JPH06279058A - クリスタルガラス製品の表面処理方法およびこれにより製造した製品 - Google Patents

クリスタルガラス製品の表面処理方法およびこれにより製造した製品

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JPH06279058A
JPH06279058A JP6007063A JP706394A JPH06279058A JP H06279058 A JPH06279058 A JP H06279058A JP 6007063 A JP6007063 A JP 6007063A JP 706394 A JP706394 A JP 706394A JP H06279058 A JPH06279058 A JP H06279058A
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、クリスタルガラスでできている製
品に対し、鉛のような重金属の移行を制限する、クリス
タルガラス製品の表面処理方法を提供するものである。 【構成】 クリスタルガラス製品を、硫酸アンモニウム
及び、硫酸アルミニウム又は硫酸鉄の蒸発により製造さ
れるガスにより高温で処理する。例えば、480 ℃の温度
で15分〜3時間保持する。製品を冷却後、処理表面を
水又は石けん水で洗浄することにより処理表面の最初の
きれいさを簡単に回復することができる。本発明の方法
は、処理剤4を処理すべき製品1の底部に置き、グラフ
ァイトプレート5で製品1の開口2を密閉することで実
用化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クリスタルガラス製品
及びクリスタルガラス製品の表面処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ある種のガラスは酸化鉛等の重金属の酸
化物を含む鉱物の酸化物の混合物から得られることが知
られている。特に、クリスタルガラスは、定義によれ
ば、少なくとも24%の酸化鉛を含有している。本明細
書で、「クリスタルガラス」の用語は、どんな量でも鉛
を含有する鉛ガラスを意味し、一般的に、どんなガラス
も重金属を含有している。
【0003】ガラスが物、特に食品に接触する時、若干
のガラスの鉱物元素の移行が観察され、自然界にあるガ
ラス質でも、全体的に化学的に安定ではない。このプロ
セスは、水などの液体、特にpHが酸性を示す液体を収
納したガラスの容器で観察される。鉛の移行と、消費者
が直面するリスクのために、ガラスの容器の例が、レベ
ルの高い研究対象となっている。多くの国において、ク
リスタルガラスの容器に接触した後の飲物の最大鉛含有
量を規制する規則が見られる。例えば、カリフォルニア
では、標準規格ISO 7086に基づいた測定で鉛の
含有量が25ppb(パート・パー・ビリオン)を超え
ると特別な表示が義務となる(発議65)。現在のアメ
リカ合衆国のアルコール飲料の最大鉛含有量の基準は、
300ppbであることも留意すべきことである。
【0004】鉛の移行を測定する方法は、標準規格IS
O 7086によって標準化されており、これは、4%
の酢酸溶液中、22°Cの周囲温度で24時間放置した
後の、鉛の含有量を測定するものである。
【0005】クリスタルガラスが接触した物へ、重金
属、特に鉛が移行することを防止するためのクリスタル
ガラスの表面処理方法を見出すことに、現在、多大な努
力が払われている。これは、ゴブレットやグラス、及
び、びん、水差し、ジャグなどすべての容器の製品に関
することである。
【0006】表面処理は、自動食器洗浄器で何度も洗浄
される製品の表面状態をより良い状態に保つ種類のもの
である。
【0007】本発明の技術分野、特にクリスタルガラス
に接触したものへの鉛の移行、の現状を示す書誌的な参
考文献は、セラミック便覧(Ceramic Bulletin)第55
巻、No.5(1976)第508ページ以降である。
ここには、鉛の移行における液体のpHの影響が示され
ている。アメリカセラミック学会ジャーナル(the Jour
nal of the Am. Ceramic Society)、第61巻、No.
7、8(1978)第292ページ以降には、液体のH
+ イオンとPb++イオン間のイオン交換の活性エネルギ
ーの決定に関する理論的な研究の論文が載せられてい
る。
【0008】これまでに、幾つかの技術が、物、特にク
リスタルガラス製品に接触した液体に対する鉛の移行を
制限することを明らかにしている。
【0009】初期の提言は、ガラス自体の成分を変える
ことであった。例えば、クリスタルガラスのAl2 3
の含有量を変える提言がなされた。例えば、SCHAEFFER
andal in Berichte der deutschen Keramischen Gesell
schaft 、第53巻(1976)、No.2、第43ー
78ぺージを見ると、クリスタルガラスのなかに3%の
Al2 3 を入れることで、ファクタ10によって鉛の
移行の速度と量を押さえるのに充分であるということが
書かれている。しかしながら、このタイプの技術は、実
用化が容易でない。なぜなら、この技術は、ガラスの成
分の完全な変更を伴う結果、製造工程が崩れてコストが
高くなるからである。
【0010】この他の技術は、従来のガラスまたはクリ
スタルガラスの組成を保ったままで鉛の移行を防止する
ために表面処理を施すものである。例えば、ヨーロッパ
特許EP−0458713号では、処理する表面に、カ
オリンのサスペンションをコートして表面フィルムを形
成し、次いで、高温で処理して、一旦製品を冷却した
後、水洗いし、サンド(sand)あるいは超音波によって
フィルムを除去するようにしている。また、この特許に
は、本発明の分野において生じる技術的な問題について
詳細な説明がなされている。このヨーロッパ特許EP−
0458713号に述べられている工程の欠点は、実用
化にある。すなわち、処理する表面上に注ぐバーボタイ
ン(barbotine )が必要であり、フィルムを除去する操
作の全てが長くコストがかかると共に、製品の表面の状
態を傷つけてしまう。
【0011】ドイツ特許出願DE−A−4102886
号には、ガラス製品に含まれている重金属の移行を制限
するためのガラス製品の処理について述べられている。
この方法は、水溶液中に抽出剤が使用されており、低
温、特に100°C以下の温度で実施される。
【0012】その他のタイプの処理は濃硫酸を用いた処
理のようなものであるが、得られた結果は、満足の行か
ない、不安定なものである。
【0013】硫酸アンモニウムを用いた表面処理技術が
長年知られており、最近の幾つかの論文、特に1992
年の、国際クリスタルガラス連盟(ICF:Internatio
nalCrystal Federation)総会(技術交流会議)の論文
の議題となっている。これらの論文の著者によれば、硫
酸アンモニウムを用いた処理は、鉛の移行を遅くするの
に良好な結果をもたらす。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本願出願人は、重金属
を含有するガラス製品の表面処理の一般的な技術の範囲
内における改良された工程を見出した。この工程は、実
用化が容易であり、これまでに達成されていなかった、
ガラス該製品に接触した物、特に液体への鉛の移行の防
止を達成するものである。
【0015】従って、本発明の目的は、クリスタルガラ
ス製品の表面処理方法を提供することであり、ここで
は、クリスタルガラスが軟化しない程度の高温下で、硫
酸アンモニウム及び、アルミニウムと鉄から選択された
金属の硫酸塩を蒸発させて得た活性ガスに処理すべき製
品の表面を接触させたのち、製品を冷却して、処理した
表面を洗浄して少なくとも粉状の残留物を除去する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1実施例で
は、処理剤に、式NH4 Al(SO4 2 で表される硫
酸アルミニウムアンモニウムを用いる。この物質が一般
に水和物の形態で市場で入手できることは良く知られて
いる。本発明は、以下に示されている処理温度で蒸発し
うる限り、どの様な形態のものにも適用できる。式NH
4 Al(SO4 2 .12H2 Oで表される物質を用い
て、良好な実用上の結果が得られた。
【0017】本発明の他の実施例では、硫酸アルミニウ
ムアンモニウムに代えて硫酸アンモニウムと硫酸アルミ
ニウムとの混合物を使用することができる。硫酸アルミ
ニウムと、硫酸アンモニウムとを別々に入手できれば、
この実施例を実用化することができる。
【0018】本発明の更なる他の実施例では、処理剤と
して硫酸鉄アンモニウムを用いる。式(NH4 2 Fe
(SO4 2 で表される第1鉄塩、あるいは式NH4
e(SO4 2 で表される第2鉄塩を使用することがで
きる。硫酸アルミニウムアンモニウムの場合と同様に、
硫酸鉄アンモニウムは、例えば、式(NH4 2 Fe
(SO4 2 .6H2 O 及び NH4 Fe(SO4
2 .12H2 Oで表される水和物として市場で入手でき
る。しかしながら、本発明の方法は、処理温度で蒸発す
るものであれば、いずれかのまたはすべての硫酸塩の水
和物で実用化できることが理解されなければならない。
【0019】また、他の実施例では、硫酸アンモニウム
と硫酸鉄との混合物を使用できる(FeIIあるいはFe
III )。
【0020】本発明の方法は、高温で実施され、いずれ
の場合も、この温度は、ガラスの転移温度より高いが、
クリスタルガラスの軟化温度を超えるものではない。軟
化温度が490°C〜500°Cであるクリスタルガラ
スの場合は、本発明の方法は、470°C以上で、軟化
温度を超えない温度、好ましくは470ー490°Cの
間の温度で行われる。処理温度は、当該温度における製
品の機械的強度と、処理するガラスの性質に応じて最適
な温度を選択することができる。
【0021】処理するクリスタルガラス製品の表面を、
処理剤の蒸発によって生じるガスにできるだけ長い間接
触させて、この表面とガスを反応させることが望まし
い。このように処理された表面上に白色の沈殿物が形成
される。ここで、再度、当業者は、処理すべき製品の処
理時間を、最終的にこの処理を実行する温度及びこの方
法の他のパラメータに合せて決定することができる。実
際には、クリスタルガラスについては、475ー480
°Cの温度範囲で、この温度に達した時から15分から
3時間の範囲の処理時間で、良好な結果が得られた。こ
の時間は、処理工程に対応した時間であり、温度の上昇
時間あるいは、製品の冷却時間は含まない。
【0022】本発明の方法を実施するためには、密封さ
れた容器内で処理を行うこと、及び、処理剤によって発
生した反応ガスに処理する表面をさらすことが好まし
い。処理装置は処理する製品の形状に合せるようにす
る。実際、上述したとおり、本発明は、クリスタルガラ
スでできた製品であって、表面が使用時に食物あるいは
飲物に接触する製品であればどんな製品にも適用でき
る。従って、本発明は、平皿、ボウル、皿、びん、水差
し、ジャグ、グラス等のすべての種類の製品に関するも
のである。
【0023】若干の製品を処理するには、これらの製品
の支持具を具える密封容器と、この容器の内部に処理剤
を蒸発させる手段を具えることが必要である。
【0024】また、製品自体の形状を、密封容器として
使用することができ、従って、実際の処理の状態が簡単
にすることができる。これは、例えば、グラス、びん、
水差しなどの開口を有する製品の場合である。これらの
製品は開口が、底部の反対側端に配置されている。本発
明によってこのような製品を処理するには、単に製品の
開口を上側に位置させ、この上側がほぼ水平面に位置す
るように配置する。処理する表面は、この場合、製品の
内面である。粉状の処理剤が与えられている場合は、直
接、この製品の底に必要量の処理剤を置いて、例えばグ
ラファイトなど、処理温度において対熱性がある物質で
できたプレートを、単に製品の上部において開口を閉じ
るのが良い。このプレートが製品の中に挿入したデバイ
スに密着している場合、開口の上にプレートを物理的に
載置することで、最良の結果が得られ、開口の上に置い
たプレートの不所望な動きを防止できた。
【0025】やはり良好な結果が得られた他の実施例で
は、グラファイトでできたカバープレートと製品の内部
に下側に向けて挿入したロッドとを具え、このロッドが
受皿(ポッド)を具えており、この受皿に粉状の処理剤
を置くようにしている。
【0026】どの実施例でも、パウダを収納したアッセ
ンブリが、プレートによって密閉され、処理温度まで加
熱されて、この温度で充分に長い時間維持される。
【0027】処理中に、パウダが蒸発して形成されたガ
スが製品のガラスあるいはクリスタルガラスの露出表面
と反応する。白色の沈殿物が処理された壁の上に形成さ
れる。
【0028】冷却後、残留昇華していない処理剤の存在
が観察される。
【0029】使用する処理剤の量は、処理する表面の面
積に応じて決めるべきである。蒸発によって生じる反応
ガスの量が処理する壁または表面に所望の保護を確実に
与えるのに充分な量以上を選択することが好ましい。そ
れにもかかわらず、導入する処理剤の量は、この方法の
必須の特徴パラメータではない。例えば、容積0.3リ
ットルのクリスタルガラスの水差しもしくはびんを処理
する場合、実際に、150ー200mgの処理剤の量が
適量と考えられる。当業者は、各場合において、問題な
く、使用する粉状の処理剤の量を見出すことができるで
あろう。
【0030】本発明の方法の最終工程は、処理された表
面に存在する白色の沈殿物の除去である。本発明の特別
な特徴によれば、粉状の残留物は完全に除去することが
でき、水あるいは石鹸水で洗浄することによって、簡単
に、ガラスあるいはクリスタルガラスの製品の表面のも
との透明性を回復することができる。本発明の処理剤を
使用することで、従来の公知の方法に比べて、最終洗浄
作業が大変簡単になる。
【0031】本発明の処理は、既製の製品、すなわち焼
成された製品に行うことができる。従って、常温で存在
している製品についても、これらの製品が冷却後、通常
の製造状態で存在する限り、本発明の処理を実行するこ
とができる。また、製品が最終的に冷却される前の製造
過程中においても、製品にこの処理を適用することがで
きる。
【0032】本発明の方法によって得られる結果は、す
べてにおいて素晴らしいものである。試験が行われ、製
品が接触する食物への、ある種の重金属、特に鉛の、移
行がこれまでに実現されなかった比率で防止され、硫酸
アンモニウムのみを用いて同じ条件で処理した同じ製品
よりも大変に高度に保護されたことを示している。本発
明によれば、クリスタルガラスと長時間接触した後で
も、鉛の量が検出不可能な量、あるいは実際に意味のな
い量になる。この量は、最も厳格な最近の規則に照らし
合せても大変に低い。クリスタルガラスを処理する場合
は、移行する鉛の量は5ppbを超えるものではない。
【0033】本発明にかかる方法の他の利点は、例え
ば、470°Cと490°Cの間と言った広い範囲の温
度で実用化できることである。逆に、硫酸アンモニウム
などの他の公知の処理剤の重大な欠点は、厳密な温度で
のみ有効である事である。この温度は制御が難しく、ま
た、処理する製品の軟化温度に近過ぎる。従って、保護
が充分でなく、確実でないため硫酸アンモニウムは使用
することができず、保たれる処理温度がクリスタルガラ
ス製品に許容できない歪を起こすことになる。
【0034】本発明は、以下に述べる図面を参照した幾
つかの実験例からより良く理解される。
【0035】図1は、符号1で示す水差し若しくはびん
タイプのクリスタルガラス製品の軸にそった断面を線図
的に示す図である。製品は、上部に開口2を有し、底部
3を有する。この実施例では、単に、粉状の処理剤4が
水差し1の底に置かれている。グラファイトプレート5
を水差し1の上に置いて開口2を閉鎖している。プレー
と5を通って、開口2から製品1内に入れたデバイスあ
るいは釘8によって、プレート5が水平にスライドする
ことを防止していいる。
【0036】図2に示す他の実施例では、図1に用いた
符号を同じ構成要素に付している。この場合、グラファ
イトプレート5からロッド6によって吊るされている受
皿(ポッド)7に、粉状の処理剤4が置かれている。
【0037】以下の実験例では、図1及び図2に示す一
般的なタイプの水差しに対して、これらの図にそれぞれ
示す2つの実施例に適合させて、本発明にかかる処理を
行った。
【0038】
【実施例】
実施例1 使用されるパウダ剤は、200mgの硫酸アルミニウム
アンモニウムから成り、水差しポットの内部容積は0.
3Lの大きさであった。この硫酸アルミニウムアンモニ
ウムを適切な場所、例えば図1に示すように水差しポッ
トの底部か又は図2に示すように黒鉛プレートから吊る
して設置し、水差しポットをこのプレートで密閉し、こ
のアセンブリーを加熱炉に設置して加熱した。水差しポ
ットはクリスタルガラスで製造されており、処理温度を
480℃まで上昇させ、この温度で2時間保持した。次
いでポットを冷却し、その後黒鉛の密閉プレートを取り
除き、ポットの内部を単なるせっけん水を用いて洗浄し
て、壁面上に付着した白色の沈着物を除去した。
【0039】実施例1a 最初の一連の実験においては、本発明により得られた結
果を、一方では、同一の未処理水差しポットにより得ら
れた結果と、他方では、従来の硫酸アンモニウムNH4
(SO4 2 だけで処理した水差しポットにより得られ
た結果を比較した。標準規格ISO 7086をこれら
の試験に適用し、移行した鉛の量を気相原子分光計によ
り測定した。その結果を表1に示す。
【表1】
【0040】実施例1b 他の一連の実験においては、測定プロトコルは標準規格
ISO 7086を基礎にして使用したが、4%の酢酸
と62℃で9日間接触させて放置する必要がある促進処
理に対応した。この型の試験は、周囲温度で20ケ月間
接触期間を設けることと実質的に同等である。促進処理
により得られた結果を表2に示す。
【表2】
【0041】実施例1c 様々な温度で実施した以外は、表1に記載の実験と同等
の条件で、他の一連の実験を実施した。その結果を表3
に示す。
【表3】 硫酸アルミニウムアンモニウムを用いた本発明の処理
は、未処理の製品と比較して鉛の移行比を、著しく減少
させたことが上記結果に示されている。本発明の方法
は、実際、硫酸アンモニウムだけを用いて実施する場合
よりも、広範囲の温度に亘って実施することができるこ
とに留意すべきである。硫酸アンモニウムが鉛の移行に
関して優れた結果をもたらす490℃の単独温度では、
クリスタルガラス製品は処理後に軟化し始め変形し始め
る。実際、本発明の方法を実施した場合、クリスタルガ
ラスをその最初の状態及び透明度に復元することがで
き、また全ての可視し得る微量残留物をせっけん水で単
に洗浄することにより除去できることが更に観察され
る。
【0042】実施例2 実施例1の硫酸アルミニウムアンモニウムを、130m
gの硫酸アンモニウムと130mgの硫酸アルミニウム
の混合物と置換することにより、実施例1の結果とほぼ
同等の結果が得られた。
【0043】実施例3 実施例1と同様の実験を行うが、使用する処理剤は、N
4 Fe(SO4 2の化学式の硫酸鉄アンモニウムで
あり、実験ごとに150mgの量で用いた。その処理条
件は、実施例1の条件と同一であった。得られた結果
を、一方では硫酸アルミニウム単独のものと、また他方
では硫酸アルミニウムアンモニウムにより得られたもの
と比較した。表4には、表示した温度で2時間の処理時
間後に得られた標準規格ISO 7086に応じて測定
した鉛移行値の結果をppbの単位で示す。
【表4】 本発明は、上記実施例に限定されるものではない。本発
明の方法は、例えば液体、特に酸性のpHを有する液体
のような物質と接触した場合、ガラスからの重金属の移
行を回避するという優れた結果をもたらす。本発明の方
法は処理した製品の化学的耐久性を改善することにも留
意すべきであり、自動食器洗浄器で繰返し洗浄した結果
生ずる急激な劣化を防止することに特に優れるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の軸にそった断面
図である。
【図2】本発明の方法を実施するための他の装置の軸に
そった断面図である。
【符号の説明】
1 水差し 2 開口 3 底部 4 処理剤 5 プレート 6 ロッド 7 受皿 8 釘又はデバイス

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリスタルガラス製品の表面を処理する
    にあたり、処理すべき製品の表面を、硫酸アンモニウム
    及び、アルミニウムと鉄から選択された金属の硫酸塩を
    蒸発させて得た活性ガスに、クリスタルガラスの軟化点
    を超えない程度の高温下で接触させた後、製品を冷却し
    て、処理した表面を洗浄して少なくとも粉状の残留物を
    除去するクリスタルガラス製品の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 処理剤は硫酸アルミニウムアンモニウ
    ム、NH4 Al(SO 4 2 であり、特にNH4 Al
    (SO4 2 ・12H2 Oのような水和物の形態である
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 処理剤は硫酸アンモニウムと硫酸アルミ
    ニウムとの混合物である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 処理剤は硫酸鉄アンモニウム、(N
    4 2 Fe(SO4 2 又はNH4 Fe(SO4 2
    であり、特に(NH4 2 Fe(SO4 2 ・6H2
    及びNH4 Fe(SO4 2 ・12H2 Oのような水和
    物の形態である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 硫酸アンモニウムと、硫酸鉄II又は硫酸
    鉄III の混合物を使用する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 処理温度はガラス転移温度より高いが、
    クリスタルガラスの軟化温度を超えない請求項1〜5の
    いずれか一つの項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 処理温度は約470〜490℃の範囲内
    である請求項1〜6項のいずれか一つの項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 処理温度に達した時から、当該処理温度
    を15分〜3時間保持する請求項1〜7項のいずれか一
    つの項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 クリスタルガラス製品に対する支持具と
    密閉容器の内部に処理剤を蒸発させる手段を具える密閉
    容器中で実用化する請求項1〜8項のいずれか一つの項
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 グラス、びん、水差し、ジャグのよう
    な開口を有する製品及び他の類似製品を処理するのに、
    この場合所望量の粉状形態の処理剤を処理すべき前記製
    品内部に置いて、次いで処理温度において対熱性がある
    例えばグラファイトのような物質でできたプレートで開
    口を密閉し、このプレートを製品の上側に配置し、前記
    プレートは製品の内部に挿入された支持デバイスが通り
    抜けられるようになっており、その後、このアセンブリ
    を処理温度まで加熱して、パウダを蒸発させる請求項1
    〜8項のいずれか一つの項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 グラス、びん、水差し、ジャグのよう
    な開口を有する製品及び他の類似製品を処理するのに、
    この場合処理温度において対熱性がある例えばグラファ
    イトのような物質でできたプレートを設け、このプレー
    トを製品の上側に位置させて開口を密閉させ、製品の内
    部に下側に向けて吊り下げたロッドを支持し、このロッ
    ドが粉状の処理剤を置く受皿を具え、その後、このアセ
    ンブリを加熱して、パウダを蒸発させる請求項1〜8項
    のいずれか一つの項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 製品を一度冷却し、処理表面上に付着
    した白色の沈着物を水又は石けん水で簡単に洗浄するこ
    とにより除去し、処理洗浄した表面を最初の状態と同じ
    程度にきれいにする請求項1〜11項のいずれか一つの
    項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 少なくとも1つの表面が請求項1〜1
    2項記載の方法により処理されている平皿、ボウル、
    皿、びん、水差し、ジャグ、グラスのようなガラス又は
    クリスタルガラス製品及び他の類似の製品。
  14. 【請求項14】 移行した鉛の量の値が、標準規格IS
    O 7086により測定して5ppbを超えない請求項
    13記載の製品。
JP00706394A 1993-01-26 1994-01-26 クリスタルガラス製品の表面処理方法およびこれにより製造した製品 Expired - Fee Related JP3626509B2 (ja)

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FR9300709 1993-01-26

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