JP2001124061A - 動圧気体軸受装置及びその製造方法 - Google Patents
動圧気体軸受装置及びその製造方法Info
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Abstract
低コストで提供するとともに、無電解ニッケルめっき皮
膜形成後の表面仕上げ加工を不要にした動圧気体軸受装
置及びその製造方法を得ることを目的とする。 【解決手段】 動圧気体軸受装置において、軸及びスリ
ーブがAl−Mg系のアルミニウム合金により構成さ
れ、軸の外周面又はスリーブの内周面のうち何れか一方
には動圧発生溝が形成され、軸の外周面及びスリーブの
内周面のそれぞれには無電解ニッケルめっき皮膜が形成
され、そして軸の外周面又はスリーブの内周面のうち少
なくとも一方の無電解ニッケルめっき皮膜内には潤滑性
材料が分散されている。
Description
複写機やレーザープリンタに適するポリゴンミラー回転
駆動装置や回転磁気ヘッド装置等に使用可能な動圧気体
軸受装置及びその製造方法に関する。
タにおいては、データ転送の高速化及び画像の高品質化
が要求されている。その要求に答えて、デジタル複写機
やレーザープリンタに設けられているポリゴンミラー回
転駆動装置においては、高速回転と高精度が求められて
いる。このような求めに応じて、ポリゴンミラー回転駆
動装置には、非接触型の軸受として動圧気体軸受装置が
多用され始めている。
は、回転起動時や停止時に軸の外周面とスリーブの内周
面との接触によって、軸受の摺動面に引っかき傷が生じ
るかじりを起こしたり、焼き付いたりして、回転不能に
なりやすいという問題があった。このような問題を解決
するために、例えば特開昭59−89823号公報に記
載されているように、軸の外周面とスリーブの内周面に
TiC(チタンカーボン)等の超硬質複合材料をイオン
プレーティングによりコーティングし、これらの摺動面
の耐摩耗性を高める第1の処理方法があった。さらに、
軸の外周面とスリーブの内周面に高精度な被膜を形成す
る方法としては、被膜形成後の軸外周面とスリーブ内周
面の表面粗さを整えるためにホーニング加工やダイヤモ
ンドバイトによる切削加工等による表面仕上げを施す第
2の処理方法があった。
第1の処理を方法においては、軸外周面とスリーブ内周
面の両方に耐摩耗性を高めるためのコーティング処理を
施しているため、回転起動時や停止時に両者が接触する
と、互いに両者の表面を傷付けて摩耗粉が発生する。こ
の摩耗粉が摺動面に存在すると、従来の動圧気体軸受装
置においては、回転異常を起こすという問題があった。
また、上記第2の処理を施したものにあっては、高い軸
受性能を得るために高精度な軸受すきまを形成する必要
がある。しかし、このような高精度な軸受すきまを形成
しようとすると、軸外周面及びスリーブ内周面の面粗度
を精度高く仕上げるための仕上げ工程が必要となり、製
造工程数が多くなりコスト高を招くという問題があっ
た。
ためになされたものであり、軸外周面とスリーブ内周面
とのかじりや焼き付きの起こりにくい、高精度の動圧気
体軸受装置を低コストで提供すると共に、仕上げ加工を
不要にした低コストの動圧気体軸受装置の製造方法を実
現することを目的とする。
めに本発明に係る動圧気体軸受装置は、回転中心に軸受
用の孔を有し、Al−Mg系のアルミニウム合金で形成
されたスリーブ状部と、前記スリーブ状部の前記孔に所
定の隙間を有して相対的に回転可能に挿入され、Al−
Mg系のアルミニウム合金で形成された軸とを有し、前
記軸の外周面及び前記スリーブ状部の内周面のうち何れ
か一方に動圧発生溝が形成されており、前記軸の外周面
及び前記スリーブ状部の内周面のそれぞれに無電解ニッ
ケルめっき被膜が形成されており、前記軸の外周面及び
前記スリーブ状部の内周面のうち少なくとも何れか一方
の無電解ニッケルめっき被膜内に潤滑性材料が分散され
ている。このように構成された本発明の動圧気体軸受装
置は、軸の外周面とスリーブ状部の内周面とのかじりや
焼き付きの起こりにくい、高精度の動圧気体軸受装置を
低コストで提供することが可能となる。
は、Al−Mg系のアルミニウム合金製の軸及びスリー
ブ状部の素材において、軸素材の外周面及びスリーブ状
部素材の内周面のうち何れか一方に動圧発生溝を形成す
る工程、前記軸素材の外周面及びスリーブ状部素材の内
周面のそれぞれに無電解ニッケルめっき被膜を形成する
工程、前記軸素材の外周面及びスリーブ状部素材の内周
面に形成された無電解ニッケルめっき被膜の少なくとも
何れか一方に潤滑性材料を分散する工程、前記軸素材と
前記スリーブ状部素材をはめ合わせて軸受を構成する工
程、とを有する。このように構成された本発明の動圧気
体軸受装置の製造方法は、仕上げ加工を不要にした製造
コストの低い動圧気体軸受装置を製造することが可能と
なる。
装置の好ましい実施の形態について、添付の図面を用い
て説明する。
の形態1の動圧気体軸受装置を示す断面図である。図2
は実施の形態1の動圧気体軸受装置における軸(a)と
スリーブ(b)を示している。図1及び図2に示すよう
に、実施の形態1においては、軸の外周面に動圧発生溝
を施した例を示している。図3は実施の形態1の動圧気
体軸受装置を製造するための表面処理方法を示すフロー
チャートである。
タル複写機やレーザープリンタに設けられているポリゴ
ンミラー回転駆動装置に設けられている。図1におい
て、実施の形態1の動圧気体軸受装置は、軸受孔2aを
有する回転型のスリーブ2と、そのスリーブ2の軸受孔
2aを貫通するよう配置された固定型の軸1とを具備し
ている。スリーブ2にはその外周部分にフランジ状のミ
ラー取付部2bが形成されている。このミラー取付部2
bにはポリゴンミラー3が固着され、スリーブ2に連結
されたモータ(図示なし)の回転によりポリゴンミラー
3が回転するよう構成されている。軸1及びスリーブ2
はアルミニウム合金により形成されている。
1の一部を破断して示した正面図である。図2の(a)
に示すように、略円柱状の軸1の外周表面には無電解ニ
ッケルめっき被膜4が形成されている。この無電解ニッ
ケルめっき被膜4は、潤滑性材料が分散した無電解ニッ
ケルめっき液によりめっきした被膜である。実施の形態
1においては潤滑性材料としてフッ素樹脂であるポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)の粒子(テフロン粒
子)を用いている。無電解ニッケルめっき被膜4の厚み
は数μm程度であり、実施の形態1においては約3μm
であった。また、軸1の外周面1aには深さ数μm程度
の動圧発生溝5が形成されている。この動圧発生溝5
は、軸1の外周面1aにラジアルおよびスラスト方向の
負荷を受ける動圧を発生させるためのジグザグ状の溝で
ある。
リーブ2の断面図である。図2の(b)に示すように、
スリーブ2にはその中央を実質的に貫通する軸受孔2a
が形成されており、この軸受孔2aの中心軸はスリーブ
2の回転中心軸である。軸受孔2aの内周面には無電解
ニッケルめっき被膜6が形成されている。この無電解ニ
ッケルめっき被膜6には、潤滑性材料は含まれていな
い。軸受孔2aには前記軸1が所定の微小すきまを有し
て挿入される。また、スリーブ2の外周部分にはフラン
ジ状のミラー取付部2bが形成されており、ポリゴンミ
ラー3が取り付けられる。
aに潤滑性材料が分散された無電解ニッケルめっき被膜
4が形成されており、スリーブ2の内周面2cには潤滑
性材料が含まれていない無電解ニッケルめっき被膜6が
形成されている。しかし、本発明はこの構成に限定され
るものではなく、軸1の無電解ニッケルめっき被膜4及
びスリーブ2の無電解ニッケルめっき被膜6の何れか一
方に、又は両方に潤滑性材料が分散された構成であれば
よい。また、上記実施の形態1においては、スリーブ2
の中央に貫通した軸受孔2aを形成した例で示したが、
スリーブに形成される孔は貫通孔でなく有底状の穴に軸
が支持される構成でも良い。
おける軸受け動作について説明する。動圧気体軸受装置
において、軸1はスリーブ2の軸受孔2aに回転自在に
はめ合わされている。そして、スリーブ2はポリゴンミ
ラー3とともにモータ(図示なし)により回転駆動され
ている。スリーブ2の回転により、軸1の動圧発生溝5
のポンピング作用により軸1とスリーブ2との隙間空間
において、空気圧が外気圧より局部的に高くなる。この
高くなった空気圧により、スリーブ2は軸1のラジアル
方向に支持される。また、動圧発生溝5のパターンは、
そのジグザグ形状の頂点を通るラジアル方向の線に対し
て非対称に形成されている。これにより生じるポンピン
グ作用によって、スリーブ2内の隙間空間を下から上へ
流れる空気流が生じる。その結果、スリーブ2は軸1に
対してスラスト方向に浮上する。このようにして、スリ
ーブ2は軸1に非接触で支持されて回転する。
製造方法について説明する。図3は実施の形態1におけ
る動圧気体軸受装置の製造方法における素材表面処理工
程を示すフローチャートである。図3は無電解ニッケル
めっきの処理方法の一例を示すものである。無電解ニッ
ケルめっきの処理方法は、クリーニング→エッチング→
酸洗→亜鉛置換→酸洗→亜鉛置換→めっき→乾燥の各工
程により実行される。クリーニング工程(ステップ10
1)は素材表面の油を除去するための洗浄である。実施
の形態1のクリーニング工程においては、素材を45℃
のクリーニング液に5分間浸しつつ、例えば28kH
z、45kHz、100kHzの高周波を順次与えて素
材を振動させることによりクリーニングを行った。次の
エッチング工程(ステップ102)において、アルミニ
ウム合金表面の酸化被膜が除去される。エッチング工程
の次の1回目の酸洗工程(ステップ103)において、
アルミニウム合金表面の焼けが取り除かれる。
04)、2回目の酸洗工程(ステップ105)、2回目
の亜鉛置換工程(ステップ106)が順次実行される。
無電解ニッケルめっきの処理において、クリーニング工
程(ステップ101)から2回目の亜鉛置換工程(ステ
ップ106)までが前処理工程である。この前処理工程
において、1回目の亜鉛置換工程(ステップ104)か
ら2回目の亜鉛置換工程(ステップ106)までは、素
材がアルミニウム合金の場合にのみ行われる前処理工程
である。この前処理は、ニッケルめっきが直接アルミニ
ウム合金に付きにくいので、アルミニウム合金の表面に
Znを付けるための工程である。上記のように、前処理
を行った後、ニッケルめっき工程(ステップ107)を
実行する。このニッケルめっき工程において、ニッケル
めっき液中には潤滑性材料が混入され撹拌されて所定の
比率に分散されている。ニッケルめっき処理後、潤滑性
材料はニッケルめっきの被膜内に所定の比率で分散され
る。ニッケルめっきに対する潤滑性材料の好ましい含有
比率としては、40重量%以下である。この含有比率が
40重量%以上になると、潤滑性材料が摩耗し高精度な
被膜表面を構成できなくなるという問題がある。我々の
実験によれば、潤滑性材料の含有比率が35重量%にお
いて好ましい結果が得られた。最後に、乾燥工程(ステ
ップ108)が実行されて素材表面処理は終了する。
る軸1の素材としては、軽量、加工性の容易さ、及び優
れた耐食性の観点からアルミニウム合金を用いている。
例えば、図3に示した無電解ニッケルめっきの工程にお
いては、エッチング処理が素材の表面を荒らしやすい。
このため、軸1の素材としては、耐食性に優れた特性を
有して素材表面の荒れを抑えることが可能なAl−Mg
系のアルミニウム合金を用いた。また、図2の(b)に
示したスリーブ2の軸受面となる内周面2cにも、前述
の無電解ニッケルめっきの処理方法により無電解ニッケ
ルめっき被膜6が形成されている。実施の形態1のスリ
ーブ2の素材としては、軸1の場合と同様の理由によ
り、Al−Mg系のアルミニウム合金が用いられてい
る。上記のように、実施の形態1における軸1の外周表
面には動圧発生溝5が形成されて、潤滑性材料が分散さ
れた無電解ニッケルめっき被膜4が施されている。ま
た、スリーブ2の内周面2cには無電解ニッケルめっき
被膜6が形成されている。このように構成されたスリー
ブ2の軸受孔2a内に軸1が挿入され、実施の形態1の
動圧気体軸受装置が構成されている。
受装置は、軸1の外周面1a及びスリーブ2の内周面2
cに、それぞれ無電解ニッケルめっき被膜4、6が形成
されている。また、軸1の外周面1aに形成された無電
解ニッケルめっき被膜4内には、潤滑性材料、例えばポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子(テフロ
ン粒子)が分散されている。ニッケルめっき工程(ステ
ップ107)において、素材として耐食性に優れたAl
−Mg系のアルミニウム合金が用いられているため、所
定の表面粗さ以下に無電解ニッケルめっき被膜が形成さ
れる。耐食性に優れたAl−Mg系のアルミニウム合金
を使用し、これにニッケルめっき被膜を形成することに
より、軽量化が図られると共に、ニッケルめっき工程中
のエッチングの影響を受けることなく高精度な被膜表面
を得ることができる。また、軸1の外周面1a及びスリ
ーブ2の内周面2cのうち少なくとも何れか一方の無電
解ニッケルめっき被膜内に潤滑性材料を分散させること
により、超高速で回転させた場合においても焼き付きや
かじりが生じ難くなり、軸受の信頼性が向上するという
効果を有する。上記の実施の形態1においては、回転型
のスリーブと固定型の軸を用いた例で説明したが、本発
明はこのような構成に限定されるものではなく、固定型
のスリーブに回転型の軸を用いる構成でも同様の効果を
有する。
の形態2の動圧気体軸受装置について図面を参照しつつ
説明する。以下の実施の形態2の説明において、前述の
実施の形態1の動圧気体軸受装置における機能と同じ機
能を有するものには同じ符号を付してその説明は省略す
る。図4は実施の形態2の動圧気体軸受装置における軸
1又はスリーブ2を形成するための素材を拡大して示し
た断面図である。図4の(a)は、素材8の表面の無電
解ニッケルめっき被膜7において粒径の大きな潤滑性材
料9が分散された状態を示す断面図である。図4の
(b)は、素材11の表面の無電解ニッケルめっき被膜
10において粒径の小さな潤滑性材料12が分散された
状態を示す断面図である。
1又はスリーブ2を形成するための素材であり、Al−
Mg系のアルミニウム合金により構成されている。それ
ぞれの素材8、11上に形成された無電解ニッケルめっ
き被膜7、10は、前述の実施の形態1において説明し
たように、無電解ニッケルめっきの処理方法により形成
される。それぞれの無電解ニッケルめっき被膜7、10
内に分散されている潤滑性材料12はポリテトラフロオ
ロエチレン粒子である。図4の(a)に示す潤滑性材料
9の平均粒径は約2μmである。図4の(b)に示す潤
滑性材料12の平均粒径は約0.5μmである。
との間には数μm単位以下の所定間隔を有する高精度な
軸受すきまを形成する必要がある。このような高精度な
軸受すきまを形成するためには、軸1の外周面とスリー
ブ2の内周面は、無電解ニッケルめっきの表面処理によ
り、それらの表面の粗さを0.5μmRz(十点平均粗
さ)以下に抑えることが好ましい。しかし、図4の
(a)に示すように、無電解ニッケルめっき被膜7中に
分散している潤滑性材料9であるポリテトラフルオロエ
チレン粒子の粒径が大きい(例えば、平均粒径は約2μ
m以上)場合、被膜形成後の無電解ニッケルめっき被膜
7の表面にはポリテトラフルオロエチレン粒子が大きく
突出する可能性がある。したがって、上記のような大き
な粒径のポリテトラフルオロエチレン粒子を有する無電
解ニッケルめっき被膜7は、ニッケルめっき処理のみで
被膜表面を所望の値(0.5μmRz)以下の表面粗さ
に形成することはできない。
0.5μm以下の潤滑性材料12であるポリテトラフル
オロエチレン粒子を用いれば、無電解ニッケルめっき被
膜10の形成後において、被膜表面には大きな突出部分
が生じることがなく、確実に表面粗さを所望の値、例え
ば0.5μmRz(十点平均粗さ)に抑えることが可能
となる。したがって、実施の形態2の動圧気体軸受装置
においては、粒径0.5μm以下の潤滑性材料12をの
性能を大きく左右する軸受すきまをμm単位で保持する
ことができる。
置においては、図4の(b)のように形成された素材1
1を用いて軸1及びスリーブ2の何れか一方、または両
方を形成している。すなわち、実施の形態2における軸
1及びスリーブ2の少なくとも何れか一方は、無電解ニ
ッケルめっき被膜10中に粒径0.5μm以下の潤滑性
材料12を分散させて、無電解ニッケルめっき被膜形成
後の表面粗さを0.5μmRz以下に構成した。この結
果、実施の形態2によれば、優れた潤滑性が得られると
同時に軸受すきまをμm単位に高精度に保持することが
でき、高性能な動圧気体軸受装置を得ることができる。
圧気体軸受装置は、信頼性が高く、高精度な動圧気体軸
受を低コストの装置で提供することができると共に、無
電解ニッケルめっき被膜形成後の表面仕上げ加工を不要
にした低コストの製造方法を実現することができる。
たところから明らかなように、本発明は次の効果を有す
る。本発明に係る動圧気体軸受装置は、軸及びスリーブ
をAl−Mg系のアルミニウム合金により形成するとと
もに、軸の外周面及びスリーブの内周面にそれぞれ無電
解ニッケルめっき被膜を形成し、軸の外周面及びスリー
ブの内周面のうち少なくとも一方の無電解ニッケルめっ
き被膜内に潤滑性材料を分散させるよう構成した。この
ため、本発明の動圧気体軸受装置は、軽量化が図れると
共に、超高速で回転させた場合においても焼き付きやか
じりが生じ難く、軸受の信頼性が飛躍的に向上してい
る。
潤滑性材料として、粒径0.5μm以下のポリテトラフ
ルオロエチレン粒子を用いているので、軸の外周面及び
スリーブの内周面を共に所望の表面粗さ以下の滑らかな
面に形成することができ、軸受すきまをμm単位の高精
度に保持することができる。このため、本発明の動圧気
体軸受装置は、軸の外周面とスリーブの内周面との摩擦
を小さく抑えることが可能となり、軸受の性能と信頼性
が飛躍的に向上している。さらに、本発明に係る動圧気
体軸受装置の製造方法によれば、軸の外周面及びスリー
ブの内周面に無電解ニッケルめっき被膜を形成すること
により、別に表面仕上げ処理を改めて行う必要がなく、
生産性の優れた動圧気体軸受装置を得ることができる。
また、本発明に係る動圧気体軸受装置の製造方法によれ
ば、量産効率を高めることが可能となり、高性能な動圧
気体軸受装置を低コストで製造することができる。
における軸1及びスリーブ2の構成を示す断面図であ
る。
図であり、(a)は軸を示す一部破断して示した平面図
であり、(b)はスリーブを示す断面図である。
素材表面処理工程を示すフローチャートである。
における素材の断面図であり、(a)は素材8の表面の
無電解ニッケルめっき被膜7において粒径の大きな潤滑
性材料9が分散された状態を示す断面図であり、(b)
は素材11の表面の無電解ニッケルめっき被膜10にお
いて粒径の小さな潤滑性材料12が分散された状態を示
す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 回転中心に軸受用の孔を有し、Al−M
g系のアルミニウム合金で形成されたスリーブ状部と、 前記スリーブ状部の前記孔に所定の隙間を有して相対的
に回転可能に挿入され、Al−Mg系のアルミニウム合
金で形成された軸とを有し、 前記軸の外周面及び前記スリーブ状部の内周面のうち何
れか一方に動圧発生溝が形成されており、前記軸の外周
面及び前記スリーブ状部の内周面のそれぞれに無電解ニ
ッケルめっき被膜が形成されており、前記軸の外周面及
び前記スリーブ状部の内周面のうち少なくとも何れか一
方の無電解ニッケルめっき被膜内に潤滑性材料が分散さ
れていることを特徴とする動圧気体軸受装置。 - 【請求項2】 前記潤滑性材料が粒径0.5μm以下の
フッ素樹脂粒子であることを特徴とする請求項1記載の
動圧気体軸受装置。 - 【請求項3】 Al−Mg系のアルミニウム合金製の軸
及びスリーブ状部の素材において、軸素材の外周面及び
スリーブ状部素材の内周面のうち何れか一方に動圧発生
溝を形成する工程、 前記軸素材の外周面及びスリーブ状部素材の内周面のそ
れぞれに無電解ニッケルめっき被膜を形成する工程、 前記軸素材の外周面及びスリーブ状部素材の内周面に形
成された無電解ニッケルめっき被膜の少なくとも何れか
一方に潤滑性材料を分散する工程、 前記軸素材と前記スリーブ状部素材をはめ合わせて軸受
を構成する工程、とを有することを特徴とする動圧気体
軸受装置の製造方法。 - 【請求項4】 前記潤滑性材料が粒径0.5μm以下の
フッ素樹脂粒子であることを特徴とする請求項3記載の
動圧気体軸受装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30751999A JP2001124061A (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 動圧気体軸受装置及びその製造方法 |
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