JP3628340B2 - 滑りブッシュ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はサスペンションアーム等の防振支持に使用して好適な滑りブッシュに関し、特に製造簡易で安価な滑りブッシュの構造改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操縦安定性と乗り心地を両立させるには、サスペンションアーム基端軸部の自由な回転を許しつつ軸直方向へは比較的大きな剛性を有して防振支持する必要があり、かかる用途に滑りブッシュが多用されている。
【0003】
その一例を図8に示す。図において、滑りブッシュは同心状に配した外筒1と内筒2を有し、外筒1の内周面に一定厚で筒状の防振ゴム体3が接合されるとともに、防振ゴム体3の内周面には両端開口部で段付きに拡径したバックアップスリーブ63,64が接合してある。そして、バックアップスリーブ63,64と内筒2との間の環状空間に摺動性良好な樹脂材よりなる筒状インサート61,62が設けてある。
【0004】
インサート61,62を配した上記空間内には潤滑油が満たしてある。内筒2の両端外周にはシールリング65,66が嵌着され、その外周に形成したシールゴム67,68がバックアップスリーブ63,64の開口内周に密接して、潤滑油の漏出および水、泥等の侵入を防止している。
【0005】
外筒1に固定されるサスペンションアームより入力した振動は、防振ゴム体3により吸収されて内筒2への伝達を阻止され、内筒2を保持するブラケットより車両フレームへの振動伝達が防止される。一方、外筒1と内筒2はこれらの間に介在するインサート61,62により相対回転が保証されているから、サスペンションアームは自由に回転できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の滑りブッシュは、インサート61,62、バックアップスリーブ63,64、あるいはシールリング65,66等、多くの部品を必要とするため組付け製造に手間を有し、コストが高いという問題がある。また、各部品の公差を吸収するためにインサート61,62と内筒2間にクリアランスが必要であり、これがサスペンションアーム回転時のガタ発生の原因となっていた。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するもので、部品点数の少ない簡易かつ安価な構造で、ガタのないスムーズな作動を可能とする滑りブッシュを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成を説明すると、相対回動自在となした外筒1と内筒2の間に防振ゴム体3を配設してなる滑りブッシュにおいて、上記防振ゴム体3の外周を上記外筒1の内周に接合するとともに、防振ゴム体3の内周を、中間部21を大径とした上記内筒2の外周に接して位置せしめ、かつ内筒2外周に接する防振ゴム体3内周に摺動性良好な繊維層4を接合するとともに、内筒2の小径の両端部22外周に接して延びる防振ゴム体3の両端部32を、シールゴム部となしたものである。
そして、請求項1の発明では、ゴム体の両端部を、シールゴム部32の外周にスナップリング5を装着している。
【0009】
【作用】
上記構成の滑りブッシュにおいて、内筒2と外筒1の相対回転は、防振ゴム体3の内周に接合された摺動性良好な繊維層4により保証される。上記防振ゴム体3の内周は内筒2の外周に接する形状となっているから、繊維層4は内筒外周に隙なく接し、ガタを生じることはない。
【0010】
従来のインサート61,62およびバックアップリング63,64が不要であり、さらに防振ゴム体3に一体に形成したシールゴム部32により従来のシールリング65,66も不要となるから、部品点数が大幅に削減され、組付製造工数の低減と低コスト化が実現される。
そして、請求項1の発明では、シールゴム部32の外周にスナップリング5を装着したので、さらにシール性を向上せしめることができる。
【0011】
【実施例1】
図1において、一定厚の外筒1内には中心に内筒2が貫通位置せしめてあり、該内筒2は外筒1内に位置する中間部21が厚肉となって、この部分で平らな頂部を有する山形状に外径が大きくなっている。
【0012】
外筒1と内筒2の間には防振ゴム体3が設けてある。該防振ゴム体3は外周が外筒1の内周に接合され、内周は内筒2の外周に接する形状となって、その両端部は内筒2の両端部外周に沿って延びるシールゴム部32となっている。
【0013】
内筒2外周に接する防振ゴム体3の内周には摺動性良好な筒状の繊維層4が接合してあり、この繊維層4は、内筒2に直接接する内側がテフロン繊維で、外側がポリエステル繊維の二層構造となったテフロンライナである。
【0014】
かかる滑りブッシュの製造は、内筒2外周にテフロンライナ4を装着して金型内に設置し、外筒1との間にゴム材を射出して防振ゴム体3を成形すると同時に、これとテフロンライナ4の接合を行う。ゴム材の熱収縮時にテフロンライナ4と内筒2外周との間に均一かつ僅かな隙が生じるが、これは外筒1を縮径してブラケット(図略)内に圧入する際に消滅する。しかして、テフロンライナ4は背後より防振ゴム体3の軽い弾性力で押圧されて内筒2外周に接する。
【0015】
外筒1に結合されるサスペンションアームから入力する振動は防振ゴム体3により吸収されて内筒2には伝達されない。サスペンションアームの回転は、内筒2外周がテフロンライナ4内周に隙なく接した状態で良好に摺動することにより、ガタを生じることなく行われる。
【0016】
軸方向の剛性は、大径の内筒中間部21が防振ゴム体に係合して確保され、軸直方向については、膨出する上記中間部21により、これと外筒1との間の防振ゴム体本体部31が比較的薄くなっていることにより剛性が確保される。
【0017】
また、防振ゴム体3の両端部に一体形成されたシールゴム部32により、水や泥の侵入が防止される。
【0018】
【実施例2】
外筒1の両端開口部を、図2に示す如く、内筒2の中間部21斜面に略平行に内方へ屈曲せしめれば、軸方向の剛性をさらに向上せしめることができる。
【0019】
【実施例3】
図3に示す如く、内筒中間部21の外周形状を球面となせば、内筒2の自由なこじり揺動が可能となり、車両の乗り心地を更に向上せしめることができる。
【0020】
【実施例4】
外筒1の内周を図4に示す如く、内筒中間部21の外周に平行な球状凹面とすれば、内筒2の自由なこじり揺動を許しつつ、軸方向および軸直方向の剛性を大幅に向上せしめることができる。
【0021】
【実施例5】
図5に示す如く、シールゴム部32の外周にスナップリング5を装着すれば、さらにシール性を向上せしめることができる。
【0022】
【実施例6】
ところで、ブラケットに圧入する際の外筒1の縮径に伴い、防振ゴム体3の本体部31は圧縮変形するが、この本体部31は比較的薄肉であるため、圧入代の誤差によるわずかの圧入荷重の変動でそのバネ定数が敏感に変化して、圧入時の調整が煩雑となることがある。そこで、図6に示す如く、防振ゴム体本体部31が接合される外筒1の中央部11を、段付きに小径とする。
【0023】
これにより、圧入時の荷重は殆どが、背後の防振ゴム体3が比較的厚い大径の外筒両端部12で受けられ、圧入代が変化しても荷重は防振ゴム体本体部31には殆ど伝達されないから、バネ定数が大きく変動する不具合は避けられる。
【0024】
【実施例7】
上記各実施例において、シールゴム部と内筒両端部外周との間に隙を生じると、ここから水が侵入して金属製の内筒が錆び、異音を発生する等の不具合が考えられる。
【0025】
そこで内筒を、図7に示す如く、金属製の直管23と、これの外周全周に密着し中央部を厚肉としたポリアセタール、ナイロン等の樹脂製鞘体24とで構成する。すなわち、直管23の外周にはブラスト加工やローレット加工が施してあり、この外周に射出成形あるいは圧入により鞘体24を密着固定する。
【0026】
かかる構造によれば、大径の中間部21を有する内筒2が鞘体24により形成されるとともに、金属の直管23は全周を樹脂製の鞘体24で覆われるから錆びが生じることはない。
【0027】
なお、上記各実施例において、外筒1と内筒2の滑り回転のみを保証すれば良い場合には、内筒2の中間部21を大径とする必要は特にない。
【0028】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の滑りブッシュは構造簡単かつ安価であり、ガタのない円滑な作動を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における滑りブッシュの半断面図である。
【図2】本発明の実施例2における滑りブッシュの半断面図である。
【図3】本発明の実施例3における滑りブッシュの半断面図である。
【図4】本発明の実施例4における滑りブッシュの半断面図である。
【図5】本発明の実施例5における滑りブッシュの半断面図である。
【図6】本発明の実施例6における滑りブッシュの半断面図である。
【図7】本発明の実施例7における滑りブッシュの半断面図である。
【図8】従来の滑りブッシュの半断面図である。
【符号の説明】
1 外筒
2 内筒
21 中間部
22 両端部
3 防振ゴム体
32 両端部(シールゴム部)
4 繊維層
Claims (1)
- 相対回動自在となした外筒と内筒の間に防振ゴム体を配設してなる滑りブッシュにおいて、上記防振ゴム体の外周を上記外筒の内周に接合するとともに、上記防振ゴム体の内周を、中間部を大径とした上記内筒の外周に沿う形状として該外周に接して位置せしめて、上記内筒の外周に接する上記防振ゴム体の内周に摺動性良好な繊維層を接合する一方、上記内筒の小径の両端部外周に接して延びる上記防振ゴム体の両端部を、シールゴム部となし、かつ上記シールゴム部の外周にスナップリングを装着したことを特徴とする滑りブッシュ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10361693A JP3628340B2 (ja) | 1992-04-22 | 1993-04-06 | 滑りブッシュ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12946392 | 1992-04-22 | ||
JP4-129463 | 1992-04-22 | ||
JP10361693A JP3628340B2 (ja) | 1992-04-22 | 1993-04-06 | 滑りブッシュ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0610980A JPH0610980A (ja) | 1994-01-21 |
JP3628340B2 true JP3628340B2 (ja) | 2005-03-09 |
Family
ID=26444233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10361693A Expired - Lifetime JP3628340B2 (ja) | 1992-04-22 | 1993-04-06 | 滑りブッシュ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3628340B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202013006359U1 (de) * | 2013-07-15 | 2013-07-30 | SGF SüDDEUTSCHE GELENKSCHEIBENFABRIK GMBH & CO. KG | Buchsenanordnung zur Zentrierung zweier zu verbindender Wellenabschnitte |
-
1993
- 1993-04-06 JP JP10361693A patent/JP3628340B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0610980A (ja) | 1994-01-21 |
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