JP2000346054A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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JP2000346054A
JP2000346054A JP11155818A JP15581899A JP2000346054A JP 2000346054 A JP2000346054 A JP 2000346054A JP 11155818 A JP11155818 A JP 11155818A JP 15581899 A JP15581899 A JP 15581899A JP 2000346054 A JP2000346054 A JP 2000346054A
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Japan
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dynamic pressure
resin film
bearing
shaft member
shaft
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JP11155818A
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English (en)
Inventor
Yasushi Mizusaki
康史 水嵜
Masamichi Hayakawa
正通 早川
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で、軸部材21と軸受部材31と
を接触させることなく良好に浮上支持させることを可能
とする。 【解決手段】 軸部材21又は軸受部材31の一方側の
対向面が終了している終端エッジ部21bから端面部2
1cにかけて形成された樹脂被膜40に盛上り部40a
を生じていても、その盛上り部40aを許容する逃げ部
31bを、軸部材21又は軸受部材31の他方側の対向
面に形成することによって、上記両部材21,31どう
しを接触させることなく良好に回転させるように構成し
たもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑流体に動圧を
発生させ、その動圧により軸部材と軸受部材とを相対的
に回転自在に支持するようにした動圧軸受装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリゴンミラー、磁気ディスク、
光ディスク等の各種回転体を高速回転支持するための動
圧軸受装置に関して種々の提案が行われている。この動
圧軸受装置においては、軸部材側の動圧軸受面と、軸受
部材側の動圧軸受面とが所定の隙間を介して半径方向に
対向するように設けられおり、その対向隙間に動圧軸受
部が形成されている。また、上記両対向動圧軸受面のう
ちの少なくとも一方側には動圧発生用溝が形成されてお
り、上記動圧軸受部内に注入された空気やオイル等の潤
滑流体が、回転時における上記動圧発生用溝のポンピン
グ作用により加圧され、その潤滑流体の動圧によって軸
部材及び軸受部材の両部材が相対的に浮上した状態で回
転支持が行われるようになっている。
【0003】このような動圧軸受装置における軸部材又
は軸受部材における両動圧軸受面の一方側の表面には、
焼き付きを防止するための潤滑塗料が一般に塗布されて
いるとともに、他方側の表面には例えばメッキが施され
ており、これら両者が組み合わされて用いられている。
【0004】また、本願発明者らは、上記潤滑塗料を改
善するものとして、軸部材及び軸受部材の両動圧軸受面
のいずれか一方の表面上に、電着塗装によって潤滑性樹
脂被膜を形成することを、特願平10−235785号
等において既に提案している。このような電着塗装によ
れば、均一塗装作用によって潤滑性樹脂被膜が全周均一
な層厚で簡易に得られ、その電着塗装された潤滑性樹脂
被膜は、電着塗装時に潤滑性粒子(PTFE)が塗装の
表面部分に浮上してくるために極めて良好な潤滑性を備
えるように形成されることとなり、軸受特性の向上が図
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明を適用する動圧軸受装置においては、軸部材と軸受部
材とが微小なクリアランス(数μm〜十数μm)を介し
て対向配置されるため、上述したような潤滑塗装、或い
は電着塗装によって動圧軸受面を含む対向面に樹脂被膜
を形成すると、通常の装置では無視し得るような塗装面
の塗料だれ等による膨出現象が問題となることがある。
例えば、図3に示されているように、軸部材又は軸受部
材の動圧軸受面1から、当該動圧軸受面1と交差する方
向に延びる軸受端面2にかけての表面上に、電着塗装に
よる樹脂被膜3を連続的に形成すると、上記両面1,2
どうしの交差エッジ部4の近傍に樹脂被膜3の盛上り部
3aが形成されてしまう。このような樹脂被膜3の膨出
現象は、電着塗装にて析出した塗膜が加熱硬化の過程に
おいて粘性低下を生じて流動状態となることによるもの
と考えられ、流動性を有するようになった樹脂被膜3
が、上記交差エッジ部4に作用する表面張力によって頂
点両側方向に引っ張られ、その結果、頂点部分における
膜厚が薄くなり、それにより余剰となった塗料が、上記
交差エッジ部4の頂点両側部分において盛り上がるもの
と推察される。
【0006】このような樹脂被膜3の盛上り部3aは、
例えば5μm程度の高さとなる場合があることから、そ
の盛上り部3aの高さが、上記軸部材と軸受部材との間
の微小クリアランスよりも大きくなってしまうことも十
分にあり得る。その結果、軸部材と軸受部材とが嵌挿で
きなくなったり、両部材どうしを嵌挿することはできて
も、回転時に軸部材と軸受部材とが盛上り部3aを介し
て擦れ合い、回転時に良好な浮上状態が得られなくなっ
てジッター等の問題を生じることがある。
【0007】そこで本発明は、軸部材又は軸受部材に対
して樹脂被膜を形成しても、上記両部材どうしが接触す
ることなく良好に回転することができるようにした動圧
軸受装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、軸部材と、この軸部材に
対して相対回転可能に装着された軸受部材との両対向面
に対して動圧軸受面が各々形成されているとともに、こ
れら軸部材及び軸受部材における両動圧軸受面どうしの
隙間内に潤滑流体が注入され、その潤滑流体に発生する
動圧によって前記軸部材と軸受体とを相対的に浮上状態
として支持するようにした動圧軸受装置において、上記
両動圧軸受面が形成された前記両対向面の少なくとも一
方側の外表面上には、該対向面の動圧軸受面から終端エ
ッジ部を含む端面部にかけて樹脂被膜が連続的に形成さ
れているとともに、上記一方側の対向面の終端エッジ部
に対向する他方側の対向面には、上記終端エッジ部に形
成された樹脂被膜の盛上り部を許容する逃げ部が凹設さ
れている。
【0009】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載の潤滑流体が、空気である。
【0010】さらに、請求項3記載の発明では、前記請
求項1記載の樹脂被膜が、電着塗装によって形成されて
いる。
【0011】さらにまた、請求項4記載の発明では、前
記請求項1記載の逃げ部は凹溝状に形成され、当該凹溝
の溝幅が、前記樹脂被膜の膜厚の10倍以上の寸法に設
定されているとともに、凹溝の溝深さが、前記樹脂被膜
の膜厚の1/3倍以上で2倍以下の寸法に設定されてい
る。
【0012】このような構成を有する請求項1記載発明
によれば、軸部材又は軸受部材の一方側の対向面におけ
る終端エッジ部に樹脂被膜の盛上りを生じていても、そ
の盛上り部は、軸部材又は軸受部材の他方側の対向面に
形成された逃げ部内に収容されることとなり、これによ
って、上記両部材どうしが接触することなく良好に回転
されるようになっている。
【0013】このような接触回避の作用は、特に請求項
2記載の発明のように、軸部材と軸受部材とを極めて微
小なクリアランスとした空気動圧装置の場合において顕
著な効果として得られる。
【0014】また、請求項3記載の発明のように、樹脂
被膜が電着塗装によって形成されている場合には、電着
塗装の均一塗装作用によって樹脂被膜が全周均一な層厚
で簡易に得られ、その電着塗装された樹脂被膜は、電着
塗装時に潤滑性粒子(PTFE)が塗装の表面部分に浮
上してくるために極めて良好な潤滑性を備えるように形
成されることとなり、軸受特性の向上が図られる。しか
しながら、このような均一塗装性を有する電着塗装であ
っても、動圧軸受装置においては、軸部材と軸受体とが
微小なクリアランスを介して対向配置されることから、
塗装面の端縁部分における塗料だれ等による膨出現象を
無視することはできず、塗装の膨らみが、軸部材と軸受
部材との嵌合クリアランスと同等かそれ以上に生じよう
とすることがある。従って、本願発明を適用することに
よって、軸部材又は軸受部材の両部材どうしが接触する
ことなく良好に回転される。
【0015】また、このような作用は、請求項4のよう
に逃げ部の寸法を設定することによって、一層確実に得
られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、それに先立って、本発明を適用する空気
動圧軸受を備えた軸回転型のポリゴンミラー駆動用モー
タの構造について図面に基づき説明する。
【0017】図2には、ポリゴンミラーを回転駆動する
ための軸固定型の空気動圧軸受装置を備えたアウタロー
タ型モータの一例が表されている。この空気動圧軸受モ
ータは、フレーム10側に組み付けられた固定部材とし
てのステータ組20と、このステータ組20に対して、
図示上側から嵌め込むようにして組み付けられた回転部
材としてのロータ組30とから構成されており、このう
ちステータ組20は、上記フレーム10の略中心位置に
立設するように取り付けられた固定軸(軸部材)21を
有しているとともに、その固定軸21の外周面から半径
方向に一定の距離を隔てて円筒状に取り囲む軸受ホルダ
ー22を有している。上記軸受ホルダー22の外周には
ステータコア23が嵌着されており、そのステータコア
23の各突極部には駆動コイル24が各々巻回されてい
る。
【0018】また、上記固定軸21の外周面には、ヘリ
ングボーン型の動圧発生用溝25が軸方向に2ブロック
に分けられて環状に並列するように凹設されており、当
該動圧発生用溝25,25が設けられた固定軸21の外
側には、前記ロータ組30のロータ円筒胴部(軸受部
材)31が、数μm〜十数μmの隙間を隔てて回転可能
に装着されている。そして、上記固定軸21の外周面
と、ロータ円筒胴部31の内周面との間に、空気動圧を
発生させるラジアル動圧軸受部が形成されている。上記
固定軸21内には、当該固定軸21の先端部(図示上端
部)から空気供給孔26が軸方向に延在しており、当該
空気供給孔26は、前記2ブロックの動圧発生用溝2
5,25の間部分において固定軸21の外側に向かって
開口している。
【0019】さらに、上記固定軸21の先端部分(図示
上端部分)では、当該固定軸21の外周壁部21aを軸
方向に所定量突出させており、その突出外周壁部21a
の内周側に、スラスト浮上用の固定側マグネット27が
環状に装着されている。一方、上記ロータ円筒胴部31
の図示上端部側の閉塞端部分には、その中心部分に、所
定の空気流動抵抗を有する細孔状のエアオリフィス32
がダンパー手段として軸方向に貫通形成されており、こ
のエアオリフィス32の通気抵抗によるダンパー作用に
よって、ロータ組30に対する軸方向の衝撃が緩和され
るようになっている。またロータ組30の内部における
空気は、前記空気供給孔26によって動圧発生用溝2
5,25の間部分に送給され、動圧発生用溝25,25
のポンピング作用によって軸方向外側図示上下方向に流
動させられ外部側に排出されるようになっている。
【0020】さらにまた、上記ロータ円筒胴部31の図
示上端部側の閉塞端部分には、前記エアオリフィス32
の周囲を取り囲むようにしてスラスト浮上用の回転側マ
グネット33が環状に装着されている。この回転側マグ
ネット33は、上述した固定軸21側の固定側マグネッ
ト27と相互に磁気的吸引力を生じるように、軸方向
(図示上下方向)に着磁されており、これら両マグネッ
ト33,27の吸引作用によってロータ組30がスラス
ト方向に所定量浮上した状態に保持されるように構成さ
れている。
【0021】一方、上記ロータ円筒胴部31の図示上端
部側の外周には、回転板としての平面六角形状のポリゴ
ンミラー34が回転板を構成するように嵌着されてい
る。このポリゴンミラー34は、ロータ円筒胴部31か
ら半径方向外方に向かって延出する保持部38上に軸方
向に載置されており、クランプ手段である押えバネ39
によって軸方向外側から固着されている。
【0022】また、上記保持部38から半径方向外方に
向かってロータフランジ部35が延出している。このロ
ータフランジ部35は、前記円筒胴部31及び保持部3
8と一体に形成された円盤状部材からなり、前記駆動コ
イル24が配置されたロータ内空間と、ポリゴンミラー
34が配置されたロータ外空間とを仕切るように配置さ
れている。
【0023】さらに、上記ロータフランジ部35の外周
部から軸方向(図示下方向)に向かって突出する環状の
取付板36の内周壁面に、磁性材からなるバックヨーク
を介して駆動マグネット37が環状に装着されている。
上記駆動マグネット37は、前述したステータコア23
の外周面に対して半径方向に対向するように配置され、
モータ駆動部を構成している。
【0024】なお、上記図2の実施形態では、保持部3
8、円筒胴部31、ロータフランジ部35及び取付部3
6が一体に形成されているが、それぞれが別体に形成さ
れる場合もある。
【0025】そして、上記駆動コイル24に所定の駆動
電圧が印加されると、ロータ円筒胴部31とともにポリ
ゴンミラー34が回転し、このポリゴンミラー34の回
転によって該ポリゴンミラー34に収束されたレーザー
光が図示されない画像記録媒体上を走査するようになっ
ている。この時、ロータ円筒胴部31は、当該ロータ円
筒胴部31と固定軸21との間に発生する空気の動圧力
によってラジアル方向に支持されるとともに、回転側マ
グネット33と固定側マグネット27との磁気的吸引作
用によってロータ組30がスラスト方向に所定量浮上し
た状態に保持される。
【0026】ここで、上述した固定軸21は、アルミニ
ウム、アルミニウム合金等のアルミ材よりなり、当該固
定軸21の動圧軸受面を含む外周表面には、後述するよ
うに電着塗装によって潤滑性樹脂被膜が形成されてい
る。すなわち、この固定軸21を製造するにあたって
は、まず、アルミ、アルミ合金材料又はマグネシウム合
金を用いた鋳造、ダイキャスト法又はその他の加工方法
によって、当該固定軸21のブランク素材を形成してお
き、上述した動圧発生溝25の形成部分以外の部分にマ
スキング印刷を施してエッチング処理等を行うことによ
り、動圧発生溝25を先に加工・形成しておく。
【0027】次いで、上記固定軸21のブランク素材の
外表面全体に対して電着塗装が施されることにより、図
1に示されているような潤滑性樹脂被膜40が形成され
ている。電着塗装を行うにあたっては、上記固定軸21
のブランク素材の外表面に対して、耐食性・塗装密着性
を向上させるためのクロメート処理(アロジン処理)等
の下地処理が施された後、その後のブランク素材が、図
示を省略した電着槽に没入され、当該ブランク素材の全
表面に対して電着(電気泳導)による塗装が施される。
この電着塗装は、水に分散した塗料の中にブランク素材
を入れて、当該ブランク素材と他の金属体とが両極にな
るようにして電流を通すことにより塗料を塗るものであ
る。
【0028】このようにして形成された潤滑性樹脂被膜
40は、上記固定軸21の動圧軸受面を含む外表面の全
体を覆うように被着されており、前記ロータ円筒胴部3
1への対向面が終了している終端エッジ部(図1ではテ
ーパ面取部)21bから、当該固定軸21の図示上端側
端面部21cにかけて、上記潤滑性樹脂被膜40が連続
的に形成されている。
【0029】この潤滑性樹脂被膜40は、図1のように
拡大してみたとき、前記固定軸21の終端エッジ部(図
1ではテーパ面取部)21bの近傍に、盛上り部40a
が形成される。このような潤滑性樹脂被膜40の膨出現
象は、電着塗装にて析出した塗膜が加熱硬化の過程にお
いて粘性低下を生じて流動状態となることによるものと
考えられ、流動性を有するようになった潤滑性樹脂被膜
40が、上記終端エッジ部21bの頂点部に作用する表
面張力によって頂点両側方向に引っ張られ、その結果、
上記終端エッジ部21bの頂点部分における膜厚が薄く
なり、それにより余剰となった塗料が上記エッジ部21
bの両側部分において盛り上がるものと推察される。
【0030】このような潤滑性樹脂被膜40の盛上り部
40aは、例えば5μm程度の高さとなる場合があるこ
とから、その盛上り部40aの膨出高さは、上記固定軸
21とロータ円筒胴部31との間の微小クリアランスよ
りも大きくなってしまうことがある。その場合に何ら手
当をしなければ、固定軸21とロータ円筒胴部31とが
嵌挿できなくなったり、両部材どうしを嵌挿することは
できても、回転時に固定軸21とロータ円筒胴部31と
が盛上り部40aを介して擦れ合い、回転時に良好な浮
上状態が得られなくなってジッター等の問題を生じるこ
とがある。
【0031】そこで、本実施形態では、上記固定軸21
のエッジ部21bに対向するロータ円筒胴部31の内周
面31aに対して、前記潤滑性樹脂被膜40の盛上り部
40aを許容する逃げ部31bが凹設されている。この
逃げ部31bは、上記ロータ円筒胴部31の内周対向面
31aに環状に凹設された溝部から形成されていて、当
該逃げ部31bにおける半径方向の溝深さdは、前記潤
滑性樹脂被膜40の膜厚の1/3倍以上で2倍以下の寸
法に設定されているとともに、この逃げ部31bの軸方
向における溝幅wが、前記潤滑性樹脂被膜40の膜厚の
10倍以上の寸法に設定されている。本実施形態では、
上記逃げ部31bの溝深さdが10μmに形成され、溝
幅wが1mmに形成されている。
【0032】このような実施形態によれば、上記固定軸
21の動圧軸受面等の一般表面に対しては電着塗装の均
一塗装作用によって潤滑性樹脂被膜40が均一な層厚で
簡易に得られる。この電着塗装形成部からなる潤滑性樹
脂被膜40は、電着塗装時に潤滑性粒子が塗装の表面部
分に浮上してくるため、極めて良好な潤滑性を備えるよ
うに形成されることとなり、軸受特性の向上が図られ
る。さらに、この電着塗装においては、塗装の相手方の
素材に巣等の欠損部分があっても、塗料が内部に入り込
んでいくため、形成された潤滑性樹脂被膜40は、強力
な密着性を有することとなる。そして、このように良好
な潤滑性を有する電着塗装による潤滑性樹脂被膜40を
有する固定軸21が用いられることによって、動圧軸受
面における耐摩耗性が改善され、摩耗粉の発生が大幅に
低減されるとともに、軸受ギャップの維持及び焼付き防
止が図られるようになっている。
【0033】一方、空気動圧軸受装置では、軸部材とし
ての固定軸21と軸受部材としてのロータ円筒胴部31
とが、極めて微小なクリアランス(数μm〜十数μm)
を介して対向配置されるため、均一塗装性を有する電着
塗装ではあっても、塗装面の端縁部分における塗料だれ
等による膨出現象を無視することはできない。すなわ
ち、塗装の膨らみは、固定軸21とロータ円筒胴部31
との嵌合クリアランスと同等若しくはそれ以上に生じよ
うとする。しかしながら本願発明では、上記ロータ円筒
胴部31の対向面が終了している終端エッジ部(テーパ
面取部)21bから端面部21cにかけて形成された潤
滑性樹脂被膜40に盛上り部40aを生じていても、そ
の盛上り部40aは、ロータ円筒胴部31の対向面に形
成された逃げ部31b内に収容されることとなり、その
結果、上記両部材21,31どうしは接触することなく
良好に回転されるようになっている。
【0034】このような作用は、特に本実施形態のよう
に、軸部材としての固定軸21と軸受部材としてのロー
タ円筒胴部31とを極めて微小なクリアランスとした空
気動圧装置の場合には顕著になる。
【0035】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0036】例えば、上記実施形態では、潤滑性樹脂被
膜40の盛上り部40aを許容する逃げ部31bを、凹
溝形状にて形成しているが、連続的に変化する曲面形状
等、他の種々の形状にて形成することも可能である。
【0037】また、本願発明は、上述した実施形態のよ
うな電着塗装の場合に限定されることはなく、一般的な
潤滑塗料の場合であっても同様に適用することができる
ものである。さらに、電着塗装や潤滑塗料を、軸受部材
側に施す場合に対しても本発明は同様に適用することが
できる。
【0038】さらにまた、上述した実施形態は、潤滑流
体として空気を用いた動圧軸受装置の場合であるが、オ
イル等の他の動圧流体を用いた装置に対しても本発明は
同様に適用することができる。
【0039】また、本発明は、上述したモータ以外に用
いられる動圧軸受装置、例えば、ハードディスク駆動用
(HDD)モータに設けられた動圧軸受装置に対しても
同様に適用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明
は、軸部材又は軸受部材の一方側の対向面が終了してい
る終端エッジ部から端面部にかけて形成された樹脂被膜
に盛上りを生じていても、その盛上り部を許容する逃げ
部を、軸部材又は軸受部材の他方側の対向面に形成する
ことによって、上記両部材どうしを接触させることなく
良好に回転させるように構成したものであるから、軸部
材と軸受部材とを良好に浮上支持させることができ、摺
動抵抗が局部的に集中することをなくして樹脂被膜の磨
耗や剥離を回避し、焼き付きの発生を防止することがで
きる。
【0041】また、請求項2記載の発明は、軸部材と軸
受部材とを極めて微小なクリアランスとした空気動圧装
置に適用したものであるから、特に顕著な効果を得るこ
とができる。
【0042】また、請求項3記載の発明は、樹脂被膜を
電着塗装によって形成したものであり、電着塗装の均一
塗装作用によって潤滑性樹脂被膜を均一な層厚で得た場
合であっても、上述した効果は同様に得られる。
【0043】また、請求項4記載の発明によれば、逃げ
部の寸法を適宜に設定することによって上述した効果を
確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる固定軸の上端部分
を拡大して表した部分横断面説明図である。
【図2】本発明を適用する動圧軸受を備えた軸固定型の
ポリゴンミラー駆動用モータの一例を表した横断面説明
図である。
【図3】従来における潤滑被膜の塗膜形成状態を表した
模式的説明図である。
【符号の説明】
21 固定軸(軸部材) 21b 終端エッジ部(はテーパ面取部) 21c 端面部 25 動圧発生用溝 31 ロータ円筒胴部(軸受部材) 31b 逃げ部 40 潤滑性樹脂被膜 40a 盛上り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA02 AA04 BA02 BA04 CA01 CA03 CA05 DA02 QA05 3J102 AA01 BA04 CA01 DA03 DA09 5H607 AA04 BB01 BB09 BB14 CC01 CC05 FF12 GG01 GG12 GG14 KK10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材と、この軸部材に対して相対回転
    可能に装着された軸受部材との両対向面に対して動圧軸
    受面が各々形成されているとともに、これら軸部材及び
    軸受部材における両動圧軸受面どうしの隙間内に潤滑流
    体が注入され、その潤滑流体に発生する動圧によって前
    記軸部材と軸受体とを相対的に浮上状態として支持する
    ようにした動圧軸受装置において、 上記両動圧軸受面が形成された前記両対向面の少なくと
    も一方側の外表面上には、該対向面の動圧軸受面から終
    端エッジ部を含む端面部にかけて樹脂被膜が連続的に形
    成されているとともに、 上記一方側の対向面の終端エッジ部に対向する他方側の
    対向面には、上記終端エッジ部に形成された樹脂被膜の
    盛上り部を許容する逃げ部が凹設されていることを特徴
    とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記潤滑流体が、空気であることを特徴
    とする請求項1記載の動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記樹脂被膜が、電着塗装によって形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装
    置。
  4. 【請求項4】 前記逃げ部は、凹溝状に形成され、当該
    凹溝の溝幅が、前記樹脂被膜の膜厚の10倍以上の寸法
    に設定されているとともに、凹溝の溝深さが、前記樹脂
    被膜の膜厚の1/3倍以上で2倍以下の寸法に設定され
    ていることを特徴とする請求項1記載の動圧軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014126096A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Taiho Kogyo Co Ltd 半割スラスト軸受
JP2014126199A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Taiho Kogyo Co Ltd 半割スラスト軸受

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