JPH09184514A - 動圧空気軸受及びこれを用いたポリゴンスキャナ - Google Patents
動圧空気軸受及びこれを用いたポリゴンスキャナInfo
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- JPH09184514A JPH09184514A JP35407395A JP35407395A JPH09184514A JP H09184514 A JPH09184514 A JP H09184514A JP 35407395 A JP35407395 A JP 35407395A JP 35407395 A JP35407395 A JP 35407395A JP H09184514 A JPH09184514 A JP H09184514A
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Abstract
よって軸受面が接触しても、焼き付き、かじりなどの故
障が起こらない動圧空気軸受を提供する。 【解決手段】 中空の回転軸と、この回転軸の内周面に
微小隙間で嵌合される固定軸とを備えて構成され、固定
軸の周面に動圧発生用の溝が形成された、ポリゴンスキ
ャナ用の動圧空気軸受において、回転軸20と固定軸9
とを略同一の線膨張係数の材料で形成するとともに、回
転軸20の軸受面の両端付近に、潤滑性を有する樹脂製
の弾性部材23をリング状に固着する。弾性部材23の
縦弾性係数は、固定軸9のそれの1/5以下、好ましく
は1/10以下とする。弾性部材23を固着するには、
回転軸20の内周面に樹脂を塗布し、型用の軸を回転軸
20の内周面に嵌合し、この状態で前記樹脂を硬化させ
る。
Description
する小型モータに用いられる動圧空気軸受に関し、特
に、レーザープリンター、デジタル複写機、レーザーフ
ァクシミリ等に用いられる高速回転型ポリゴンスキャナ
の動圧空気軸受に関する。また本発明は、このような動
圧空気軸受を製造する方法、およびこの動圧空気軸受を
備えた動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに関するもので
ある。
リ、レーザープリンター等のレーザー書き込み系を用い
た電子写真方式の記録装置は、印字品質の高さ、高速プ
リント、低騒音などの優れた特長と低価格化により、急
速に普及してきている。これらの記録装置のレーザー書
き込み系の構成部品であるポリゴンスキャナには記録装
置のプリント速度、画素密度に応じた回転速度が要求さ
れる。
高密度化に伴い、ポリゴンスキャナには15000〜2
0000回転/分以上の高速回転が要求され、従来の玉
軸受タイプでは、軸受寿命、軸受騒音等の面から要求品
質を満足することができな領域に達している。このた
め、高速回転用のポリゴンスキャナとしては、従来の玉
軸受に代わって、溝付きの動圧空気軸受を用いたものが
実用化されている。
いたポリゴンスキャナの従来例について、図9の縦断面
図を参照して説明する。ハウジング1には、図示しない
光学ハウジングへの取付け基準面1aが、鍔状に形成さ
れている。ハウジング1の内部には、モータ部を構成す
るプリント基板3が配置され、ネジまたは接着剤によっ
てハウジング1に固定されている。
4、ホール素子5が取り付けられ、コネクタ6とパター
ン配線されている。モータ方式は、回転体7に取り付け
られた偏平なロータマグネット8と巻線コイル4が軸方
向に対向したコアレスのブラシレスモータである。ハウ
ジング1の下方には、駆動回路17が一体的に設けられ
て、ハーネス18でモータのプリント基板3と接続さ
れ、ホール素子5の位置検出信号に従って、順次巻線コ
イル4への通電を切り替えて回転体7を回転させて定速
制御するようになっている。
構成する固定軸9が圧入固着あるいは焼きばめによって
堅固に固定されている。固定軸9の外周面には、動圧空
気軸受を構成するためのヘリングボーン溝9aが上下2
対形成されている。回転体7が回転を開始すると、中空
回転軸10と固定軸9の隙間の圧力が高まり、動圧軸受
を形成し、非接触でラジアル方向に回転体7を支持す
る。また、上端には磁石11aが固定され、回転体7お
よびカバー12に取り付けられた磁石11b,11cお
よび振動減衰用の微細穴13とともに回転体7を軸方向
に支持する上下反発型の磁気軸受を構成している。
成したフランジ部10aの上面にポリゴンミラー14を
載置し、ミラー押え15を挟んでネジを回転軸10に螺
合することにより、ポリゴンミラー14を係止固定して
いる。回転体7の下側には、ロータヨーク16が接着固
定され、さらにモータ用のロータマグネット8が接着固
定されている。ロータマグネット8はプラスチックでで
きているため、金属に比べると線膨張係数が大きく、機
械的強度が小さい。そのため、ロータヨーク16をカッ
プ状に形成し、ロータマグネット8の外径部を保持する
ことで、高速回転による遠心力や発熱による熱膨張で半
径方向にロータマグネット8が膨張するのを抑え、回転
体7のバランスが崩れたり、ロータマグネット8が破壊
したりしないようにしている。また 、ロータヨーク1
6を強磁性体とすることで、磁路を閉じて磁束漏洩を防
止してモータ効率を上げている。ロータヨーク16の材
料としては、例えば鉄鋼やステンレス鋼の板材が用いら
れている。
嵌合された回転体7を囲むように内部がくり抜かれたカ
バー12が、ハウジング1にネジで固定される。カバー
12には、図示しない半導体レーザからのレーザ光の入
出射用の開口部にガラス窓が両面テープ、または接着剤
で固定されて密閉されている。
量化と高速回転のために比重の小さいアルミニウム合金
を使用し、起動停止時の磨耗を防止するため、軸受表面
には無電解複合ニッケルめっきの表面処理が施されてい
る。
ス)振動が非常に小さいレベルになるように、回転体上
下2カ所の修正面19a,19bでバランス修正が行わ
れている。バランス修正作業を容易に、且つ、効率的に
行うには、初期的な不釣合いは小さい方がよいので、回
転体7の各構成部品(8,10,14,15,16,1
1b)は経済性を考慮した加工精度範囲で回転軸心に対
する偏心量ができるだけ小さくなるように製作されてい
る。回転体の構成部品の1つであるロータヨーク16
も、比較的小さな嵌合隙間で回転軸嵌合円筒部に位置決
めされ、接着固定されている。
ルミニウム合金を母材として使用している。そして、起
動停止時の摩耗、焼き付き、かじりなどを防止するた
め、母材との密着性が高く、均一な膜厚さが得られる潤
滑性被膜や耐摩耗性被膜などの表面改質膜が形成されて
いる。その具体例として、以下のような従来技術が知ら
れている。
参照) この公報には、高速回転型のポリゴンスキャナに用いた
溝付き動圧空気軸受が開示されている。この動圧空気軸
受は、アルミニウム合金を母材として使用している。そ
して、起動停止時の磨耗、焼き付き、かじりを防止する
ため、母材との密着性が高く、均一な膜厚が得られる潤
滑性被膜や耐摩耗性被膜などの表面改質膜が、母材表面
に形成されている。
参照) この公報には、金属製の外筒体の内周面に樹脂の成形加
工によって軸受面を形成した動圧形すべり軸受の例が開
示されている。周知のように、樹脂と金属の組合せは摺
動性に優れているため、一般のすべり軸受に数多く応用
されている。従って、この動圧形すべり軸受では、軸受
回転中に接触が生じても焼き付、かじりなどの故障が起
こりにくい利点がある。
参照) この公報には、塗布によって比較的薄く均一な樹脂被膜
を軸受面に形成した動圧空気軸受が開示されている。
には回転軸心を一定に保つ性質があり、これは一般的に
ジャイロ効果と呼ばれているが、この性質のために回転
中に急激な姿勢変化が行われると、軸受面の両端付近が
接触してしまう。
は、比較的硬質の表面改質膜が形成されているため、接
触部での弾性変形が起こらず、接触部が1点に集中する
ため発熱し、焼き付き、かじりなどの故障が起こるとい
う問題があった。
性が比較的高いため、成形時の流動性を考慮すると、あ
る程度、樹脂の層を厚くしなければならないので、軸受
の使用温度が高くなって樹脂が熱膨張すると形状が変化
し、所望の真円度や円筒度が維持できず、その結果、軸
受特性が劣化していまい、信頼性が低くなるという問題
点があった。
あった。上記樹脂被膜形成用の樹脂の粘性は、実際には
比較的高いため、所望の樹脂薄膜を均一に塗布すること
が難しい。そうかといって、粘性を小さくするために樹
脂を溶剤に溶かして流動性を高めると、液だれなどを起
こしてしまう。特に、円筒面のような曲面に薄く均一な
樹脂膜を、塗布のみによって得ることは、円筒面の径が
小さくなるほど困難である。いずれにしても、高精度を
要求される動圧空気軸受において所望の軸受形状を得る
ためには、塗布後の切削加工などが必要であり、母材の
内筒に対して加工軸のずれがない高精度な加工が要求さ
れるので、コストが高くなる。また、薄く均一な樹脂膜
を形成することは、母材の内筒を転写することに等しい
から、あらかじめ母材の内筒を高精度に仕上げておかな
ければならず、コストが高くなる。
で、その目的は、回転中の急激な姿勢変化によって軸受
面が接触しても、焼き付き、かじりなどの故障が起こら
ず、且つ、高速回転や周囲環境によって軸受の温度が変
わっても軸受隙間の変化を抑えることで、軸受性能を一
定に保ことができ、さらに、製造の容易な動圧空気軸受
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上
記動圧空気軸受を用いることで、信頼性が高く、低コス
トな高速回転型のポリゴンスキャナを提供することにあ
る。
付近に設けることで、回転中の姿勢変化によって軸受面
が接触しても、焼き付き、かじりなどの故障が起こら
ず、弾性部材がわずかに摩耗するだけですみ、従って、
回転中に姿勢変化が行われるような回転機器に広く適用
することができる動圧空気軸受を提供することにある。
半径方向の厚さを設定することで、使用温度が変わって
も特性を維持することができる動圧空気軸受を提供する
ことにある。
を容易にすることにより、請求項1〜4の効果を持つ動
圧空気軸受を低コストで提供することにある。
うな取扱いをされて、固定軸と回転軸が接触しても、焼
き付き、かじりなどの故障が起こらず、且つ、高速回転
や周囲環境によって軸受の温度が変わっても軸受性能を
一定に保つことができ、しかも製造が容易な動圧空気軸
受を用いることで、信頼性が高く、低コストな高速回転
型のポリゴンスキャナを提供することにある。
気軸受は外筒部材と、この外筒部材の内周面に微小隙間
で嵌合される内筒部材とを備えて構成され、前記外筒部
材、内筒部材のいずれか一方が回転軸、他方が固定軸で
あり、前記回転軸の周面または固定軸の周面に動圧発生
用の溝が形成された動圧空気軸受において、前記外筒部
材と内筒部材とを略同一の線膨張係数の材料で形成し、
前記外筒部材、内筒部材のいずれか少なくとも一方の部
材の軸受面の両端付近に潤滑性を有する弾性部材を固着
したことを特徴とする。
実施の形態が可能である。すなわち外筒部材、内筒部材
のいずれを回転軸とし、いずれを固定軸とするか(2通
り)、動圧発生用の溝を回転軸の周面、固定軸の周面の
いずれに形成するか(2通り)、上記弾性部材を外筒部
材、内筒部材のいずれの軸受面の両端付近に設けるか
(3通り)が可能である。具体例としては、(1)外筒
部材を回転軸、内筒部材を固定軸とし、固定軸の外周面
に動圧発生用の溝を形成し、回転軸の軸受面(回転軸の
内周面)の両端付近に潤滑性を有する弾性部材を固着し
たもの、(2)外筒部材を固定軸、内筒部材を回転軸と
し、固定軸の内周面に動圧発生用の溝を形成し、回転軸
の軸受面(回転軸の外周面)の両端付近に潤滑性を有す
る弾性部材を固着したもの、などが挙げられる。
1において前記外筒部材が、軸受面となる内周面が形成
された中空の回転軸であり、前記内筒部材が、外周面に
前記動圧発生用の溝が形成され、且つ、前記回転軸の内
周面に微小隙間で嵌合される固定軸であることを特徴と
する。この動圧空気軸受は、請求項1において上記
(1)に該当するものである。
1または2において、前記潤滑性を有する弾性部材の縦
弾性係数が、接触する相手部材の1/5以下、好ましく
は1/10以下であることを特徴とする。
1,2または3において、使用最低温度での軸受隙間を
C0 、前記弾性部材の線膨張係数をα、使用温度差をΔ
tとするとき、前記弾性部材の半径方向厚さhは、下記
[数5]を満足することを特徴とする。
2,3または4において、前記回転軸の小径内周面およ
び、この小径内周面の両端付近の大径内周面にコーティ
ングされた樹脂によって前記回転軸の軸受面が形成さ
れ、前記弾性部材が、前記大径内周面にコーティングさ
れた樹脂であることを特徴とする。
5において、前記回転軸の内周面の一端に、前記小径内
周面と同軸で略同径の、固定軸案内用の軸案内部を設け
たことを特徴とする。
5または6において、前記回転軸の内周面の一端に、樹
脂だまり部を設けたことを特徴とする。
5または6において、前記回転軸の内周面の一端に、樹
脂切り部を設けたことを特徴とする。
は、請求項5〜8のいずれか一つの項に記載の動圧空気
軸受を製造する方法であって、前記回転軸の内周面に樹
脂を塗布し、前記小径内周面とわずかな隙間を保持しう
る型用の軸を前記回転軸の内周面に嵌合し、この状態で
前記樹脂を硬化させて軸受面を形成することを特徴とす
る。
ンスキャナは、固定軸と中空の回転軸とで構成されるラ
ジアル動圧空気軸受と、前記回転軸に固定されるポリゴ
ンミラーと、ロータマグネットと、前記回転軸,ポリゴ
ンミラーおよびモータの回転部が一体となって構成され
る回転体と、この回転体を軸方向に支持するアキシャル
軸受と、前記固定軸およびモータの非回転部が固定され
るハウジングと、前記回転体を囲むカバーとを備えた動
圧空気軸受型ポリゴンスキャナにおいて、前記ラジアル
動圧空気軸受は、請求項2〜8のいずれか一つの項に記
載の動圧空気軸受であることを特徴とする。
て、図面を基に詳細に説明する。 実施例1(請求項1〜4に係るもの) 図1は、ポリゴンスキャナを構成する動圧空気軸受の要
部(回転体7)の構造を示すとともに、ジャイロ効果に
より軸受面が接触する状態を説明する縦断面図である。
図1では説明の便宜上、軸受隙間や弾性部材23を誇張
して描いてある。図2は、動圧空気軸受における回転軸
20の縦断面図である。この実施例では、外筒部材が中
空の回転軸20、内筒部材が固定軸9となっていて、こ
の固定軸9の外周面に動圧発生用の溝9aが形成され、
回転軸20の内周面(軸受面)の両端付近に弾性部材2
3が固着されている。8はロータマグネット、14はポ
リゴンミラーであり、図示されていないが回転体7の周
囲に設けた各種構成部材および、その配置の態様は図9
と同様である。
る外筒部材、すなわち回転軸20の内周面の上下2カ所
に、潤滑性を持った弾性部材23が固着されている。一
方、内筒部材すなわち固定軸9では、アルミニウム合金
からなる部材の外周面に動圧発生用の溝9aが転造加工
によって形成され、溝9aには、図示しないが防錆を兼
ねて無電解ニッケルめっきや、アルマイトなどの表面処
理が施されている。
速回転中にポリゴンスキャナの回転姿勢が急激に変えら
れると固定軸9はそのまま傾くが、回転体7には回転軸
心を一定に保とうとする性質(ジャイロ効果)があるた
め、軸受面の接触が上下2カ所に生じる。しかし、潤滑
性を持った弾性部材23の弾性変形により、上記接触に
よる衝撃が吸収され、またこの弾性変形により、接触部
が1点に集中することもなくなるので発熱も少なく、焼
き付き、かじりなどの故障が起こらず、弾性部材23が
わずかに摩耗するだけですむ。
弾性材として作用するように、縦弾性係数が、接触する
相手部材の縦弾性係数の1/5以下、より好ましくは1
/10以下の材質を選定する。例えば、固定軸9の材料
としてアルミニウム合金を用い、無電解ニッケルめっき
や、アルマイトなどの表面処理を施してある場合には、
縦弾性係数がその表面処理膜の1/5以下、より好まし
くは1/10以下の材質を選定する。
法を説明する。軸受を構成する回転軸および固定軸は、
略同一の線膨張係数の材質で形成されるが、弾性部材2
3の材質としては通常、線膨張係数αが回転軸または固
定軸の材料の2〜10倍程度であるものが選定されるた
め、使用温度が変わると弾性部材23の熱膨張によって
軸受隙間が変動し、温度が上昇した場合には、軸受隙間
が小さくなってしまう。使用温度が変わっても動圧空気
軸受の特性を維持するためには、軸受隙間を一定に保つ
工夫が必要である。
を一定に保つために、例えば、軸受隙間の変動率を10
%以下に抑える場合について考える。使用最低温度での
軸受隙間をC0 、温度変化によるその変動分をΔCとす
ると、下記[数1]を満足しなければならない。
h、線膨張係数をαとし、使用温度差をΔtとするとΔ
Cは、おおよそ下記[数2]で表される。
整理すれば、下記[数3]が得られる。
金、弾性部材23の線膨張係数αが固定軸9の10倍、
すなわちα=24×10-5であり、使用温度差Δtが1
00℃である場合には、hを[数3]から下記[数4]
のとおりに求めることができる。
厚さhを、使用最低温度での軸受隙間をC0 の4倍程度
にしておけば、軸受隙間の変動率を10%以下に抑える
ことができる。
と、[数3]は下記[数5]で表されるが、軸受隙間の
変動率が100%ということは、軸受隙間が無くなって
しまい最悪の状態になることを意味するから、最低限
[数5]を満足するように弾性部材23の半径方向厚さ
hを設定する必要がある。実際には、軸受特性を維持す
るために、[数5]で求められるhよりも小さな値に設
定する。
ること、すなわち弾性部材23の幅W(回転軸20の長
手方向の寸法、図2を参照)を軸受面全体の長さと等し
くすることは特には必要でなく、少なくとも、固定軸9
が傾いたときに接触する部分、すなわち回転軸20の両
端付近の2カ所にリング状に形成すればよい。弾性部材
23を、防錆を兼ねて軸受面全体に形成することもでき
る。弾性部材23の材質としては、接触時の摩耗を抑え
ることができる点で、自己潤滑性により摩擦係数が小さ
くなっているものが好ましい。
ある。この回転軸25の内周面の中央付近に小径部27
(樹脂29をコーティングする前の状態、以下同じ)が
形成され、内周面の両端付近に、固定軸9が傾いたとき
に接触する大径部28(樹脂29をコーティングする前
の状態、以下同じ)が形成されている。小径部27およ
び大径部28には、それぞれ異なる膜厚で樹脂29がコ
ーティングされ、最終的に1つの円筒面(内周面)によ
り軸受面が形成されている。
ある。この回転軸26の内周面の中央付近に小径部27
が形成され、この小径部27は回転軸26の両端に向か
ってわずかな傾斜でテーパー状に広がっている。回転軸
26の内周面の両端付近には、固定軸9が傾いたときに
接触する大径部28が形成されている。小径部27およ
び大径部28には、それぞれ異なる膜厚で樹脂29がコ
ーティングされ、最終的に1つの円筒面により軸受面が
形成されている。
ある。この回転軸30の内周面の中央付近に小径部27
が形成され、前記内周面の両端付近には、固定軸9が傾
いたときに接触する大径部28が形成されている。さら
に、前記内周面の一端には、小径部27とで大径部28
を挟むように、小径部27と略同径の軸案内部31が設
けられ、各部にはそれぞれ異なる膜厚で樹脂29がコー
ティングされ、最終的に1つの円筒面により軸受面が形
成されている。
ある。この回転軸32の内周面の中央付近に小径部27
が形成され、両端付近には、固定軸9が傾いたときに接
触する大径部28が形成されている。さらに、前記内周
面の一端には、大径の樹脂だまり部33が形成されてい
る。
ある。この回転軸34の内周面の中央付近に小径部27
が形成され、両端付近には、固定軸9が傾いたときに接
触する大径部28が形成されている。さらに、前記内周
面の一端には、小径部27と略同径の樹脂切り部35が
形成されている。
法の実施例について説明する。図8は、上記各実施例の
回転軸25,26,30,32,34の製造工程を順に
示す縦断面図であり、(a)は樹脂塗布工程、(b)は
型用軸挿入工程、(c)は樹脂硬化工程、(d)は型用
軸離脱工程をそれぞれ示している。 第1工程〔図8(a)〕:回転軸の内周面に樹脂29を
塗布する 。 第2工程〔図8(b)〕:型用の軸36を回転軸に挿入
し内周面に嵌合する。 第3工程〔図8(c)〕:樹脂29を硬化させる。 第4工程〔図8(d)〕:型用の軸36を離脱させる。
パー状に形成され、回転軸の小径部27とわずかな隙間
で嵌合される。また、型用の軸36は、樹脂が固着しな
い材質で形成されるか、または表面に、樹脂からの離型
性を高めるためのコーティングが施されている。
る場合、それぞれ以下の利点がある。図5の回転軸30
においては、その内周面中央付近の小径部27と略同径
の、型用の軸36を案内するための軸案内部31を形成
し、型用の軸36を挿入するときの回転軸30に対する
傾きを小さく抑えるようにしてある。このため、大径部
28の樹脂29をえぐることがなく、樹脂コーティング
を確実に行うことができる。
樹脂が、樹脂だまり部33に集められて硬化するので、
樹脂コーティングを正確に行うことができる。
樹脂が、樹脂切り部35の外側に集められるので、樹脂
硬化後に余分な樹脂を樹脂切り部35から容易に切り離
すことができる。
軸受型ポリゴンスキャナの実施例について説明する。こ
のポリゴンスキャナの全体構成は、図9の従来例と同様
であるが、ラジアル動圧空気軸受として、実施例1〜6
の軸受を設けた点に特徴がある。従って、ポリゴンスキ
ャナの全体構成を示す図面および、軸受などの構成部材
についての説明は省略する。
回転姿勢が変わるような取扱いがなされて、固定軸9と
回転軸(25,30など)が接触しても、焼き付き、か
じりなどの故障が起こらず、且つ、高速回転や周囲環境
によって軸受温度が変わっても、軸受隙間の変化を最小
に抑えることで、軸受性能を一定に保つことができ、さ
らに、製造が容易な動圧空気軸受を用いているので、信
頼性が高く、低コストの高速回転型のポリゴンスキャナ
を提供することができる。
よれば以下の効果が得られる。 (1)請求項1,2の動圧空気軸受による効果:潤滑性
を持った弾性部材を軸受面の両端付近に設けたため、回
転機器において、その回転中に回転姿勢が変わるような
取扱いがなされて、固定軸と回転軸が接触しても接触に
よる衝撃を、この弾性部材が変形して吸収する。このた
め、接触部が1点に集中することがないので、発熱も小
さく、焼き付き、かじりなどの故障には至らず、弾性部
材がわずかに摩耗するだけですむ。従って請求項1,2
の動圧空気軸受は、ポリゴンスキャナなど回転中に姿勢
変化が行われるような高速回転機器に広く、且つ、有効
に使用することができる。
果:弾性部材の半径方向の厚さを、使用温度に合わせて
設定することができるので、使用温度が変わっても、当
該動圧空気軸受の特性を維持することができる。
効果:弾性部材を樹脂により容易に製造することができ
るので、請求項1〜3の記載の特性を持つ動圧空気軸受
を低コストで提供することができる。
求項4〜8の動圧空気軸受を簡便な工程により、的確に
製造することができる。
る効果:回転中に回転姿勢が変わるような取扱いがなさ
れて、固定軸と回転軸が接触しても、焼き付き、かじり
などの故障が起こらず、且つ、高速回転や周囲環境によ
って軸受の温度が変わっても、軸受性能を一定に保つこ
とができ、さらに、製造容易な動圧空気軸受を用いてい
るので、信頼性が高く、低コストの高速回転型ポリゴン
スキャナを提供することができる。
の軸受においてジャイロ効果により軸受面が接触する状
態を説明する縦断面図である。
面図である。
面図である。
面図である。
面図である。
面図である。
面図である。
断面図である。
ポリゴンスキャナを示す縦断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 外筒部材と、この外筒部材の内周面に微
小隙間で嵌合される内筒部材とを備えて構成され、前記
外筒部材、内筒部材のいずれか一方が回転軸、他方が固
定軸であり、前記回転軸の周面または固定軸の周面に動
圧発生用の溝が形成された動圧空気軸受において、前記
外筒部材と内筒部材とを略同一の線膨張係数の材料で形
成し、前記外筒部材、内筒部材のいずれか少なくとも一
方の部材の軸受面の両端付近に潤滑性を有する弾性部材
を固着したことを特徴とする動圧空気軸受。 - 【請求項2】 前記外筒部材は、軸受面となる内周面が
形成された中空の回転軸であり、前記内筒部材は、外周
面に前記動圧発生用の溝が形成され、且つ、前記回転軸
の内周面に微小隙間で嵌合される固定軸であることを特
徴とする請求項1に記載の動圧空気軸受。 - 【請求項3】 前記潤滑性を有する弾性部材は、縦弾性
係数が接触する相手部材の1/5以下、好ましくは1/
10以下であることを特徴とする請求項1または2に記
載の動圧空気軸受。 - 【請求項4】 使用最低温度での軸受隙間をC0 、前記
弾性部材の線膨張係数をα、使用温度差をΔtとすると
き、前記弾性部材の半径方向厚さhは、下記[数5]を
満足することを特徴とする請求項1,2または3に記載
の動圧空気軸受。 【数5】h≦C0 /(α×Δt) - 【請求項5】 前記回転軸は小径内周面および、この小
径内周面の両端付近の大径内周面にコーティングされた
樹脂によって軸受面が形成され、前記弾性部材は、前記
大径内周面にコーティングされた樹脂であることを特徴
とする請求項2,3また4に記載の動圧空気軸受。 - 【請求項6】 前記回転軸の内周面の一端に、前記小径
内周面と同軸で略同径の、固定軸案内用の軸案内部を設
けたことを特徴とする請求項5に記載の動圧空気軸受。 - 【請求項7】 前記回転軸の内周面の一端に、樹脂だま
り部を設けたことを特徴とする請求項5または6に記載
の動圧空気軸受。 - 【請求項8】 前記回転軸の内周面の一端に、樹脂切り
部を設けたことを特徴とする請求項5または6に記載の
動圧空気軸受。 - 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか一つの項に記載
の動圧空気軸受を製造する方法であって、前記回転軸の
内周面に樹脂を塗布し、前記小径内周面とわずかな隙間
を保持しうる型用の軸を前記回転軸の内周面に嵌合し、
この状態で前記樹脂を硬化させて軸受面を形成すること
を特徴とする動圧空気軸受の製造方法。 - 【請求項10】 固定軸と中空の回転軸とで構成される
ラジアル動圧空気軸受と、前記回転軸に固定されるポリ
ゴンミラーと、ロータマグネットと、前記回転軸,ポリ
ゴンミラーおよびモータの回転部が一体となって構成さ
れる回転体と、この回転体を軸方向に支持するアキシャ
ル軸受と、前記固定軸およびモータの非回転部が固定さ
れるハウジングと、前記回転体を囲むカバーとを備えた
動圧空気軸受型ポリゴンスキャナにおいて、前記ラジア
ル動圧空気軸受は、請求項2〜8のいずれか一つの項に
記載の動圧空気軸受であることを特徴とする動圧空気軸
受型ポリゴンスキャナ。
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---|---|---|---|
JP35407395A JP3630810B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 動圧空気軸受及びこれを用いたポリゴンスキャナ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010218628A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Alphana Technology Co Ltd | ディスク駆動装置 |
JP2010216639A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-09-30 | Daido Metal Co Ltd | 冷凍機用圧縮機の軸受装置 |
JP2011017962A (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-27 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 光偏向装置 |
JP2013164624A (ja) * | 2013-05-15 | 2013-08-22 | Konica Minolta Inc | 光偏向装置 |
WO2015025416A1 (ja) * | 2013-08-23 | 2015-02-26 | 株式会社日立製作所 | 回転機械及び冷凍サイクル機器 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP35407395A patent/JP3630810B2/ja not_active Expired - Fee Related
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