JP3627669B2 - コイル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスやチョークコイルとして機能するコイル装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
図10(a)にはコイル装置の従来例が分解状態で示され、図10(b)には図10(a)に示すコイル装置のA−A部分の断面図が示されている。これら図10(a)、(b)に示されるコイル装置1はDC−DCコンバータ等の回路に組み込まれてトランスやチョークコイルとして機能するものであり、電子部品搭載用基板2と、この電子部品搭載用基板2に形成されたコイルパターン部3と、一対のコア部材4(4a,4b)と、コア組み合わせ部材5とを有して構成されている。
【0003】
電子部品搭載用基板2には回路を構成する電子部品が搭載されると共に回路パターンが形成される。また、この電子部品搭載用基板2は、例えば複数の基板が積層形成された多層基板であり、例えば、その電子部品搭載用基板2を構成している複数の基板にはそれぞれコイルパターン7が中心軸を同軸上にして配置形成されている。これら複数のコイルパターン7によってコイルパターン部3が構成されている。なお、このコイル装置1がトランス装置と成す場合には、複数のコイルパターン7のうちの少なくとも1つは一次コイルを構成し、残りは二次コイルを構成している。
【0004】
この従来例では、対を成すコア部材4a,4bは両方共にフェライト等の磁性材料粉末を押圧し焼結成型して作製されたものであり、平板状の天板部8と、この天板部8の中央部および左右両端部に立設しているコア足9(9a,9b,9c)とを有する断面がE字形状のE型コア部材である。
【0005】
電子部品搭載用基板2には、コイルパターン部3の中心部に位置する基板部位およびコイルパターン部3よりも外側となる基板部位にコア足挿通孔10(10a,10b,10c)がそれぞれ設けられている。これらコア足挿通孔10a,10b,10cには、それぞれ、電子部品搭載用基板2の表裏両側からそれぞれコア部材4a,4bの各コア足9(9a,9b,9c)が挿通され、それら表面側のコア部材4aのコア足9と、裏面側のコア部材4bのコア足9とが突き合わされている。
【0006】
コア組み合わせ部材5は、対を成すコア部材4a,4bを嵌め込み、それらコア部材4a,4bを組み合わせるものであり、金属板の折り曲げ加工により天板12と足部13と爪部14が形成されて成る。天板12はコア部材4aの天板部8の天面8aを覆うものである。足部13(13a,13b)は、天板12の左右側部側がそれぞれ起立方向に折り曲げられて形成されており、コア部材4a,4bのコア足9a,9cの外側面に沿って配置される。爪部14(14a,14b)は足部13(13a,13b)の先端側が内向きに折り曲げられて形成されており、コア部材4bの天板部8の天面8aに当接する。
【0007】
表面側のコア部材4aのコア足9と裏面側のコア部材4bのコア足9とが突き合わされている状態でのコア部材4aの天板部8の天面8aからコア部材4bの天板部8の天面8aに至るまでの距離hと、天板12と爪部14間の間隔とはほぼ等しくなっている。これにより、コア組み合わせ部材5と、突き合わせ状態のコア部材4a,4bとを嵌め合わせることで、天板12と爪部14が表裏両側から突き合わせ状態のコア部材4a,4bの左右両端側を挟持する。
【0008】
このようなコア組み合わせ部材5を利用することにより、コア部材4a,4bは相対的に前後方向(α方向)に移動可能な状態で組み合わされる。なお、各コア足挿通孔10の前後方向の長さWは、コア部材4を前後方向に移動させることができるようにコア部材4のコア足9の幅wよりも長くなっている。
【0009】
コイル装置1は次に示すように組み立てられる。例えば、まず、コイルパターン部3およびコア足挿通孔10が形成されている電子部品搭載用基板2の表面側にコア部材4aを、また、裏面側にコア部材4bをそれぞれ配置する。そして、表面側のコア部材4aの各コア足9を電子部品搭載用基板2の表面側からそれぞれ対応するコア足挿通孔10に挿通する。また同様に、裏面側のコア部材4bの各コア足9を電子部品搭載用基板2の裏面側からそれぞれ対応するコア足挿通孔10に挿通する。これにより、表面側のコア部材4aのコア足9と裏面側のコア部材4bのコア足9とを突き合わせる。
【0010】
そして、その突き合わせ状態のコア部材4a,4bの上方側からコア組み合わせ部材5の左側の足部13aを左側のコア足挿通孔10aに、また、コア組み合わせ部材5の右側の足部13bを右側のコア足挿通孔10cにそれぞれコア部材4のコア足9よりも外側位置に挿入する。
【0011】
これにより、コア組み合わせ部材5の天板12をコア部材4aの天板部8の天面8aに当接させると共に、コア組み合わせ部材5の爪部14a,14bをコア部材4bの天板部8の天面8aに当接させて、突き合わせ状態のコア部材4a,4bとコア組み合わせ部材5とを嵌め合わす。これにより、コア部材4a,4bはコア組み合わせ部材5によって組み合わされて電子部品搭載用基板2に組み込まれる。また同時に、コア部材4a,4bは、コイルパターン部3の一部分を電子部品搭載用基板2の表裏両面側から挟み込むこととなる。
【0012】
然る後に、組み合わされたコア部材4a,4bを相対的に前後方向に摺動移動させて、コア部材4a,4bの当接部位、つまり、突き合わされているコア足9の先端面同士を擦り合わせる。このように、コア足9の先端面同士の擦り合わせ(コアの擦り合わせ)を行うことによって、次に示すような効果を得ることができる。
【0013】
つまり、コア部材4は磁性材料粉末を焼結成型して成るものであるために、そのコア部材4のコア足9の先端面は粗面である。また、コア部材4a,4bの組み合わせ作業時に、突き合わされるコア足9の先端面間にゴミが入り込んでしまう。これらのことにより、そのままでは、突き合わされているコア足9の先端面同士の密着性は低いものである。これに対して、コアの擦り合わせを行ってコア足9の先端面同士を擦り合わせることによって、コア足9の先端面が研磨されて鏡面に近い状態となる。かつ、コア足9の先端面間に入り込んだゴミが擦り潰されて除去されるので、表面側のコア部材4aのコア足9の先端面と、裏面側のコア部材4bのコア足9の先端面とを密着させることができる。このように、コア部材4a,4bを密着させることによって、インダクタンス値の低下を防止することができて、コイル装置1の性能悪化を回避することができるというものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の構成では、コア組み合わせ部材5によって、一対のコア部材4a,4bの左右両端側を表裏両側から強く押圧して挟持する構成であるために、コアの擦り合わせを行う際に、コア部材4a,4bに大きな力を加えなければコア部材4a,4bを相対的に摺動移動させることができず、作業性が悪いという問題があった。
【0015】
また、コイル装置1には薄型化が要求されており、この要求に応えるためにコア部材4a,4bの薄型化を推し進めると、コアの擦り合わせ時に大きな力がコア部材4a,4bに加えられることにより、コア部材4a,4bが割れたり、コア部材4a,4bに欠けが生じて破損してしまうという問題が生じる。このため、コア部材4a,4bの薄型化が難しく、コイル装置1の薄型化を妨げていた。
【0016】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、コイル装置の製造工程において、コアの擦り合わせを行う際の作業性を向上させると共に、コア部材を薄型にしても、コアの擦り合わせ時にコア部材の破損を抑制することができるコイル装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために成されたものであり、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、基板に形成されたコイルパターンと、このコイルパターンの一部を基板の表裏両側から挟み込む一対のコア部材と、前記基板のコイルパターン形成領域に設けられるコア足挿通孔と、このコア足挿通孔を利用して前記一対のコア部材を基板の表裏両側から挟持して組み合わせるコア組み合わせ部材とを有するコイル装置であって、コア組み合わせ部材は、略コ字形状の表面側カバー部材と、略コ字形状の裏面側カバー部材とを有し、それら表面側カバー部材と裏面側カバー部材は互いに略コ字形状の基面部間で前記一対のコア部材を基板の表裏両側から挟み、かつ、略コ字形状の足部を嵌合して前記一対のコア部材を組み合わせる構成と成し、さらに、それら表面側カバー部材と裏面側カバー部材は、足部が嵌合している状態のまま、相対的に前後方向に移動が自在な構成を有しており、コア組み合わせ部材には、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の前後方向の相対移動量を規制するストッパー手段が形成されていることを特徴として構成されている。
【0018】
第2の発明は、第1の発明の構成を備え、ストッパー手段は、表面側カバー部材の足部と裏面側カバー部材の足部のうち、嵌合状態で外側となる足部に形成された開口部と、内側となる足部に形成され前記嵌合相手の足部の開口部の端縁に係止する突起部とを有して構成されていることを特徴として構成されている。
【0019】
第3の発明は、第1又は第2の発明の構成を備え、コイルパターンは基板の端縁領域に形成され、コイルパターン形成領域の側縁部から基板側縁部に至る基板部位は切除部と成しており、また、コイルパターンの中央部の基板部位にはコア足挿通孔が形成されており、前記切除部とコア足挿通孔にそれぞれコア部材のコア足が挿入配置されていることを特徴として構成されている。
【0020】
この発明では、コア組み合わせ部材は、表面側カバー部材と裏面側カバー部材を有し、これら表面側カバー部材と裏面側カバー部材の嵌め合わせによって、対を成すコア部材を挟持して組み合わせることができる。これにより、従来の構成に比べて、コア組み合わせ部材からコア部材に加える挟持力は弱くて済むこととなる。
【0021】
また、この発明では、コア組み合わせ部材の表面側カバー部材と裏面側カバー部材は、足部が嵌合している状態のまま、相対的に前後方向に移動が自在な構成と成している。このため、コア部材を組み合わせた状態のまま、表面側のコア部材と裏面側のコア部材を、小さい力を加えるだけで、相対的に前後方向に移動させることができて、コアの擦り合わせを容易に行うことができる。これにより、コアの擦り合わせの作業性を向上させることができる。
【0022】
また、小さい力を加えるだけで、対を成すコア部材を相対的に前後方向に移動させてコアの擦り合わせを行うことが可能であることから、コア部材を薄型にしても、コアの擦り合わせ作業により、コア部材が破損してしまう事態発生を抑制することができる。これにより、コア部材を薄型化することができて、コイル装置の薄型化を促進させることができる。
【0023】
さらに、コア組み合わせ部材には、ストッパー手段が形成されており、このストッパー手段により、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の前後方向の相対移動量が規制される。この構成により、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の前後方向の相対移動量が多くて、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の嵌合状態が解除されてしまうという問題を確実に回避することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態例の説明において、従来例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0025】
ところで、図4には本発明者が考え出したコイル装置の一提案例が前部側から見た状態で模式的に示されている。このコイル装置1は、コア組み合わせ部材5に特有な構成を持つものであり、図5(a)には、そのコア組み合わせ部材5が抜き出され表側から見た状態で示され、図5(b)には右側から見たコア組み合わせ部材5が示されている。なお、コア組み合わせ部材5以外の構成は従来例とほぼ同様であるが、この提案例では、対を成すコア部材4a,4bの一方のコア部材4aは、図7(a)に示すように、断面I字形状のI型コア部材と成し、他方のコア部材4bはE型コア部材と成している。
【0026】
この提案例では、コア組み合わせ部材5は、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21を有して構成されている。これら表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21は両方共に金属板を折り曲げ加工して作製されるものであり、平板状の基面部22と、この基面部22の左右両端部に起立形成される足部23(23a,23b)とを有し、略コ字形状と成している。
【0027】
これら表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21は互いに基面部22間で一対のコア部材4a,4bを電子部品搭載用基板2の表裏両面側から挟み、かつ、足部23を互いに嵌合してコア部材4a,4bを挟持する。
【0028】
この提案例では、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の各基面部22の前端部には電子部品搭載用基板2の表裏方向に突出した突出部である前突出爪部30が形成されている。また、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の各基面部22の後端部には表裏方向に突出した突出部である後突出爪部31が形成されている。
【0029】
この提案例では、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の各基面部22の前後方向の幅Gはコア部材4の前後方向の幅wとほぼ等しくなっている。このため、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の各足部23が嵌め合わされてコア部材4a,4bが表面側カバー部材20の基面部22と裏面側カバー部材21の基面部22によって挟持されているときに、表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21の各前突出爪部30はそれぞれコア部材4a,4bの前端面に係止し、かつ、表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21の各後突出爪部31はそれぞれコア部材4a,4bの後端面に係止する。これにより、コア部材4a,4bの前後方向の配置位置が規制される。
【0030】
この提案例では、表面側カバー部材20の足部23と裏面側カバー部材21の足部23とのうち、嵌合状態で外側となる表面側カバー部材20の左右両側の足部23には、それぞれ、足部開口部24(24a,24b)が形成されている(図5(b)参照)。また、内側となる裏面側カバー部材21の左右両側の足部23にはそれぞれ外側の足部23の足部開口部24(24a,24b)から外側に突出する凸部25(25a,25b)が形成されている。その凸部25(25a,25b)は球面状の曲面(傾斜面)26と足部開口部24の端縁に係合する平坦な係合面27とを有している。
【0031】
表面側カバー部材20の足部23と裏面側カバー部材21の足部23が嵌め合わされて、凸部25の係合面27が足部開口部24の端縁に係止することによって、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21が抜け止め状態となる。このとき、それら表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21により、コア部材4a、4bが突き合わせ状態で挟持されるように、足部開口部24と凸部25の各形成位置が設計されている。
【0032】
また、この提案例では、足部開口部24の前後方向の幅Qは凸部25の前後方向の幅qよりも広くなっており、足部開口部24の前端縁あるいは後端縁と凸部25との間には遊嵌間隙Sが形成されている。この遊嵌間隙Sによって、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21はコア部材4a、4bを挟持した状態で相対的に前後方向に移動することができる。
【0033】
この提案例では、前突出爪部30と後突出爪部31によって、表面側のコア部材4aは表面側カバー部材20に、また、裏面側のコア部材4bは裏面側カバー部材21にそれぞれ前後方向の位置が規制される。かつ、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21は抜け止め状態で前後方向に相対移動が可能である。このことから、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21がコア部材4a,4bを挟持している状態で、これら表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21を前後方向に相対移動させることで、それらカバー部材20,21と一体的にコア部材4a,4bを前後方向に相対移動させて、コアの擦り合わせを行うことが可能となる。
【0034】
この提案例では、コアの擦り合わせを行う際には、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の両方を前後方向に移動させるのではなく、裏面側カバー部材21を固定し、表面側カバー部材20を前後方向に移動させてコア部材4a,4bを擦り合わせる構成と成している。
【0035】
つまり、この提案例では、コア足挿通孔10の前後方向の幅Wと、裏面側カバー部材21の足部23の前後方向の幅Gとがほぼ等しくなっている。これにより、裏面側カバー部材21の足部23をコア足挿通孔10に挿入させた際に、裏面側カバー部材21の足部23の前端面28と後端面29がそれぞれコア足挿通孔10の内壁面に係止して、裏面側カバー部材21は前後方向にほぼ固定された状態となる。
【0036】
また、表面側カバー部材20の足部23には、表面側カバー部材20を前後方向に移動させた際にコア足挿通孔10の内壁面に当接する部位に逃げ用の切除部32,33が形成されている。その切除部32,33により、表面側カバー部材20は、その足部23をコア足挿通孔10に挿入させた状態でも、前後方向に移動することができる。
【0037】
この提案例では、凸部25は球面状の曲面(傾斜面)26を有しているために、裏面側カバー部材21に対して表面側カバー部材20を前後方向に移動させる際に、図6(a)、(c)に示すように、足部開口部24の前端縁あるいは後端縁が凸部25の曲面26に乗り上がって移動することができる。これにより、足部開口部24の端縁と凸部25との間の遊嵌間隙Sの幅よりも、表面側カバー部材20の前後方向の移動量を増加することができる。
【0038】
なお、この提案例では、表面側カバー部材20の基面部22の中央部が左右両端部よりも僅かに下がった形状と成している(図4参照)。これにより、その基面部22の中央部からコア部材4aに押圧力を加えることができる構成となっている。コア部材4a,4bは磁性材料粉末を焼結成型して成るものであるために、製品の寸法精度が良いものではない。この提案例の如く、表面側カバー部材20の基面部22の中央部からコア部材4aに押圧力を加えることができる構成とすることによって、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21により、寸法にばらつきがあるコア部材4a,4bを確実に挟持することができることとなる。
【0039】
このようなコア組み合わせ部材5を利用したコイル装置1の組み立て工程の一例を簡単に説明する。例えば、まず、従来例と同様に、コア部材4a,4bを電子部品搭載用基板2の表裏両面側にそれぞれ配置する。そして、I型コア部材であるコア部材4aをコア足挿通孔10a,10b,10cを塞ぐようにして電子部品搭載用基板2上に乗せる。また、E型コア部材であるコア部材4bの各コア足9をそれぞれ対応するコア足挿通孔10に挿入して、表面側のコア部材4aと裏面側のコア部材4bを当接させる。
【0040】
次に、その表面側のコア部材4aの外側に表面側カバー部材20を、また、裏面側のコア部材4bの外側に裏面側カバー部材21をそれぞれ配置する。そして、それら表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21をコア部材4a,4bに被せるようにして表面側カバー部材20および裏面側カバー部材21の各足部23をそれぞれ対応するコア足挿通孔10に挿入し、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の足部23を互いに嵌合する。この際、表面側カバー部材20の足部開口部24の端縁に裏面側カバー部材21の凸部25の係合面27が抜け止め係止して、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の足部23の嵌合状態は保持される。
【0041】
これにより、コア部材4a,4bは、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21によって、挟持されて組み合わされる。また同時に、これらコア部材4a,4bは電子部品搭載用基板2に形成されているコイルパターン部3の一部分を挟み込むこととなる。
【0042】
然る後に、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21がコア部材4a,4bを挟持している状態で、その裏面側カバー部材21に対して表面側カバー部材20を前後方向に移動させる。これにより、表面側カバー部材20と一体的に表面側のコア部材4aが、裏面側カバー部材21によって前後方向に固定されている裏面側のコア部材4bに対して、前後方向に摺動移動し、コア部材4aとコア部材4bとの当接部位が擦り合わされる。このコア擦り合わせにより、コア部材4aとコア部材4bとの当接部位が研磨されて鏡面状となり、また、当接部位間に入り込んだゴミが擦り潰され除去される。このため、コア部材4aとコア部材4bとの当接部位が密着する。
【0043】
この提案例に示すコア組み合わせ部材5を用いることにより、コア組み合わせ部材5からコア部材4a,4bに加えられる挟持力を弱くすることができる。また、コアの擦り合わせ時にコア部材4a,4bに大きな力を加えなくて済むので、コア部材4a,4bの擦り合わせを容易に行うことができ、コアの擦り合わせの作業性を向上させることができる。
【0044】
さらに、コアの擦り合わせ時にコア部材4a,4bに大きな力を加えなくて済むので、コア部材4a,4bを薄型にしても、コア部材4a,4bがコアの擦り合わせ時に大きな力の印加に起因して破損してしまうという事態発生が抑制されることとなり、コア部材4a,4bの薄型化を促進させることが容易となる。これにより、コイル装置1の薄型化を促進させることが可能となる。
【0045】
ところで、従来の構成では、コア足挿通孔10の前後方向の幅Wはコア足9の前後方向の幅wよりもかなり長くしていた。このために、コイルパターン部3に対するコア部材4a、4bの前後方向の位置ずれや、コア部材4a,4b同士の前後方向の位置ずれが生じ易かった。そのようなコア部材4a,4bの位置ずれが生じた場合には、インダクタンス値が低下してコイル装置1の性能を悪化させてしまうという問題が生じてしまう。
【0046】
これに対して、この提案例では、前突出爪部30と後突出爪部31によって、表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21に対するコア部材4a,4bの前後方向の配置位置を規制し、また、足部開口部24と凸部25の前後方向の遊嵌間隙Sを狭くすることで、コア部材4a,4b同士の前後方向の位置ずれを無くすことができる。かつ、この提案例では、コア足挿通孔10の前後方向の幅Wと裏面側カバー部材21の足部23の前後方向の幅Gとをほぼ等しくして、裏面側カバー部材21をコア足挿通孔10にがたつき無く嵌め込み固定することができる。このことから、コイルパターン部3に対するコア部材4a、4bの位置ずれも無くすことができる。
【0047】
その上、この提案例では、凸部25には球面状の曲面26が形成されているので、表面側カバー部材20の前後方向の移動時には足部開口部24の端縁は凸部25の曲面26を乗り上がることができる。このことにより、コア部材4a,4bの位置合わせを行うために足部開口部24の端縁と凸部25の前後方向の遊嵌間隙Sを狭くしても、表面側カバー部材20の前後方向の移動量を多くすることが可能となり、望ましいコアの擦り合わせ状態を作り出すことができる。
【0048】
この提案例では、コア部材4a,4bの当接部位を良好に密着させることができ、かつ、コア部材4a,4bを設定通りの位置に配置させることが可能であることから、コイル装置1の性能悪化を確実に防止することができ、性能の信頼性が高いコイル装置1を提供することができる。
【0049】
しかしながら、この提案例のコイル装置1には、次に示すような問題発生の虞があることが分かった。その問題とは、コア擦り合わせの作業時に、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の嵌合状態が解消されてしまうという問題である。それというのは、この提案例では、コア組み合わせ部材5自体には、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の前後方向の相対移動を停止させる機構は設けられておらず、例えば、表面側カバー部材20の足部23の前端面あるいは後端面が電子部品搭載用基板2のコア足挿通孔10の内壁面に係止することにより、表面側カバー部材20の前後方向の移動が停止される。
【0050】
このような構成であることから、裏面側カバー部材21に対して表面側カバー部材20を前後方向に移動させた際に、足部開口部24の端縁が凸部25の頂部Pを乗り越える前に、表面側カバー部材20の足部23の前端面あるいは後端面がコア足挿通孔10の内壁面に係止して、表面側カバー部材20の前後方向の移動を停止させるように、コア足挿通孔10の前後方向の長さと、表面側カバー部材20の足部23の前後方向の長さとがそれぞれ設計されることとなる。
【0051】
しかし、加工精度の問題から、設計通りの寸法と成らないことがある。このため、表面側カバー部材20の足部23の前後方向の長さに対して、コア足挿通孔10の前後方向の長さが長過ぎて、コアの擦り合わせ時に、表面側カバー部材20の足部23の前端面あるいは後端面がコア足挿通孔10の内壁面に係止する前に、足部開口部24の端縁が凸部25の頂部Pを乗り越え、このとき、凸部25が足部開口部24から外れて足部23の嵌合状態が解除されてしまう場合がある。
【0052】
そこで、本発明者は次に示すような本実施形態例のコイル装置を考え出した。
【0053】
図1(a)には本実施形態例のコイル装置において特徴的なコア組み合わせ部材の一部分が表側から見た状態により示され、図1(b)には図1(a)に示すコア組み合わせ部材を右側から見た図が示され、図1(c)には図1(a)に示すコア組み合わせ部材を前側から見た図が示されている。
【0054】
この実施形態例では、コア組み合わせ部材5には、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の相対的な前後方向の移動量を規制するためのストッパー手段15が設けられている。それ以外の構成は提案例のコイル装置1とほぼ同様であり、この実施形態例の説明において、その提案例のコイル装置1と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0055】
この実施形態例では、ストッパー手段15はストッパー用開口部16と、突起部17とを有して構成されている。ストッパー用開口部16は、表面側カバー部材20の足部23と、裏面側カバー部材21の足部23とが嵌合する際に、外側となる足部23(つまり、この実施形態例では、表面側カバー部材20の足部23)に形成されている。このストッパー用開口部16の形成位置は特に限定されるものではなく、適宜に設定されるものであるが、その一例として、この実施形態例では、開口部24aと開口部24bとの間の部位に形成されている。
【0056】
突起部17は、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の各足部23が嵌合状態であるときに内側となる足部23(つまり、この実施形態例では、裏面側カバー部材21の足部23)に形成されている。その足部23における突起部17の形成位置は、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の各足部23が嵌合した際に、ストッパー用開口部16から外側に突き出す位置に形成されている。なお、この実施形態例では、ストッパー手段15(ストッパー用開口部16、突起部17)は表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21の左右両側の足部23に形成されているが、図1では、左側のストッパー手段15の図示が省略されている。
【0057】
図2には裏面側カバー部材21の足部23が模式的な斜視図により示されている。この図2に示されるように、この実施形態例では、突起部17は切り起こし加工により形成されており、この突起部17の前後両側の切断端部17a,17bはストッパー用開口部16の端縁に形成する係止部と成している。この突起部17の切断端部17aあるいは切断端部17bがストッパー用開口部16の端縁に係止することにより、裏面側カバー部材21に対する表面側カバー部材20の前後方向の相対移動が停止する。
【0058】
この実施形態例では、裏面側カバー部材21に対して表面側カバー部材20を相対的に前後方向に移動させた際に、図3に示されるように、足部開口部24の端縁が凸部25の頂部Pを乗り越える前に、ストッパー用開口部16の端縁が突起部17に係止するように、ストッパー用開口部16と突起部17の関係が設計されている。
【0059】
また、突起部17は前後方向から見た際に、山形形状と成している。この山形形状の表面側の傾斜面17cによって、表面側カバー部材20の足部23と、裏面側カバー部材21の足部23とを嵌合する際に、表面側カバー部材20の足部23の先端部が突起部17に引っ掛かるのを防止している。
【0060】
この実施形態例によれば、提案例とほぼ同様な構成を備えているので、提案例と同様な優れた効果を奏することができる。その上、ストッパー手段15を設けたので、裏面側カバー部材21に対して表面側カバー部材20を前後方向に相対移動させた際に、足部開口部24の端縁が凸部25の頂部Pを乗り越える前に、ストッパー手段15によって、表面側カバー部材20の前後方向の相対移動を停止させることができる。これにより、足部開口部24の端縁が凸部25の頂部Pを乗り越えて表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の嵌合状態が解除されてしまう事態を確実に回避することができる。
【0061】
なお、本発明はこの実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、この実施形態例では、表面側カバー部材20の左右両側の各足部23にはそれぞれ足部開口部24が2個ずつ形成されていたが、各足部23に足部開口部24は1個ずつ形成してもよいし、3個以上形成してもよく、数に限定されるものではない。また、裏面側カバー部材21の左右両側の各足部23に形成される凸部25も同様に数に限定されるものではない。ただ、各足部23に足部開口部24、凸部25を複数個ずつ形成することにより、足部23の嵌合状態の安定性を高めることができる。
【0062】
また、この実施形態例では、凸部25には、表面側カバー部材20の前後方向の移動時に足部開口部24の端縁が乗り上がる傾斜面である球面状の曲面26が形成されていたが、その傾斜面の形状は球面状の曲面に限定されるものではなく、例えば、凸部25を三角錐形状とし、その三角錐の三角傾斜平面により傾斜面を構成してもよい。
【0063】
さらに、この実施形態例では、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21が嵌め合わされている状態では、表面側カバー部材20の足部23は裏面側カバー部材21の足部23よりも外側となっていたが、それとは逆に、裏面側カバー部材21の足部23が表面側カバー部材20の足部23よりも外側となるように、それら足部23を嵌合させてもよい。この場合には、外側となる裏面側カバー部材21の足部23に足部開口部24が形成され、内側となる表面側カバー部材20の足部23に凸部25が形成されることとなる。
【0064】
さらに、この実施形態例では、裏面側カバー部材21を固定し、表面側カバー部材20を裏面側カバー部材21に対して前後方向に移動させる構成であったが、反対に、表面側カバー部材20を固定して裏面側カバー部材21を前後方向に移動させる構成としてもよい。このような構成であるときには、移動側の裏面側カバー部材21の足部23に切除部32,33を形成する。また、固定側となる表面側にE型コア部材を配置して、移動側となる裏面側にI型コア部材を配置する。
【0065】
さらに、この実施形態例では、表面側カバー部材20に切除部32,33が形成されていたが、例えば、コア足挿通孔10の前後方向の幅Wが、表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21の足部23の前後方向の幅Gよりも大きい場合には、切除部32,33を設けなくともよい。この場合には、コア足挿通孔10によって裏面側カバー部材21は固定されないので、コアの擦り合わせ時に裏面側カバー部材21を固定する他の手段を講じることとなる。あるいは、コアの擦り合わせ時に、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21を両方共に前後方向に移動させるように構成してもよい。
【0066】
さらに、この実施形態例では、裏面側のコア部材4bはE型コア部材であったが、図7(b)に示すように、中央部のコア足9bが円柱状であるEER型コア部材4を用いてもよい。さらに、図7(c)に示すように、断面がU字形状で、かつ、2本のコア足9のうちの一方は四角柱状と成し、他方のコア足9が円柱状と成しているUR型コア部材4を用いてもよい。このUR型コア部材4をコイルパターン部3に装備する際には、2本のコア足9のうちの一方のコア足9は電子部品搭載用基板2に形成されたコイルパターン部3の中央部に配置され、他方のコア足9はコイルパターン部3よりも外側に配置されることとなる。
【0067】
さらに、この実施形態例では、対を成すコア部材4の一方側がI型コア部材とし、他方側をE型コア部材としたが、表裏両側のコア部材を共にE型コア部材や、EER型コア部材や、UR型コア部材としてもよい。この場合には、例えば、図8に示すように、表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21をコア部材4から前後方向に張り出すような形状とし、表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21の各基面部22の内面にコア部材4の前後方向の配置位置を規制する凸部34,35を形成してもよい。
【0068】
さらに、この実施形態例では、ストッパー手段15(ストッパー用開口部16、突起部17)は表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21の左右両側の足部23に1箇所ずつ形成されていたが、左右両側の各足部23にそれぞれ複数箇所ずつ形成してもよい。また、ストッパー手段15は表面側カバー部材20、裏面側カバー部材21の左右両側の足部23のうちの一方側のみに形成してもよい。
【0069】
さらに、この実施形態例では、突起部17は、前後方向から見た際に、山形形状と成していたが、突起部17の形状は山形形状に限定されるものではない。
【0070】
さらに、この実施形態例では、コイルパターン部3(コイルパターン7)の中心部の基板部位にコア足挿通孔10(10b)が形成されると共に、コイルパターン部3よりも左右両側の側部側の基板部位にもコア足挿通孔10(10a,10c)が形成されている。提案例の構成では、裏面側カバー部材21に対して表面側カバー部材20を相対的に前後方向に移動させた際に、表面側カバー部材20の足部23の前端面あるいは後端面がコア足挿通孔10(10a,10c)の内壁面に係止することにより、表面側カバー部材20の前後方向の相対移動が停止する。これにより、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の嵌合状態の解消を防止していた。このため、コイルパターン部3の外側のコア足挿通孔10、つまり、表面側カバー部材20の足部23が挿通するコア足挿通孔10(10a,10c)は、提案例の構成では必須のものであった。
【0071】
これに対して、この実施形態例では、コア組み合わせ部材5自体にストッパー手段15が設けられているので、コア足挿通孔10a,10cが無くとも、ストッパー手段15により、表面側カバー部材20と裏面側カバー部材21の前後方向の相対移動を停止させることができる。このことから、ストッパー手段15を設けることにより、コイル装置1は、図9(a)に示すような形態を採り得る。
【0072】
この例では、基板2には、図9(b)に示すように、端縁領域にコイルパターン部3(コイルパターン7)が形成されている。このコイルパターン部3の中央部の基板部位にはコア足挿通孔10が形成されている。また、コイルパターン部3の左右両側の側縁部から基板側縁部に至る基板部位は切除部40,41と成している。これら切除部40,41に、コア部材4のコア足9(9a,9c)が配置される。また、コア足挿通孔10にはコア部材4のコア足9(9b)が挿入配置される。
【0073】
なお、この例では、コア足9を3本備えたコア部材(例えばE型コア部材)を用いる場合であり、コア部材4の左右のコア足9(9a,9c)に対応させて切除部40,41が形成されていたが、例えば、コア足9が2本であるコア部材(例えばUR型コア部材)を用いる場合には、コイルパターン部3の左右のうちの一方側の基板部位のみを切除した形態としてもよい。
【0074】
このように、切除部を形成することにより、基板2の小型化を図ることができる。
【0075】
【発明の効果】
この発明によれば、略コ字形状の表面側カバー部材と裏面側カバー部材によりコア組み合わせ部材を構成し、それら表面側カバー部材と裏面側カバー部材の嵌合によって一対のコア部材を組み合わせる構成とした。このことから、従来の構成に比べて、コア組み合わせ部材からコア部材に加えられる力を弱くすることができる。
【0076】
また、表面側カバー部材と裏面側カバー部材は、コア部材を組み合わせた状態のまま、相対的に前後方向に移動が自在な構成である。この構成から、表面側と裏面側のそれぞれのコア部材を表面側カバー部材あるいは裏面側カバー部材と一体的に前後方向に相対移動させることができる。
【0077】
これらのことにより、大きな力をコア部材に加えなくともコアの擦り合わせ作業を行うことができることとなる。このため、コアの擦り合わせ作業が容易となり、作業性を向上させることができる。また、コア部材を薄型にしても、コアの擦り合わせ時のコア部材の破損を抑制することができる。これにより、コア部材の薄型化を図ることができて、コイル装置の薄型化を促進させることが可能となる。
【0078】
さらに、ストッパー手段が設けられ、このストッパー手段によって、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の前後方向の相対移動量が規制されるので、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の前後方向の相対移動が大き過ぎて嵌合状態が解消されるという事態発生を確実に抑制することができる。
【0079】
ストッパー手段は、足部の開口部と、突起部により構成されているものにあっては、簡単な構成で、ストッパー手段を構成することができ、コア組み合わせ部材の構造の複雑化を防止することができる。
【0080】
この発明では、コア組み合わせ部材自体にストッパー手段を設けたので、コイルパターン形成領域の側縁部から基板側縁部に至る基板部位を切除部としても、コア組み合わせ部材の表面側カバー部材と裏面側カバー部材の前後方向の相対移動を停止させることができて、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の嵌合状態の解消を防止することができる。このことから、基板に切除部を設けることにより、基板の小型化を図ることができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイル装置の一実施形態例の要部構成部分を示すモデル図である。
【図2】図1に示すコア組み合わせ部材を構成する裏面側カバー部材の一部分を模式的に表したモデル図である。
【図3】図1に示すコア組み合わせ部材に形成されているストッパー手段の機能を説明するための図である。
【図4】本発明者が考え出したコイル装置の提案例を説明するための図である。
【図5】図4に示すコイル装置を構成するコア組み合わせ部材を示す図である。
【図6】図5に示すコア組み合わせ部材の機能を説明するための図である。
【図7】その他の実施形態例を説明するための図である。
【図8】さらに、その他の実施形態例を説明するための図である。
【図9】さらにまた、その他の実施形態例を説明するための図である。
【図10】従来のコイル装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コイル装置
2 電子部品搭載用基板
3 コイルパターン部
4 コア部材
5 コア組み合わせ部材
9 コア足
10 コア足挿通孔
15 ストッパー手段
16 ストッパー用開口部
17 突起部
20 表面側カバー部材
21 裏面側カバー部材
22 基面部
23 足部
40,41 切除部
Claims (3)
- 基板に形成されたコイルパターンと、このコイルパターンの一部を基板の表裏両側から挟み込む一対のコア部材と、前記基板のコイルパターン形成領域に設けられるコア足挿通孔と、このコア足挿通孔を利用して前記一対のコア部材を基板の表裏両側から挟持して組み合わせるコア組み合わせ部材とを有するコイル装置であって、コア組み合わせ部材は、略コ字形状の表面側カバー部材と、略コ字形状の裏面側カバー部材とを有し、それら表面側カバー部材と裏面側カバー部材は互いに略コ字形状の基面部間で前記一対のコア部材を基板の表裏両側から挟み、かつ、略コ字形状の足部を嵌合して前記一対のコア部材を組み合わせる構成と成し、さらに、それら表面側カバー部材と裏面側カバー部材は、足部が嵌合している状態のまま、相対的に前後方向に移動が自在な構成を有しており、コア組み合わせ部材には、表面側カバー部材と裏面側カバー部材の前後方向の相対移動量を規制するストッパー手段が形成されていることを特徴としたコイル装置。
- ストッパー手段は、表面側カバー部材の足部と裏面側カバー部材の足部のうち、嵌合状態で外側となる足部に形成された開口部と、内側となる足部に形成され前記嵌合相手の足部の開口部の端縁に係止する突起部とを有して構成されていることを特徴とした請求項1記載のコイル装置。
- コイルパターンは基板の端縁領域に形成され、コイルパターン形成領域の側縁部から基板側縁部に至る基板部位は切除部と成しており、また、コイルパターンの中央部の基板部位にはコア足挿通孔が形成されており、前記切除部とコア足挿通孔にそれぞれコア部材のコア足が挿入配置されていることを特徴とした請求項1又は請求項2記載のコイル装置。
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