JPH09151939A - 軸受装置 - Google Patents
軸受装置Info
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- JPH09151939A JPH09151939A JP31833195A JP31833195A JPH09151939A JP H09151939 A JPH09151939 A JP H09151939A JP 31833195 A JP31833195 A JP 31833195A JP 31833195 A JP31833195 A JP 31833195A JP H09151939 A JPH09151939 A JP H09151939A
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- JP
- Japan
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- sleeve
- bearing
- dynamic pressure
- peripheral surface
- housing
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Abstract
(57)【要約】
【課題】軸受装置に使用するスリーブの加工精度や動圧
発生用溝の加工し易さを向上することを課題とする。 【解決手段】軸3とハウジング4aとの間には、軸方向
に離れた二箇所に軸受を配置した。一方の軸受は、ハブ
2側に配置した動圧軸受用スリーブ5であり、他方の軸
受は、基台4b側に配置した玉軸受6である。このスリ
ーブ5は、硬い金属からなる外筒の内側に、外筒より柔
らかい金属からなる内筒を嵌め入れて固定したものであ
る。また、このスリーブ5では、内筒の内周面に動圧発
生用の溝をボール転造により形成し、その仕上げ研削を
外径基準で行うことができる。
発生用溝の加工し易さを向上することを課題とする。 【解決手段】軸3とハウジング4aとの間には、軸方向
に離れた二箇所に軸受を配置した。一方の軸受は、ハブ
2側に配置した動圧軸受用スリーブ5であり、他方の軸
受は、基台4b側に配置した玉軸受6である。このスリ
ーブ5は、硬い金属からなる外筒の内側に、外筒より柔
らかい金属からなる内筒を嵌め入れて固定したものであ
る。また、このスリーブ5では、内筒の内周面に動圧発
生用の溝をボール転造により形成し、その仕上げ研削を
外径基準で行うことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装
置、光ディスク装置、レーザプリンタ、VTRなどの映
像・情報機器用のスピンドルモータに好適な軸受装置に
関する。
置、光ディスク装置、レーザプリンタ、VTRなどの映
像・情報機器用のスピンドルモータに好適な軸受装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気ディスク装置のスピンドルモ
ータにおいて、軸は、軸方向に沿って離れた二点に配置
された二つの玉軸受により、ハウジングに対して回転自
在に支持されていた。最近では、磁気ディスクの高密度
化に伴い、回転数に同期しない非回転同期成分の振れ
(軸は回転時に軸心がハウジングの軸心に対して旋回し
ようとするが、この旋回円に対する軸の回転数に同期し
ない半径方向の振れ:NRRO)の小さいスピンドルモ
ータが求められている。
ータにおいて、軸は、軸方向に沿って離れた二点に配置
された二つの玉軸受により、ハウジングに対して回転自
在に支持されていた。最近では、磁気ディスクの高密度
化に伴い、回転数に同期しない非回転同期成分の振れ
(軸は回転時に軸心がハウジングの軸心に対して旋回し
ようとするが、この旋回円に対する軸の回転数に同期し
ない半径方向の振れ:NRRO)の小さいスピンドルモ
ータが求められている。
【0003】しかし、前述の二つの玉軸受からなる軸受
装置では、玉軸受は複数個の玉の玉径の相互差や玉の真
球度の影響を受けることから、このNRROを小さくす
ることが難しいため、図11や図12に示すように、前
記二点でラジアル動圧軸受15により支持するととも
に、軸3の下端面または上端面をスラスト動圧軸受16
により支持する軸受装置(符号17は軸3の端面を受け
るスラストプレートである)が提案されている。なお、
図11は軸3回転のスピンドルモータであり、図12は
ハウジング4a回転のスピンドルモータである。
装置では、玉軸受は複数個の玉の玉径の相互差や玉の真
球度の影響を受けることから、このNRROを小さくす
ることが難しいため、図11や図12に示すように、前
記二点でラジアル動圧軸受15により支持するととも
に、軸3の下端面または上端面をスラスト動圧軸受16
により支持する軸受装置(符号17は軸3の端面を受け
るスラストプレートである)が提案されている。なお、
図11は軸3回転のスピンドルモータであり、図12は
ハウジング4a回転のスピンドルモータである。
【0004】しかしながら、この軸受装置には、アキシ
アル負荷容量を大きくしながらモータの消費電力を低減
する要求もあるが、そのために、スラスト軸受部に使用
する潤滑流体の粘度をラジアル軸受部に使用するものよ
り高くすると、使用中に両方の流体が混合する恐れがあ
る。これに対して、本発明者等は、軸の軸方向における
ハブ側は、軸のラジアル受面をラジアル動圧軸受で支持
し、反対側は内輪軌道が軸に形成された玉軸受で支持す
る軸受装置を提案した(特開平5−306714号公報
参照)。これによると、軸は剛性の高い玉軸受で支えら
れた部分を支点として、剛性の低いラジアル動圧軸受側
を底面とした円錐状の軌跡を描いて旋回しようとする。
したがって、軸の振れの大きい側が、ラジアル動圧軸受
の流体膜で支持されて非接触で回転するため、図11や
図12に示す軸受装置と同程度にNRROを小さくする
ことができる。
アル負荷容量を大きくしながらモータの消費電力を低減
する要求もあるが、そのために、スラスト軸受部に使用
する潤滑流体の粘度をラジアル軸受部に使用するものよ
り高くすると、使用中に両方の流体が混合する恐れがあ
る。これに対して、本発明者等は、軸の軸方向における
ハブ側は、軸のラジアル受面をラジアル動圧軸受で支持
し、反対側は内輪軌道が軸に形成された玉軸受で支持す
る軸受装置を提案した(特開平5−306714号公報
参照)。これによると、軸は剛性の高い玉軸受で支えら
れた部分を支点として、剛性の低いラジアル動圧軸受側
を底面とした円錐状の軌跡を描いて旋回しようとする。
したがって、軸の振れの大きい側が、ラジアル動圧軸受
の流体膜で支持されて非接触で回転するため、図11や
図12に示す軸受装置と同程度にNRROを小さくする
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5−306714号公報に記載の軸受装置には、動
圧軸受に使用するスリーブの加工精度や動圧発生用溝の
加工し易さの点で改善の余地があった。すなわち、動圧
発生用の溝は、エッチング、ショットブラスト、および
ショットピーニングや、ボール転造などの塑性加工によ
って形成可能であるが、スリーブ全体が硬い材料で形成
されていると、前記溝をエッチングやショットブラスト
などで形成する必要があって加工コストが高くなる。
開平5−306714号公報に記載の軸受装置には、動
圧軸受に使用するスリーブの加工精度や動圧発生用溝の
加工し易さの点で改善の余地があった。すなわち、動圧
発生用の溝は、エッチング、ショットブラスト、および
ショットピーニングや、ボール転造などの塑性加工によ
って形成可能であるが、スリーブ全体が硬い材料で形成
されていると、前記溝をエッチングやショットブラスト
などで形成する必要があって加工コストが高くなる。
【0006】一方、スリーブ全体が柔らかい材料で形成
されていると、前記溝の加工性は良いため加工コストの
低いボール転造などの塑性加工が容易に行われるが、ボ
ール転造後の仕上げに行う内周面の盛り上がり除去や内
外径の同軸度の矯正を行う際に、外径面等に傷が付く恐
れがあって外径基準で内周面を加工できないため、内外
径の同軸度を高くできないという問題点があった。
されていると、前記溝の加工性は良いため加工コストの
低いボール転造などの塑性加工が容易に行われるが、ボ
ール転造後の仕上げに行う内周面の盛り上がり除去や内
外径の同軸度の矯正を行う際に、外径面等に傷が付く恐
れがあって外径基準で内周面を加工できないため、内外
径の同軸度を高くできないという問題点があった。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、軸受装置の動圧軸受に使
用するスリーブの加工精度や動圧発生用溝の加工し易さ
を向上することを課題とする。
着目してなされたものであり、軸受装置の動圧軸受に使
用するスリーブの加工精度や動圧発生用溝の加工し易さ
を向上することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、ハウジングの内周に軸を配設し、該軸と
ハウジングとの間には軸方向に離れた二箇所に軸受をそ
れぞれ配置し、該二箇所の軸受のうちの少なくとも一方
の軸受は、ハウジングに内挿されて固定される円筒形状
の動圧軸受用スリーブであり、該スリーブは、外周面お
よびその近傍からなる外層部分が、内周面およびその近
傍からなる内層部分より硬いとともに、内周面に動圧発
生用の溝が設けられている軸受装置を提供する。
に、本発明は、ハウジングの内周に軸を配設し、該軸と
ハウジングとの間には軸方向に離れた二箇所に軸受をそ
れぞれ配置し、該二箇所の軸受のうちの少なくとも一方
の軸受は、ハウジングに内挿されて固定される円筒形状
の動圧軸受用スリーブであり、該スリーブは、外周面お
よびその近傍からなる外層部分が、内周面およびその近
傍からなる内層部分より硬いとともに、内周面に動圧発
生用の溝が設けられている軸受装置を提供する。
【0009】前記スリーブは、例えば、円筒体の外周面
と少なくとも一方の端面とに対して熱処理やメッキ等を
施すことにより前記外層部分を硬化した後、当該円筒体
の硬化処理がなされていない内周面に動圧発生用の溝を
形成することによって得られる。また、鉄合金などの硬
い金属で円筒状に形成した外筒に、銅合金などの比較的
柔らかい金属で形成された内筒を内嵌して一体化した
後、内筒の内周面に動圧発生用の溝を形成することによ
っても得られる。この場合、前記外筒が外層部分に相当
し、前記内筒が内層部分に相当する。
と少なくとも一方の端面とに対して熱処理やメッキ等を
施すことにより前記外層部分を硬化した後、当該円筒体
の硬化処理がなされていない内周面に動圧発生用の溝を
形成することによって得られる。また、鉄合金などの硬
い金属で円筒状に形成した外筒に、銅合金などの比較的
柔らかい金属で形成された内筒を内嵌して一体化した
後、内筒の内周面に動圧発生用の溝を形成することによ
っても得られる。この場合、前記外筒が外層部分に相当
し、前記内筒が内層部分に相当する。
【0010】特に、請求項2のように、前記スリーブは
SUJ2,SUS440C等の鉄系金属で一体の円筒体
に形成され、前記外層部分は、該円筒体の外周面と少な
くとも一方の端面とに対して熱処理を施すことにより前
記内層部分より硬く形成されたものであると好適であ
る。本発明のスリーブでは、内層部分が柔らかく形成さ
れているため、内周面に動圧発生用の溝を加工し易い。
すなわち、スリーブ全体が硬い材料で形成されている
と、前記溝をエッチングやショットブラストなどで形成
する必要があって加工コストが高くなるが、内周面が柔
らかいとボール転造などで容易に且つ安価に形成され
る。
SUJ2,SUS440C等の鉄系金属で一体の円筒体
に形成され、前記外層部分は、該円筒体の外周面と少な
くとも一方の端面とに対して熱処理を施すことにより前
記内層部分より硬く形成されたものであると好適であ
る。本発明のスリーブでは、内層部分が柔らかく形成さ
れているため、内周面に動圧発生用の溝を加工し易い。
すなわち、スリーブ全体が硬い材料で形成されている
と、前記溝をエッチングやショットブラストなどで形成
する必要があって加工コストが高くなるが、内周面が柔
らかいとボール転造などで容易に且つ安価に形成され
る。
【0011】一方、スリーブ全体が柔らかい材料で形成
されていると、前記溝の加工性は良いが、ボール転造後
の仕上げに行う内周面の盛り上がり除去や内外径の同軸
度の矯正を行う際に、外径面等に傷が付く恐れがあって
外径基準で内周面を加工できないため、内外径の同軸度
を高くできない。これに対してこの発明のスリーブで
は、外周面は内層部分より硬く形成されているため、外
径基準での内周面の研削加工が可能となり、前記溝の加
工し易さと同軸度の高さの両方が得られる。
されていると、前記溝の加工性は良いが、ボール転造後
の仕上げに行う内周面の盛り上がり除去や内外径の同軸
度の矯正を行う際に、外径面等に傷が付く恐れがあって
外径基準で内周面を加工できないため、内外径の同軸度
を高くできない。これに対してこの発明のスリーブで
は、外周面は内層部分より硬く形成されているため、外
径基準での内周面の研削加工が可能となり、前記溝の加
工し易さと同軸度の高さの両方が得られる。
【0012】また、本発明の軸受装置は、二箇所の軸受
のうちのいずれか一方の軸受は動圧軸受用スリーブであ
って、他方の軸受は玉軸受であり、動圧軸受用スリーブ
側が玉軸受側より回転慣性力が大きい軸受装置とするこ
ともできる。
のうちのいずれか一方の軸受は動圧軸受用スリーブであ
って、他方の軸受は玉軸受であり、動圧軸受用スリーブ
側が玉軸受側より回転慣性力が大きい軸受装置とするこ
ともできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。先ず、本発明の第一実施形態について図1〜
3に基づき説明する。図1は、第一実施形態の軸受装置
が適用されたスピンドルモータを示す概略断面図であ
り、図2および3は、この軸受装置に使用された動圧軸
受用スリーブを示す概略断面図である。
説明する。先ず、本発明の第一実施形態について図1〜
3に基づき説明する。図1は、第一実施形態の軸受装置
が適用されたスピンドルモータを示す概略断面図であ
り、図2および3は、この軸受装置に使用された動圧軸
受用スリーブを示す概略断面図である。
【0014】このスピンドルモータ1は磁気ディスク装
置用のものであり、磁気ディスクを搭載するハブ2に固
定された軸3は、円筒状のハウジング4aに対して、軸
方向に沿って離れた二箇所において配置された、内面に
動圧発生用の溝を有する円筒体のスリーブ5と玉軸受6
とを介して内挿されている。これにより、軸3は、軸3
の外周面をラジアル受面とし且つスリーブ5の内周面を
ラジアル軸受面とするラジアル動圧軸受と、玉軸受6と
により、ハウジング4aに対して回転可能に支持されて
いる。
置用のものであり、磁気ディスクを搭載するハブ2に固
定された軸3は、円筒状のハウジング4aに対して、軸
方向に沿って離れた二箇所において配置された、内面に
動圧発生用の溝を有する円筒体のスリーブ5と玉軸受6
とを介して内挿されている。これにより、軸3は、軸3
の外周面をラジアル受面とし且つスリーブ5の内周面を
ラジアル軸受面とするラジアル動圧軸受と、玉軸受6と
により、ハウジング4aに対して回転可能に支持されて
いる。
【0015】なお、前記ハウジング4aは、底部に円板
状の基台4bを一体に有しており、ハウジング4aに固
定されたスリーブ5はハウジング4aの上端部に、玉軸
受6はハウジング4aの下端部にそれぞれ配置されてい
る。また、ハブ2の内周面にはロータ7aが取り付けて
あり、ハウジング4aの外周面にはステータ7bが取り
付けてあり、両者によって周面対向型の駆動モータ7が
構成されている。玉軸受6に対する予圧は、駆動モータ
7の永久磁石からなるロータ7aとステータ7bとの配
置を軸方向にずらしておき、その間に働く吸引力で負荷
している。
状の基台4bを一体に有しており、ハウジング4aに固
定されたスリーブ5はハウジング4aの上端部に、玉軸
受6はハウジング4aの下端部にそれぞれ配置されてい
る。また、ハブ2の内周面にはロータ7aが取り付けて
あり、ハウジング4aの外周面にはステータ7bが取り
付けてあり、両者によって周面対向型の駆動モータ7が
構成されている。玉軸受6に対する予圧は、駆動モータ
7の永久磁石からなるロータ7aとステータ7bとの配
置を軸方向にずらしておき、その間に働く吸引力で負荷
している。
【0016】前記スリーブ5は、図2および3に示すよ
うに、ハウジング4a内に圧入可能な外径の円筒状に形
成した外筒5aと、外筒5a内に圧入可能な外径の円筒
状に形成されて外筒5a内に圧入された内筒5bとで構
成されており、内筒5bの内周面に動圧発生用のヘリン
グボーン状の溝5cが形成されている。なお、内筒5b
の軸方向の両端部には内周面に油、グリース、磁性流体
等の潤滑流体保持のための円錐面状の潤滑流体だまり5
dが設けてあり、前記ヘリングボーン状の溝5cはこれ
らの潤滑流体だまり5dの間に形成されている。
うに、ハウジング4a内に圧入可能な外径の円筒状に形
成した外筒5aと、外筒5a内に圧入可能な外径の円筒
状に形成されて外筒5a内に圧入された内筒5bとで構
成されており、内筒5bの内周面に動圧発生用のヘリン
グボーン状の溝5cが形成されている。なお、内筒5b
の軸方向の両端部には内周面に油、グリース、磁性流体
等の潤滑流体保持のための円錐面状の潤滑流体だまり5
dが設けてあり、前記ヘリングボーン状の溝5cはこれ
らの潤滑流体だまり5dの間に形成されている。
【0017】潤滑流体だまり5dは潤滑流体の表面張力
で潤滑流体を保持しているが、潤滑流体だまり5dの軸
3の軸心に対する角度θは2°〜30°で、軸方向両端
部の潤滑流体だまり5dは軸心に対する角度θが等しい
ことが好ましい。すなわち、前記角度θが2°未満の場
合は潤滑流体の保持量が少なくなり、30°を超えると
表面張力に基づく潤滑流体の保持力が小さくなる。さら
に、軸方向両端部の前記角度θが等しいと、当該角度θ
に影響されずに溝5cの向きを定めることができるた
め、溝5cの加工能率が良くなる。
で潤滑流体を保持しているが、潤滑流体だまり5dの軸
3の軸心に対する角度θは2°〜30°で、軸方向両端
部の潤滑流体だまり5dは軸心に対する角度θが等しい
ことが好ましい。すなわち、前記角度θが2°未満の場
合は潤滑流体の保持量が少なくなり、30°を超えると
表面張力に基づく潤滑流体の保持力が小さくなる。さら
に、軸方向両端部の前記角度θが等しいと、当該角度θ
に影響されずに溝5cの向きを定めることができるた
め、溝5cの加工能率が良くなる。
【0018】さらに、前記角度θおよび潤滑流体だまり
5dのテーパ部長さが軸3の軸心に対して対称である
と、溝5cの加工時にスリーブ5を一定方向に整列する
必要がなくなるため、溝5cの加工コストが低減すると
ともに、加工不良発生率が低減する。外筒5aは、軸受
鋼またはステンレス鋼などの硬い金属で、切削、熱処
理、研削加工の工程を経て、予め所定の寸法精度に内外
径および両端面を仕上げてあり、内筒5bは、焼結金属
(銅系または鉄系)、銅合金、アルミ合金などの軟質金
属で形成されている。そして、前記溝5cは、外筒5a
に内筒5bを圧入または焼きばめ等の手段により固着し
た後、内筒5bの内周面にボール転造により溝加工し、
これにより生じた内周面の盛り上がり除去を外筒5aの
外周面を基準にして研削加工し、さらに必要に応じて微
小突起除去のために内筒5bの内周面を砥粒入りブラシ
でブラッシング加工することによって形成される。
5dのテーパ部長さが軸3の軸心に対して対称である
と、溝5cの加工時にスリーブ5を一定方向に整列する
必要がなくなるため、溝5cの加工コストが低減すると
ともに、加工不良発生率が低減する。外筒5aは、軸受
鋼またはステンレス鋼などの硬い金属で、切削、熱処
理、研削加工の工程を経て、予め所定の寸法精度に内外
径および両端面を仕上げてあり、内筒5bは、焼結金属
(銅系または鉄系)、銅合金、アルミ合金などの軟質金
属で形成されている。そして、前記溝5cは、外筒5a
に内筒5bを圧入または焼きばめ等の手段により固着し
た後、内筒5bの内周面にボール転造により溝加工し、
これにより生じた内周面の盛り上がり除去を外筒5aの
外周面を基準にして研削加工し、さらに必要に応じて微
小突起除去のために内筒5bの内周面を砥粒入りブラシ
でブラッシング加工することによって形成される。
【0019】したがって、このスピンドルモータ1は、
軸3の軸方向におけるハブ2側(回転体の重心側)をス
リーブ5即ちラジアル動圧軸受がラジアル軸受すきまを
介して支持し、反対側をラジアル荷重とスラスト荷重と
を受けることが可能なラジアル玉軸受6で支持してい
る。ここで、玉軸受は潤滑流体を有するスラスト動圧軸
受より低摩擦でアキシアル負荷容量が大きいため、この
スピンドルモータ1によれば、アキシアル負荷容量を大
きくしながらモータの消費電力を低減することができる
とともに、NRROを小さくすることができる。
軸3の軸方向におけるハブ2側(回転体の重心側)をス
リーブ5即ちラジアル動圧軸受がラジアル軸受すきまを
介して支持し、反対側をラジアル荷重とスラスト荷重と
を受けることが可能なラジアル玉軸受6で支持してい
る。ここで、玉軸受は潤滑流体を有するスラスト動圧軸
受より低摩擦でアキシアル負荷容量が大きいため、この
スピンドルモータ1によれば、アキシアル負荷容量を大
きくしながらモータの消費電力を低減することができる
とともに、NRROを小さくすることができる。
【0020】これに加えてこの実施形態では、ラジアル
動圧軸受を構成するスリーブ5を、硬い金属からなる外
筒5aと軟質金属からなる内筒5bが一体化されたもの
としているため、転がり軸受の軌道輪の加工設備により
スリーブ5の一方の端面を位置決めして外周面をシュー
ですべり支持しながら、外筒5aの外径基準により内筒
5bの内周面を研削加工できる。これにより、スリーブ
5の内外径の同軸度を極めて高いものとすることができ
る。また、このようにスリーブ5の内外径の同軸度が高
いため、ハウジング4aに組み込まれた際の玉軸受6と
の同軸度も高いものとなって、軸3の回転精度が向上す
る。
動圧軸受を構成するスリーブ5を、硬い金属からなる外
筒5aと軟質金属からなる内筒5bが一体化されたもの
としているため、転がり軸受の軌道輪の加工設備により
スリーブ5の一方の端面を位置決めして外周面をシュー
ですべり支持しながら、外筒5aの外径基準により内筒
5bの内周面を研削加工できる。これにより、スリーブ
5の内外径の同軸度を極めて高いものとすることができ
る。また、このようにスリーブ5の内外径の同軸度が高
いため、ハウジング4aに組み込まれた際の玉軸受6と
の同軸度も高いものとなって、軸3の回転精度が向上す
る。
【0021】また、玉軸受6は、外輪と外輪の内輪に配
設した内輪との間に複数個の玉を備え、この外輪はハウ
ジング4aに固定され、内輪は軸3に固定される。従っ
て、玉軸受6は量産されている玉軸受を使用することが
できるためコストを低く抑えることができる。また、ス
リーブ5の内周面は内筒5bの軟質金属からなるため、
動圧発生用の溝5cをボール転造などの塑性加工によっ
て簡単に形成することができ、加工コストを低く抑える
ことができる。また、スリーブ5の外筒5aは、玉軸受
の軌道輪とほぼ同じ加工工程で作製されるため、量産性
に優れて低コストとなる。さらに、ハウジング4aの材
質は、切削の容易な軟質金属であるアルミニウム合金で
も、取扱の容易な硬い材料であるステンレス鋼でもよ
い。
設した内輪との間に複数個の玉を備え、この外輪はハウ
ジング4aに固定され、内輪は軸3に固定される。従っ
て、玉軸受6は量産されている玉軸受を使用することが
できるためコストを低く抑えることができる。また、ス
リーブ5の内周面は内筒5bの軟質金属からなるため、
動圧発生用の溝5cをボール転造などの塑性加工によっ
て簡単に形成することができ、加工コストを低く抑える
ことができる。また、スリーブ5の外筒5aは、玉軸受
の軌道輪とほぼ同じ加工工程で作製されるため、量産性
に優れて低コストとなる。さらに、ハウジング4aの材
質は、切削の容易な軟質金属であるアルミニウム合金で
も、取扱の容易な硬い材料であるステンレス鋼でもよ
い。
【0022】次に、本発明の第二実施形態について図4
〜7に基づき説明する。図4は、第二実施形態の軸受装
置が適用されたスピンドルモータ11を示す概略断面図
であり、図5〜7は、この軸受装置に使用される動圧軸
受用スリーブを示す概略断面図である。この実施形態
は、ラジアル動圧軸受の潤滑流体として磁性流体を用
い、動圧軸受用スリーブ51の軸方向両端部に磁性流体
シール8を設け、玉軸受6への予圧負荷手段として基台
4bに永久磁石9を設けた点以外は、前記第一実施形態
と同じである。
〜7に基づき説明する。図4は、第二実施形態の軸受装
置が適用されたスピンドルモータ11を示す概略断面図
であり、図5〜7は、この軸受装置に使用される動圧軸
受用スリーブを示す概略断面図である。この実施形態
は、ラジアル動圧軸受の潤滑流体として磁性流体を用
い、動圧軸受用スリーブ51の軸方向両端部に磁性流体
シール8を設け、玉軸受6への予圧負荷手段として基台
4bに永久磁石9を設けた点以外は、前記第一実施形態
と同じである。
【0023】図5に示すスリーブ51Aは、強磁性体の
外筒51aの両端面の内周面側部に磁性流体シール取付
用の円周凹部51d,51eを異なる深さで設け、内筒
51bはその両端面が各円周凹部51d,51eの底面
と同じ軸方向位置となる長さに形成されている。また、
内筒51bの両端面の内周面側部に、内筒51bの内径
面より大径の円筒状の潤滑流体だまり51fが形成され
ている。
外筒51aの両端面の内周面側部に磁性流体シール取付
用の円周凹部51d,51eを異なる深さで設け、内筒
51bはその両端面が各円周凹部51d,51eの底面
と同じ軸方向位置となる長さに形成されている。また、
内筒51bの両端面の内周面側部に、内筒51bの内径
面より大径の円筒状の潤滑流体だまり51fが形成され
ている。
【0024】そして、スリーブ51Aのハブ2側の磁性
流体シール8は、軸方向に磁化されたドーナツ板状の永
久磁石81を円周凹部51eに取付け、その外側に、強
磁性体からなり永久磁石81より内径の小さいドーナツ
板状のポールピース82を重ねて取り付けた構造になっ
ている。また、スリーブ51の基台4b側の磁性流体シ
ール8は、前記ポールピース82を円周凹部51dに取
付けた構造になっている。
流体シール8は、軸方向に磁化されたドーナツ板状の永
久磁石81を円周凹部51eに取付け、その外側に、強
磁性体からなり永久磁石81より内径の小さいドーナツ
板状のポールピース82を重ねて取り付けた構造になっ
ている。また、スリーブ51の基台4b側の磁性流体シ
ール8は、前記ポールピース82を円周凹部51dに取
付けた構造になっている。
【0025】図6に示すスリーブ51Bは、強磁性体の
外筒51aの両端面の内周面側部に、磁性流体シール取
付用の円周凹部51dをそれぞれ同じ深さで設け、内筒
51bは、その両端面が両円周凹部51dの底面と同じ
軸方向位置となる長さに形成されている。また、内筒5
1bの両端面には、内周面側に円錐面状の潤滑流体だま
り51fが形成されている。そして、スリーブ51Bの
両端部の磁性流体シール8は、半径方向または軸方向に
磁化されたドーナツ板状の永久磁石81を円周凹部51
dに取付けた構造になっている。
外筒51aの両端面の内周面側部に、磁性流体シール取
付用の円周凹部51dをそれぞれ同じ深さで設け、内筒
51bは、その両端面が両円周凹部51dの底面と同じ
軸方向位置となる長さに形成されている。また、内筒5
1bの両端面には、内周面側に円錐面状の潤滑流体だま
り51fが形成されている。そして、スリーブ51Bの
両端部の磁性流体シール8は、半径方向または軸方向に
磁化されたドーナツ板状の永久磁石81を円周凹部51
dに取付けた構造になっている。
【0026】図7に示すスリーブ51Cは、外筒51a
が内筒51bより軸方向長さが長く、両者を長さ方向の
中心を合わせて一体化することにより、外筒51aの内
周面と内筒51bの端面とによって円周凹部を形成し、
ここに二枚のポールピース82の間に永久磁石81を挟
んだ構造の磁性流体シール8が取付けてある。また、こ
のスリーブ51Cの動圧発生用の溝51cは、切削加工
により断面がほぼ矩形状となるように形成されている
が、図3に示すように、断面を円弧状に形成してもよ
い。
が内筒51bより軸方向長さが長く、両者を長さ方向の
中心を合わせて一体化することにより、外筒51aの内
周面と内筒51bの端面とによって円周凹部を形成し、
ここに二枚のポールピース82の間に永久磁石81を挟
んだ構造の磁性流体シール8が取付けてある。また、こ
のスリーブ51Cの動圧発生用の溝51cは、切削加工
により断面がほぼ矩形状となるように形成されている
が、図3に示すように、断面を円弧状に形成してもよ
い。
【0027】したがって、この第二実施形態では前記第
一実施形態の効果に加えて、磁性流体シール8の設置に
より、輸送時や回転時の潤滑流体の漏れや飛散が防止さ
れるため、スピンドルモータ11の信頼性および耐久性
が向上する効果がある。なお、ヘリングボーン状の溝5
1cを有する動圧軸受は潤滑流体を自己シールする機能
を有するため、前記第一実施形態のように磁性流体シー
ルを設けなくてもよい。しかしながら、特に、磁気ディ
スク装置用のスピンドルモータにおいては、磁気ディス
クとヘッドとの間の隙間が小さいため、回転中の潤滑流
体の飛散を極端に嫌うことから、磁性流体シールを設け
ることが好ましい。その際には、ハウジング4aのハブ
2側の端部にのみ磁性流体シール8を設けて、基台4b
側への設置はコスト削減のために省略してもよい。
一実施形態の効果に加えて、磁性流体シール8の設置に
より、輸送時や回転時の潤滑流体の漏れや飛散が防止さ
れるため、スピンドルモータ11の信頼性および耐久性
が向上する効果がある。なお、ヘリングボーン状の溝5
1cを有する動圧軸受は潤滑流体を自己シールする機能
を有するため、前記第一実施形態のように磁性流体シー
ルを設けなくてもよい。しかしながら、特に、磁気ディ
スク装置用のスピンドルモータにおいては、磁気ディス
クとヘッドとの間の隙間が小さいため、回転中の潤滑流
体の飛散を極端に嫌うことから、磁性流体シールを設け
ることが好ましい。その際には、ハウジング4aのハブ
2側の端部にのみ磁性流体シール8を設けて、基台4b
側への設置はコスト削減のために省略してもよい。
【0028】また、磁性流体シール8の構造としては、
図5〜7に示すいずれのものでもよいが、部品点数を少
なくしてコストを下げるという点では、図6に示すもの
が好ましく、永久磁石81としてプラスチック製磁石を
使用すると量産性に優れるため好ましい。また、前記各
スリーブ51A〜51Cには、潤滑流体だまり51fが
形成されているため、潤滑流体の飛散・蒸発による減少
を補うことができるため、スピンドルモータ11の耐久
性がさらに向上する。
図5〜7に示すいずれのものでもよいが、部品点数を少
なくしてコストを下げるという点では、図6に示すもの
が好ましく、永久磁石81としてプラスチック製磁石を
使用すると量産性に優れるため好ましい。また、前記各
スリーブ51A〜51Cには、潤滑流体だまり51fが
形成されているため、潤滑流体の飛散・蒸発による減少
を補うことができるため、スピンドルモータ11の耐久
性がさらに向上する。
【0029】また、ラジアル動圧軸受の潤滑流体として
磁性流体シールと同じ磁性流体を用いると、両者の混合
による性能の変化が生じないため好ましい。また、磁性
流体シールを用いる場合であっても、ラジアル動圧軸受
の潤滑流体として磁性流体でない通常の潤滑流体を用い
ることも当然に可能である。ただし、その場合には、磁
性流体の基油として、前記潤滑流体の基油と同一のもの
を用いることが好ましい。また、軸方向に離れた二箇所
に動圧軸受用スリーブ5をそれぞれ配置し、玉軸受6を
配置しなくてもよい。
磁性流体シールと同じ磁性流体を用いると、両者の混合
による性能の変化が生じないため好ましい。また、磁性
流体シールを用いる場合であっても、ラジアル動圧軸受
の潤滑流体として磁性流体でない通常の潤滑流体を用い
ることも当然に可能である。ただし、その場合には、磁
性流体の基油として、前記潤滑流体の基油と同一のもの
を用いることが好ましい。また、軸方向に離れた二箇所
に動圧軸受用スリーブ5をそれぞれ配置し、玉軸受6を
配置しなくてもよい。
【0030】また、この実施形態では、ハブ2が強磁性
体からなるため永久磁石9を基台4bに取り付けている
が、ハブ2が非磁性体からなる場合には永久磁石9をハ
ブ2に取り付けて、基台4bに強磁性体を取り付けてお
くこともできる。また、玉軸受への予圧負荷手段として
は、このような強磁性体と永久磁石との間の吸引力に加
えて、前記第一実施形態で採用したロータ7aとステー
タ7bとの間の吸引力を併用してもよい。
体からなるため永久磁石9を基台4bに取り付けている
が、ハブ2が非磁性体からなる場合には永久磁石9をハ
ブ2に取り付けて、基台4bに強磁性体を取り付けてお
くこともできる。また、玉軸受への予圧負荷手段として
は、このような強磁性体と永久磁石との間の吸引力に加
えて、前記第一実施形態で採用したロータ7aとステー
タ7bとの間の吸引力を併用してもよい。
【0031】なお、前記第一および第二実施形態におい
て、特に軸3がステンレス製の場合には、スリーブ5の
内筒5bの材質が銅系の焼結金属であると、起動・停止
時における軸3とスリーブ5内面との摺動性がよく、し
かも錆が発生し難いため好ましい。また、内筒5b用の
銅合金として、含油軸受と同じ黄銅の焼結金属を用いる
と、量産されている焼結金属を転用できるため、製造コ
ストが低減される。
て、特に軸3がステンレス製の場合には、スリーブ5の
内筒5bの材質が銅系の焼結金属であると、起動・停止
時における軸3とスリーブ5内面との摺動性がよく、し
かも錆が発生し難いため好ましい。また、内筒5b用の
銅合金として、含油軸受と同じ黄銅の焼結金属を用いる
と、量産されている焼結金属を転用できるため、製造コ
ストが低減される。
【0032】また、このような焼結金属を使用する場合
には、スリーブ5の内面に発生する動圧が逃げないよう
に気孔率の少ないものが好ましいが、気孔率を適度にコ
ントロールして潤滑流体を気孔部に保持させ、軸受面へ
潤滑流体を補給する構造としてもよい。また、スリーブ
5の内筒5bを、前述の焼結金属ではなく快削黄銅等の
切削加工や塑性加工により作製すれば、回転中に発生す
る動圧が逃げることがなく負荷容量が大きくなるため好
ましい。
には、スリーブ5の内面に発生する動圧が逃げないよう
に気孔率の少ないものが好ましいが、気孔率を適度にコ
ントロールして潤滑流体を気孔部に保持させ、軸受面へ
潤滑流体を補給する構造としてもよい。また、スリーブ
5の内筒5bを、前述の焼結金属ではなく快削黄銅等の
切削加工や塑性加工により作製すれば、回転中に発生す
る動圧が逃げることがなく負荷容量が大きくなるため好
ましい。
【0033】なお、前記第一および第二実施形態では、
スリーブ5,51を、別々に形成された硬い金属からな
る外筒5a,51aと軟質金属からなる内筒5b,51
bとを嵌め合いにより一体化した構造としたが、本発明
のスリーブはこれに限定されるものではなく、スリーブ
全体を浸炭鋼で形成し、その外周面と少なくとも一方の
端面に対して浸炭・熱処理を施して外層部分を硬化した
後、当該硬化処理がなされていない柔らかい内周面に前
述の手順で動圧発生用の溝を形成したものであってもよ
い。また、スリーブ5,51全体をSUS440、SU
J2等の焼入鋼で形成し、外層部分のみに高周波焼入れ
を施しても良い。
スリーブ5,51を、別々に形成された硬い金属からな
る外筒5a,51aと軟質金属からなる内筒5b,51
bとを嵌め合いにより一体化した構造としたが、本発明
のスリーブはこれに限定されるものではなく、スリーブ
全体を浸炭鋼で形成し、その外周面と少なくとも一方の
端面に対して浸炭・熱処理を施して外層部分を硬化した
後、当該硬化処理がなされていない柔らかい内周面に前
述の手順で動圧発生用の溝を形成したものであってもよ
い。また、スリーブ5,51全体をSUS440、SU
J2等の焼入鋼で形成し、外層部分のみに高周波焼入れ
を施しても良い。
【0034】図8〜10は本発明の第三〜第五実施形態
が適用されたスピンドルモータ12〜14を示す概略断
面図であって、前記第一および第二実施形態とは異な
り、スリーブ50全体をSUS440、SUJ2等の焼
入鋼で一体の円筒体に形成した後、当該円筒体の外周面
と少なくとも一方の端面とに対して高周波焼入れを施す
ことにより、外層部分のみをHR C20〜65の硬さに
硬化し、さらにその後、当該硬化処理がなされていない
内周面に対してボール転造により溝加工し、これにより
生じた内周面の盛り上がり除去を外周面基準で研削加工
してある。
が適用されたスピンドルモータ12〜14を示す概略断
面図であって、前記第一および第二実施形態とは異な
り、スリーブ50全体をSUS440、SUJ2等の焼
入鋼で一体の円筒体に形成した後、当該円筒体の外周面
と少なくとも一方の端面とに対して高周波焼入れを施す
ことにより、外層部分のみをHR C20〜65の硬さに
硬化し、さらにその後、当該硬化処理がなされていない
内周面に対してボール転造により溝加工し、これにより
生じた内周面の盛り上がり除去を外周面基準で研削加工
してある。
【0035】これらのスピンドルモータ12〜14は、
前記第一および第二実施形態のスピンドルモータ1,1
1とは異なり、基台4bに軸3を固定して、ハブ2と一
体に形成したハウジング4aおよびこのハウジング4a
に内嵌されたスリーブ50が回転する構造となってい
る。そのため、基台4bとハウジング4aとは別体に形
成され、基台4bの中心部分にハウジング4aを遊嵌す
る円筒体4cが一体に形成してあり、この円筒体4cの
外周面にステータ7bが取り付けてある。
前記第一および第二実施形態のスピンドルモータ1,1
1とは異なり、基台4bに軸3を固定して、ハブ2と一
体に形成したハウジング4aおよびこのハウジング4a
に内嵌されたスリーブ50が回転する構造となってい
る。そのため、基台4bとハウジング4aとは別体に形
成され、基台4bの中心部分にハウジング4aを遊嵌す
る円筒体4cが一体に形成してあり、この円筒体4cの
外周面にステータ7bが取り付けてある。
【0036】図8のスピンドルモータ12は、軸3とハ
ウジング4aとの間の軸方向に離れた二箇所にそれぞれ
動圧軸受用のスリーブ50が配置され、スリーブ50の
内周面と軸3の外周面とで構成されるラジアル動圧軸受
で、ラジアル荷重を受けている。このラジアル動圧軸受
の動圧発生用の溝は、前述のようにスリーブ50の内周
面に形成されている。
ウジング4aとの間の軸方向に離れた二箇所にそれぞれ
動圧軸受用のスリーブ50が配置され、スリーブ50の
内周面と軸3の外周面とで構成されるラジアル動圧軸受
で、ラジアル荷重を受けている。このラジアル動圧軸受
の動圧発生用の溝は、前述のようにスリーブ50の内周
面に形成されている。
【0037】また、この実施形態では、ハブ2とハウジ
ング4aとが一体に部材20として形成され、この部材
20のハウジング4a上端面に軸3の上端面を受けるス
ラストプレート17が設置されている。このスラストプ
レート17と軸3の上端面とで構成されるスラスト動圧
軸受でアキシアル荷重を受けている。このスラスト動圧
軸受の動圧発生用の溝は、軸3の上端面およびスラスト
プレート17の受け面のいずれに形成されていてもよ
い。
ング4aとが一体に部材20として形成され、この部材
20のハウジング4a上端面に軸3の上端面を受けるス
ラストプレート17が設置されている。このスラストプ
レート17と軸3の上端面とで構成されるスラスト動圧
軸受でアキシアル荷重を受けている。このスラスト動圧
軸受の動圧発生用の溝は、軸3の上端面およびスラスト
プレート17の受け面のいずれに形成されていてもよ
い。
【0038】したがって、この第三実施形態では、前記
第一および第二実施形態と同様に、転がり軸受の軌道輪
の加工設備によりスリーブ50の一方の端面を位置決め
して外周面をシューですべり支持しながら、外径基準に
より内周面を研削加工できる。これにより、スリーブ5
0の内外径の同軸度を極めて高いものとすることができ
る。また、このようにスリーブ50の内外径の同軸度が
高いため、ハウジング4aに組み込まれた際の他方のス
リーブ50との同軸度も高いものとなって、軸3の回転
精度が向上する。
第一および第二実施形態と同様に、転がり軸受の軌道輪
の加工設備によりスリーブ50の一方の端面を位置決め
して外周面をシューですべり支持しながら、外径基準に
より内周面を研削加工できる。これにより、スリーブ5
0の内外径の同軸度を極めて高いものとすることができ
る。また、このようにスリーブ50の内外径の同軸度が
高いため、ハウジング4aに組み込まれた際の他方のス
リーブ50との同軸度も高いものとなって、軸3の回転
精度が向上する。
【0039】これに加えて、前記第一および第二実施形
態とは異なり、スリーブ50が鉄系金属で一体の円筒体
に形成されて、熱処理により外層部分が内層部分より硬
く形成されているため、外層部分と内層部分とが別体で
形成された後に一体化された第一および第二実施形態と
比較して、製造コストをより一層低減することができる
効果がある。
態とは異なり、スリーブ50が鉄系金属で一体の円筒体
に形成されて、熱処理により外層部分が内層部分より硬
く形成されているため、外層部分と内層部分とが別体で
形成された後に一体化された第一および第二実施形態と
比較して、製造コストをより一層低減することができる
効果がある。
【0040】図9のスピンドルモータ13は、軸3とハ
ウジング4aとの間の軸方向に離れた二箇所のうち、下
側(基台4b側)に玉軸受が、上側(ハブ2の上端面
側)に動圧軸受用のスリーブ50が配置されている。こ
のスリーブ50の内周面と軸3の外周面とで構成される
ラジアル動圧軸受で、軸3の軸方向上端側(ハブ2側)
のラジアル荷重を受けている。
ウジング4aとの間の軸方向に離れた二箇所のうち、下
側(基台4b側)に玉軸受が、上側(ハブ2の上端面
側)に動圧軸受用のスリーブ50が配置されている。こ
のスリーブ50の内周面と軸3の外周面とで構成される
ラジアル動圧軸受で、軸3の軸方向上端側(ハブ2側)
のラジアル荷重を受けている。
【0041】また、この実施形態では、ハブ2とハウジ
ング4aが別体に形成され、ハブ2に長円筒体のハウジ
ング4aの上側部分が内嵌されている。また、このハウ
ジング4aの下側部分の内周面には、前記玉軸受の外輪
軌道面61が形成され、これに対応する軸3の外周面に
内輪軌道面62が形成されて、これらの軌道面61,6
2と両軌道面間に配置された玉63とで前記玉軸受が構
成されている。この玉軸受で、アキシアル荷重と軸3の
軸方向下端側(基台4b側)のラジアル荷重との両方を
受けている。
ング4aが別体に形成され、ハブ2に長円筒体のハウジ
ング4aの上側部分が内嵌されている。また、このハウ
ジング4aの下側部分の内周面には、前記玉軸受の外輪
軌道面61が形成され、これに対応する軸3の外周面に
内輪軌道面62が形成されて、これらの軌道面61,6
2と両軌道面間に配置された玉63とで前記玉軸受が構
成されている。この玉軸受で、アキシアル荷重と軸3の
軸方向下端側(基台4b側)のラジアル荷重との両方を
受けている。
【0042】この玉軸受に対する予圧は、ハブ2下端の
フランジ21の下面に設けた凹部21aに取り付けた吸
引用鉄板22と、基台4b上面のこれに対向する位置に
取り付けた磁石9との吸引力により与えられる。吸引用
鉄板22の代わりに磁石を取り付けて、磁石間の吸引力
で予圧を付与してもよく、ハブ2側(凹部21a)に磁
石を、基台4b側に鉄板を取り付けてもよい。また、固
定側(基台4b側)の磁石9は永久磁石であっても電磁
石であってもよい。
フランジ21の下面に設けた凹部21aに取り付けた吸
引用鉄板22と、基台4b上面のこれに対向する位置に
取り付けた磁石9との吸引力により与えられる。吸引用
鉄板22の代わりに磁石を取り付けて、磁石間の吸引力
で予圧を付与してもよく、ハブ2側(凹部21a)に磁
石を、基台4b側に鉄板を取り付けてもよい。また、固
定側(基台4b側)の磁石9は永久磁石であっても電磁
石であってもよい。
【0043】ハウジング4aをなす長円筒体内の長さ方
向両端面側(スリーブ50の上方および玉63の下方)
には、非接触シール80が設置してある。この非接触シ
ール80は、異物の混入防止と、組み込み時に軸受面以
外に付着した潤滑剤の初期飛散の防止のために設けてあ
り、非接触シール80に代えてラビリンスシールを設置
してもよい。
向両端面側(スリーブ50の上方および玉63の下方)
には、非接触シール80が設置してある。この非接触シ
ール80は、異物の混入防止と、組み込み時に軸受面以
外に付着した潤滑剤の初期飛散の防止のために設けてあ
り、非接触シール80に代えてラビリンスシールを設置
してもよい。
【0044】したがって、この第四実施形態では、第三
実施形態と同様に、スリーブ50の内周面を外径基準に
より研削加工できるため、スリーブ50の内外径の同軸
度を極めて高いものとすることができる。また、このよ
うにスリーブ50の内外径の同軸度が高いため、ハウジ
ング4aに組み込まれた際の玉軸受との同軸度も高いも
のとなって、軸3の回転精度が向上する。また、第三実
施形態と同様に、スリーブ50が一体の円筒体に形成さ
れて、熱処理により外層部分が内層部分より硬く形成さ
れているため、第一および第二実施形態と比較して、製
造コストをより一層低減することができる効果がある。
実施形態と同様に、スリーブ50の内周面を外径基準に
より研削加工できるため、スリーブ50の内外径の同軸
度を極めて高いものとすることができる。また、このよ
うにスリーブ50の内外径の同軸度が高いため、ハウジ
ング4aに組み込まれた際の玉軸受との同軸度も高いも
のとなって、軸3の回転精度が向上する。また、第三実
施形態と同様に、スリーブ50が一体の円筒体に形成さ
れて、熱処理により外層部分が内層部分より硬く形成さ
れているため、第一および第二実施形態と比較して、製
造コストをより一層低減することができる効果がある。
【0045】また、第一および第二実施形態と同様に、
他方の軸受(動圧軸受用スリーブ50以外の軸受)とし
て玉軸受を使用しているため、このスピンドルモータ1
3によれば、アキシアル負荷容量を大きくしながらモー
タの消費電力を低減することができるとともに、NRR
Oを小さくすることができる。なお、スリーブ50の内
周面にクラウニングが形成されていると、起動および停
止における振れ回りによってスリーブ50と軸3との接
触時に傷が発生することが防止されるため、好ましい。
他方の軸受(動圧軸受用スリーブ50以外の軸受)とし
て玉軸受を使用しているため、このスピンドルモータ1
3によれば、アキシアル負荷容量を大きくしながらモー
タの消費電力を低減することができるとともに、NRR
Oを小さくすることができる。なお、スリーブ50の内
周面にクラウニングが形成されていると、起動および停
止における振れ回りによってスリーブ50と軸3との接
触時に傷が発生することが防止されるため、好ましい。
【0046】図10のスピンドルモータ14は、軸3と
ハウジング4aとの間の軸方向に離れた二箇所のうち、
下側(基台4b側)に深溝玉軸受60が、上側(ハブ2
の上端面側)に動圧軸受用のスリーブ50が配置されて
いる。このスリーブ50の内周面と軸3の外周面とで構
成されるラジアル動圧軸受で、軸3の軸方向上端部(ハ
ブ2側)のラジアル荷重を受けている。また、深溝玉軸
受60で、アキシアル荷重と軸3の軸方向下端部のラジ
アル荷重との両方を受けている。さらに、この実施形態
では、ハブ2とハウジング4aとが一体に部材20とし
て形成されている。
ハウジング4aとの間の軸方向に離れた二箇所のうち、
下側(基台4b側)に深溝玉軸受60が、上側(ハブ2
の上端面側)に動圧軸受用のスリーブ50が配置されて
いる。このスリーブ50の内周面と軸3の外周面とで構
成されるラジアル動圧軸受で、軸3の軸方向上端部(ハ
ブ2側)のラジアル荷重を受けている。また、深溝玉軸
受60で、アキシアル荷重と軸3の軸方向下端部のラジ
アル荷重との両方を受けている。さらに、この実施形態
では、ハブ2とハウジング4aとが一体に部材20とし
て形成されている。
【0047】したがって、この第五実施形態では、前述
の第四実施形態と同様の効果に加えて、他方の軸受とし
て量産されている深溝玉軸受60を使用しているため
に、ハウジング4aや軸3に軌道面の形成が必要な第四
実施形態と比較して、コストを低く抑えることができる
という効果がある。なお、前記第四実施形態とは異なり
非接触シール80は設置されていないが、ダストの飛散
防止の点からは、ラジアル動圧軸受をなすスリーブ50
の上方に非接触シールやラビリンスシールを設けること
が好ましい。
の第四実施形態と同様の効果に加えて、他方の軸受とし
て量産されている深溝玉軸受60を使用しているため
に、ハウジング4aや軸3に軌道面の形成が必要な第四
実施形態と比較して、コストを低く抑えることができる
という効果がある。なお、前記第四実施形態とは異なり
非接触シール80は設置されていないが、ダストの飛散
防止の点からは、ラジアル動圧軸受をなすスリーブ50
の上方に非接触シールやラビリンスシールを設けること
が好ましい。
【0048】本発明のスリーブは上述のような第一〜第
五実施形態に示すものに限定されず、スリーブを一体の
円筒体に形成する他の実施形態としては、スリーブ全体
をアルミ合金で形成し、その外周面と少なくとも一方の
端面にアルマイト処理を施して外層部分を硬化した後、
当該硬化処理がなされていない柔らかい内周面に、前述
の手順で動圧発生用の溝を形成したものであってもよ
い。また、アルミ合金からなるスリーブの全体をアルマ
イト処理してスリーブ表面全体に硬化層を形成した後、
内周面のみから当該硬化層を除去して柔らかい内周面を
得、当該内周面に前述の手順で動圧発生用の溝を形成し
たものであってもよい。
五実施形態に示すものに限定されず、スリーブを一体の
円筒体に形成する他の実施形態としては、スリーブ全体
をアルミ合金で形成し、その外周面と少なくとも一方の
端面にアルマイト処理を施して外層部分を硬化した後、
当該硬化処理がなされていない柔らかい内周面に、前述
の手順で動圧発生用の溝を形成したものであってもよ
い。また、アルミ合金からなるスリーブの全体をアルマ
イト処理してスリーブ表面全体に硬化層を形成した後、
内周面のみから当該硬化層を除去して柔らかい内周面を
得、当該内周面に前述の手順で動圧発生用の溝を形成し
たものであってもよい。
【0049】また、ラジアル動圧軸受の潤滑流体として
導電性を有するものを用いると、スピンドルモータにお
ける、回転側部材と固定側部材との間のアース機能を確
実なものとすることができる。また、前記第一および第
二実施形態では、スピンドルモータ1,11をハブ2と
一体に軸3が回転する構造にしてあることから、ハウジ
ング4aが回転する場合と比較すると、遠心力が小さい
ことに起因して回転中の潤滑流体の飛散が少ないため、
磁性流体シールを省略してもほとんど潤滑流体が飛散し
ないようにできる利点がある。
導電性を有するものを用いると、スピンドルモータにお
ける、回転側部材と固定側部材との間のアース機能を確
実なものとすることができる。また、前記第一および第
二実施形態では、スピンドルモータ1,11をハブ2と
一体に軸3が回転する構造にしてあることから、ハウジ
ング4aが回転する場合と比較すると、遠心力が小さい
ことに起因して回転中の潤滑流体の飛散が少ないため、
磁性流体シールを省略してもほとんど潤滑流体が飛散し
ないようにできる利点がある。
【0050】なお、前記第一および第二実施形態のよう
に軸3回転の場合には、ロータ7aとステータ7bとの
いずれか一方はハウジング4aに直接または間接的に取
り付けられ、他方は軸3に直接または間接的に取り付け
られて一方と対向配置されていてもよい。一方、スピン
ドルモータが、前記第三、第四、および第五実施形態の
ように、ハウジング4aをハブ2に固定または一体化し
てハウジング4aが回転する構造であれば、回転するハ
ウジング4aの軸方向両端部が、ラジアル動圧軸受(ス
リーブ50)および玉軸受(第三実施形態では二つのラ
ジアル動圧軸受)を介して固定軸に支持されるため、二
箇所の軸受の軸方向外側より軸方向中間にラジアル荷重
が加わるので、前記第一および第二実施形態の場合と比
較して、ハウジング4aの振れ回りを小さくできる利点
がある。
に軸3回転の場合には、ロータ7aとステータ7bとの
いずれか一方はハウジング4aに直接または間接的に取
り付けられ、他方は軸3に直接または間接的に取り付け
られて一方と対向配置されていてもよい。一方、スピン
ドルモータが、前記第三、第四、および第五実施形態の
ように、ハウジング4aをハブ2に固定または一体化し
てハウジング4aが回転する構造であれば、回転するハ
ウジング4aの軸方向両端部が、ラジアル動圧軸受(ス
リーブ50)および玉軸受(第三実施形態では二つのラ
ジアル動圧軸受)を介して固定軸に支持されるため、二
箇所の軸受の軸方向外側より軸方向中間にラジアル荷重
が加わるので、前記第一および第二実施形態の場合と比
較して、ハウジング4aの振れ回りを小さくできる利点
がある。
【0051】また、スピンドルモータを横置きで使用す
る場合には、ハブ2側にかかるラジアル荷重が大きいた
め、ハウジング4aのハブ2側に玉軸受を、基台4b側
に動圧軸受を配置することが好ましい。すなわち、ラジ
アル荷重が大きいと動圧軸受部の起動・停止に対する耐
久性が問題となるが、ハブ2側に玉軸受を配置すること
によりこの問題を軽減できる。なお、このような配置に
すると、ハウジング4aのハブ2側に動圧軸受を、基台
4b側に玉軸受を配置する場合に比べて、ハブ2が玉軸
受の影響を受けやすいことからNRRO低減効果は小さ
くなるが、玉軸受を二つ使用する場合との比較において
は、スピンドルモータのNRRO劣化の原因である組立
誤差の影響を受けにくい分だけNRROは低減される。
る場合には、ハブ2側にかかるラジアル荷重が大きいた
め、ハウジング4aのハブ2側に玉軸受を、基台4b側
に動圧軸受を配置することが好ましい。すなわち、ラジ
アル荷重が大きいと動圧軸受部の起動・停止に対する耐
久性が問題となるが、ハブ2側に玉軸受を配置すること
によりこの問題を軽減できる。なお、このような配置に
すると、ハウジング4aのハブ2側に動圧軸受を、基台
4b側に玉軸受を配置する場合に比べて、ハブ2が玉軸
受の影響を受けやすいことからNRRO低減効果は小さ
くなるが、玉軸受を二つ使用する場合との比較において
は、スピンドルモータのNRRO劣化の原因である組立
誤差の影響を受けにくい分だけNRROは低減される。
【0052】また、玉軸受は潤滑流体を有する動圧軸受
より低摩擦でラジアル負荷容量およびアキシアル負荷容
量が大きいので、前記第一、第二、第四、および第五の
各実施形態の軸受装置は、低トルクでモータの消費電力
の低減が可能な軸受装置となる。
より低摩擦でラジアル負荷容量およびアキシアル負荷容
量が大きいので、前記第一、第二、第四、および第五の
各実施形態の軸受装置は、低トルクでモータの消費電力
の低減が可能な軸受装置となる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
動圧軸受用スリーブが、内外径の同軸度が高いとともに
動圧発生用溝が加工し易いものであるため、低コスト、
高性能で組立精度の高い軸受装置が得られる。特に、請
求項2のように、前記スリーブが鉄系金属で一体の円筒
体に形成されて、外層部分が熱処理により内層部分より
硬く形成されていると、外層部分と内層部分とが別体で
形成された後に一体化されたものと比較して、製造コス
トをより一層低減することができる。
動圧軸受用スリーブが、内外径の同軸度が高いとともに
動圧発生用溝が加工し易いものであるため、低コスト、
高性能で組立精度の高い軸受装置が得られる。特に、請
求項2のように、前記スリーブが鉄系金属で一体の円筒
体に形成されて、外層部分が熱処理により内層部分より
硬く形成されていると、外層部分と内層部分とが別体で
形成された後に一体化されたものと比較して、製造コス
トをより一層低減することができる。
【図1】本発明の第一実施形態の軸受装置が適用された
スピンドルモータを示す概略断面図である。
スピンドルモータを示す概略断面図である。
【図2】第一実施形態の軸受装置に使用された動圧軸受
用スリーブの一例を示す概略断面図である。
用スリーブの一例を示す概略断面図である。
【図3】第一実施形態の軸受装置に使用された動圧軸受
用スリーブの別の例を示す概略断面図である。
用スリーブの別の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の第二実施形態の軸受装置が適用された
スピンドルモータを示す概略断面図である。
スピンドルモータを示す概略断面図である。
【図5】第二実施形態の軸受装置に使用された動圧軸受
用スリーブの一例を示す概略断面図である。
用スリーブの一例を示す概略断面図である。
【図6】第二実施形態の軸受装置に使用された動圧軸受
用スリーブの別の例を示す概略断面図である。
用スリーブの別の例を示す概略断面図である。
【図7】第二実施形態の軸受装置に使用された動圧軸受
用スリーブの別の例を示す概略断面図である。
用スリーブの別の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の第三実施形態の軸受装置が適用された
スピンドルモータを示す概略断面図である。
スピンドルモータを示す概略断面図である。
【図9】本発明の第四実施形態の軸受装置が適用された
スピンドルモータを示す概略断面図である。
スピンドルモータを示す概略断面図である。
【図10】本発明の第五実施形態の軸受装置が適用され
たスピンドルモータを示す概略断面図である。
たスピンドルモータを示す概略断面図である。
【図11】スピンドルモータの従来例を示す概略断面図
である。
である。
【図12】スピンドルモータの別の従来例を示す概略断
面図である。
面図である。
3 軸 4a ハウジング 5 スリーブ 50 スリーブ 51A スリーブ 51B スリーブ 51C スリーブ 5a 外筒(外層部分) 5b 内筒(内層部分) 5c 動圧発生用の溝 51a 外筒(外層部分) 51b 内筒(内層部分) 51c 動圧発生用の溝
Claims (2)
- 【請求項1】 ハウジングの内周に軸を配設し、該軸と
ハウジングとの間には軸方向に離れた二箇所に軸受をそ
れぞれ配置し、該二箇所の軸受のうちの少なくとも一方
の軸受は、ハウジングに内挿されて固定される円筒形状
の動圧軸受用スリーブであり、該スリーブは、外周面お
よびその近傍からなる外層部分が、内周面およびその近
傍からなる内層部分より硬いとともに、内周面に動圧発
生用の溝が設けられている軸受装置。 - 【請求項2】 前記スリーブは鉄系金属で一体の円筒体
に形成され、前記外層部分は、該円筒体の外周面と少な
くとも一方の端面とに対して熱処理を施すことにより前
記内層部分より硬く形成されたものであることを特徴と
する請求項1記載の軸受装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31833195A JPH09151939A (ja) | 1995-09-26 | 1995-12-06 | 軸受装置 |
US08/721,345 US5683183A (en) | 1995-09-26 | 1996-09-26 | Spindle device and bearing device therefor |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24794495 | 1995-09-26 | ||
JP7-247944 | 1995-09-26 | ||
JP31833195A JPH09151939A (ja) | 1995-09-26 | 1995-12-06 | 軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09151939A true JPH09151939A (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=26538495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31833195A Pending JPH09151939A (ja) | 1995-09-26 | 1995-12-06 | 軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09151939A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11247850A (ja) * | 1998-03-02 | 1999-09-14 | Minebea Co Ltd | 複合軸受け |
JP2000055038A (ja) * | 1998-07-28 | 2000-02-22 | Samsung Electronics Co Ltd | 軸受装置及びこれを適用したスピンドルモ―タ組立体 |
-
1995
- 1995-12-06 JP JP31833195A patent/JPH09151939A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11247850A (ja) * | 1998-03-02 | 1999-09-14 | Minebea Co Ltd | 複合軸受け |
JP2000055038A (ja) * | 1998-07-28 | 2000-02-22 | Samsung Electronics Co Ltd | 軸受装置及びこれを適用したスピンドルモ―タ組立体 |
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