JPH0727131A - 動圧空気軸受装置およびその動圧発生用溝の作製方法 - Google Patents

動圧空気軸受装置およびその動圧発生用溝の作製方法

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JPH0727131A
JPH0727131A JP6427494A JP6427494A JPH0727131A JP H0727131 A JPH0727131 A JP H0727131A JP 6427494 A JP6427494 A JP 6427494A JP 6427494 A JP6427494 A JP 6427494A JP H0727131 A JPH0727131 A JP H0727131A
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Yoshihiro Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高速回転機器、例えば、複写機に
搭載され高速回転するポリゴンスキャナ等に適用される
動圧空気軸受装置およびその動圧発生用溝の作製方法に
関し、高精度で高信頼性の動圧発生用溝を有する低コス
トの動圧空気軸受装置およびその動圧発生用溝の作製方
法を提供することを目的とする。 【構成】 円筒状の中空を有する回転軸21と、回転軸21
の中空内に挿入されその内周面21aに所定隙間を介して
対向する軸受面13を有する固定軸12と、から構成され、
固定軸12の軸受面13に動圧を発生させるヘリングボーン
溝14、15と、ヘリングボーン溝14、15と同一の溝深さの
凹部16〜18と、を設け、回転軸21の内周面21aおよび固
定軸12の軸受面13の少なくとも接触可能な部位に、接触
しても摩耗粉が発生したりかじりが発生しないようニッ
ケルめっき中にPTFEが分散した潤滑性皮膜44(固定
軸12には図示していない)を形成したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速回転機器に適用さ
れる動圧空気軸受装置およびその動圧発生用溝の作製方
法に関し、例えば、複写機に搭載され高速回転するポリ
ゴンスキャナ等に適用される動圧空気軸受装置およびそ
の動圧発生用溝の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザプリンタ、デジタル複写
機、デジタルファクシミリ等の記録装置は、高速・高密
度化に伴って、レーザビームを走査し光書込みするポリ
ゴンミラーが搭載されたポリゴンスキャナの高速回転化
および高回転精度化の要求が高くなっている。そのた
め、従来の玉軸受に代り、20,000rpm以上の超
高速回転するポリゴンスキャナには動圧空気を発生させ
ることにより非接触支持する動圧空気軸受装置が採用さ
れている。
【0003】従来、回転軸と、この回転軸の表面に所定
隙間を介して対向する軸受面を有する軸受部材と、から
構成され、回転軸の表面または軸受部材の軸受面に動圧
を発生させる動圧発生用溝(例えば、ヘリングボーン
溝)を設けた動圧空気軸受装置が知られている。この種
の動圧空気軸受装置は起動・停止時の回転軸と軸受部材
の接触、および過大な衝撃が加わったりあるいは輸送時
の振動による回転軸と軸受部材の接触によって回転軸が
ロックしたり焼き付いてしまい回転不能になるという不
具合があった。
【0004】このような不具合を解消するため、例え
ば、特開昭63−235719号公報に記載された動圧
空気軸受装置が提案されている。この動圧空気軸受装置
(以降、第1従来例という)は、回転軸の表面にニッケ
ルめっきを主成分とした耐摩耗性皮膜を形成し、軸受部
材の軸受面にアルマイト皮膜に潤滑性を有する二硫化モ
リブデンを含侵させた潤滑性皮膜を形成して、起動・停
止時の回転軸と軸受部材との接触による摩耗粉の発生を
防止して長期にわたり安定した回転状態を維持するよう
になっている。
【0005】また、回転軸の表面または軸受部材の軸受
面の一方にアルマイト皮膜(陽極酸化膜)を全面に形成
し、他方に動圧発生用溝と同一形状のマスクを形成した
後、アルマイト皮膜を形成して動圧発生用溝を作製する
ことにより表面硬度を向上させたた動圧発生軸受装置
(以降、第2従来例という)も提案されている。なお、
この第2従来例では、回転軸、軸受部材および回転軸に
取り付けられるミラーをアルミニウム合金で構成して熱
膨張率を同一にすることにより高速回転したときの温度
上昇によってアンバランス振動が発生することを防止し
ている。
【0006】また、動圧空気軸受装置の動圧発生用溝の
作製方法としては、回転軸または軸受部材にアルミニウ
ムを用いてその回転軸の表面または軸受部材の軸受面に
動圧発生用溝を形成する場合、アルミニウムの表面硬度
は低いためその表面硬度を向上させる必要がある。ま
た、動圧発生用溝の深さは軸受特性に大きく影響するた
め精度良く形成する必要がある。そのため、精度良く膜
厚制御可能なめっき処理によって所定の膜厚および硬度
を有するめっき皮膜を形成して動圧発生用溝を作製する
方法がある。この動圧発生用溝の作製方法(以降、第3
従来例という)は、まず、回転軸の表面または軸受部材
の軸受面に動圧発生用溝と同一形状のマスクを形成す
る。次いで、マスクが形成された回転軸または軸受部材
に所定のめっき処理を施してそのマスク外に所定膜厚お
よび所定硬度を有するめっき皮膜を形成し、次いで、そ
のマスクを除去して所定溝深さの動圧発生用溝を形成す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな第1従来例にあっては、回転軸に形成された耐摩耗
性皮膜および軸受部材に形成された潤滑性皮膜によって
起動・停止時の摩耗粉の発生を防止することは可能であ
るが、一方に耐摩耗性皮膜を、他方に潤滑性皮膜を形成
するため異種の皮膜を形成する2工程が必要であり、そ
れに伴って設備も増設しなければならずコスト高になっ
てしまうという問題があった。
【0008】また、第2従来例にあっては、回転軸およ
び軸受部材に形成したアルマイト皮膜により表面硬度を
向上させることは可能であるが、アルマイト皮膜は微細
片が脱落し易いためこのアルマイト皮膜により動圧発生
用溝を作製しても、例えばスキャナ等を組み立てるまで
に動圧発生用溝の品質が低下してしまうという問題があ
った。
【0009】また、第3従来例にあっては、マスク外に
めっき皮膜を形成してそのマスクを除去することにより
所定膜厚および所定硬度のめっき皮膜により所定溝深さ
の動圧発生用溝を形成することは可能であるが、マスク
を除去することにより動圧発生用溝を形成するためめっ
き皮膜が形成されている箇所とされていない箇所とが明
確に別れた断層となりそのめっき皮膜が剥離し易い。さ
らに、マスクが除去された箇所はアルミニウムが露出す
るので、酸化して溝深さを維持することができないとい
う問題があった。
【0010】そこで、本発明は、高精度で高信頼性の動
圧発生用溝を有する低コストの動圧空気軸受装置および
その動圧発生用溝の作製方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、回転軸と、該回転軸の表面に所定
隙間を介して対向する軸受面を有する軸受部材と、から
構成され、回転軸の表面または軸受部材の軸受面に動圧
を発生させる動圧発生用溝を設けた動圧空気軸受装置に
おいて、前記回転軸の表面および軸受部材の軸受面の少
なくとも接触可能な部位の両面ともに、潤滑性皮膜を形
成したことを特徴とするものであり、請求項2記載の発
明は、前記潤滑性皮膜は、テフロン、ニ硫化モリブデ
ン、あるいは窒化ボロンのいづれかの成分からなること
を特徴とするものである。
【0012】請求項3記載の発明は、前記動圧発生用溝
を形成した回転軸の表面または軸受部材の軸受面に潤滑
性を有するめっき皮膜を形成し、他方の回転軸の表面ま
たは軸受部材の軸受面に潤滑性を有する陽極酸化膜を形
成したことを特徴とするものであり、請求項4記載の発
明は、前記潤滑性を、テフロン、ニ硫化モリブデン、あ
るいは窒化ボロンのいづれかの成分により付与したこと
を特徴とするものである。
【0013】また、請求項5記載の発明は、回転軸と、
該回転軸の表面に所定隙間を介して対向する軸受面を有
する軸受部材と、から構成され、回転軸の表面または軸
受部材の軸受面に動圧を発生させる動圧発生用溝を設け
た動圧空気軸受装置において、前記回転軸の表面および
軸受部材の軸受面の少なくとも接触可能な部位の両面と
もに、耐摩耗材料を分散しためっき皮膜を形成したこと
を特徴とするものであり、請求項6記載の発明は、前記
耐摩耗材料は、炭化ケイ素あるいはダイヤモンドのいづ
れかの成分からなることを特徴とするものである。
【0014】請求項7記載の発明は、回転軸と、該回転
軸の表面に所定隙間を介して対向する軸受面を有する軸
受部材と、から構成され、回転軸の表面または軸受部材
の軸受面に動圧を発生させる動圧発生用溝を設けた動圧
空気軸受装置において、前記回転軸または軸受部材の一
方を所定径の円柱状に形成し、他方に該円柱状の回転軸
または軸受部材を挿入される所定径の円筒状中空を設け
た動圧空気軸受装置であって、少なくとも前記回転軸を
アルミニウムあるいはアルミニウム合金によって構成
し、前記軸受部材の軸受面に対向する該回転軸の表面を
ステンレス鋼により構成したことを特徴とするものであ
る。
【0015】さらに、請求項8記載の発明は、回転軸
と、該回転軸の表面に所定隙間を介して対向する軸受面
を有する軸受部材と、から構成され、回転軸の表面また
は軸受部材の軸受面に動圧を発生させる動圧発生用溝を
設けた動圧空気軸受装置において、前記回転軸または軸
受部材の一方を所定径の円柱状に形成し、他方に該円柱
状の回転軸または軸受部材を挿入される所定径の円筒状
中空を設けた動圧空気軸受装置であって、前記動圧発生
用溝を形成された前記回転軸の表面あるいは軸受部材の
軸受面の挿入先端側あるいは被挿入先端側に、該動圧発
生用溝外の径と同一になるよう形成された所定幅の帯面
を設けたことを特徴とするものである。
【0016】また、請求項9記載の発明は、回転軸の表
面または該表面に所定隙間を介して対向する軸受部材の
軸受面に、動圧を発生させる動圧発生用溝を形成する動
圧発生用溝の作製方法において、まず、前記回転軸の表
面または軸受部材の軸受面の何れか一方に動圧発生用溝
を刻設し、次いで、該動圧発生用溝が刻設された回転軸
または軸受部材に所定のめっき処理を施してめっき皮膜
を形成し、次いで、該めっき皮膜の表面を表面仕上げす
ることを特徴とするものである。
【0017】請求項10記載の発明は、回転軸の表面ま
たは該表面に所定隙間を介して対向する軸受部材の軸受
面に、動圧を発生させる動圧発生用溝を形成する動圧発
生用溝の作製方法において、まず、前記回転軸の表面ま
たは軸受部材の軸受面の何れか一方の表面に動圧発生用
溝と同一形状のマスクを形成し、次いで、該マスクが形
成された回転軸または軸受部材に所定の第1めっき処理
を施してマスク外に第1めっき皮膜を形成し、次いで、
そのマスクを除去した後、所定の第2めっき処理を施し
て第1めっき皮膜の表面を含む回転軸の表面または軸受
部材の軸受面に第2めっき皮膜を形成することを特徴と
するものである。
【0018】
【作用】請求項1または2記載の発明では、回転軸の表
面および軸受部材の軸受面の少なくとも接触可能な部位
の両面ともに、潤滑性皮膜が形成される。この潤滑性皮
膜は、潤滑性を有するテフロン、ニ硫化モリブデン、あ
るいは窒化ボロンのいづれかの成分からなる。したがっ
て、回転軸の表面および軸受部材の軸受面間の滑りが向
上され、起動・停止時等に回転軸と軸受部材との接触が
あっても摩耗粉の発生が防止される。また、同一種の潤
滑性皮膜が形成されることにより皮膜を形成する設備が
共通化される。
【0019】請求項3または4記載の発明では、動圧発
生用溝が形成された回転軸または軸受部材にはめっき皮
膜が形成され、他方の回転軸または軸受部材に陽極酸化
膜が形成される。この潤滑性は、潤滑性を有するテフロ
ン、ニ硫化モリブデン、あるいは窒化ボロンのいづれか
の成分により付与される。したがって、めっき皮膜が形
成された回転軸または軸受部材側に動圧発生用溝が設け
られるため、動圧発生用溝の品質が低下することがな
い。
【0020】また、請求項5または6記載の発明では、
回転軸の表面および軸受部材の軸受面の少なくとも接触
可能な部位の両面ともに、耐摩耗材料が分散されためっ
き皮膜が形成される。この耐摩耗材料は、耐摩耗性を有
する炭化ケイ素あるいはダイヤモンドのいづれかの成分
からなる。したがって、回転軸の表面および軸受部材の
軸受面間の耐摩耗性が向上され、起動・停止時等に回転
軸と軸受部材との接触があっても摩耗粉の発生が防止さ
れるとともに、動圧発生用溝の品質が低下することがな
い。また、同一種のめっき皮膜が形成されることにより
皮膜を形成する設備が共通化される。
【0021】請求項7記載の発明では、少なくとも回転
軸がアルミニウムあるいはアルミニウム合金によって構
成され、軸受部材の軸受面に対向する回転軸の表面がス
テンレス鋼により構成される。したがって、回転軸が軽
量化されるとともに、ステンレス鋼の特性からかじりが
発生し難くされる。また、軸受部材の軸受面が同様にス
テンレス鋼により構成されたとき、温度上昇による回転
軸および軸受部材間の隙間の変化が防止される。
【0022】さらに、請求項8記載の発明では、動圧発
生用溝が形成された回転軸の表面あるいは軸受部材の軸
受面に溝外の径と同一径に形成された帯面が、その挿入
先端側あるいは被挿入先端側に設けられる。したがっ
て、円柱状に形成された回転軸または軸受部材の一方が
他方の円筒状中空に挿入される際に、動圧発生用溝が形
成されていない回転軸あるいは軸受部材のエッジが動圧
発生用溝に衝突することがない。
【0023】また、請求項9記載の発明では、まず、回
転軸の表面または軸受部材の軸受面の何れか一方に動圧
発生用溝が刻設され、次いで、その回転軸または軸受部
材に所定のめっき処理が施されてめっき皮膜が形成され
る。次いで、そのめっき皮膜の表面が表面仕上げされ
る。したがって、めっき皮膜が形成されている箇所とさ
れていない箇所とに断層となることがなく、また母材が
露出することがない。さらに、動圧発生用溝外が表面仕
上げされて溝深さが高精度に形成され、エッジ処理され
る。
【0024】請求項10記載の発明では、まず、回転軸
の表面または軸受部材の軸受面の何れか一方の表面に動
圧発生用溝と同一形状のマスクが形成され、次いで、そ
の回転軸または軸受部材に所定の第1めっき処理が施さ
れてマスク外に第1めっき皮膜が形成される。次いで、
そのマスクを除去した後、所定の第2めっき処理が施さ
れて第1めっき皮膜の表面を含む回転軸の表面または軸
受部材の軸受面に第2めっき皮膜が形成される。したが
って、めっき皮膜が形成されている箇所とされていない
箇所とに断層となることがなく、また母材が露出するこ
とがない。また、動圧発生用溝の溝深さがより高精度に
形成される。さらに、動圧発生用溝を作製する設備とめ
っき処理の設備が共通化される。
【0025】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係る動圧空気軸受装置の第1実施例を適用
したポリゴンスキャナの全体構成を示す断面図であり、
図2はその第1実施例を示す図である。なお、本実施例
は請求項1、2、8、または9のいづれかに記載の発明
に対応する。
【0026】図1および図2において、11はハウジング
であり、ハウジング11の中央部には固定軸12(軸受部
材)が垂直に嵌入・固定(例えば、焼き嵌めにより固
定)されている。この固定軸12の外周にはラジアル軸受
面13が設けられており、ラジアル軸受面13(以下、単に
軸受面13ともいう)にはそれぞれ深さ数μmのヘリング
ボーン溝14、15(動圧発生用溝)が周方向等間隔に各一
対形成され、またヘリングボーン溝14、15と略同一の深
さの凹部16〜18が形成されている。また、軸受面13は円
筒状中空を有する回転軸21の内周面21a(表面)に対向
しており、固定軸12の軸受面13と回転軸21の内周面21a
とが所定の軸受隙間を隔てることにより、固定軸12に対
し回転軸21が回転可能になっている。すなわち、固定軸
12および回転軸21は動圧空気軸受装置を構成している。
【0027】回転軸21の上部には、ミラー受けフランジ
22が形成され、ミラー押え23によりポリゴンミラー25が
取り付けられている。ポリゴンミラー25は回転軸21の上
部外周面21bに嵌合しており、回転軸21の上部に螺合す
るボルト24がミラー押え23を介してこのポリゴンミラー
25をフランジ22に押し付けている。また、ミラー押え23
はその中心部にアキシャル磁気軸受30を構成するマグネ
ット32を保持するとともに、アキシャル磁気軸受30に所
定のダンピング特性を付与する上下振動減衰用の連通穴
34をポリゴンミラー25との間で形成している。また、ミ
ラー押え23の上面部には回転時の不釣合修正用のバラン
ス修正溝23aが形成されている。
【0028】アキシャル磁気軸受30は、固定軸12の軸線
上で互いに向い合う面を同極にして反発し合う3つのマ
グネット31、32、33からなり、マグネット31がマグネッ
ト32の上方で上ケース35に装着され、マグネット33が固
定軸12の上端に固定されることによって、回転軸21、ミ
ラー押え23、ポリゴンミラー25およびマグネット32が固
定軸12から常に上方に浮上するように付勢され、非接触
で支持されている。
【0029】36は、ポリゴンミラー25を駆動する面対向
型のモータである。このモータ36は、回転軸21に固定さ
れたロータマグネット組立体37と、その下面に対向する
ステータコイル部38と、ホール素子(図示していない)
とを有しており、ロータマグネット組立体37はロータマ
グネット37aをヨークを兼ねたロータフランジ37bによ
って回転軸21に一体的に実装したモータ構成部となって
いる。このモータ組立体37はミラー押え23およびポリゴ
ンミラー25とともに回転軸21に取り付けられることによ
って回転体20を構成している。また、ロータマグネット
37aには不釣合修正用のバランス修正溝37cが形成され
ており、回転体20が回転したときミラー押え23に形成さ
れたバランス修正溝23aとともに不釣合いによる振動を
小さくして数mg以下の不釣合い量にするようになって
いる。このモータ36はステータコイル部38が所定の励磁
方式で励磁されてロータマグネット組立体37を回転さ
せ、回転軸21およびポリゴンミラー25(回転体20)を回
転させることができる。そして、ポリゴンミラー25の回
転時には、固定軸12の軸受面13に形成されたヘリングボ
ーン溝14、15および凹部16〜18内(図2(b)に示すハ
ッチング部)の空気が回転軸21の回転方向に押し込めら
れながら固定軸12と回転軸21の間の前記軸受隙間内にか
き出されて動圧を発生し、この動圧が所定圧になると、
固定軸12から回転軸21が完全に浮上(半径方向)して、
非接触となり高速回転可能な状態となる。
【0030】また、回転軸21は、図2(a)に示すよう
に、回転体20が回転したときの耐振性の向上、加工・組
立性の改善、および回転体のバランスの安定化を図るた
め軽量かつ非磁性のアルミニウムあるいはアルミニウム
合金により母材43を構成している。また、この回転軸21
の内周面21aには固定軸12の軸受面13に接触しても摩耗
粉が発生したりかじりが発生しないよう滑りを良くする
ためにニッケルめっき中にPTFE(テフロン粒子)が
分散した潤滑性皮膜44(めっき皮膜)を形成している。
【0031】また、固定軸12はアルミニウムまたはアル
ミニウム合金により構成しており、図2(b)に示すよ
うに、軸受面13にはヘリングボーン溝14、15、凹部16〜
18および凹部16よりも上方となる上端部側に軸受面13と
同一径の所定幅を有する帯面19が形成されている。この
固定軸12の帯面19は回転軸21を中空内に挿入する際にス
ムーズな嵌挿を可能にして回転軸21のエッジがヘリング
ボーン溝14、15等に衝突して傷つけてしまったり摩耗粉
を発生させないようになっている。また、この固定軸12
の軸受面13には図示していないが、回転軸21の内周面21
aに形成した潤滑性皮膜44と同様の工程によって潤滑性
皮膜を形成するとともに外径・表面仕上げすることによ
り回転軸21の内周面21aと固定軸12の軸受面13とが接触
しても摩耗粉が発生したりかじりが発生しないようにな
っている。
【0032】この固定軸12は、まず所定形状に切削(又
は研削)加工した後、ヘリングボーン溝14、15および凹
部16〜18を公知のエッチングや転造等によって刻設し、
次いで、公知の無電解ニッケルめっき液内に前記PTF
Eを分散させためっき浴中に回転軸12を浸して所定の複
合めっき処理を行なってニッケルめっき内にPTFEが
分散した前記潤滑性皮膜を形成する。なお、潤滑性を有
する潤滑剤としてはPTFEの他に、二硫化モリブデン
(MoS2 )あるいは窒化ボロン(BN)が好適であ
る。次いで、前記潤滑性皮膜が形成された固定軸12の外
径仕上げしてヘリングボーン溝14、15の溝深さを確保し
た後、バレルまたはバフ加工することによりヘリングボ
ーン溝14、15等のバリを除去するとともにエッジを丸め
てさらに摩耗粉が発生したりかじりが発生しないように
する。なお、回転軸21の潤滑性皮膜44も同様な工程によ
って形成される。
【0033】このように本実施例では、回転軸21の内周
面21aおよび固定軸12の軸受面13に前記PTFE等が分
散された潤滑性皮膜44および前記潤滑性皮膜が形成され
るため、内周面21および軸受面13間の滑りが向上され回
転体20の起動・停止時等に回転軸21と固定軸12との接触
があっても摩耗粉が発生することがなくかじりの発生が
防止される。
【0034】また、固定軸12の上端部側に軸受面13と同
一径に形成され表面仕上げされた帯面19が形成されるた
め、固定軸12の軸受面13と回転軸21の内周面21aが擦れ
ても摩耗粉の発生がなく、組み立てる際や回転軸21が衝
撃等によって移動したときに固定軸12のヘリングボーン
溝14、15等に回転軸21のエッジが衝突して傷つけてしま
ったり摩耗粉が発生することが防止される。
【0035】また、ヘリングボーン溝14、15をめっきを
施した後、転造によって刻設するとめっき皮膜に断層が
発生して加工困難となり、エッチングにより刻設する場
合でもそのめっき皮膜をヘリングボーン溝14、15の深さ
以上の厚さとなるよう処理しなければならずコスト高に
なってしまうが、ヘリングボーン溝14、15が刻設された
後、前記潤滑性皮膜をヘリングボーン溝14、15等を含む
軸受面13に膜厚調整の容易な無電解ニッケルめっきによ
り形成されるので、容易に高精度に形成されて、その皮
膜が形成されている箇所とされていない箇所の断層とな
ることが防止され剥離が防止される。また母材43が露出
することが防止され酸化が防止されてヘリングボーン溝
14、15等の溝深さが変化してしまうことが防止される。
【0036】したがって、高精度で高信頼性の動圧空気
軸受装置を低コストに作製することができる。次に、図
3は本発明に係る動圧空気軸受装置の第2実施例の要部
を示す断面図であり、本実施例は請求項1〜4、8、ま
たは9のいづれかに記載の発明に対応する。なお、上述
実施例と同様の構成には同一の符合を付してその説明を
省略する。
【0037】同図において、51は母材43からなる回転軸
であり、固定軸12とともに動圧空気軸受装置を構成して
おり、上述第1実施例で説明したスキャナに適用され
る。この回転軸51にはモータ組立体37、ミラー押え23お
よびポリゴンミラー25が取り付けられて回転体20を構成
している。この回転軸51は、固定軸12を円筒状中空内に
挿入され軸受面13に対向する内周面51a(表面)に公知
の陽極酸化処理を施すことにより多孔質のアルマイト皮
膜(陽極酸化膜)を形成した後、前記PTFEを含侵さ
せて潤滑性皮膜54を形成して滑りを良くすることにより
固定軸12の軸受面13に接触しても摩耗粉が発生したりか
じりが発生しないようになっている。
【0038】本実施例では、上述第1実施例と同様の作
用効果が得られるとともに、凹凸のない回転軸51の内周
面51aに陽極酸化膜からなる潤滑性皮膜54が形成される
ため、アルマイト皮膜の微細片が脱落してヘリングボー
ン溝14、15内に詰まって回転軸21がロックしてしまった
り、ヘリングボーン溝14、15の品質が低下してしまうこ
とがない。
【0039】次に、図4は本発明に係る動圧空気軸受装
置の第3実施例の要部を示す断面図であり、本実施例は
請求項7〜9のいづれかに記載の発明に対応する。な
お、上述実施例と同様の構成には同一の符合を付してそ
の説明を省略する。同図において、61は母材43からなる
回転軸、62はステンレス鋼からなる固定軸(軸受部材)
であり、回転軸61および固定軸62は動圧空気軸受装置を
構成しており、上述第1実施例で説明したスキャナに適
用される。
【0040】固定軸62は、ハウジング11の中央部に垂直
に嵌入・固定されており、軸受面13にはヘリングボーン
溝14、15、凹部16〜18、および帯面19が形成され、固定
軸62の上端にはマグネット33が固定されている。この固
定軸62は、第1実施例と同様に前記潤滑性皮膜が形成さ
れ外径・表面仕上げが施されている。また、回転軸61は
モータ組立体37、ミラー押え23およびポリゴンミラー25
が取り付けられて回転体20を構成している。
【0041】この回転軸61は、固定軸62を円筒状中空内
に挿入され軸受面13に対向する内周面51a(表面)に、
かじりが発生し難い所定厚さのステンレス鋼からなるパ
イプ64が例えば焼き嵌め等によって固着されている。こ
の回転軸61はアルミニウムあるいはアルミニウム合金か
らなる母材43により構成するとともにその内周面61aを
パイプ64で構成することによって回転軸21を軽量化する
とともにかじりを防止するようになっている。
【0042】本実施例では、上述第1実施例と同様の作
用効果が得られるとともに、前記軸受隙間を形成する固
定軸62および回転軸61の内周面61aを同一材料によって
構成することにより高速回転等によって温度上昇しても
前記軸受隙間が変化することがなく、安定した回転が得
られる。次に、図5は本発明に係る動圧空気軸受装置の
第4実施例を示す図であり、(a)はその回転軸を示す
断面図、(b)はその軸受部材を示す平面図である。な
お、本実施例は請求項1、2、5、6、8、または9の
いづれかに記載の発明に対応する。また、上述実施例と
同様の構成には同一の符合を付してその説明を省略す
る。
【0043】同図において、71は母材43からなる回転
軸、72はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
固定軸(軸受部材)であり、回転軸71および固定軸72は
動圧空気軸受装置を構成しており、上述第1実施例で説
明したスキャナに適用される。固定軸72は、ハウジング
11の中央部に垂直に嵌入・固定されており、軸受面13に
はヘリングボーン溝14、15、凹部16〜18、および帯面19
が形成されている。また、固定軸72の上端にはマグネッ
ト33が固定されている。また、回転軸71はモータ組立体
37、ミラー押え23およびポリゴンミラー25が取り付けら
れて回転体20を構成している。
【0044】この回転軸71の内周面71(表面)aおよび
固定軸72のヘリングボーン溝14、15等を含む軸受面13に
は、公知の無電解ニッケルめっき液中にSiC(炭化ケ
イ素)を分散させためっき浴内に浸して所定の複合めっ
き処理を行なってニッケルめっき中にSiCが分散した
耐摩耗性皮膜74(回転軸71にのみ図示)が形成されてい
る。この耐摩耗性皮膜74により回転軸21の内周面21aお
よび固定軸12の軸受面13の接触による摩耗粉の発生を防
止し、かつ、かじりを防止するようになっている。な
お、耐摩耗性性を有する耐摩耗材料としてはSiCの他
に、ダイヤモンドが好適である。そして、特に、固定軸
72はバレルまたはバフ加工することにより外径・表面仕
上げしてヘリングボーン溝14、15の溝深さを確保しバリ
を除去するとともにエッジを丸めてかじりが生じないよ
うにする。
【0045】本実施例では、上述第1実施例と同様の作
用効果が得られる。次に、図6は請求項10記載の発明
に係る動圧発生用溝の作製方法の一実施例を説明する工
程図であり、同図にはその一実施例により作製された本
発明に係る動圧空気軸受装置の第5実施例の要部の一部
断面図を示している。なお、本実施例では上述実施例と
同様の構成には同一の符合を付してその説明を省略す
る。
【0046】同図において、82はアルミニウムまたはア
ルミニウム合金からなる母材83により構成された固定軸
(軸受部材)であり、固定軸82は回転軸21とともに動圧
空気軸受装置を構成しており、上述第1実施例で説明し
たスキャナに適用される。固定軸82は、ハウジング11の
中央部に垂直に嵌入・固定されており、軸受面13にはヘ
リングボーン溝14、15、凹部16〜18、および帯面19が形
成されている。また、固定軸82の上端にはマグネット33
が固定されている。
【0047】この固定軸82は、まず円柱形状に切削(又
は研削)加工し、次いで、固定軸82の軸受面13に形成す
るヘリングボーン溝14、15および凹部16〜18に相当する
箇所に公知のパターンニングにより同一形状のマスク85
を形成する。次いで、公知の無電解ニッケルめっき液中
に前記PTFEを分散させためっき浴内に固定軸82を浸
して所定の複合めっき処理(第1めっき処理)を行なっ
てニッケルめっき中に前記PTFEが分散した潤滑性皮
膜84a(第1めっき皮膜)をマスク85が形成されていな
い母材83表面に形成する。次いで、マスク85を除去した
後、前記めっき浴内に固定軸82を再度浸して同様にの複
合めっき処理(第2めっき処理)を行なって潤滑性皮膜
84aと同質の潤滑性皮膜84b(第2めっき皮膜)を潤滑
性皮膜84a表面およびマスク85が除去された母材83表面
に形成する。次いで、潤滑性皮膜84bの外径仕上げして
ヘリングボーン溝14、15の溝深さを確保した後、バレル
またはバフ加工することによりヘリングボーン溝14、15
等のバリを除去するとともにエッジを丸めてさらに摩耗
粉が発生したりかじりが発生しないようにする。
【0048】なお、潤滑性皮膜84a、84bは前記PTF
Eに換え、二硫化モリブデンあるいは窒化ボロンを前記
めっき液中に分散させ形成してもよい。また、潤滑性皮
膜84aは潤滑剤を分散させずに単一の無電解ニッケルめ
っきにより形成してもよい。また、SiCやダイヤモン
ドを分散させ耐摩耗性皮膜を形成してもよい。本実施例
では、上述第1実施例の作用効果に加え、潤滑性皮膜84
a、84bを同一の無電解めっき処理により形成するの
で、ヘリングボーン溝14、15および凹部16〜18の作製お
よび母材83の酸化防止を同時に行なうことができ、低コ
スト化される。また、ヘリングボーン溝14、15等が膜厚
調整の容易な無電解ニッケルめっきにより形成されるた
め、より高精度な溝深さに形成され、軸受特性がより向
上される。
【0049】なお、上述実施例では、円柱状に形成され
固定された軸受部材に動圧発生用溝を形成した動圧空気
軸受装置の説明したが、動圧発生用溝を回転軸の内周面
に形成したり、円柱状に形成した回転軸にその動圧発生
用溝を作製した動圧空気軸受装置に適用可能であること
はいうまでもない。また、円筒状中空を有する回転軸か
らなる動圧空気軸受装置のみではなく、円柱の端面に動
圧発生用溝を形成した動圧空気軸受装置に適用可能であ
ることはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】請求項1〜6記載の発明によれば、回転
軸の表面および軸受部材の軸受面の少なくとも接触可能
な部位に潤滑性皮膜あるいは耐摩耗材料が分散されため
っき皮膜からなる耐摩耗皮膜を形成するので、起動・停
止時等に回転軸と軸受部材との接触があっても摩耗粉の
発生を防止することができ、ロックしてしまうことを防
止できる。また、同一種の潤滑性皮膜あるいは耐摩耗皮
膜を形成することにより皮膜を形成する設備を共通化し
て低コストに潤滑性皮膜あるいは耐摩耗皮膜を形成する
ことができる。その結果、高信頼性の低コストな動圧空
気軸受装置を提供することができる。
【0051】請求項3記載の発明によれば、動圧発生用
溝が形成された回転軸または軸受部材にはめっき皮膜を
形成し、他方の回転軸または軸受部材に陽極酸化膜を形
成するので、動圧発生用溝の品質を低下させることなく
潤滑性皮膜を陽極酸化膜によって形成することができ
る。請求項7記載の発明によれば、少なくとも回転軸を
アルミニウムあるいはアルミニウム合金によって構成す
るとともに、その軸受部材の軸受面に対向する表面をス
テンレス鋼により構成するので、回転軸を軽量化するこ
とができるとともに、ステンレス鋼の特性によりかじり
の発生を防止することができる。また、軸受部材の軸受
面を同様にステンレス鋼により構成することによって温
度上昇による回転軸および軸受部材間の隙間の変化を防
止することができ、軸受特性を安定化することができ
る。
【0052】さらに、請求項8記載の発明によれば、動
圧発生用溝が形成された回転軸の表面あるいは軸受部材
の軸受面にその溝外の径と同一径の帯面を、その挿入先
端側あるいは被挿入先端側に設けるので、動圧発生用溝
に回転軸あるいは軸受部材のエッジが衝突することがな
い。したがって、その衝突によって発生する傷等によっ
てロックしてしまうことを防止することができる。
【0053】また、請求項9記載の発明によれば、動圧
発生用溝を刻設した後、めっき皮膜を形成するので、め
っき皮膜が形成されている箇所とされていない箇所とに
断層となることがなく、めっき皮膜の剥離を防止するこ
とができる。また、母材が露出することがないので、酸
化を防止することができ、溝深さを維持することができ
る。さらに、まず動圧発生用溝を刻設するのでエッチン
グや転造によって容易に形成することができ、めっき皮
膜を形成した後に動圧発生用溝外を表面仕上げするの
で、溝深さがばらついていたり設定から外れていても溝
深さを高精度に形成することができ、併せてエッジ処理
することができる。
【0054】請求項10記載の発明によれば、まず、動
圧発生用溝と同一形状のマスクを形成してそのマスク外
に第1めっき皮膜を形成し、マスクを除去した後、第1
めっき皮膜の表面を含む回転軸の表面または軸受部材の
軸受面に第2めっき皮膜を形成するので、めっき皮膜の
剥離防止および溝深さを維持することができるととも
に、動圧発生用溝の溝深さをより高精度に形成すること
ができる。また、動圧発生用溝を作製する設備とめっき
処理の設備を共通化することができ、より低コストに動
圧発生用溝を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動圧空気軸受装置の第1実施例を
適用したポリゴンスキャナの全体構成を示す断面図であ
る。
【図2】その第1実施例を示す図であり、(a)はその
回転軸を示す断面図、(b)はその軸受部材を示す平面
図である。
【図3】本発明に係る動圧空気軸受装置の第2実施例の
要部を示す断面図である。
【図4】本発明に係る動圧空気軸受装置の第3実施例を
示す図であり、(a)はその回転軸を示す断面図、
(b)はその軸受部材を示す平面図である。
【図5】本発明に係る動圧空気軸受装置の第4実施例を
示す図であり、(a)はその回転軸を示す断面図、
(b)はその軸受部材を示す平面図である。
【図6】請求項10記載の発明に係る動圧発生用溝の作
製方法の一実施例を説明する工程図である。
【符号の説明】
12、72、82 固定軸(軸受部材、アルミニウムあるい
はアルミニウム合金) 13 軸受面 14、15 ヘリングボーン溝(動圧発生用溝) 19 帯面 21、51、61、71 回転軸 21a、51a、61a、71a 内周面(表面) 43、83 母材(アルミニウムあるいはアルミニウム合
金) 44 潤滑性皮膜(めっき皮膜) 54 潤滑性皮膜(陽極酸化膜) 62 固定軸(軸受部材、ステンレス鋼) 64 パイプ(ステンレス鋼) 74 耐摩耗性皮膜 84a 潤滑性皮膜(第1めっき皮膜) 84b 潤滑性皮膜(第2めっき皮膜) 85 マスク
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 26/10 102 (72)発明者 伊丹 幸男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 池田 邦夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 工藤 譲 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 安部 隆雄 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地1 東北リコー株式会社内 (72)発明者 高橋 由博 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地1 東北リコー株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸と、該回転軸の表面に所定隙間を介
    して対向する軸受面を有する軸受部材と、から構成さ
    れ、回転軸の表面または軸受部材の軸受面に動圧を発生
    させる動圧発生用溝を設けた動圧空気軸受装置におい
    て、 前記回転軸の表面および軸受部材の軸受面の少なくとも
    接触可能な部位の両面ともに、潤滑性皮膜を形成したこ
    とを特徴とする動圧空気軸受装置。
  2. 【請求項2】前記潤滑性皮膜は、テフロン、ニ硫化モリ
    ブデン、あるいは窒化ボロンのいづれかの成分からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の動圧空気軸受装置。
  3. 【請求項3】前記動圧発生用溝を形成した回転軸の表面
    または軸受部材の軸受面に潤滑性を有するめっき皮膜を
    形成し、他方の回転軸の表面または軸受部材の軸受面に
    潤滑性を有する陽極酸化膜を形成したことを特徴とする
    請求項1記載の動圧空気軸受装置。
  4. 【請求項4】前記潤滑性を、テフロン、ニ硫化モリブデ
    ン、あるいは窒化ボロンのいづれかの成分により付与し
    たことを特徴とする請求項3記載の動圧空気軸受装置。
  5. 【請求項5】回転軸と、該回転軸の表面に所定隙間を介
    して対向する軸受面を有する軸受部材と、から構成さ
    れ、回転軸の表面または軸受部材の軸受面に動圧を発生
    させる動圧発生用溝を設けた動圧空気軸受装置におい
    て、 前記回転軸の表面および軸受部材の軸受面の少なくとも
    接触可能な部位の両面ともに、耐摩耗材料を分散しため
    っき皮膜を形成したことを特徴とする動圧空気軸受装
    置。
  6. 【請求項6】前記耐摩耗材料は、炭化ケイ素あるいはダ
    イヤモンドのいづれかの成分からなることを特徴とする
    請求項5記載の動圧空気軸受装置。
  7. 【請求項7】回転軸と、該回転軸の表面に所定隙間を介
    して対向する軸受面を有する軸受部材と、から構成さ
    れ、回転軸の表面または軸受部材の軸受面に動圧を発生
    させる動圧発生用溝を設けた動圧空気軸受装置におい
    て、 前記回転軸または軸受部材の一方を所定径の円柱状に形
    成し、他方に該円柱状の回転軸または軸受部材を挿入さ
    れる所定径の円筒状中空を設けた動圧空気軸受装置であ
    って、 少なくとも前記回転軸をアルミニウムあるいはアルミニ
    ウム合金によって構成し、前記軸受部材の軸受面に対向
    する該回転軸の表面をステンレス鋼により構成したこと
    を特徴とする動圧空気軸受装置。
  8. 【請求項8】回転軸と、該回転軸の表面に所定隙間を介
    して対向する軸受面を有する軸受部材と、から構成さ
    れ、回転軸の表面または軸受部材の軸受面に動圧を発生
    させる動圧発生用溝を設けた動圧空気軸受装置におい
    て、 前記回転軸または軸受部材の一方を所定径の円柱状に形
    成し、他方に該円柱状の回転軸または軸受部材を挿入さ
    れる所定径の円筒状中空を設けた動圧空気軸受装置であ
    って、 前記動圧発生用溝を形成された前記回転軸の表面あるい
    は軸受部材の軸受面の挿入先端側あるいは被挿入先端側
    に、該動圧発生用溝外の径と同一になるよう形成された
    所定幅の帯面を設けたことを特徴とする動圧空気軸受装
    置。
  9. 【請求項9】回転軸の表面または該表面に所定隙間を介
    して対向する軸受部材の軸受面に、動圧を発生させる動
    圧発生用溝を形成する動圧発生用溝の作製方法におい
    て、 まず、前記回転軸の表面または軸受部材の軸受面の何れ
    か一方に動圧発生用溝を刻設し、次いで、該動圧発生用
    溝が刻設された回転軸または軸受部材に所定のめっき処
    理を施してめっき皮膜を形成し、次いで、該めっき皮膜
    の表面を表面仕上げすることを特徴とする動圧発生用溝
    の作製方法。
  10. 【請求項10】回転軸の表面または該表面に所定隙間を
    介して対向する軸受部材の軸受面に、動圧を発生させる
    動圧発生用溝を形成する動圧発生用溝の作製方法におい
    て、 まず、前記回転軸の表面または軸受部材の軸受面の何れ
    か一方の表面に動圧発生用溝と同一形状のマスクを形成
    し、次いで、該マスクが形成された回転軸または軸受部
    材に所定の第1めっき処理を施してマスク外に第1めっ
    き皮膜を形成し、次いで、そのマスクを除去した後、所
    定の第2めっき処理を施して第1めっき皮膜の表面を含
    む回転軸の表面または軸受部材の軸受面に第2めっき皮
    膜を形成することを特徴とする動圧発生用溝の作製方
    法。
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