JP3630810B2 - 動圧空気軸受及びこれを用いたポリゴンスキャナ - Google Patents

動圧空気軸受及びこれを用いたポリゴンスキャナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的高速で回転する小型モータに用いられる動圧空気軸受に関し、特に、レーザープリンター、デジタル複写機、レーザーファクシミリ等に用いられる高速回転型ポリゴンスキャナの動圧空気軸受に関する。
また本発明は、このような動圧空気軸受を製造する方法、およびこの動圧空気軸受を備えた動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機、レーザーファクシミリ、レーザープリンター等のレーザー書き込み系を用いた電子写真方式の記録装置は、印字品質の高さ、高速プリント、低騒音などの優れた特長と低価格化により、急速に普及してきている。これらの記録装置のレーザー書き込み系の構成部品であるポリゴンスキャナには記録装置のプリント速度、画素密度に応じた回転速度が要求される。
【0003】
近年、プリント速度の高速化、画素密度の高密度化に伴い、ポリゴンスキャナには15000〜20000回転/分以上の高速回転が要求され、従来の玉軸受タイプでは、軸受寿命、軸受騒音等の面から要求品質を満足することができな領域に達している。このため、高速回転用のポリゴンスキャナとしては、従来の玉軸受に代わって、溝付きの動圧空気軸受を用いたものが実用化されている。
【0004】
ここで、ラジアル軸受に動圧空気軸受を用いたポリゴンスキャナの従来例について、図9の縦断面図を参照して説明する。
ハウジング1には、図示しない光学ハウジングへの取付け基準面1aが、鍔状に形成されている。ハウジング1の内部には、モータ部を構成するプリント基板3が配置され、ネジまたは接着剤によってハウジング1に固定されている。
【0005】
プリント基板3の裏側には、巻線コイル4、ホール素子5が取り付けられ、コネクタ6とパターン配線されている。モータ方式は、回転体7に取り付けられた偏平なロータマグネット8と巻線コイル4が軸方向に対向したコアレスのブラシレスモータである。ハウジング1の下方には、駆動回路17が一体的に設けられて、ハーネス18でモータのプリント基板3と接続され、ホール素子5の位置検出信号に従って、順次巻線コイル4への通電を切り替えて回転体7を回転させて定速制御するようになっている。
【0006】
ハウジング1の中央には、動圧空気軸受を構成する固定軸9が圧入固着あるいは焼きばめによって堅固に固定されている。固定軸9の外周面には、動圧空気軸受を構成するためのヘリングボーン溝9aが上下2対形成されている。回転体7が回転を開始すると、中空回転軸10と固定軸9の隙間の圧力が高まり、動圧軸受を形成し、非接触でラジアル方向に回転体7を支持する。また、上端には磁石11aが固定され、回転体7およびカバー12に取り付けられた磁石11b,11cおよび振動減衰用の微細穴13とともに回転体7を軸方向に支持する上下反発型の磁気軸受を構成している。
【0007】
回転体7は、中空回転軸10の中ほどに形成したフランジ部10aの上面にポリゴンミラー14を載置し、ミラー押え15を挟んでネジを回転軸10に螺合することにより、ポリゴンミラー14を係止固定している。回転体7の下側には、ロータヨーク16が接着固定され、さらにモータ用のロータマグネット8が接着固定されている。ロータマグネット8はプラスチックでできているため、金属に比べると線膨張係数が大きく、機械的強度が小さい。そのため、ロータヨーク16をカップ状に形成し、ロータマグネット8の外径部を保持することで、高速回転による遠心力や発熱による熱膨張で半径方向にロータマグネット8が膨張するのを抑え、回転体7のバランスが崩れたり、ロータマグネット8が破壊したりしないようにしている。また 、ロータヨーク16を強磁性体とすることで、磁路を閉じて磁束漏洩を防止してモータ効率を上げている。ロータヨーク16の材料としては、例えば鉄鋼やステンレス鋼の板材が用いられている。
【0008】
スキャナ上部には、固定軸9に回転自在に嵌合された回転体7を囲むように内部がくり抜かれたカバー12が、ハウジング1にネジで固定される。カバー12には、図示しない半導体レーザからのレーザ光の入出射用の開口部にガラス窓が両面テープ、または接着剤で固定されて密閉されている。
【0009】
回転軸10と固定軸9には、スキャナの軽量化と高速回転のために比重の小さいアルミニウム合金を使用し、起動停止時の磨耗を防止するため、軸受表面には無電解複合ニッケルめっきの表面処理が施されている。
【0010】
一方、回転体7は不釣合い(アンバランス)振動が非常に小さいレベルになるように、回転体上下2カ所の修正面19a,19bでバランス修正が行われている。バランス修正作業を容易に、且つ、効率的に行うには、初期的な不釣合いは小さい方がよいので、回転体7の各構成部品(8,10,14,15,16,11b)は経済性を考慮した加工精度範囲で回転軸心に対する偏心量ができるだけ小さくなるように製作されている。回転体の構成部品の1つであるロータヨーク16も、比較的小さな嵌合隙間で回転軸嵌合円筒部に位置決めされ、接着固定されている。
【0011】
以上のような従来例の動圧空気軸受は、アルミニウム合金を母材として使用している。そして、起動停止時の摩耗、焼き付き、かじりなどを防止するため、母材との密着性が高く、均一な膜厚さが得られる潤滑性被膜や耐摩耗性被膜などの表面改質膜が形成されている。その具体例として、以下のような従来技術が知られている。
【0012】
従来例1(特開平7−27131号公報を参照)
この公報には、高速回転型のポリゴンスキャナに用いた溝付き動圧空気軸受が開示されている。この動圧空気軸受は、アルミニウム合金を母材として使用している。そして、起動停止時の磨耗、焼き付き、かじりを防止するため、母材との密着性が高く、均一な膜厚が得られる潤滑性被膜や耐摩耗性被膜などの表面改質膜が、母材表面に形成されている。
【0013】
従来例2(特開平2−57715号公報を参照)
この公報には、金属製の外筒体の内周面に樹脂の成形加工によって軸受面を形成した動圧形すべり軸受の例が開示されている。周知のように、樹脂と金属の組合せは摺動性に優れているため、一般のすべり軸受に数多く応用されている。従って、この動圧形すべり軸受では、軸受回転中に接触が生じても焼き付、かじりなどの故障が起こりにくい利点がある。
【0014】
従来例3(特開平5−65917号公報を参照)
この公報には、塗布によって比較的薄く均一な樹脂被膜を軸受面に形成した動圧空気軸受が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高速回転体には回転軸心を一定に保つ性質があり、これは一般的にジャイロ効果と呼ばれているが、この性質のために回転中に急激な姿勢変化が行われると、軸受面の両端付近が接触してしまう。
【0016】
このとき、上記従来例1の動圧空気軸受では、比較的硬質の表面改質膜が形成されているため、接触部での弾性変形が起こらず、接触部が1点に集中するため発熱し、焼き付き、かじりなどの故障が起こるという問題があった。
【0017】
また、上記従来例2においては、樹脂の粘性が比較的高いため、成形時の流動性を考慮すると、ある程度、樹脂の層を厚くしなければならないので、軸受の使用温度が高くなって樹脂が熱膨張すると形状が変化し、所望の真円度や円筒度が維持できず、その結果、軸受特性が劣化していまい、信頼性が低くなるという問題点があった。
【0018】
さらに、上記従来例3では以下の問題点があった。
上記樹脂被膜形成用の樹脂の粘性は、実際には比較的高いため、所望の樹脂薄膜を均一に塗布することが難しい。そうかといって、粘性を小さくするために樹脂を溶剤に溶かして流動性を高めると、液だれなどを起こしてしまう。特に、円筒面のような曲面に薄く均一な樹脂膜を、塗布のみによって得ることは、円筒面の径が小さくなるほど困難である。いずれにしても、高精度を要求される動圧空気軸受において所望の軸受形状を得るためには、塗布後の切削加工などが必要であり、母材の内筒に対して加工軸のずれがない高精度な加工が要求されるので、コストが高くなる。
また、薄く均一な樹脂膜を形成することは、母材の内筒を転写することに等しいから、あらかじめ母材の内筒を高精度に仕上げておかなければならず、コストが高くなる。
【0019】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、回転中の急激な姿勢変化によって軸受面が接触しても、焼き付き、かじりなどの故障が起こらず、且つ、高速回転や周囲環境によって軸受の温度が変わっても軸受隙間の変化を抑えることで、軸受性能を一定に保ことができ、さらに、製造の容易な動圧空気軸受を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記動圧空気軸受を用いることで、信頼性が高く、低コストな高速回転型のポリゴンスキャナを提供することにある。
【0020】
請求項別の目的は、以下のとおりである。
請求項1〜3:
潤滑性を持った弾性部材を軸受面の両端付近に設けることで、回転中の姿勢変化によって軸受面が接触しても、焼き付き、かじりなどの故障が起こらず、弾性部材がわずかに摩耗するだけですみ、従って、回転中に姿勢変化が行われるような回転機器に広く適用することができる動圧空気軸受を提供することにある。
【0021】
請求項4:
使用温度に合わせて弾性部材の半径方向の厚さを設定することで、使用温度が変わっても特性を維持することができる動圧空気軸受を提供することにある。
【0022】
請求項5〜9:
弾性部材を樹脂として製造を容易にすることにより、請求項1〜4の効果を持つ動圧空気軸受を低コストで提供することにある。
【0023】
請求項10:
回転中に回転姿勢が変わるような取扱いをされて、固定軸と回転軸が接触しても、焼き付き、かじりなどの故障が起こらず、且つ、高速回転や周囲環境によって軸受の温度が変わっても軸受性能を一定に保つことができ、しかも製造が容易な動圧空気軸受を用いることで、信頼性が高く、低コストな高速回転型のポリゴンスキャナを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の動圧空気軸受は、外筒部材と、この外筒部材の内周面に微小隙間で嵌合される内筒部材とを備えて構成され、前記外筒部材、内筒部材のいずれか一方が回転軸、他方が固定軸であり、前記回転軸の周面または固定軸の周面に動圧発生用の溝が形成された動圧空気軸受において、前記外筒部材と内筒部材とを略同一の線膨張係数の材料で形成し、前記外筒部材、内筒部材の少なくとも一方の部材の軸受面は、少なくとも両端付近潤滑性を有する薄肉の弾性部材で形成され、前記弾性部材が前記外筒部材または前記内筒部材の内周面または外周面に固着されていることを特徴とする。
【0025】
請求項1の動圧空気軸受では、12通りの実施の形態が可能である。すなわち外筒部材、内筒部材のいずれを回転軸とし、いずれを固定軸とするか(2通り)、動圧発生用の溝を回転軸の周面、固定軸の周面のいずれに形成するか(2通り)、上記弾性部材を外筒部材、内筒部材のいずれの軸受面の両端付近に設けるか(3通り)が可能である。
具体例としては、
(1)外筒部材を回転軸、内筒部材を固定軸とし、固定軸の外周面に動圧発生用の溝を形成し、回転軸の軸受面(回転軸の内周面)の両端付近に潤滑性を有する弾性部材を固着したもの、
(2)外筒部材を固定軸、内筒部材を回転軸とし、固定軸の内周面に動圧発生用の溝を形成し、回転軸の軸受面(回転軸の外周面)の両端付近に潤滑性を有する弾性部材を固着したもの、などが挙げられる。
【0026】
請求項2に記載の動圧空気軸受は、請求項1において前記外筒部材が、軸受面となる内周面が形成された中空の回転軸であり、前記内筒部材が、外周面に前記動圧発生用の溝が形成され、且つ、前記回転軸の内周面に微小隙間で嵌合される固定軸であることを特徴とする。この動圧空気軸受は、請求項1において上記(1)に該当するものである。
【0027】
請求項3に記載の動圧空気軸受は、請求項1または2において、前記潤滑性を有する弾性部材の縦弾性係数が、接触する相手部材の1/5以下、好ましくは1/10以下であることを特徴とする。
【0028】
請求項4に記載の動圧空気軸受は、請求項1,2または3において、使用最低温度での軸受隙間をC、前記弾性部材の線膨張係数をα、使用温度差をΔtとするとき、前記弾性部材の半径方向厚さhは、下記[数5]を満足することを特徴とする。
【0029】
【数5】
h≦C/(α×Δt)
【0030】
請求項5に記載の動圧空気軸受は、請求項2,3または4において、前記回転軸の小径内周面および、この小径内周面の両端付近の大径内周面にコーティングされた樹脂によって前記回転軸の軸受面が形成され、前記弾性部材が、前記大径内周面にコーティングされた樹脂であることを特徴とする。
【0031】
請求項6に記載の動圧空気軸受は、請求項5において、前記回転軸の内周面の一端に、前記小径内周面と同軸で略同径の、固定軸案内用の軸案内部を設けたことを特徴とする。
【0032】
請求項7に記載の動圧空気軸受は、請求項5または6において、前記回転軸の内周面の一端に、樹脂だまり部を設けたことを特徴とする。
【0033】
請求項8に記載の動圧空気軸受は、請求項5または6において、前記回転軸の内周面の一端に、樹脂切り部を設けたことを特徴とする。
【0034】
請求項9に記載の動圧空気軸受の製造方法は、請求項5〜8のいずれか一つの項に記載の動圧空気軸受を製造する方法であって、前記回転軸の内周面に樹脂を塗布し、前記小径内周面とわずかな隙間を保持しうる型用の軸を前記回転軸の内周面に嵌合し、この状態で前記樹脂を硬化させて軸受面を形成することを特徴とする。
【0035】
請求項10に記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、固定軸と中空の回転軸とで構成されるラジアル動圧空気軸受と、前記回転軸に固定されるポリゴンミラーと、ロータマグネットと、前記回転軸,ポリゴンミラーおよびモータの回転部が一体となって構成される回転体と、この回転体を軸方向に支持するアキシャル軸受と、前記固定軸およびモータの非回転部が固定されるハウジングと、前記回転体を囲むカバーとを備えた動圧空気軸受型ポリゴンスキャナにおいて、前記ラジアル動圧空気軸受は、請求項2〜8のいずれか一つの項に記載の動圧空気軸受であることを特徴とする。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例の構成・作用について、図面を基に詳細に説明する。
実施例1(請求項1〜4に係るもの)
図1は、ポリゴンスキャナを構成する動圧空気軸受の要部(回転体7)の構造を示すとともに、ジャイロ効果により軸受面が接触する状態を説明する縦断面図である。図1では説明の便宜上、軸受隙間や弾性部材23を誇張して描いてある。図2は、動圧空気軸受における回転軸20の縦断面図である。
この実施例では、外筒部材が中空の回転軸20、内筒部材が固定軸9となっていて、この固定軸9の外周面に動圧発生用の溝9aが形成され、回転軸20の内周面(軸受面)の両端付近に弾性部材23が固着されている。8はロータマグネット、14はポリゴンミラーであり、図示されていないが回転体7の周囲に設けた各種構成部材および、その配置の態様は図9と同様である。
【0037】
図1に示すように、アルミニウム合金による外筒部材、すなわち回転軸20の内周面の上下2カ所に、潤滑性を持った弾性部材23が固着されている。一方、内筒部材すなわち固定軸9では、アルミニウム合金からなる部材の外周面に動圧発生用の溝9aが転造加工によって形成され、溝9aには、図示しないが防錆を兼ねて無電解ニッケルめっきや、アルマイトなどの表面処理が施されている。
【0038】
この動圧空気軸受の作用を説明すると、高速回転中にポリゴンスキャナの回転姿勢が急激に変えられると固定軸9はそのまま傾くが、回転体7には回転軸心を一定に保とうとする性質(ジャイロ効果)があるため、軸受面の接触が上下2カ所に生じる。
しかし、潤滑性を持った弾性部材23の弾性変形により、上記接触による衝撃が吸収され、またこの弾性変形により、接触部が1点に集中することもなくなるので発熱も少なく、焼き付き、かじりなどの故障が起こらず、弾性部材23がわずかに摩耗するだけですむ。
【0039】
弾性部材23としては、固定軸9に対して弾性材として作用するように、縦弾性係数が、接触する相手部材の縦弾性係数の1/5以下、より好ましくは1/10以下の材質を選定する。例えば、固定軸9の材料としてアルミニウム合金を用い、無電解ニッケルめっきや、アルマイトなどの表面処理を施してある場合には、縦弾性係数がその表面処理膜の1/5以下、より好ましくは1/10以下の材質を選定する。
【0040】
次に、弾性部材の半径方向厚さhの選定方法を説明する。
軸受を構成する回転軸および固定軸は、略同一の線膨張係数の材質で形成されるが、弾性部材23の材質としては通常、線膨張係数αが回転軸または固定軸の材料の2〜10倍程度であるものが選定されるため、使用温度が変わると弾性部材23の熱膨張によって軸受隙間が変動し、温度が上昇した場合には、軸受隙間が小さくなってしまう。使用温度が変わっても動圧空気軸受の特性を維持するためには、軸受隙間を一定に保つ工夫が必要である。
【0041】
使用温度が変わっても動圧空気軸受の特性を一定に保つために、例えば、軸受隙間の変動率を10%以下に抑える場合について考える。
使用最低温度での軸受隙間をC、温度変化によるその変動分をΔCとすると、下記[数1]を満足しなければならない。
【0042】
【数1】
ΔC/C≦0.1
【0043】
ここで、弾性部材23の半径方向厚さをh、線膨張係数をαとし、使用温度差をΔtとするとΔCは、おおよそ下記[数2]で表される。
【0044】
【数2】
ΔC=h×α×Δt
【0045】
[数2]を[数1]に代入してhについて整理すれば、下記[数3]が得られる。
【0046】
【数3】
h≦0.1×C/(α×Δt)
【0047】
例えば、固定軸9の材質がアルミニウム合金、弾性部材23の線膨張係数αが固定軸9の10倍、すなわちα=24×10−5であり、使用温度差Δtが100℃である場合には、hを[数3]から下記[数4]のとおりに求めることができる。
【0048】
【数4】
h≦0.1×C/(24×10−3×100)
h≦4.1×C
【0049】
上記の場合には、弾性部材23の半径方向厚さhを、使用最低温度での軸受隙間をCの4倍程度にしておけば、軸受隙間の変動率を10%以下に抑えることができる。
【0050】
仮に、軸受隙間の変動率を100%とすると、[数3]は下記[数5]で表されるが、軸受隙間の変動率が100%ということは、軸受隙間が無くなってしまい最悪の状態になることを意味するから、最低限[数5]を満足するように弾性部材23の半径方向厚さhを設定する必要がある。実際には、軸受特性を維持するために、[数5]で求められるhよりも小さな値に設定する。
【0051】
【数5】
h≦C/(α×Δt)
【0052】
弾性部材23を軸受面全体にわたって設けること、すなわち弾性部材23の幅W(回転軸20の長手方向の寸法、図2を参照)を軸受面全体の長さと等しくすることは特には必要でなく、少なくとも、固定軸9が傾いたときに接触する部分、すなわち回転軸20の両端付近の2カ所にリング状に形成すればよい。弾性部材23を、防錆を兼ねて軸受面全体に形成することもできる。弾性部材23の材質としては、接触時の摩耗を抑えることができる点で、自己潤滑性により摩擦係数が小さくなっているものが好ましい。
【0053】
実施例2(請求項5に係るもの)
図3は、動圧空気軸受における回転軸25の縦断面図である。この回転軸25の内周面の中央付近に小径部27(樹脂29をコーティングする前の状態、以下同じ)が形成され、内周面の両端付近に、固定軸9が傾いたときに接触する大径部28(樹脂29をコーティングする前の状態、以下同じ)が形成されている。小径部27および大径部28には、それぞれ異なる膜厚で樹脂29がコーティングされ、最終的に1つの円筒面(内周面)により軸受面が形成されている。
【0054】
実施例3(請求項5に係るもの)
図4は、動圧空気軸受における回転軸26の縦断面図である。この回転軸26の内周面の中央付近に小径部27が形成され、この小径部27は回転軸26の両端に向かってわずかな傾斜でテーパー状に広がっている。回転軸26の内周面の両端付近には、固定軸9が傾いたときに接触する大径部28が形成されている。小径部27および大径部28には、それぞれ異なる膜厚で樹脂29がコーティングされ、最終的に1つの円筒面により軸受面が形成されている。
【0055】
実施例4(請求項6に係るもの)
図5は、動圧空気軸受における回転軸30の縦断面図である。この回転軸30の内周面の中央付近に小径部27が形成され、前記内周面の両端付近には、固定軸9が傾いたときに接触する大径部28が形成されている。さらに、前記内周面の一端には、小径部27とで大径部28を挟むように、小径部27と略同径の軸案内部31が設けられ、各部にはそれぞれ異なる膜厚で樹脂29がコーティングされ、最終的に1つの円筒面により軸受面が形成されている。
【0056】
実施例5(請求項7に係るもの)
図6は、動圧空気軸受における回転軸32の縦断面図である。この回転軸32の内周面の中央付近に小径部27が形成され、両端付近には、固定軸9が傾いたときに接触する大径部28が形成されている。さらに、前記内周面の一端には、大径の樹脂だまり部33が形成されている。
【0057】
実施例6(請求項8に係るもの)
図7は、動圧空気軸受における回転軸34の縦断面図である。この回転軸34の内周面の中央付近に小径部27が形成され、両端付近には、固定軸9が傾いたときに接触する大径部28が形成されている。さらに、前記内周面の一端には、小径部27と略同径の樹脂切り部35が形成されている。
【0058】
実施例7(請求項9に係るもの)
次に、本発明の動圧空気軸受を構成する回転軸の製造方法の実施例について説明する。
図8は、上記各実施例の回転軸25,26,30,32,34の製造工程を順に示す縦断面図であり、(a)は樹脂塗布工程、(b)は型用軸挿入工程、(c)は樹脂硬化工程、(d)は型用軸離脱工程をそれぞれ示している。
第1工程〔図8(a)〕:回転軸の内周面に樹脂29を塗布する 。
第2工程〔図8(b)〕:型用の軸36を回転軸に挿入し内周面に嵌合する。
第3工程〔図8(c)〕:樹脂29を硬化させる。
第4工程〔図8(d)〕:型用の軸36を離脱させる。
【0059】
型用の軸36は、挿入側の先端37がテーパー状に形成され、回転軸の小径部27とわずかな隙間で嵌合される。また、型用の軸36は、樹脂が固着しない材質で形成されるか、または表面に、樹脂からの離型性を高めるためのコーティングが施されている。
【0060】
実施例4〜6の回転軸を上記方法で製造する場合、それぞれ以下の利点がある。
図5の回転軸30においては、その内周面中央付近の小径部27と略同径の、型用の軸36を案内するための軸案内部31を形成し、型用の軸36を挿入するときの回転軸30に対する傾きを小さく抑えるようにしてある。このため、大径部28の樹脂29をえぐることがなく、樹脂コーティングを確実に行うことができる。
【0061】
図6の回転軸32では、余分に塗布された樹脂が、樹脂だまり部33に集められて硬化するので、樹脂コーティングを正確に行うことができる。
【0062】
図7の回転軸34では、余分に塗布された樹脂が、樹脂切り部35の外側に集められるので、樹脂硬化後に余分な樹脂を樹脂切り部35から容易に切り離すことができる。
【0063】
実施例8(請求項10に係るもの)
次に、本発明の動圧空気軸受を設けて構成した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの実施例について説明する。
このポリゴンスキャナの全体構成は、図9の従来例と同様であるが、ラジアル動圧空気軸受として、実施例1〜6の軸受を設けた点に特徴がある。従って、ポリゴンスキャナの全体構成を示す図面および、軸受などの構成部材についての説明は省略する。
【0064】
このポリゴンスキャナでは、その回転中に回転姿勢が変わるような取扱いがなされて、固定軸9と回転軸(25,30など)が接触しても、焼き付き、かじりなどの故障が起こらず、且つ、高速回転や周囲環境によって軸受温度が変わっても、軸受隙間の変化を最小に抑えることで、軸受性能を一定に保つことができ、さらに、製造が容易な動圧空気軸受を用いているので、信頼性が高く、低コストの高速回転型のポリゴンスキャナを提供することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば以下の効果が得られる。
(1)請求項1,2の動圧空気軸受による効果:
潤滑性を持った弾性部材を軸受面の両端付近に設けたため、回転機器において、その回転中に回転姿勢が変わるような取扱いがなされて、固定軸と回転軸が接触しても接触による衝撃を、この弾性部材が変形して吸収する。このため、接触部が1点に集中することがないので、発熱も小さく、焼き付き、かじりなどの故障には至らず、弾性部材がわずかに摩耗するだけですむ。従って請求項1,2の動圧空気軸受は、ポリゴンスキャナなど回転中に姿勢変化が行われるような高速回転機器に広く、且つ、有効に使用することができる。
【0066】
(2)請求項3の動圧空気軸受による効果:
弾性部材の半径方向の厚さを、使用温度に合わせて設定することができるので、使用温度が変わっても、当該動圧空気軸受の特性を維持することができる。
【0067】
(3)請求項4〜8の動圧空気軸受による効果:
弾性部材を樹脂により容易に製造することができるので、請求項1〜3の記載の特性を持つ動圧空気軸受を低コストで提供することができる。
【0068】
(4)請求項9の製造方法による効果:
請求項4〜8の動圧空気軸受を簡便な工程により、的確に製造することができる。
【0069】
(5)請求項10のポリゴンスキャナによる効果:
回転中に回転姿勢が変わるような取扱いがなされて、固定軸と回転軸が接触しても、焼き付き、かじりなどの故障が起こらず、且つ、高速回転や周囲環境によって軸受の温度が変わっても、軸受性能を一定に保つことができ、さらに、製造容易な動圧空気軸受を用いているので、信頼性が高く、低コストの高速回転型ポリゴンスキャナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る動圧空気軸受の構造、およびこの軸受においてジャイロ効果により軸受面が接触する状態を説明する縦断面図である。
【図2】実施例1の動圧空気軸受における回転軸の縦断面図である。
【図3】実施例2の動圧空気軸受における回転軸の縦断面図である。
【図4】実施例3の動圧空気軸受における回転軸の縦断面図である。
【図5】実施例4の動圧空気軸受における回転軸の縦断面図である。
【図6】実施例5の動圧空気軸受における回転軸の縦断面図である。
【図7】実施例6の動圧空気軸受における回転軸の縦断面図である。
【図8】回転軸の製造方法の実施例を工程を順に示す縦断面図である。
【図9】ラジアル軸受に動圧空気軸受を用いた、従来のポリゴンスキャナを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 取付け基準面
3 プリント基板
4 巻線コイル
5 ホール素子
6 コネクタ
7 回転体
8 ロータマグネット
9 固定軸
9a ヘリングボーン溝
10 回転軸
10a フランジ部
11a,11b,11c 磁石
12 カバー
13 微細穴
14 ポリゴンミラー
15 ミラー押え
16 ロータヨーク
17 駆動回路
18 ハーネス
19a,19b 修正面
20 回転軸
23 弾性部材
25 回転軸
26 回転軸
27 小径部
28 大径部
29 樹脂
30 回転軸
31 軸案内部
32 回転軸
33 樹脂だまり
34 回転軸
35 樹脂切り部
36 型用の軸
37 先端

Claims (10)

  1. 外筒部材と、この外筒部材の内周面に微小隙間で嵌合される内筒部材とを備えて構成され、前記外筒部材、内筒部材のいずれか一方が回転軸、他方が固定軸であり、前記回転軸の周面または固定軸の周面に動圧発生用の溝が形成された動圧空気軸受において、前記外筒部材と内筒部材とを略同一の線膨張係数の材料で形成し、前記外筒部材、内筒部材の少なくとも一方の部材の軸受面は、少なくとも両端付近潤滑性を有する薄肉の弾性部材で形成され、前記弾性部材が前記外筒部材または前記内筒部材の内周面または外周面に固着されていることを特徴とする動圧空気軸受
  2. 前記外筒部材は、軸受面となる内周面が形成された中空の回転軸であり、前記内筒部材は、外周面に前記動圧発生用の溝が形成され、且つ、前記回転軸の内周面に微小隙間で嵌合される固定軸であることを特徴とする請求項1に記載の動圧空気軸受。
  3. 前記潤滑性を有する弾性部材は、縦弾性係数が接触する相手部材の1/5以下、好ましくは1/10以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の動圧空気軸受。
  4. 使用最低温度での軸受隙間をC0 、前記弾性部材の線膨張係数をα、使用温度差をΔtとするとき、前記弾性部材の半径方向厚さhは、下記[数5]を満足することを特徴とする請求項1,2または3に記載の動圧空気軸受。
    【数5】
    h≦C0 /(α×Δt)
  5. 前記回転軸は小径内周面および、この小径内周面の両端付近の大径内周面にコーティングされた樹脂によって軸受面が形成され、前記弾性部材は、前記大径内周面にコーティングされた樹脂であることを特徴とする請求項2,3また4に記載の動圧空気軸受。
  6. 前記回転軸の内周面の一端に、前記小径内周面と同軸で略同径の、固定軸案内用の軸案内部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の動圧空気軸受。
  7. 前記回転軸の内周面の一端に、樹脂だまり部を設けたことを特徴とする請求項5または6に記載の動圧空気軸受。
  8. 前記回転軸の内周面の一端に、樹脂切り部を設けたことを特徴とする請求項5または6に記載の動圧空気軸受。
  9. 請求項5〜8のいずれか一つの項に記載の動圧空気軸受を製造する方法であって、前記回転軸の内周面に樹脂を塗布し、前記小径内周面とわずかな隙間を保持しうる型用の軸を前記回転軸の内周面に嵌合し、この状態で前記樹脂を硬化させて軸受面を形成することを特徴とする動圧空気軸受の製造方法。
  10. 固定軸と中空の回転軸とで構成されるラジアル動圧空気軸受と、前記回転軸に固定されるポリゴンミラーと、ロータマグネットと、前記回転軸,ポリゴンミラーおよびモータの回転部が一体となって構成される回転体と、この回転体を軸方向に支持するアキシャル軸受と、前記固定軸およびモータの非回転部が固定されるハウジングと、前記回転体を囲むカバーとを備えた動圧空気軸受型ポリゴンスキャナにおいて、前記ラジアル動圧空気軸受は、請求項2〜8のいずれか一つの項に記載の動圧空気軸受であることを特徴とする動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
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