JP3626509B2 - クリスタルガラス製品の表面処理方法およびこれにより製造した製品 - Google Patents

クリスタルガラス製品の表面処理方法およびこれにより製造した製品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、クリスタルガラス製品及びクリスタルガラス製品の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ある種のガラスは酸化鉛等の重金属の酸化物を含む鉱物の酸化物の混合物から得られることが知られている。特に、クリスタルガラスは、定義によれば、少なくとも24%の酸化鉛を含有している。本明細書で、「クリスタルガラス」の用語は、どんな量でも鉛を含有する鉛ガラスを意味し、一般的に、どんなガラスも重金属を含有している。
【0003】
ガラスが物、特に食品に接触する時、若干のガラスの鉱物元素の移行が観察され、自然界にあるガラス質でも、全体的に化学的に安定ではない。このプロセスは、水などの液体、特にpHが酸性を示す液体を収納したガラスの容器で観察される。鉛の移行と、消費者が直面するリスクのために、ガラスの容器の例が、レベルの高い研究対象となっている。多くの国において、クリスタルガラスの容器に接触した後の飲物の最大鉛含有量を規制する規則が見られる。例えば、カリフォルニアでは、標準規格ISO 7086に基づいた測定で鉛の含有量が25ppb(パート・パー・ビリオン)を超えると特別な表示が義務となる(発議65)。現在のアメリカ合衆国のアルコール飲料の最大鉛含有量の基準は、300ppbであることも留意すべきことである。
【0004】
鉛の移行を測定する方法は、標準規格ISO 7086によって標準化されており、これは、4%の酢酸溶液中、22°Cの周囲温度で24時間放置した後の、鉛の含有量を測定するものである。
【0005】
クリスタルガラスが接触した物へ、重金属、特に鉛が移行することを防止するためのクリスタルガラスの表面処理方法を見出すことに、現在、多大な努力が払われている。これは、ゴブレットやグラス、及び、びん、水差し、ジャグなどすべての容器の製品に関することである。
【0006】
表面処理は、自動食器洗浄器で何度も洗浄される製品の表面状態をより良い状態に保つ種類のものである。
【0007】
本発明の技術分野、特にクリスタルガラスに接触したものへの鉛の移行、の現状を示す書誌的な参考文献は、セラミック便覧(Ceramic Bulletin)第55巻、No.5(1976)第508ページ以降である。ここには、鉛の移行における液体のpHの影響が示されている。アメリカセラミック学会ジャーナル(the Journal of the Am. Ceramic Society)、第61巻、No.7、8(1978)第292ページ以降には、液体のHイオンとPb++イオン間のイオン交換の活性エネルギーの決定に関する理論的な研究の論文が載せられている。
【0008】
これまでに、幾つかの技術が、物、特にクリスタルガラス製品に接触した液体に対する鉛の移行を制限することを明らかにしている。
【0009】
初期の提言は、ガラス自体の成分を変えることであった。例えば、クリスタルガラスのAlの含有量を変える提言がなされた。例えば、SCHAEFFER and al in Berichte der deutschen Keramischen Gesellschaft 、第53巻(1976)、No.2、第43ー78ぺージを見ると、クリスタルガラスのなかに3%のAlを入れることで、ファクタ10によって鉛の移行の速度と量を押さえるのに充分であるということが書かれている。しかしながら、このタイプの技術は、実用化が容易でない。なぜなら、この技術は、ガラスの成分の完全な変更を伴う結果、製造工程が崩れてコストが高くなるからである。
【0010】
この他の技術は、従来のガラスまたはクリスタルガラスの組成を保ったままで鉛の移行を防止するために表面処理を施すものである。例えば、ヨーロッパ特許EP−0458713号では、処理する表面に、カオリンのサスペンションをコートして表面フィルムを形成し、次いで、高温で処理して、一旦製品を冷却した後、水洗いし、サンド(sand)あるいは超音波によってフィルムを除去するようにしている。また、この特許には、本発明の分野において生じる技術的な問題について詳細な説明がなされている。このヨーロッパ特許EP−0458713号に述べられている工程の欠点は、実用化にある。すなわち、処理する表面上に注ぐバーボタイン(barbotine )が必要であり、フィルムを除去する操作の全てが長くコストがかかると共に、製品の表面の状態を傷つけてしまう。
【0011】
ドイツ特許出願DE−A−4102886号には、ガラス製品に含まれている重金属の移行を制限するためのガラス製品の処理について述べられている。この方法は、水溶液中に抽出剤が使用されており、低温、特に100°C以下の温度で実施される。
【0012】
その他のタイプの処理は濃硫酸を用いた処理のようなものであるが、得られた結果は、満足の行かない、不安定なものである。
【0013】
硫酸アンモニウムを用いた表面処理技術が長年知られており、最近の幾つかの論文、特に1992年の、国際クリスタルガラス連盟(ICF:International Crystal Federation)総会(技術交流会議)の論文の議題となっている。これらの論文の著者によれば、硫酸アンモニウムを用いた処理は、鉛の移行を遅くするのに良好な結果をもたらす。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本願出願人は、重金属を含有するガラス製品の表面処理の一般的な技術の範囲内における改良された工程を見出した。この工程は、実用化が容易であり、これまでに達成されていなかった、ガラス該製品に接触した物、特に液体への鉛の移行の防止を達成するものである。
【0015】
従って、本発明の目的は、クリスタルガラス製品の表面処理方法を提供することであり、ここでは、クリスタルガラスが軟化しない程度の高温下で、硫酸アンモニウム及び、アルミニウムと鉄から選択された金属の硫酸塩を蒸発させて得た活性ガスに処理すべき製品の表面を接触させたのち、製品を冷却して、処理した表面を洗浄して少なくとも粉状の残留物を除去する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1実施例では、処理剤に、式NHAl(SOで表される硫酸アルミニウムアンモニウムを用いる。この物質が一般に水和物の形態で市場で入手できることは良く知られている。本発明は、以下に示されている処理温度で蒸発しうる限り、どの様な形態のものにも適用できる。式NHAl(SO.12HOで表される物質を用いて、良好な実用上の結果が得られた。
【0017】
本発明の他の実施例では、硫酸アルミニウムアンモニウムに代えて硫酸アンモニウムと硫酸アルミニウムとの混合物を使用することができる。硫酸アルミニウムと、硫酸アンモニウムとを別々に入手できれば、この実施例を実用化することができる。
【0018】
本発明の更なる他の実施例では、処理剤として硫酸鉄アンモニウムを用いる。式(NHFe(SOで表される第1鉄塩、あるいは式NHFe(SOで表される第2鉄塩を使用することができる。硫酸アルミニウムアンモニウムの場合と同様に、硫酸鉄アンモニウムは、例えば、式(NHFe(SO.6HO 及び NHFe(SO.12HOで表される水和物として市場で入手できる。しかしながら、本発明の方法は、処理温度で蒸発するものであれば、いずれかのまたはすべての硫酸塩の水和物で実用化できることが理解されなければならない。
【0019】
また、他の実施例では、硫酸アンモニウムと硫酸鉄との混合物を使用できる(FeIIあるいはFeIII )。
【0020】
本発明の方法は、高温で実施され、いずれの場合も、この温度は、ガラスの転移温度より高いが、クリスタルガラスの軟化温度を超えるものではない。軟化温度が490°C〜500°Cであるクリスタルガラスの場合は、本発明の方法は、470°C以上で、軟化温度を超えない温度、好ましくは470ー490°Cの間の温度で行われる。処理温度は、当該温度における製品の機械的強度と、処理するガラスの性質に応じて最適な温度を選択することができる。
【0021】
処理するクリスタルガラス製品の表面を、処理剤の蒸発によって生じるガスにできるだけ長い間接触させて、この表面とガスを反応させることが望ましい。このように処理された表面上に白色の沈殿物が形成される。ここで、再度、当業者は、処理すべき製品の処理時間を、最終的にこの処理を実行する温度及びこの方法の他のパラメータに合せて決定することができる。実際には、クリスタルガラスについては、475ー480°Cの温度範囲で、この温度に達した時から15分から3時間の範囲の処理時間で、良好な結果が得られた。この時間は、処理工程に対応した時間であり、温度の上昇時間あるいは、製品の冷却時間は含まない。
【0022】
本発明の方法を実施するためには、密封された容器内で処理を行うこと、及び、処理剤によって発生した反応ガスに処理する表面をさらすことが好ましい。処理装置は処理する製品の形状に合せるようにする。実際、上述したとおり、本発明は、クリスタルガラスでできた製品であって、表面が使用時に食物あるいは飲物に接触する製品であればどんな製品にも適用できる。従って、本発明は、平皿、ボウル、皿、びん、水差し、ジャグ、グラス等のすべての種類の製品に関するものである。
【0023】
若干の製品を処理するには、これらの製品の支持具を具える密封容器と、この容器の内部に処理剤を蒸発させる手段を具えることが必要である。
【0024】
また、製品自体の形状を、密封容器として使用することができ、従って、実際の処理の状態が簡単にすることができる。これは、例えば、グラス、びん、水差しなどの開口を有する製品の場合である。これらの製品は開口が、底部の反対側端に配置されている。本発明によってこのような製品を処理するには、単に製品の開口を上側に位置させ、この上側がほぼ水平面に位置するように配置する。処理する表面は、この場合、製品の内面である。粉状の処理剤が与えられている場合は、直接、この製品の底に必要量の処理剤を置いて、例えばグラファイトなど、処理温度において対熱性がある物質でできたプレートを、単に製品の上部において開口を閉じるのが良い。このプレートが製品の中に挿入したデバイスに密着している場合、開口の上にプレートを物理的に載置することで、最良の結果が得られ、開口の上に置いたプレートの不所望な動きを防止できた。
【0025】
やはり良好な結果が得られた他の実施例では、グラファイトでできたカバープレートと製品の内部に下側に向けて挿入したロッドとを具え、このロッドが受皿(ポッド)を具えており、この受皿に粉状の処理剤を置くようにしている。
【0026】
どの実施例でも、パウダを収納したアッセンブリが、プレートによって密閉され、処理温度まで加熱されて、この温度で充分に長い時間維持される。
【0027】
処理中に、パウダが蒸発して形成されたガスが製品のガラスあるいはクリスタルガラスの露出表面と反応する。白色の沈殿物が処理された壁の上に形成される。
【0028】
冷却後、残留昇華していない処理剤の存在が観察される。
【0029】
使用する処理剤の量は、処理する表面の面積に応じて決めるべきである。蒸発によって生じる反応ガスの量が処理する壁または表面に所望の保護を確実に与えるのに充分な量以上を選択することが好ましい。それにもかかわらず、導入する処理剤の量は、この方法の必須の特徴パラメータではない。例えば、容積0.3リットルのクリスタルガラスの水差しもしくはびんを処理する場合、実際に、150ー200mgの処理剤の量が適量と考えられる。当業者は、各場合において、問題なく、使用する粉状の処理剤の量を見出すことができるであろう。
【0030】
本発明の方法の最終工程は、処理された表面に存在する白色の沈殿物の除去である。本発明の特別な特徴によれば、粉状の残留物は完全に除去することができ、水あるいは石鹸水で洗浄することによって、簡単に、ガラスあるいはクリスタルガラスの製品の表面のもとの透明性を回復することができる。本発明の処理剤を使用することで、従来の公知の方法に比べて、最終洗浄作業が大変簡単になる。
【0031】
本発明の処理は、既製の製品、すなわち焼成された製品に行うことができる。従って、常温で存在している製品についても、これらの製品が冷却後、通常の製造状態で存在する限り、本発明の処理を実行することができる。また、製品が最終的に冷却される前の製造過程中においても、製品にこの処理を適用することができる。
【0032】
本発明の方法によって得られる結果は、すべてにおいて素晴らしいものである。試験が行われ、製品が接触する食物への、ある種の重金属、特に鉛の、移行がこれまでに実現されなかった比率で防止され、硫酸アンモニウムのみを用いて同じ条件で処理した同じ製品よりも大変に高度に保護されたことを示している。本発明によれば、クリスタルガラスと長時間接触した後でも、鉛の量が検出不可能な量、あるいは実際に意味のない量になる。この量は、最も厳格な最近の規則に照らし合せても大変に低い。クリスタルガラスを処理する場合は、移行する鉛の量は5ppbを超えるものではない。
【0033】
本発明にかかる方法の他の利点は、例えば、470°Cと490°Cの間と言った広い範囲の温度で実用化できることである。逆に、硫酸アンモニウムなどの他の公知の処理剤の重大な欠点は、厳密な温度でのみ有効である事である。この温度は制御が難しく、また、処理する製品の軟化温度に近過ぎる。従って、保護が充分でなく、確実でないため硫酸アンモニウムは使用することができず、保たれる処理温度がクリスタルガラス製品に許容できない歪を起こすことになる。
【0034】
本発明は、以下に述べる図面を参照した幾つかの実験例からより良く理解される。
【0035】
図1は、符号1で示す水差し若しくはびんタイプのクリスタルガラス製品の軸にそった断面を線図的に示す図である。製品は、上部に開口2を有し、底部3を有する。この実施例では、単に、粉状の処理剤4が水差し1の底に置かれている。グラファイトプレート5を水差し1の上に置いて開口2を閉鎖している。プレーと5を通って、開口2から製品1内に入れたデバイスあるいは釘8によって、プレート5が水平にスライドすることを防止していいる。
【0036】
図2に示す他の実施例では、図1に用いた符号を同じ構成要素に付している。この場合、グラファイトプレート5からロッド6によって吊るされている受皿(ポッド)7に、粉状の処理剤4が置かれている。
【0037】
以下の実験例では、図1及び図2に示す一般的なタイプの水差しに対して、これらの図にそれぞれ示す2つの実施例に適合させて、本発明にかかる処理を行った。
【0038】
【実施例】
実施例1
使用されるパウダ剤は、200mgの硫酸アルミニウムアンモニウムから成り、水差しポットの内部容積は0.3Lの大きさであった。この硫酸アルミニウムアンモニウムを適切な場所、例えば図1に示すように水差しポットの底部か又は図2に示すように黒鉛プレートから吊るして設置し、水差しポットをこのプレートで密閉し、このアセンブリーを加熱炉に設置して加熱した。水差しポットはクリスタルガラスで製造されており、処理温度を480℃まで上昇させ、この温度で2時間保持した。次いでポットを冷却し、その後黒鉛の密閉プレートを取り除き、ポットの内部を単なるせっけん水を用いて洗浄して、壁面上に付着した白色の沈着物を除去した。
【0039】
実施例1a
最初の一連の実験においては、本発明により得られた結果を、一方では、同一の未処理水差しポットにより得られた結果と、他方では、従来の硫酸アンモニウムNH(SOだけで処理した水差しポットにより得られた結果を比較した。標準規格ISO 7086をこれらの試験に適用し、移行した鉛の量を気相原子分光計により測定した。
その結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003626509
【0040】
実施例1b
他の一連の実験においては、測定プロトコルは標準規格ISO 7086を基礎にして使用したが、4%の酢酸と62℃で9日間接触させて放置する必要がある促進処理に対応した。この型の試験は、周囲温度で20ケ月間接触期間を設けることと実質的に同等である。促進処理により得られた結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003626509
【0041】
実施例1c
様々な温度で実施した以外は、表1に記載の実験と同等の条件で、他の一連の実験を実施した。その結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0003626509
硫酸アルミニウムアンモニウムを用いた本発明の処理は、未処理の製品と比較して鉛の移行比を、著しく減少させたことが上記結果に示されている。本発明の方法は、実際、硫酸アンモニウムだけを用いて実施する場合よりも、広範囲の温度に亘って実施することができることに留意すべきである。硫酸アンモニウムが鉛の移行に関して優れた結果をもたらす490℃の単独温度では、クリスタルガラス製品は処理後に軟化し始め変形し始める。実際、本発明の方法を実施した場合、クリスタルガラスをその最初の状態及び透明度に復元することができ、また全ての可視し得る微量残留物をせっけん水で単に洗浄することにより除去できることが更に観察される。
【0042】
実施例2
実施例1の硫酸アルミニウムアンモニウムを、130mgの硫酸アンモニウムと130mgの硫酸アルミニウムの混合物と置換することにより、実施例1の結果とほぼ同等の結果が得られた。
【0043】
実施例3
実施例1と同様の実験を行うが、使用する処理剤は、NHFe(SOの化学式の硫酸鉄アンモニウムであり、実験ごとに150mgの量で用いた。その処理条件は、実施例1の条件と同一であった。得られた結果を、一方では硫酸アルミニウム単独のものと、また他方では硫酸アルミニウムアンモニウムにより得られたものと比較した。表4には、表示した温度で2時間の処理時間後に得られた標準規格ISO 7086に応じて測定した鉛移行値の結果をppbの単位で示す。
【表4】
Figure 0003626509
本発明は、上記実施例に限定されるものではない。本発明の方法は、例えば液体、特に酸性のpHを有する液体のような物質と接触した場合、ガラスからの重金属の移行を回避するという優れた結果をもたらす。本発明の方法は処理した製品の化学的耐久性を改善することにも留意すべきであり、自動食器洗浄器で繰返し洗浄した結果生ずる急激な劣化を防止することに特に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の軸にそった断面図である。
【図2】本発明の方法を実施するための他の装置の軸にそった断面図である。
【符号の説明】
1 水差し
2 開口
3 底部
4 処理剤
5 プレート
6 ロッド
7 受皿
8 釘又はデバイス

Claims (22)

  1. クリスタルガラス製品の表面を処理するにあたり、処理すべき製品の表面を、硫酸アンモニウム、及び、アルミニウムと鉄から選択された金属の硫酸塩の1又はそれ以上である処理剤を蒸発させて得た活性ガスに、クリスタルガラスの軟化温度を超えない程度の高い処理温度で接触させた後、製品を冷却して、処理した表面を洗浄して少なくとも粉状の残留物を除去するクリスタルガラス製品の表面処理方法。
  2. 前記処理剤は硫酸アルミニウムアンモニウム、NH4 Al(SO42 である請求項1記載の方法。
  3. 前記処理剤が、水和物型のNH4 Al(SO42 ・12H2 Oである請求項1記載の方法。
  4. 前記処理剤は硫酸アンモニウムと硫酸アルミニウムとの混合物である請求項1記載の方法。
  5. 前記処理剤は、式(NH42 Fe(SO42 又はNH4 Fe(SO42 を有する硫酸鉄アンモニウムである請求項1記載の方法。
  6. 前記処理剤が、水和物型の(NH42 Fe(SO42 ・6H2 O及びNH4 Fe(SO42 ・12H2 Oである請求項1記載の方法。
  7. 前記処理剤が、硫酸アンモニウムと、硫酸鉄II又は硫酸鉄III の混合物である請求項1記載の方法。
  8. 処理温度はクリスタルガラスのガラス転移温度より高いが、クリスタルガラスの軟化温度を超えない請求項1〜7のいずれか一つの項に記載の方法。
  9. 処理温度は470〜490℃の範囲内である請求項1〜8項のいずれか一つの項に記載の方法。
  10. 処理温度に達した時から、当該処理温度を15分〜3時間保持する請求項1〜9項のいずれか一つの項に記載の方法。
  11. 開口を有するクリスタルガラス製品を処理するのに、粉末形態の処理剤を処理すべき前記製品内部に置いて、次いで処理温度において耐熱性がある物質でできたプレートで開口を密閉し、このプレートを製品の上側に配置し、その後、前記粉末を含有する製品を処理温度まで加熱して、前記粉末を蒸発させる請求項1〜10項のいずれか一つの項に記載の方法。
  12. 開口を有するクリスタルガラス製品が、グラス、びん、水差し、ジャグから選択される請求項11記載の方法。
  13. 処理温度で耐熱性がある物質が、グラファイトである請求項11記載の方法。
  14. 前記プレートが、製品の内部へ挿入され、前記プレートのスライドを防止するためのデバイスへ固定されている請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記デバイスが、ロッドである請求項14記載の方法。
  16. 開口を有するクリスタルガラス製品を処理するのに、処理温度において耐熱性がある物質でできたプレートを設け、前記プレートを製品の上側に位置させて開口を密閉させ、製品の内部に下側に向けて吊り下げたロッドであり、かつ、粉状の処理剤を置く受皿を具えたロッドを支持するように前記プレートを設置し、前記受皿へ粉末形態の処理剤を設置して、その後、前記製品を加熱して、粉末形態の処理剤を蒸発させる請求項1〜10項のいずれか一つの項に記載の方法。
  17. 開口を有するクリスタルガラス製品が、グラス、びん、水差し、ジャグから選択される請求項16記載の方法。
  18. 処理温度において耐熱性がある物質が、グラファイトである請求項16記載の方法。
  19. クリスタルガラス製品を一度冷却し、処理表面上に付着した粉状の残留物を水又は石けん水で洗浄することにより除去する請求項1〜18項のいずれか一つの項に記載の方法。
  20. 少なくとも1つの表面が、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法によって処理されているクリスタルガラス製品。
  21. クリスタルガラス製品が、平皿、ボウル、皿、びん、水差し、ジャグ、グラスから選択される請求項20記載のクリスタルガラス製品。
  22. 標準規格ISO 7086の方法により測定した鉛の量が、5ppbを超えない請求項20又は21項に記載の製品。
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