JP3392212B2 - 多孔質含油軸受ユニット及びこれを備えたモータ並びに多孔質含油軸受ユニットの製造方法 - Google Patents

多孔質含油軸受ユニット及びこれを備えたモータ並びに多孔質含油軸受ユニットの製造方法

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JP3392212B2
JP3392212B2 JP09220394A JP9220394A JP3392212B2 JP 3392212 B2 JP3392212 B2 JP 3392212B2 JP 09220394 A JP09220394 A JP 09220394A JP 9220394 A JP9220394 A JP 9220394A JP 3392212 B2 JP3392212 B2 JP 3392212B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性流体を潤滑剤とし
て使用する軸受ユニットに係り、特に、静音で高速、高
精度な回転が要求される音響、映像機器用のモータ、レ
ーザ走査用ポリゴンモータ、空調用のファンモータ、磁
気ディスクドライブ用のスピンドルモータに好適な多孔
質含油軸受ユニットおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転軸の軸受としては、従来から転がり
軸受、滑り軸受が使用され、高速回転が要求されるもの
では、空気磁気軸受などが使用されている。ところで、
音響機器、映像機器、レーザビームプリンタ、磁気ディ
スク装置、あるいは空調機器では、最近品質の大幅な向
上に伴い、それらに使用されるモータには高速で高精度
な回転が要求されるようになった。従来、この種のモー
タの軸受には一般に転がり軸受が使用されており、低コ
スト化が必要とされる場合には滑り軸受として多孔質含
油軸受が使用されている。また、特性及びコストのバラ
ンスを考慮して転がり軸受と多孔質含油軸受を組み合わ
せて使用されているものもある。
【0003】この多孔質含油軸受として、特開昭55−
30562号公報、特開昭59−126114号公報、
あるいは特開昭59−151618号公報記載の磁性流
体を利用した軸受機構も知られている。この公知の磁性
流体を使用した軸受機構は、磁性流体を軸受の潤滑とシ
ールに利用したものであり、その機構の大半は磁性流体
シールの有効性を示したものである。
【0004】このうち特開昭55−30562号公報開
示の技術は、永久磁石の両極に接して対向するヨーク
を、少なくとも移動体の一部を微小なすきまをおいて設
置するとともにヨークの対向面間に多孔質体を設置し、
この多孔質体に磁性流体を含浸させたものである。特開
昭59−126114号公報開示の技術は、摺動面を形
成する含浸材料に磁性流体を含浸させるとともに、永久
磁石等を介在させてなる磁気回路による磁気勾配によ
て含浸材料に含浸された磁性流体を摺動面に集中保持さ
せるようにしたものである。また、特開昭59−151
618号公報開示の技術は、回転軸と軸受間に永久磁石
による磁気的反発力を作用させるとともに、磁石の磁束
によって磁性流体の潤滑膜を形成するように構成された
ものである。すなわち、これらの公知の軸受機構では永
久磁石を配置して軸受摺動面に磁性流体を保持して潤滑
させ、ラジアル方向の軸受として機能するようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、転がり軸受
は高速回転で使用すると、玉通過振動や回転音が増大す
るなどの特性上の問題が生じ、高速回転の支持について
は特性の大幅な向上が期待できないことが分かった。ま
た、高精度回転を維持するには玉、内輪、外輪等の部品
の加工精度を高める必要があり、コストも高くならざる
をえなかった。
【0006】一方、多孔質含油軸受はコスト的に安価で
あり、高精度の品質は得られるものの一般に混合潤滑で
使用するため、流体潤滑条件に比較して摩擦係数が高く
なり消費電力などに問題があった。また、静摩擦と動摩
擦の差が大きく、特に短時間で定常の回転に起動できな
いおそれがあった。さらに、多孔質含油軸受においては
スラスト受けのように平面同士の摺動の場合、多孔質含
油軸受本来の特徴である潤滑油の滲み出しが少ないため
に十分な潤滑が期待できず、起動トルクが過大になるこ
とがあり、VTR用シリンダーモータのような音響、映
像機器用のモータには適用することができなかった。
【0007】また、前述の磁性流体を使用した軸受にお
いては、いずれも永久磁石を使用した磁気回路を利用し
て磁性流体を保持しているが、前二者では、静止側に永
久磁石を配置して潤滑し、後一者では、静止側と回転体
側の両方に永久磁石が対向するように配置して磁性流体
を保持している。いずれにしてもこのような軸受機構は
ラジアル方向とスラスト方向の荷重を個々に受けるよう
に構成され、1つの軸受で両方向の荷重を受けるように
は構成されていない。
【0008】また、このように永久磁石を利用したシー
ルの他に、機械的に磁性流体をシールするようなシール
部を設け、このシール部間に磁性流体を封入して潤滑す
る方式がられている。しかし、磁性流体を封入した場
合は軸受部の温度上昇等によって磁性流体が体積膨張
し、高速回転時にシール部から飛散する問題がある。し
たがって、磁性流体をシールするための特別なシール機
構を設ける必要があり、構造が複雑となり軸受ユニット
の小型化、薄型化が難しくなるばかりでなく、磁性流体
を適正量封入するための厳しい管理法や作業工程が必要
となる。このように、従来の軸受にあっては、軸受の性
能や信頼性及びコスト等が高速、高精度回転のモータを
開発する上で障害となっていた。
【0009】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、1つの軸受でラジア
ル方向とスラスト方向の荷重を受けることができ、軸受
部の温度上昇による不都合を回避することが可能で、磁
性流体のシールを確実に行える高速、高回転に対応でき
るコストの安い軸受ユニットを提供することにある。ま
た、第2の目的は、高速、高回転に対応できるコストの
安い軸受ユニットを備えたモータを提供することにあ
る。さらに、第3の目的は、この軸受ユニットを簡単に
製造できる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、第1の手段は、回転軸と軸受との間に磁性流体
を介在させて回転自在に回転軸を支持する多孔質含油軸
受ユニットにおいて、回転軸に固着されたリング状の永
久磁石と、潤滑用の磁性流体を含有し、前記永久磁石の
軸方向の端面に隣接する位置にそれぞれ設けられた第1
及び第2の多孔質含油軸受と、前記第1及び第2の多孔
質含油軸受がそれぞれ内面に装着された第1及び第2の
ハウジングとを備え、前記第1及び第2の多孔質軸受が
前記永久磁石の端面と所定のすきまで対向するように前
記第1及び第2のハウジングを接合し、前記磁性流体が
前記永久磁石の端面とこの永久磁石に対向する多孔質軸
受の端面との間の間隙と、前記回転軸の外周面と前記多
孔質軸受の内周面との間の間隙に滲み出し、回転軸の回
転によって前記磁性流体が潤滑面と多孔質含油軸受間を
循環するように構成されていることを特徴とする。
【0011】この場合、永久磁石を挟むように多孔質含
油軸受を配置するとよい。また、回転軸を透磁性材料か
ら形成し、多孔質含油軸受を非磁性材料から構成しても
よく、この逆でもよい。
【0012】さらに、多孔質含油軸受と永久磁石との対
向面のいずれか一方に凹部と凸部を形成し、油膜の楔効
果を得るようにすることもできる。また、スラスト方向
耗を考慮して、摩擦係数が低く、耐耗性に優れた
環状の薄板を前記回転軸に挿通し、前記永久磁石の端面
と、この端面に対向する多孔質含油軸受の端面との間隙
に位置するように設けることもできる。また、多孔質含
油軸受の軸受ユニットのハウジングの両端部側に、磁性
流体を捕捉し、保持するための永久磁石をさらに備えて
も、その外側に、さらに押さえ板を設けるようにしても
よい。ハウジングとしては、組立性を考慮して、一方の
多孔質含油軸受を備えた部分と、他方の多孔質含油軸受
を備えた部分との2部材に分けて形成し、互いに対向す
る端面に接合部を設け、最終的な組立時に接合部で接合
するようにすることもできる。
【0013】なお、第2の目的を達成するため、第2の
手段として、モータの回転子と一体に回転する回転軸の
軸受にこの多孔質含油軸受ユニットを使用するとよい。
【0014】また、第3の目的を達成するため、第3の
手段は、あらかじめ内径面を所定の寸法に仕上げられた
第1及び第2の一対のハウジングのそれぞれの内面に潤
滑用の磁性流体を含有した第1及び第2の多孔質含油軸
受をそれぞれ嵌着させ、永久磁石が外周面に固着された
回転軸を第1のハウジングに嵌着された第1の多孔質含
油軸受の内面の潤滑面に挿入した後、第2のハウジング
第2の多孔質含油軸受の内面の潤滑面を回転軸の外周
に挿入し、次いで、両ハウジングの対向する端面の接合
部を当接させて両者を接合して一体に形成することを特
徴とする
【0015】この場合、多孔質含油軸受のラジアル方向
の潤滑面の寸法及び形状は、サイジングピンを圧入する
ことによって形成することが精度上及び効率上好まし
い。
【0016】
【作用】第1の手段では、回転軸にリング状の永久磁石
を固定し、磁性流体を含有した多孔質含油軸受を用いて
いるのでスラスト受部には永久磁石によって磁化された
磁性流体が捕捉される。特に、透磁性の回転軸の場合は
リング状の永久磁石によって着磁されるので、回転軸表
面に磁性流体が吸着するため、起動停止が繰り返えされ
たとしても金属接触のおそれはない。また、ラジアル軸
受部においては軸の回転によって多孔質含油軸受本来の
ポンプ作用や軸受と軸との摩擦熱等によって多孔質含油
軸受に含有された磁性流体が滲み出し、スラスト、ラジ
アルそれぞれの軸受部が磁性流体で潤されるのでスラス
ト方向およびラジアル方向の荷重を1つの軸受部で受
け、それらの摺動面で流体潤滑が可能となる。
【0017】また、回転軸にリング状の永久磁石が固定
され、その両端に磁性流体を含油した多孔質含油軸受を
配置すると、軸が回転したときにスラスト受部で磁化さ
れた磁性流体が遠心力を受けて外周側に押し出される
が、押し出された磁性流体は多孔質の含油軸受に吸収さ
れる。多孔質含油軸受は前述のように本来のポンプ作用
軸受と軸との摩擦熱等により多孔質含油軸受に含有さ
れた磁性流体を摺動面へ供給すると同時に吸収するの
で、摺動面への供給と吸収作用によって軸受ユニット内
ではラジアル軸受部とスラスト軸受部で磁性流体が循環
することになる。
【0018】したがって、回転軸の中央部に磁性流体が
捕捉されながら循環を繰り返し、これによって軸受ユニ
ット外への磁性流体の飛散や漏れが起こらず、シール性
に優れた軸受ユニットとなる。また、この構成によりラ
ジアル方向及びスラスト方向の荷重を同時に受けること
ができるほか、スラスト受部は軸方向の荷重に対してい
ずれの方向の荷重も支持できるので、モータを縦置き、
横置きいずれの方向の設置に対しても使用できる。その
際、上記のように特別なシールを設けなくても磁性流体
が流出することはなく、それゆえ、潤滑不良になるおそ
れもない。しかし、毎分数千回転以上の高速回転で使用
する場合は、回転軸からの遠心力により磁性流体が飛散
するおそれがないとは限らないので、軸受ハウジングの
両端部にリング状の永久磁石を設け、永久磁石間で捕捉
させて、より確実なシールを行うようにしてもよい。
【0019】また、上記構成の軸受ユニットでは、永久
磁石を回転軸に配置しているので多孔質含油軸受と回転
軸の材質との組合せによって、特性の選択が可能にな
る。すなわち、多孔質含油軸受の中でも透磁性の焼結軸
受(鉄系の焼結軸受)と非磁性の回転軸の組合せの場合
は軸受が永久磁石によって磁化されるので、ラジアル軸
受部に比較してスラスト軸受部により多くの磁性流体が
捕捉され、耐スラスト荷重性能を向上させることができ
る。逆に、透磁性の回転軸と非磁性の多孔質含油軸受
(例えば銅系の焼結軸受)の組合せの場合は、回転軸が
永久磁石によって磁化されるので、スラスト軸受部に比
較してラジアル軸受部により多くの磁性流体が捕捉さ
れ、耐ラジアル荷重性能を向上させることができる。
【0020】さらに、それぞれの軸受部の摺動面に凹部
及び凸部を設けることによって油膜の楔効果による動圧
発生が高まり、耐荷重性の向上が可能となる。したがっ
て、回転軸の軸振れを小さく押さえることができるよう
になり、回転精度の高いモータを構成することができ
る。また、スラスト軸受部においてリング状の永久磁石
と多孔質含油軸受の間にワッシャを介在させると、スラ
スト軸受部の摩擦係数をさらに小さくすることが可能と
なるばかりでなく耐摩耗性が向上する。このため、一般
に使用されている永久磁石より摩擦係数が低く、耐摩耗
性に優れたワッシャを永久磁石の両端面に介在させ、ス
ラスト摺動面の摩擦、摩耗の軽減を図るとよい。
【0021】第2の手段では、上記の理由により潤滑性
及び冷却性に優れ、振動も非常に小さく抑えることがで
き、優れた回転精度を得ることが可能になるため、音響
・映像機器に使用されるシリンダモータ、空調や機器の
冷却に使用されるファンを回転させるファンモータ、磁
気ディスクドライブで磁気媒体を回転させるスピンドル
モータ、画像形成装置で光書き込み用のレーザビームを
走査するポゴンミラーを回転させるポリゴンモータな
どように、静音性、高速性、低振動性などが要求される
モータ類の回転軸の軸受に要求される特性を確実に発揮
できる。
【0022】第3の手段では、先ず寸法精度を高めるた
めにそれぞれの軸受ハウジングに所定の形状に成形した
多孔質含油軸受をサイジングピンを用いて圧入し、同時
に内径の真円度及び寸法をμmオーダの精度で組み立て
ておく。そして、永久磁石を固定した回転軸の両端部よ
り2個の軸受ハウジングを嵌合ないしは接着して軸受ユ
ニットとして組み立てる。これにより容易に軸受ハウジ
ングの寸法から所定のスラスト受面のすきまに設定する
ことができる。また、軸受の圧入時に軸受内径面の気孔
分布の調整ができるので、精度の高い寸法が得られると
同時に磁性流体の含有量も調整でき、高速回転用や高荷
重用などの使用条件に適した軸受ユニットを低コストで
製造することができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明の実施例につい
て説明する。 〔第1実施例〕図1は、本発明の第1の実施例に係る軸
受ユニットの構造を示す断面図である。同図において、
この軸受ユニット1は、2つの部材からなる軸受ハウジ
ング4a,4bの内面にそれぞれ装着された磁性流体を
含有する2個の多孔質含油軸受3a,3bと、この多孔
質含油軸受3a,3bに回転自在に支持され、外周部に
リング状の永久磁石5が嵌着された回転軸2とを備えて
いる。多孔質含油軸受3a,3bは永久磁石5を挾むよ
うにそれぞれの軸受ハウジング4a,4bの両端に配置
されている。これによって、それぞれの多孔質含油軸受
3a,3bの永久磁石5と対応する端面Sと永久磁石5
の端面Tとでスラスト軸受を構成し、両多孔質含油軸受
3a,3bの内周面Uと回転軸2の外周面Vとでラジア
ル軸受を構成している。多孔質含油軸受3a,3bのラ
ジアル受面とスラスト受面は潤滑剤としての磁性流体6
で潤されている。
【0024】多孔質含油軸受3a,3bは、端面Sに図
4に示すように凸部S1 と凹部S2を図3に示すように
円周方向に沿って3か所形成しておき、軸受ハウジング
4a,4bに圧入して、軸受ハウジング4a,4bに対
して強固に取り付ける。なお、多孔質含油軸受3a,3
bの内周面Uは、後述するがサイジングピンによってそ
の形状と寸法が仕上げられる。
【0025】軸受ハウジング4a,4bは、図において
中央部にこの実施例の場合には段状に形成された接合部
rを設け、当該接合部rを突き合わせて接合することに
よって1つの軸受ハウジング4を構成するようになって
いる。したがって、軸受端面Sと永久磁石5の端面Tで
構成されるすきまcは、軸受ハウジング4a,4bの寸
法によって設定できるほか、軸受は機械加工を必要とす
ることなく、量産に適したものとなっている。これによ
って組立性を含め製作コストが抑えられ安価になる。
【0026】軸受3a,3bの荷重支持能力について
は、前述の多孔質含油軸受3a,3bのラジアル方向の
摺動面(内周面)Uに凹部と凸部を設けて荷重支持能力
をさらに高めている。すなわち、図1のI−I線断面図
である図2に示すようにラジアル軸受面には油溝7を設
けており、回転中の荷重支持能力を高めるために油溝7
の入り口部のすきまdを油溝間の最小すきまeよりも広
く設定して周方向に対して楔形状の三円弧軸受を構成し
ている。
【0027】スラスト受面(端面S)に対しては、前述
のように凹部S2 及び凸部S1 を設け、テーパランド
軸受にしている。すなわち、図3のII−II線断面展開図
である図4に示すように凹部S2 から凸部S1 に向けて
楔形状をなし、凸部S1 が平行平面の摺動面となってい
る。なお、凹部S2 と凸部S1 の形状は、テーパランド
軸受以外に、例えば凹部S2 が凸部S1 に対して平行な
底面形状に形成されたステップ軸受としてもよい。
【0028】したがって、この構成によれば、回転軸2
に固定した永久磁石5によって磁性流体6を軸受の摺動
面に捕捉するとともに、図1に示すように摺動面に捕捉
された磁性流体6は軸の回転によって遠心力を受けて永
久磁石5の外周部に押し出され、押し出された磁性流体
6は多孔質含油軸受3a,3bに吸収されるようになっ
ている。そして、これが繰り返されることから、軸受ハ
ウジング4内で磁性流体6が循環すると同時に摺動面の
発熱によって温度上昇した磁性流体6が軸受ハウジング
4部で放熱されるため冷却効果が発揮され、磁性流体6
の熱安定性も維持できる。
【0029】一般に、磁性流体6の許容温度は最大10
0℃といわれており、特に高速回転では温度の制約から
軸受の冷却に対して配慮する必要があるが、この実施例
のように磁性流体6が潤滑面から多孔質含油軸受3a,
3bを循環する機能を持たせることによって、磁性流体
6の冷却は効率的に行える。また、軸受の荷重支持能力
に対しては、それぞれの摺動面に動圧発生用の凹部、凸
部を設けているので流体潤滑で回転軸2を精度よく支持
できる。特に、高速回転では流体潤滑による円滑な回転
がなされるので回転音が小さく、モータに適用すると静
音性に優れたモータとなる。さらに、磁性流体6が軸受
の摺動面に確実に捕捉されるために、回転軸と軸受材質
の組合せの選定ができる。すなわち、透磁性の回転軸2
と非磁性の多孔質含油軸受3a,3bの組合せにおいて
は、回転軸2が永久磁石5によって着磁されるので、静
止状態においてもラジアル軸受部を磁性流体6で潤すこ
とができ、耐ラジアル荷重性を大きくすることができ
る。また、非磁性の回転軸2と透磁性の多孔質含油軸受
3a,3bの組合せにおいては、スラスト摺動面に磁束
が集中するので、スラスト荷重の高い使用条件に適して
おり、起動特性のよいモータとすることができる。
【0030】〔第2実施例〕図5は、第2の実施例に係
る軸受ユニットの構造を示す断面図である。この実施例
が前述の第1の実施例と異なるのは、永久磁石5の両端
面にリング状のワッシャ8a,8bを配置した点にあ
り、他の各部は第1の実施例と同等に構成されている。
この実施例においてワッシャ8a,8bは、特にスラス
ト荷重を受けたときの摩擦軽減のために配置したもの
で、永久磁石5よりも摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れ
た摺動材料を使用することが好ましい。この実施例に係
る軸受ユニットにおいては、磁性流体6を潤滑に利用し
ているので、特に低摩擦材料や耐摩耗性に優れたワッシ
ャ8a,8bを介在させなくても摺動面に磁性流体が吸
着するため、油切れがなく実質的には摩擦係数が低くな
る。これにより耐摩耗性が向上するが、スラスト荷重が
大きい場合は起動時に混合潤滑になることがある。そこ
で、起動時の摩擦及び摩耗軽減を図るためにワッシャ8
a,8bを配置している。ワッシャ8a,8bの材質と
してはりん青銅やステンレス鋼等の金属やナイロン、ポ
リアセタール、テフロン強化樹脂等の樹脂が好ましい。
なお、軸方向の吸振を必要とする場合は、ゴムなどの緩
衝材を併用すると摩擦、摩耗と同時に耐振性の向上も図
ることができる。その他、特に説明しない各部は第1の
実施例と同様に構成されている。
【0031】〔第3実施例〕図6は、第3の実施例に係
る軸受ユニットの構造を示す断面図である。この実施例
は、図5に示した第2の実施例における軸受ユニットに
対してさらにシール性を高めた構造を示したもので、第
2の実施例と異なるのは、軸受ハウジング4a,4bの
永久磁石5配設側の反対側の端部に磁性流体6を保持し
シールするシール用のリング状永久磁石9a.9bを設
け、さらにその外側に押さえ板10a,10bを配置し
た点にある。このように構成することによって、永久磁
石5及び9a,9bと透磁性の回転軸2の組合せで図6
において点線で示す磁気回路を構成し、軸受摺動面に磁
性流体6を捕捉させると同時に、軸受ハウジング4a,
4bの端部に配置した永久磁石9a,9bの両者で磁性
流体6を捕捉して軸受ハウジング4a,4b外に磁性流
体6が流出したり飛散することを防止している。
【0032】すなわち、軸受やモータの発熱によって多
孔質含油軸受3a,3b内の磁性流体6が体積膨張して
滲み出すが、毎分数千回転以上の高速回転で使用すると
軸の回転によるポンプ作用だけでは多孔質含油軸受3
a,3b内に完全に吸収できず、軸受端部に溢れ出るお
それがある。もし、磁性流体6が軸受端部に溢れ出る
と、溢れ出た磁性流体6は、遠心力を受けて飛散する。
しかし、このように軸受ハウジング4a,4bの端部に
リング状永久磁石9a,9b及び押さえ板10a,10
bを配置しておくと、磁性流体6は前述の磁気回路内で
捕捉され、確実なシールが行われる。その他、特に説明
しない各部は第2の実施例と同様に構成されている。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】〔第実施例〕 図は第の実施例に係るシリンダモータの断面図であ
る。このシリンダモータは、図6の第3の実施例に係る
軸受ユニットを使用したものである。シリンダモータ
は、音響・映像機器としてVTRやDAT(ディジタル
オーディオテープレコーダ)用シリンダロータを回転駆
動するもので、情報の記録部を有するシリンダロータ1
1にはロータヨーク13を介してモータのメインマグネ
ット14が固定されている。また、軸受ハウジング4b
のフランジ部分の上面にはステータヨーク16を介して
モータのコイル15が配置されていて、シリンダロータ
11が多孔質含油軸受3a及び3bによって回転自在に
支持されている。すなわち、図において下側の軸受ハウ
ジング4bの内周面には、下から押さえ板10b、永久
磁石9b及び多孔質含油軸受3bが嵌着され、上側の軸
受ハウジング4aには、上から押さえ板10a、永久磁
石9a及び多孔質含油軸受3aが嵌着されている。一
方、回転軸2には、中央部にリング状の永久磁石5が嵌
着されている。このリング状の永久磁石5の端面には同
じくリング状のワッシャ8a,8bが取り付けられてい
る。
【0039】このように構成されたシリンダモータで
は、まず軸受ハウジング4bの多孔質含油軸受3bの開
口部分に永久磁石5を備えた回転軸2を挿入する。そし
て、その上から上側の軸受ハウジング4aの多孔質含油
軸受3aの開口部を回転軸2に挿入し、接合部rで両者
を接合して回転軸2の軸受として機能させる。次いで、
下面外周にロータヨーク13を介してメインマグネット
14が取り付けられたシリンダロータ11を回転軸2の
上端部に固着し、また、下側の軸受ハウジング4bの下
端の開口部には蓋12を取り付ける。これによってシリ
ンダロータ11を備えたシリンダモータが組み立てられ
る。
【0040】本モータは、上記したように回転軸2を前
述の第3の実施例に係る軸受ユニット1で支持し、磁性
流体6で円滑に流体潤滑を行うので、従来のボールベア
リング支持のモータに比較して回転音が極めて小さく、
静音性の向上を図ることができ、機器の騒音の発生を抑
えることができる。また、玉通過振動のような不安定な
振動成分を持たないので回転精度の維持ができる利点が
ある。
【0041】〔第実施例〕 図は第の実施例に係るファンモータの断面図であ
る。このファンモータは、図6の第3の実施例に係る軸
受ユニットを使用したものである。この実施例は、図
の第の実施例におけるシリンダロータ11をカラー1
7とファン21に置換したものと構造的に同等なので、
同一と見なせる構成要素には同一の参照符号を付し、説
明は省略する。
【0042】このように構成することによって、従来の
ボールベアリング支持のモータに比較して回転軸2を多
孔質含油軸受3a,3bによって流体潤滑で円滑に支持
しているので、高速回転時においても静音性が発揮さ
れ、静粛な室内環境を維持できる利点がある。特に、本
実施例に係る軸受ユニットは高速回転に対応できるの
で、ファン16の小径化によってファンモータの小形、
高速化が可能となり、機器の冷却に使用すると、機器、
例えばコンピュータのダウンサイジングに有効である。
【0043】なお、この実施例において、ファン21に
代えて画像形成装置、あるいはプリンタのレーザビーム
の書き込みに使用されるポリゴンミターをカラー17に
装着すれば、ポリゴンモータとすることも容易である。
【0044】〔第実施例〕 図は第の実施例に係る磁気ディスクドライブ用スピ
ンドルモータの断面図である。このスピンドルモータ
は、図6の第3の実施例に係る軸受ユニットを使用した
ものである。この実施例は、図の第の実施例におけ
るシリンダーロータ11をカラー17に置き換え、カラ
ー17の側面にスペーサリング20及びクランプリング
18を用いて磁気ディスク19を固定したものと構造的
に同様なので、同一と見なせる構成要素には同一の参照
符号を付し、説明は省略する。
【0045】このように構成すると、従来のボールベア
リング支持のモータに比較して回転軸2を多孔質含油軸
受3a,3bによって流体潤滑で円滑に支持しているの
で、高速回転時においても静音性が発揮され、機器から
の騒音を最小限に抑え、静粛な室内環境を維持できる利
点がある。特に、本実施例に係る軸受ユニットは高速回
転に対応できるので、磁気ディスク19を精度よく円滑
な回転で支持できる。また、磁気ディスクの場合は油汚
染が許されないので、優れたシール性により回転精度の
維持と同時に、クリーンな環境での使用も可能にしてい
る。
【0046】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、前述
のように構成された本発明によれば、次に述べるような
種々の効果を奏する。
【0047】すなわち、請求項1記載の発明によれば、
磁性流体が回転軸に固着された永久磁石とこの永久磁石
に対向する多孔質軸受の端面との間の間隙と、回転軸の
外周面と多孔質軸受の内周面との間の間隙に滲み出し、
永久磁石によって磁性流体が潤滑部位に捕捉された状態
で、回転軸の回転によって潤滑面と多孔質含油軸受間を
循環するので、1つの軸受ユニットでラジアル軸受とス
ラスト軸受を構成することができるとともに、円滑な流
体潤滑を行うことが可能となり、磁性流体の冷却を保証
することで、低摩擦かつ長寿命の軸受ユニットを提供す
ることができる。
【0048】永久磁石を挟むように多孔質含油軸受が配
された請求項2記載の発明によれば、永久磁石の端面と
多孔質含油軸受の端面との間でスラスト軸受を構成する
ので、軸受ユニットを任意の方向に設置することができ
るとともに、永久磁石によって形成される磁気回路に沿
って確実に磁性流体を捕捉することができ、クリーンな
環境での使用が可能となる。
【0049】
【0050】回転軸が透磁性材料からなり、多孔質含油
軸受が非磁性材料からなる請求項記載の発明によれ
ば、回転軸に沿って磁気回路が形成され、磁性流体は回
転軸側により多く捕捉されるので、耐ラジアル荷重性能
の向上を図ることができる。
【0051】回転軸が非磁性材料からなり、多孔質含油
軸受が透磁性材料からなる請求項記載の発明によれ
ば、多孔質含油軸受に沿って磁気回路が形成され、磁性
流体は軸受側により多く捕捉されるので、耐スラスト荷
重性能の向上を図ることができる。
【0052】多孔質含油軸受と永久磁石との対向面のい
ずれか一方に凹部と凸部を形成した請求項記載の発明
によれば、油膜の楔効果による動圧発生が高まりによっ
て、耐荷重性の向上を図ることができる。
【0053】摩擦係数が低く耐磨耗性に優れた環状の薄
板を永久磁石の端面と、この端面に対向する多孔質含油
軸受の端面との間隙に設けた請求項記載の発明によれ
ば、スラスト軸受部分の摩擦係数をさらに小さくするこ
とができるとともに、スラスト軸受部分の耐磨耗性の向
上を図ることができる。
【0054】環状の薄板を、樹脂、金属、及びゴムのい
ずれかの材料から構成した請求項記載の発明によれ
ば、請求項記載の発明と同様の効果を奏する。
【0055】多孔質含油軸受のハウジングの両端部側
に、磁性を有する潤滑剤を保持するための永久磁石を備
えた請求項記載の発明によれば、当該永久磁石、回転
軸側に設けた永久磁石、および回転軸あるいは多孔質含
油軸受の間で磁気回路が形成されるので、両永久磁石間
に確実に磁性流体が捕捉され、回転軸が高回転になった
としても磁性流体が軸受ユニット外から飛散することは
なく、クリーンな環境での使用が可能となる。
【0056】ハウジングの両端部に磁性を有する潤滑剤
を保持するための押さえ板を備えた請求項記載の発明
によれば、軸受ユニットに捕捉された磁性流体は、回転
軸が高回転になったとしても磁性流体が軸受ユニット外
から飛散することはなく、クリーンな環境での使用が可
能となる。
【0057】ハウジングが一方の多孔質含油軸受を備え
た部分と、他方の多孔質含油軸受を備えた部分との2部
材によって形成され、互いに対向する端面に接合部を設
けた請求項10記載の発明によれば、各構成部材を組み
込んだ後、一方のハウジングの接合部に他方のハウジン
グの接合部を突き合わせて接合することにより簡単に軸
受ユニットを組み上げることができ、量産性の向上と低
コスト化を図ることが可能となる。
【0058】回転軸に固着されたリング状の永久磁石
と、軸受のハウジングの内側の前記永久磁石と隣接する
位置に設けられ、潤滑用の磁性流体を含有した多孔質含
油軸受と、前記ハウジングの外側にステータヨークを介
して設けられたコイルと、前記回転軸に取り付けられた
回転部材と、この回転部材の前記コイルに対向する位置
にロータヨークを介して設けられたメインマグネットと
を備え、回転軸を軸受ハウジング内で回転自在に保持さ
せてなる請求項11記載の発明によれば、円滑な流体潤
滑を行うことができ、磁性流体の冷却を保証すること
で、低摩擦かつ長寿命であって高速かつ精密な回転と静
音性に優れたモータを提供することができる。また、ラ
ジアル軸受とスラスト軸受が簡単な構造で一体化されて
いるので小形化が図れるのみならず、回転軸の設置方向
を選ぶことがない使用性に優れたモータを提供すること
ができる。
【0059】回転部材がシリンダヘッドを備えたシリン
ダロータからなる請求項12記載の発明によれば、請求
11記載の発明の効果に加えて、リード/ライト特性
に優れたシリンダモータを提供できる。
【0060】回転部材が、空調機器に使用される送風用
のファンからなる請求項13記載の発明によれば、請求
11記載の発明の効果に加えてダウンサイジング可能
なファンモータを提供できる。
【0061】回転部材が、ディスク状磁気記録媒体を保
持する保持部材からなる請求項14記載の発明によれ
ば、請求項11記載の発明の効果に加えてリード/ライ
ト特性に優れた磁気ディスクドライブ用スピンドルモー
タを提供できる。
【0062】回転部材が、レーザビームを走査するポリ
ゴンミラーを保持する保持部材からなる請求項15記載
の発明よれば、請求項11記載の発明の効果に加えて
光書き込み特性に優れたポリゴンモータを提供できる。
【0063】あらかじめ内径面を所定の寸法に仕上げら
れた一対のハウジングのそれぞれの内面に、磁性を有す
る液体状の潤滑剤を含有した多孔質含油軸受を圧入して
嵌着させ、永久磁石が外周面に固着された回転軸を一方
のハウジングの前記多孔質含油軸受の内面の潤滑面に挿
入した後、他方のハウジングの前記多孔質含油軸受の内
面の潤滑面を回転軸の外周に挿入し、次いで、両ハウジ
ングの対向する端面の接合部を当接させて両者を接合し
て一体に形成する請求項16記載の発明によれば、分割
した軸受ハウジングにしているので、組立性に優れ、量
産性と低コスト化を促進することができる。
【0064】多孔質含油軸受のラジアル方向の潤滑面の
寸法および形状を、サイジングピンを圧入することによ
って形成する請求項17記載の発明によれば、簡単に軸
受の寸法と形状を出して潤滑面を形成することができ、
請求項16記載の発明の効果をより発揮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る軸受ユニットの構
造を示す断面図である。
【図2】図1におけるI−I線断面図である。
【図3】第1の実施例における多孔質含油軸受のスラス
ト受面の平面図である。
【図4】図3における多孔質含油軸受のスラスト受面の
II−II線断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る軸受ユニットの構
造を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る軸受ユニットの構
造を示す断面図である。
【図7】本発明の第の実施例に係るシリンダモータの
構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第の実施例に係るファンモータの構
造を示す断面図である。
【図9】本発明の第の実施例に係る磁気ディスクドラ
イブ用スピンドルモータの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 軸受ユニット 2 回転軸 3a,3b 多孔質含油軸受 4a,4b 軸受ハウジング 5,5a,5b,9a,9b 永久磁石 6 磁性流体 7 油溝 8 ワッシャ 10a,10b 押さえ板 11 シリンダロータ 12 蓋 13 ロータヨーク 14 メインマグネット 15 コイル 16 ステータヨーク 17 カラー 18 クランプ 19 磁気ディスク 20 スペーサリング 21 ファン c,d,e すきま r 接合部 S スラスト受面 S1 凸部 S2 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮坂 元博 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶 金 株式会社内 (72)発明者 相沢 道浩 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶 金 株式会社内 (72)発明者 四方 英雄 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶 金 株式会社内 (72)発明者 新居 勝敏 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 平3−28522(JP,A) 特開 平3−172608(JP,A) 特開 平3−272318(JP,A) 特開 昭55−30528(JP,A) 特開 平7−208472(JP,A) 実開 平4−54322(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 17/00 - 17/26 F16C 32/00 - 33/28

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と軸受との間に磁性流体を介在さ
    せて回転自在に回転軸を支持する多孔質含油軸受ユニッ
    トにおいて、 回転軸に固着されたリング状の永久磁石と、 潤滑用の磁性流体を含有し、前記永久磁石の軸方向の端
    面に隣接する位置にそれぞれ設けられた第1及び第2の
    多孔質含油軸受と、 前記第1及び第2の多孔質含油軸受がそれぞれ内面に装
    着された第1及び第2のハウジングと、 を備え、 前記第1及び第2の多孔質軸受が前記永久磁石の端面と
    所定のすきまで対向するように前記第1及び第2のハウ
    ジングを接合し、前記磁性流体が前記永久磁石の端面と
    この永久磁石に対向する多孔質軸受の端面との間の間隙
    と、前記回転軸の外周面と前記多孔質軸受の内周面との
    間の間隙に滲み出し、回転軸の回転によって前記磁性流
    体が潤滑面と多孔質含油軸受間を循環するように構成さ
    れていることを特徴とする多孔質含油軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石を挟むように前記多孔質含
    油軸受が配されていることを特徴とする請求項1記載の
    多孔質含油軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 前記回転軸が透磁性材料からなり、前記
    多孔質含油軸受が非磁性材料からなることを特徴とする
    請求項1記載の多孔質含油軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 前記回転軸が磁性材料からなり、前記
    多孔質含油軸受が磁性材料からなることを特徴とする
    請求項1記載の多孔質含油軸受ユニット。
  5. 【請求項5】 前記多孔質含油軸受と前記永久磁石との
    対向面のいずれか一方に凹部と凸部が形成されている
    とを特徴とする請求項1記載の多孔質含油軸受ユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】 摩擦係数が低く、耐磨耗性に優れた環状
    の薄板を前記回転軸に挿通し、前記永久磁石の端面と、
    この端面に対向する多孔質含油軸受の端面との間隙に位
    置するように設けたことを特徴とする請求項1または2
    記載の多孔質含油軸受ユニット。
  7. 【請求項7】 前記環状の薄板が、樹脂、金属、及びゴ
    ムのいずれかの材料 からなることを特徴とする請求項6
    記載の多孔質含油軸受ユニット。
  8. 【請求項8】 前記多孔質含油軸受の前記ハウジングの
    両端部側に、磁性流体を捕捉するための永久磁石をさら
    に備えていることを特徴とする請求項1または2記載の
    多孔質含油軸受ユニット。
  9. 【請求項9】 前記ハウジングの両端部に磁性流体を保
    持するための押さえ板をさらに備えていることを特徴と
    する請求項1または8記載の多孔質含油軸受ユニット。
  10. 【請求項10】 前記ハウジングの互いに対向する端面
    に接合部が形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の多孔質含油軸受ユニット。
  11. 【請求項11】 回転軸に固着されたリング状の永久磁
    石と、 潤滑用の磁性流体を含有し、前記永久磁石の軸方向の端
    面に隣接する位置にそれぞれ設けられた第1及び第2の
    多孔質含油軸受と、 前記第1及び第2の多孔質含油軸受がそれぞれ内面に装
    着された第1及び第2のハウジングと、 前記ハウジングの外側にステータヨークを介して設けら
    れたコイルと、 前記回転軸に取り付けられた回転部材と、 この回転部材の前記コイルに対向する位置にロータヨー
    クを介して設けられたメインマグネットと、 を備え、前記回転軸を軸受ハウジング内の前記多孔質含
    油軸受で回転自在に保持させたことを特徴とするモー
    タ。
  12. 【請求項12】 前記回転部材が、シリンダヘッドを備
    えたシリンダロータからなることを特徴とする請求項1
    1記載のモータ。
  13. 【請求項13】 前記回転部材が、空調機器並びに機器
    各部の冷却に使用される送風用のファンからなることを
    特徴とする請求項11記載のモータ。
  14. 【請求項14】 前記回転部材が、ディスク状磁気記録
    媒体を保持する保持部材からなることを特徴とする請求
    11記載のモータ。
  15. 【請求項15】 前記回転部材が、レーザビームを走査
    するポリゴンミラーを保持する保持部材からなることを
    特徴とする請求項11記載のモータ。
  16. 【請求項16】 あらかじめ内径面を所定の寸法に仕上
    げられた第1及び第 2の一対のハウジングのそれぞれの
    内面に潤滑用の磁性流体を含有した第1及び第2の多孔
    質含油軸受をそれぞれ嵌着させ、永久磁石が外周面に固
    着された回転軸を第1のハウジングに嵌着された第1の
    多孔質含油軸受の内面の潤滑面に挿入した後、第2のハ
    ウジングの第2の多孔質含油軸受の内面の潤滑面を回転
    軸の外周に挿入し、次いで、両ハウジングの対向する端
    面の接合部を当接させて両者を接合して一体に形成する
    ことを特徴とする多孔質含有軸受ユニットの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記多孔質含油軸受のラジアル方向の
    潤滑面の寸法および形状は、サイジングピンを圧入する
    ことによって形成されることを特徴とする請求項16載
    の多孔質含油軸受ユニットの製造方法。
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