JP3632055B2 - チューブエキスパンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器又はボイラのチューブのチューブシートに挿入した部分を拡管するためのチューブエキスパンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電、化学工業、石油精製、公害防止装置、船舶、冷暖房設備、家庭用電気製品、自動車などの幅広い産業に使用される各種熱交換器やボイラーなどの構成部品であるチューブバンドルを構成するためにチューブシートにチューブを密着させて固定するための工具としてチューブエキスパンダが使用されている。
【0003】
熱交換器等のチューブシートには所定のピッチの穴が多数加工され、この穴の内径はチューブの外径より所定の値だけ僅かに大きくなっている。チューブをチューブシートのこの穴に挿入し、挿入したチューブを内面から押し広げ、チューブシートに密着させるための工具がチューブエキスパンダである。その目的は冷却流体(又は加熱流体)と被冷却流体(又は被加熱流体)が漏れにより混ざり合うことを防止して、冷却流体(又は加熱流体)及び被冷却流体(又は被加熱流体)の汚染を防止し、また熱交換器等の熱交換率をよくすることである。チューブがチューブシートに確実に固定されることから流体の流れに起因するチューブの振動による装置の破壊を防止できる。また、適切な拡管加工により、チューブ外周部とチューブシート内周部の接触部の腐食を防止することができる。
【0004】
木にクサビを打ち込むと割れていく。この原理を応用したのがチューブエキスパンダであり、従来のチューブエキスパンダの断面を図2に示す。チューブエキスパンダはチューブの内面をおしなべて拡げなければならないので、クサビのように平ではなく丸くなっており、チューブの内面は平らではなく丸く、チューブの内面に添って回転するローラ34をフレーム33内の溝に係止している。
【0005】
クサビに相当するテーパ状のマンドレル32があり、フレーム33の中空部を貫通しており、その外周にローラ34がある。フレーム33はローラ34を円周上に均等に保持している。フレーム33にあけてあるローラ保持のローラ溝33Aは、テーパ状のマンドレル32の長手方向の出し入れに応じてローラ34が径方向に所定量動けるようにするためのものであり、長手軸方向には位置が固定されている。チューブエキスパンダは、マンドレル32を回転させながらチューブ内部に押し込むことによって拡管を行う。マンドレル32はテーパとなっているため、マンドレル32を押し込むことによってローラ34のチューブ接触部を通る仮想円の直径が広がりチューブ内面が徐々に押し広げれられる。
【0006】
マンドレル32を押し込むためには、大きな力を必要とするが、チューブエクパンダには、マンドレル32の長手方向中心軸線とローラ34の長手方向中心軸線が、ある角度傾いている”フィードアングル”を設けているので、マンドレル32を回転させると自然と押し込まれていくように配慮されている。これは、ネジを回転させると自然に締まってくるのと同じ原理で、このフィードアングルの作用によって作業者は大きな力でマンドレルを押し込む必要がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のチューブエキスパンダは自動的にマーキングする機能がない構造であり、あるチューブの拡管加工が終了した場合は、そのチューブの拡管が終了したことを示す何らかの印を作業者がその都度手作業でチョークやマジック等を用いてチューブシート面等に印を付けていた。
【0008】
実際には作業者がいくつかのチューブを拡管加工後に、いくつかのチューブをまとめて、目視にて拡管加工の済んだことを確認した後手作業にてチューブシート面に印を付けている場合もあり、チューブシートの管穴はハニカム状で多数の管穴が一定のピッチで配列されているため、作業能率が悪く、また作業者の勘違いによる拡管忘れをすることがあり、熱交換器等の品質上問題となる場合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明に係るチューブエキスパンダは、チューブを拡管するためのローラがチューブ内部に所定の深さ挿入されたときにチューブ端又はチューブシート端面に接触するベアリングカラーと、前記ベアリングカラーに備えられたマーキング手段とを有し、前記マーキング手段が前記ベアリングカラーのチューブ端又はチューブシート端面に接触する部分に取り付けられてなることを特徴とする。
本発明によれば、拡管加工作業を行うことにより、チューブ端又はチューブシート端面とベアリングカラーとの接触部分にマークを付けることができる。つまり、拡管時または拡管終了時に自動的にマークを付けることができる。
【0010】
本発明に係るチューブエキスパンダは、断面円形の中空部を備えた円筒形状を有するフレームと;テーパ形状部と円柱形状部とからなり、前記フレームと同軸的に配置され、前記フレームの前記中空部を貫通し、前記フレームに対してその長手方向に移動が可能であり、前記円柱形状部の自由端部において回転駆動されるマンドレルと;前記フレームの周方向に均等に配置して加工された溝に、回転が自在でかつ前記フレームの半径方向に所定量移動が可能に係止され、前記マンドレルのテーパ形状部の外周部に回転接触し、拡管加工時に拡管されるチューブの内周部に回転接触し、前記テーパ形状部とは逆方向で傾きが半分のテーパ形状を有する裁頭円錐形状であり、その長手方向中心軸線が前記フレームの長手方向中心軸線に対して所定角度傾斜して配設された複数の前記ローラと;チューブを拡管するためのローラがチューブ内部に所定の深さ挿入されたときにチューブ端又はチューブシート端面に接触するベアリングカラーとを有し、前記ベアリングカラーが前記フレームの外周部に軸受を介して長手方向位置が調整可能に固定して取り付けられ、前記ベアリングカラーのチューブシート側の側面部にマーキング手段が備えつけられてなることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るチューブエキスパンダは、前記マーキング手段がインクを含有したマーキングフェルトを備えたものであることを特徴とする。インクを含有したマーキングフェルトがチューブ端又はチューブシートに接触するのでインクによるマークを接触部に付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
チューブエキスパンダにマーキング手段を取り付ける。マーキング手段を使用して、マークすることによって拡管加工が終了したことを示す印を付けることができる。マーキング手段は拡管加工中にチューブ端又はチューブシート端面に接触するように取り付けるとよい。
【0013】
また、チューブを拡管するための工具であるローラがチューブ内部に所定の深さ挿入されたときに、チューブ端又はチューブシート端面に接触し、前記ローラのチューブ内部の挿入深さを変更するために取付位置の変更が可能なベアリングカラーをチューブエキスパンダが有するようにし、このベアリングカラーにマーキング手段を備えてもよい。所定の深さとは、ローラがチューブ内部の拡管加工を受ける箇所に来る深さを言う。ベアリングカラーのチューブ端又はチューブシート端面との接触部にマーキング手段を備え付けることにより、このマーキング手段によって拡管加工が終了したことを示すマークをチューブ端又はチューブシートにつけることができ、拡管加工がされた場合は必ずマークが付くことになる。
【0014】
チューブ内部へのローラの挿入深さは、個々の拡管加工により変化する値であり、個々の拡管加工に応じて、ローラがチューブ内部の拡管されるべき位置に来るよう決められる。チューブはチューブシートへの挿入部分全体に渡り拡管される場合もあれば、チューブシートへの挿入部分の一部のみ拡管加工される場合もある。
【0015】
断面円形の中空部を備えた円筒形状のフレームの前記中空部を貫通し、先端半分が先細のテーパ形状部であり、後端半分が円柱形状部であるマンドレルを、フレームと同軸に配置する。フレームの中空部内周部の直径はマンドレルの円柱形状部の直径より僅かに大きくし、隙間が存在するようにし、マンドレルはその長手方向に移動が可能であるようにする。また、マンドレルは円柱形状部の自由端部において回転駆動される構造とする。
【0016】
フレームに円周方向均等でフレームの長手方向に対して同じ位置に配置して加工された複数個の長溝を設ける。これらの長溝に複数の裁頭円錐形状のローラを係止する。なお、ローラの本数は、拡管すべきチューブの仕様により例えば3本としたり、または5本としたりしている。ローラはフレームの長溝より、外周方向及び内周方向に一部露出するようにし、内周側においてマンドレルのテーパ形状部外周部にその側面が接触し、自己の長手方向中心軸線廻りに回転が可能となっている。一方、このローラは外周側において、拡管加工時に、拡管されるチューブの内周部に、その側面が自己の長手方向中心軸線廻りに回転可能に接触する。ローラをその長手方向中心軸線がフレームの長手方向中心軸線に対して所定角度傾斜して配設する。
【0017】
ローラはマンドレルのテーパ部のテーパとは逆方向で傾きが半分のテーパ形状を有する裁頭円錐形状であり、ローラがマンドレルのテーパ形状部の外周部に添って長手方向に相対的に移動すると、ローラは同時にマンドレルの半径方向にも移動するので、ローラのチューブ内周面との接触部を通る仮想円の直径(チューブエキスパンダの工具径)は変化する。ローラはフレームに対して、その長手方向の動きが係止されているフレームの長溝であるローラ溝によって拘束されている。
【0018】
フレームは拡管加工前はマンドレルの先端部に近い所に位置し、チューブエキスパンダの工具径はチューブ内周の直径より小さくなっている。この状態でチューブエキスパンダのローラ部はチューブの拡管加工のためチューブ内部に挿入することが可能である。このとき後述のベアリングカラーがチューブシートに接触しローラのチューブ内部の位置決めがなされる。その後に、マンドレルは円柱部の自由端部より回転駆動される。するとローラはマンドレルとは反対の回転方向に自己の長手方向中心軸廻りに回転(自転)する。同時に、フレームとフレームのローラ溝に保持されたローラはマンドレルの廻りをマンドレルの回転方向と同一方向に公転する。ローラの長さはチューブシートの拡管される幅によって決定するのが良い。
【0019】
さらにローラのマンドレルに対する動きは、ローラのその長手方向中心軸線がフレームの長手方向中心軸線に対して所定角度傾斜して配設されていることを主たる理由として、ローラ自身はフレームのローラ溝内で自転しながらマンドレルの廻りを同じ長手方向位置でフレームと一緒に公転するだけでなく、自転しながらマンドレルに対して相対的に長手軸方向の移動を伴う螺旋運動である(図3)。前記所定の傾斜角度はマンドレルを回転させた場合、ローラがテーパの大径側に移動するように設定されている。
【0020】
すなわちローラはマンドレルが回転されると、フレームの溝の中で自転を行い、フレームと共に、マンドレルの廻りを公転しながらマンドレルのテーパ形状部上を大径側に移動しする。よって、チューブエキスパンダの工具径が徐々に増大する。従って、チューブの内径が増大し、チューブは拡管加工を受ける。チューブ外径がチューブシートのチューブ用穴の内径にほぼ等しくなった所で所定の拡管径に達する。通常は、最適な拡管率を求め最適なチューブエキスパンダを選定してマンドレルの回転駆動機によりトルク制御を行っているため、マンドレルの最大径部に達する前に拡管作業を終了し、チューブエキスパンダをチューブ内から取り出すが、万が一、ローラがテーパ形状部の最大径部に達した場合は、フレーム及びローラがさらに長手方向の相対移動を行わないように、マンドレルにフレーム用のストッパーを設けるとよい。
【0021】
断面円形の中空を有する円板形状のベアリングカラーをフレームの外周部に軸受を介して取り付ける。ベアリングカラーはフレーム上の長手方向の取付位置が調整可能となっている。このベアリングカラーのフレーム上の長手方向取付位置は、ローラをチューブ内部に挿入した場合に、ローラが拡管加工に適した位置に配置されて、ベアリングカラーのチューブシート側の側面がチューブシートに接するように決められる。すなわち、ベアリングカラーはローラのチューブ内部の位置決めの役割を果たす。
【0022】
拡管加工を行う作業者はチューブエキスパンダのマンドレル先端部及びフレームのローラ溝部をチューブ内部に挿入し、ベアリングカラーがチューブシート側面に当たるまで、チューブエキスパンダにチューブ内部方向のスラスト力を与えて押し込む。このときチューブエキスパンダの工具径は、ローラがマンドレルのテーパ部の先端部に近い位置に置かれるので、チューブ内径より僅かに小さくなっている。
【0023】
次にチューブエキスパンダの作業者は、マンドレルを回転させる。マンドレルが回転すると、ローラがその回転方向と逆方向に自転し、マンドレルの廻りをマンドレルの回転方向に公転する。同時に、ローラを保持するフレームもローラの公転と同じ方向に、自己の長手方向中心軸線廻りに回転する。このときベアリングカラーは軸受を介してフレームの外周部に取り付けられているのでチューブシートに接触したまま静止し、回転しない。ベアリングカラーはフレーム上で静止し、一方、フレームがその長手方向中心軸線廻りに回転する。フレームはベアリングカラーによって長手方向の移動が制限されており、長手方向中心軸線廻りにのみ回転を行う。従って、ローラも長手方向の移動が制限されており、自転と長手方向中心軸線廻りの公転のみ行う。
【0024】
このとき、回転しているマンドレルは、先端方向に徐々に移動する。よって、ローラは相対的に徐々にテーパ部の大径側に移動するので、ローラがフレームの溝の内部で半径方向外側に移動する。チューブの外径はチューブシートの穴径の内径に一致した時点で固着に必要な拡管率を得るようにさらに拡げられる。その後、マンドレルを逆回転し工具径を小さくしてチューブよりチューブエキスパンダを取り出すと拡管加工は終了する。
マーキング手段をベアリングカラーのチューブシート側でチューブ端又はチューブシート端面に接触する部分に取り付けると、各チューブの拡管加工が行われた場合に自動的にマークがチューブ端又はチューブシート端面に付くようにすることができる。
【0025】
マーキング手段をインクを含有したマーキングフェルトを備えたものとすることができる。これにより拡管加工を行うことによりチューブ端又はチューブシート端面にインクによりマークを付けることができる。
【0026】
【実施例】
実施例について、図1を参照して説明する。先端にキャップナット1の付いたマンドレル2は先端側が先細のテーパ形状部2Aで、後端側が円柱形状部2Bから構成されている。最後端部には角型シャンク2Cが取り付いている。この角型シャンク2Cが電動式トルク制御拡管ドライブ装置(図示せず)又は油圧式トルク制御拡管ドライブ装置(図示せず)及び空気圧式ドライブ装置(図示せず)や手動ラチェットハンドル(図示せず)に結合されて所定のトルクのもと回転駆動される。
【0027】
マンドレル2は、断面円形の中空部を有するぼぼ円筒形状のフレーム3のその中空部を貫通して挿入されている。フレーム3の中空部の内径はマンドレル2の円柱形状部2Bの外径より僅かに大きくなっている。マンドレル2の円柱形状部2Bの後端部で角型シャンク2Cとの接合部にはフレームストッパー2Dがあり、フレーム3のマンドレル駆動側方向の動きを規制している。
【0028】
フレーム3の先端部側には120度の間隔で周方向均等に長溝であるローラ溝3Aが加工されている。ローラ溝3Aはフレーム3の長手方向に関し同一位置に配置されている。このローラ溝3Aには3つの裁頭円錐形状のローラ4を係止する。ローラ4は、ローラ溝3Aより、フレーム3の外周方向及び内周方向に一部露出するようにし、頭側(小径側)の直径がフレーム3の肉厚より大きくなるようにする。
【0029】
ローラ4はフレーム3の内周側においてマンドレルのテーパ形状部2Aの外周部に、その長手方向中心軸廻りに回転しながら、その側面が接触する。一方、ローラ4はフレーム3の外周側において、拡管加工時に、拡管されるチューブの内周面に、その長手方向中心軸廻りに回転しながら、マンドレルとの接触部とはほぼ180度反対側の側面が接触する。ローラ4をその長手方向中心軸線がフレーム3の長手方向中心軸線に対して所定角度θだけ傾斜して配設する(図3)。
【0030】
ローラー4はマンドレル2のテーパ形状部2Aのテーパとは方向が逆で傾きが半分のテーパ形状部2Aを有する裁頭円錐形状である。よって、θ=0度のときは、ローラ側面のチューブ内周部との接触部はチューブの長手方向中心軸線と平行で水平な線分となる。
フレーム3の後端部側は一段外径を小さくしてその外周部がネジ加工されており、この外周部に、第一の中空円板部を有し、この中空部の内周部がネジ加工されたベアリングカラー後輪5がねじ込まれている。ベアリングカラー後輪5は、さらに、第一の中空円板の左側面部に配置された第一の中空円板と外径が同じで中空内径が大きい第二の中空円板部と、第二の中空円板部の左側面には配置されたこの第二の中空円板部より外径が大きく中空内径が同じである第三の中空円板部とから構成されている。この第三の中空円板部の左側面部にボールリテーナ6が取り付けられている。
【0031】
ボールリテーナ6の左側面にはベアリングカラー前輪7が取り付けられている。ベアリングカラー前輪7は二段中空円筒形状であり、大きい方の中空円筒内部にボールリテーナ6、ベアリングカラー後輪5が収納されて配置されている。さらに、ボールリテーナ6はベアリングカラー前輪7の中央側壁部の右側に取り付けられる配置となっている。小さい方の、中空円筒部の中空部の内径はローラ4と干渉しない程度の十分大きな値となっている。この小さい方の中空円筒部の外周側には断面L字型のマーキングフェルト8が取り付けられている。マーキングフェルト8の最大外径部の外径はベアリングカラー前輪7の大きい方の中空円筒の外径より僅かに小さくなっている。
【0032】
マーキングフェルト8及びベアリングカラー前輪7の大きい方の中空円筒部の一部を覆うように左側に中空円板形状の側壁を有する中空円筒形状のスライドプレート9が取り付けられている。この側壁の中空部の内周部がマーキングフェルト8のL字型断面の水平部分の外周部をスライドする。スライドプレート9の側壁とマーキングフェルト8のL字型断面の垂直部の中間にはウェーブワッシャ10が収納されている。スライドプレート9を右側に押してスライドさせた場合は、ウェーブワッシャ10が圧縮され、マーキングフェルト8が露出する。スライドプレート9を右側に押す力を解除すると、圧縮されていたウェーブワッシャ10の反発力でスライドプレート9は左側にスライドし、マーキングフェルト8はスライドプレート9にて覆われる。スライドプレート9にはマーキングフェルト8へのインク供給用のプラグ11が取り付けられている。
【0033】
さらに、スライドプレート9の内周部右端近くにはO−リング溝が加工され、O−リング12がはめ込まれ、インクがベアリングカラー前輪の外周部右端付近に洩れるのを防いでいる。スライドプレート9の外周部中央付近にセットボルト穴が加工されセットボルト13が取り付けられている。セットボルト13はスライドプレート9を貫通し、セットボルト13の先端がベアリングカラー前輪の外周部に長手方向に加工されたガイド溝に入り込み、スライドプレート9の長手方向の動きをガイドする。
【0034】
拡管加工前はローラ4はマンドレル2のテーパ形状部2Aで先端部に比較的近くに位置しており、ローラ4の工具径は拡管されるべきチューブの内径より僅かに小さい値となっている。拡管加工に際し、マンドレル2のテーパ形状部2Aの先端部に近い部分、ローラ4が係止されているフレーム3の先端部側が拡管されるべきチューブの内部に挿入される。挿入はベアリングカラー前輪7の小さい方の円筒部の左端がチューブシートに接した時点で終了する。この挿入作業によりスライドプレート9は右側にスライドし、マーキングフェルト8が露出し、ベアリングカラー前輪7の小さい方の円筒部の左端がチューブシートに接したときに、マーキングフェルト8もチューブシートに接し、チューブシートにマーキングがなされる。
【0035】
また、ベアリングカラー前輪7の小さい方の円筒部の左端がチューブシートに接したときにローラ4がチューブ内部の所定の加工位置に来るようにベアリングカラー後輪5のフレーム3の後端部分の取付位置を調整する。ベアリングカラー後輪5にはセットスクリュ14が取り付けられ、フレーム3の後端部のネジ部に長手方向に加工された溝にその先端が押して付けられ、ベアリングカラー後輪5のフレーム3上の位置が固定される。ベアリングカラー前輪7がセットスクリュ14を包囲するように配置されているが、ベアリングカラー前輪7の外側からセットスクリュ14を回せるようにベアリングカラー前輪7に穴が加工されている。拡管加工中、ベアリングカラー後輪5はフレーム3と一体となって回転するが、ベアリングカラー前輪7はチューブシートに接触しており回転はしない。ベアリングカラー後輪5とベアリングカラー前輪7の相対回転はボールリテーナ6による吸収される。ベアリングカラー前輪7の中空部にボールリテーナ6及びベアリングカラー後輪5を挿入後、ベアリングカラー前輪7の中空部に加工された溝にスナップリング15をはめ込みボールリテーナ6及びベアリングカラー後輪5をベアリングカラー前輪7の内部に固定して収納する。
【0036】
前述のように拡管加工中、ベアリングカラー前輪7はチューブシートに接触し、回転も長手方向の位置移動もしない。しかし、マンドレル2が回転駆動されるので、マンドレル2の回転により、ローラ4はチューブ内周部を自転しながらフレーム3と共に公転するが長手方向には移動しない。フレーム3はローラ4の自転により自己の長手方向中心軸線廻りを公転するのみであり、長手方向には移動しない。一方、マンドレル2が回転しながら先端方向に移動する。このマンドレル2の移動によりローラ4のマンドレル2との接触位置は大径側に移動するので、ローラ4の工具径が増大し、チューブは拡管加工を受ける。そのチューブの拡管加工作業の終了後、作業者はマンドレル2を逆転させると、ローラ4の工具径が減少するので、その拡管加工が行われたチューブから、チューブエキスパンダを取り出すことができる。
【0037】
このとき、チューブシート19には図4に示す位置に拡管加工作業が終了したことを示す内径D1、外径D2のマーク17が付き、チューブシート19全体には図5にしめす多数のマーク17が拡管加工作業が終了したチューブ18ごとに付くことになる。
チューブバンドル全体の拡管加工作業が終了したとき、又は長い時間中断するときは、マーキングフェルト8が露出する部分にキャップ16(図1に二点鎖線にて示す。)を取り付けるとよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明のチューブエキスパンダによれば、チューブの拡管加工作業の一工程にマーキング工程が組み込まれているため、あるチューブの拡管作業をすれば、そのチューブの拡管加工作業を行ったことをしめすマークを付けることができ、チューブの拡管忘れを防止することができる。また、拡管加工作業が終了するたびにマーキング作業をする必要がなく作業能率が向上する。
また、拡管忘れのない熱交換器を提供することによって、熱交換器の品質の向上に寄与することができ、熱交換器の稼動時の運転不調等の防止に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のチューブエキスパンダを一部断面にて示した正面図である。
【図2】従来のチューブエキスパンダの断面図である。
【図3】チューブエキスパンダのローラのマンドレルのテーパ部廻りの動きを説明した図面である。
【図4】本発明の実施例のチューブエキスパンダによるチューブシート上のマーキング位置を示した説明図である。
【図5】同上のチューブエキスパンダによるチューブシート上のマーキング状態を示した説明図である。
【符号の説明】
1 キャップナット
2 32 マンドレル
2A テーパ形状部
2B 円柱形状部
2C 角型シャンク
2D フレームストッパ
3 33 フレーム
3A 33A ローラ溝
4 34 ローラ
5 ベアリングカラー後輪
6 ボールリテーナ
7 ベアリングカラー前輪
8 マーキングフェルト
9 スライドプレート
10 ウェーブワッシャ
11 プラグ
12 0−リング
13 セットボルト
14 セットスクリュ
15 スナップリング
16 キャップ
17 マーク
18 チューブ
19 チューブシート
D1 内径
D2 外径

Claims (3)

  1. チューブを拡管するためのローラがチューブ内部に所定の深さ挿入されたときにチューブ端又はチューブシート端面に接触するベアリングカラーと、前記ベアリングカラーに備えられたマーキング手段とを有し、前記マーキング手段が前記ベアリングカラーのチューブ端又はチューブシート端面に接触する部分に取り付けられてなることを特徴とするチューブエキスパンダ。
  2. 断面円形の中空部を備えた円筒形状を有するフレームと;テーパ形状部と円柱形状部とからなり、前記フレームと同軸的に配置され、前記フレームの前記中空部を貫通し、前記フレームに対してその長手方向に移動が可能であり、前記円柱形状部の自由端部において回転駆動されるマンドレルと;前記フレームの周方向に均等に配置して加工された溝に、回転が自在でかつ前記フレームの半径方向に所定量移動が可能に係止され、前記マンドレルのテーパ形状部の外周部に回転接触し、拡管加工時に拡管されるチューブの内周部に回転接触し、前記テーパ形状部とは逆方向で傾きが半分のテーパ形状を有する裁頭円錐形状であり、その長手方向中心軸線が前記フレームの長手方向中心軸線に対して所定角度傾斜して配設された複数の前記ローラと;チューブを拡管するためのローラがチューブ内部に所定の深さ挿入されたときにチューブ端又はチューブシート端面に接触するベアリングカラーとを有し、
    前記ベアリングカラーが前記フレームの外周部に軸受を介して長手方向位置が調整可能に固定して取り付けられ、前記ベアリングカラーのチューブシート側の側面部にマーキング手段が備えつけられてなることを特徴とするチューブエキスパンダ。
  3. 前記マーキング手段がインクを含有したマーキングフェルトを備えたものである請求項1又は請求項2に記載のチューブエキスパンダ。
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