JPH11108050A - 動圧軸受装置及びその製造方法 - Google Patents

動圧軸受装置及びその製造方法

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JPH11108050A
JPH11108050A JP29151597A JP29151597A JPH11108050A JP H11108050 A JPH11108050 A JP H11108050A JP 29151597 A JP29151597 A JP 29151597A JP 29151597 A JP29151597 A JP 29151597A JP H11108050 A JPH11108050 A JP H11108050A
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Japan
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dynamic pressure
coating
shaft
bearing device
electrodeposition
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JP29151597A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Kobayashi
敏宏 小林
Yasushi Mizusaki
康史 水嵜
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動圧軸受装置の性能を向上させつつ、生産性
を高めることができ、低コストで高品質な動圧軸受装置
を得ることを可能とする。 【解決手段】 動圧発生溝25が形成されるべき軸体1
2又は軸嵌合体15の動圧軸受面上に所定の層厚さで施
した電着塗装部からなる潤滑被膜32を形成するととも
に、その電着塗装部からなる潤滑被膜32の外表面と電
着塗装非形成部の外表面との間の段差により動圧発生溝
25を形成したものであって、電着塗装の均一塗装作用
により潤滑被膜32を全面にわたって均一な層厚で簡易
かつ高精度に得ると同時に、動圧発生溝25を複雑な工
程を経ることなく形成可能としたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑流体に動圧を
発生させ、その動圧により軸体と軸嵌合体とを相対的に
回転自在に支持するように構成した動圧軸受装置及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリゴンミラー、磁気ディスク、
光ディスク等の各種回転板を回転駆動させる動圧軸受モ
ータの提案が種々行われている。この動圧軸受装置にお
いては、軸体側の動圧軸受面と、軸嵌合体側の動圧軸受
面とが所定の隙間を介して半径方向に対向するように設
けられており、その対向隙間に動圧軸受部が形成されて
いる。また、上記両対向動圧軸受面のうちのいずれか一
方側には、動圧発生用溝が形成されており、動圧軸受部
内に注入された空気やオイル等の潤滑流体が、回転時に
動圧発生用溝のポンピング作用により加圧され、当該潤
滑流体の動圧によって軸体及び軸嵌合体の両部材が相対
的に回転可能に支持されるようになっている。
【0003】このような動圧軸受装置における動圧発生
用溝は、例えば、図6に示されているようにして形成さ
れる。図6には、軸体に対して動圧発生溝を形成する手
順が示されているが、まず、アルミ及びアルミ合金材料
を用いてレース加工又はダイキャストにより、図6
(a)に示されているような軸体のブランク1を形成
し、次の図6(b)に示されているように、上記ブラン
ク1のチャック部分1aにキャップ2を嵌めた状態で、
耐食性・塗装密着性を向上させるためのクロメート処
理、或いは陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)等の下
地処理を施す。
【0004】そして、図6(c)に示されているよう
に、上記ブランク1の外表面に対して、例えばPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)含有の潤滑塗料3をス
プレー等によって塗布し乾燥した後、再び同様なスプレ
ー塗装を3回から5回繰り返して厚付け塗装を行う。こ
のような厚付け塗装を行うのは、塗装の層厚に発泡や塗
料のタレによるムラがあるからであるが、その塗装ムラ
を生じた素材に対して、図6(d)に示されているよう
にレース加工4等を施して外径寸法の粗出しを行った
後、図6(e)に示されているように、外周表面上に動
圧発生溝5を機械加工により形成する。
【0005】最後に、図6(f)に示されているよう
に、再びレース加工6等を施して、塗装3の厚さが約1
5ミクロン程度となるように仕上げ、外径寸法の精度出
しを行うとともに、溝加工時に生じたバリを取り除く。
相手側の軸嵌合体に溝を形成する場合も同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の動圧軸受装置及びその製造方法では、以下のよう
な問題がある。まず、潤滑塗料3の塗装工程では、厚付
け塗装を行うために塗装工程自体に時間がかかる上に、
均一な厚さに成形するためのレース加工6等のような仕
上げ工程を施さねばならない。さらに、動圧発生溝5の
機械加工にも時間がかかっているとともに、バリ取り等
の後処理を行わねばならない。このようなことから、従
来の製造工程は複雑化しており、製造に多くの時間を要
している。また、高価な装置を多数準備する必要もあ
る。
【0007】さらに、下地処理を厳密に施しておかなけ
れば、塗料の密着性が低下することとなり、潤滑塗装面
の膨れ、剥がれ、素材の腐食等を生じる場合がある。す
なわち、従来の製造工程では、品質維持のために厳格な
工程管理を要することから、生産性が良好でなく、製品
コストが高いものにならざるを得ないという問題があ
る。なお、エッチング処理や機械的加工によって動圧発
生溝を成形した後に塗装をすることも考えられるが、同
様な問題を生じる。
【0008】そこで本発明は、簡易な工程で、しかも高
品質に動圧軸受面及び動圧発生溝を形成することができ
るようにした動圧軸受装置及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、軸体の外周面と、この軸
体に対して相対回転可能に装着された軸嵌合体の内周面
とにより、半径方向に対向する少なくとも一対の動圧軸
受面が形成されているとともに、これら軸体及び軸嵌合
体の両動圧軸受面のいずれか一方に、所定形状の動圧発
生溝が凹設された動圧軸受装置において、上記動圧発生
溝が形成されるべき軸体又は軸嵌合体の動圧軸受面上
に、電着塗装によって潤滑被膜が所定の層厚で形成され
ているとともに、この電着塗装形成部からなる潤滑被膜
の外表面と、電着塗装が施されていない電着塗装非形成
部の外表面との間の段差によって、上記動圧発生溝が形
成されている。
【0010】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の電着塗装非形成部には、絶縁被膜が被着され
ている。
【0011】さらに、請求項3記載の発明では、上記請
求項2記載の電着塗装非形成部における絶縁被膜が剥離
されている。
【0012】さらにまた、上記請求項4記載の発明で
は、上記請求項1記載の動圧発生溝を形成する動圧軸受
装置の製造方法において、軸体又は軸嵌合体の動圧軸受
面における動圧発生溝が形成されるべき部位に、絶縁被
膜を被着させた後、上記軸体又は軸嵌合体の動圧軸受面
に対して電着による塗装工程を施し、上記絶縁被膜を被
着した部位以外の部位に電着塗装形成部からなる潤滑被
膜を所定の層厚で形成するとともに、この電着塗装形成
部からなる潤滑被膜の外表面と、上記絶縁被膜を被着す
ることにより電着塗装が施されていない電着塗装非形成
部の外表面との間の段差によって、上記動圧発生溝を形
成するようにしている。
【0013】また、請求項5記載の発明では、上記請求
項4記載の電着塗装非形成部における絶縁被膜を剥離す
るようにしている。
【0014】さらに、請求項6記載の発明では、上記請
求項4記載の絶縁被膜を、マスキング印刷法により塗布
するようにしている。
【0015】さらにまた、請求項7記載の発明では、上
記請求項4記載の絶縁被膜が、エポキシ系等の樹脂塗料
からなる。
【0016】このような各請求項記載の手段によれば、
電着塗装の均一塗装作用によって、潤滑被膜が全周均一
な層厚で簡易に得られるとともに、それと同時に、動圧
発生溝が簡易かつ高精度に形成される。
【0017】このとき、電着塗装形成部からなる潤滑被
膜は、電着塗装時に潤滑性粒子が塗装の表面部分に浮上
してくるため、極めて良好な平滑性を備えるように形成
されることとなって軸受特性の向上が図られるようにな
っている。
【0018】さらに、電着塗装においては、塗装の相手
方の素材に巣等の欠損部分があっても、塗料が内部に入
り込んでいくため、成形された潤滑被膜は、強力な密着
性を有することとなる。
【0019】特に、請求項2又は4記載の発明のよう
に、絶縁性の樹脂塗料に対しては電着塗装がなされない
ことを利用することにより動圧発生溝を形成するように
すれば、動圧発生溝が電着塗装のみによって極めて効率
的に形成される。
【0020】また、請求項5記載の発明のように、電着
塗装非形成部における絶縁性樹脂塗料を剥離しておけ
ば、その剥離した分だけ動圧発生溝がより深く形成さ
れ、同じ深さ溝を得る場合には電着の厚さを薄くするこ
とができる。
【0021】さらに、絶縁性樹脂塗料の塗布は、請求項
7記載の発明のようにマスキング印刷法によって効率的
に行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、それに先立って、本発明を適用する空気
動圧軸受を備えた軸回転型のポリゴンミラー駆動用モー
タの構造について図面に基づき説明する。
【0023】図2において、ベース18にネジ止め固定
された軸受(軸嵌合体)15内に、数μm〜十数μmの
隙間を隔ててロータ(軸体)12が回転可能に挿入され
ており、当該ロータ12の外周動圧軸受面24にスパイ
ラル状に形成された動圧発生溝25と、上記軸受15の
内周動圧軸受面とで構成される空気動圧軸受14によっ
て、上記ロータ12が高速回転可能に支承される構成に
なされている。このロータ12の構造及びその製造方法
については後述する。
【0024】上記ベース18の中央柱状部の外周には、
駆動コイル19が嵌合固定されており、その駆動コイル
19に周対向するようにして、駆動用の磁気回路をつく
る環状マグネット20が配置されている。この環状マグ
ネット20は、上記ロータ2の内部に鉄製のヨーク29
を介して配置されており、上記駆動コイル19と共にモ
ータ駆動部を構成している。
【0025】また、上記ロータ2の先端部(図示上端
部)には環状凸部23が設けられており、この環状凸部
23に対してポリゴンミラー11が嵌合されている。こ
のポリゴンミラー11上には、波形ばね27を介してバ
ランスプレート26が同軸に載置されており、そのバラ
ンスプレート26側から差し込まれた固定ネジ28がロ
ータ12の上記環状凸部23に螺着されることによって
ポリゴンミラー11の固定が行われている。
【0026】さらに上記ベース18の中央柱状部におけ
る上部外周側及びバランスプレート26の内周側には、
一対の環状マグネット21,22が周対向するように取
り付けられている。これらの各環状マグネット21,2
2には、軸方向に極性を逆にして着磁が行われており、
これによって磁気スラスト軸受が構成されている。
【0027】そして、駆動コイル19に所定の駆動電圧
が印加されると、ロータ12とともにポリゴンミラー1
1が回転し、このポリゴンミラー11の回転によって該
ポリゴンミラー11に収束されたレーザー光が図示され
ない画像記録媒体上を走査するようになっている。この
時、ロータ12は、ロータ12と軸受15との間に発生
する空気の動圧力によってラジアル方向に支持されると
ともに、一対の環状マグネット21,22よりなる磁気
スラスト軸受によって浮上支持される。
【0028】また、図3に示されているように、軸受
(軸嵌合体)15は、アルミニウム、アルミニウム合金
等のアルミ材よりなり、当該軸受15の内周面(動圧軸
受面)には、腐食防止、摩耗防止のために無電解ニッケ
ルメッキ、硬質アルマイト、ニッケル複合メッキ、クロ
ームメッキ等からなる潤滑被膜16が形成されている。
【0029】次に、上述した軸体としてのロータ12を
製造する方法の一実施形態について述べる。まず、アル
ミ及びアルミ合金材料を用いた鋳造、ダイキャスト法又
はその他の加工方法によって、図1(a)に示されてい
るようなロータ12のブランク12aを形成し、そのブ
ランク12aの外表面に対して、耐食性・塗装密着性を
向上させるためのクロメート処理(アロジン処理)、或
いは陽極酸化皮膜処理(アルマイト処理)等の下地処理
を施す。
【0030】次いで、図1(b)に示されているよう
に、ブランク12aの外表面における動圧発生溝を形成
すべき位置に、絶縁性を有するエポキシ系等の樹脂塗料
を動圧発生溝の形状に沿って被着させて絶縁膜31を形
成する。このときの絶縁性樹脂塗料の被着方法として
は、例えば、スクリーン印刷やスクリーン印刷等のマス
キング印刷法によって行う。
【0031】そして、上記絶縁膜31が形成されたロー
タ素材を、図示を省略した電着槽に没入して、上記ロー
タ素材の全表面に対して電着(電気泳導)による塗装を
施し被膜を形成する。この電着被膜としては、例えばP
TFE(潤滑性粒子)含有のアクリル系樹脂からなって
いる。電着塗装は、ロータ素材を水に分散した塗料の中
に入れて、当該ロータ素材と他の金属体とが両極になる
ようにして電流を通すことによりロータ素材に塗料を塗
るものであるが、電着塗装は、上述した絶縁膜31上に
は被着することがない。従って、図1(c)に示されて
いるように、動圧発生溝25を形成すべき部分を除いた
他の表面部分に、電着塗装形成部からなる潤滑被膜32
が被着されるとともに、動圧発生溝25を形成すべき部
分は、電着塗装非形成部となって上述した絶縁膜31が
そのまま維持される。
【0032】このような電着塗装形成部からなる潤滑被
膜32の層厚さは、電着の時間及び電圧によって調整さ
れるが、本実施形態では、5〜15ミクロン程度の厚さ
にわたって電着塗装を行っており、塗装後には、加熱処
理を行って樹脂を硬化させる。
【0033】そして、電着塗装非形成部に被着されてい
た絶縁膜31を溶剤により溶かして剥離し、その部分に
剥離部分にロータ素材の外表面を露出させ、図1(d)
に示されているように、剥離後における電着塗装非形成
部におけるロータ素材の外表面と、電着塗装形成部から
なる潤滑被膜32の外表面との間に生じた段差によっ
て、動圧発生溝25を形成する。
【0034】このような実施形態によれば、電着塗装の
均一塗装作用によって、潤滑被膜32が全周均一な層厚
で簡易に得られると同時に、動圧発生溝25が、複雑な
工程を経ることなく簡易かつ高精度に形成される。
【0035】このとき、電着塗装形成部からなる潤滑被
膜32は、電着塗装時に潤滑性粒子が塗装の表面部分に
浮上してくるため、極めて良好な潤滑性を備えるように
形成されることとなって軸受特性の向上が図られる。
【0036】さらに、電着塗装においては、塗装を行う
ロータ素材に巣等の欠損部分があっても、塗料が内部側
に入り込んでいくため、成形された潤滑被膜32は、強
力な密着性を有することとなる。
【0037】また、上記潤滑被膜32は、電着塗装時に
潤滑性粒子が塗装の表面部分に浮上してくるため、極め
て良好な潤滑性を備えるように形成されることとなり、
軸受特性の向上が図られる。
【0038】さらにまた、本実施形態では、絶縁性の樹
脂塗料31に対しては電着塗装がなされないことを利用
して動圧発生溝25を形成しているので、動圧発生溝2
5が電着塗装のみの簡易な工程によって極めて効率的に
形成される。
【0039】また、このときの絶縁性樹脂塗料31の塗
布は、本実施形態のようなマスキング印刷法によって効
率的に行われるが、この絶縁性樹脂塗料31を塗布する
にあたっては、薄膜蒸着によるパターンニング法、或い
はフォトリソグラフ等の他の手段も同様に採用すること
ができる。
【0040】一方、図4には、ポリゴンミラーを回転駆
動するための軸固定型の空気動圧軸受装置を備えたアウ
タロータ型モータの一例が表されている。この空気動圧
軸受モータは、フレーム40側に組み付けられた固定部
材としてのステータ組50と、このステータ組50に対
して、図示上側から嵌め込むようにして組み付けられた
回転部材としてのロータ組60とから構成されており、
このうちステータ組50は、上記フレーム40の略中心
位置に立設された固定軸51を有しているとともに、そ
の固定軸51の外周面から半径方向に一定の距離を隔て
て円筒状に取り囲む軸受ホルダー52を有している。上
記軸受ホルダー52の外周にはステータコア53が嵌着
されており、ステータコア53の突極部には駆動コイル
54が巻回されている。
【0041】また上記固定軸51の外周面には、ヘリン
グボーン型の動圧発生用溝55が軸方向に2ブロックに
分けられて環状に凹設されており、当該動圧発生用溝5
5,55が設けられた固定軸51の外側には、前記ロー
タ組60の円筒胴部61が回転可能に装着されている。
そして上記固定軸51の外周面と、ロータ組60の円筒
胴部61の内周面との間に、空気動圧が発生させられて
ラジアル軸受が形成されるように構成されている。また
上記固定軸51には、当該固定軸51の軸端部(図示上
端部)から空気供給孔56が軸方向に延在しており、当
該空気供給孔56は、前記2ブロックの動圧発生用溝5
5,55の間部分において固定軸51の外側に向かって
開口している。
【0042】さらに上記固定軸51の軸端部(図示上端
部)は、外周部分が軸方向に所定量突出しており、その
突出部分の内周壁に、スラスト浮上用の固定側マグネッ
ト57が環状に装着されている。一方上記ロータ組60
における円筒胴部61の基部側(図示上端部側)には、
その中心部分に、所定の空気流動抵抗を有する細孔状の
エアオリフィス62がダンパー手段として軸方向に貫通
形成されており、このエアオリフィス62の通気抵抗に
よるダンパー作用によって、ロータ組60に対する軸方
向の衝撃が緩和されるようになっている。またロータ組
60の内部における空気は、前記空気供給孔56によっ
て動圧発生用溝55,55の間部分に送給され、動圧発
生用溝55,55のポンピング作用によって軸方向外側
図示上下方向に流動させられ外部側に排出されるように
なっている。
【0043】さらにまた上記エアオリフィス62の周囲
には、スラスト浮上用の回転側マグネット63が環状に
装着されている。この回転側マグネット63は、上述し
た固定軸51側の固定側マグネット57と相互に磁気的
吸引力を生じるように、軸方向(図示上下方向)に着磁
されており、両者の吸引作用によってロータ組60がス
ラスト方向に所定量浮上した状態に保持されるように構
成されている。
【0044】一方、上記ロータ組60の円筒胴部61の
基部側(図示上端部側)外周には、回転板としての平面
六角形状のポリゴンミラー64が回転板を構成するよう
に嵌着されている。このポリゴンミラー64は、円筒胴
部61から半径方向外方に向かって延出する保持部68
上に軸方向に載置されており、クランプ手段である押え
バネ69によって軸方向外側から固着されている。
【0045】また、上記保持部68から半径方向外方に
向かってロータフランジ部65が延出している。このロ
ータフランジ部65は、前記円筒胴部61及び保持部6
8と一体に形成された円盤状部材からなり、前記駆動コ
イル54が配置されたロータ内空間と、ポリゴンミラー
64が配置されたロータ外空間とを仕切るように配置さ
れている。
【0046】さらに、上記ロータフランジ部65の外周
部から軸方向(図示下方向)に向かって突出する環状の
取付板66の内周壁面に、磁性材からなるバックヨーク
を介して駆動マグネット67が環状に装着されている。
上記駆動マグネット67は、前述したステータコア53
の外周面に対して半径方向に対向するように配置されて
いる。
【0047】なお、図4では、保持部68、円筒胴部6
1、ロータフランジ部65及び取付部66が一体に形成
されているが、それぞれが別体に形成される場合もあ
る。
【0048】このような軸固定型の軸受装置における動
圧発生用溝55を有する固定軸51も、上述した実施形
態と同様な構造になされており、同様な製造方法によっ
て形成されている。そして、上記実施形態と同様な作用
・効果を得ることができる。
【0049】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0050】例えば、上述した各実施形態のように、動
圧発生溝を軸体側に設ける場合のみならず、軸嵌合体側
に形成する場合であっても、本発明は同様に適用するこ
とができる。
【0051】また、上記実施形態は、潤滑流体として空
気を用いた動圧軸受装置の場合であるが、オイル等の液
体を用いた装置に対しても本発明は同様に適用すること
ができる。
【0052】さらにまた、本発明は、上述したモータ以
外に用いられる動圧軸受装置に対しても同様に適用する
ことができる。例えば、上述した図4にかかる実施形態
に対応する部材を同一の符号で表した図5に示されてい
るハードディスク駆動用(HDD)モータに設けられた
動圧軸受装置に対しても本発明は同様に適用することが
できる。
【0053】この図5に表された実施形態の特徴点は、
固定軸51に対して、ロータを構成するハブ71の中心
側円筒部が空気動圧軸受を介して回転自在に支承されて
いる点であって、上記ハブ71の外周面に、図示を省略
した磁気ディスク等の記録媒体が略水平に保持されるよ
うになっている。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、動圧発生溝
が形成されるべき軸体又は軸嵌合体の動圧軸受面上に所
定の層厚さで施した電着塗装部からなる潤滑被膜を形成
するとともに、その電着塗装部からなる潤滑被膜の外表
面と電着塗装非形成部の外表面との間の段差により動圧
発生溝を形成したものであって、電着塗装の均一塗装性
により潤滑被膜を全面にわたって均一な層厚で簡易かつ
高精度に得ると同時に、動圧発生溝を複雑な工程を経る
ことなく形成可能としたものであるから、密着性が高
く、膨れ、剥がれ、腐食の少ない潤滑被膜を、レース加
工等の仕上げ処理を施すことなく均一かつ容易に得るこ
とができると同時に、動圧発生溝を簡易な工程で高精度
に形成することができる。従って、本発明によれば、動
圧軸受装置の性能を向上させつつ、生産性を高めること
ができ、低コストで高品質な動圧軸受装置を得ることが
できる。
【0055】特に、請求項2又は5記載の発明のよう
に、絶縁性の樹脂塗料には電着塗装が施されないことを
利用して、動圧発生溝を電着塗装のみによって極めて効
率的に形成することとすれば、上述した効果を一層高め
ることができる。
【0056】また、このときの絶縁性樹脂塗料の塗布
を、請求項7記載の発明のようにマスキング印刷法によ
り効率的に行うようにすれば、動圧軸受装置の生産性を
さらに向上させることができ、上述した効果を一層高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる軸体の製造工程を
表した説明図である。
【図2】本発明を適用する動圧軸受を備えた軸回転型の
ポリゴンミラー駆動用モータの一例を表した横断面説明
図である。
【図3】図2に表されたモータの軸体と軸受体との関係
を表した側面説明図である。
【図4】本発明を適用する動圧軸受を備えた軸固定型の
ポリゴンミラー駆動用モータの一例を表した横断面説明
図である。
【図5】本発明を適用する動圧軸受を備えた軸固定型の
ハードディスク駆動用(HDD)モータの一例を表した
横断面説明図である。
【図6】従来における軸体の製造工程を表した説明図で
ある。
【符号の説明】
12 ロータ(軸体) 12a ブランク 25,55 動圧発生溝 31 絶縁膜 32 潤滑被膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面と、この軸体に対して相対
    回転可能に装着された軸嵌合体の内周面とにより、半径
    方向に対向する少なくとも一対の動圧軸受面が形成され
    ているとともに、これら軸体及び軸嵌合体の両動圧軸受
    面のいずれか一方に、所定形状の動圧発生溝が凹設され
    た動圧軸受装置において、 上記動圧発生溝が形成されるべき軸体又は軸嵌合体の動
    圧軸受面上に、電着塗装によって潤滑被膜が所定の層厚
    で形成されているとともに、 この電着塗装形成部からなる潤滑被膜の外表面と、電着
    塗装が施されていない電着塗装非形成部の外表面との間
    の段差によって、上記動圧発生溝が形成されていること
    を特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電着塗装非形成部には、
    絶縁被膜が被着されていることを特徴とする動圧軸受装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電着塗装非形成部におけ
    る絶縁被膜が剥離されていることを特徴とする動圧軸受
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の動圧発生溝を形成する動
    圧軸受装置の製造方法において、 軸体又は軸嵌合体の動圧軸受面における動圧発生溝が形
    成されるべき部位に、絶縁被膜を被着させた後、 上記軸体又は軸嵌合体の動圧軸受面に対して電着による
    塗装工程を施し、上記絶縁被膜を被着した部位以外の部
    位に電着塗装形成部からなる潤滑被膜を所定の層厚で形
    成するとともに、 この電着塗装形成部からなる潤滑被膜の外表面と、上記
    絶縁被膜を被着することにより電着塗装が施されていな
    い電着塗装非形成部の外表面との間の段差によって、上
    記動圧発生溝を形成するようにしたことを特徴とする動
    圧軸受装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電着塗装非形成部におけ
    る絶縁被膜を剥離するようにしたことを特徴とする動圧
    軸受装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の絶縁被膜を、マスキング
    印刷法により塗布するようにしたことを特徴とする動圧
    軸受装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の絶縁被膜が、エポキシ系
    等の樹脂塗料からなることを特徴とする動圧軸受装置の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6409389B1 (en) * 1999-04-22 2002-06-25 Canon Kabushiki Kaisha Hydrodynamic bearing structure, hydrodynamic bearing apparatus, method of producing hydrodynamic bearing apparatus, and deflection scanning apparatus using hydrodynamic bearing apparatus

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