JP3627517B2 - 通風端末器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内外を仕切る仕切構造に構成された通風路の室内側端に装着される通風端末器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室内外を仕切る壁や天井等の仕切構造に構成された給気や排気のための通風路の室内側端には、通風端末器が装着されることが多い。こうした通風端末器は、通風に関する基本機能とともに室内での扱いのし易さや、外観性も重視されるものであり、例えば実公平8―9291号公報に示されているようなものがある。この通風端末器は図12に示すように、通風路を構成するパイプの室内開口部からパイプ内に挿通するフランジ50を備えた筒部51の室内側に室内通風路を構成したものである。室内通風路はフランジ50とこれに枠部52により間隔をおいて対向させた前面板53とにより構成され、枠部52により天井側に向って開口するように構成されている。筒部51の室内側の開口端は、外観性を考慮して構成された前面板53により被冠され、天井側に開口した室内開口部54から抜き差しできるフィルター55により塵埃が除去されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の通風端末器においては、一方向から仕切構造に沿って通風されることになるため当該部分の仕切構造の表面が他の部分より汚れ易いうえ、フィルター55の様子も簡単には分らず、フィルター55が汚れた状態のまま使用されることになり易いといった問題点があった。また、フィルター55の取扱いも天井側の室内開口部54から行なわなくてはならず、高所に取付けられた場合、フィルター55の保守・点検がとてもし辛く使い勝手が良くないものであった。さらに、意匠面を構成する前面板53の向きを取付け場所の建材等の調子に合せて変えたくても、本体の取付方向によって前面板53の向きも決定付けられてしまうため、それに対応することはできない不便さもあった。
【0004】
本発明は上記した従来の問題点を解消するためになされたものであって、その課題とするところは、取付方向についての自由度が高い通風端末器を得ることであり、取付方向についての自由度が高く、フィルターの取扱いが容易な通風端末器を得ることであり、その通風端末器の通風性能の向上や意匠の自由性や使い勝手の向上を推進することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために請求項1の発明は、室内外を仕切る仕切構造に構成された通風路にその室内側開口端から挿通できる両端の開口した接続筒部と、この接続筒部の室内側端に形成され、接続筒部の端から半径方向へ張出したフランジ部とを有する本体に対して、その接続筒部の室内側の開口部を四箇所の角部において方形をなして囲む四本の脚部をフランジ部の室内側に突出して設け、この本体のフランジ部の脚部により囲まれる方形部分を接続筒部の室内側の開口部から所定の角度で拡開するラッパ状に形成し、脚部の基部にはその内側にフィルターを、二本の脚部の間から抜き差し可能に装着しうるフィルター差込み構造を設け、脚部の自由端側には化粧パネルを取付ける手段を採用する。
【0006】
前記課題を達成するために請求項2の発明は、室内外を仕切る仕切構造に構成された通風路にその室内側開口端から挿通できる両端の開口した接続筒部と、この接続筒部の室内側端に形成され、その接続筒部の端から半径方向へ張出したフランジ部とを有する本体と、本体のフランジ部の室内側に着脱可能に装着されたフィルターと、フィルターの室内側にフィルターとの間に間隔を保持して設けられた化粧パネルとを備えた通風端末器について、その本体の接続筒部の室内側の開口部を四箇所の角部において方形をなして囲む四本の脚部を、フランジ部の室内側に突出して設け、この本体のフランジ部の脚部により囲まれる方形部分を接続筒部の室内側の開口部から所定の角度で拡開するラッパ状に形成し、フィルターを、通風可能に構成したフィルター枠に収納して、脚部の基部の内側に形成したフィルター差込み構造に二本の脚部の間から抜き差し可能に装着し、化粧パネルを各脚部の自由端側に取付ける手段を採用する。
【0007】
前記課題を達成するために請求項3の発明は、請求項に係る前記手段におけるフィルター枠を表裏同形に構成するとともに、このフィルター枠の周側部の表裏双方にフランジ部のラッパ状部分に嵌合する斜面を設ける手段を採用する。
【0008】
前記課題を達成するために請求項4の発明は、請求項に係る前記手段におけるフランジ部のラッパ状の部分の斜面の長さよりフィルター枠の斜面の長さを短くする手段を採用する。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1〜図4によって示すこの実施の形態1は、室内外を仕切る壁や天井等の仕切構造にパイプ等により構成された給気又は排気のための通風路の室内側開口端に装着する通風端末器に関するものである。この通風端末器はその本体1が、図1に示すように通風路にその室内側開口端から挿通できる両端の開口した接続筒部2と、接続筒部2の室内側端に一体に形成された半径方向へ張出す四角形のフランジ部3とにより構成されている。フランジ部3は仕切構造の表面に当接する背面については平面に構成されているが、前面は接続筒部2の室内側開口部4を囲む四角形の平面部5と、この平面部5から傾斜面6をなしてラッパ状に拡開する拡開部分7と、この拡開部分7の四周を囲む額縁状の外周部8とからなる浅底容器状に形成されている。
【0013】
フランジ部3の外周部8における拡開部分7の四偶部に対応する部分には、方形をなし拡開部分7を囲む四本のアングル状の脚部9が前面側に突出して一体に形成されている。この四本の脚部9の隣接する二本の基部にノックアウトにより開放できるフィルター差込み構造10が形成され、この脚部9間の外周部8にはフィルターの摘みが係合する係合凹部11が形成されている。また、他の二本の脚部9にはその基部の内側にフィルターを掛止める突起12がそれぞれ内向き形成されている。フィルター差込み構造10を持つ脚部9と、突起12を持つ脚部9との中間の外周部8には、フィルターを保持するフック状の突出片13が向き合った形態に一体に形成されている。各脚部9の自由端側の内面には、図3,4に示すように自由端側が斜面構成14で、基部側が直面構成15の掛止構造16が内向きに突出して一体に形成されている。また、フランジ部3の拡開部分7の四隅部には本体1を仕切構造にネジ付けするための取付孔17が形成されている。
【0014】
上記構成の本体1の前面に図2に示すような化粧パネル18が、本体1の前面を被冠する形態に装着されて通風端末器が構成される。化粧パネル18は前面の意匠面に建材等の表面構成に合った色彩や模様が施され、背面の四隅部には各脚部9の内面に密接する形状の取付脚19が図2,3,4に示すように突出して形成されている。各取付脚19の先端側には脚部9の掛止構造16に押込みにより係合し掛止る窓状の係合部20が開設されている。各脚部9に各取付脚19を対応させ各脚部9の内側に沿って取付脚19を押し込むことにより、掛止構造16に係合部20が係合し抜止め状態となって化粧パネル18が装着される(図3,4参照)。化粧パネル18は、90度ずつ回転させた状態に取付けることができ、取付場所の仕切構造の調子に合う意匠面とすることが簡単に行ないうる。
【0015】
この通風端末器は、天井や壁等に構成された通風路の室内側開口端に接続筒部2を差込み仕切構造にネジ付けして取付けられるが、フィルターを装着しない場合には取付け方向は自由に設定することができる。そして、給気のための通風路に装着した場合、フランジ部3の拡開部分7により風路に急拡大がなくなり圧力損失が少なくなるうえ、仕切構造の表面から離れる方向へ通風がなされることになるため仕切構造が汚れたりすることを防止することができる。通風の方向は各脚部9間の四方向であり、一方向に集中しないので、仕切構造の一部が集中的に汚れたりすることも回避することができる。
【0016】
実施の形態2.
図5〜図11によって示すこの実施の形態2は、実施の形態1で示した通風端末器にフィルターを装備し通風を浄化する機能を付与した通風端末器に関するものである。本体及び化粧パネルに関する構成は基本的に実施の形態1のものと同じである。従って、実施の形態1のものと同じ部分については実施の形態1のものと同一の符号を用い、それらについての説明は省略する。
【0017】
図5,7に示すように本体1の二本の脚部9には予めフィルター差込み構造10が切欠かれて形成されている。フィルター21はフランジ部3における四本の脚部9に囲まれる方形部分に嵌合する箱状のフィルター枠22に収められている。フィルター枠22は図6に示すように表裏同形に構成され、対象形状の表側部分と裏側部分とが一辺においてヒンジ結合されている。方形の外枠部分23の内側にはフィルター21を押えるリブ24が形成され、外枠部分23に囲まれる通風部には格子25が形成されている。外枠部分23の周側部は表裏双方に本体1のフランジ部3の拡開部分7に嵌合する斜面26が形成され、ヒンジ結合側に対向する外枠部分23には摘み27が一体に形成されている。摘み27の中央には本体1の係合凹部11に係合し掛止る引掛部28が形成されている。このフィルター枠22を図6に示すように展開形態にして、扁平な六面体に構成されたフィルター21を外枠部分23の内部に収め、表側部分と裏側部分とを合わせることによりフィルター本体29が構成される。
【0018】
このフィルター本体29は、本体1のフィルター差込み構造10のある脚部9間からヒンジ結合側を向けて差込むことにより本体1に装着される。フィルター本体29の装着において表裏の区別をする必要はなく扱い易い。本体1に装着されたフィルター本体29は、二本の脚部9に形成された突起12と、フック状の突出片13とフィルター差込み構造10の端面と、摘み27の引掛部28の係合凹部11への係合により安定した状態に保持される(図9,10参照)。フィルター本体29の離脱は摘み27を掴んで引抜けばよく、フィルター本体29の取扱いは容易である。この通風端末器は、天井面にフランジ部3が沿う状態に取付ける場合には取付方向を特に限定する必要はないが、壁面にフランジ部3が沿う状態に取付ける場合にはフィルター本体29の抜差し方向が下向きにならないような取付方向にする。いずれにしても、取付方向に関する自由度は従来のものより高く、フィルター本体29が周囲のどの方向からも目視できるので、汚れ具合も容易に分りフィルターの保守・点検がし易く、使い勝手も良い。これ以外の機能や利点は実施の形態1のものと同じである。ただし、フィルター本体29を装着した状態ではフランジ部3の拡開部分7は塞がれ、その機能を果たさなくなるが、フィルター本体29の外枠部分23の斜面26を拡開部分7の傾斜面6より短く構成することにより、フィルター本体29を装着しても拡開部分7の一部が残り拡開部分7を機能態にすることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上実施の形態での説明からも明らかなように、請求項1の発明によれば取付方向についての自由度が高く通風性能がよく、仕切構造への汚れの付着も回避できる通風端末器が得られる。
【0020】
請求項2の発明によれば、取付方向についての自由度が高く、フィルターの取扱いが容易で、仕切構造への汚れの付着も回避できる通風端末器が得られる。
【0021】
請求項3の発明によれば、請求項2に係る前記効果とともにフィルターの安定性が向上する。
【0022】
請求項4の発明によれば、請求項に係る前記効果とともに通風性能が向上する
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の通風端末器の本体を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1の通風端末器の化粧パネルの背面側の構成を示す斜視図である。
【図3】実施の形態1の通風端末器の化粧パネルの取付け形態を示す斜視図である。
【図4】実施の形態1の通風端末器の化粧パネルの取付け形態を示す斜視図である。
【図5】実施の形態2の通風端末器を示す分解斜視図である。
【図6】実施の形態2の通風端末器のフィルター本体を示す斜視図である。
【図7】実施の形態2の通風端末器を組立て途中の状態で示す斜視図である。
【図8】実施の形態2の通風端末器を示す斜視図である。
【図9】実施の形態2の通風端末器の摘みと係合凹部の関係を示す斜視図である。
【図10】実施の形態2の通風端末器の摘みを示す部分斜視図である。
【図11】実施の形態2の通風端末器の断面図である。
【図12】従来の通風端末器を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 本体、 2 接続筒部、 3 フランジ部、 4 室内側開口部、 6 傾斜面、 7 拡開部分、 9 脚部、 10 フィルター差込み構造、 11係合凹部、 13 突出片、 16 掛止構造、 18 化粧パネル、 19取付脚、 20 係合部、 21 フィルター、 22 フィルター枠、 26 斜面。

Claims (4)

  1. 室内外を仕切る仕切構造に構成された通風路にその室内側開口端から挿通できる両端の開口した接続筒部と、この接続筒部の室内側端に形成され、その接続筒部の端から半径方向へ張出したフランジ部とを有する本体に対して、その接続筒部の室内側の開口部を四箇所の角部において方形をなして囲む四本の脚部を前記フランジ部の室内側に突出して設け、この本体の前記フランジ部の脚部により囲まれる方形部分を前記接続筒部の室内側の開口部から所定の角度で拡開するラッパ状に形成し、その脚部の基部には内側にフィルターを、二本の脚部の間から抜き差し可能に装着しうるフィルター差込み構造を設け、脚部の自由端側には化粧パネルを取付けた通風端末器。
  2. 室内外を仕切る仕切構造に構成された通風路にその室内側開口端から挿通できる両端の開口した接続筒部と、この接続筒部の室内側端に形成され、その接続筒部の端から半径方向へ張出したフランジ部とを有する本体と、この本体の前記フランジ部の室内側に着脱可能に装着されたフィルターと、このフィルターの室内側に該フィルターとの間に間隔を保持して設けられた化粧パネルとを備えた通風端末器であって、その本体の前記接続筒部の室内側の開口部を四箇所の角部において方形をなして囲む四本の脚部を、前記フランジ部の室内側に突出して設け、この本体の前記フランジ部の脚部により囲まれる方形部分を前記接続筒部の室内側の開口部から所定の角度で拡開するラッパ状に形成し、前記フィルターを、通風可能に構成したフィルター枠に収納して、前記脚部の基部の内側に形成したフィルター差込み構造に二本の脚部の間から抜き差し可能に装着し、前記化粧パネルを前記各脚部の自由端側に取付けた通風端末器。
  3. 請求項に記載の通風端末器であって、フィルター枠を表裏同形に構成するとともに、このフィルター枠の周側部の表裏双方にフランジ部のラッパ状部分に嵌合する斜面を設けた通風端末器。
  4. 請求項に記載の通風端末器であって、フランジ部のラッパ状の部分の斜面の長さよりフィルター枠の斜面の長さを短くした通風端末器。
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