JPH10103343A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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JPH10103343A
JPH10103343A JP27418796A JP27418796A JPH10103343A JP H10103343 A JPH10103343 A JP H10103343A JP 27418796 A JP27418796 A JP 27418796A JP 27418796 A JP27418796 A JP 27418796A JP H10103343 A JPH10103343 A JP H10103343A
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JP
Japan
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film
sleeve
bearing device
dynamic pressure
rotating shaft
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JP27418796A
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English (en)
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Masaaki Yokota
正明 横田
Norihisa Saito
憲久 斎藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動圧軸受のスリーブや回転軸等の加工コスト
を低減する。 【解決手段】 回転多面鏡R1 と一体である回転軸2は
スリーブ1に嵌合され、両者の間の空気の動圧によって
非接触に支持される。スリーブ1はステンレス製であ
り、内面にヘリングボーン溝11を有し、両端部の幅2
mmの環状部位には膜厚0.5μmの耐摩耗性皮膜12
が蒸着されている。回転軸2にも同様の耐摩耗性皮膜2
2を蒸着し、みそすり運動等によって摩耗しやすい部分
のみを局部的に保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられ
る光偏向装置の回転多面鏡の軸受部等に用いられる動圧
軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動圧軸受装置は、一般的に、振れが小さ
くて騒音も少ない等の利点を有し、小型で回転むらが少
ないことを要求されるレーザビームプリンタやレーザフ
ァクシミリの回転多面鏡の軸受部等に広く用いられる。
【0003】図9は、レーザビームプリンタ等の画像形
成装置に用いられる光偏向装置の主要部を示す。これ
は、側面に反射面を有する回転多面鏡R0 と、これを回
転自在に支持する動圧軸受装置E0 と、回転多面鏡R0
を回転させるモータM0 を有する。
【0004】レーザビームプリンタ等の画像形成装置の
高速化や画質向上のためには、回転多面鏡R0 の回転む
らが小さいことと振動や騒音等が少ないことが不可欠で
ある。そこで、回転多面鏡R0 の軸受部には、内面にヘ
リングボーン溝111(図9の(b)参照)を有するス
リーブ101と、これに嵌挿された回転軸102と、そ
の下端に対向するスラスト部材103等からなる動圧軸
受装置E0 が用いられる。
【0005】スリーブ101のヘリングボーン溝111
は、回転軸102の回転とともにスリーブ101と回転
軸102の間の空気をヘリングボーン溝111の両端部
から中央部分に向かって吸引するように構成されてお
り、回転軸102は、このようにして吸引された空気の
動圧によってスリーブ101に非接触で支持される。
【0006】回転軸102の下端102aは球面状に加
工され、スラスト部材103は耐摩耗性の高い材料で作
られている。回転軸102は、その回転中、モータM0
のロータ106とステータ107の間に作用する磁力に
よって、スラスト部材103から浮上した状態で回転す
る。
【0007】モータM0 のロータ106は、回転軸10
2と一体であるフランジ104から懸下されたヨーク1
06aと、その内側に固着されたロータマグネット10
6bを有し、ステータ107は、固定板105に立設さ
れた外筒105aに支持されたコイルからなる。固定板
105はスラスト部材103と外筒105aを支持し、
スリーブ101は外筒105aに嵌挿されている。
【0008】スリーブ101と回転軸102の材質は、
一般的に耐摩耗性にすぐれた窒化珪素や炭化珪素等のセ
ラミック材料である。これは、モータM0 の起動時にお
いて、スリーブ101と回転軸102の間に充分な動圧
が得られる回転数に到達する前のいわゆるみそすり運動
等によって両者の対向面が接触することも多く、これら
の摩耗を防ぐためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、セラミック材料は極めて加工性が悪い
材料であり、従って、ヘリングボーン溝等の加工コスト
が高く、スリーブ等の部品コストが高くなる。加工性に
すぐれたアルミニウム、真鍮、SK材等の金属製の回転
軸やスリーブを製作し、これらにヘリングボーン溝等を
溝加工したうえで、両者の対向面全体に、TiN、Ti
C、Ni等の耐摩耗性硬質膜や炭素系の潤滑性硬質膜を
蒸着することで、スリーブ等の加工コストを低減する方
法もあるが、回転軸に対向するスリーブの内面全体に硬
質膜を成膜すると、スリーブの中央にまわり込む成膜粒
子が少ないために、スリーブの両端部に被着される硬質
膜がスリーブの中央に比べて厚くなる。このようにスリ
ーブの内径寸法がその長さ方向に不均一になれば、その
ままでは軸受性能が著しく損われるため、スリーブの内
面を再加工して寸法出しを行なう必要が生じて、返って
加工コストが上昇する結果となる。
【0010】加えて、近年では、光偏向装置等の小形化
が進み、これに伴って動圧軸受装置のスリーブの内径も
小さくなる。スリーブの内径が小さくなると、スリーブ
内面に成膜される硬質膜の膜厚の不均一は増大し、か
つ、寸法出しのための仕上げ加工がより一層困難にな
る。
【0011】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、すぐれた軸受性能を
有し、しかもヘリングボーン溝等の加工コストが低くて
すむ動圧軸受装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の動圧軸受装置は、相対的に回転自在に嵌
合された軸部材とスリーブ部材を有し、両者のうちの少
なくとも一方がこれらの対向面に動圧発生溝を有する動
圧軸受装置であって、前記軸部材および前記スリーブ部
材のうちの少なくとも一方が、前記対向面の両端部を局
部的に覆う蒸着膜を備えていることを特徴とする。
【0013】蒸着膜の膜厚が0.5μm以下であるとよ
い。
【0014】蒸着膜が、TiN膜、TiC膜、Si3
4 膜、BN膜または炭素系の潤滑性硬質膜であるとよ
い。
【0015】
【作用】軸部材およびスリーブ部材の材料にステンレス
等の金属を用いて少なくとも一方に動圧発生溝を溝加工
する。スリーブ部材等が金属製であるから加工コストは
低くてすむが、スリーブ部材と軸部材の対向面が接触し
て摩耗しやすい。両者の接触はモータの立ち上げ時のみ
そすり運動等によって発生するもので、対向面の両端部
に集中する。そこで、軸部材とスリーブ部材の対向面の
両端部に耐摩耗性にすぐれた蒸着膜を被着させて、前記
対向面の摩耗を回避する。製造コストが低いうえに、動
圧軸受として充分な軸受性能を備えた動圧軸受装置を実
現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0017】図1は一実施例による動圧軸受装置E1
用いた光偏向装置の主要部を示すもので、これは、側面
に反射面を有する回転多面鏡R1 と、これを回転させる
モータM1 を有する。
【0018】レーザビームプリンタ等の高速化や画質向
上のためには、回転多面鏡R1 の回転むらが小さいこと
と振動や騒音等が少ないことが不可欠である。そこで、
回転多面鏡R1 の軸受部には、内面に動圧発生溝である
ヘリングボーン溝11(図1の(b)参照)を有するス
リーブ部材であるスリーブ1と、これに嵌挿された軸部
材である回転軸2と、その下端に対向するスラスト部材
3を有する動圧軸受装置E1 が用いられる。
【0019】スリーブ1のヘリングボーン溝11は、回
転軸2の回転とともにスリーブ1と回転軸2の間の気体
をヘリングボーン溝11の両端部から中央部分に向かっ
て吸引するように構成されており、回転軸2は、このよ
うにして吸引された空気の動圧によってスリーブ1に非
接触で支持される。
【0020】回転軸2の下端2aは球面状に加工され、
スラスト部材3は耐摩耗性の高い材料で作られている。
回転軸2は、その回転中、モータM1 のロータ6とステ
ータ7の間に作用する磁力によって、スラスト部材3か
ら浮上した状態で回転する。
【0021】モータM1 のロータ6は、回転軸2と一体
であるフランジ4から懸下されたヨーク6aと、その内
側に固着されたロータマグネット6bを有し、ステータ
7は、スラスト部材3と一体である固定板5に立設され
た外筒5aの外側に支持されたコイルからなる。
【0022】スリーブ1は、加工性にすぐれたステンレ
ス製であり、その内面を切削加工することによってヘリ
ングボーン溝11を形成し、さらに、スリーブ1の図示
上下両端部の、後述するようなみそすり運動によって回
転軸2と接触するおそれのある環状部位に、膜厚0.5
μm以下の蒸着膜である耐摩耗性皮膜12を被着させた
ものである。耐摩耗性皮膜12は、TiN膜、TiC
膜、Si34 膜、BN膜等の耐摩耗性硬質膜あるい
は、ダイヤモンド状炭素膜、水素化アモルファス炭素
膜、硬質炭素膜の3つの炭素系の潤滑性硬質膜のうちの
いずれかを、プラズマCVD、イオン蒸着法、スパッタ
法等の公知の成膜方法で成膜したものである。上下2つ
の耐摩耗性皮膜12は同じ材料の皮膜でも良いし、異な
る材料を選んでもかまわない。
【0023】また、回転軸2の外表面にも、スリーブ1
の耐摩耗性皮膜12に対向する環状部位に同様に膜厚
0.5μm以下の耐摩耗性皮膜22が被着される。成膜
方法はスリーブ1の耐摩耗性皮膜12と同様である。
【0024】モータM1 の立ち上がり時においては、充
分な動圧を得られる回転数に到達する前に、図2に示す
ように、スリーブ1に対して回転軸2が傾いて回転する
みそすり運動が発生する。その結果、スリーブ1の両端
が回転軸2の外表面と局部的に接触し、両者の接触部1
3,23が摩耗する。また、モータM1 の停止時にも同
様のみそすり運動が発生する。
【0025】スリーブ1と回転軸2の対向面の摩耗は、
その大部分がこのようなみそすり運動に起因するもの
で、スリーブ1や回転軸2の上下両端に集中して発生す
るため、スリーブ1の内面の上下両端に近接した環状部
位とこれに対向する回転軸2の環状部位のみを耐摩耗性
皮膜12,22によって局部的に耐摩耗性を強化すれば
充分である。
【0026】スリーブ1と回転軸2の耐摩耗性皮膜1
2,22は膜厚が0.5μm以下であり、しかも両者の
対向面の極く一部分を覆っているにすぎないため、スリ
ーブ1と回転軸2の対向面全体に耐摩耗性皮膜を成膜す
る場合に比べて、成膜工程に費す時間が短い。また、耐
摩耗性皮膜12,22を成膜後にスリーブ1の内面や回
転軸2の外表面を仕上げ加工する必要はない。加えて、
スリーブ1や回転軸2の材質が加工性にすぐれたステン
レスであるからヘリングボーン溝等の加工コストも低
く、動圧軸受装置の部品コストを大幅に削減して、装置
の低価格化に大きく貢献できる。
【0027】本実施例においては、スリーブと回転軸が
ともにステンレス製であるが、アルミニウムや真鍮等、
加工性にすぐれた他の金属材料を用いてもよい。
【0028】このような動圧軸受装置を用いることで、
光偏向装置等の高性能化と低価格化を大きく促進でき
る。
【0029】次に具体例を説明する。
【0030】(第1具体例)内径10mm、長さ30m
mのステンレス製のスリーブの内面にヘリングボーン溝
を加工し、図3に示すECR、プラズマCVD装置A1
を用いて膜厚0.5μm、幅2mmのダイヤモンド状炭
素膜(耐摩耗性皮膜)をスリーブの両端部に成膜した。
【0031】ECR、プラズマCVD装置A1 は、真空
槽50内にワークホルダ51を配設し、マイクロ波導入
管52から窓52aを経てマイクロ波を導入するととも
に、流量調節器53aを有するガス供給ライン53から
反応ガスを供給し、真空槽50の外側に配設された電磁
石54によって磁界強度を調節し、ワークホルダ51に
接続されたDC電源によって負のバイアス電圧を印加す
るように構成されている。
【0032】所定のマスキングを施したスリーブをワー
クホルダ51に保持させ、その中心がカーボン粒子の飛
来方向と垂直になるようにセットする。真空槽50を1
×10-6Torr以下に排気し、ガス供給ライン53か
らCH4 ガスを30SCCM導入し、真空槽50のガス
圧を1×10-3Torrに調節する。続いて、ワークホ
ルダ51のスリーブ位置で磁界強度が600Gauss
になるように電磁石54を調節して、マイクロ波導入管
52から300Wのマイクロ波を導入し、さらにワーク
ホルダ51を介してスリーブに500Vの負のバイアス
電圧を印加する。
【0033】図5に示すように、スリーブの両端に、そ
の内面の幅2mmの環状部位を覆う膜厚0.5μmのダ
イヤモンド状炭素膜が形成された時点で成膜を終了す
る。
【0034】次に、図4に示すように、ワークホルダ5
1に回転用ジグ55を取り付けて、これに回転軸を保持
させ、回転軸を回転させながら上記と同様の成膜工程に
よって、回転軸の2つの環状部位にダイヤモンド状炭素
膜を成膜する。
【0035】なお、回転軸の表面に成膜する際には、ス
リーブの内面に成膜する場合のように成膜粒子のまわり
込みによる膜厚不均一を生じるおそれがないから、回転
軸の表面全体にダイヤモンド状炭素膜等の耐摩耗性皮膜
を成膜しても仕上げ加工は不必要である。このようにし
て製作されたスリーブと回転軸からなる動圧軸受装置を
サンプルS1 とする。
【0036】比較のために、上記と同様の成膜方法で、
図6に示すようにスリーブの内面全体にダイヤモンド状
炭素膜を成膜し、スリーブの中央のダイヤモンド状炭素
膜の膜厚が0.5μmに達したところで成膜を終了し、
スリーブ内面の仕上げ加工を行なってスリーブ全体のダ
イヤモンド状炭素膜の膜厚が0.5μmになるように寸
法出しをしたスリーブを製作し、これを用いた動圧軸受
装置をサンプルS2 とする。スリーブの中央のダイヤモ
ンド状炭素膜の膜厚が0.5μmになるまで成膜を続け
ると、スリーブの両端のダイヤモンド状炭素膜の膜厚は
5μmに達するため、切削等による寸法出しが必要にな
る。従って、サンプルS2 はサンプルS1 に比べて製造
コストが高い。
【0037】さらに、スリーブと回転軸の対向面全体に
膜厚1μmのTiN膜を成膜したものをサンプルS3
スリーブと回転軸に耐摩耗性皮膜を設けることなく、ス
テンレスの表面のままで組み立てた動圧軸受装置をサン
プルS4 として用意した。
【0038】サンプルS1 〜S4 を図1に示す光偏向装
置に組み込んで耐久テストを行なった結果を表1に示
す。
【0039】
【表1】 耐久テストは、モータの回転数を一定時間内に10,0
00rpmまで立ち上げたのち、所定の時間だけその回
転数に維持し、次いで停止させるいわゆるスタート・ス
トップテストを1,000回繰り返したうえで、スリー
ブと回転軸の摩耗と消費電力を調べたものである。消費
電力は、起動(立ち上げ)時の回転軸とスリーブの滑り
状態を良否を判別するもので、消費電力が少なければ良
好な滑り状態である。
【0040】表1から、サンプルS1 〜S3 については
耐久テスト後の表面状態はすべて良好であり、サンプル
3 の消費電力のみがわずかに増えている。これは、ダ
イヤモンド状炭素膜の方がTiN膜より潤滑性が良いた
めであると推察される。別途にこれらの摩擦係数を測定
したところ、ダイヤモンド状炭素膜は0.05〜0.0
8、TiN膜は0.2〜0.3であることが判明した。
ステンレスの表面のままで耐摩耗性皮膜を設けないスリ
ーブと回転軸を用いたサンプルS4 は、スリーブと回転
軸の双方の表面が摩耗しており、消費電力が多くて潤滑
性も悪いことが判明した。サンプルS2 とサンプルS3
はスリーブの内面全体に耐摩耗性皮膜を成膜したもので
あるから、耐久テストの結果はサンプルS1 とほとんど
同じであっても、製造コストが高いという欠点がある。
【0041】(第2具体例)図7に示すイオン蒸着装置
2 を用いて第1具体例と同様のスリーブに水素化アモ
ルファス炭素膜を成膜した。成膜工程は以下の通りであ
る。真空槽60内のワークホルダ61に所定のマスキン
グを施したスリーブを保持させ、真空槽60を1×10
-6Torr以下に排気したのち、ガス供給ライン63か
ら40SCCMのH2 ガスと20SCCMのCH4 ガス
を真空槽60に導入し、イオン化装置64によってイオ
ン化した。真空槽60内のガス圧を5×10-4Torr
に調節し、イオン引き出しグリッド65に600Vの電
圧を印加してイオンビームを引き出して、ワークホルダ
61のスリーブに照射した。
【0042】第1具体例と同様に、スリーブの両端に成
膜された水素化アモルファス炭素膜の膜厚が0.5μm
に到達したところで成膜を終了し、これを用いた動圧軸
受装置と、スリーブの全面に水素化アモルファス炭素膜
が0.5μm以上成膜されるまで成膜を続けた動圧軸受
装置を製作し、第1具体例と同様の耐久テストを行った
結果は、表1に示すものと全く同じであった。
【0043】(第3具体例)図8に示すスパッタ装置A
3 を用いて第1具体例と同様のスリーブに硬質炭素膜を
成膜した。成膜工程は以下の通りである。真空槽70内
のワークホルダ71に所定のマスキングを施したスリー
ブを保持させ、真空槽70を1×10-6Torrに排気
する。その後、ガス供給ライン73からアルゴンガスを
導入して、真空槽70内のガス圧を5×10-3Torr
に調節し、RF電源74にRF電力を投入して、RFパ
ワー密度3W/cm2 でグラファイトのターゲット75
をスパッタした。
【0044】第1具体例と同様に、スリーブの両端に成
膜された硬質炭素膜の膜厚が0.5μmに到達したとこ
ろで成膜を終了したものを用いた動圧軸受装置と、スリ
ーブの全面に硬質炭素膜が0.5μm以上成膜されるま
で成膜を続けた動圧軸受装置を製作し、第1具体例と同
様の耐久テストを行った結果は、表1に示すものと全く
同じであった。
【0045】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0046】高い軸受性能を有し、しかもヘリングボー
ン溝等の加工コストの低い動圧軸受装置を実現できる。
このような動圧軸受装置を光偏向装置の回転多面鏡の軸
受部に用いることで、レーザビームプリンタ等の画像形
成装置の高性能化と低価格化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による動圧軸受装置による光偏向装置
の主要部を示すもので、(a)はその模式断面図、
(b)は(a)のスリーブのみを示す断面図、(c)は
回転軸の一部分を示す部分立面図である。
【図2】回転軸のみそすり運動を説明する図である。
【図3】スリーブに耐摩耗性皮膜を成膜するECR、プ
ラズマCVD装置を示す図である。
【図4】図3の装置によって回転軸の耐摩耗性皮膜を成
膜する工程を示す図である。
【図5】耐摩耗性皮膜をスリーブの両端部に成膜したも
のを示す断面図である。
【図6】耐摩耗性皮膜をスリーブの内面全体に成膜した
ものを示す断面図である。
【図7】耐摩耗性皮膜を成膜するイオン蒸着装置を示す
図である。
【図8】耐摩耗性皮膜を成膜するスパッタ装置を示す図
である。
【図9】一従来例による動圧軸受装置を用いた光偏向装
置の主要部を示すもので、(a)はその模式断面図、
(b)はスリーブのみを示す断面図である。
【符号の説明】
1 スリーブ 2 回転軸 3 スラスト部材 11 ヘリングボーン溝 12,22 耐摩耗性皮膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に回転自在に嵌合された軸部材と
    スリーブ部材を有し、両者のうちの少なくとも一方がこ
    れらの対向面に動圧発生溝を有する動圧軸受装置であっ
    て、前記軸部材および前記スリーブ部材のうちの少なく
    とも一方が、前記対向面の両端部を局部的に覆う蒸着膜
    を備えていることを特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 蒸着膜の膜厚が0.5μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 蒸着膜が、TiN膜、TiC膜、Si3
    4 膜、BN膜または炭素系の潤滑性硬質膜であること
    を特徴とする請求項1または2記載の動圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 炭素系の潤滑性硬質膜が、ダイヤモンド
    状炭素膜、水素化アモルファス炭素膜または硬質炭素膜
    であることを特徴とする請求項3記載の動圧軸受装置。
JP27418796A 1996-09-25 1996-09-25 動圧軸受装置 Pending JPH10103343A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008081847A (ja) * 2007-11-30 2008-04-10 Nippon Itf Kk 硬質炭素被膜部材の製造方法
JP2008144273A (ja) * 2007-11-30 2008-06-26 Nippon Itf Kk 硬質炭素被膜部材の製造方法

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JP2008081847A (ja) * 2007-11-30 2008-04-10 Nippon Itf Kk 硬質炭素被膜部材の製造方法
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