JP2007092816A - 軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受と軸部材との潤滑が良好で、製品寿命の長い軸受装置を提供する。
【解決手段】金属部4を電鋳加工で形成し、その金属部4をインサートして樹脂部5を射出成形により軸受3を形成する。軸部材2に接した油溜まり6を樹脂部材5に設ける。軸受隙間に油を供給する補油機構を軸受あるいは軸部材に設けることにより、良好な潤滑が保たれるため、異音の発生や軸受と軸部材との接触摺動による摩耗などの潤滑不良による不具合が防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、滑り軸受を備えた軸受装置に関するものである。
滑り軸受(以下、単に「軸受」と称する)を備えた軸受装置は、軸受と軸部材との間の相対的な回転、摺動、もしくは摺動回転を支持する用途に広く用いられている。
このような軸受装置として、例えば特許文献1では、樹脂成形部の軸心に電鋳加工による電鋳部をインサートして型成形した軸受部品を備えた軸受装置が提案されている。このように、軸受面となる軸受の内周面を電鋳加工で形成することにより、耐摩耗性に優れた軸受面が得られるとともに、内周に挿入される軸部材との間に形成される軸受隙間を高い精度で設定することができる。
特開2003−56552号公報
上記のような軸受装置が、例えば、高速回転、高回転精度が求められるHDDの磁気ディスク駆動用のスピンドルモータの回転軸支持等に用いられる場合は、軸受と軸部材との潤滑を良好にするため、油潤滑が必要となる場合がある。
しかし、軸受の内周面と軸部材の外周面との間の軸受隙間は、軸部材のがたつきを抑えるために、できるだけ微小な隙間幅に設定され、この軸受隙間に保持される潤滑油の量は極少量である。このため、潤滑油が飛散、蒸発などにより減少すると、潤滑油不足による潤滑不良を招き、異音の発生や、軸受と軸部材との接触摺動による部材の摩耗などの不具合が生じていた。
本発明の課題は、軸受と軸部材との潤滑が良好で、異音の発生や部材の摩耗を防ぎ、製品寿命の長い滑り軸受を備えた軸受装置を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明の軸受装置は、電鋳部と電鋳部を内周にインサートして成形された樹脂部とからなる滑り軸受と、前記滑り軸受の内周に挿入された軸部材と、前記滑り軸受の内周面と前記軸部材の外周面との間の軸受隙間に油を供給する補油機構とを備えている。
このように本発明の軸受装置は、軸受隙間に油を供給する補油機構を有する。これにより、補油機構に保持された油が毛細管現象によって少しずつ軸受隙間に供給されるため、軸受隙間に形成された油膜によって軸受装置がスムーズに作動し、潤滑不良による異音の発生や、軸受と軸部材との接触摺動による摩耗を回避できる。
補油機構は、例えば、軸部材に接した油溜まりで形成することができる。この場合、油溜まりが軸部材に接していることにより、軸受隙間に油を供給しやすくなり、よりスムーズな潤滑が得られる。このような油溜まりは、例えば、電鋳部と軸部材との間、あるいは樹脂部に設けることができる。
上記のような軸受装置を有するモータはスムーズに作動するため、異音の発生がなく、製品寿命も長い。
以上のように、本発明の軸受装置は、軸受と軸部材との潤滑が良好なため、異音の発生や部材の摩耗を防止でき、高回転化や製品寿命の延長を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る軸受装置1の断面図である。軸受装置1は、軸受3と、軸受3の内周に挿入された軸部材2と、軸部材2の外周面2aと軸受3の内周面3aとの間に形成される軸受隙間に油を供給する補油機構とで構成される。
軸受3は、電鋳加工で形成される電鋳部4と、電鋳部4を内周に保持する樹脂部5とを備える。電鋳部4は電鋳加工により形成され、その内周面4aは軸受面として作用する。樹脂部5は、略円筒状をなし、樹脂を型成形することで形成される。補油機構の形態や配置される場所は、特に限定されない。本実施形態では、補油機構として油溜まり6が樹脂部5に設けられる場合を例示する。
以下、軸受3の製造工程を説明する。軸受3は、マスター軸7の所要個所をマスキングする工程、非マスク部に電鋳加工を行って電鋳軸10を形成する工程(図2、図3参照)、電鋳軸10の電鋳部4を樹脂で射出成形する工程(図4参照)、及び電鋳部4をマスター軸7から剥離し、軸受3とマスター軸7とを分離する工程を経て製作される。
なお、以下の説明において、「回転用の軸受」とは、軸部材との間の相対回転を支持する軸受を意味し、軸受が回転側となるか固定側となるかを問わない。「摺動用の軸受」とは、軸との間の相対的な直線運動を支持する軸受を意味し、同様に軸受が移動側となるか固定側となるかを問わない。「回転摺動用の軸受」とは、前記二つの軸受の機能を併せ持つもので、軸との間の回転運動及び直線運動の双方を支持する軸受を意味する。また、「揺動用の軸受」とは、例えばボールジョイントのように、軸の三次元方向の運動が許容される軸受を意味する。
マスター軸7は、導電性材料、例えば焼入処理をしたステンレス鋼で、ストレートな横断面円形の軸として製作される。もちろんステンレス鋼に限定されるものでなく、剛性などの機械的強度、摺動性、耐熱性、耐薬品性、電鋳部4の加工性及び分離性など、軸受の機能上あるいは軸受製作の都合上求められる特性に適合した材料、さらには熱処理方法が選択される。セラミック等の非金属材料でも、導電処理を施すことにより(例えば表面に導電性の金属皮膜を形成することにより)使用可能となる。なお、マスター軸7の表面には、電鋳部4との間の摩擦力を減じるための表面処理、例えばフッ素系の樹脂コーティングを施すのが望ましい。
マスター軸7は、中実軸の他、中空軸や中空部に樹脂を充填した中実軸であっても良い。また、回転用の軸受では、マスター軸の横断面は基本的に円形に形成されるが、摺動用の軸受の場合は横断面を任意形状にすることができ、円形のほかに多角形状や非真円形状とすることもできる。また、摺動用の軸受では、基本的にマスター軸7の横断面形状は軸方向で一定であるが、回転用の軸受や回転摺動用の軸受では、軸の全長にわたって一定の横断面形状ではない形態をとることもある。
マスター軸7の外周面精度は、後述する軸受隙間の精度を直接左右するので、真円度、円筒度、表面粗さ等の軸受機能上重要となる表面精度を、予め高精度に仕上げておく必要がある。例えば回転用の軸受では、軸受面との接触回避の観点から真円度が重視されるので、マスター軸7の外周面はできるだけ真円度を高める必要がある。例えば、後述する軸受隙間の平均幅(半径寸法)の8割以下にまで仕上げておくのが望ましい。従って、例えば軸受隙間の平均幅を2μmに設定する場合、マスター軸外周面は1.6μm以下の真円度に仕上げるのが望ましい。
マスター軸7の外周面には、電鋳部4の形成予定部を除き、マスキングが施される(図2に散点で示す)。マスキング用の被覆材8としては、非導電性、及び電解質溶液に対する耐食性を有する既存品が選択使用される。
電鋳加工は、NiやCu等の金属イオンを含んだ電解質溶液にマスター軸7を浸漬し、電解質溶液に通電して目的の金属をマスター軸7の表面に析出させることにより行われる。電解質溶液には、カーボンなどの摺動材、あるいはサッカリン等の応力緩和材を必要に応じて含有させてもよい。電着金属の種類は、軸受の軸受面に求められる硬度や、耐摩耗性、疲れ強さ等の物理的性質、化学的性質に応じて適宜選択される。電鋳部4の厚みは、これが厚すぎるとマスター軸7からの剥離性が低下し、薄すぎると軸受面の耐久性低下等につながるので、求められる軸受性能や軸受サイズ、さらには用途等に応じて最適な厚みに設定される。例えば軸径1mm〜6mmの回転用の軸受では、10μm〜200μmの厚さとするのが好ましい。
以上の工程を経ることにより、図2に示すように、マスター軸7外周に円筒状の電鋳部4が形成される。なお、マスキング用の被覆材8が薄い場合、電鋳部4の両端は被覆材8側に迫り出し、内周面にテーパ状の面取り部が形成される場合がある。この面取り部を利用して、電鋳部の樹脂部からの抜け落ちを防止するフランジ部を形成することもできる。本実施形態では、面取り部が形成されない場合を例示する。
その後、図3に示すように、マスター軸7の外周面に油溜まり形成部材9を配置する。油溜まり形成部材9の形状は特に限定されず、図3に示すような環状の他、例えば円周方向に離隔した複数箇所に設けても良い。また、断面形状は、図4に示すような矩形の他、半円状や台形状など任意の形状に形成することができる。
油溜まり形成部材9に使用される材料は、形状が図3のように環状の場合は、後述の軸受3とマスター軸7との分離後に軸受3から取り外すことができるように、弾性変形可能な部材が好ましく、例えばゴム系の材料で形成される。油溜まり形成部材9の形状が環状でない場合は、軸受3からの取り外しの際に不具合がなければ、任意の材料、例えば金属や樹脂等が使用できる。
油溜まり形成部材9を配置する位置は、樹脂部5の形成予定部内であれば特に限定されない。例えば、図3に示すように電鋳部4に隣接して配置する他、電鋳部4と軸方向に離隔して配置してもよい。あるいは、電鋳部4を軸方向に離隔した複数箇所に形成し、その電鋳部4の間に油溜まり形成部材9を配置することもできる。また、配置する数も限定されず、図3のように一箇所に配置しても良いし、複数箇所に配置しても良い。
以上により、マスター軸7の外周面に電鋳部4と油溜まり形成部材9が設置された電鋳軸10が形成される。電鋳軸10は、図4に示す射出成形工程に移送され、電鋳部4、油溜まり形成部材9、及びマスター軸7をインサート部品とするインサート成形が行われる。
図4は、樹脂部5のインサート成形工程を概念的に示すもので、固定型11b、および可動型11aからなる金型には、ランナ12およびゲート13と、キャビティ14とが設けられる。ゲート13は、この実施形態では、点状ゲートであり、成形金型(固定型11b)の、樹脂部5の軸方向一端面に対応する位置に、かつ円周方向等間隔に複数箇所(例えば三箇所)形成される。各ゲート13のゲート面積は、充填する溶融樹脂の粘度や、成形品の形状に合わせて適切な値に設定される。
上記構成の金型において、電鋳軸10を所定位置に位置決めした状態で可動型11aを固定型11bに接近させて型締めする。次に、型締めした状態で、スプール(図示は省略)、ランナ12、およびゲート13を介してキャビティ14内に溶融樹脂Pを射出、充填し、樹脂部5を電鋳軸10と一体に成形する。
溶融樹脂Pは熱可塑性樹脂であり、非晶性樹脂として、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルイミド(PEI)等、結晶性樹脂として、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることができる。また、上記の樹脂に充填する充填材の種類も特に限定されないが、例えば、充填材として、ガラス繊維等の繊維状充填材、チタン酸カリウム等のウィスカー状充填材、マイカ等の鱗片状充填材、カーボンファイバー、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノマテリアル、金属粉末等の繊維状又は粉末状の導電性充填材を用いることができる。これらの充填材は、単独で用い、あるいは、二種以上を混合して使用しても良い。
型開き後、マスター軸7、電鋳部4、油溜まり形成部材9、および樹脂部5が一体となった成形品を金型から脱型する。この成形品は、その後の剥離工程において電鋳部4、樹脂部5、及び油溜まり形成部材9からなる要素(図1を参照)と、マスター軸7とに分離される。
この剥離工程では、電鋳部4に蓄積された内部応力を解放することにより、電鋳部4の内周面4aを拡径させ、マスター軸7の外周面から剥離させる。内部応力の解放は、マスター軸7又は電鋳部4に衝撃を与えることにより、あるいは電鋳部4の内周面4aとマスター軸7の外周面との間に軸方向の加圧力を付与することにより行われる。内部応力の解放により、電鋳部4の内周面を半径方向に拡径させて、電鋳部4の内周面4aとマスター軸7の外周面との間に適当な大きさの隙間を形成することにより、電鋳部4の内周面4aからマスター軸7を軸方向にスムーズに引き抜くことができ、これにより成形品が、電鋳部4、樹脂部5、及び油溜まり形成部材9からなる要素と、マスター軸7とに分離される。なお、電鋳部4の拡径量は、例えば電鋳部4の肉厚や電解質溶液の組成、電鋳条件を変えることによって制御できる。
衝撃の付与だけでは電鋳部4の内周を十分に拡径さえることができない場合、電鋳部4とマスター軸7とを加熱又は冷却し、両者間に熱膨張量差を生じさせることによって、マスター軸7から電鋳部4を剥離することもできる。
こうして分離された電鋳部4、樹脂部5、及び油溜まり形成部材9からなる要素から油溜まり形成部材9を取り外し、油溜まり6を有する軸受3が形成される。
油溜まり6の容積、すなわち油溜まり形成部材9の体積は、十分な油を保持するために、軸受隙間の容積に対する比を10以上に設定することが望ましい。また、本実施形態では、油溜まり形成部材9がゴム等の弾性材料により形成される場合を例示したが、例えば、油溜まり形成部材9を溶融性の材料で形成し、分離工程後に溶剤によって溶融させて形成することもできる。あるいは、軸受3の内周面3aを円筒状に形成し、その円筒状内周面3aの一部を旋削などの機械加工で除去することにより、油溜まり6を形成することもできる。また、本実施形態では、軸受3に油溜まり6が形成されるが、例えば旋削などの機械加工で軸部材2の外周面2aの一部を除去することにより、軸部材2に油溜まり6を形成することもできる。
その後、軸受3に別途製作した軸部材2を挿入し、軸受3の内周面と軸部材2の外周面との間の軸受隙間及び油溜まり6に潤滑油を充填することで、図1に示す軸受装置1が完成する。
本実施形態では、図1のように、軸受3の内周面3aが、電鋳部4の内周面4aと樹脂部5の小径内周面5aとで形成され、電鋳部4の内周面4aが軸受面として作用する。射出成形後の固化時に、樹脂部5の小径内周面5aが成形収縮により拡径するよう樹脂材料の組成や成形条件を配慮することにより、マスター軸7の外周面との間に微小隙間を形成することができる。これにより、樹脂部5とマスター軸7とを容易に分離することが可能となる。微小隙間の幅が適切であれば、図1に示す軸受装置1において、樹脂部5の小径内周面5aと軸部材2の外周面2aとの間の微小隙間を毛細管シールとして機能させることができ、軸受隙間からの潤滑油の流出防止に有効となる。この他、マスター軸7の分離後、機械加工等で小径内周面5aを形成しても良い。
このように毛細管シールは、樹脂部5の小径内周面5aを拡径させる他、小径内周面5aに対抗する軸部材2の外周面2aに小径外周面(図示省略)を形成することで構成することもできる。また、毛細管シールを、軸受隙間側ほど隙間幅を徐々に縮径させたテーパシールとすれば、より有効な潤滑油の流出防止が可能となる。
軸部材2として、分離したマスター軸7をそのまま使用することもできる。この場合、電鋳部4とマスター軸7との剥離工程でできた電鋳部4の内周面4aとマスター軸7の外周面との間の微小隙間は、軸受隙間として機能する。この軸受隙間は、電鋳加工の特性から、クリアランスが極めて小さく、かつ高精度であるという特徴を有するため、高い回転精度または摺動性を有する軸受の提供が可能となる。なお、上述のように、別途製作した軸部材と置き換えて軸受を構成する場合、一度マスター軸7を製作すれば、これを繰返し転用することができるので、マスター軸7の製作コストを抑え、軸受装置1のさらなる低コスト化を図ることが可能となる。
軸受装置1の作動(回転、摺動、回転摺動、又は揺動)時には、油溜まり6から供給された油が、電鋳部4の内周面4aと軸部材2の外周面2aとの間の軸受隙間に油膜を形成するため、常に潤沢な潤滑油が軸受隙間に介在する。これにより、油不足による潤滑不良による異音の発生や、軸部材2と軸受3との接触摺動による摩耗が回避され、製品寿命が延長される。
本発明は、上記実施形態に限られない。図5に示す本発明の第2の実施形態に係る軸受装置21は、カップ状に形成された軸受3の内周面及び内底面に電鋳部4が形成される。軸受3の内周には、下端が凸球面状の軸部材2が挿入される。軸部材2の凸球面部2bの先端と電鋳部4の内底面4cとの間には、軸部材2をスラスト方向に支持するスラスト軸受部Tが形成される。この場合、軸部材2の凸球面部2bと、電鋳部4の内周面4a及び内底面4cとの間に補油機構となる油溜まり6を形成している。
図6に示す本発明の第3の実施形態に係る軸受装置31は、カップ状の軸受3の側部15と底部16とが別体に形成される。底部16は、例えば金属材料で形成され、接着、高周波溶着、超音波溶着などの方法で、側部15に固定される。軸部材2の凸球面部2bの先端と軸受3の底部16の上端面16aとの間には、軸部材2をスラスト方向に支持するスラスト軸受部Tが形成される。この場合、軸部材2の凸球面部2bと、樹脂部5の段部5bと、電鋳部4の下端部と、底部材16の上端面16aとで囲まれる空間が補油機構となる油溜まり6として機能する。この場合、射出成形時の金型を調整することにより樹脂部5の段部5bを形成できるため、油溜まり6の形成が容易化される。
以上で示した軸受は、電鋳部4の内周面4aと軸部材2の外周面2aとの間の軸受隙間に、流体の動圧作用で圧力を発生させる動圧軸受として使用することも可能である。この動圧軸受は、例えば軸部材2の外周面2aに、ヘリングボーン形状等に形成した動圧溝、多円弧面、あるいはステップ面等の動圧発生部を形成し、この動圧発生部を電鋳部4の真円状内周面4aと対向させることで構成することができる。これとは逆に、電鋳部4の内周面4aに動圧発生部を形成することもでき、この場合、電鋳部内周面4aの動圧発生部は、マスター軸7の外周面に動圧発生部の形状に対応した型を形成して電鋳加工を行うことで形成可能である。その後、同様の手順で軸受3とマスター軸7の分離を行い、さらに軸受3の内周に真円状の外周面を有する軸部材2を挿入することで、動圧軸受が構成される。
以上説明した軸受装置は、例えば情報機器用のモータに組み込んで使用可能である。以下、軸受装置1を上記モータ用の回転軸支持装置として使用した例を、図7に基づいて説明する。
図7に示すように、このモータ100は、例えばHDD等のディスク駆動装置用のスピンドルモータとして使用されるものであって、軸部材2を回転自在に非接触支持する軸受装置1と、軸部材2に装着されたロータ(ディスクハブ)103と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル104およびロータマグネット105とを備えている。ステータコイル104は、ブラケット106の外周に取付けられ、ロータマグネット105はディスクハブ103の内周に取付けられている。ディスクハブ103には、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持されている。ステータコイル104に通電すると、ステータコイル104とロータマグネット105との間の電磁力でロータマグネット105が回転し、それによって、ディスクハブ103及びディスクハブ103に保持されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
この実施形態において、軸受装置1は、軸受3と、軸受3の内周に挿入される軸部材2と、軸受3の一端に装着されるスラストプレート107とを備える。図7では、軸受装置として図1に示す軸受装置1を例示しているが、図5、図6に示す軸受装置21、31も使用可能である。スラストプレート107の上端面には、スラスト動圧発生部として、複数の動圧溝をスパイラル状に配列した領域(スラスト軸受面)107aが形成される。軸部材2の回転時には、軸部材2の外周面2aと軸受3のラジアル軸受面となる電鋳部4の内周面4aとのラジアル軸受隙間に油膜が形成され、これにより軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部Rが形成される。同時に、軸部材2の下端面2cとスラストプレート107の上端面107aとの間のスラスト軸受隙間に、動圧溝による潤滑油の動圧作用で軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部Tが形成される。
本発明の軸受装置は、以上の例示に限らず、光ディスクの光磁気ディスク駆動用のスピンドルモータ等、高速回転下で使用される情報機器用の小型モータ、あるいはレーザビームプリンタのポリゴンスキャナモータ等における回転軸支持用としても好適に使用することができる。また、長寿命が要求されるファンモータなどにも適用できる。
以上の説明では、軸受3を回転軸の支持に使用する場合を例示しているが、この他にも軸受3は、軸との間の直線的な相対摺動を支持する摺動用の軸受や、相対摺動と相対回転の双方を支持する摺動回転用の軸受、あるいは軸の三次元方向の運動を支持する揺動用の軸受の何れにも適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る軸受装置1の断面図である。 マスター軸7に電鋳部4を形成した状態を示す斜視図である。 電鋳軸10の斜視図である。 射出成形金型に電鋳軸10を取付けた状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る軸受装置21の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る軸受装置31の断面図である。 本発明を適用したモータ100の概略構造を示す断面図である。
符号の説明
1 軸受装置
2 軸部材
3 軸受
4 電鋳部
5 樹脂部
7 マスター軸
8 被覆材
9 油溜まり形成部材
10 電鋳軸
100 モータ
R ラジアル軸受部
T スラスト軸受部

Claims (5)

  1. 電鋳部と電鋳部を内周にインサートして成形された樹脂部とからなる滑り軸受と、前記滑り軸受の内周に挿入された軸部材と、前記滑り軸受の内周面と前記軸部材の外周面との間の軸受隙間に油を供給する補油機構とを備えた軸受装置。
  2. 前記補油機構が、前記軸部材に接した油溜まりである請求項1記載の軸受装置。
  3. 前記油溜まりが、電鋳部と軸部材との間に形成されている請求項2記載の軸受装置。
  4. 前記油溜まりが、樹脂部に形成されている請求項2記載の軸受装置。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の軸受装置を有するモータ。
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