抗135を介して定電流源トランジスタ65のベース電極に結合され、このトランジスタ65のベース電極は、また後で述べるように比較的大きな値のキャパシタ137を介して大地に結合されている。
【0035】
OSD発生機40が与えられた水平線のブロックにおいて文字発生を行うように動作する際には、このOSD発生機はこれら水平線のブロックの各線期間内に一連のブランキング・パルス40aを発生する。これらのパルスは各線に対するOSD挿入点に相当する。ブランキング・パルス40aのどの1個でも、そのパルス期間中トランジスタ136をオン状態に切り換えて、キャパシタ137を急速に放電し、トランジスタ65からベース電流の流れをそらせる。これによって差動増幅器32に対する電流源はターンオフ若しくはその大きさが大幅に低減されることになる。それはトランジスタ136のコレクタに直列接続された抵抗135の値によって決まる。たとえば、電流源18の大きさは、差動増幅器32のピーク・ピーク出力が通常値から20db低下する点まで減少する。或る条件の下では、6dbという少量の低下でさえも有効である。
【0036】
禁止回路19が動作した結果、出力段34には問題にする程の量の微分されたビデオ信号は供給されない。SVMコイル26はOSD動作期間中実質的に付勢状態とはならず、その結果、テレビジョン・スクリーンに妨害性アーティファクトが現れることが防止される。
OSD発生が完了すると、その後はブランキング・パルス40aが発生されることは無く、禁止トランジスタ136はターンオフされることになる。この発明の別の特徴によれば、電流源トランジスタ65はトランジスタ136がターンオフされても即刻導通状態にはならない。
【0037】
その代わり、放電されたキャパシタ137が、トランジスタ65のベース・エミッタ接合が通常バイアス値まで順バイアスするレベルに達するまで、再充電されるに要する時間によって決まる期間だけ、トランジスタ65は遮断状態または遮断に近い状態を維持する。この再充電時間は、動作電源+VAの値およびトランジスタ65のベース電流回路のパラメータと共に、キャパシタ137と分圧抵抗71,72,73の呈するRC時定数の関数である。キャパシタ137として比較的大きな値のものを選ぶことによって、たとえば水平線20本または30本分に等しい遅延を与えることができる。これによって、OSD発生の終了後、通常のSVM動作が比較的ゆっくりと回復することになる。
【0038】
通常のSVM動作へのこの比較的ゆっくりとした回復動作は、種々の点から都合が良い。たとえば、図2に示すように禁止回路19がSVM段35に接続されていれば、電流源トランジスタ65が禁止状態となったとき差動増幅器32は禁止状態となる。するとトランジスタ52のコレクタ電極は+VA電圧レベルまで引き上げられる。このレベルは、続いてトランジスタ80と85の順次連続するベース・エミッタ接合により変換されてDC阻止キャパシタ91と92に結合され、それらの充電レベルを変化させる。
【0039】
いま、電流源トランジスタ65は、OSD発生が終了すると即刻完全導通状態になるものであったと、仮定する。すると、差動増幅器32も即刻動作状態となる。出力増幅器段34に対する全ピーク・ピーク振幅SVM駆動が即時に回復することになる。しかし、キャパシタ91と92の充電レベルが変わっているので不適正なDC駆動レベルが上記出力増幅器に印加されることになり、誤った、しかも不所望な電子ビームの走査速度変調を引き起こす。この不所望変調は、全AC駆動で行われ、DC阻止キャパシタ91と92に正しい充電レベルが得られるまで継続する。
【0040】
上記した不所望なDC過渡状態は、キャパシタ91と92の値をたとえば10分の1またはそれ以上低減するというやり方で、避けることができる。しかし、このやり方によると、SVMパルスを構成する相異なる成分周波数の伝播時間が等しくなくなるために、SVMパルス波形に不所望な変形をもたらすことになる。
【0041】
電流源トランジスタ65のベース電極に結合されたキャパシタ137を設けることによって、トランジスタ65の導通はOSD発生の終了に伴ってゆっくりと増大する。トランジスタ52のコレクタ電極におけるピーク・ピークSVM駆動波形は、DC阻止キャパシタ91と92の正しい充電レベルの再設定な追随するような形で、通常の全振幅に向かってゆっくりと増大する。差動増幅器32のこのゆっくりしたターンオンによって、OSD表示の終了に伴って、ゆっくりしたターンオンのない場合に生じ得るSVM過駆動状態を避けることができる。
【0042】
次に図4を参照すると、(a)は、図1と図3のコイル26を流通するSVM電流の包絡線波形を垂直期間時間スケールて示している。(b)は映像管陰極のうちの代表的な1つに印加される反転陰極電圧を、上記(a)と同一スケールで示している。これら(a)および(b)の波形で密に描かれた垂直線は信号の高周波数成分を略示するものである。
【0043】
図4の(b)における語“MUTE”は、テレビジョン・スクリーンにこの語“MUTE”が現れる時の、ある垂直フィールドにおける期間を表している。この期間における図4の(a)のSVM電流は零(0)に減少する。この減少は比較的速く(急速オフ)行われる。文字発生が終了した後は、SVM電流は比較的ゆっくりと通常レベルに戻る(緩速オン)。キャパシタ137は、前述の様に、たとえば水平線20本または30本分に等しいゆっくりとした回復時間を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるビーム走査速度変調を使用したカラーテレビジョン受像機のブロック回路図である。
【図2】図1に示した回路の動作説明に役立つビデオ表示器を示す見取図である。
【図3】この発明を使用した図1のビーム走査速度変調および禁止装置の詳細な回路図である。
【図4】(a),(b)両図は共に図3に示された回路の動作説明に役立つ波形を示す図である。
【符号の説明】
12 第1のビデオ信号の信号源
19 パルスに応答する手段
21 画像表示装置
35 走査変調回路
40 付加ビデオ信号源
137 遅延手段
Claims (1)
- 選択されたときに映像管に表示される画像情報を有する付加的なビデオ信号の信号源であり、上記画像情報の挿入を示す走査同期パルスを生成する付加ビデオ信号源と、
走査速度変調手段に接続され、上記走査同期パルスに応答し、上記付加ビデオ信号源からの画像情報の表示中に、通常の流れを停止する手段と、
を有する走査速度変調装置であって、
入力ビデオ信号の信号源と、
上記入力ビデオ信号の高周波成分を表わす第2のビデオ信号を発生する手段と、
上記第2のビデオ信号が供給される入力を含み、ピーク・ピーク振幅制限された信号を生成する制限増幅器と、
上記ピーク・ピーク振幅制限された信号に応答し、映像管内の電子ビームの走査速度を変調する走査速度変調手段に給電する駆動段と、
上記制限増幅器と上記走査速度変調手段との間に接続され、上記ピーク・ピーク振幅制限された信号からノイズの低レベル成分を除去するノイズ除去手段と、
上記制限増幅器に接続され、上記制限増幅器の入力で振幅限界に到達する信号のレベルを決定し、上記制限増幅器の入力で上記ノイズ除去手段によって除去されるノイズのレベルを決定するため、上記制限増幅器の利得を低下させる利得減衰部と、
出力側に大きい抵抗を示す上記制限増幅器と入力側に小さい抵抗を示す上記駆動段との間で、ノイズのレベルが増加してもノイズ除去された信号のレベルがノイズのレベルに対して減少しないように、上記制限増幅器の制限動作を上記ノイズ除去手段のノイズ除去動作から分離するため、上記制限増幅器と上記駆動段との間に介挿されたバッファ増幅器と、
を具備してなる走査速度変調装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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US562006 | 1990-08-02 | ||
US07/562,006 US5072300A (en) | 1990-08-02 | 1990-08-02 | Beam scan velocity modulation apparatus with disabling circuit |
Related Parent Applications (1)
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Publications (2)
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