JPH11271654A - ポリゴンスキャナ - Google Patents

ポリゴンスキャナ

Info

Publication number
JPH11271654A
JPH11271654A JP9533098A JP9533098A JPH11271654A JP H11271654 A JPH11271654 A JP H11271654A JP 9533098 A JP9533098 A JP 9533098A JP 9533098 A JP9533098 A JP 9533098A JP H11271654 A JPH11271654 A JP H11271654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
polygon
polygon mirror
dynamic pressure
mirror surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9533098A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Suzuki
光夫 鈴木
Yukio Itami
幸男 伊丹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9533098A priority Critical patent/JPH11271654A/ja
Publication of JPH11271654A publication Critical patent/JPH11271654A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は複数のレーザービームの入射されるポ
リゴンミラーの風損を低減して高精細な画像形成を行う
ポリゴンスキャナを提供する。 【解決手段】動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、
回転スリーブ37の中空内に固定軸33が挿入され、回
転スリーブ37に磁気軸受回転部39の固定されたフラ
ンジ38とポリゴンミラー40が固定されて、これらは
回転体45を構成する。磁気軸受回転部39は固定軸3
3の上端凹部内に埋設された永久磁石組立体34内に挿
入され、固定軸33は、磁気軸受回転部39と永久磁石
組立体34により回転スリーブ37を軸方向に浮上支持
し、かつ、回転スリーブ37が回転されると、空気の動
圧により、回転スリーブ37との接触面を動圧空気軸受
面として回転スリーブ37を径方向に支持する。ポリゴ
ンミラー40には鏡面部40a、40bと非鏡面部40
cが形成され、非鏡面部40cは鏡面部40a、40b
よりも小径に形成されて、重量の軽減化、高速回転時の
風損の低減化が図られている。従って、低振動で安定し
て高速回転し、高精細な画像形成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリゴンスキャナ
に関し、詳細には、複数のレーザービームを入射させて
高精細な画像形成を行うポリゴンスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル複写機やレーザープリンタ等
のレーザー書込系を用いた電子写真方式の画像形成装置
は、その印字品質が良好なこと、印字速度が速いこと及
び騒音が低いこと等の特徴と低価格化が進んできたこと
から、近時、急速に普及してきており、特に、カラー画
像形成装置においては、複数のレーザービームをポリゴ
ンミラーに入射させて、偏向させる方式のものがある。
【0003】このような複数のレーザービームを入射さ
せるポリゴンスキャナにおいては、複数のレーザービー
ムを入射させるために、特開平6−11657号公報に
記載されているように、ポリゴンミラーの反射面(鏡
面)の面積を軸方向に広くして厚板化するか、あるい
は、2枚のポリゴンミラーを軸方向に間隔を開けて配置
する方法がとられている。
【0004】一方で、電子写真方式の画像形成装置のレ
ーザー書込系に用いられているポリゴンスキャナには、
画像形成装置のプリント速度及び画素密度に応じた回転
速度でポリゴンミラーを回転させることが要求され、特
に、近年、プリント速度の高速化及び画素密度の高密度
化にともない、カラー画像形成装置のポリゴンスキャナ
には、30000rpm以上の超高速かつ高精度の回転
が要求される。
【0005】このような超高速回転の要求されるポリゴ
ンスキャナにおいては、従来のボールベアリングタイプ
の軸受装置では、軸受寿命や軸受騒音などの面から要求
される画像品質を満足させることができない。
【0006】そこで、従来から、超高速回転の要求され
るポリゴンスキャナにおいては、動圧空気を利用した動
圧空気軸受が用いられている。
【0007】このような動圧空気軸受を使用したポリゴ
ンスキャナとしては、例えば、図6に示すようなものが
ある。図6において、ポリゴンスキャナ1は、ハウジン
グ2に圧入固着あるいは焼きばめ等の方法で堅固に固定
された固定軸3と、固定軸3に挿入された中空回転軸4
と、を備えている。
【0008】中空回転軸4は、軸方向途中に外方(径方
向)に突出した鍔部4aが形成されており、当該鍔部4
aの上面にポリゴンミラー5が載置されている。ポリゴ
ンミラー5は、ミラー押さえ6により中空回転軸4の鍔
部4aに押さえ付けられるとともに、ミラー押さえ6が
ネジ7により中空回転軸4に固定されることにより、中
空回転軸4に固定されている。ミラー押さえ6は、永久
磁石8を保持しており、マグネットホルダーとしての機
能も有している。
【0009】この永久磁石8に対向する上方の位置に
は、ハウジング2に固定された上カバー9に保持された
永久磁石10が所定の微小間隔を開けて配設されてお
り、永久磁石8に対向する下方の位置には、固定軸3の
上端に固定された永久磁石11が所定の微小間隔を開け
て配設されている。永久磁石10及び永久磁石11は、
それぞれ永久磁石8に対して相互に向かい合う面が同極
となるように配設されており、永久磁石8に対してそれ
ぞれ反発力が作用する。上カバー9には、図示しないが
半導体レーザからのレーザー光の入出射用の開口部が形
成されており、当該開口部には、両面テープあるいは接
着剤等でガラスが設けられて、上カバー9及びハウジン
グ2内が密閉されている。
【0010】そして、ミラー押さえ6には、図示しない
上下振動減衰用連通穴が形成されており、この上下振動
減衰用連通穴は、後述するアキシャル軸受に適切なダン
ピング特性を持たせている。
【0011】中空回転軸4の鍔部4aの下面であって中
空回転軸4の外周面には、周状にロータマグネット12
が取り付けられており、ロータマグネット12は、中空
回転軸4に対して内周部を嵌合させ、内周部と軸方向上
面を中空回転軸4及び鍔部4aに直接接着等で固着する
ことにより、中空回転軸4に固定されている。
【0012】上記ポリゴンミラー5、ミラー押さえ6及
びロータマグネット12等の取り付けられた中空回転軸
4は、回転体13を構成している。
【0013】そして、上記ロータマグネット12に対向
する下方の位置に、プリント基板14を挟んでコイル部
15とホール素子16が配設されており、これらプリン
ト基板14、コイル部15及びホール素子16は、ハウ
ジング2に取り付けられている。プリント基板14は、
コネクタ17及びハーネス18を介して回路基板19に
接続されており、これらロータマグネット12、プリン
ト基板14、コイル部15、ホール素子16、コネクタ
17、ハーネス18及び回路基板19の制御回路等によ
り、アキシャルギャップ(面対向)型のモータ20が構
成されている。このモータ20は、制御回路(回路基
板)19により励磁切り換えを行うことにより、回転体
13を回転させる。
【0014】そして、上記ミラー押さえ6には、回転体
13の不釣り合い修正用のバランス修正溝6aが形成さ
れており、ロータマグネット12には、回転体13の不
釣り合い修正用のバランス修正溝12aが形成されてい
る。バランス修正用溝12aは、ロータマグネット12
の内周面の一部を周状に切り欠くことにより形成されて
おり、ロータマグネット12のバランス修正用溝12a
以外の内周面は、中空回転軸4に精度良く嵌合されてい
る。これらのバランス修正溝6a、12aは、回転体1
3の不釣り合い量を数mg以下の不釣り合い量にバラン
ス修正して、回転体13の高速回転時に不釣り合いによ
る振動を小さく抑える。
【0015】また、固定軸3の外周面には、ヘリングボ
ーン溝3a、3bが上下2対形成されており、モータ2
0の駆動により回転体13が回転すると、中空回転軸4
と固定軸3の隙間の圧力が高まり、中空回転軸4、固定
軸3及びヘリングボーン溝3a、3bにより動圧空気を
利用したラジアル軸受として機能して、非接触でラジア
ル方向に回転体13を支持する。
【0016】一方、上記ミラー押さえ6に保持された磁
石8、上カバー9に保持された磁石10、固定軸3の上
端に固定された磁石11及びミラー押さえ6に形成され
た上下振動減衰用連通穴は、磁石10と磁石11がミラ
ー押さえ6に保持された磁石8に上下双方から反発力を
付与して、磁石8及び磁石8を保持するミラー押さえ6
を介して回転体13を反発浮上させるアキシャル軸受と
して機能して、回転体13を軸方向に非接触で支持す
る。
【0017】すなわち、このポリゴンスキャナ1は、ラ
ジアル方向に動圧軸受を用い、アキシャル方向に磁石反
発型の磁気軸受を用いており、モータ方式として、アキ
シャル方向に磁気ギャップを持った、いわゆる面対向型
を採用している。
【0018】そして、上記ポリゴンミラー5は、複数の
レーザービームを入射するために、上下方向(軸方向)
に幅広に形成されて、厚板化されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のポリゴンスキャナにあっては、複数のレーザ
ービームをポリゴンミラーに入射して、偏向させるため
に、ポリゴンミラーを厚板化するか、複数のポリゴンミ
ラーを軸方向に間隔を開けて配置していたため、ポリゴ
ンミラーを低振動で、高速回転が可能なポリゴンスキャ
ナを安価にかつ容易に製造する上で、改良の余地があっ
た。
【0020】すなわち、複数のレーザービームをポリゴ
ンミラーに入射して偏向するために、ポリゴンミラーを
厚板化すると、ポリゴンミラーを高速回転させた際、ポ
リゴンミラーによる風損が多くなり、ポリゴンミラーを
回転駆動させるモータの消費電力が多くなるという問題
があった。また、複数のレーザービームをポリゴンミラ
ーに入射して偏向するために、複数枚のポリゴンミラー
を所定間隔空けて設けると、各ポリゴンミラーの基準面
を精度良く仕上げる必要があり、かつ、複数枚のポリゴ
ンミラーの面倒れ精度を高精度に調整する必要があり、
ポリゴンスキャナの加工・組立工数が複雑となって、コ
ストが高くつくという問題があった。
【0021】また、ポリゴンミラーを厚板化あるいは複
数枚配設すると、ポリゴンスキャナ全体に対してポリゴ
ンミラーの重量の占める割合が高くなるとともに、厚板
化あるいは複数枚化した方向に長くなって、回転体の重
心が当該長さ方向(軸方向)に変位して、動圧空気軸受
への負担が大きくなり、揺れ回りが大きくなるという問
題があった。特に、高速回転においては、振動を引き起
こす原因となり、大きな振動が発生するおそれがあっ
た。
【0022】そこで、請求項1記載の発明は、ポリゴン
ミラーの鏡面部を、当該鏡面部に対して回転軸方向に分
離した状態で入射されるレーザービームの入射位置に応
じて回転軸方向に分離して形成し、当該回転軸方向に分
離して形成した鏡面部の間を、当該鏡面部の内接円半径
よりもその半径を所定量小さく形成することにより、ポ
リゴンミラーの組み立て工程を複雑にすることなく、超
高速回転においてもポリゴンミラーの風損を確実に低減
し、消費電力を低減させることができるとともに、安価
なポリゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0023】請求項2記載の発明は、軸方向に中空部を
有する回転スリーブに所定の保持部材を介してポリゴン
ミラーの固定された回転体を有し、当該回転体の回転ス
リーブの中空部内に固定軸が挿入され、回転体がモータ
により回転されることにより発生する空気の動圧を回転
スリーブの内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸
受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を
利用したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及
び軸方向に回転自在に支持するポリゴンスキャナの軸方
向に分離した状態で入射される複数のレーザービームを
偏向して出射するポリゴンミラーの鏡面部を、入射され
るレーザービームの入射位置に応じて回転軸方向に分離
して形成するとともに、当該軸方向に分離して形成した
鏡面部の間の半径を、当該鏡面部の内接円半径よりも所
定量小さく形成することにより、ポリゴンミラーの組み
立て工程を複雑にすることなく、35000rpm以上
の超高速回転においてもポリゴンミラーの風損を確実に
低減し、消費電力を低減させることができるとともに、
安価なポリゴンスキャナを提供することを目的としてい
る。
【0024】請求項3記載の発明は、ポリゴンスキャナ
を、動圧空気軸受面の軸方向中央部と回転体の重心位置
とが略一致する状態で形成することにより、回転体の重
量が動圧空気軸受面に与える負荷を軽減して、回転体の
振れ回りを小さくし、超高速回転においても、振動を低
減して、安定した高速回転を可能とするポリゴンスキャ
ナを提供することを目的としている。
【0025】請求項4記載の発明は、回転体を構成する
ポリゴンミラーと保持体を一体的に形成することによ
り、高温高速回転時における回転体のポリゴンミラーと
保持体との固定部での熱発生を防止して、熱膨張差によ
る保持体とポリゴンミラーとの位置ずれを防止し、回転
体のバランスを向上させて、高温時においても振動を低
減させつつ、より一層安定した高速回転を可能とするポ
リゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0026】請求項5記載の発明は、回転体を構成する
ポリゴンミラーと保持体と回転スリーブを一体的に形成
することにより、高温高速回転時における回転体のポリ
ゴンミラーと保持体との固定部での熱発生及び回転体の
保持体と回転スリーブとの固定部での熱発生を防止し
て、熱膨張差による保持体とポリゴンミラーとの位置ず
れ及び保持体と回転スリーブとの位置ずれを防止し、回
転体のバランスをより一層向上させて、高温時において
も振動をより一層低減させつつ、より一層安定した高速
回転を可能とするポリゴンスキャナを提供することを目
的としている。
【0027】請求項6記載の発明は、鏡面部間の径の小
さい部分を形成した後、鏡面部を形成して、ポリゴンミ
ラーを形成することにより、鏡面部間の径の小さい部分
を加工する際の加工応力が鏡面部にかかることを防止す
るとともに、鏡面部の加工時に発生する切り粉を径の小
さい部分に逃がして、切り粉によるスクラッチの発生を
防止し、より一層安定した超高速回転を可能とするポリ
ゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のポ
リゴンスキャナは、ポリゴンミラーが所定の鏡面部を有
して当該鏡面部に対して回転軸方向に分離した状態で入
射される複数のレーザービームを前記鏡面部により偏向
して出射するポリゴンスキャナであって、前記ポリゴン
ミラーは、前記鏡面部が前記入射されるレーザービーム
の入射位置に応じて前記回転軸方向に分離して形成さ
れ、当該回転軸方向に分離して形成された鏡面部の間
が、当該鏡面部の内接円半径よりもその半径が所定量小
さく形成されていることにより、上記目的を達成してい
る。
【0029】上記構成によれば、ポリゴンミラーの鏡面
部を、当該鏡面部に対して回転軸方向に分離した状態で
入射されるレーザービームの入射位置に応じて回転軸方
向に分離して形成し、当該回転軸方向に分離して形成し
た鏡面部の間を、当該鏡面部の内接円半径よりもその半
径を所定量小さく形成しているので、ポリゴンミラーの
組み立て工程を複雑にすることなく、超高速回転におい
てもポリゴンミラーの風損を確実に低減することがで
き、消費電力を低減させることができるとともに、ポリ
ゴンスキャナを安価なものとすることができる。
【0030】請求項2記載の発明のポリゴンスキャナ
は、軸方向に中空部を有する回転スリーブに所定の保持
部材を介してポリゴンミラーの固定された回転体を有
し、当該回転体の前記回転スリーブの前記中空部内に固
定軸が挿入され、前記保持部材が前記回転スリーブの一
端側に前記中空部を閉止して前記固定軸との間に所定の
空気溜まりを形成する状態で取り付けられ、前記回転体
がモータにより回転されることにより発生する空気の動
圧を前記回転スリーブの内周面と前記固定軸の外周面か
らなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受
と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、により
前記回転体を半径方向及び前記軸方向に回転自在に支持
し、前記ポリゴンミラーが所定の鏡面部を有して当該鏡
面部に対して前記軸方向に分離した状態で入射される複
数のレーザービームを前記鏡面部により偏向して出射す
るポリゴンスキャナであって、前記ポリゴンミラーは、
前記鏡面部が前記入射されるレーザービームの入射位置
に応じて前記回転軸方向に分離して形成され、当該軸方
向に分離して形成された鏡面部の間が、当該鏡面部の内
接円半径よりもその半径が所定量小さく形成されている
ことにより、上記目的を達成している。
【0031】上記構成によれば、軸方向に中空部を有す
る回転スリーブに所定の保持部材を介してポリゴンミラ
ーの固定された回転体を有し、当該回転体の回転スリー
ブの中空部内に固定軸が挿入され、回転体がモータによ
り回転されることにより発生する空気の動圧を回転スリ
ーブの内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面
で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を利用
したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及び軸
方向に回転自在に支持するポリゴンスキャナの軸方向に
分離した状態で入射される複数のレーザービームを偏向
して出射するポリゴンミラーの鏡面部を、入射されるレ
ーザービームの入射位置に応じて回転軸方向に分離して
形成するとともに、当該軸方向に分離して形成した鏡面
部の間の半径を、当該鏡面部の内接円半径よりも所定量
小さく形成しているので、ポリゴンミラーの組み立て工
程を複雑にすることなく、35000rpm以上の超高
速回転においてもポリゴンミラーの風損を確実に低減す
ることができ、消費電力を低減させることができるとと
もに、ポリゴンスキャナを安価なものとすることができ
る。
【0032】この場合、例えば、請求項3に記載するよ
うに、前記ポリゴンスキャナは、前記動圧空気軸受面の
前記軸方向中央部と前記回転体の重心位置とが略一致す
る状態で形成されていてもよい。
【0033】上記構成によれば、ポリゴンスキャナを、
動圧空気軸受面の軸方向中央部と回転体の重心位置とが
略一致する状態で形成しているので、回転体の重量が動
圧空気軸受面に与える負荷を軽減して、回転体の振れ回
りを小さくすることができ、超高速回転においても、振
動を低減して、安定した高速回転を可能とすることがで
きる。
【0034】また、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記回転体は、前記ポリゴンミラーと前記保持体が
一体的に形成されていてもよい。
【0035】上記構成によれば、回転体を構成するポリ
ゴンミラーと保持体を一体的に形成しているので、高温
高速回転時における回転体のポリゴンミラーと保持体と
の固定部での熱発生を防止して、熱膨張差による保持体
とポリゴンミラーとの位置ずれを防止することができ、
回転体のバランスを向上させて、高温時においても振動
を低減させることができるとともに、より一層安定した
高速回転を可能とすることができる。
【0036】さらに、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記回転体は、前記ポリゴンミラーと前記保持体と
前記回転スリーブが一体的に形成されていてもよい。
【0037】上記構成によれば、回転体を構成するポリ
ゴンミラーと保持体と回転スリーブを一体的に形成して
いるので、高温高速回転時における回転体のポリゴンミ
ラーと保持体との固定部での熱発生及び回転体の保持体
と回転スリーブとの固定部での熱発生を防止して、熱膨
張差による保持体とポリゴンミラーとの位置ずれ及び保
持体と回転スリーブとの位置ずれを防止することがで
き、回転体のバランスをより一層向上させて、高温時に
おいても振動をより一層低減させることができるととも
に、より一層安定した高速回転を可能とすることができ
る。
【0038】また、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記ポリゴンミラーは、前記軸方向に分離された鏡
面部の間の径の小さい部分が形成された後、前記鏡面部
が形成されていてもよい。
【0039】上記構成によれば、鏡面部間の径の小さい
部分を形成した後、鏡面部を形成して、ポリゴンミラー
を形成しているので、鏡面部間の径の小さい部分を加工
する際の加工応力が鏡面部にかかることを防止すること
ができるとともに、鏡面部の加工時に発生する切り粉を
径の小さい部分に逃がして、切り粉によるスクラッチの
発生を防止することができ、より一層安定した超高速回
転を可能とすることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0041】図1及び図2は、本発明のポリゴンスキャ
ナの第1の実施の形態を示す図であり、図1は、本発明
のポリゴンスキャナの第1の実施の形態を適用した動圧
空気軸受型ポリゴンスキャナ30の正面断面図である。
本実施の形態は、請求項1、請求項2及び請求項6に対
応するものである。
【0042】図1において、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ30は、ハウジング31とハウジング31上に固
定された上カバー32により、その外観が形成され、ハ
ウジング31の底部中央部に、固定軸33が圧入固着あ
るいは焼きばめ等の方法で固定されている。
【0043】固定軸33は、その周壁部の適切な位置に
ヘリングボーン溝33aが形成されており、固定軸33
の上端凹部内には、アキシャル方向(軸方向)に所定長
さを有したリング状の永久磁石組立体34が埋設されて
いる。
【0044】永久磁石組立体34は、所定の大きさの中
心円がその中心部に形成されアキシャル方向に2極に着
磁されてアキシャル方向に磁極が向いたリング状の永久
磁石35と、永久磁石35のアキシャル方向両端(軸方
向両端)に固定され永久磁石35の中心円(内径)より
も小さい中心円がその中心部に形成された強磁性材料か
らなる一対の固定ヨーク板36と、で形成されている。
永久磁石組立体34は、一対の固定ヨーク板36で永久
磁石35を挟んだ状態で固定軸33の上端凹部内に埋設
された状態となっており、固定ヨーク板36は、例え
ば、鉄鋼系の板材で形成され、永久磁石35は、例え
ば、主に希土類系の永久磁石が用いられている。
【0045】固定軸33は、その上部が円筒形状の回転
スリーブ37の中空内に挿入されており、回転スリーブ
37の上面から外周面には、キャップ形状に形成される
とともに、外方(径方向)に鍔状に突出したフランジ
(保持部材)38が固定されている。フランジ38の中
央部には、磁気軸受回転部39が圧入されてフランジ3
8に固定されており、磁気軸受回転部39は、一対の固
定ヨーク板36の中心円部分との間に磁気ギャップを構
成する外筒面が形成されている。フランジ38の鍔状に
突出した座面38aの上面には、ポリゴンミラー40が
載置されており、ポリゴンミラー40は、板ばね41に
より回転スリーブ37のフランジ38に押さえつけられ
るとともに、板ばね41がネジ42が磁気軸受回転部3
9の上端部に形成されたネジ穴に螺合されて磁気軸受回
転部39に固定されることにより、磁気軸受回転部39
に固定されている。なお、フランジ38は、上述のよう
に、回転スリーブ37の上方の中空部を閉止する状態で
回転スリーブ37に取り付けられており、固定軸33の
上端とフランジ38により閉止された回転スリーブ37
の中空部に空気溜まり43が形成されている。
【0046】磁気軸受回転部39は、永久磁石あるいは
鉄鋼系の強磁性体等のように、寸法精度の高い材料で形
成されている。また、上記固定軸33、回転スリーブ3
7及び板ばね41は、非磁性材料で形成されており、吸
引力を発生する永久磁石組立体34と磁気軸受回転部3
9のギャップ中に磁束漏れが発生することを抑制して、
後述するアキシャル軸受に効率よくアキシャル吸引力を
発生させる。
【0047】また、フランジ38には、空気溜まり43
を、板ばね41のスリット(図示略)を介して回転スリ
ーブ37の外部に連通する微細穴38aが磁気軸受回転
部39の周囲に形成されており、微細穴38aは、微細
穴38aを通過する空気の粘性抵抗により、後述するア
キシャル軸受に適切なダンピング特性を持たせている。
【0048】フランジ38の下面であって回転スリーブ
37の外周方向には、周状にロータマグネット44が取
り付けられており、ロータマグネット44は、例えば、
軽量かつ機械的耐力(引張強度)の高いアルミ−マンガ
ン系の金属磁石等により形成されている。
【0049】上記フランジ38、磁気軸受回転部39、
ポリゴンミラー40、板ばね41、ネジ42及びロータ
マグネット44等の取り付けられた回転スリーブ37
は、回転体45を構成している。
【0050】上記ロータマグネット44に対向する内周
側には、ステータコア46が配設されており、ステータ
コア46には、巻線コイル46aが巻かれている。ロー
タマグネット44及び巻線コイル46aの巻かれたステ
ータコア46の下方の位置には、プリント基板47とホ
ール素子48が配設されている。これらプリント基板4
7及び巻線コイル46aの巻かれたステータコア46等
は、ハウジング31に取り付けられており、ホール素子
48は、プリント基板47に取り付けられている。プリ
ント基板47には、図示しない駆動回路が形成されてお
り、これらロータマグネット44、ステータコア46、
巻線コイル46a、プリント基板47及びホール素子4
8等により、ラジアルギャップ・アウターロータ型のブ
ラシレスモータ49が構成されており、ブラシレスモー
タ49は、プリント基板47の駆動回路がホール素子4
8の位置検出信号に基づいて、順次巻線コイル48への
通電を制御して、励磁切り換えを行うことにより、回転
体45を回転させて、定速制御する。
【0051】そして、上記フランジ38の下端部には、
回転体45の不釣り合い修正用のバランス修正溝38b
が形成されており、板ばね41の周状の折り曲げ部に
は、不釣り合い修正用のバランス修正部41aが形成さ
れている。
【0052】上記固定軸33の外周面には、上述のよう
に、ヘリングボーン溝33aが形成されているため、ブ
ラシレスモータ49の駆動により回転体45が回転する
と、回転スリーブ37と固定軸33の隙間の圧力が高ま
り、回転スリーブ37、固定軸33及びヘリングボーン
溝33aにより回転スリーブ37と固定軸33のヘリン
グボーン溝33aの形成された面を動圧空気軸受面とし
て動圧空気を利用したラジアル軸受(動圧軸受)として
機能して、非接触でラジアル方向(半径方向)に回転体
45を支持する。
【0053】また、上記フランジ38に固定された磁気
軸受回転部39と、固定軸33の上端凹部内に埋設・固
定された永久磁石35と一対の固定ヨーク板36からな
る永久磁石組立体34とは、磁気軸受回転部39と固定
軸33に埋設・固定された永久磁石組立体34に吸引力
が発生して、回転体45を浮上させるアキシャル軸受
(磁気軸受)として機能して、回転体45を軸方向に非
接触で支持する。
【0054】そして、上カバー32には、図示しない半
導体レーザからの複数のレーザービームの入出射用の開
口部32aにガラス窓50が接着剤等で固定されて、内
部が密閉されている。
【0055】上記ポリゴンミラー40は、軸方向の上端
部と下端部に鏡面部40a、40bが形成され、軸方向
中央部に非鏡面部40cが形成されている。ポリゴンミ
ラー40の鏡面部40a、40bは、入射される複数の
レーザービームを偏向するのに充分な面積、すなわち、
軸方向の長さを有しており、非鏡面部40cは、鏡面部
40a、40bよりも小径に形成されている。この非鏡
面部40cは、その半径が鏡面部40a、40bの内接
円半径よりも小径であればよいが、実際には、加工時の
ポリゴンミラー40の剛性等により適宜選択する。すな
わち、非鏡面部40cを余り小径に形成すると、ポリゴ
ンミラー40の素材の機械剛性が低くなり、鏡面部40
a、40bの加工時に歪が発生するおそれがあるからで
ある。また、非鏡面部40cの軸方向の長さは、入射さ
れるレーザービームの間隔で決定されるが、このレーザ
ービームの間隔は、ポリゴンミラー40で偏向された後
でレーザービームが通過するレンズ間隔によって決定さ
れる。
【0056】このポリゴンミラー40の製作は、例え
ば、厚板形状の状態で、鏡面部40a、40bの鏡面加
工を行い、その後、非鏡面部40cを二次加工する方
法、あるいは、先に非鏡面部40cを加工した後、鏡面
部40a、40bの鏡面加工を行う方法がある。先に非
鏡面部40cを加工した後、鏡面部40a、40bの鏡
面加工を行う方法では、鏡面部40a、40bの鏡面加
工時に不要な加工応力が鏡面部40a、40bにかかる
ことがないため、鏡面部40a、40bの面精度を高精
度化することができるとともに、鏡面部40a、40b
の鏡面加工時に発生する切り粉が小径部である非鏡面部
40cに逃げるので、切り粉によるスクラッチの発生を
防止することができる。
【0057】次に、本実施の形態の作用を説明する。動
圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、ハウジング31
に固定された固定軸33が回転スリーブ37に挿入さ
れ、固定軸33の上端凹部内に永久磁石組立体34が埋
設されている。永久磁石組立体34は、アキシャル方向
に2極に着磁されたリング状の永久磁石35を上下(ア
キシャル方向)の1対のリング状の一対の固定ヨーク板
36で挟んだ状態に形成され、固定ヨーク板36の中心
円は、永久磁石35の中心円35aよりも小さく形成さ
れているとともに、回転スリーブ37の軸芯と一致する
状態で配設されている。
【0058】この固定軸33は、回転スリーブ37の中
空内に挿入されており、回転スリーブ37には、フラン
ジ38が取り付けられているとともに、このフランジ3
8にポリゴンミラー40、ロータマグネット44及び磁
気軸受回転部39等が取り付けられて、回転体45を構
成している。
【0059】フランジ38には、固定軸33の上端凹部
内に埋設された永久磁石組立体34の中心円内に侵入す
る磁気軸受回転部39が固定されており、磁気軸受回転
部39は、永久磁石組立体34の固定ヨーク板36と対
向する位置に外筒面が形成されて、固定ヨーク板36と
の間に微細間隔の磁気ギャップを形成している。この磁
気ギャップを介して永久磁石組立体34の永久磁石3
5、上側の固定ヨーク板36、磁気軸受回転部39及び
下側の固定ヨーク板36へと向かい、再び永久磁石35
へと向かう閉ループ状に磁力線が形成されて、固定軸3
3の上端凹部内に埋設された永久磁石組立体34とフラ
ンジ38を介して回転スリーブ37に固定された磁気軸
受回転部39との間に吸引力が発生し、フランジ38に
固定された磁気軸受回転部39と固定軸33の上端凹部
内に埋設された永久磁石組立体34は、回転体45を浮
上させるアキシャル軸受として機能して、回転体45を
軸方向に非接触で支持する。
【0060】また、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ3
0は、フランジ38に取り付けられたロータマグネット
44に周方向で対向する位置に、巻線コイル46aの巻
かれたステータコア46が配設されているとともに、ロ
ータマグネット44の下方の位置にホール素子48とプ
リント基板47が配設されており、これらプリント基板
47、巻線コイル46aの巻かれたステータコア46及
びホール素子48等は、ラジアルギャップ・アウターロ
ータ型のブラシレスモータ49を構成して、プリント基
板47の駆動回路により巻線コイル46aへの通電を制
御して、励磁切り換えを行うことにより、回転体45を
回転させる。
【0061】上記固定軸33の外周面には、ヘリングボ
ーン溝33aが形成されており、ブラシレスモータ49
の駆動により回転体45が回転すると、回転スリーブ3
7と固定軸33の隙間の圧力が高まって、回転スリーブ
37、固定軸33及びヘリングボーン溝33aが、動圧
空気を利用したラジアル軸受として機能して、非接触で
ラジアル方向に回転体45を支持する。
【0062】このように、動圧空気軸受型ポリゴンスキ
ャナ30は、アキシャル軸受が回転体45を非接触で軸
方向に支持し、ブラシレスモータ49により回転体45
を回転駆動することにより、動圧空気を利用したラジア
ル軸受が、非接触で回転体45をラジアル方向に支持し
て、高速で回転体45を回転させる。
【0063】この回転体45としてポリゴンミラー40
が組み込まれており、ポリゴンミラー40には、鏡面部
40a、40bと非鏡面部40cが形成されている。ポ
リゴンミラー40の非鏡面部40cは、鏡面部40a、
40bよりも小径に形成されており、その重量が軽減さ
れているとともに、高速回転時の風損が低減されてい
る。
【0064】いま、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ3
0でポリゴンミラー40を高速回転させたときと、図6
に示した従来のポリゴンスキャナ1でポリゴンミラー5
を高速回転させたときとで、風損の比較を行ったとこ
ろ、図2に示すような結果を得た。なお、図2は、従来
のポリゴンスキャナ1でのポリゴンミラー5の風損に対
する本実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ3
0でのポリゴンミラー40の風損の差を低減量(W)と
して示したグラフであり、図2から分かるように、本実
施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30におけ
る風損は、ポリゴンミラー40の回転数の上昇に伴って
低減量(W)が上昇し、特に、35000[rpm]を
越える超高速回転領域において、風損の低減量(W)が
従来例に比較して急激に向上(2W:以上、温度上昇分
として約10K以上)していることを示している。
【0065】また、実験の結果、図示しないが、ポリゴ
ンミラー40のミラー厚(ポリゴンミラー40の軸方向
の全体の長さ)が同じであれば、非鏡面部40cの軸方
向の長さが長いほど、すなわち、鏡面部40aと鏡面部
40bの間隔が広く、鏡面部40aと鏡面部40bの軸
方向の長さが短いほど、風損の低減効果が大きいことが
判明している。
【0066】このように、本実施の形態によれば、ポリ
ゴンミラー40の鏡面部40a、40bを、入射される
レーザービームの入射位置に応じて軸方向に分離して形
成するとともに、当該軸方向に分離して形成した鏡面部
40a、40bの間に、当該鏡面部40a、40bの内
接円半径よりもその半径が所定量小さい非鏡面部40c
を形成している。したがって、ポリゴンミラー40の組
み立て工程を複雑にすることなく、35000rpm以
上の超高速回転においてもポリゴンミラー40の風損を
確実に低減することができ、消費電力を低減させること
ができるとともに、ポリゴンスキャナ30を安価なもの
とすることができる。
【0067】また、本実施の形態によれば、非鏡面部4
0cを形成した後、鏡面部40a、40bを形成して、
ポリゴンミラー40を形成しているので、非鏡面部40
cを加工する際の加工応力が鏡面部40a、40bにか
かることを防止することができるとともに、鏡面部40
a、40bの加工時に発生する切り粉を非鏡面部40c
に逃がして、切り粉によるスクラッチの発生を防止する
ことができ、より一層安定した超高速回転を可能とする
ことができる。
【0068】図3は、本発明のポリゴンスキャナの第2
の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、フラン
ジとポリゴンミラーを一体成形したものであり、請求項
4及び請求項6に対応するものである。
【0069】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の
形態と同様の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに適用し
たものであり、本実施の形態の説明においては、上記第
1の実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナと同
様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説
明を省略するとともに、図示しない部分についても、必
要に応じて、上記第1の実施の形態で用いた符号をその
まま用いて、説明する。
【0070】図3は、本発明のポリゴンスキャナの第2
の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャ
ナ60の要部正面断面図である。
【0071】図3において、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ60は、第1の実施の形態と同様に、ハウジング
31にヘリングボーン溝33aの形成された固定軸33
が固定され、固定軸33は、回転スリーブ37の中空内
に挿入されている。回転スリーブ37には、一体型ポリ
ゴンミラー61が取り付けられており、一体型ポリゴン
ミラー61は、ポリゴンミラー部62とフランジ部(保
持部材)63が一体成形されている。一体型ポリゴンミ
ラー61のフランジ部63の下端部に回転スリーブ37
に対向する状態でロータマグネット44が取り付けられ
ている。
【0072】一体型ポリゴンミラー61のポリゴンミラ
ー部62上端には、板ばね41がネジ42が磁気軸受回
転部39の上端部に形成されたネジ穴に螺合されること
により固定されており、回転スリーブ37、一体型ポリ
ゴンミラー61、ロータマグネット44及び磁気軸受回
転部39等は、全体として回転体64を構成している。
【0073】一体型ポリゴンミラー61は、その下端部
に回転体64の不釣り合い修正用のバランス修正溝61
aが形成されており、回転スリーブ37の上端を閉止す
る状態で取り付けられて、固定軸33の上端と一体型ポ
リゴンミラー61のフランジ部63により閉止された回
転スリーブ37の中空部に空気溜まり43が形成されて
いる。また、板ばね41の周状の折り曲げ部には、不釣
り合い修正用のバランス修正部41aが形成されてい
る。
【0074】一体型ポリゴンミラー61の上端部には、
空気溜まり43を、板ばね41のスリット(図示略)を
介して一体型ポリゴンミラー61の外部に連通する微細
穴61bが磁気軸受回転部39の周囲に形成されてお
り、微細穴61cは、微細穴61cを通過する空気の粘
性抵抗により、後述するアキシャル軸受に適切なダンピ
ング特性を持たせている。
【0075】この一体型ポリゴンミラー61は、アルミ
ニウムでフランジ部63とポリゴンミラー部62が一体
成形されており、ポリゴンミラー部62には、鏡面部6
2a、62bが形成されているとともに、非鏡面部62
cが形成されている。一体型ポリゴンミラー61の鏡面
部62a、62bは、入射される複数のレーザービーム
を偏向するのに充分な面積、すなわち、軸方向の長さを
有しており、非鏡面部62cは、鏡面部62a、62b
よりも小径に形成されている。この非鏡面部62cは、
鏡面部62a、62bの内接円半径よりも小径であれば
よいが、実際には、加工時の一体型ポリゴンミラー61
の剛性等により適宜選択する。すなわち、非鏡面部62
cを余り小径に形成すると、一体型ポリゴンミラー61
の素材の機械剛性が低くなり、鏡面部62a、62bの
加工時に歪が発生するおそれがあるからである。また、
非鏡面部62cの軸方向の長さは、入射されるレーザー
ビームの間隔で決定されるが、このレーザービームの間
隔は、鏡面部62a、62bで偏向された後でレーザー
ビームが通過するレンズ間隔によって決定される。
【0076】一体型ポリゴンミラー61は、上述のよう
にアルミニウムで形成する場合には、まず、金型を使用
して、一体型ポリゴンミラー61の形状に近い形状を作
成し、回転スリーブ37と嵌合固着させる。嵌合固着さ
れた回転スリーブ37と一体型ポリゴンミラー61は高
精度に加工されている回転スリーブ37の内周面(動圧
軸受面)を基準としてポリゴンミラー部62の鏡面部6
2a、62bを高精度に加工する。このとき回転スリー
ブ37は、セラミックなどの耐摩耗材料やポリイミド系
樹脂などの潤滑材料で構成することにより、動圧軸受の
摩耗が軽減でき、信頼性が向上する。
【0077】すなわち、従来は、ポリゴンミラー、フラ
ンジ、回転スリーブがそれぞれ別体であるため、ポリゴ
ンスキャナとしての面倒れを高精度化するには、各部品
に精度を分配することになり、一層の高精度化を行って
合体させて高精度化を達成する必要があった。
【0078】ところが、高画質化の流れの中で面倒れを
さらに高精度化しようとする場合、各部品に精度を分配
しようとすると、加工上の限界により達成が困難とな
り、高画質化の妨げとなっていた。
【0079】そこで、上述のように、ポリゴンミラー部
62と回転スリーブ37を一体固着した後で、回転スリ
ーブ37の内周面を基準としてポリゴンミラー部62の
鏡面部62a、62bを加工することにより、接合面同
士の寸法公差を高精度化する必要がないにもかかわら
ず、すなわち、部品に精度を分配することなく、ポリゴ
ンスキャナ60としての面倒れ精度を高精度化すること
ができる。
【0080】なお、本実施の形態においは、一体型ポリ
ゴンミラー61の上端に板ばね41をネジ42により固
定しているが、板ばね41は、必ずしも必要なく、板ば
ね41を設けないようにすると、板ばね41をネジ42
で固定する際の固定圧力による鏡面部62a、62bへ
の歪の発生を防止することができる。
【0081】このように、本実施の形態の動圧空気軸受
型ポリゴンスキャナ60においては、回転体64を構成
するポリゴンミラー部62と保持体であるフランジ部6
3を一体的に形成しているので、高温高速回転時におけ
る回転体64のポリゴンミラー部62とフランジ部63
との固定部での熱発生を防止して、熱膨張差によるフラ
ンジ部63とポリゴンミラー部62との位置ずれを防止
することができ、回転体64のバランスを向上させて、
高温時においても振動を低減させることができるととも
に、より一層安定した高速回転を可能とすることができ
る。
【0082】また、一体型ポリゴンミラー61を形成す
ると、回転スリーブとポリゴンミラーとを別体として形
成して、ポリゴンミラーと回転スリーブを組み付ける場
合に、面倒れ特性を維持するために、ポリゴンミラーに
必要であった回転スリーブの鍔部への搭載面の平面度や
回転スリーブ内周と鍔部との直角度を高精度に加工する
必要がなく、安価に、かつ、高精度に一体型ポリゴンミ
ラー61を形成することができる。
【0083】さらに、非鏡面部62cを形成した後、鏡
面部62a、62bを形成して、ポリゴンミラー部62
を形成しているので、非鏡面部62cを加工する際の加
工応力が鏡面部62a、62bにかかることを防止する
ことができるとともに、鏡面部62a、62bの加工時
に発生する切り粉を非鏡面部62cに逃がして、切り粉
によるスクラッチの発生を防止することができ、より一
層安定した超高速回転を可能とすることができる。
【0084】図4は、本発明のポリゴンスキャナの第3
の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、回転ス
リーブとフランジとポリゴンミラーを一体成形したもの
であり、請求項5及び請求項6に対応するものである。
【0085】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の
形態と同様の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに適用し
たものであり、本実施の形態の説明においては、上記第
1の実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナと同
様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説
明を省略する。
【0086】図4は、本発明のポリゴンスキャナの第3
の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャ
ナ70の要部正面断面図である。
【0087】図4において、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ70は、第1の実施の形態と同様に、ハウジング
31にヘリングボーン溝33aの形成された固定軸33
が固定され、固定軸33は、一体型ポリゴンミラー71
の回転スリーブ部72の中空内に挿入されている。
【0088】一体型ポリゴンミラー71は、回転スリー
ブ部72と、ポリゴンミラー部73と、フランジ部(保
持部材)74とが一体成形されており、一体型ポリゴン
ミラー71のフランジ部74の下端部に回転スリーブ部
72に対向する状態でロータマグネット44が取り付け
られている。
【0089】一体型ポリゴンミラー71のポリゴンミラ
ー部73上端には、板ばね41がネジ42が磁気軸受回
転部39の上端部に形成されたネジ穴に螺合されること
により固定されており、一体型ポリゴンミラー71、ロ
ータマグネット44及び磁気軸受回転部39等は、全体
として回転体75を構成している。
【0090】一体型ポリゴンミラー71は、その下端部
に回転体75の不釣り合い修正用のバランス修正溝71
aが形成されており、回転スリーブ部72が固定軸33
の上端と所定間隔を空けて固定軸33の上部を覆う状態
で取り付けられて、固定軸33の上端と一体型ポリゴン
ミラー71のフランジ部74により閉止された一体型ポ
リゴンミラー71の回転スリーブ部72の中空部に空気
溜まり43が形成されている。また、板ばね41の周状
の折り曲げ部には、不釣り合い修正用のバランス修正部
41aが形成されている。
【0091】一体型ポリゴンミラー71の上端部には、
空気溜まり43を、板ばね41のスリット(図示略)を
介して一体型ポリゴンミラー71の外部に連通する微細
穴71cが磁気軸受回転部39の周囲に形成されてお
り、微細穴71cは、微細穴71bを通過する空気の粘
性抵抗により、後述するアキシャル軸受に適切なダンピ
ング特性を持たせている。
【0092】この一体型ポリゴンミラー71は、アルミ
ニウムあるいは樹脂材料で回転スリーブ部72、ポリゴ
ンミラー部73及びフランジ部74が一体成形されてお
り、ポリゴンミラー部73には、鏡面部73a、73b
が形成されているとともに、非鏡面部73cが形成され
ている。ポリゴンミラー部73の鏡面部73a、73b
は、入射される複数のレーザービームを偏向するのに充
分な面積、すなわち、軸方向の長さを有しており、非鏡
面部73cは、鏡面部73a、73bよりも小径に形成
されている。この非鏡面部73cは、鏡面部73a、7
3bの内接円半径よりも小径であればよいが、実際に
は、加工時の一体型ポリゴンミラー71の剛性等により
適宜選択する。すなわち、非鏡面部73cを余り小径に
形成すると、一体型ポリゴンミラー71の素材の機械剛
性が低くなり、鏡面部73a、73bの加工時に歪が発
生するおそれがあるからである。また、非鏡面部73c
の軸方向の長さは、入射されるレーザービームの間隔で
決定されるが、このレーザービームの間隔は、鏡面部7
3a、73bで偏向された後でレーザービームが通過す
るレンズ間隔によって決定される。
【0093】一体型ポリゴンミラー71は、上述のよう
にアルミニウムで形成する場合には、回転スリーブ部7
2の内周面に、陽極酸化あるいはメッキ等の表面硬化処
理を施して、動圧軸受の摩耗を軽減させている。一体型
ポリゴンミラー71を樹脂材料で形成する場合、樹脂材
料としては、ポリイミド系の潤滑性を有する樹脂が好適
であり、鏡面部73a、73bの表面には、金属膜を蒸
着あるいはメッキすることにより、鏡面部73a、73
bとしての鏡面性を向上させる。
【0094】また、一体型ポリゴンミラー71をアルミ
ニウムで形成する場合、まず、金型を使用して、一体型
ポリゴンミラー71の形状に近い形状を作成し、回転ス
リーブ部72の内周面(動圧軸受面)を高精度に加工し
た後、当該回転スリーブ部72の内周面を基準としてポ
リゴンミラー部73の鏡面部73a、73bを高精度に
加工する。
【0095】すなわち、従来は、ポリゴンミラー、フラ
ンジ、回転スリーブがそれぞれ別体であるため、ポリゴ
ンスキャナとしての面倒れを高精度化するには、各部品
に精度を分配することになり、一層の高精度化を行って
合体させて高精度化を達成する必要があった。
【0096】ところが、高画質化の流れの中で面倒れを
さらに高精度化しようとする場合、各部品に精度を分配
しようとすると、加工上の限界により達成が困難とな
り、高画質化の妨げとなっていた。
【0097】そこで、上述のように、回転スリーブ部7
2、ポリゴンミラー部73及びフランジ部74を一体成
形した後で、回転スリーブ部72の内周面を基準として
ポリゴンミラー部73の鏡面部73a、73bを加工す
ることにより、接合面同士の寸法公差を高精度化する必
要がないにもかかわらず、すなわち、部品に精度を分配
することなく、ポリゴンスキャナ70としての面倒れ精
度を高精度化することができる。
【0098】なお、本実施の形態においは、一体型ポリ
ゴンミラー71の上端に板ばね41をネジ42により固
定しているが、板ばね41は、必ずしも必要なく、板ば
ね41を設けないようにすると、板ばね41をネジ42
で固定する際の固定圧力による鏡面部73a、73bへ
の歪の発生を防止することができる。
【0099】このように、本実施の形態の動圧空気軸受
型ポリゴンスキャナ70においては、回転体75を構成
するポリゴンミラー部73とフランジ部74と回転スリ
ーブ部72を一体的に形成している。したがって、高温
高速回転時における回転体75のポリゴンミラー部73
とフランジ部74との固定部での熱発生及び回転体75
のフランジ部74と回転スリーブ部72との固定部での
熱発生を防止して、熱膨張差によるフランジ部74とポ
リゴンミラー部73との位置ずれ及びフランジ部74と
回転スリーブ部72との位置ずれを防止することがで
き、回転体75のバランスをより一層向上させて、高温
時においても振動をより一層低減させることができると
ともに、より一層安定した高速回転を可能とすることが
できる。
【0100】また、一体型ポリゴンミラー71を形成す
ると、回転スリーブとポリゴンミラーとを別体として形
成して、ポリゴンミラーと回転スリーブを組み付けてい
た場合に、面倒れ特性を維持するために、ポリゴンミラ
ーに必要であった回転スリーブの鍔部への搭載面の平面
度や回転スリーブ内周と鍔部との直角度を高精度に加工
する必要がなく、安価に、かつ、高精度に一体型ポリゴ
ンミラー71を形成することができる。
【0101】さらに、非鏡面部73cを形成した後、鏡
面部73a、73bを形成して、ポリゴンミラーを形成
しているので、非鏡面部73cを加工する際の加工応力
が鏡面部73a、73bにかかることを防止することが
できるとともに、鏡面部73a、73bの加工時に発生
する切り粉を非鏡面部73cに逃がして、切り粉による
スクラッチの発生を防止することができ、より一層安定
した超高速回転を可能とすることができる。
【0102】図5は、本発明のポリゴンスキャナの第4
の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、回転ス
リーブの略中央部にポリゴンミラーを配設したものであ
り、請求項3に対応するものである。
【0103】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の
形態と同様の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに適用し
たものであり、本実施の形態の説明においては、上記第
1の実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナと同
様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説
明を省略する。
【0104】図5は、本発明のポリゴンスキャナの第4
の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャ
ナ80の要部正面断面図である。
【0105】図5において、動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ80は、第1の実施の形態と同様に、ハウジング
31にヘリングボーン溝33aの形成された固定軸33
が固定され、固定軸33は、回転スリーブ81の中空内
に挿入されている。回転スリーブ81には、回転スリー
ブ81の上面から外周面に、キャップ形状に形成される
とともに、外方(径方向)に鍔状に突出したフランジ
(保持部材)82が固定されている。フランジ82の上
部中央部には、磁気軸受回転部39が圧入されてフラン
ジ82に固定されており、磁気軸受回転部39は、永久
磁石組立体34の一対の固定ヨーク板36の中心円部分
との間に磁気ギャップを構成する外筒面が形成されてい
る。フランジ82の鍔状に突出した座面82aの上面に
は、ポリゴンミラー83が載置されており、ポリゴンミ
ラー83は、板ばね84によりフランジ82に固定され
ている。フランジ82は、回転スリーブ81の上方の中
空部を閉止する状態で回転スリーブ81に取り付けられ
ており、固定軸33の上端とフランジ82により閉止さ
れた回転スリーブ81の中空部に空気溜まり43が形成
されている。
【0106】また、フランジ82には、空気溜まり43
を、回転スリーブ81の外部に連通する微細穴82aが
磁気軸受回転部39の周囲に形成されており、微細穴8
2aは、微細穴82aを通過する空気の粘性抵抗によ
り、後述するアキシャル軸受に適切なダンピング特性を
持たせている。
【0107】フランジ82の下面であって回転スリーブ
81の外周方向には、周状にロータマグネット44が取
り付けられており、上記フランジ82、磁気軸受回転部
39、ポリゴンミラー83、板ばね84及びロータマグ
ネット44等の取り付けられた回転スリーブ81は、回
転体85を構成している。
【0108】そして、上記フランジ82の下端部には、
回転体85の不釣り合い修正用のバランス修正溝82b
が形成されている。
【0109】上記ポリゴンミラー83は、回転スリーブ
81に対向する位置にフランジ82に保持された状態で
配設されており、回転スリーブ81は、ポリゴンミラー
83の軸方向の長さを覆うのに充分な長さを有している
とともに、固定軸33の上部にのみ位置している。ま
た、固定軸33の外周面には、上述のように、ヘリング
ボーン溝33aが形成されているが、このヘリングボー
ン溝33aは、回転スリーブ81の位置している部分に
のみ形成されている。
【0110】また、ポリゴンミラー83には、軸方向に
所定間隔離れて一対の鏡面部83a、83bが形成され
ているとともに、鏡面部83a、83bの軸方向中央部
に非鏡面部83cが形成されている。ポリゴンミラー8
3の鏡面部83a、83bは、入射される複数のレーザ
ービームを偏向するのに充分な面積、すなわち、軸方向
の長さを有しており、非鏡面部83cは、鏡面部83
a、83bよりも小径に形成されている。この非鏡面部
83cは、その半径が鏡面部83a、83bの内接円半
径よりも小径であればよいが、実際には、加工時のポリ
ゴンミラー83の剛性等により適宜選択する。すなわ
ち、非鏡面部83cを余り小径に形成すると、ポリゴン
ミラー83の素材の機械剛性が低くなり、鏡面部83
a、83bの加工時に歪が発生するおそれがあるからで
ある。また、非鏡面部83cの軸方向の長さは、入射さ
れるレーザービームの間隔で決定されるが、このレーザ
ービームの間隔は、ポリゴンミラー83で偏向された後
でレーザービームが通過するレンズ間隔によって決定さ
れる。
【0111】したがって、回転体85の重心は、ポリゴ
ンミラー83の鏡面部83a、83bの間の非鏡面部8
3cの中央部に位置し、動圧発生用のヘリングボーン溝
33aの中央部と略一致するように形成されている。
【0112】本実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンス
キャナ80においては、ポリゴンスキャナ80を、動圧
空気軸受面の軸方向中央部と回転体85の重心位置とが
略一致する状態で形成しているので、回転体85の重量
が動圧空気軸受面に与える負荷を軽減して、回転体85
の振れ回りを小さくすることができ、超高速回転におい
ても、振動を低減して、安定した高速回転を可能とする
ことができる。
【0113】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0114】例えば、上記各実施の形態においては、ポ
リゴンミラーの鏡面部が非鏡面部を挟んで軸方向に2分
割されている場合について説明したが鏡面部が2分割さ
れているものに限るものではなく、入射されるレーザビ
ームの分割数に応じて分割されていても、同様に適用す
ることができる。
【0115】
【発明の効果】請求項1記載の発明のポリゴンスキャナ
によれば、ポリゴンミラーの鏡面部を、当該鏡面部に対
して回転軸方向に分離した状態で入射されるレーザービ
ームの入射位置に応じて回転軸方向に分離して形成し、
当該回転軸方向に分離して形成した鏡面部の間を、当該
鏡面部の内接円半径よりもその半径を所定量小さく形成
しているので、ポリゴンミラーの組み立て工程を複雑に
することなく、超高速回転においてもポリゴンミラーの
風損を確実に低減することができ、消費電力を低減させ
ることができるとともに、ポリゴンスキャナを安価なも
のとすることができる。
【0116】請求項2記載の発明のポリゴンスキャナに
よれば、軸方向に中空部を有する回転スリーブに所定の
保持部材を介してポリゴンミラーの固定された回転体を
有し、当該回転体の回転スリーブの中空部内に固定軸が
挿入され、回転体がモータにより回転されることにより
発生する空気の動圧を回転スリーブの内周面と固定軸の
外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空
気軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、
により回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持す
るポリゴンスキャナの軸方向に分離した状態で入射され
る複数のレーザービームを偏向して出射するポリゴンミ
ラーの鏡面部を、入射されるレーザービームの入射位置
に応じて回転軸方向に分離して形成するとともに、当該
軸方向に分離して形成した鏡面部の間の半径を、当該鏡
面部の内接円半径よりも所定量小さく形成しているの
で、ポリゴンミラーの組み立て工程を複雑にすることな
く、35000rpm以上の超高速回転においてもポリ
ゴンミラーの風損を確実に低減することができ、消費電
力を低減させることができるとともに、ポリゴンスキャ
ナを安価なものとすることができる。
【0117】請求項3記載の発明のポリゴンスキャナに
よれば、ポリゴンスキャナを、動圧空気軸受面の軸方向
中央部と回転体の重心位置とが略一致する状態で形成し
ているので、回転体の重量が動圧空気軸受面に与える負
荷を軽減して、回転体の振れ回りを小さくすることがで
き、超高速回転においても、振動を低減して、安定した
高速回転を可能とすることができる。
【0118】請求項4記載の発明のポリゴンスキャナに
よれば、回転体を構成するポリゴンミラーと保持体を一
体的に形成しているので、高温高速回転時における回転
体のポリゴンミラーと保持体との固定部での熱発生を防
止して、熱膨張差による保持体とポリゴンミラーとの位
置ずれを防止することができ、回転体のバランスを向上
させて、高温時においても振動を低減させることができ
るとともに、より一層安定した高速回転を可能とするこ
とができる。
【0119】請求項5記載の発明のポリゴンスキャナに
よれば、回転体を構成するポリゴンミラーと保持体と回
転スリーブを一体的に形成しているので、高温高速回転
時における回転体のポリゴンミラーと保持体との固定部
での熱発生及び回転体の保持体と回転スリーブとの固定
部での熱発生を防止して、熱膨張差による保持体とポリ
ゴンミラーとの位置ずれ及び保持体と回転スリーブとの
位置ずれを防止することができ、回転体のバランスをよ
り一層向上させて、高温時においても振動をより一層低
減させることができるとともに、より一層安定した高速
回転を可能とすることができる。
【0120】請求項6記載の発明のポリゴンスキャナに
よれば、鏡面部間の径の小さい部分を形成した後、鏡面
部を形成して、ポリゴンミラーを形成しているので、鏡
面部間の径の小さい部分を加工する際の加工応力が鏡面
部にかかることを防止することができるとともに、鏡面
部の加工時に発生する切り粉を径の小さい部分に逃がし
て、切り粉によるスクラッチの発生を防止することがで
き、より一層安定した超高速回転を可能とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリゴンスキャナの第1の実施の形態
を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの正面断面
図。
【図2】図1の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナのポリ
ゴンミラーと図6の従来の動圧空気軸受型ポリゴンスキ
ャナのポリゴンミラーとの風損の差を示すグラフ。
【図3】本発明のポリゴンスキャナの第2の実施の形態
を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの正面断面
図。
【図4】本発明のポリゴンスキャナの第3の実施の形態
を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの正面断面
図。
【図5】本発明のポリゴンスキャナの第4の実施の形態
を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの正面断面
図。
【図6】従来の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの正面
断面図。
【符号の説明】
30 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ 31 ハウジング 32 上カバー 32a 開口部 33 固定軸 33a ヘリングボーン溝 34 永久磁石組立体 35 永久磁石 36 固定ヨーク板 37 回転スリーブ 38 フランジ 38a 微細穴 38b バランス修正溝 39 磁気軸受回転部 40 ポリゴンミラー 40a、40b 鏡面部 40c 非鏡面部 41 板ばね 41a バランス修正部 42 ネジ 43 空気溜まり 44 ロータマグネット 45 回転体 46 ステータコア 46a 巻線コイル 47 プリント基板 48 ホール素子 49 ブラシレスモータ 50 ガラス窓 60 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ 61 一体型ポリゴンミラー 61a バランス修正溝 61c 微細穴 62 ポリゴンミラー部 62a、62b 鏡面部 62c 非鏡面部 63 フランジ部 64 回転体 70 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ 71 一体型ポリゴンミラー 71a バランス修正溝 71c 微細穴 72 回転スリーブ部 73 ポリゴンミラー部 73a、73b 鏡面部 73c 非鏡面部 74 フランジ部 75 回転体 80 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ 81 回転スリーブ 82 フランジ 82a 座面 83 ポリゴンミラー 83a、83b 鏡面部 83c 非鏡面部 84 板ばね 85 回転体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリゴンミラーが所定の鏡面部を有し、当
    該鏡面部に対して回転軸方向に分離した状態で入射され
    る複数のレーザービームを前記鏡面部により偏向して出
    射するポリゴンスキャナであって、前記ポリゴンミラー
    は、前記鏡面部が前記入射されるレーザービームの入射
    位置に応じて前記回転軸方向に分離して形成され、当該
    回転軸方向に分離して形成された鏡面部の間が、当該鏡
    面部の内接円半径よりもその半径が所定量小さく形成さ
    れていることを特徴とするポリゴンスキャナ。
  2. 【請求項2】軸方向に中空部を有する回転スリーブに所
    定の保持部材を介してポリゴンミラーの固定された回転
    体を有し、当該回転体の前記回転スリーブの前記中空部
    内に固定軸が挿入され、前記保持部材が前記回転スリー
    ブの一端側に前記中空部を閉止して前記固定軸との間に
    所定の空気溜まりを形成する状態で取り付けられ、前記
    回転体がモータにより回転されることにより発生する空
    気の動圧を前記回転スリーブの内周面と前記固定軸の外
    周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気
    軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、に
    より前記回転体を半径方向及び前記軸方向に回転自在に
    支持し、前記ポリゴンミラーが所定の鏡面部を有して当
    該鏡面部に対して前記軸方向に分離した状態で入射され
    る複数のレーザービームを前記鏡面部により偏向して出
    射するポリゴンスキャナであって、前記ポリゴンミラー
    は、前記鏡面部が前記入射されるレーザービームの入射
    位置に応じて前記回転軸方向に分離して形成され、当該
    軸方向に分離して形成された鏡面部の間が、当該鏡面部
    の内接円半径よりもその半径が所定量小さく形成されて
    いることを特徴とするポリゴンスキャナ。
  3. 【請求項3】前記ポリゴンスキャナは、前記動圧空気軸
    受面の前記軸方向中央部と前記回転体の重心位置とが略
    一致する状態で形成されていることを特徴とする請求項
    2記載のポリゴンスキャナ。
  4. 【請求項4】前記回転体は、前記ポリゴンミラーと前記
    保持体が一体的に形成されていることを特徴とする請求
    項2または請求項3記載のポリゴンスキャナ。
  5. 【請求項5】前記回転体は、前記ポリゴンミラーと前記
    保持体と前記回転スリーブが一体的に形成されているこ
    とを特徴とする請求項2または請求項3記載のポリゴン
    スキャナ。
  6. 【請求項6】前記ポリゴンミラーは、前記軸方向に分離
    された鏡面部の間の径の小さい部分が形成された後、前
    記鏡面部が形成されていることを特徴とする請求項4ま
    たは請求項5記載のポリゴンスキャナ。
JP9533098A 1998-03-24 1998-03-24 ポリゴンスキャナ Pending JPH11271654A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9533098A JPH11271654A (ja) 1998-03-24 1998-03-24 ポリゴンスキャナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9533098A JPH11271654A (ja) 1998-03-24 1998-03-24 ポリゴンスキャナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11271654A true JPH11271654A (ja) 1999-10-08

Family

ID=14134722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9533098A Pending JPH11271654A (ja) 1998-03-24 1998-03-24 ポリゴンスキャナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11271654A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6617729B2 (en) 1999-12-28 2003-09-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Light deflecting electric motor with oscillation preventing means
JP2005107512A (ja) * 2003-09-10 2005-04-21 Ricoh Co Ltd 光偏向器、光偏向器の製造方法、光走査装置及び画像形成装置
JP2011088456A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Yuhshin Co Ltd 電動ステアリングロック装置
KR101358093B1 (ko) * 2013-05-31 2014-02-04 한국기계연구원 반사경 조립체의 회전장치

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6617729B2 (en) 1999-12-28 2003-09-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Light deflecting electric motor with oscillation preventing means
JP2005107512A (ja) * 2003-09-10 2005-04-21 Ricoh Co Ltd 光偏向器、光偏向器の製造方法、光走査装置及び画像形成装置
JP4505291B2 (ja) * 2003-09-10 2010-07-21 株式会社リコー 光偏向器、光偏向器の製造方法、光走査装置及び画像形成装置
JP2011088456A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Yuhshin Co Ltd 電動ステアリングロック装置
KR101358093B1 (ko) * 2013-05-31 2014-02-04 한국기계연구원 반사경 조립체의 회전장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3266448B2 (ja) ブラシレスモータの回転体装置
JPH0686503A (ja) モータ、ポリゴンミラーモータ、ディスク駆動モータ
KR20010092857A (ko) 스캐너 모터
US6617729B2 (en) Light deflecting electric motor with oscillation preventing means
JPH10104544A (ja) 回転多面鏡モータ
JPH11271654A (ja) ポリゴンスキャナ
US10495871B2 (en) Rotary drive apparatus
JP2000139066A (ja) ブラシレスモータ及び光偏向器
JP3630810B2 (ja) 動圧空気軸受及びこれを用いたポリゴンスキャナ
JPH1138346A (ja) 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
JP2002303815A (ja) 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ及び動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの加工方法
JPH11305161A (ja) 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
JP2006221001A (ja) 偏向走査装置
JP3571518B2 (ja) 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
JP3877435B2 (ja) 軸受装置
JP2010039337A (ja) ポリゴンミラースキャナモータ
JP2002027706A (ja) 動圧空気軸受型モータおよび動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
JP2968178B2 (ja) 軸受装置
JP3278654B1 (ja) ポリゴンスキャナモータ
US20030075999A1 (en) Shaft bearing structure of spindle motor
JPS63129827A (ja) トロイダルモ−タ
JP2002341282A (ja) 回転多面鏡駆動装置
JP4067686B2 (ja) 動圧空気軸受モータ及びポリゴンスキャナ
JPH09250543A (ja) 軸受装置及びモータ並びにポリゴンミラー駆動用スキャナモータ
JP2653119B2 (ja) スキャナユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041228

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050125