JPH11313461A - 動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置 - Google Patents

動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置

Info

Publication number
JPH11313461A
JPH11313461A JP10323224A JP32322498A JPH11313461A JP H11313461 A JPH11313461 A JP H11313461A JP 10323224 A JP10323224 A JP 10323224A JP 32322498 A JP32322498 A JP 32322498A JP H11313461 A JPH11313461 A JP H11313461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
thrust
motor
hardness
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10323224A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Fukutani
秀志 福谷
Akihiko Wakitani
明彦 脇谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10323224A priority Critical patent/JPH11313461A/ja
Publication of JPH11313461A publication Critical patent/JPH11313461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 しかしながら、この種のディスクドライブ装
置に高性能化、低騒音化、長寿命化、高い耐衝撃性が求
められる現在、ボールベアリングでは要求性能を満たす
のに限界にきている。 【解決手段】 モータ軸を嵌挿するスリーブの内径側部
に動圧発生用のへリングボーン溝を形成し、そのモータ
軸とスリーブとの隙間に注入された潤滑流体を介して相
対的に回転可能なラジアル動圧流体軸受を備え、モータ
軸とスリーブとの摺動部分であるスリーブの内径側部の
表層部及びへリングボーン溝部と、そのスリーブの母材
部とを異なる硬度とし、それらの硬度の比率を適切に設
定する。前記構成により長時間にわたり高い振れ回り精
度を維持すると共に、摺動摩耗粉の発生による軸とスリ
ーブとの間の焼き付きを抑制し、高信頼性を確保したモ
ータを提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として情報処理
分野で使われるディスクドライブ装置やレーザビーム型
プリンター装置等に搭載されるモータに関するものであ
る。特に、動圧流体軸受を備えたモータ構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報処理分野で使われるディスク
ドライブ装置は薄型、高容量化が進展しており、性能的
には特に高性能化、低騒音化、長寿命化、高い耐衝撃性
が求められている。それに伴い当然、この種のディスク
ドライブ装置に組み込まれてディスクを回転駆動するモ
ータに対してもより一層の薄型化、高性能化、低騒音
化、長寿命化、高い耐衝撃性が要望されている。
【0003】これらの要求性能を決定付ける重要要素の
1つにモータの軸受がある。従来、磁気ディスクドライ
ブ装置(ハードディスクドライブ装置)では、磁気ディ
スク径が5吋、3.5吋、2.5吋及び1.8吋タイプ
の装置に搭載されるモータの軸受にはほとんどボールベ
アリングが用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のディスクドライブ装置に高性能化、低騒音化、長寿命
化、高い耐衝撃性が求められる現在、ボールベアリング
では要求性能を満たすのに限界にきている。そこで、動
圧流体軸受が期待されているが、近年、ディスクドライ
ブ装置の薄型化と長寿命化の実現のために、さらにその
必要性が増してきている。
【0005】そのボールベアリングから動圧流体軸受へ
のトレンドについて、磁気ディスクドライブ装置(以
下、装置と略称する。)について述べる。
【0006】最近、その装置は音声や画像データを取り
扱うマルチメディアの進展に伴い、特に高容量化が望ま
れている。その高容量化のためには装置のトラック方向
の記録密度を高める必要があり、装置の狭トラックピッ
チ化が必要になってきている。それに伴ない、ディスク
と共に回転するモータのハブ及びハブに固定されたディ
スクの非繰り返し振れ(Non Repeatable
RunOut:頭文字をとってNRROと呼ばれてい
る。)の精度をさらに高める必要が生じてきている。
【0007】NRROはディスクの回転軸振れ精度のう
ち、回転に同期しない不規則な軸振れであり、データの
書き込みや読み出しにエラーを発生させないために小さ
くする必要がある。そのハブ及びディスクのNRROの
具体的要求値は、従来はラジアル方向に0.4μm程度
であったが、最近の高容量化に伴う狭トラックピッチ化
に伴い現在は0.2μmの要求が出てきている。また、
将来のさらなる大容量化に対しては0.05μm以下の
要求が予想されている。
【0008】従来の装置のNRROはディスクを回転駆
動するためのモータのキーパーツであるボールベアリン
グに依存しているのは周知のことである。そして、ボー
ルベアリングは外輪、内輪、ボール、保持器、シール及
びグリースから構成されている。
【0009】NRROは主にボールベアリング自体の機
械精度、ボールベアリングの予圧方法や予圧管理または
ボールベアリングのモータへの組立精度によって大きな
ばらつきを生じる。その中でNRROはその外輪及び内
輪の精度、ボールの真球度または組立時におけるボール
外形の相互誤差などが大きく起因しているため、モータ
の完成時におけるNRROを現在以上に小さくすること
は難しい。
【0010】また、ボールベアリングにはボールが軌道
輪を転がる時のレース音や保持器の自励振動による騒音
発生がある。また、最近の装置では高速回転化が進んで
きている。例えば、装置に搭載されるモータの回転数
は、従来の3600rpmから7200rpmに高速化
してきており、また10000rpmの製品もすでに市
場に出てきている。このようなモータの高速回転化に伴
い、騒音レベルも大きくなるので、さらなる低騒音化が
要望されるが、従来のボールベアリングではすでに限界
にきている。
【0011】また、装置のリムーバルメディアとしての
使用や携帯可能なノートパソコンの普及に伴って、モー
タの耐衝撃性や耐落下性の向上が求められている。しか
しながら、従来のボールベアリングでは衝撃や落下によ
る100G程度の加速度によって外輪または内輪のレー
ス面に発生するブリネル圧痕に伴う騒音の悪化が見ら
れ、耐衝撃や耐落下の要求値、具体的には200G以上
の要求値に対して限界にきている。
【0012】さらに、装置はディスクと磁気ヘッドとの
非常に狭い隙間にダストが付着したり、衝突したりする
とデータの書き込み及び読み出しの際の動作に支障をき
たすため、ダストが侵入しないように、ディスクが取り
付けられたモータ全体を密閉したケースの中に封入して
装置内を清浄に維持している。
【0013】そして、大容量化の要望の中で、ディスク
と磁気ヘッドとの隙間は現在0.1μm程度であるが、
さらに高密度化を図るためにその隙間が小さくなってき
ている。そしてモータはディスクを取り付けた状態にて
ボールベアリングへの給油が不可能なためグリース封入
型のボールベアリングが使用されているが、回転中にそ
のグリースを構成している基油と増調剤が回転によって
せん断力を受けて分離が始まる。そして基油や増調剤が
飛散してディスクに付着し装置の機能を損ない動作不良
を起こす虞があった。
【0014】上記のような課題の原因は、従来のモータ
がボールベアリングに依存しているためであり、動圧流
体軸受を使うことによって解消することができる。
【0015】動圧流体軸受は、円柱状のモータ軸とそれ
に隙間をもって挿入される中空円筒状のスリーブからな
る軸受によって構成され、そのいずれかに複数のへリン
グボーン溝を設け、その軸とスリーブとの隙間に潤滑流
体(多くの場合、油またはグリース)を満たし、ロータ
の回転に伴ってへリングボーン溝と潤滑流体との間のポ
ンピング作用によりラジアル方向の動圧が発生して、軸
もしくはスリーブがセンタリングして軸とスリーブとを
非接触で回転支承するものである。また、軸に取り付け
られた固定スラストリングのスラスト面かスリーブのス
ラスト面の少なくとも一方に、スラスト動圧発生用のヘ
リングボーン溝もしくはスパイラル溝を形成し、その両
者のスラスト面の隙間に注入された潤滑流体によって、
スラスト荷重を支持させるための軸方向の動圧を発生さ
せることによりスリーブと固定スラストリングとを非接
触で回転支承するものである。
【0016】近年、磁気ディスクドライブ装置の薄型化
と長寿命化の要求がさらに強まっており、装置が薄型に
なるとモータの高さ方向の寸法がその装置によって規制
されるためモータの全高も薄くなる。そのため、動圧流
体軸受自体を構成するスリーブの軸方向長さが確保でき
にくくなり軸受剛性が低下し、モータの起動停止や過負
荷の影響等によって、軸とスリーブ、スリーブのスラス
ト面と固定スラストリングのスラスト面との機械的接触
が発生して、ステンレス合金からなる軸と銅系合金から
なるスリーブとの摺動部分や、スリーブのスラスト面と
固定スラストリングのスラスト面との摺動部分にて摩耗
や焼き付きが生じる虞があった。
【0017】また、レーザビーム型プリンター装置は文
字やデータ等を印刷するときのみモータが回転するため
実際の使用時のモータ動作は間欠運転となっている。そ
して、最近は省エネのために、装置を使用しないときは
電力削減のためモータを停止する機能を装置に盛り込ん
でおり、モータを起動と停止を繰り返しながら使用する
のが一般的になってきている。
【0018】レーザビーム型プリンター装置において
も、その装置が薄型になるとモータの高さ方向の寸法が
その装置によって規制されモータの全高も薄くしなけれ
ばならない。そのため、動圧流体軸受を構成するスリー
ブの軸方向の長さが確保しにくくなり、よって軸受剛性
が不足になりがちになる。
【0019】すると、軸受剛性の低下に伴って、モータ
の起動停止や過負荷の影響等によって軸と軸受部との機
械的接触が発生して、ステンレス合金からなるモータ軸
と、銅合金からなる軸受部との摺動部分に摩耗や焼き付
きを生じる虞があった。
【0020】従来、この種の問題を改良するために、動
圧流体軸受に関して種々の提案がなされている。
【0021】例えば米国特許第4652149号公報に
記載されたものが知られている。これは軸受の一部、ま
たは、全部をポリアセタールやナイロン等の自己潤滑性
樹脂で構成すると共にその樹脂にカーボンファイバーを
一定量含有させて導電性を持たせ、Crメッキ等が施さ
れたモータ軸との間の導電性をチェック可能にしてい
る。そうすることによって軸受の隙間の大きさに対して
信頼性的に有害となる金属性微粉の存在や固定側と回転
側との接触を確認することができるようにしたものであ
る。
【0022】しかしながら、軸受の一部または全部が自
己潤滑性樹脂で形成されており、金属からなる通常の軸
受に比べて硬度が低いため摩耗が金属に比べると大き
い。故にモータが高速に回転する場合や起動停止が頻繁
に繰り返えされる装置において、軸受部を樹脂で構成す
ると樹脂部分の摩耗が大きく寿命的に問題があり、この
種のディスクドライブ装置やレーザビーム型プリンター
装置に搭載されるモータには適さない。
【0023】また、米国特許第4838710号公報に
記載されたものが知られている。それにおいては、静圧
ガス軸受が、放出されたガス流体により軸を支持するた
めのガス状流体放出軸受部材からなっていた。すなわ
ち、軸受部材が多孔質グラファイトからなり、軸の表面
をイオンプレーティング処理により窒化チタンでコーテ
ィングして軸の摺動表面を改質処理したものある。
【0024】別の先行技術として特開昭59−8982
3号公報に記載されたものが知られている。これは軸受
の接触面に超硬質複合材料であるチタンカーボン、タン
グステンカーボンをイオンプレーティング工法によりコ
ーティングして耐摩耗性を付与することにより、軸受の
摩耗を防止したものである。
【0025】さらに、別の先行技術の例として、米国特
許第4555186号公報に記載されたものが知られて
いる。これは中空円筒型軸受にアモルファス合金の薄膜
を形成し、そのアモルファス合金の薄膜のビッカース硬
度を1000以上にしたものである。
【0026】上記の米国特許第4838710号公報や
特開昭59−89823号公報に記載されているよう
に、軸受及びスリーブの表面にイオンプレーティング工
法によりチタンカーボン、タングステンカーボンや窒化
チタン等の超硬材料をコーティングすることにより硬度
を高くして、耐摩耗性を向上させモータの信頼性を向上
させる提案がなされている。しかしながら、イオンプレ
ーティング工法は処理雰囲気中の温度が300℃前後に
上昇するためスリーブの材料である銅系合金に含まれる
鉛などの低融点材料が析出するため、コーティング層の
密着不具合や膜厚ばらつきに伴う内径精度ばらつきに課
題を持っている。また、イオンプレーティング工法は真
空炉が必要となるため設備が大がかりになり、しかも、
イオンプレーティング処理に数十分の時間を必要とする
ため生産性が悪い欠点も有していた。
【0027】さらに、上記のチタンカーボン、タングス
テンカーボン等は表面硬度がビッカース硬度にて200
0以上の硬度となる。また、上記米国特許第45551
86号明細書にも記載されているようにアモルファス合
金の薄膜を形成するとビッカース硬度にて1000以上
の非常に高い硬度となる。
【0028】ところが、軸受表面のビッカース硬度が1
000以上の硬さになると、軸や固定スラストリングの
表面ビッカース硬度700±100の範囲に対して相当
に硬くなるため、長時間の使用において軸側や固定スラ
ストリングが摩耗をする虞があった。
【0029】さらに、別の先行技術として、特開昭61
−112818号公報に記載されたものが知られてい
る。これは軸受の接触面にBN(ボロン)複合無電解ニ
ッケルメッキを行い軸受接触面に耐摩耗性を付与したも
のである。特にBN(ボロン)複合無電解ニッケルメッ
キを10から20μm厚に施し、その表面硬度をビッカ
ース硬度にて600程度にしている。
【0030】しかしながら、BN(ボロン)複合無電解
ニッケルメッキは還元剤にホウ素塩を使用し、被膜はN
i、P及びBの成分からなる。しかし、BN(ボロン)
複合無電解ニッケルメッキは価格が高く、メッキ浴の安
定性に問題がある。また、メッキ厚みを厚くするとスリ
ーブの内径側部に形成したへリングボーン溝幅が小さく
なり、所定の軸受剛性が出ない虞があった。そして、メ
ッキ厚みはメッキ時間に比例するためメッキ厚みが厚い
と生産性が悪くなる。BN(ボロン)複合無電解ニッケ
ルメッキは生産性を考えると実用的ではない。
【0031】本発明は、起動停止や過負荷での運転時に
おいて、モータ軸がスリーブの表層部を摩耗させること
なく、かつ軸も摩耗しないため、モータは長時間にわた
り、高い振れ回り精度を維持すると共に、摺動摩耗粉の
発生による軸とスリーブとの間の焼き付きを抑制し、高
信頼性を確保したモータを提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は、モータ軸を嵌
挿するスリーブの内径側部に動圧発生用のへリングボー
ン溝を形成し、その軸とスリーブとの隙間に注入された
潤滑流体を介して相対的に回転可能なラジアル動圧流体
軸受を備え、軸とスリーブとの摺動部分であるスリーブ
の内径側部のラジアル表層部及びへリングボーン溝部
と、スリーブの母材部とを異なる硬度としたものであ
り、モータが長時間にわたって高い振れ回り精度を維持
することができ信頼性を向上することができる。
【0033】また本発明は、マルテンサイト系ステンレ
ス合金で表面硬度がビッカース硬度にて700±100
の範囲からなるモータ軸と、銅系合金からなるスリーブ
とを有し、その軸を嵌挿するスリーブの内径側部にへリ
ングボーン溝を形成し、軸とスリーブとの隙間に注入さ
れた潤滑流体を介して相対的に回転可能なラジアル動圧
流体軸受を備え、軸とスリーブとの摺動部分であるスリ
ーブの内径側部のラジアル表層部及びへリングボーン溝
部に、イオン注入によりスリーブと異なる材質の金属ま
たはカーボンを注入したものであり、スリーブの厚みを
ほとんど変化させることなく摺動特性を改善できる。
【0034】さらに本発明は、モータ軸を嵌挿するスリ
ーブの内径側部にへリングボーン溝を形成し、その軸と
スリーブとの隙間に注入された潤滑流体によって、ラジ
アル荷重を支持させるための動圧を発生させるラジアル
動圧軸受部を備え、そして、軸に取り付けられた固定ス
ラストリングのスラスト面とスリーブのスラスト面の少
なくとも一方に、スラスト動圧発生用のヘリングボーン
溝もしくはスパイラル溝を形成し、その両者のスラスト
面の隙間に注入された潤滑流体によって、スラスト荷重
を支持させるための動圧を発生させるスラスト動圧軸受
部を備え、固定スラストリングのスラスト面との摺動部
分であるスリーブのスラスト面にスラスト表層部を構成
して、そのスラスト表層部の硬度をスリーブの母材部と
異なる硬度としたものであり、モータが長時間にわたっ
て高い振れ回り精度を維持することができ信頼性を向上
することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明は、モータ軸を嵌挿するス
リーブの内径側部に動圧発生用のへリングボーン溝を形
成し、その軸とスリーブとの隙間に注入された潤滑流体
を介して相対的に回転可能なラジアル動圧流体軸受を備
え、軸とスリーブとの摺動部分であるスリーブの内径側
部のラジアル表層部及びへリングボーン溝部と、スリー
ブの母材部とを異なる硬度としたものであり、モータの
起動停止や過負荷での運転時において、硬い軸がスリー
ブ表層部を摩耗させることなく、かつ軸も摩耗しないた
め、モータが長時間にわたって高い振れ回り精度を維持
することができ信頼性を向上することができる。
【0036】また本発明は、マルテンサイト系ステンレ
ス合金で表面硬度がビッカース硬度にて700±100
の範囲からなるモータ軸と、銅系合金からなるスリーブ
とを有し、その軸を嵌挿するスリーブの内径側部にへリ
ングボーン溝を形成し、軸とスリーブとの隙間に注入さ
れた潤滑流体を介して相対的に回転可能なラジアル動圧
流体軸受を備え、軸とスリーブとの摺動部分であるスリ
ーブの内径側部のラジアル表層部及びへリングボーン溝
部に、イオン注入によりスリーブと異なる材質の金属ま
たはカーボンを注入したものであり、スリーブの厚みを
ほとんど変化させることなく摺動特性を改善できる。
【0037】さらに本発明は、モータ軸を嵌挿するスリ
ーブの内径側部にへリングボーン溝を形成し、その軸と
スリーブとの隙間に注入された潤滑流体によって、ラジ
アル荷重を支持させるための動圧を発生させるラジアル
動圧軸受部を備え、そして、軸に取り付けられた固定ス
ラストリングのスラスト面とスリーブのスラスト面の少
なくとも一方に、スラスト動圧発生用のヘリングボーン
溝もしくはスパイラル溝を形成し、その両者のスラスト
面の隙間に注入された潤滑流体によって、スラスト荷重
を支持させるための動圧を発生させるスラスト動圧軸受
部を備え、固定スラストリングのスラスト面との摺動部
分であるスリーブのスラスト面にスラスト表層部を構成
して、そのスラスト表層部の硬度をスリーブの母材部と
異なる硬度としたものであり、モータが長時間にわたっ
て高い振れ回り精度を維持することができ信頼性を向上
することができる。
【0038】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
て説明する。
【0039】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
におけるモータの断面図であり、図2はそのモータのス
リーブの軸方向断面図である。このモータは磁気ディス
クドライブ装置に搭載されるモータの一例である。
【0040】図1及び図2において、ハブ11はマルテ
ンサイト系、フェライト系ステンレス鋼または快削鋼か
らなる材料でできている。そのハブ11の外周には磁気
ディスク9a、9bが固定され、中央にはマルテンサイ
ト系ステンレス鋼からなるモータ軸12が固設されてい
る。そのハブ11は固定されたディスク9a、9bと共
に回転する。軸12は銅系合金からなるスリーブ21に
よってラジアル方向に支承され、またスラスト板22で
スラスト方向に支承されている。
【0041】上記軸12、スリーブ21及びスラスト板
22は金属材料もしくはセラミック材料からなるため、
その軸12及びスリーブ21は高速で回転するディスク
9a、9bの負荷及び高速回転に耐えるだけの機械剛性
を持つ。また軸12の径やスリーブ21の内径を高精度
に加工することが可能となる。
【0042】上記軸12とスリーブ21との間、軸12
とスラスト板22との間にはそれぞれ潤滑流体、例えば
油またはグリースが充填されている。また、スリーブ2
1の内径側部17にはへリングボーン溝21a、21b
が軸方向に隔てて複数形成されており、軸12は、それ
が回転した時にへリングボーン溝21a、21bによっ
て潤滑流体中に圧力が発生してラジアル方向に非接触で
回転する。ところで上記へリングボーン溝21a、21
bは、軸12の表面に軸方向に隔てて複数形成しても同
様な効果が得られる。また、軸端12aはピボット形状
になっており、軸12が回転した時にスラストをスラス
ト板22で支えている。
【0043】ステータコア24はブラケット23に固定
されている。そのステータコア24にはステータコイル
25が巻回されている。モータの回転駆動力は、そのス
テータコイル25に電流を流すことにより励磁されたス
テータコア24がつくる回転磁界と、そのステータコア
24の周囲を取り巻く多極着磁された駆動マグネット1
4とにより発生する。そのマグネット14はハブ11の
内周に固着され、ハブ11とともにロータ10を構成す
る。
【0044】次に、このモータの組立手順について説明
する。ブラケットアッセンブリー31は予めステータコ
イル25を巻回したステータコア24をブラケット23
に固定することによって完成する。スリーブアッセンブ
リー20はスラスト板22をスリーブ21の下端面にか
しめなどの手段により固定して完成する。ハブアッセン
ブリー28は軸12をハブ11の中央の孔に焼きばめ等
の手段によりその一端を堅く固定して完成する。
【0045】次いで、上記スリーブアッセンブリー20
のスリーブ21の内側に所定量の潤滑流体を注入してお
き、そのスリーブ21の内周部にハブアッセンブリー2
8を軸端12a側から挿入する。その後、抜け止め板2
9をハブ11に固定してロータ10の抜けを防止する。
そして、ブラケットアッセンブリー31のブラケット2
3の内周部32にスリーブアッセンブリー20のスリー
ブ21の外周部33を挿入した後、固定してモータの組
立が完了する。
【0046】そして、ハブ11の外周に、ディスク9a
を挿入しスペーサ8を介してディスク9bを挿入する。
その後、クランプ板7を介して取付ねじ6にてねじ止め
することによりディスク9a及びディスク9bをハブ1
1に固定する。
【0047】ところで、軸12をスリーブ21の内周部
に挿入する時、スリーブ21に注入された潤滑流体が散
逸しないようにスリーブ21の開口端側16には潤滑流
体を貯える空間37を設けてある。また、ハブ11の内
側には何らかの原因で潤滑流体が空間37より飛散して
もオイル溜り38に溜まるようになっている。
【0048】さて、上記スリーブ21の構成について、
図3及び図4を参照して詳しく説明する。
【0049】図3は本実施例におけるスリーブ21のラ
ジアル方向断面図であり、図4は同スリーブ21の部分
拡大断面図である。
【0050】スリーブ21は銅系合金からなるため大変
柔らかい。そして、そのスリーブ21の表面はNi(9
0〜98%)とP(2〜10%)を主成分とした無電解
ニッケルメッキによって硬質に処理され、同スリーブ2
1の母材部に対して異なる硬度を持っている。具体的に
は、図3、図4に示すように、スリーブ21の表面にラ
ジアル表層部15及びへリングボーン溝部26が形成さ
れており、そのラジアル表層部15及びへリングボーン
溝部26とスリーブ21の母材部とが異なる硬度からな
っている。なお、軸12はマルテンサイト系ステンレス
鋼である日本工業規格SUS420J2の焼き入れ品か
らできているため、その軸12の表面硬度はビッカース
硬度で約700±100の範囲である。
【0051】図5は本実施例におけるモータのスリーブ
21の内径側部のラジアル表層部15及びへリングボー
ン溝部26の硬度H1と、スリーブ21の母材部の硬度
H2との比(H1/H2)と、摩耗粉量との関係を示す
図である。
【0052】図5において、横軸は上記比(H1/H
2)であり、縦軸は信頼性試験後における軸12とスリ
ーブ21の隙間に注入された潤滑流体に含まれる摩耗粉
の量を無次元化した値であり、信頼性試験結果において
良好と判断されたモータの潤滑流体に含まれる摩耗粉の
量を100としている。ここで、潤滑流体に含まれる摩
耗粉の量は少ないほうが信頼性的に良好であることは言
うまでもない。
【0053】図5から明らかなように、比(H1/H
2)が2未満となるとスリーブ21から摩耗粉が多く発
生している。これは硬い軸12によって柔らかいスリー
ブ21が削られるためである。逆に、比(H1/H2)
が5を超えると軸12からの摩耗粉が多く発生するよう
になる。これは硬質処理されたスリーブ21のラジアル
表層部15が軸12より十分硬くなり過ぎることによっ
て軸12が削られるためである。
【0054】このように、比(H1/H2)が適切な範
囲にないと潤滑流体に含まれる摩耗粉の発生が抑制され
ず信頼性に大きな影響を与え、モータの回転振れ回り精
度を悪化させ、装置の機能を損ない動作不良を生じる虞
があった。
【0055】特に磁気ディスクドライブ装置はコンピュ
ータの外部メモリーとして頻繁に使用されるため、モー
タが起動と停止を繰り返す割合が音響映像機器等に比べ
て多く、上記のような起動停止に伴なうスリーブとモー
タ軸との接触による摩耗と摩耗粉の発生に注意を払う必
要がある。
【0056】上記のように本発明は、軸12を嵌挿する
スリーブ21の内径側部にへリングボーン溝21a、2
1bを形成し、その軸12とスリーブ21との隙間に注
入された潤滑流体を介して相対的に回転可能なラジアル
動圧流体軸受とし、その軸12とスリーブ21との摺動
部分であるスリーブの内径側部のラジアル表層部15及
びへリングボーン溝部26と、スリーブ21の母材部と
を異なる硬度としたものであり、スリーブ21の摩耗を
抑制し、焼き付きを防止できる。
【0057】さらに好ましくは、スリーブ21の内径側
部のラジアル表層部15及びへリングボーン溝部26の
硬度H1とスリーブ21の母材部の硬度H2の比(H1
/H2)を2以上、5以下の範囲になるように構成し、
その硬度H1がビッカース硬度にて700±100の範
囲とすることにより、起動停止時や過負荷時での運転に
おけるスリーブ21の摩耗を抑制できる。
【0058】また、スリーブ21の材質を銅系合金と
し、軸12の材質をマルテンサイト系ステンレス合金で
表面硬度がビッカース硬度にて700±100の範囲と
することにより、その軸12の摩耗も低減できる。
【0059】ここで、さらに詳細にスリーブ21の内径
側部について説明する。スリーブ21の内径側部のラジ
アル表層部15及びへリングボーン溝部26である無電
解ニッケルメッキの厚みは信頼性の観点から考えると3
μm以上あれば充分である。しかし、無電解ニッケルメ
ッキを厚くするとへリングボーン溝部21a、21bに
もラジアル表層部15と同じメッキ厚み分程コーティン
グされる。そうすると、図3に示すようにメッキ前の溝
角度θbはメッキを行うことによって、メッキ厚み分程
小さくなりメッキ後の溝角度はθaとなる。メッキ前の
溝角度θbに比較してメッキ後の溝角度θaは小さくな
る。
【0060】また、図4に示すようにメッキ前の溝幅L
bはメッキを行うことによって、メッキ厚み分程小さく
なりメッキ後の溝幅はLaとなる。
【0061】上記へリングボーン溝部21a、21bの
溝角度や溝幅の寸法は、軸12とスリーブ21とを非接
触で回転させるための動圧発生力に大きな影響を与える
因子である。それゆえ、メッキ厚みを厚くすればするほ
どメッキ前の溝寸法が大きく変化するため、設計通りの
動圧発生力が得られなくなる。したがって、メッキ厚み
は適切な範囲にする必要がある。
【0062】すなわち、メッキ厚みはモータの信頼性と
発生動圧の安定性の両面より適正値以上に大きくするこ
とは動圧流体軸受の持つ性能を阻害することになるた
め、実質的には3から10μmのメッキ厚みの範囲が最
適である。
【0063】本発明は、上記ラジアル表層部15及びへ
リングボーン溝部26の厚みが3μm以上、10μm以
下であると共に、そのラジアル表層部15とへリングボ
ーン溝部26の表層部の厚みとが略同じになるように無
電解ニッケルメッキ処理を施すことにより、メッキ後の
へリングボーン溝角度や幅の寸法がメッキ前と大きく変
わらないため動圧流体軸受の性能を損なうことがない。
また、メッキ厚みが10μm以下なのでメッキ処理時間
が短く生産性が高い。
【0064】上記実施例はスリーブの内径側部のラジア
ル表層部15及びへリングボーン溝部26に無電解ニッ
ケルメッキ処理を施した場合であるが、別な方法として
そのラジアル表層部15及びへリングボーン溝26部
に、スリーブ21と異なる金属イオンまたはカーボンイ
オンを注入することにより表面を硬質化してもよい。
【0065】ここで、イオン注入する金属はNi,Ti
及びCrの少なくとも1つが望ましい。
【0066】金属イオンまたはカーボンイオンを適切に
選んで所定量を注入し、スリーブの内径側部のラジアル
表層部15及びへリングボーン溝部26の表面を改質す
ることにより、注入部の表層硬度が高くなるため摩耗が
抑制される。また、イオンプレーティング工法等では処
理部の厚みが変化するため軸受の隙間が変化し軸受剛性
に影響を与える虞があるが、イオン注入では厚み、外
形、内径寸法等をほとんど変化させることなく表面を改
質できるため、軸受剛性に影響を与えず性能的にも優れ
高い信頼性を確保できる。
【0067】(実施例2)図6は本発明の第2の実施例
におけるモータの断面図であり、図7はそのモータのス
ラスト動圧軸受の断面図である。このモータも第1の実
施例と同様に磁気ディスクドライブ装置に搭載されるモ
ータの一例である。
【0068】図6及び図7において、ハブ138の外周
にはアルミニウム合金系材料からなる磁気ディスク(図
示せず)が固定され共に回転する。
【0069】ラジアル動圧軸受部は、スリーブ139、
その内側のヘリングボーン溝161a、161b、潤滑
流体164c、モータ軸140から構成される。すなわ
ち、ハブ138の中央の内側には加工が容易な銅合金や
アルミ合金からなるスリーブ139が取り付けられてい
る。そのスリーブ139の内側には軸方向に離れた位置
にヘリングボーン溝161a、161bが構成されてい
る。ハブ138は、回転可能なようにスリーブ139と
軸140との隙間に塗布された潤滑流体164cでポン
ピングによって発生する動圧によってラジアル方向が非
接触で回転するように支承される。
【0070】また、スラスト動圧軸受部は、固定スラス
トリング141、その両面に設けられたヘリングボーン
溝(図8(a)に示す146a及び図8(c)に示す1
46b)、スリーブ139、回転スラストリング142
と潤滑流体164bとから構成される。軸140の上部
には固定スラストリング141がトップスクリュー14
3にてしっかりと精度良く固定される。そして固定スラ
ストリング141の第1スラスト面144はスリーブ1
39の上部のスラスト面145と対向している。
【0071】図8(a)は本実施例におけるモータの固
定スラストリング141の上面図、図8(b)はその正
面断面図、図8(c)はその下面図である。
【0072】これらの図に示すように、固定スラストリ
ング141は、動圧を発生させるためのヘリングボーン
溝146a、146bをそれぞれ有する裏表2つのスラ
スト面すなわち第1スラスト面144と第2スラスト面
171とを持っている。そして、上記第1スラスト面1
44は、スリーブ139のスラスト面145に対向して
いる。軸140は、そのスリーブ139のスラスト面1
45とヘリングボーン溝146bを有する第1スラスト
面144との間に存在する潤滑流体164bに作用する
ポンピングによる動圧にて、スラスト方向が非接触で回
転可能となっている。
【0073】また、上記固定スラストリング141の他
方の面である第2スラスト面171は、回転スラストリ
ング142のスラスト面172に対向している。軸14
0は、その回転スラストリング142のスラスト面17
2とヘリングボーン溝146aを有する第2スラスト面
171との間に存在する潤滑流体164bに作用するポ
ンピングによる動圧にて、スラスト方向が非接触で回転
可能となっている。
【0074】なお、図8(a)及び図8(c)中に示し
た矢印はスリーブ139の回転方向を表わしている。
【0075】以上のようにスラスト動圧軸受部は固定ス
ラストリング141の第1スラスト面144及び第2ス
ラスト面171の両面にて構成されている。
【0076】軸140、トップスクリュー143、スリ
ーブ139、固定スラストリング141及び回転スラス
トリング142は金属材料からなるため、高速で回転す
るディスクの負荷及び高速回転に耐えるだけの機械剛性
を持ち、かつ、その軸140の径やスリーブ139の内
径精度を高める加工も可能となる。
【0077】ステータコア151はブラケット154に
固定されている。そのステータコア151にはステータ
コイル150が巻回されている。モータの回転駆動力
は、そのステータコイル150に電流を流すことにより
励磁されたステータコア151がつくる回転磁界と、そ
のステータコア151の周囲を取り巻く多極着磁された
駆動マグネット152とにより発生する。そのマグネッ
ト152はハブ138の内周に固設されたロータフレー
ム153の内側に取り付けられている。そして、ロータ
全体は、ハブ138、回転スラストリング142、スリ
ーブ139、ロータフレーム153及びマグネット15
2を備え、そのハブ138に固定されたディスクを回転
させる。
【0078】次に、このモータの組立手順を説明する。
ブラケットアッセンブリー155は、予めステータコイ
ル150を巻回したステータコア151をブラケット1
53に固定して完成する。スリーブアッセンブリー15
6は、スリーブ139にマグネット152、ロータフレ
ーム153を有するハブ138を固定して完成する。こ
こで、スリーブアッセンブリー156を構成するスリー
ブ139とハブ138は統合して一体部品としても良
い。その場合の母材としての材質は銅合金もしくはアル
ミニウム合金が適切である。
【0079】シャフト組立157は、軸140の上部に
トップスクリュー143にて固定スラストリング141
を挟み込むようにして組み立てられるが、それら3部品
が統合され一体となった部品であっても良い。
【0080】そして、スリーブアッセンブリー156の
スリーブ139の内径部に潤滑流体を塗布した後にシャ
フト組立157の軸140を挿入する。その後、回転ス
ラストリング142をハブ138の上部に取り付けるこ
とによって部分ユニット162が完成する。
【0081】上記部分ユニット162は、スリーブアッ
センブリー156とシャフト組立157と回転スラスト
リング142とラジアル動圧軸受部、スラスト動圧軸受
部及び潤滑流体164a、164b、164cを備えて
いる。
【0082】すなわち、部分ユニット162は、ブラケ
ットアッセンブリー155を除く構成となっている。
【0083】組立の最後として、上記部分ユニット16
2の軸140の後端をブラケットアッセンブリー155
のブラケット154の内周穴158に挿入して締結ネジ
159にて締結固定する。このようにしてブラケットア
ッセンブリー155と部分ユニット162とがドッキン
グしてモータ160が完成する。
【0084】ところで、スリーブ139のスラスト面1
45と固定スラストリング141の第1スラスト面14
4との間、及び固定スラストリング141の第2スラス
ト面171と回転スラストリング142のスラスト面1
72の間に注入された潤滑流体164a、164bが散
逸しないように固定スラストリング141の上部に位置
して、スリーブ139と共に回転する回転スラストリン
グ142の内周にはテーパ163が設けてある。このテ
ーパ163はモータ160が回転することによりに潤滑
流体164aに働く遠心力にて、潤滑流体164aを下
方に押しやる力が働き遠心力シールを構成している。よ
って、潤滑流体164aの温度膨張等によってトップス
クリュー143の上部へ移行する力が作用しても上記の
下方に押しやる力によって潤滑流体164aがトップス
クリュー143の上部へ飛散や移行することがない。
【0085】また、トップスクリュー143の外径と対
向する回転スラストリング142の内径の間には狭い隙
間が形成され、表面張力シール部165が構成されてい
る。潤滑流体164aが何らかの原因でトップスクリュ
ー143の上部に飛散しようとしても、その飛散が防止
される構造になっている。
【0086】さらに、表面張力シール部165の上部に
は、その表面張力シール部165を通り越してきた潤滑
流体を貯めるためのオイル溜まり166が構成されてい
る。さらに、その上部には表面張力シール部167が、
トップスクリュー143の外径と回転スラストリング1
42の内径との間の狭い隙間により構成されている。最
後に、たとえ表面張力シール部167より潤滑流体が飛
散してもオイル溜まり168に潤滑流体が溜まり、ディ
スクに潤滑流体が飛散して付着しないように構成されて
いる。
【0087】上記から明らかなように本実施例のモータ
は、モータ軸140を嵌挿するスリーブ139の内径側
部にへリングボーン溝161a、161bを形成し、そ
の軸140とスリーブ139との隙間に注入された潤滑
流体164cによってラジアル荷重を支持させるための
動圧を発生させるラジアル動圧軸受部が設けられ、ま
た、軸140に取り付けられた固定スラストリング14
1の第1スラスト144面及び第2スラスト面171に
それぞれヘリングボーン溝146b及び146aを形成
し、その第1スラスト面144とスリーブ139のスラ
スト面145、及びその第2スラスト面171と回転ス
ラストリング142のスラスト面172との隙間に注入
された潤滑流体164bによってスラスト荷重を支持さ
せるための動圧を発生させるスラスト動圧軸受部が構成
されている。
【0088】そして、上記スリーブ139のスラスト面
145にスラスト表層部147を形成して、そのスラス
ト表層部147の硬度をそのスリーブ139の母材部と
異なる硬度としたものであり、そのスリーブ139の摩
耗と焼き付きを防止できる。
【0089】さらに好ましくは、スリーブ139におけ
るスラスト面145のスラスト表層部147の硬度H1
とそのスリーブ139の母材部の硬度H2との比(H1
/H2)を2以上、5以下の範囲とし、そのスラスト表
層部147の硬度H1をビッカース硬度にて700±1
00の範囲とするのが良い。そうすることにより、モー
タの起動停止時や過負荷時での運転におけるスリーブ1
39の摩耗を抑制できる。
【0090】さらに、そのスラスト表層部147に無電
解ニッケルメッキ処理を施し、そのスラスト表層部14
7の厚みを3μm以上、10μm以下とすることによ
り、メッキによる溝幅比率の変化を抑制し、スラスト動
圧軸受部の性能を安定化させることができる。
【0091】またスリーブ139の材質を銅系合金と
し、固定スラストリング141の材質をマルテンサイト
系ステンレス合金で表面硬度がビッカース硬度にて70
0±100の範囲とすることにより、そのスラスト固定
リング141の摩耗を低減できる。
【0092】なお、上記へリングボーン溝146a及び
146bの代わりに、溝の形状が渦巻き状のスパイラル
溝であっても同様な効果が期待できる。
【0093】(実施例3)図9(a)は本発明の第3の
実施例におけるモータのスリーブの上面図であり、図9
(b)はその正面断面図である。本実施例が第2実施例
と異なる点は次の通りである。スリーブ139上部にお
けるスラスト面145に、スラスト動圧軸受部を構成す
るためのヘリングボーン溝169が形成されている。す
なわち、第2実施例において固定スラストリング141
の第1スラスト面144に形成されたヘリングボーン溝
146bの代わりに、回転するスリーブ139側のスラ
スト面145にヘリングボーン溝169を形成してもス
ラスト動圧軸受部としての機能は同じである。
【0094】ラジアル動圧軸受部は第2実施例同様、ヘ
リングボーン溝161a及び161bがスリーブ139
の内側に軸方向に離れた位置に形成されている。モータ
軸140は、そのヘリングボーン溝161a、161b
に塗布された潤滑流体を介して非接触で回転するように
スリーブ139に支承される。
【0095】なお、図9(a)中に示した矢印はスリー
ブ139の回転方向を表わしている。
【0096】図10は本実施例におけるモータのスリー
ブ139の部分拡大断面図である。図10において、ス
リーブ139の上部にはスラスト表層部147及びヘリ
ングボーン溝169が形成されている。そして、そのス
ラスト表層部147及びヘリングボーン溝169と、ス
リーブ139の母材部とが異なる硬度からなっている。
【0097】スリーブ139の母材は、銅系合金やアル
ミニウム合金からなるため大変柔らかく、そして、その
スリーブ139の表面はNi(90〜98%)とP(2
〜10%)を主成分とした無電解ニッケルメッキによっ
て硬質に処理されている。そのため母材であるスリーブ
139の硬度に対して異なる表面硬度を持つ表層部が形
成されている。
【0098】なお、固定スラストリング141はマルテ
ンサイト系ステンレス鋼である日本工業規格SUS42
0J2の焼き入れ品からできており、その固定スラスト
リング141の表面硬度はビッカース硬度で約700±
100の範囲の硬度である。
【0099】図11は本実施例におけるモータのスリー
ブ139の上部に位置するスラスト表層部147及びス
リーブ139の上部のへリングボーン溝部の硬度H1と
スリーブ139の母材部の硬度H2との比(H1/H
2)と、摩耗粉量との関係を示す図である。
【0100】図11において、横軸は上記硬度H1と硬
度H2との比(H1/H2)であり、縦軸は信頼性試験
後における固定スラストリング141とスリーブ139
の隙間に注入された潤滑流体に含まれる摩耗粉の量を無
次元化した値で表わしている。ここで、信頼性試験結果
において良好と判断されたモータの潤滑流体に含まれる
摩耗粉の量を100としている。ここで、潤滑流体に含
まれる摩耗粉の量は少ないほうが信頼性的に良好である
ことは言うまでもない。
【0101】図11から明らかなように、比(H1/H
2)が2未満となるとスリーブ139からの摩耗粉が多
く発生している。これは硬い固定スラストリング141
によって柔らかいスリーブ139が削られるためであ
る。逆に、比(H1/H2)が5を超えると固定スラス
トリング141からの摩耗粉が多く発生するようにな
る。これは硬質処理されたスリーブ139のスラスト表
層部147が固定スラストリング141より十分硬くな
り過ぎることによって固定スラストリング141側が削
られるためである。
【0102】上記比(H1/H2)を2以上、5以下の
範囲になるように構成すれば、摩耗粉の発生が抑制さ
れ、モータの回転振れ回り精度を維持することができ、
信頼性が向上する。特に磁気ディスクドライブ装置はコ
ンピュータの外部メモリーとして使用されるため、搭載
されるモータが起動と停止が頻繁に繰り返すので、本発
明のモータを採用すれば有利となる。
【0103】ここで、スリーブ139の上部のスラスト
表層部147及びスリーブ上部のヘリングボーン溝16
9に施された無電解ニッケルメッキの厚みはモータの信
頼性の観点から考えると3μm以上あれば充分である。
無電解ニッケルメッキを厚くするとヘリングボーン溝1
69にもスラスト表層部147と同じメッキ厚み分程コ
ーティングされる。そうすると、図10に示すようにメ
ッキ前の溝幅Lbはメッキを行うことによって、メッキ
厚み分程小さくなりメッキ後の溝幅はLaとなる。メッ
キ前の溝幅Lbに比較してメッキ後の溝幅Laは小さく
なる。
【0104】ところで、上記ヘリングボーン溝169の
溝角度や溝幅の寸法は固定スラストリング141とスリ
ーブ139とを非接触で回転させるための動圧発生力に
大きな影響を与える因子である。それゆえ、メッキ厚み
を厚くすればするほどメッキ前の溝寸法が大きく変化す
るため設計通りの動圧発生力が得られなくなる虞があ
る。したがって、メッキ厚みは適切な範囲にする必要が
ある。
【0105】すなわち実施例2と同様に、メッキ厚みは
3μm以上、10μm以下の範囲が最適である。
【0106】なお、上記へリングボーン溝169の代わ
りに、溝の形状が渦巻き状のスパイラル溝であっても同
様な効果が期待できる。
【0107】(実施例4)図12は本発明の第4の実施
例におけるモータの断面図である。このモータはレーザ
ービームプリンター等でレーダーの走査に利用される回
転多面鏡駆動装置に搭載されるモータの一例である。図
12において、モータ軸201には、焼き嵌め等の方法
でロータボス205を固設する。そのロータボス205
には回転多面鏡202(一般的には、ポリゴンミラーと
呼ばれている。)、ロータマグネット203及びロータ
ヨーク204が取り付けられている。ロータは、上記軸
201、ロータボス205、回転多面鏡202、ロータ
マグネット203及びロータヨーク204を備えてい
る。
【0108】ブラケットは、回転多面鏡駆動装置の取り
付け面212を有し、かつ上記ロータマグネット203
と磁路を構成する磁性体からなるベース板211とその
ベース板211にアウトサート成形された樹脂からなる
カラーとから構成される。そのカラーは、円筒部213
及びその円筒部213より厚肉で構成された円筒部21
4を備え、上記円筒部213は軸201を支承するスリ
ーブ210を嵌合固定している。ステータ巻線208が
固着されたステータ基板209は、上記ロータマグネッ
ト203とベース基板211との間に配設されている。
【0109】スリーブ210の内径側部にはへリングボ
ーン溝(図示しないが、図2に示す21a及び21bと
同様である。)が形成され、潤滑流体が塗布され、ラジ
アル動圧軸受を構成している。ここで、本実施例は第1
の実施例と同様に、上記スリーブ210の内径側部のラ
ジアル表層部及びへリングボーン溝部と、そのスリーブ
210の母材部とを異なる硬度に形成している。第1の
実施例と同様に、スリーブ210の摩耗を抑制でき、モ
ータの高精度回転の維持及び長寿命が実現できる。
【0110】
【発明の効果】上記種々の実施例から明らかなように本
発明によれば、軸受にボールベアリングを使用せず動圧
流体軸受を使用しているので、回転し始めるとモータ軸
とスリーブとの間のラジアル動圧流体軸受部あるいはス
リーブと固定スラストリングとの間のスラスト動圧流体
軸受部が潤滑流体を介して非接触で回転するため、NR
ROの発生が極めて少ない高性能なモータを提供でき
る。
【0111】また、従来のようなボールベアリング特有
なボールが軌道輪を転がるレース音や保持器の自励振動
音の発生がないため、回転時の騒音を小さくすることが
できる。
【0112】また、ボールベアリングは衝撃や落下によ
って内輪、外輪のレース面に発生するブリネル圧痕に伴
なって騒音の悪化が顕著に現れるが、動圧流体軸受は衝
撃や落下荷重をスリーブ全体で受けるためスリーブが受
ける荷重面圧がボールベアリングの場合に比べて十分小
さくなりスリーブなどに圧痕を生じにくい。
【0113】さらに、ボールベアリングに比べて外輪、
内輪、ボールを必要としないためモータに占める軸受部
分の体積を小さくすることができモータ及び装置の薄型
・小型が容易となる。
【0114】上記のように本発明によれば、高性能、低
騒音、薄型、耐衝撃性に優れ、長寿命であり、業界の要
望に応えた優れたモータを提供できる。
【0115】本発明のモータは、磁気ディスクドライブ
装置、光ディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ
装置、MDドライブ装置、DVDドライブ装置やその他
のディスクドライブ装置及びディスクドライブ装置以外
のレーザービームプリンター等にも適用可能であり、そ
の工業的価値は大である。
【0116】本発明は、上記の種々の実施例に関連付け
て説明されているが、このほかに様々に変化されても実
施され得る。
【0117】本明細書や図面に用いた実施例は本発明を
それだけに限定するものではない。また、本実施例の詳
細が請求項の範囲を限定するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるモータの断面図
【図2】本発明の第1の実施例におけるモータのスリー
ブの軸方向断面図
【図3】本発明の第1の実施例におけるモータのスリー
ブのラジアル方向断面図
【図4】本発明の第1の実施例におけるモータのスリー
ブの部分拡大断面図
【図5】本発明の第1の実施例におけるモータのスリー
ブの内径側部のラジアル表層部及びへリングボーン溝部
の硬度H1とスリーブの母材部の硬度H2との比(H1
/H2)と、摩耗粉量との関係を示す図
【図6】本発明の第2の実施例におけるモータの断面図
【図7】本発明の第2の実施例におけるモータのスラス
ト動圧軸受の断面図
【図8】(a)本発明の第2の実施例におけるモータの
固定スラストリングの上面図 (b)本発明の第2の実施例におけるモータの固定スラ
ストリングの正面断面図 (c)本発明の第2の実施例におけるモータの固定スラ
ストリングの下面図
【図9】(a)本発明の第3の実施例におけるモータの
スリーブの上面図 (b)本発明の第3の実施例におけるモータのスリーブ
の正面断面図
【図10】本発明の第3の実施例におけるモータのスリ
ーブの部分拡大断面図
【図11】本発明の第3の実施例におけるモータのスリ
ーブの上部に位置するスラスト表層部及びへリングボー
ン溝部の硬度H1とスリーブの母材部の硬度H2との比
(H1/H2)と、摩耗粉量との関係を示す図
【図12】本発明の第4の実施例におけるモータの断面
【符号の説明】
6 取付ねじ 7 クランプ板 8 スペーサ 9a、9b ディスク 10 ロータ 11、138 ハブ 12、140、201 モータ軸 12a モータ軸端 14 駆動マグネット 15 ラジアル表層部 16 スリーブの開口端部 17 スリーブの内径側部 20、156 スリーブアッセンブリー 21、139、210 スリーブ 21a、21b、146a、146b、161a、16
1b へリングボーン溝 22 スラスト板 23、154 ブラケット 24、151 ステータコア 25、150 ステータコイル 26 へリングボーン溝部 28 ハブアッセンブリー 29 抜け止め板 31、155 ブラケットアッセンブリー 32 ブラケットの内周部 33 スリーブの外周部 37 潤滑流体を貯える空間 38 オイル溜り 141 固定スラストリング 142 回転スラストリング 143 トップスクリュー 144 第1スラスト面 145 スリーブのスラスト面 147 スラスト表層部 152 駆動マグネット 153 ロータフレーム 157 シャフト組立 158 内周穴 159 締結ネジ 160 モータ 162 完成ユニット 163 テーパ 164a、164b、164c 潤滑流体 165 第1面張力シール部 166 第1オイル溜まり 167 第2面張力シール部 168 第2オイル溜まり 169 スリーブ上部ヘリングボーン溝 171 第2スラスト面 172 回転スラストリングのスラスト面 202 回転多面鏡 203 ロータマグネット 204 ロータヨーク 205 ロータボス 208 ステータ巻線 209 ステータ基板 211 ベース板 212 取り付け面 213、214 円筒部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ軸を嵌挿するスリーブの内径側部
    に動圧発生用のへリングボーン溝を形成し、前記モータ
    軸と前記スリーブとの隙間に注入された潤滑流体を介し
    て相対的に回転可能なラジアル動圧流体軸受を備え、前
    記モータ軸と前記スリーブとの摺動部分である前記スリ
    ーブの内径側部のラジアル表層部及びへリングボーン溝
    部と、前記スリーブの母材部とを異なる硬度としたモー
    タ。
  2. 【請求項2】 スリーブの内径側部のラジアル表層部及
    びへリングボーン溝部の硬度H1とスリーブの母材部の
    硬度H2との比(H1/H2)を2以上、5以下の範囲
    になるように構成し、前記硬度H1がビッカース硬度に
    て700±100の範囲である請求項1記載のモータ。
  3. 【請求項3】 スリーブの内径側部のラジアル表層部及
    びへリングボーン溝部に無電解ニッケルメッキ処理を施
    し、前記ラジアル表層部及びへリングボーン溝部の厚み
    が3μm以上、10μm以下の範囲であると共に、前記
    ラジアル表層部とへリングボーン溝部の表層部の厚みと
    が略同じである請求項1記載のモータ。
  4. 【請求項4】 スリーブの材質が銅系合金であり、モー
    タ軸の材質がマルテンサイト系ステンレス合金で表面硬
    度がビッカース硬度にて700±100の範囲である請
    求項1記載のモータ。
  5. 【請求項5】 マルテンサイト系ステンレス合金で表面
    硬度がビッカース硬度にて700±100の範囲である
    モータ軸と、銅系合金からなるスリーブとを有し、前記
    モータ軸を嵌挿するスリーブの内径側部に動圧発生用の
    へリングボーン溝を形成し、前記モータ軸と前記スリー
    ブとの隙間に注入された潤滑流体を介して相対的に回転
    可能なラジアル動圧流体軸受を備え、前記モータ軸と前
    記スリーブとの摺動部分である前記スリーブの内径側部
    のラジアル表層部及びへリングボーン溝部に、イオン注
    入により前記スリーブと異なる材質の金属またはカーボ
    ンを注入したモータ。
  6. 【請求項6】 イオン注入される金属がNi、Ti及び
    Crの少なくとも1つである請求項5記載のモータ。
  7. 【請求項7】 モータ軸を嵌挿するスリーブの内径側部
    に動圧発生用のへリングボーン溝を形成し、前記モータ
    軸と前記スリーブとの隙間に注入された潤滑流体によっ
    て、ラジアル荷重を支持させるための動圧を発生させる
    ラジアル動圧軸受部を備え、前記モータ軸に取り付けら
    れた固定スラストリングのスラスト面と前記スリーブの
    スラスト面との少なくとも一方に、スラスト動圧発生用
    のヘリングボーン溝もしくはスパイラル溝を形成し、前
    記固定スラストリングのスラスト面と前記スリーブのス
    ラスト面との隙間に注入された潤滑流体によって、スラ
    スト荷重を支持させるための動圧を発生させるスラスト
    動圧軸受部を備え、前記固定スラストリングのスラスト
    面との摺動部分である前記スリーブのスラスト面にスラ
    スト表層部を構成して、前記スラスト表層部の硬度を前
    記スリーブの母材部と異なる硬度に設定したモータ。
  8. 【請求項8】 スリーブにおけるスラスト面のスラスト
    表層部の硬度H1と前記スリーブの母材部の硬度H2と
    の比(H1/H2)を2以上、5以下の範囲になるよう
    に構成し、前記硬度H1がビッカース硬度にて700±
    100の範囲である請求項7記載のモータ。
  9. 【請求項9】 スリーブにおけるスラスト面のスラスト
    表層部に無電解ニッケルメッキ処理を施し、前記スラス
    ト表層部の厚みが3μm以上、10μm以下の範囲であ
    る請求項7記載のモータ。
  10. 【請求項10】 スリーブの材質が銅系合金であり、ス
    ラスト固定リングの材質がマルテンサイト系ステンレス
    合金で表面硬度がビッカース硬度にて700±100の
    範囲である請求項7記載のモータ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のモ
    ータをディスクを回転する手段として搭載したディスク
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれかに記載のモ
    ータを負荷部材であるポリゴンミラーを回転駆動する手
    段として組み込んだモータを搭載したレーザビーム型プ
    リンター装置。
JP10323224A 1997-12-19 1998-11-13 動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置 Pending JPH11313461A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10323224A JPH11313461A (ja) 1997-12-19 1998-11-13 動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-350458 1997-12-19
JP35045897 1997-12-19
JP10-46961 1998-02-27
JP4696198 1998-02-27
JP10323224A JPH11313461A (ja) 1997-12-19 1998-11-13 動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11313461A true JPH11313461A (ja) 1999-11-09

Family

ID=27292823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10323224A Pending JPH11313461A (ja) 1997-12-19 1998-11-13 動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11313461A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004049077B4 (de) * 2004-10-08 2007-05-31 Minebea Co., Ltd. Fluiddynamisches Lagersystem zur Drehlagerung eines Spindelmotors
KR100741035B1 (ko) 2005-08-25 2007-07-19 (주)지엔더블유테크놀러지 유체동압베어링모터
JP2007218386A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Canon Electronics Inc 流体軸受装置および回転装置
JP2008190572A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Nippon Densan Corp 動圧軸受の製造方法及びその動圧軸受を用いたモータ
JP2016191459A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 ミネベア株式会社 流体動圧軸受、スピンドルモータ及びハードディスクドライブ装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004049077B4 (de) * 2004-10-08 2007-05-31 Minebea Co., Ltd. Fluiddynamisches Lagersystem zur Drehlagerung eines Spindelmotors
KR100741035B1 (ko) 2005-08-25 2007-07-19 (주)지엔더블유테크놀러지 유체동압베어링모터
JP2007218386A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Canon Electronics Inc 流体軸受装置および回転装置
JP2008190572A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Nippon Densan Corp 動圧軸受の製造方法及びその動圧軸受を用いたモータ
JP2016191459A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 ミネベア株式会社 流体動圧軸受、スピンドルモータ及びハードディスクドライブ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5998898A (en) Motor having hydrodynamic bearing
US7015611B2 (en) Spindle motor and recording disk driving apparatus having the spindle motor
JP4628246B2 (ja) 焼結合金動圧軸受を備えたモータ
US6717308B2 (en) Electric spindle motor and method having magnetic starting/stopping device
US7674043B2 (en) Hydrodynamic bearing rotary device
JPH099568A (ja) ディスク駆動装置
JP2010138992A (ja) 軸受装置、スピンドルモータ、及びディスク駆動装置
US7059771B2 (en) Motors with oil dynamic pressure bearing, oil dynamic pressure bearing devices and method for manufacturing the same
JP2006207708A (ja) モータ
US20080068744A1 (en) Hard disk drive
JP3939987B2 (ja) スピンドルモータ
JP2006300245A (ja) 動圧流体軸受装置
JP2000291648A (ja) 動圧型軸受ユニット
JPH11313461A (ja) 動圧流体軸受を備えたモータ及びモータを搭載した装置
JP2000197309A (ja) 流体動圧軸受を備えたモ―タ及びこのモ―タを備えた記録ディスク駆動装置
US20030222523A1 (en) Spindle motor stator magnet axial bias
JP3983435B2 (ja) 動圧型軸受ユニット
US6519113B1 (en) Spindle motor assembly with polymeric motor shaft and hub for rotating a data storage disk
JP2000050567A (ja) 流体軸受ブラシレスモータ
JP2006342975A (ja) 動圧型軸受装置
JP3804685B2 (ja) モータ
JP2004135467A (ja) 動圧軸受装置を備えたモータ
JP2002238228A (ja) 流体軸受装置
JPH09119428A (ja) 動圧軸受
JP3818064B2 (ja) スピンドルモータ