JP2000161346A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP2000161346A
JP2000161346A JP10338024A JP33802498A JP2000161346A JP 2000161346 A JP2000161346 A JP 2000161346A JP 10338024 A JP10338024 A JP 10338024A JP 33802498 A JP33802498 A JP 33802498A JP 2000161346 A JP2000161346 A JP 2000161346A
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JP
Japan
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radial
bearing
load
bearings
spindle motor
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JP10338024A
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English (en)
Inventor
Ikunori Sakatani
郁紀 坂谷
Katsuhiko Tanaka
克彦 田中
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速回転時にスピンドルモータ内が高温状態と
なっても、振れ回り振動を抑制するとともに、ラジアル
軸受の負荷容量不足を抑制する。 【解決手段】電磁駆動モータ19の軸心P方向の配置位
置が、軸心方向に離間して配置した2個のラジアル軸受
38、40の間に位置している。これにより、高速回転
時に、電磁駆動モータの同軸度のずれによって不均衡な
ラジアル荷重が発生しても、そのラジアル荷重は2個の
ラジアル軸受に配分され、モーメント荷重がラジアル軸
受に負荷されようなことがない。また、軸受部材8と回
転体18、20とを熱膨張係数がほぼ等しい材料により
形成したので、高温雰囲気中であっても、軸受部材及び
回転体の固定部分の相対位置が変化しにくく、軸受部材
及び回転体の振れ回り振動を抑制することができる。ま
た、固定軸34及び軸受部材も熱膨張係数がほぼ等しい
材料により形成したので、高温雰囲気中であっても、ラ
ジアル軸受の軸受隙間が変化しにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装
置、光ディスク装置、レーザプリンタ、VTR等の映像
・情報機器や精密機器などに用いられるスピンドルモー
タに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、磁気ディスク装置用のスピンド
ルモータ2を示すものである。このスピンドルモータ2
は、ベース4に固定されて軸心Pを上下方向に向けた固
定軸6が、スリーブ8に設けた挿通孔10に挿通されて
いる。挿通孔10の内周面及び固定軸6の外周面の間に
は、互いに軸心P方向に離れた位置に2つのラジアル流
体軸受12、14が配設され、固定軸6の上端部及び挿
通孔10の上部開口部の間にもスラスト軸受16が配設
されており、これら軸受12、14、16によってスリ
ーブ8が固定軸6に回転自在に支持されている。
【0003】また、スリーブ8の外周には略円筒形状の
ハブ18が嵌め込まれており、このハブ18の外周に複
数枚の磁気ディスク20が搭載されている。そして、ハ
ブ18の下部内周に電磁駆動モータ19の構成部材であ
る円環状のロータ22が固定され、このロータ22の内
周側に対向する位置に電磁駆動モータ19の構成部材で
ある円環状のステータ24がベース4に固定されてい
る。なお、ロータ22は、ステータ24と対向する磁石
22aと、この磁石22aの外周側に設けられて外部へ
の漏洩磁束を防止するバックヨーク22bとで構成され
ている。
【0004】そして、電磁駆動モータ19が発生する回
転力によってスリーブ8及びハブ18とともに磁気ディ
スク20が軸心P回りに回転するようになっている。こ
こで、磁気ディスク20及びハブ18は、アルミ合金に
より形成されている。また、固定軸6は、通常、マルテ
ンサイト系のステンレス鋼を材料として表面硬さを高く
している。また、スリーブ8は、固定軸6との摺動性を
良好とするために銅系の快削黄銅を材料としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の磁気
ディスク装置は、さらなる高密度化を達成するために磁
気ディスクの材料としてガラスディスクを使用したり、
NRRO(回転に同期しない振れ)の小さな流体軸受を
使用した磁気ディスク装置用スピンドルモータの使用が
検討されている。また、高密度化に伴いデータの伝送速
度を上げるために、磁気ディスク装置用スピンドルモー
タの高速回転化の要求も急速に高まっている。
【0006】しかし、図4に示したスピンドルモータ2
では、磁気ディスク20を高速回転するためにモータ2
の回転駆動力を大きくすると、モータ2を構成している
部品の同軸度のわずかな不均衡などから発生するモータ
吸引力の不釣り合いが大きくなってラジアル軸受に過大
な負荷をかけるおそれがある。
【0007】すなわち、図4に示すように、電磁駆動モ
ータ19の中心の軸方向位置が下側のラジアル流体軸受
14の中心の軸方向位置より下側に位置していると、下
側のラジアル流体軸受14には、ラジアル荷重だけでな
くモーメント荷重も負荷されるので、ラジアル流体軸受
14にはモータ吸引力以上の荷重が作用することにな
る。これにより、ラジアル流体軸受14の触れ回りが大
きくなったり、最悪の場合は、ラジアル荷重に対するラ
ジアル流体軸受14の負荷容量(ラジアル方向の荷重を
負荷する容量)が不足して軸受が損傷する可能性が考え
られる。
【0008】特に、ステータ24側の同軸度がずれてい
る場合にはラジアル流体軸受14に一方向からの荷重が
作用するが、この状態でスピンドルモータ2が高温にな
ると、ラジアル流体軸受14に充填されている潤滑流体
の粘度が低下して負荷容量が不足し、ラジアル流体軸受
14が損傷する可能性も考えられる。
【0009】また、磁気ディスク20が高速回転になる
と、磁気ディスク20の風損や軸受12、14、16の
損失、モータ負荷の増加によって発熱が大きくなる。こ
の際、アルミ合金製の磁気ディスク20に換えて熱膨張
係数の小さなガラスディスクを搭載すると、アルミ合金
製のハブ18とガラスディスクの熱膨張係数の違いによ
ってディスクの軸心とハブ18の軸心がずれて回転体の
不釣り合いが大きくなってしまう。これにより、回転に
伴う遠心力が大きくなってスピンドルモータ2の回転数
成分の振れ回りが大きくなったり、振動が大きくなると
いう問題が発生するおそれがある。
【0010】また、前述したように快削黄銅を材料とし
たスリーブ8とマルテンサイト系のステンレス鋼を材料
とした固定軸6では、高温雰囲気中では熱膨張係数の違
いから軸受12、14の軸受隙間が大きくなり、軸受の
負荷容量が小さくなるという問題もある。
【0011】この高温雰囲気中で軸受12、14の軸受
隙間が大きくなることにより発生する問題は、剛性の大
きな転がり軸受と比較して、剛性の小さなラジアル流体
軸受12、14では顕著に現れる。すなわち、ラジアル
流体軸受12、14に充填されている潤滑流体は高温雰
囲気中では粘度が低下してしまうので、軸受隙間が大き
くなると負荷容量が極端に小さくなってしまい、流体軸
受の実用化を阻害する大きな要因となってしまうのであ
る。
【0012】そこで、本発明は、このような従来の未解
決の課題に着目してなされたものであり、高速回転によ
ってスピンドルモータ内が高温状態となっても、固定軸
又は回転軸、軸受部材及び回転体の相対位置のずれを防
止して振れ回り振動を抑制するとともに、ラジアル軸受
の負荷容量不足を抑制することができるスピンドルモー
タを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のスピンドルモータは、固定部材に対し
て、2個以上のラジアル軸受と一個以上のスラスト軸受
とを介して支持された回転体を、電磁駆動モータにより
回転させるスピンドルモータにおいて、前記モータの固
定軸又は回転軸の軸心方向において互いに離間した位置
に2個のラジアル軸受を配置し、前記電磁駆動モータの
前記軸心方向の配置位置を、前記2個のラジアル軸受の
間の位置とした。
【0014】この発明においては、電磁駆動モータの軸
心方向の配置位置が、軸心方向に離間して配置した2個
のラジアル軸受の間に位置しているので、高速回転時
に、電磁駆動モータの同軸度のずれによって不均衡なラ
ジアル荷重が発生しても、そのラジアル荷重は2個のラ
ジアル軸受に配分され、モーメント荷重がラジアル軸受
に負荷されるようなことがない。
【0015】また、固定軸又は回転軸を相対回転自在に
支持する軸受部材及び前記回転体を、熱膨張係数がほぼ
等しい材料で形成すると、温度が変化しても軸受部材及
び回転体の固定部分の膨張量の差が少なく、軸受部材及
び回転体の相対位置のずれが防止される。
【0016】さらに、固定軸又は回転軸及び前記軸受部
材を、熱膨張係数がほぼ等しい材料により形成すると、
温度が変化してもラジアル軸受の軸受隙間が変化しにく
くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
を参照して説明する。なお、図4に示した従来技術と同
一ないし相当部分には、同一の符号を付してその説明を
省略する。図1は、第1実施形態のスピンドルモータ3
0を示すものである。
【0018】このスピンドルモータ30は、ベース32
に固定されて軸心P方向に向けた固定軸34が、スリー
ブ8の挿通孔10に挿通されている。この固定軸34に
は、軸心P方向の中央部を縮径して縮径軸部34aが形
成されているとともに、一端が固定軸34の下端部で開
口し、他端が縮径軸部34aで開口している空気抜き穴
36が形成されている。ここで、固定軸34の最大軸直
径は、4mmに設定されている。
【0019】また、挿通孔10の内周面及び固定軸34
の外周面の間には、互いに軸心P方向に離れた位置に2
つのラジアル流体軸受38、40が配設され、固定軸3
4の上端部及び挿通孔10の上部開口部の間にもスラス
ト流体軸受42が配設されており、これら軸受38、4
0、42によってスリーブ8が固定軸34に回転自在に
支持されている。そして、後述するが、2個のラジアル
流体軸受38、40の間に、電磁駆動モータ19の軸心
P方向の中心が位置している。
【0020】前記スラスト流体軸受42は、図1及び図
2に示すように、挿通孔10の上部開口部10aを閉塞
しているスラストカバー44の下面と、外形状を楕円形
状として固定軸34の外周に固定されたスラスト板42
aの上面及びスラスト板42aの下面とスリーブ8の上
部開口部の端面10bで構成されている。そして、前記
スラスト板42aと上部開口部10aの内周面との間に
潤滑剤(潤滑流体)45が充填されている。また、スラ
スト板42aの内径部には、固定軸34の外周との間に
隙間を設ける切欠き部42a1 が形成されているととも
に、この切欠き部42a1 から短軸方向の径方向外方に
延びて外周端面で開口する大気連通穴42a2 が形成さ
れている。
【0021】そして、スリーブ8が回転すると、スラス
ト板42aの外周と上部開口部10aの内周面との間の
隙間が周方向に変化して小間隙部46aと、大間隙部4
6bが交互に形成され、小間隙部46aでくさび膜によ
り潤滑剤45が存在するリザーバ部を形成し、大間隙部
46bで空気が存在する空気室を形成し、この空気室は
大気連通穴42a2 と連通する。したがって、長期使用
による潤滑剤45の枯渇に対しては前記リザーバ部が潤
滑剤補給源として作用するとともに、スラスト流体軸受
42の間隙内の潤滑剤45に混入した気泡は前記空気室
に集められ、大気連通穴42a2 を通って大気に排出さ
れる。
【0022】また、ラジアル流体軸受38、40の軸受
面には、外側の溝が長い非対称溝とした所謂ヘリングボ
ーン溝からなる動圧発生用の複数条の溝が、挿通孔10
の内周面に形成されているとともに、内部に潤滑剤が充
填されている。なお、スラスト流体軸受42、ラジアル
流体軸受38、40の潤滑剤としては、油、グリース、
磁性流体等が使用されている。
【0023】一方、ベース32の上部には、電磁駆動モ
ータ19を構成する円環状のステータ24が固定されて
いる。このステータ24の軸心P方向の中心位置は、前
述したラジアル流体軸受38、40の中間に位置してい
る。また、電磁駆動モータ19を構成する円環状のロー
タ22が、ステータ24の外周に対向した状態でハブ1
8に固定されている。これにより、電磁駆動モータ19
の軸心P方向の中心が、2個のラジアル流体軸受38、
40の中間に位置している。
【0024】そして、ハブ18の外周に複数枚の磁気デ
ィスク20が搭載されており、電磁駆動モータ19が発
生する回転力によってスリーブ8及びハブ18が回転す
ると、磁気ディスク20も軸心P回りに回転する。ここ
で、磁気ディスク20の材料と熱膨張係数がほぼ等しく
なるように、ハブ18、スリーブ8、固定軸34の材質
が適宜選択されている。
【0025】すなわち、磁気ディスク20をアルミ合金
製とするときには、ハブ18もアルミ合金製とする。ま
た、スリーブ8は、アルミ合金と熱膨張係数がほぼ等し
い銅合金製とし、固定軸34は、銅合金と熱膨張係数が
ほぼ等しいオーステナイト系のステンレス鋼製とする。
【0026】また、磁気ディスク20をガラス製とする
ときには、ハブ18は、熱膨張係数がほぼ等しいマルテ
ンサイト系ステンレス鋼製、またはフェライト系ステン
レス鋼製とする。また、スリーブ8もマルテンサイト系
ステンレス鋼製、またはフェライト系ステンレス鋼製と
する。また、固定軸34は、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼製とする。
【0027】上記構成のスピンドルモータ30による
と、電磁駆動モータ19の軸心P方向の中心位置が、軸
心P方向に離間して配置した2個のラジアル流体軸受3
8、40の間に位置しているので、高速回転時に、電磁
駆動モータ19の同軸度のずれによって不均衡なラジア
ル荷重が発生しても、そのラジアル荷重は2個のラジア
ル流体軸受38、40に配分され、モーメント荷重が軸
受38、40に負荷されようなことはなく、ラジアル流
体軸受38、40にモータ吸引力以上の荷重が作用しな
い。特に、本実施形態のように電磁駆動モータ19の軸
心P方向の中心位置を2個のラジアル流体軸受38、4
0の略中央に位置させた場合は、1個のラジアル流体軸
受(38、或いは40)にはモータ吸引力の1/2の力
しか作用しないため、同一軸受寸法でも振れ回りを小さ
くすることができる。
【0028】また、磁気ディスク20を形成する材料と
熱膨張係数が略等しくなるようにハブ18、スリーブ
8、固定軸34の材質を選択したことにより、高温雰囲
気中であってもハブ18と磁気ディスク20の相対位置
のずれが防止され、それにより、振れ回り振動を抑制す
ることができるとともに、ラジアル流体軸受38、40
の負荷容量の低下を抑制することができる。
【0029】具体的には、磁気ディスク20をアルミ合
金製とし、ハブ18もアルミ合金製とすると、熱膨張係
数が等しい磁気ディスク20とハブ18の固着部の隙間
が変化しにくいので、あらゆる温度においても固着部の
相対位置が変化しにくい。また、アルミ合金製の磁気デ
ィスク20の場合には、スリーブ8は銅合金製とし、固
定軸34はオーステナイト系のステンレス鋼製とする
が、これらスリーブ8及び固定軸34は熱膨張係数がほ
ぼ等しいので、温度が変化してもラジラル流体軸受3
8、40の軸受隙間を一定に保つことができるので、軸
受性能の変化を小さくすることができる。また、磁気デ
ィスク20をガラス製とし、ハブ18をマルテンサイト
系ステンレス鋼又はフェライト系ステンレス鋼とする
と、熱膨張係数がほぼ等しい磁気ディスク20とハブ1
8の固着部の隙間が変化しにくいので、あらゆる温度に
おいても固着部の相対位置が変化しにくい。また、この
場合は、スリーブ8にもマルテンサイト系ステンレス鋼
又はフェライト系ステンレス鋼を用いるが、スリーブ8
とハブ18の熱膨張係数を等しいと、固着部のすきまが
変化しにくいので、あらゆる温度において、固着部の相
対位置が変化しにくい。また、固定軸34の材料をマル
テンサイト系ステンレス鋼とすると、熱処理によって表
面を硬くすることができ、スリーブ8と固定軸34の熱
膨張係数がほぼ等しくなるので、温度が変化しても軸受
隙間を一定に保つことができ、軸受性能の変化を小さく
することができる。また、マルテンサイト系ステンレス
鋼又はフェライト系ステンレス鋼のハブ18は磁性体な
ので、バックヨ一ク22bを省略することができ、部品
点数と組立工数の削減により低コストも図ることができ
る。
【0030】なお、固定軸34の材料としてスリーブ8
よりも熱膨張係数の大きなオーステナイト系ステンレス
鋼を用いて、高温時に軸受隙間がむしろ小さくなるよう
にして、潤滑流体の粘度低下による負荷容量の低下を補
うようにしてもよい。また、固定軸34にフェライト系
ステンレス鋼やオーステナイト系ステンレス鋼を用いる
場合は、その表面を硬くするためにニッケルメッキや、
セラミックコーティング、DLC膜(ダイヤモンド・ラ
イク・カーボン膜)のようなダイヤモンドコーティング
を行ってもよい。また、窒化処理、浸炭窒化、浸炭処理
などで表面を硬くしても良い。
【0031】また、本実施形態の固定軸34の最大軸直
径は4mmに設定しているが、このようにすることによ
り、必要な軸受の負荷容量を確保しながら軸受部のトル
ク(損失)が必要以上に大きくならないようにすること
ができる。すなわち、固定軸34の最大軸直径をl.5
mm未満とすると、必要な軸受の負荷容量を確保するため
に高粘度の潤滑剤45を使用する必要があるが、高粘度
の潤滑剤45は温度変化に対する粘度の変化の割合が大
きくなり、低温時と高温時の軸受性能の変化量が大きく
なってしまう。また、固定軸34の最大軸直径を5.0
mmを越える径にすると、軸受部のトルクを小さく押さえ
るために低粘度の潤滑剤45を使用する必要があるが、
低粘度の潤滑剤45は蒸発減量が多く、軸受の耐久性上
の問題がある。したがって、本実施形態の固定軸34の
最大軸直径を1.5mm以上〜5.0mm以下の間で選択す
ることにより、必要な軸受負荷容量を確保しながら軸受
部トルク(損失)が必要以上に大きくならないようにす
ることができる。
【0032】なお、本実施形態のスリーブ8が本発明の
軸受部材に相当し、本実施形態のハブ18及び磁気ディ
スク20が本発明の回転体に相当し、本実施形態のラジ
アル流体軸受38、40が本発明のラジアル軸受に相当
する。次に、図3に示すものは、第2実施形態のスピン
ドルモータ50を示すものである。なお、本実施形態
も、第1実施形態と同様に磁気ディスク20の材料と熱
膨張係数がほぼ等しくなるように、スリーブ52、固定
軸34の材質を適宜選択している。
【0033】この実施形態のスリーブ52は、外周に複
数枚の磁気ディスク20を搭載している。また、電磁駆
動モータ19は、下側のラジアル流体軸受40に対向す
るようにベース32及びスリーブ52に固定されてお
り、これにより、電磁駆動モータ19の軸心P方向の長
さの略50%が、2個のラジアル流体軸受38、40の
間に位置している。
【0034】本実施形態の場合、下側のラジアル流体軸
受40にモータ吸引力の大部分が作用し、上側のラジア
ル流体軸受38には、ほとんどモータ吸引力が作用しな
い。第1実施形態に比べて、下側のラジアル流体軸受4
0に作用するモータ吸引力が大きくなるが、本実施形態
の軸受40には、従来技術のようにモーメント荷重が作
用しないので、モータ吸引力以上の荷重が負荷されるこ
とがない。したがって、高速回転によってスピンドルモ
ータ50内が高温状態となっても、固定軸34、スリー
ブ52及び磁気ディスク20の振れ回り振動を抑制する
とともに、下側のラジアル流体軸受40の負荷容量不足
を防止することができる。
【0035】また、本実施形態では、スリーブ52が磁
気ディスク20を搭載しており、第1実施形態と比較し
てハブ、バックヨークを除いているので、部品点数と組
立工数の削減をさらに図ることができる。なお、本実施
形態のスリーブ52が本発明の軸受部材に相当し、本実
施形態の磁気ディスク20が本発明の回転体に相当す
る。
【0036】ここで、電磁駆動モータ19の軸心P方向
の位置は、第1実施形態の位置と第2実施形態の間でも
良い。その場合は、その距離に従って、2個のラジアル
流体軸受38、40にモータ吸引力が分配されて負荷さ
れるので、1個の軸受にはモータ吸引力以下の荷重がか
かることになる。
【0037】また、本発明は、磁気ディスク20の材質
変化に対応して、磁気ディスク20を支持するハブ、ス
リーブ、ラジアル流体軸受38、40のラジアル受面部
分、及び固定軸34の熱膨張係数がほぼ等しければ、も
ちろん上記以外の材質の組み合わせでもよい。
【0038】また、ラジアル流体軸受38、40に設け
たヘリングボーン溝は、対称溝でも非対称溝でも良い
が、外側の溝が長い非対称溝の方が油の保持性がよいの
で好ましい。また、ヘリングボーン溝は、固定軸34の
外周面に形成しても良い。また、ラジアル流体軸受3
8、40はヘリングボーン溝に限るものではなく、多円
弧軸受等を用いてもよい。
【0039】また、スラスト流体軸受42は、1個また
は2個で構成してもよく、或いはスラスト流体軸受42
の代わりに、点接触のビボッド軸受を用いてもよい。さ
らに、上述した第1及び第2実施形態ではベース32に
固定軸34を固定した構造を採用したが、回転軸を用い
た構造であってもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載のスピンドルモータによると、電磁駆動モータの軸
心方向の配置位置が、軸心方向に離間して配置した2個
のラジアル軸受の間に位置しているので、高速回転時
に、電磁駆動モータの同軸度のずれによって不均衡なラ
ジアル荷重が発生しても、そのラジアル荷重は2個のラ
ジアル軸受に配分され、モーメント荷重がラジアル軸受
に負荷されようなことがない。そのため、ラジアル軸受
にはモータ吸引力以上の荷重が作用しないので、スピン
ドルモータの振れ回り振動を抑制することができる。
【0041】また、請求項2記載のスピンドルモータに
よると、軸受部材と回転体とを熱膨張係数がほぼ等しい
材料により形成したことから、温度が変化しても軸受部
材及び回転体の固定部分の膨張量の差が少なく、軸受部
材及び回転体の相対位置のずれが防止されるので、振れ
回り振動を抑制することができる。さらに、固定軸又は
回転軸及び軸受部材も熱膨張係数がほぼ等しい材料によ
り形成したことから、高温雰囲気中であっても、ラジア
ル軸受の軸受隙間が変化しにくくなる。このことから、
ラジアル軸受の負荷容量(ラジアル方向の荷重を負荷す
る容量)の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のスピンドルモータ
を示す図である。
【図2】第1実施形態のスラスト流体軸受を示す図であ
る。
【図3】本発明に係る第2実施形態のスピンドルモータ
を示す図である。
【図4】従来のスピンドルモータを示す図である。
【符号の説明】
8 スリーブ(軸受部材) 10 挿通孔 18 ハブ(回転体) 19 電磁駆動モータ 20 磁気ディスク(回転体) 22 ロータ 24 ステータ 30、50 スピンドルモータ 32 ハウジング 34 固定軸 38、40 ラジアル流体軸受(ラジアル軸受) 42 スラスト流体軸受(スラスト軸受)
フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA04 BA02 BA09 CA02 QA17 5H605 AA04 BB05 BB15 CC04 EB03 EB06 5H607 AA03 AA04 BB01 BB14 BB27 CC01 DD05 DD17 FF12 GG03 GG12 5H621 JK19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に対して、2個以上のラジアル
    軸受と一個以上のスラスト軸受とを介して支持された回
    転体を、電磁駆動モータにより回転させるスピンドルモ
    ータにおいて、 前記モータの固定軸又は回転軸の軸心方向において互い
    に離間した位置に2個のラジアル軸受を配置し、前記電
    磁駆動モータの前記軸心方向の配置位置を、前記2個の
    ラジアル軸受の間の位置としたことを特徴とするスピン
    ドルモータ。
  2. 【請求項2】 前記軸と、当該軸を相対回転自在に支持
    する軸受部材及び前記回転体を、熱膨張係数がほぼ等し
    い材料で形成したことを特徴とする請求項1記載のスピ
    ンドルモータ。
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