JP3632837B2 - 金属ベースメラミン樹脂化粧板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧面への力に対する剛性(以下、面剛性という)に優れ、かつ長期使用においてそりが小さく平坦性に優れた金属ベースメラミン樹脂化粧板に関するものであり、高圧メラミン樹脂化粧板の持つ優れた表面性能を維持し、複数の金属薄板を配する事で高い面剛性を持ちながら軽量化と化粧板コストの低減を図ることを可能とするものである。更に具体的用途として、従来高圧メラミン化粧板が使用されている車両用内装材に活用が期待出来る。また使用部位に応じて化粧板厚みを選択し、従来、補強材や裏板を貼り付けてパネル化し施工されていたものを、面剛性を高くしこれらを省略し、一層の低コスト化と施工時の工数提言を実現するのに有用な材料を提供するものでもある。
【0002】
【従来の技術】
車両内装材料として、従来よりメラミン樹脂化粧板は多用されている。メラミン樹脂化粧板は化粧材として保有する優れた表面硬度、耐汚染性等の表面性能を有し、かつ意匠性でも豊富な色柄が選択出来ることから、表面化粧材として広く使用されて来た。
【0003】
しかし、こうした優れた表面性能を有する反面、常用される化粧板厚みは1.6mm以下である事から、断面積当りの機械的強度は高い剛性を有するものの、単体使用では、使用環境が過酷かつ長期耐久性を求められる車両用途では十分な面剛性ではないため、裏面に補強を行う必要があった。
【0004】
上記の面剛性を補強する手段として、メラミン樹脂化粧板の最下層(裏面)に金属板を配置する金属ベース化粧板が開発されている。しかし、かかる金属ベース化粧板では、基本的構成が、表面側は雰囲気湿度変化に伴う寸法変化が大きいメラミン樹脂含浸層であり、裏面側は湿度変化には全く影響されない金属板という2層構成のため反りが生じ易く、曲げ加工等の各種加工、パネル接着加工等を困難にしたり、使用接着剤の制約を受ける等の欠点を有していた。
従来の金属ベースメラミン樹脂化粧板の欠点を改善するため、概ね以下に述べる3つの方法がある。まずは、最下層金属板の裏面側に表面化粧層に近似した寸法変化挙動を示す含浸樹脂層を配置し、対称構成とする方法、2つ目は、表面側のメラミン樹脂化粧層の寸法変化率を低減させるための樹脂の変性や配合処方の変更、表面コーティング処理等の工夫である。
しかし、これらの方法においても、車両に組み込むときに部品点数を減らし、低コスト化や軽量化のためのパネル化施工には機能が不足していた。その要因は、面剛性不足であり、化粧板単体の平坦性や反り安定性は付与出来ても、内装パネルとして車両に施工される際に、面剛性を補完するための補強材・裏板貼りの手段が必要であり、結果としてパネル重量が重くなり、コスト高になる問題が解消されなかった。こうした面剛性向上を考慮して3つ目の方法が試みられた。それは、ベース金属板の板厚を厚くし、これに伴う機械的強度向上により、裏面補強を省略するというものである。この方法は、化粧板自体の重量増、コストアップにはなるが、内装パネルトータルでの軽量化、部品点数の低減と加工工数減による低コストがなされ、ある程度の評価は得られた。しかし、化粧板を組み込んだ内装パネルは、一段の低コスト化、軽量化を求められる傾向が強く、更なる工夫、改善が必要となっている。
【0005】
更に、車両製作の工数低減策としてユニット工法が多用されるようになり、内装化粧材料の選択基準がユニット化への適合性を重視したものへと変化している。かかる状況のもとで、メラミン樹脂化粧板の位置付けに低下の兆しが現われる様になっていた。
【0006】
また、近年、産業廃棄物処理や塩ビ焼却時のダイオキシン問題に代表される環境保全への社会ニーズが高まる中で、化粧材料にも新たな対応が求められる様になり、一方では低コスト化要求や軽量化対応が益々強くなっている。そうした状況の変化にあって、高圧メラミン樹脂化粧板の持つ高耐久性が見直され期待感が出て来ている。しかし前述した高圧メラミン樹脂化粧板固有の課題の改善は、これまでの検討経過においても常に要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するべくなされたもので、従来の金属ベース化粧板における曲げ加工等の加工性の改善という課題を解決し、寸法変化が小さく、面剛性と平坦性に優れ、内装パネルとしたときの軽量化と低コスト対応に適した金属ベースメラミン樹脂化粧板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)メラミン樹脂含浸紙からなる表面層と、(B)化粧板構成内の裏面及び中間にそれぞれ金属薄板を配し、メラミン樹脂含浸紙と中間の金属薄板、及び金属薄板間はフェノール樹脂含浸紙又はエポキシ樹脂含浸紙からなる接着含浸紙を含む中間コア層を介して一体化されていることを特徴とする金属ベースメラミン化粧板に関するものである。
本発明の金属ベースメラミン化粧板は、その表面性能において一般のメラミン樹脂含浸紙からなる表面層のものと同等のものとなっている。一方、最下層又は中間層に接着含浸紙(フェノール樹脂含浸紙又はエポキシ樹脂含浸紙)を介して、金属薄板が少なくとも2層配置され、かつ好ましくは金属薄板間に形成される中間コア層を0.4mm以上とすることを特徴とし、これらの構成により、寸法変化が小さく、面剛性と化粧板平坦性に優れ、さらに、従来金属ベースメラミン化粧板が抱える軽量化と低コスト化の不十分さを大きく改善した金属ベースメラミン化粧板である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本願発明に用いる(A)メラミン樹脂含浸紙からなる表面層とは、メラミン樹脂含浸化粧紙を必須とし、通常は、さらにフェノール含浸紙、接着含浸紙を含み、表面側にオーバーレイ層を有している。
【0010】
本発明に用いる金属薄板は、化粧板構成内の最下層及び中間層に配置される。金属薄板は、特に限定されるものではなく、アルミ、鉄板、ステンレス板が考えられるが、汎用性と経時安定性、価格、重量、成形後の加工性等から、アルミ板が好ましい。金属薄板の厚みは、0.4〜1.2mmが好ましい。金属薄板の厚みが0.4mm未満であると、面剛性が小さくなる傾向があり、1.2mmを越えると重量が大きくなりすぎ、コスト高となる。
また、隣接する層との接着性の向上のため、中間層に配置される金属薄板は両面をサンディング処理され、最下層に配置される金属薄板は片面をサンディング処理されていることが好ましい。
【0011】
本発明における中間コア層は、所定の厚みを有する樹脂含浸紙の層であり、通常は、接着含浸紙、フェノール樹脂含浸紙、接着含浸紙からなる。フェノール樹脂含浸紙は、通常、1〜4プライである。接着含浸紙とは、金属薄板と樹脂含浸紙とを接着するものであり、通常、接着性の良好なフェノール樹脂含浸紙又はエポキシ樹脂含浸紙である。接着性の良好なフェノール樹脂含浸紙は、通常のフェノール樹脂含浸紙に比べて樹脂分を高くし揮発分を小さくすることにより、金属板との接着力を大きくしたものである。
【0012】
以下、本発明の金属ベースメラミン樹脂化粧板、図面により説明する。
図1は、オーバーレイ1、メラミン樹脂含浸化粧紙2、フェノール樹脂含浸紙3,接着含浸紙4をもって表面化粧層10を形成し、更に金属薄板6(通常はアルミ板)、中間コア層11及び金属薄板7の順に積層してなる金属ベースメラミン樹脂化粧板である。
図1において、オーバーレイ1は、メラミン樹脂含浸紙からなり、メラミン樹脂化粧板としての表面性能を形成する。その直下にメラミン樹脂含浸化粧紙2を配置しているので、このオーバーレイ1は透明度を必要とすることから、厚さ20〜40μmとすることが好ましい。含浸させるメラミン樹脂は、オーバーレイ1及びメラミン樹脂含浸化粧紙2のいずれも通常の一般的高圧メラミン樹脂化粧板用のメラミン樹脂ワニスが適用され、基本的に水溶性タイプが好ましく、また含浸樹脂量等の塗布紙特性値も通常の一般的高圧メラミン樹脂化粧板と同様に実施されるもので良い。場合によっては、図2のように、メラミン樹脂含浸化粧紙5に耐摩耗性の添加剤を添加したメラミン樹脂含浸化粧紙2を使用し、このオーバーレイを省略することも可能である。
【0013】
中間コア層11には、挟み込まれる金属薄板6と裏面金属薄板7と接する面に金属接着性に優れる接着含浸紙4を配置し、この接着含浸層4に挟まれる内側に、前述のフェノール樹脂含浸紙3を所定枚数挿入する。金属薄板6と7は同一厚みでも、厚みが相違してもよいが、相違する場合、金属薄板6が厚い方が好ましい。
【0014】
化粧板の総厚みは、通常2.0〜3.6mmであり、面剛性、コスト等の点で好ましくは2.8〜3.4mmである。板厚が2.0mm未満であると面剛性が不足するようになり、3.6mmを越えると重量が大きくなりコスト高にもなる。
【0015】
次に構成材別の厚み構成であるが、表面化粧層10は、製法上およそ0.30〜0.45mmの範囲であるが、化粧板総厚みに対する金属薄板6及び7と中間コア層11の厚みのバランスから決定される。前述した通り、厚み構成は、基本的には、(1)中間コア層厚みは最低0.4mm以上、望ましくは0.6mm以上で化粧板総厚みの30%以上を占める厚みであり、(2)金属薄板は強度面から最低0.4mm以上とし、更に耐燃焼性対応を考慮すると0.6mm以上が必要で、金属薄板合計厚みが化粧板総厚みの40%以上を占める厚み構成に設計される。
本発明における各構成材別厚み構成の代表例を、表面化粧層10を0.4mmとした場合について、表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
図3は、従来から実施されている金属ベースメラミン樹脂化粧板の構成図である。金属板(通常、アルミ板)の板厚は、通常、化粧板厚みが1.4mmでは1.0mm 、1.6mmでは1.2mm 、3.4mmでは3.0mmである。
【0018】
成形方法については、高圧メラミン樹脂化粧板の汎用技術が適用され、一般の高圧メラミン樹脂化粧板と同温度で成形する。通常の高圧メラミン樹脂化粧板の場合、ポストフォームタイプを除くと、製品最高温度は、135〜145℃程度に調整される。
【0019】
本発明より得られた知見では、裏面側に配置する金属薄板は、最下層に配置する事を基本とする。これは、化粧面側を基準にベンダーロール等の内曲げ加工した際の裏面には外曲げ応力が掛かるため、常温下の伸び特性に優れる金属板を配置する方が安全のためである。しかし、金属腐食が問題になるケースや加熱加工が許される場合においては樹脂含浸層を配置させる方法も有効であり、限定するものではない。但し、樹脂層は、曲げ加工時伸びに優れていることが好ましく、かつ出来るだけ薄厚化することが望ましい。また、従来反り防止のために採られた表面メラミン樹脂化粧層の寸法変化率の低減対策を裏面側に適用することも有効である。
【0020】
本発明を完成するに当たり、幾つかの重要な技術がある。まず初めに、化粧板総厚みの適正化である。基本は、内装パネルの裏補強を省略する為の化粧板面剛性を付与させることが必要であり、一定の板厚を必要とする。開発の過程においては、金属板の厚みを厚くせずメラミン樹脂層と金属板との中間に位置するコア層を厚くすると、金属板のみの場合よりも軽量化され、金属板をアルミとする場合に比較して低コスト化も図れる。しかし、熱伝導性の低い樹脂層が増加するため裏面側からの熱放散が大きく低下し、耐燃焼性が運輸省車両内装材料燃焼試験(以後、「車材燃試」という)の「不燃性」に適合しない。また反り改善策の1つである両面対称構造として、裏面樹脂層部分を厚くする方法は耐燃焼性は解消するものの、車両内装施工で必要とされる内曲げ加工性が大幅に低下する
【0021】
次の技術的ポイントは、金属板の厚み比率を低くして高強度を実現するために、層構成の工夫である。本発明における着眼点は、化粧板反りが生じた際に金属薄板が受ける曲げ応力を引っ張り応力に変える工夫である。一般に金属板の曲げ応力と引っ張り応力はある一定の板厚がある場合は近似しているが板厚が薄厚化するに従い、曲げ強度は減少し引っ張り強度との差が明確となる。この現象を活用するために、金属薄板間に接着コア樹脂層を取り入れることにより、これらが一体化した金属薄板複合体に働く曲げ応力を引っ張り応力に近づける構成とした。この金属薄板複合体は一定以上の厚みが必要であり、金属薄板厚みを薄くする場合は、中間コア層厚みを厚くすることが望まれる。但し、中間コア層の断熱効果を考慮して適正化を図るべきである。
化粧板総厚みと金属薄板厚みとによって、中間コア層厚みは決定されるが、最低0.4mm以上であることが望ましい。これ以下では本発明における曲げ応力を引っ張り応力に変える効果が不十分となる。望ましくは0.6mm以上で化粧板総厚みの30%以上を占める厚み構成が有効である。ただし、1.5mm以上では特性改善の効果の向上は小さく、化粧板総厚みも大きくなり好ましくない。金属薄板は強度面から最低0.4mm以上とし、更に耐燃焼性(車材燃試での「不燃性」に適合させる)対応を考慮すると0.6mm以上が必要な厚みである。金属薄板合計厚みは、面剛性の点から化粧板総厚みの40%以上を確保する構成配分に設計される事が好ましい。ただし、2.0mm以上では重量が大きくコスト高となり好ましくない。
【0022】
【実施例】
以下、本発明について実施例にて具体的に説明する。ここで、「%」は「重量%」を示す。
【0023】
実施例1
米坪40g/m2 の晒し薄葉紙からなる基材に、メラミンに対するホルムアルデヒドのモル比1.8、粘度45cps/20℃の水溶性メラミン樹脂を水により粘度23cps/30℃に調整し、触媒、内部離型剤を添加して得た含浸用メラミン樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥して、樹脂量59%、揮発分7%のオーバーレイ紙1を得た。
次に、前記同様の水溶性メラミン樹脂を水により粘度25cps/25℃に調整した後、硬化触媒を添加し含浸用メラミン樹脂ワニスを得た。このワニスを、通常の高圧メラミン樹脂化粧板用化粧紙(単色抄き込み紙:米坪130g/m2 )に含浸し、加熱乾燥して、樹脂量48%、揮発分6%のメラミン樹脂含浸化粧紙2を得た。
【0024】
一方、米坪190g/m2 の未晒しクラフト紙からなる基材に、フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比1.3、粘度38cps/20℃の水溶性フェノール樹脂をメタノールにより粘度19cps/34℃に調整した含浸用フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥して、樹脂量30%、揮発分7%のフェノール含浸紙3を得た。
また、米坪145g/m2 の未晒しクラフト紙からなる基材に、フェノールに対するホルムアルデヒドのモル比1.2にて乳化反応し、粘度120cps/20℃の脱水濃縮タイプのフェノール樹脂ワニスを得た後、メタノールにより粘度27cps/35℃に調整した含浸用フェノール樹脂ワニスを含浸し、加熱乾燥して、樹脂量48%、揮発分5%のフェノール樹脂含浸紙を得た。
【0025】
これらのオーバーレイ紙1、メラミン樹脂含浸化粧紙2、フェノール含浸紙3,接着含浸紙4を順次組み込み、続いて金属薄板6として両面サンディングされた厚さ0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16)を挿入し、更に中間コア層11として接着含浸紙4、フェノール含浸紙3を3枚と接着含浸紙4の順に5プライ組み込み、最後に再度、前記同様の0.8mmアルミ板(JIS H4000に規定されるA3003P H16、片面サンディング処理品)を金属薄板7として順次重ね合わせた後に、通常の高圧メラミン樹脂化粧板の加圧成形と同様にして、ステンレス艶消し板とオーバーレイ紙1が接触する様に、かつ、このステンレス板間に、当該化粧板構成素材セットを背中合わせに2組ずつ組み込んだ。プレスは、圧力100kg/cm2 に保持した。熱盤温度を160℃とし、製品最高温度が142℃になるまで加熱した後、冷却し、厚さ3.06mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板(図1)を得た。
【0026】
実施例2
実施例1にて用いた化粧紙(単色抄き込み紙:米坪130g/m2 )を基材とし、実施例1と同じく、粘度25cps/25℃に調整した水溶性メラミン樹脂ワニスに、硬化触媒、及び耐摩耗性充填材を添加して得た含浸用メラミン樹脂ワニスを前記化粧紙に含浸・加熱乾燥して、樹脂量52%、揮発分6%のメラミン樹脂含浸化粧紙5を得た。
このメラミン樹脂含浸化粧紙5と実施例1で使用したのと同様のフェノール含浸紙3,接着含浸紙4を使用した。金属薄板6,7は、厚さ1.0mmのアルミ板とし、中間コア層11のフェノール含浸紙3を4枚使用した。かかる構成にて実施例1と同じ方法にて順次重ね合わせ、加熱加圧を行い、製品最高温度が142℃になるまで加熱した後、冷却を行い、製品厚みが3.55mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板(図2)を得た。
【0027】
比較例1
従来の金属ベースメラミン化粧板の構成、即ち、上記実施例2の構成の内、表面化粧層10を構成するメラミン樹脂含浸化粧紙5、フェノール含浸紙3,接着含浸紙4を順次重ね合わせた後、片面サンディングされた厚さ1.0mmの金属アルミ板を1枚だけ配置した材料構成を実施例1及び2と同様の成形方法によって製品最高温度140℃になるまで加熱した後、冷却を行い、厚さ1.46mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板(図3)を得た。
【0028】
比較例2
上記の比較例1に使用した金属アルミ板の厚みを3.0mmに代え、かつプレス時の製品最高温度が142℃になる様にした以外は比較例1と同様の方法にて加圧成形し、厚さ3.48mmの金属ベースメラミン樹脂化粧板(図3)を得た。
【0029】
実施例及び比較例にて得られた各金属ベースメラミン樹脂化粧板について特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
(測定方法)
1.曲げ強さ、曲げ弾性率:JIS K 6902により行った。
2.常温屈曲性 :JIS K 6902の屈曲性試験装置による。
3.表面鉛筆硬度:JIS K 5401の塗膜鉛筆引っ掻き試験による。
4.耐燃焼性試験:運輸省鉄道営業法構造規則に定める鉄道車両用材料燃焼試験による。
5.そり試験:4コーナーの矢高平均値
吸湿処理条件:40℃/90%RH/48HR
乾燥処理条件: 5℃/35%RH/24HR
上記の[吸湿処理→乾燥処理]を1サイクルとして3回繰り返す。
試験方法:平坦面を有する定盤上に前記した処理条件にて吸湿処理又は乾燥処理を実施した後の試験サンプルを化粧面を上向きに静置し、定盤表面から化粧板裏面までの矢高寸法を0.5mm単位にて読み取る。測定箇所は4コーナーについて実施し、4点の平均値を求めた。なお、表2に示した数値は、3サイクル内の各処理における測定値の最大値である。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の金属ベースメラミン樹脂化粧板は、従来の金属薄板が一層である金属ベースメラミン樹脂化粧板の優れた表面性能を保持しながら、高い面剛性と優れた平坦性()を示すと共に化粧板の軽量化を実現した。またこれらの品質改善により従来行われているパネル化する際の補強材や裏板貼りを省略することが可能となり、部品点数削減とそれに伴う加工品質の安定化、施工工数の低減が図られ、大幅な施工費の低コスト化も達成可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて得られた化粧板の構成を示す断面図。
【図2】実施例2にて得られた化粧板の構成を示す断面図。
【図3】比較例1及び2にて得られた化粧板の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 オーバーレイ紙(メラミン樹脂含浸薄葉紙)
2 メラミン樹脂含浸化粧紙
3 フェノール樹脂含浸紙
4 接着含浸紙
5 メラミン樹脂含浸化粧紙
6 金属薄板 (両面サンディング)
7 金属薄板 (片面サンディング)
10 表面化粧層
11 中間コア層
Claims (1)
- (A)メラミン樹脂含浸紙からなる表面層と、(B)化粧板構成内の裏面及び中間にそれぞれ金属薄板を配し、メラミン樹脂含浸紙と中間の金属薄板、及び金属薄板間はフェノール樹脂含浸紙又はエポキシ樹脂含浸紙からなる接着含浸紙を含む中間コア層を介して一体化されていることを特徴とする金属ベースメラミン化粧板。
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