JPH11223213A - 気体軸受装置およびその加工方法 - Google Patents

気体軸受装置およびその加工方法

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JPH11223213A
JPH11223213A JP2573198A JP2573198A JPH11223213A JP H11223213 A JPH11223213 A JP H11223213A JP 2573198 A JP2573198 A JP 2573198A JP 2573198 A JP2573198 A JP 2573198A JP H11223213 A JPH11223213 A JP H11223213A
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JP
Japan
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sleeve
shaft
electroless plating
phosphor
phosphorus
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Pending
Application number
JP2573198A
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English (en)
Inventor
Hideaki Ono
英明 大野
Takafumi Asada
隆文 浅田
Keigo Kusaka
圭吾 日下
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉のスリーブの精度と表面硬度を高め、軸
との間の摺動を良くしてコスレや焼け付きの無い気体軸
受を得る。 【解決手段】 スリーブ13に燐を1〜5%有するニッ
ケル燐系の無電解メッキを施し、軸12に弗素樹脂の粉
3〜20%と、燐7〜15%を有する無電解メッキを施
し、軸12にスリーブ13を回転自在に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】近年、レーザープリンター等
の民生機器に組み込まれる軸受装置は、高速化、高精度
化しており、ころがり軸受に代わって動圧型の気体軸受
装置が使われている。本発明は、これら気体軸受装置お
よびその加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、図9〜図10を参照しながら、従
来の気体軸受装置およびその加工方法について説明す
る。図9は従来の軸受装置の断面図である。1はフレー
ムで軸2が固定されている。軸2には動圧溝2Bがエッ
チング等により加工され、その後表面に硬質皮膜2Aが
形成されている。3はスリーブであり、中央に軸受穴3
Aを有し、スリーブ3の表面には硬質皮膜3Bが施され
ている。この硬質皮膜2Aと、3Bは共にニッケルと燐
を主成分とする無電解メッキで形成されており、一般的
に燐の重量含有比率は7〜15%であり、メッキ後に2
80〜400℃で約1時間加熱する事でメッキ皮膜自体
の硬度を高くしたものである。4は、スラスト板で、圧
力を調整するための小径の穴4Aを有している。5はロ
ータカバー、6はロータ磁石、7はモータステータであ
る。
【0003】以上のように構成された気体軸受装置につ
いて、以下その動作について説明する。まず、図9にお
いて、モータステータ7に図示しない回路から電流が供
給されると、回転磁界が発生し、ロータ磁石6は、ロー
タカバー5、スリーブ3,スラスト板4と共に回転を始
める。スリーブ3と、軸2の材料は、例えば両方がアル
ミニウム等の軽量材料であり、かつ軸2とスリーブ3の
線膨張係数はほぼ同じである材料が選択され、軸2とス
リーブ3の表面にはいずれも硬質皮膜2A,3Bが形成
され、焼け付きが生じ難くなっている。また、軸2とス
リーブ3の間の空隙にある空気等の気体は、スリーブ3
が回転する事により動圧溝2Bにより圧力が高められ、
スリーブ3は非接触で回転する。次に、この従来の気体
軸受装置の加工方法について図10に従い説明する。ま
ずスリーブ3を図示しない旋盤等で切削加工し軸受穴3
Aを加工する。次にスリーブ3に燐を7〜15重量%含
むニッケル燐系の無電解メッキを施し、一方、軸2を研
削加工し、次に軸2の外周面に動圧発生溝を加工し、次
に軸2に燐を7〜15重量%含むニッケル燐系の無電解
メッキを施す。尚この時メッキ層の充分な硬度を出すた
めにメッキとともに約280〜400℃で1時間〜数時
間の加熱硬化処理を施す。そして、次に軸2とスリーブ
3を填め合わせて完了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、次の様な問題点がある。まず、スリーブ
3が薄肉形状である時、280〜400℃の加熱硬化処
理による熱歪みにより、軸受穴3Aの真円度が数ミクロ
ンメータ狂いを生じ、軸2とコスレる事があった。ま
た、軸2の外周面とスリーブ3の軸受穴3A内周面がニ
ッケル燐系の同材質のメッキであるために、同じ金属同
士は、凝着し易い性質を有するために、軸受の回転中に
焼け付きを生じるという欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の気体軸受装置は、スリーブの軸受穴内周面
に燐を1〜5重量%有するニッケル燐系無電解メッキを
施し、軸の外周面にフッ素樹脂の粉を3〜20重量%
と、燐を7〜15重量%含む無電解メッキを施し、前記
軸の外周または、前記スリーブの軸受穴内周面に動圧溝
を有し、前記軸に前記スリーブを回転自在に構成し、前
記スリーブの端面に前記軸の端面が当接するようにスラ
スト板を設けたものである。
【0006】また、本発明の気体軸受装置の加工方法
は、スリーブの軸受穴内周面に動圧溝を加工し、ニッケ
ル燐系の無電解メッキを施し、メッキ後の前記軸受穴内
周面に、ローラバニッシュまたは、ボールバニッシュ加
工を施すものである。
【0007】本発明は、上記した構成と加工方法によっ
て、スリーブの硬度が充分得られ、部品の精度に狂いを
生じる心配が無く、回転時にコスレや焼け付きを生じる
事が無い良好な気体軸受が構成できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施形態の気体軸
受装置およびその加工方法について、図1〜図7を参照
しながら説明する。図1は本発明の一実施形態における
気体軸受装置の断面図である。図1において11はフレ
ームで、軸12が固定されている。軸12の表面には潤
滑皮膜12Aが施され、軸受穴13Aを有し、硬質皮膜
13Bを施したスリーブ13が軸12填め合わされてい
る。14はスラスト板であり、圧力を調整するための小
径の調整穴14Aを有している。15はロータカバー、
16はロータ磁石、17はモータステータである。
【0009】以上のように構成された気体軸受装置につ
いて、図1を用いてその動作を説明する。図1におい
て、モータステータ17に図示しない電気回路により回
転磁界が与えられ、この磁界により、ロータ磁石16
は、ロータカバー15,スリーブ13,スラスト板14
と共に回転する。この回転により、動圧溝13Cは軸1
2との間で気体を圧縮し、スリーブ13は非接触回転を
行う。また、動圧溝13Cは軸12とスラスト板14の
間の気体の圧力も高め、スラスト板14を浮上させ、高
められた圧力の気体は調整穴14Aから適宜漏れを生じ
て、一定の圧力を維持する。
【0010】次に、本発明の一実施形態における気体軸
受装置の加工方法を説明する。図2および図3は、加工
工程図である。図2においてまず、スリーブ13を切削
加工し、次にスリーブ13の内周面に動圧溝13Cを加
工し、次にスリーブ13に燐を1〜5%含むニッケル燐
系の無電解メッキを施し、必要に応じ軸受穴13Aにボ
ールバニッシュ加工またはローラバニッシュ加工、また
は、バフ加工を施す。一方軸12の外周面を、研削加工
機または旋盤等で切削または研削加工し、軸12にPT
FE(テフロン、即ち四弗化エチレン)等の弗素樹脂の
粉を3〜20%と、燐を7〜15%含むニッケル燐系無
電解メッキを施し、軸12にスリーブ13をはめ込んで
完成する。図3においては、スリーブ13の軸受穴13
Aには動圧溝13Cは加工せず、特公平4−13045
号公報に記載されている様に、軸12の外周面に対し、
第4図に示す鋼球31A,31Bを用いて転造加工する
か、または、図示しない先細バイトによる切削加工、等
により、動圧溝を形成させ、PTFEの粉を3〜20%
と、燐を7〜15%含むニッケル燐系無電解メッキを施
す。
【0011】次に、加工方法の詳細について図5〜図8
を用いて説明する。図5においてスリーブ13は予め図
示しない旋盤等で軸受穴13Aが加工されており、次に
図示しない旋盤等のチャック18に固定され、図中θの
正方向に回転させられながら、軸受穴13Aに対し、硬
質ボール19Aを有する溝加工ツール19が図中Y方向
に挿入され、次にθとは逆方向に回転しながら引き戻さ
れることにより、動圧溝13Cは加工される。スリーブ
13はその後ニッケル燐系の無電解メッキが施される
が、スリーブ13はアルムニウム等の金属であり薄肉部
分を有するため加熱すると熱歪みを生じ、スリーブ13
が軸12とコスレる事があるため、燐を1〜5%含むニ
ッケル燐系の無電解メッキを施す。図6は、燐が1〜5
%の場合と、一般の7〜15%の時のニッケル燐メッキ
における、メッキ後の加熱温度とメッキ層の表面硬度の
関係を示している。燐の含有量が1〜5%の場合はメッ
キ後の加熱硬化をしなくても必要充分な硬度が得られる
ため、加熱処理が不要か、または、180〜230℃で
充分である。図7は加熱温度とスリーブの円筒の歪み量
の関係を示している。加熱温度が230℃以下であれ
ば、歪み量は、0.5ミクロンメータ以下であり問題な
い。次にスリーブ13は、メッキ後に軸受穴13Aの内
周面の表面粗さを良くする必要がある場合は、必要に応
じて、内周面にボールバニッシュ加工、ローラバニッシ
ュ加工、ラッピング加工等を行う。図8は、これらの1
つであるボールバニッシュ加工を示している。スリーブ
13をスタンド20に固定し、ボール21を軸受穴13
Aに押しピン22により押し通す。これにより、(表
1)に示すようにバニッシュ前に表面粗さが、0.5ミ
クロンで、表面硬度がビカース硬度で600であったも
のが、表面粗さが0.2ミクロン、硬度は650に向上
する。図8のボールバニッシュ加工の代わりに図示しな
いローラバニッシュ加工を施した場合は、それ以上に向
上する。
【0012】
【表1】
【0013】なお、軸12とスリーブ13はアルミニウ
ム以外の金属でも良く、軟鉄、真鍮、マグネシウム合金
等でも良い。
【0014】なお、メッキ層の主成分は、ニッケル、
燐、PTFE(テフロン)等の弗素樹脂、等であるが、
メッキ層の被着性、非腐食性、等を良好にするため、必
要に応じ、各種金属や、添加剤が含まれてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明の気体軸受装置およ
びその加工方法によれば、薄肉のスリーブの精度と表面
硬度が充分に得られ、軸とスリーブの間で摺動が良好で
コスレや焼け付きの無い良好な気体軸受が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における気体軸受装置の断
面図
【図2】図1に示す気体軸受の第1の加工工程図
【図3】図1に示す気体軸受の第2の加工工程図
【図4】軸外周に動圧溝を形成する製造装置の断面図
【図5】スリーブの内周面に動圧溝を加工する装置の断
面図
【図6】メッキ後の加熱温度と表面硬度の関係を示す図
【図7】加熱温度と歪み量の関係を示す図
【図8】スリーブ内周面のバニッシュ加工の説明図
【図9】従来の気体軸受装置の断面図
【図10】従来の気体軸受装置の加工工程図
【符号の説明】 12 軸 13 スリーブ 13A 軸受穴 12A 潤滑被膜 13B 硬質被膜 13C 動圧溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スリーブの軸受穴内周面に燐を1〜5重
    量%有するニッケル燐系無電解メッキを施し、軸の外周
    面に弗素樹脂の粉を3〜20%重量と、燐を7〜15重
    量%含む無電解メッキを施し、前記軸の外周または、前
    記スリーブの軸受穴内周面に動圧溝を有し、前記軸に前
    記スリーブを回転自在に構成し、前記スリーブの端面に
    前記軸の端面が当接するようにスラスト板を設けた気体
    軸受装置。
  2. 【請求項2】 スリーブの軸受穴内周面に動圧溝を加工
    し、ニッケル燐系の無電解メッキを施し、メッキ後の前
    記軸受穴内周面に、ローラバニッシュまたは、ボールバ
    ニッシュ加工を施す気体軸受装置の加工方法。
JP2573198A 1998-02-06 1998-02-06 気体軸受装置およびその加工方法 Pending JPH11223213A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001200838A (ja) * 1999-11-09 2001-07-27 Seiko Instruments Inc 流体動圧軸受、流体動圧軸受装置、流体動圧軸受の製造方法、及び軸受表面加工方法
JP2008536073A (ja) * 2005-04-15 2008-09-04 ジーエスアイ グループ リミテッド ガスベアリングスピンドル
CN110360144A (zh) * 2019-08-30 2019-10-22 势加透博洁净动力如皋有限公司 一种两级气悬浮离心式空压机轴承组件

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