JP3571518B2 - 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ - Google Patents

動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに関し、詳細には、ラジアル動圧空気軸受と吸引型アキシャル磁気軸受を利用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル複写機やレーザープリンタ等のレーザー書込系を用いた電子写真方式の記録装置は、その印字品質が良好なこと、印字速度が速いこと及び騒音が低いこと等の特徴と低価格化が進んできたことから、近時、急速に普及してきている。
【0003】
この電子写真方式の記録装置のレーザー書込系に用いられているポリゴンスキャナには、記録装置のプリント速度及び画素密度に応じた回転速度でポリゴンミラーを回転させることが要求され、特に、近年、プリント速度の高速化及び画素密度の高密度化にともない、ポリゴンスキャナには、20000rpm以上の超高速回転が要求される。
【0004】
このような超高速回転の要求されるポリゴンスキャナには、従来のボールベアリングタイプの軸受装置では、軸受寿命や軸受騒音などの面から要求される画像品質を満足させることができない。
【0005】
そこで、従来から、超高速回転の要求されるポリゴンスキャナには、動圧空気を利用した動圧空気軸受が用いられている。
【0006】
このような動圧空気軸受を使用した装置としては、例えば、特開昭60−244913号公報に記載されている回転体支持装置が提案されている。この回転体支持装置は、第1の磁気部材及びこの第1の磁気部材を囲続する状態に設けられた第2の磁気部材を有し、いずれか一方の磁気部材に回転体が回転可能に取着された磁気スラスト軸受により上記回転体のスラスト方向の支持を行うようにした回転体支持装置であって、上記第1、第2の磁気部材の両側をそれぞれ強磁性体で挟んだことを特徴としている。
【0007】
この回転体支持装置をポリゴンスキャナに適用すると、回転体に固定され鉄板等の強磁性材料からなる板状リングで上下から挟まれた内側磁気リングと、モータハウジングに固定され鉄板等の強磁性材料からなる板状リングで上下から挟まれた外側磁気リングと、から構成される吸引型の磁気軸受と動圧空気軸受でポリゴンミラーを支持することになる。
【0008】
また、特開昭61−269115号公報に記載されている回転体支持装置は、磁性材料からなる固定軸と、この固定軸にジャーナル軸受部を介して外嵌され、前記固定軸を中心として回転するモータロータを備えた回転組立体と、この回転組立体を回転させる駆動機構部とからなる回転支持装置において、スラスト荷重支持用磁気軸受は内輪が前記固定軸に設けられ、この内輪に対向する外輪が回転組立体の内側に固着され、かつ前記内輪と前記固定軸の支持部端部の間に0.5mm以上のギャップが形成されていることを特徴としている。
【0009】
この回転支持装置をポリゴンスキャナに適用すると、回転軸の支持部に固定された固定側磁気リングと回転体を構成するシリンダの内側に固定された回転側磁気リングとから構成される吸引型の磁気軸受と動圧空気軸受でポリゴンミラーを支持することになる。
【0010】
さらに、特開平5−71532号公報に記載されている軸受装置は、固定軸にスリーブが嵌合し、該スリーブに設けた一方のラジアル軸受面が固定軸に設けた他方のラジアル軸受面と対向し、前記一方のラジアル軸受面と他方のラジアル軸受面との少なくとも一方にヘリングボーン状の溝を設け、前記固定軸に取り付けた磁石部材がスリーブに取り付けた磁石部材または磁性体部材と非接触に対向して磁気軸受を構成し、前記スリーブの外周面にロータマグネット部材とミラーとを取り付けたことを特徴としている。
【0011】
また、本出願人は、先に、動圧流体軸受によって支持され、一体的に構成されたモータの駆動により回転する装置において、回転体に使用される接着剤を90℃で400MPa以上のヤング率で構成してなるブラシレスモータの回転体装置、すなわち、ラジアル方向には、動圧空気軸受が構成され、アキシャル方向には、上下反発型の磁気軸受が構成され、回転体を回転自在に支持するブラシレスモータの回転体装置を提案している(特開平8−266030号公報参照)。
【0012】
すなわち、この軸受装置は、具体的には、例えば、図12に示すように、ポリゴンスキャナの軸受装置1に適用され、ポリゴンスキャナの軸受装置1は、ハウジング2に圧入固着あるいは焼きばめ等の方法で堅固に固定された固定軸3と、固定軸3が挿入された中空回転軸4と、を備えている。
【0013】
中空回転軸4は、図12に示すように、軸方向途中に外方(径方向)に突出して図示しない光学ハウジングへの取付基準面となる鍔部4aが形成されており、当該鍔部4aの上面にポリゴンミラー5が載置されている。ポリゴンミラー5は、ミラー押さえ6により中空回転軸4の鍔部4aに押さえ付けられるとともに、ミラー押さえ6がネジ7により中空回転軸4に固定されることにより、中空回転軸4に固定されている。ミラー押さえ6は、永久磁石8を保持しており、マグネットホルダーとしての機能も有している。
【0014】
この永久磁石8に対向する上方の位置には、図12に示すように、ハウジング2に固定された上カバー9に保持された永久磁石10が所定の微小間隔を開けて配設されており、永久磁石8に対向する下方の位置には、固定軸3の上端に固定された永久磁石11が所定の微小間隔を開けて配設されている。永久磁石10及び永久磁石11は、それぞれ永久磁石8に対して相互に向かい合う面が同極となるように配設されており、永久磁石8に対してそれぞれ反発力が作用する。上カバー9には、図示しないが半導体レーザからのレーザー光の入出射用の開口部が形成されており、当該開口部には、両面テープあるいは接着剤等でガラスが設けられて、上カバー9及びハウジング2内が密閉されている。
【0015】
そして、ミラー押さえ6には、図示しない上下振動減衰用連通穴が形成されており、この上下振動減衰用連通穴は、後述するアキシャル軸受に適切なダンピング特性を持たせている。
【0016】
中空回転軸4の鍔部4aの下面であって中空回転軸4の外周面には、図12及び図13に示すように、周状にロータマグネット12が取り付けられており、ロータマグネット12は、中空回転軸4に対して内周部を嵌合させ、内周部と軸方向上面を中空回転軸4及び鍔部4aに直接接着等で固着することにより、中空回転軸4に固着されている。
【0017】
上記ロータマグネット12は、軽量かつ機械的耐力(引張強度)の高いアルミ−マンガン系の金属磁石により形成されており、中空回転軸4と固定軸3は、軽量化と高速回転のために、比重の小さいアルミニウム合金で形成されているとともに、起動停止時の摩耗を防止するために、軸受表面には、無電界複合ニッケルメッキの表面処理が施されている。また、ポリゴンミラー5及びミラー押さえ6は、アルミニウム合金で形成されている。
【0018】
上記ポリゴンミラー5、ミラー押さえ6及びロータマグネット12等の取り付けられた中空回転軸4は、回転体13を構成している。
【0019】
そして、上記ロータマグネット12に対向する下方の位置に、図12に示すように、プリント基板14を挟んでコイル部15とホール素子16が配設されており、これらプリント基板14、コイル部15及びホール素子16は、ハウジング2に取り付けられている。プリント基板14は、コネクタ17及びハーネス18を介して回路基板19に接続されており、これらロータマグネット12、プリント基板14、コイル部15、ホール素子16、コネクタ17、ハーネス18及び回路基板19の制御回路等により、アキシャルギャップ(面対向)型のモータ20が構成されている。このモータ20は、制御回路(回路基板)19により励磁切り換えを行うことにより、回転体13を回転させる。
【0020】
そして、上記ミラー押さえ6には、回転体13の不釣り合い修正用のバランス修正溝6aが形成されており、ロータマグネット12には、回転体13の不釣り合い修正用のバランス修正溝12aが形成されている。バランス修正用溝12aは、ロータマグネット12の内周面の一部を周状に切り欠くことにより形成されており、ロータマグネット12のバランス修正用溝12a以外の内周面は、中空回転軸4に精度良く嵌合されている。
【0021】
また、固定軸3の外周面には、図12に示すように、ヘリングボーン溝3a、3bが上下2対形成されており、モータ20の駆動により回転体13が回転すると、中空回転軸4と固定軸3の隙間の圧力が高まり、中空回転軸4、固定軸3及びヘリングボーン溝3a、3bにより動圧空気を利用したラジアル軸受として機能して、非接触でラジアル方向に回転体13を支持する。
【0022】
一方、上記ミラー押さえ6に保持された磁石8、上カバー9に保持された磁石10、固定軸3の上端に固定された磁石11及びミラー押さえ6に形成された上下振動減衰用連通穴は、磁石10と磁石11がミラー押さえ6に保持された磁石8に上下双方から反発力を付与して、磁石8及び磁石8を保持するミラー押さえ6を介して回転体13を反発浮上させるアキシャル軸受として機能して、回転体13を軸方向に非接触で支持する。
【0023】
すなわち、この軸受装置1は、ラジアル方向に動圧軸受を用い、アキシャル方向に磁石反発型の磁気軸受を用いており、モータ方式として、アキシャル方向に磁気ギャップを持った、いわゆる面対向型を採用している。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の軸受装置にあっては、ポリゴンスキャナ等の高速回転の軸受としては、なお、改良の余地があった。
【0025】
すなわち、特開昭60−244913号公報記載の回転支持装置は、回転体に固定される内側磁気リングの機械的強度が低いため、この回転支持装置をポリゴンスキャナに適用した場合、高速回転によって遠心応力が働くと、破壊されやすく、特に、外径が保持されていない場合には、破壊されやすい。また、板状リングで上下から挟まれた内側磁気リングが回転体に接着固定されているため、高温と低温に繰り返し曝されると、線膨張率が異なる材料同士の接着部分に剪断応力がかかり、接着部分が徐々に劣化して、回転体のバランスが崩れ、周りを振動させて、騒音を発生させたり、書込画像の画像品質を悪化させて、信頼性を低下させるという問題があった。
【0026】
また、特開昭61−269115号公報記載の回転体支持装置にあっては、回転体を固定軸に嵌合する際にむき出しになっている永久磁石同士が接触してしまうため、その接触で発生した微小なゴミやもともと永久磁石に付着していたゴミ等が回転支持装置の組み立て中に軸受隙間内に侵入して、正常に回転しなくなるという問題がある。また、一般に、永久磁石は、寸法精度が悪いため、リング状永久磁石の外径または内径の一方を位置決めに利用し、他方を磁気ギャップとして利用しようとすると、接触を避けるために磁気ギャップを比較的大きくする必要があるが、磁気ギャップを大きくすると、吸引力が低下し、意図する吸引力を確保するには、磁気軸受部を半径方向に大型化する必要があり、装置が大型化するという問題があった。さらに、永久磁石は、機械的な強度が小さいため、接着により永久磁石を接着部に固定するのが一般的であるが、永久磁石の接着部が高温と低温に繰り返し曝されると、線膨張率の異なる材料同士の接着部分に剪断応力がかかり、接着部分が徐々に劣化して、回転体のバランスが崩れる。その結果、この回転体支持装置をポリゴンスキャナに適用すると、ポリゴンミラーの取り付けられる回転体の不釣り合い振動が発生し、回転体の取り付けられている周りの部材を振動させて、騒音を発生させたり、書込画像の画像品質を悪化させて、信頼性を低下させるという問題があった。
【0027】
さらに、特開平5−71532号公報記載の軸受装置にあっては、磁気軸受部の固定部が固定軸の先端に突出して配置されており、磁気ギャップを小さくして大きな吸引力を得ようとすると、必然的に外径部がむき出しになった状態で、動圧空気軸受の軸受隙間へとつながる空間に配置・固定される。その結果、回転体を固定軸に嵌合する際に接触しやすく、その接触で発生した微小なゴミやもともと永久磁石に付着していたゴミが装置の組立中または回転中に動圧空気軸受の軸受隙間内に脱落、侵入し、正常に回転しなくなるという問題があった。
【0028】
また、特開平8−266030号公報記載のブラシレスモータの回転体装置にあっては、磁気軸受が反発型であるため、以下のような改良の余地があった。
【0029】
すなわち、上下反発型の磁気軸受では、3個の永久磁石8、10、11が必要であり、装置が大型化して、コストが高くなる。また、3個の永久磁石8、10、11を固定するためには、3箇所の接着作業が必要であり、作業工程が多く、コストが高くなる。さらに、寒冷地での保存や実使用での温度上昇を含めると、高温と低温に繰り返し曝されることがあるが、この場合、線膨張率が異なる材料同士の接着となるため、硬化した接着剤に剪断応力がかかり、剪断破壊が生じるおそれがあり、接着部分の信頼性を向上させる上で改良の余地があった。特に、回転体13に固定される永久磁石10の接着部で剪断破壊が生じて、永久磁石10が回転軸中心から半径方向にずれると、回転体13のバランスが崩れてしまい、周囲を振動させて、騒音を発生したり、書込画像の画像品質を低下させるおそれがあった。
【0030】
また、ポリゴンミラー5がミラー押さえ6を介してネジ7により中空回転軸4に固定されていたために、中空回転軸4にネジ穴の加工が必要であり、単純にネジ穴加工の分だけ、加工コストが高くなるとともに、ネジ穴加工時に使用する切削油がネジ穴に残りやすく、ネジ穴に残った切削油が中空回転軸4の高速回転時に、ネジ穴から外側に飛散して、ポリゴンミラー5や窓ガラス等の光学部品を汚して、ポリゴンスキャナとしての品質を低下させるおそれがあるとともに、当該ポリゴンスキャナの品質低下を防止するために、ネジ穴の入念な洗浄が必要であり、ネジ穴の加工コストに加えて、ネジ穴の洗浄コストもかかり、ポリゴンスキャナのコストがさらに上昇するおそれがあった。
【0031】
さらに、ポリゴンミラー5やミラー押さえ6は、その材料としてアルミニウム合金が用いられるが、ネジの締め付け力のバラツキが大きかったり、ミラー押さえ6の端面の精度が悪いと、ポリゴンミラー5のミラー面の面精度を悪化させることとなり、光学特性を悪化させるおそれがあった。
【0032】
この特開平8−266030号公報記載のブラシレスモータの回転体装置における不具合について、図14に基づいてさらに詳細に説明する。なお、図14においては、動圧空気軸受面先端での点接触状態を説明するために、軸受隙間を誇張して描いている。
【0033】
この軸受装置1は、図14において、軸心のずれにより、回転体13の上端に位置する反発スラストマグネットである永久磁石8に、斥力Fmが働き、中空回転軸4が、斥力Fmの働く方向に移動して、固定軸3と線接触する。
【0034】
ところが、この状態では、図14に示す力点Aに作用する斥力Fmとつり合う力がないため、固定軸3の軸受面の上端を支点として、中空回転軸4が傾くこととなる。
【0035】
ただし、中空回転軸4は、際限なく傾くわけではなく、固定軸3とのクリアランスによって制限され、固定軸3の下端に接触した状態で、傾きが規制されて、静止することとなる。
【0036】
ここで、斥力Fmが働く点を力点A、固定軸3の軸受面上端の接触点を支点B、固定軸3の軸受面下端の接触点を作用点Cとして、各点で働く力を考えると、作用点Cでは、力点Aで働く斥力Fmとつり合うように固定軸3に力Ffaが働き、その反作用として、力Fraが中空回転軸4に働く。また、支点Bにおいては、斥力Fmと中空回転軸4に働いた力Fraの和とつり合う大きさの力Ffsが固定軸3に働き、その反作用として、中空回転軸4にも、力Frsが働く。
【0037】
すなわち、回転体13の回転停止時には、永久磁石8の斥力Fmによって、固定軸3上端の接触点に最大の力がかかっていることになる。
【0038】
したがって、図14の状態から回転体13の回転を開始すると、固定軸3の軸受面の上端が最も摩耗しやすいこととなり、その後、回転体13が高速回転すると、動圧力が生じるため、固定軸3の軸受面上端の接触点にかかる荷重は小さくなる。
【0039】
その結果、回転体13の起動時及び停止時の低速回転時に、固定軸3の軸受面の接触点に大きな荷重がかかることになる。
【0040】
また、軸受装置1は、軸鉛直、すなわち、固定軸3及び回転体13が鉛直方向に立った状態で使用されるが、軸受装置1を軸水平、すなわち、固定軸3及び回転体13を水平状態にして使用すると、回転体13にかかる重力により起動時及び停止時に固定軸3の動圧空気軸受面の接触摩耗量が、さらに多くなり、軸受装置1の寿命が短くなるおそれがある。
【0041】
そこで、請求項1記載の発明は、軸方向に中空部を有する中空回転軸にポリゴンミラーの固定された回転体の中空回転軸の中空部内に固定軸が挿入され、回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を中空回転軸の内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持し、アキシャル軸受を、固定軸の先端部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、中空回転軸に取り付けられた保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部を、半径方向に所定の磁気ギャップを形成するとともに、軸方向において動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態で配設することにより、吸引型磁気軸受回転部の外周部を固定軸に固定された吸引型磁気軸受固定部で覆った状態として、アキシャル軸受に付着したゴミが組み立て時や組立後の回転中及び輸送中等にラジアル動圧空気軸受の軸受隙間内に脱落・侵入して、回転異常が発生することを防止し、また、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制し、信頼性が高く画像品質の良好な小型で安価な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0042】
請求項2記載の発明は、アキシャル軸受を、吸引型磁気軸受固定部が、軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、第1固定ヨーク板と第2固定ヨーク板が、リング状の永久磁石を軸方向に挟むとともに、それぞれの中心円が中空回転軸に対して同軸に配置されるとともに、固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、吸引型磁気軸受回転部が、吸引型磁気軸受固定部の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、外周部が、中空回転軸に対して同軸に配置されたものとすることにより、加工が容易で寸法精度の高い第1及び第2固定ヨーク板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の一個の永久磁石の磁気力を有効利用し、より一層信頼性が高く、より一層画像品質の良好な小型で安価な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0043】
請求項3記載の発明は、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部を、磁気ギャップが半径方向において所定量片寄った状態で配設することにより、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを軸が水平となる軸水平状態で使用した場合にも、磁気力と重力をバランスさせて、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制し、信頼性が高く画像品質の良好な小型で安価な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0044】
請求項4記載の発明は、アキシャル軸受を、吸引型磁気軸受固定部が、軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、第1固定ヨーク板と第2固定ヨーク板が、リング状の永久磁石を軸方向に挟むとともに、それぞれの中心円が中空回転軸に対して半径方向において一方向に所定量偏心した状態で配置されるとともに、固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、吸引型磁気軸受回転部が、吸引型磁気軸受固定部の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、外周部が、中空回転軸に対して同軸に配置されたものとすることにより、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを軸が水平となる軸水平状態で使用した場合にも、磁気力と重力をバランスさせて、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制するとともに、加工が容易で寸法精度の高い第1及び第2固定ヨーク板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の一個の永久磁石の磁気力を有効利用し、より一層信頼性が高く、より一層画像品質の良好な小型で安価な動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを提供することを目的としている。
【0045】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナは、軸方向に中空部を有する中空回転軸にポリゴンミラーの固定された回転体を有し、当該回転体の前記中空回転軸の前記中空部内に固定軸が挿入され、前記中空回転軸の一端側に前記中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で所定の保持部材が取り付けられ、前記回転体がモータにより回転されることにより発生する空気の動圧を前記中空回転軸の内周面と前記固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、により前記回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する動圧空気軸受型ポリゴンスキャナであって、前記アキシャル軸受は、前記固定軸の前記保持部材側の先端部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、前記中空回転軸に取り付けられた前記保持部材に固定され前記リング状の吸引型磁気軸受固定部内に挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、前記吸引型磁気軸受固定部と前記吸引型磁気軸受回転部は、半径方向に所定の磁気ギャップを形成するとともに、軸方向において前記動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態で配設されていることにより、上記目的を達成している。
【0046】
上記構成によれば、軸方向に中空部を有する中空回転軸にポリゴンミラーの固定された回転体の中空回転軸の中空部内に固定軸が挿入され、回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を中空回転軸の内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持し、アキシャル軸受を、固定軸の先端部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、中空回転軸に取り付けられた保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部を、半径方向に所定の磁気ギャップを形成するとともに、軸方向において動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態で配設しているので、吸引型磁気軸受回転部の外周部を固定軸に固定された吸引型磁気軸受固定部で覆った状態として、アキシャル軸受に付着したゴミが組み立て時や組立後の回転中及び輸送中等にラジアル動圧空気軸受の軸受隙間内に脱落・侵入して、回転異常が発生することを防止することができ、また、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを信頼性が高く画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【0047】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記アキシャル軸受は、前記吸引型磁気軸受固定部が、前記軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、前記第1固定ヨーク板と前記第2固定ヨーク板が、前記リング状の永久磁石を前記軸方向に挟むとともに、それぞれの前記中心円が前記中空回転軸に対して同軸に配置されるとともに、前記固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、前記吸引型磁気軸受回転部が、前記吸引型磁気軸受固定部の前記第1固定ヨーク板及び前記第2固定ヨーク板の内周面との間に前記磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、前記外周部が、前記中空回転軸に対して同軸に配置されていてもよい。
【0048】
上記構成によれば、アキシャル軸受を、吸引型磁気軸受固定部が、軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、第1固定ヨーク板と第2固定ヨーク板が、リング状の永久磁石を軸方向に挟むとともに、それぞれの中心円が中空回転軸に対して同軸に配置されるとともに、固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、吸引型磁気軸受回転部が、吸引型磁気軸受固定部の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、外周部が、中空回転軸に対して同軸に配置されたものとしているので、加工が容易で寸法精度の高い第1及び第2固定ヨーク板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の一個の永久磁石の磁気力を有効利用することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層信頼性が高く、より一層画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【0049】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記吸引型磁気軸受固定部と前記吸引型磁気軸受回転部は、前記磁気ギャップが半径方向において所定量片寄った状態で配設されていてもよい。
【0050】
上記構成によれば、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部を、磁気ギャップが半径方向において所定量片寄った状態で配設しているので、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを軸が水平となる軸水平状態で使用した場合にも、磁気力と重力をバランスさせて、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを信頼性が高く画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【0051】
さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記アキシャル軸受は、前記吸引型磁気軸受固定部が、前記軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、前記第1固定ヨーク板と前記第2固定ヨーク板が、前記リング状の永久磁石を前記軸方向に挟むとともに、それぞれの前記中心円が前記中空回転軸に対して半径方向において一方向に所定量偏心した状態で配置されるとともに、前記固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、前記吸引型磁気軸受回転部が、前記吸引型磁気軸受固定部の前記第1固定ヨーク板及び前記第2固定ヨーク板の内周面との間に前記磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、前記外周部が、前記中空回転軸に対して同軸に配置されていてもよい。
【0052】
上記構成によれば、アキシャル軸受を、吸引型磁気軸受固定部が、軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、第1固定ヨーク板と第2固定ヨーク板が、リング状の永久磁石を軸方向に挟むとともに、それぞれの中心円が中空回転軸に対して半径方向において一方向に所定量偏心した状態で配置されるとともに、固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、吸引型磁気軸受回転部が、吸引型磁気軸受固定部の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、外周部が、中空回転軸に対して同軸に配置されたものとしているので、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを軸が水平となる軸水平状態で使用した場合にも、磁気力と重力をバランスさせて、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制することができるとともに、加工が容易で寸法精度の高い第1及び第2固定ヨーク板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の一個の永久磁石の磁気力を有効利用することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層信頼性が高く、より一層画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0054】
図1〜図7は、本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第1の実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第1の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30の正面断面図である。
【0055】
図1において、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、ハウジング31とハウジング31上にネジ固定された上カバー32により、その外観が形成され、ハウジング31の底部中央部に、固定軸33が圧入固着あるいは焼きばめ等の方法で固定されている。
【0056】
固定軸33は、その周壁部の適切な位置にヘリングボーン溝33aが形成されており、固定軸33の上端凹部内には、アキシャル方向(軸方向)に所定長さを有したリング状の吸引型磁気軸受固定部34が埋設されている。
【0057】
吸引型磁気軸受固定部34は、図2〜図4に示すように、所定の大きさの中心円35aがその中心部に形成されアキシャル方向に2極に着磁されてアキシャル方向に磁極が向いたリング状の永久磁石35と、永久磁石35のアキシャル方向両端(軸方向両端)に固定され永久磁石35の中心円(内径)35aよりも小さい中心円36a、37aがその中心部に形成された強磁性材料からなる一対の第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37と、で形成されている。吸引型磁気軸受固定部34は、第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37とで永久磁石35を挟んだ状態で固定軸33の上端凹部内に埋設され、第1固定ヨーク板36の上部から、図1に示すように、弾性部材38で固定されることにより、永久磁石35を第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37で固定軸33の軸方向に挟んだ状態で、かつ、第1固定ヨーク板36の中心円36aと第2固定ヨーク板37の中心円37aが固定軸33の軸中心と一致する(同軸となる)状態で、固定軸33の上端凹部内に埋設されている。上記第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37は、鉄鋼系の板材で形成されており、永久磁石35は、例えば、主に希土類系の永久磁石が用いられている。なお、吸引型磁気軸受固定部34は、弾性部材38で固定軸33の上端凹部内に固定するものに限るものではなく、例えば、接着剤等で固定軸33の上端凹部内に固定してもよい。
【0058】
固定軸33は、図1に示すように、中空回転軸39の中空内に挿入されており、中空回転軸39の上面から外周面には、図5及び図6に示すように、キャップ形状に形成されるとともに、外方(径方向)に鍔状に突出したフランジ40が固定されている。フランジ40の中央部には、吸引型磁気軸受回転部41が圧入されてフランジ40に固定されており、吸引型磁気軸受回転部41は、図3及び図4に示したように、第1固定ヨーク板36の中心円36a部分及び第2固定ヨーク板37の中心円37a部分との間に磁気ギャップを構成する外筒面41a、41bが形成されている。この外筒面41a、41bは、吸引型磁気軸受回転部41の回転中心軸と同軸になるように配置されており、第1固定ヨーク板36の中心円36a部分及び第2固定ヨーク板37の中心円37a部分と外筒面41a、41bとの磁気ギャップは、約0.1mm〜0.5mmの微細間隔に設定されている。
【0059】
フランジ40の鍔状に突出した部分の上面には、図1に示すように、ポリゴンミラー42が載置されており、ポリゴンミラー42は、板ばね(保持部材)43により中空回転軸39のフランジ40に押さえつけられるとともに、板ばね43がネジ44が吸引型磁気軸受回転部41の上端部に形成されたネジ穴41cに螺合されて吸引型磁気軸受回転部41に固定されることにより、吸引型磁気軸受回転部41に固定されている。なお、フランジ40は、上述のように、中空回転軸39の上方の中空部を閉止する状態で中空回転軸39に取り付けられており、固定軸33の上端とフランジ40により閉止された中空回転軸39の中空部に空気溜まり45が形成されている。
【0060】
吸引型磁気軸受回転部41は、永久磁石あるいは鉄鋼系の強磁性体等のように、寸法精度の高い材料で形成されている。また、上記固定軸33、中空回転軸39及び板ばね43は、アルミニウム合金等の非磁性材料で形成されており、吸引力を発生する吸引型磁気軸受固定部34と吸引型磁気軸受回転部41のギャップ中に磁束漏れが発生することを抑制して、後述するアキシャル軸受に効率よくアキシャル吸引力を発生させる。
【0061】
また、フランジ40には、図1に示すように、空気溜まり45を、板ばね43のスリット42a(図5参照)を介して中空回転軸39の外部に連通する微細穴40aが吸引型磁気軸受回転部41の周囲に形成されており、微細穴40aは、微細穴40aを通過する空気の粘性抵抗により、後述するアキシャル軸受に適切なダンピング特性を持たせている。
【0062】
中空回転軸39のフランジ40の下面であって中空回転軸39の外周方向には、図1に示すように、周状にロータマグネット46が取り付けられており、ロータマグネット46は、例えば、軽量かつ機械的耐力(引張強度)の高いアルミ−マンガン系の金属磁石等により形成されている。
【0063】
上記フランジ40、吸引型磁気軸受回転部41、ポリゴンミラー42、板ばね43、ネジ44及びロータマグネット46等の取り付けられた中空回転軸39は、回転体47を構成している。
【0064】
上記ロータマグネット46に対向する内周側には、ステータコア48が配設されており、ステータコア48には、巻線コイル48aが巻かれている。ロータマグネット46及び巻線コイル48aの巻かれたステータコア48の下方の位置には、プリント基板49とホール素子50が配設されている。これらプリント基板49及び巻線コイル48aの巻かれたステータコア48等は、ハウジング31に取り付けられており、ホール素子50は、プリント基板49に取り付けられている。プリント基板49には、駆動回路が形成されており、これらロータマグネット46、プリント基板49、巻線コイル48及びホール素子50等により、ラジアルギャップ・アウターロータ型のブラシレスモータ51が構成されており、ブラシレスモータ51は、プリント基板49の駆動回路がホール素子50の位置検出信号に基づいて、順次巻線コイル48への通電を制御して、励磁切り換えを行うことにより、回転体47を回転させて、定速制御する。
【0065】
そして、上記フランジ40の上下2箇所には、回転体47の不釣り合い修正用のバランス修正溝40b、40cが形成されている。
【0066】
上記固定軸33の外周面には、上述のように、ヘリングボーン溝33aが形成されているため、ブラシレスモータ51の駆動により回転体47が回転すると、中空回転軸39と固定軸33の隙間の圧力が高まり、中空回転軸39、固定軸33及びヘリングボーン溝33aにより中空回転軸39と固定軸33のヘリングボーン溝33aの形成された面を動圧空気軸受面として動圧空気を利用したラジアル軸受(動圧軸受)として機能して、非接触でラジアル方向(半径方向)に回転体47を支持する。
【0067】
また、上記フランジ40に固定された吸引型磁気軸受回転部41、固定軸33の上端凹部内に埋設・固定された永久磁石35、第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37からなる吸引型磁気軸受固定部34は、吸引型磁気軸受回転部41と固定軸33に埋設・固定された吸引型磁気軸受固定部34に吸引力が発生して、回転体47を浮上させるアキシャル軸受(磁気軸受)として機能して、回転体47を軸方向に非接触で支持する。
【0068】
そして、上カバー32には、図示しない半導体レーザからのレーザー光の入出射用の開口部にガラス窓が両面テープまたは接着剤等で固定されて、内部が密閉されている。
【0069】
次に、本実施の形態の作用を説明する。動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、ハウジング31に固定された固定軸33が中空回転軸39に挿入され、固定軸33の上端凹部内に吸引型磁気軸受固定部34が埋設されている。吸引型磁気軸受固定部34は、アキシャル方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石35を上下(アキシャル方向)の1対のリング状の第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37で挟んだ状態に形成され、第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37の中心円36a、37aは、永久磁石35の中心円35aよりも小さく形成されているとともに、中空回転軸39の軸芯と一致する状態で配設されている。
【0070】
この固定軸33は、中空回転軸39の中空内に挿入されており、中空回転軸39には、フランジ40が取り付けられているとともに、このフランジ40にポリゴンミラー42、ロータマグネット46及び吸引型磁気軸受回転部41等が取り付けられて、回転体47を構成している。
【0071】
フランジ40には、固定軸33の上端凹部内に埋設された吸引型磁気軸受固定部34の中心円内に侵入する吸引型磁気軸受回転部41が固定されており、吸引型磁気軸受回転部41は、永久磁石または鉄骨系の強磁性材料等のように、寸法精度の高い材料で、円柱状あるいは円筒状に形成されるとともに、吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37と対向する位置に外筒面41a、41bが形成されて、第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37との間に微細間隔の磁気ギャップを形成している。
【0072】
吸引型磁気軸受回転部41は、上述のように、永久磁石または強磁性体材料で形成されており、図4に示すように、吸引型磁気軸受固定部34の永久磁石35、第1固定ヨーク板36、吸引型磁気軸受回転部41及び第2固定ヨーク板37へと向かい、再び永久磁石35へと向かう閉ループ状に磁力線が形成されて、固定軸33の上端凹部内に埋設された吸引型磁気軸受固定部34とフランジ40を介して中空回転軸39に固定された吸引型磁気軸受回転部41との間に吸引力が発生して、フランジ40に固定された吸引型磁気軸受回転部41と固定軸33の上端凹部内に埋設された吸引型磁気軸受固定部34は、回転体47を浮上させるアキシャル軸受として機能して、回転体47を軸方向に非接触で支持する。
【0073】
また、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、フランジ40に取り付けられたロータマグネット46に周方向で対向する位置に、巻線コイル48aの巻かれたステータコア48が配設されているとともに、ロータマグネット46の下方の位置にホール素子50とプリント基板49が配設されており、これらプリント基板49、巻線コイル48aの巻かれたステータコア48及びホール素子50等は、ラジアルギャップ・アウターロータ型のブラシレスモータ51を構成して、プリント基板49の駆動回路により巻線コイル48aへの通電を制御して、励磁切り換えを行うことにより、回転体47を回転させる。
【0074】
上記固定軸33の外周面には、ヘリングボーン溝33aが形成されており、ブラシレスモータ51の駆動により回転体47が回転すると、中空回転軸39と固定軸33の隙間の圧力が高まって、中空回転軸39、固定軸33及びヘリングボーン溝33aが、動圧空気を利用したラジアル軸受として機能して、非接触でラジアル方向に回転体47を支持する。
【0075】
このように、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、アキシャル軸受が回転体47を非接触で軸方向に支持し、ブラシレスモータ51により回転体47を回転駆動することにより、動圧空気を利用したラジアル軸受が、非接触で回転体47をラジアル方向に支持する。
【0076】
そして、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、いま、吸引型磁気軸受固定部34及び吸引型磁気軸受回転部41が、部品の寸法バラツキ等の原因によって、吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37の中心円36a、37aと吸引型磁気軸受回転部41の外筒面41a、41bとが偏心したとすると、図7に示すように、吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37と吸引型磁気軸受回転部41との間に吸引力Fmが働く。この吸引力Fmによって、吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37と吸引型磁気軸受回転部41との間で、その上端あるいは下端のいずれか一端から接触が始まるが、最終的には、力のつり合いのとれる線接触状態で静止する。
【0077】
この線接触状態で静止しているときには、吸引型磁気軸受固定部34の第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37の中心円36a、37aと吸引型磁気軸受回転部41の外筒面41a、41bとの偏心による吸引力Fmが、中空回転軸39と固定軸33に作用するときには、図7に示すように、力Fr1、Fr2、Fr3、・・・、力Fs1、Fs2、Fs3、・・・のように分散され、中空回転軸39と固定軸33に作用する接触圧力が小さくなる。
【0078】
したがって、中空回転軸39と固定軸33に作用する接触圧力が小さくなるため、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30の起動時及び停止時に中空回転軸39と固定軸33の接触面の摩耗量が小さくなり、動圧軸受の寿命を向上させることができる。
【0079】
このように、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30の起動時と停止時に中空回転軸39と固定軸33とを線接触状態とするために、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30は、図7に示すように、中空回転軸39、固定軸33及びヘリングボーン溝33aにより構成されるラジアル軸受(動圧軸受)と、吸引型磁気軸受回転部41、固定軸33の上端凹部内に埋設・固定された永久磁石35、第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37からなる吸引型磁気軸受固定部34により構成されるアキシャル軸受(磁気軸受)が、軸方向において少なくとも半分以上が重なり合うように構成している。
【0080】
このような構成とすることにより、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30の起動時と停止時に中空回転軸39と固定軸33を線接触状態として、これらの摩耗を抑制することができ、動圧軸受の寿命を向上させることができる。
【0081】
また、アキシャル軸受がフランジ40に固定された吸引型磁気軸受回転部41と固定軸33の上端凹部内に埋設された吸引型磁気軸受固定部34との間に作用する吸引力により、回転体47をアキシャル方向に支持しており、吸引型磁気軸受固定部34が、任意の断面においてアキシャル方向に2極に着磁されたリング状の1個の永久磁石35と、この永久磁石35の中心円よりも小さい中心円を有し永久磁石35をアキシャル方向から挟む状態で配設されたリング状の第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37と、で形成され、吸引型磁気軸受回転部41が、この第1固定ヨーク板36及び第2固定ヨーク板37と微細間隔、例えば、約0.1mm〜0.5mmの磁気ギャップを空けて配設されている。
【0082】
したがって、吸引型磁気軸受回転部41と吸引型磁気軸受固定部34の磁力線を有効に利用することができるとともに、吸引型磁気軸受回転部41と吸引型磁気軸受固定部34を固定軸33の上端凹部内に収納することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30を小型化することができる。特に、永久磁石として、1個の永久磁石35のみを使用しているので、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30をより小型で、安価なものとすることができる。
【0083】
さらに、吸引型磁気軸受固定部34が固定軸33の上端凹部内に埋設され、この吸引型磁気軸受固定部34内に吸引型磁気軸受回転部41が挿入されているとともに、吸引型磁気軸受回転部41が中空回転軸39の外周と上部を覆うフランジ40に固定されているので、吸引型磁気軸受固定部34や吸引型磁気軸受回転部41に付着したゴミが組立時や組立後の回転中あるいは輸送中等に動圧空気軸受であるラジアル軸受の軸受隙間内に脱落、侵入して、回転異常となるのを防止することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30の信頼性を向上させることができる。
【0084】
また、フランジ40に、空気溜まり45と中空回転軸39の外部とを連通する微細穴40aが形成され、微細穴40aによりアキシャル軸受に適切なダンピング特性を持たせているので、外乱振動に対して、減衰効果を発揮させることができ、より一層軸受ロックを防止して、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30の信頼性を向上させることができる。
【0085】
さらに、第1固定ヨーク板36と第2固定ヨーク板37を機械加工により精度良く形成することができ、永久磁石35と吸引型磁気軸受回転部41との間に直接磁気ギャップを設ける場合よりも、磁気ギャップを小さくすることができ、永久磁石35の磁力を有効に利用することができる。その結果、1つの永久磁石35によりアキシャル軸受(磁気軸受)を小型で、安価なものとすることができ、ひいては、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30を小型で、安価なものとすることができる。
【0086】
図8〜図11は、本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第2の実施の形態を示す図であり、図8は、本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第2の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60の要部正面断面図、図9〜図11は、それぞれ動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60の吸引型磁気軸受部の斜視図、分解斜視図及び正面断面図である。
【0087】
本実施の形態は、固定軸の上端凹部に埋設された吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部との磁気ギャップを偏心させたものである。
【0088】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナに適用したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナと同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略するとともに、図示しない部分についても、必要に応じて、上記第1の実施の形態で用いた符号をそのまま用いて、説明する。
【0089】
図8において、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60は、第1の実施の形態と同様に、ハウジング31にヘリングボーン溝33aの形成された固定軸33が固定され、固定軸33は、中空回転軸39の中空内に挿入されている。中空回転軸39には、フランジ40が取り付けられているとともに、このフランジ40にポリゴンミラー42、ロータマグネット46及び吸引型磁気軸受回転部41等が取り付けられて、回転体47を構成している。
【0090】
固定軸33は、その上端凹部内に吸引型磁気軸受固定部61が埋設されており、吸引型磁気軸受固定部61は、図9〜図11に示すように、所定の大きさの中心円62aがその中心部に形成されアキシャル方向に2極に着磁されてアキシャル方向に磁極が向いたリング状の永久磁石62と、永久磁石62のアキシャル方向両端(軸方向両端)に固定され永久磁石62の中心円62aよりも小さい中心円63a、64aがその中心部に形成された強磁性材料からなる一対の第1固定ヨーク板63及び第2固定ヨーク板64と、で形成されている。
【0091】
吸引型磁気軸受固定部61は、第1固定ヨーク板63と第2固定ヨーク板64とで永久磁石62を挟んだ状態で固定軸33の上端凹部内に埋設され、第1固定ヨーク板63の上部から、図8に示すように、弾性部材65で固定されることにより、永久磁石62を第1固定ヨーク板63と第2固定ヨーク板64で固定軸33の軸方向に挟んだ状態で、かつ、第1固定ヨーク板63の中心円63aと第2固定ヨーク板64の中心円64aが固定軸33の軸中心(回転中心軸)に対して一方向に偏心した状態で、固定軸33の上端凹部内に埋設されている。上記第1固定ヨーク板63及び第2固定ヨーク板64は、鉄鋼系の板材で形成されており、永久磁石62は、例えば、主に希土類系の永久磁石が用いられている。なお、吸引型磁気軸受固定部61は、弾性部材65で固定軸33の上端凹部内に固定するものに限るものではなく、例えば、接着剤等で固定軸33の上端凹部内に固定してもよい。
【0092】
上記吸引型磁気軸受回転部41は、第1の実施の形態と同様に、永久磁石あるいは強磁性体材料で形成されて、フランジ40の中央部に固定されるとともに、上記吸引型磁気軸受固定部61の永久磁石62の中心円62a、第1固定ヨーク板63の中心円63a及び第2固定ヨーク板64の中心円64a内に挿入されており、吸引型磁気軸受回転部41の第1固定ヨーク板63の中心円63a及び第2固定ヨーク板64の中心円64aに対応する位置には、第1固定ヨーク板63の中心円63a及び第2固定ヨーク板64の中心円64aとの間に微細な磁気ギャップを構成する外筒面41a、41bが形成されている。この外筒面41a、41bは、吸引型磁気軸受回転部41の回転中心軸と同軸になるように配置されている。
【0093】
そして、上述のように、第1固定ヨーク板63の中心円63aと第2固定ヨーク板64の中心円64aが固定軸33の回転中心軸に対して一方向に偏心した状態で、固定軸33の上端凹部内に埋設されているため、図9及び図11に示すように、第1固定ヨーク板63の中心円63a部分及び第2固定ヨーク板64の中心円64a部分と外筒面41a、41bとの磁気ギャップは、その間隔が一方向に偏った状態となって、大きい磁気ギャップ部分と小さい磁気ギャップ部分が生じている。
【0094】
また、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60は、起動時と停止時に中空回転軸39と固定軸33とを線接触状態とするために、図8に示すように、中空回転軸39、固定軸33及びヘリングボーン溝33aにより構成されるラジアル軸受(動圧軸受)と、吸引型磁気軸受回転部41、固定軸33の上端凹部内に埋設・固定された永久磁石62、第1固定ヨーク板63と第2固定ヨーク板64からなる吸引型磁気軸受固定部61により構成されるアキシャル軸受(磁気軸受)が、軸方向において少なくとも半分以上が重なり合うように構成されている。
【0095】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60は、吸引型磁気軸受固定部61の第1固定ヨーク板63の中心円63aと第2固定ヨーク板64の中心円64aが固定軸33の回転中心軸に対して一方向に偏心した状態で、固定軸33の上端凹部内に埋設されており、この吸引型磁気軸受固定部61内にフランジ40に固定された吸引型磁気軸受回転部41が挿入されて、吸引型磁気軸受回転部41の第1固定ヨーク板63の中心円63a及び第2固定ヨーク板64の中心円64aに対応する位置に、第1固定ヨーク板63の中心円63a及び第2固定ヨーク板64の中心円64aとの間に微細な磁気ギャップを構成する外筒面41a、41bが、吸引型磁気軸受回転部41の回転中心軸と同軸になるように形成されている。
【0096】
したがって、第1固定ヨーク板63の中心円63a部分及び第2固定ヨーク板64の中心円64a部分と吸引型磁気軸受回転部41の外筒面41a、41bとの磁気ギャップは、その間隔が一方向に偏った状態となっており、磁気ギャップが狭くなっている方向に吸引型磁気軸受回転部41、すなわち、回転体47が引き寄せられる。
【0097】
その結果、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60を軸水平状態で使用する場合には、上記磁気ギャップの偏りにより生じる回転体47の吸引力の大きさが、回転体47に作用する重力と略一致するように、磁気ギャップの偏りを設定すると、回転体47に作用する吸引力と重力をつり合わせることができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60の起動時と停止時の動圧空気軸受面の摩耗を小さくすることができる。
【0098】
すなわち、図8に示すように、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60を軸水平状態で使用すると、回転体47には、重力Fwが作用するとともに、第1固定ヨーク板63と第2固定ヨーク板64の中心円63a、64a部分と吸引型磁気軸受回転部41の外筒面41a、41bとの磁気ギャップが一方向に偏った状態で配設されていることによる吸引力Fmが作用し、この重力Fwと吸引力Fmとがつり合うように、上記磁気ギャップの偏りを設定すると、重力Fwと吸引力Fmとがつり合って、回転体47の傾きがなくなる。
【0099】
したがって、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60の起動時及び停止時に動圧空気軸受面、すなわち、中空回転軸39と固定軸33との接触面にかかる圧力を小さくすることができ、摩耗量を小さくすることができる。
【0100】
また、回転体47、すなわち、吸引型磁気軸受回転部41に吸引力Fmが作用する位置と、回転体47の重心位置と、を軸方向で略一致させると、吸引力Fmと重力fwの回転体47における作用点を略一致させることができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60の起動時及び停止時に動圧空気軸受面の摩耗量をより一層小さくすることができる。
【0101】
さらに、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ60は、起動時と停止時に中空回転軸39と固定軸33とを線接触状態とするために、図8に示すように、中空回転軸39、固定軸33及びヘリングボーン溝33aにより構成されるラジアル軸受(動圧軸受)と、吸引型磁気軸受回転部41、固定軸33の上端凹部内に埋設・固定された永久磁石62、第1固定ヨーク板63と第2固定ヨーク板64からなる吸引型磁気軸受固定部61により構成されるアキシャル軸受(磁気軸受)が、軸方向において少なくとも半分以上が重なり合うように構成されている。
【0102】
したがって、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ30の起動時と停止時に中空回転軸39と固定軸33を線接触状態として、これらの摩耗を抑制することができ、寿命を向上させることができる。
【0103】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナによれば、軸方向に中空部を有する中空回転軸にポリゴンミラーの固定された回転体の中空回転軸の中空部内に固定軸が挿入され、回転体がモータにより回転されると発生する空気の動圧を中空回転軸の内周面と固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、により回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持し、アキシャル軸受を、固定軸の先端部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、中空回転軸に取り付けられた保持部材に固定されリング状の吸引型磁気軸受固定部内に挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部を、半径方向に所定の磁気ギャップを形成するとともに、軸方向において動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態で配設しているので、吸引型磁気軸受回転部の外周部を固定軸に固定された吸引型磁気軸受固定部で覆った状態として、アキシャル軸受に付着したゴミが組み立て時や組立後の回転中及び輸送中等にラジアル動圧空気軸受の軸受隙間内に脱落・侵入して、回転異常が発生することを防止することができ、また、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを信頼性が高く画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【0105】
請求項2記載の発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナによれば、アキシャル軸受を、吸引型磁気軸受固定部が、軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、第1固定ヨーク板と第2固定ヨーク板が、リング状の永久磁石を軸方向に挟むとともに、それぞれの中心円が中空回転軸に対して同軸に配置されるとともに、固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、吸引型磁気軸受回転部が、吸引型磁気軸受固定部の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、外周部が、中空回転軸に対して同軸に配置されたものとしているので、加工が容易で寸法精度の高い第1及び第2固定ヨーク板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の一個の永久磁石の磁気力を有効利用することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層信頼性が高く、より一層画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【0106】
請求項3記載の発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナによれば、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部を、磁気ギャップが半径方向において所定量片寄った状態で配設しているので、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを軸が水平となる軸水平状態で使用した場合にも、磁気力と重力をバランスさせて、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを信頼性が高く画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【0107】
請求項4記載の発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナによれば、アキシャル軸受を、吸引型磁気軸受固定部が、軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、第1固定ヨーク板と第2固定ヨーク板が、リング状の永久磁石を軸方向に挟むとともに、それぞれの中心円が中空回転軸に対して半径方向において一方向に所定量偏心した状態で配置されるとともに、固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、吸引型磁気軸受回転部が、吸引型磁気軸受固定部の第1固定ヨーク板及び第2固定ヨーク板の内周面との間に磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、外周部が、中空回転軸に対して同軸に配置されたものとしているので、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナを軸が水平となる軸水平状態で使用した場合にも、磁気力と重力をバランスさせて、吸引型磁気軸受固定部と吸引型磁気軸受回転部が動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態とし、動圧空気軸受面の接触を線接触として、起動時及び停止時の動圧空気軸受面先端部の摩耗を抑制することができるとともに、加工が容易で寸法精度の高い第1及び第2固定ヨーク板と吸引型磁気軸受固定部との間に磁気ギャップを高精度に形成して、吸引型磁気軸受固定部の一個の永久磁石の磁気力を有効利用することができ、動圧空気軸受型ポリゴンスキャナをより一層信頼性が高く、より一層画像品質の良好なものとすることができるとともに、小型で安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第1の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの正面断面図。
【図2】図1の吸引型磁気軸受部の斜視図。
【図3】図2の吸引型磁気軸受部の分解斜視図。
【図4】図2の吸引型磁気軸受部の正面断面図。
【図5】図1の回転体の分解斜視図。
【図6】図5の回転体の正面断面図。
【図7】図1の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの起動時及び停止時の動圧空気軸受面の線接触状態を説明するための要部正面断面図。
【図8】本発明の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの第2の実施の形態を適用した動圧空気軸受型ポリゴンスキャナの要部正面断面図。
【図9】図8の吸引型磁気軸受部の斜視図。
【図10】図9の吸引型磁気軸受部の分解斜視図
【図11】図9の吸引型磁気軸受部の正面断面図。
【図12】従来の軸受装置の正面断面図。
【図13】図7の回転体の分解斜視図及び正面断面図。
【図14】図7の従来の軸受装置の起動時及び停止時の動圧空気軸受面の点接触状態を説明するための要部正面断面図。
【符号の説明】
30 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
31 ハウジング
32 上ケース
33 固定軸
33a ヘリングボーン溝
34 吸引型磁気軸受固定部
35 永久磁石
36 第1固定ヨーク板
37 第2固定ヨーク板
35a、36a、37a 中心円
38 弾性部材
39 中空回転軸
40 フランジ
40a 微細穴
40b、40c バランス修正溝
41 吸引型磁気軸受回転部
41a、41b 外筒面
41c ネジ穴
42 ポリゴンミラー
42a スリット
43 板ばね
44 ネジ
45 空気溜まり
46 ロータマグネット
47 回転体
48 ステータコア
48a 巻線コイル
49 プリント基板
50 ホール素子
51 ブラシレスモータ
60 動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ
61 吸引型磁気軸受固定部
62 永久磁石
63 第1固定ヨーク板
64 第2固定ヨーク板
65 弾性部材
62a、63a、64a 中心円

Claims (4)

  1. 軸方向に中空部を有する中空回転軸にポリゴンミラーの固定された回転体を有し、当該回転体の前記中空回転軸の前記中空部内に固定軸が挿入され、前記中空回転軸の一端側に前記中空部を閉止して所定の空気溜まりを形成する状態で所定の保持部材が取り付けられ、前記回転体がモータにより回転されることにより発生する空気の動圧を前記中空回転軸の内周面と前記固定軸の外周面からなる動圧空気軸受面で受けるラジアル動圧空気軸受と、吸引型磁気力を利用したアキシャル軸受と、により前記回転体を半径方向及び軸方向に回転自在に支持する動圧空気軸受型ポリゴンスキャナであって、前記アキシャル軸受は、前記固定軸の前記保持部材側の先端部に固定されたリング状の吸引型磁気軸受固定部と、前記中空回転軸に取り付けられた前記保持部材に固定され前記リング状の吸引型磁気軸受固定部内に挿入された吸引型磁気軸受回転部と、を備え、前記吸引型磁気軸受固定部と前記吸引型磁気軸受回転部は、半径方向に所定の磁気ギャップを形成するとともに、軸方向において前記動圧空気軸受面に対して半分以上重なった状態で配設されていることを特徴とする動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  2. 前記アキシャル軸受は、前記吸引型磁気軸受固定部が、前記軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、前記第1固定ヨーク板と前記第2固定ヨーク板が、前記リング状の永久磁石を前記軸方向に挟むとともに、それぞれの前記中心円が前記中空回転軸に対して同軸に配置されるとともに、前記固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、前記吸引型磁気軸受回転部が、前記吸引型磁気軸受固定部の前記第1固定ヨーク板及び前記第2固定ヨーク板の内周面との間に前記磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、前記外周部が、前記中空回転軸に対して同軸に配置されていることを特徴とする請求項1記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  3. 前記吸引型磁気軸受固定部と前記吸引型磁気軸受回転部は、前記磁気ギャップが半径方向において所定量片寄った状態で配設されていることを特徴とする請求項1記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
  4. 前記アキシャル軸受は、前記吸引型磁気軸受固定部が、前記軸方向に2極に着磁されたリング状の永久磁石と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第1固定ヨーク板と、前記リング状の永久磁石の内径よりも小さい中心円が形成され強磁性材料からなるリング状の第2固定ヨーク板と、を備え、前記第1固定ヨーク板と前記第2固定ヨーク板が、前記リング状の永久磁石を前記軸方向に挟むとともに、それぞれの前記中心円が前記中空回転軸に対して半径方向において一方向に所定量偏心した状態で配置されるとともに、前記固定軸の先端部内に埋設された状態で配設され、前記吸引型磁気軸受回転部が、前記吸引型磁気軸受固定部の前記第1固定ヨーク板及び前記第2固定ヨーク板の内周面との間に前記磁気ギャップを形成する円形の外周部を備え、前記外周部が、前記中空回転軸に対して同軸に配置されていることを特徴とする請求項3記載の動圧空気軸受型ポリゴンスキャナ。
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