JP3625523B2 - 単一電子素子、および半導体記憶装置、ならびにその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に係り、特に単一電子素子を用いた単一電子メモリの構造、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単一電子素子は究極の高集積低電力素子として期待されているが、これまで極低温でしか動作しないという大きな障害があった。1993年、日立の矢野等は、超薄膜多結晶シリコン(以下Siという)トランジスタを用いることにより、世界で始めて単一電子素子(単一電子メモリ)の室温動作に成功した(IEEE Int. Electron Devices Meet. 1993, pp541〜544)。以下、矢野等が開発した単一電子メモリの構造とその動作原理の概要を、図17〜図19を用いて説明する。
図17に超薄膜多結晶Siトランジスタの平面図(a)および断面図(b)を示す。ここで断面図は平面図中のa−a′における断面を示すものである。先ず最初に、単結晶Si基板801を熱酸化して500nmのSiO2膜802を形成した後、化学気相成長法(CVD法)を用いて、リンを含んだ多結晶Si膜803を100nm堆積する。次に、周知のリソグラフィー及びドライエッチング法により、上記リンドープ多結晶膜803を所望の形状に加工してソース803(a)、ドレイン803(b)を形成する。続いて、CVD法によりチャネル層804となる非晶質Si膜を4nm堆積した後、750℃の窒素雰囲気中で熱処理を行ない、上記非晶質Si膜を多結晶Si膜804に変換する。
超薄膜ポリシリコントランジスタの特性を決定するキーポイントの一つは、このチャネル多結晶Si膜804の膜厚とその局所的な膜厚不均一性であり、膜厚は薄いほど、また局所的な膜厚不均一性が大きい方が望ましい。
次に、電子線(EB)リソグラフィー、及びドライエッチング技術を用いて、チャネル多結晶Si膜804を加工する。このときチャネル多結晶Si幅Wは、極力小さいことが望ましく、具体的には約100nm以下であることが好ましい。最後に、CVD法によりゲート絶縁膜805となるSiO2 膜805を約50nm、ゲート電極806となるリンドープ多結晶Si806を100nm堆積した後、周知の技術によりゲート電極806を形成し、超薄膜多結晶Siトランジスタの形成を終了する。
【0003】
チャネル多結晶Si膜が極めて薄い(約2〜10nm)超薄膜多結晶Siトランジスタは、従来からSRAMの負荷素子として用いられている多結晶Siトランジスタ(30〜40nm)とは異なる特性を示す。図18(a)に示したように、ゲート電極に電圧を印加すると抵抗の最も小さい経路、つまり多結晶Siの膜厚の厚い場所に沿って超薄膜多結晶Siトランジスタの電流経路(チャネル)が形成される。このチャネル幅は、多結晶Si膜のグレインサイズと同等の大きさであり、約5〜10nmの極めて細いチャネルが形成される。ゲートバイアスを更に印加していくと、チャネルから電子が弾き出され、チャネル近傍のグレイン内(蓄積ノード)に電子が注入される。この電子によりチャネルと蓄積ノードの電位差が無くなり、電子は蓄積ノードに閉じ込められることになる。これが情報の書き込みに対応する。このような状態になると(図18(b))、閉じ込められた電子とのクーロン反発力によりドレイン電流が減少する。これは、蓄積ノード内の電子の有無によりトランジスタのしきい値がシフトすることを意味しており、しきい値を測定することにより情報(1または0)を判定することが出来る。
上記した現象は、チャネル多結晶Si膜が極めて薄く(10nm以下)、更にチャネル幅が約100nm以下と、限られた条件下において起るものであり、SRAMの負荷素子として用いられている多結晶Siトランジスタでは、このような現象は起らない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超薄膜多結晶Siトランジスタを用いた単一電子メモリの技術的課題の一つは、安定したチャネル形成である。図19に示したように、チャネルが形成される多結晶Si膜の幅Wが大きい場合は、同層内にチャネルが複数形成される可能性が大きくなる。複数のチャネルが同時に遮断されれば特に問題は起らないが、遮断されていないチャネルが存在すれば電流密度の変化量が小さくなり、判定が困難となる。また、チャネルに係る容量が小さい程しきい値のシフト量が大きくなることから、多結晶Si膜の幅は極力小さい方が好ましい。具体的には、100nm以下の幅が必要となる。
しかし、現状のリソグラフィー技術で100nmの細線をパターンニングする方法は、電子線(EB)リソグラフィーまたはX線リソグラフィーしかない。これらの方法は処理に多大の時間を要するだけでなく、再現性および技術的な面で未だ問題点が多く、大容量のメモリを量産化する際のネックとなっている。
【0005】
本発明の目的は、100nm以下の幅の多結晶Si膜のチャネル層を容易に形成できる構造の単一電子素子、およびこれを用いた半導体記憶装置、ならびにその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の単一電子素子では、ソースとドレインに接続された薄い多結晶シリコン膜のチャネル層を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタとしての単一電子素子において、例えば図8の断面図の絶縁膜405にみられるように、上記ソース(404(a))とドレイン(404(b))をまたぎ、かつチャネル層の幅に相当する厚さの絶縁膜(例えば図8では70nmの厚さの絶縁膜405)を有して、その側壁に上記チャネル層(407(a)または407(b))を形成した構造を備えることとする。
【0007】
ここで、上記チャネル層の膜厚は10nm以下で、またチャネル層の幅は100nm以下とするのがよい。
【0008】
またこの場合、上記チャネル層がコの字形の断面形状を有するように下地の絶縁膜を形成することが一つの特徴である。
【0009】
また、上記チャネル層の下地の絶縁膜のチャネル層に接する表面に、窒素原子が含まれていることが薄い安定なチャネル層を形成するのに好ましい。
【0010】
さらにあるいは、上記チャネル層の表面に保護膜としての絶縁膜を備えるようにすることにより損傷や汚染のない良質のチャネル層が得られ望ましい。
【0011】
また上記の目的を達成するための本発明の半導体記憶装置では、複数のデータ線と、これに交叉するワード線と、その交叉する位置に記憶素子を有するメモリアレー構成の半導体記憶装置において、その記憶素子が上記の本発明の単一電子素子であり、この単一電子素子を例えば図13にみられるように、そのソースとドレインをそれぞれ隣合うデータ線に接続し、ゲートをワード線に接続した構成を備えることとする。
【0012】
ここで、例えば図13または図14にみられるように、複数の単一電子素子が、それぞれのソースを共通のデータ線に接続し、その共通のデータ線を挟んで隣合うデータ線にそれぞれのドレインを接続し、さらにそれぞれのゲートを共通のワード線に接続する構成を備えるようにすることもできる。
【0013】
あるいは例えば図15または図16にみられるように、上記複数の単一電子素子の複数組がさらにワード線を共通にする構成を備えるようにすれば、同一のゲート電極で複数の素子を制御することができる。
【0014】
また、上記目的を達成するための本発明の単一電子素子の製造方法では、チャネル層を形成する工程として、例えば図1の(a)図にみられるように、シリコン基板101上に、その基板の表面層を形成させる第1の絶縁膜102と、チャネル層の下地膜としてチャネル層の幅に相当する厚さの第2の絶縁膜103と、その第2の絶縁膜よりエッチングレートの遅い第3の絶縁膜104とを順次形成する工程と、第2、第3の絶縁膜を所定の形状に加工する工程と、第2の絶縁膜103の側壁をエッチングして、第3の絶縁膜104のエッジ部分より後退させてコの字形の断面形状を形成する工程と、(b)図にみられるように、上記絶縁膜上に多結晶シリコン膜105を形成する工程と、(c)図にみられるように、異方性ドライエッチングにより上記多結晶シリコン膜105をエッチングして、第2の絶縁膜の側壁に多結晶シリコン膜105(a)、105(b)を残す工程を少なくとも含むこととする。
【0015】
さらに上記目的を達成するための本発明の半導体記憶装置の製造方法としては、複数のデータ線と、これに交叉するワード線と、その交叉する位置に記憶素子を有するメモリアレー構成の半導体記憶装置の製造方法において、上記記憶素子の形成工程に、例えば図8、図14にみられるように、上記本発明の単一電子素子の製造方法の工程を含むこととする。
【0016】
【作用】
本発明の単一電子素子の構成では、ソースとドレインをまたぎ、かつチャネル層の幅に相当する厚さの絶縁膜をチャネル層形成の下地として、その側壁にチャネル層を形成した構造を備えるものであり、このため本発明によれば、超薄膜多結晶シリコン膜の幅を下地の絶縁膜の膜厚により制御できるようになる。したがって100nm以下の幅でも極めて容易に形成することが可能になる。また、通常の光リソグラフィー、およびエキシマレーザリソグラフィー技術が適用できるので、量産性が飛躍的に向上する。
この場合、絶縁膜の側壁におけるチャネル層の形成については、本発明の単一電子素子の製造方法で、チャネル層形成の下地となる第2の絶縁膜の上に、これよりエッチングレートの遅い第3の絶縁膜を形成することにより、これらの絶縁膜を所定の形状に加工した後のエッチングにより、第3の絶縁膜のエッジ部分より第2の絶縁膜を後退させてコの字形の断面形状を容易に形成することが可能になる。そしてこれにより、これらの絶縁膜面に対するその後の多結晶シリコン膜の形成、および異方性ドライエッチングにより、コの字形のチャネル層が下地の絶縁膜の側壁に残ることとなり、チャネル層が容易に形成されることになる。
以上のように、本発明によれば、100nm以下の幅のチャネル層も容易に形成できることから、単一電子素子のみならずこれを用いた半導体記憶装置の構成も容易になる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)
以下、図1を用いて本発明のチャネル形成の第1の実施例を説明する。
先ず図1(a)において、最初にP型、(100)単結晶Si基板101を1000℃の水蒸気雰囲気中で熱酸化して、厚さ500nmのSiO2膜102を形成した後、CVD法により100nmのSiO2膜103、30nmのSi3N4膜104を順次堆積する。本実施例では、SiO2膜103はモノシラン(SiH4)と亜酸化窒素(N2O)を用いて750℃の温度で、Si3N4膜104はジクロルシラン(SiH2Cl2)とアンモニア(NH3)を用いて770℃の温度で堆積を行った。
次に、周知の光リソグラフィーおよびドライエッチング法により、上記Si3N4104/SiO2103積層膜を順次エッチングした後、1%のHF水溶液により上記SiO2膜103の側壁部をエッチングしてSi3N4膜104パターンエッジよりも後退させる。この場合に、Si3N4104はSiO2103よりエッチングレートが遅いので、エッチングによりSiO2膜の側壁がSi3N4膜のエッジ部分より後退する。本実施例においては、約15nmの後退をエッチングにより行った。
続いて、図1(b)において、CVD法により厚さ4nmの非晶質Si膜を堆積した後、800℃の窒素雰囲気中で熱処理を行い、非晶質Si膜を多結晶Si膜105に変換する。本実施例では非晶質Si膜の堆積にモノシラン(SiH4)を用い520℃の温度で堆積を行ったが、ジシラン(Si2H6)を用いることも無論可能である。
次に、図1(c)において、異方性ドライエッチング法により上記多結晶Si膜105をエッチングする。異方性ドライエッチングによれば、Si3N4膜104でマスクとなっている部分はエッチングされないので、SiO2膜103パターン側壁部には、ほぼSiO2膜厚分の多結晶Si膜パターン105(a),105(b)が形成される。
本実施例で重要なことは、超薄膜多結晶Si105の膜厚分以上にSi3N4膜104パターンエッジからSiO2膜103を後退させることである。SiO2膜103を後退させない方法、つまりSi3N4膜104をマスクとして用いない場合は、SiO2膜103側壁の多結晶Si膜105もエッチングされてしまうので所望の幅を確保出来ない。
本方法によれば、100nm以下の幅を制御性良く形成出来ること、および超薄膜多結晶Si膜105の断面形状がコの字型になることが大きな特徴である。
【0018】
(実施例2)
次に、本発明の第2のチャネル形成の実施例を図2を用いて説明する。
図2(a)において、実施例1と同様の方法で、単結晶Si基板201上に500nmのSiO2膜202、SiO2膜203、およびSi3N4膜204を形成した後、Si3N4204/SiO2203積層膜をパターンニングする。この後、1%HF水溶液を用いて露出したSiO2膜203側壁部を15nmエッチングする。
続いて、図2(b)において、CVD法により4nmの非晶質Si膜、および10nmのSiO2膜206を順次堆積する(図2(b))。上記非晶質Si膜は、10nmのSiO2膜206を堆積する際、炉内の温度(750℃)により多結晶Si膜205に変換される。
次に、図2(c)において、異方性ドライエッチング法により上記SiO2膜206、および多結晶Si膜205を順次エッチングして、SiO2膜203パターン側壁に多結晶Si膜205を残す。
本方法によれば、多結晶Si膜205のエッチングの際、10nmのSiO2膜206が保護膜となるので、プラズマダメージや汚染等の混入が全く無い良質の多結晶Si膜205を得ることが出来る。
【0019】
(実施例3)
次に、図3を用いて本発明のチャネル形成の第3の実施例を説明する。
図3(a)において、P型、(100)単結晶Si基板301を1000℃の水蒸気雰囲気中で熱酸化して、厚さ500nmのSiO2膜302を形成した後、CVD法により50nmのSi3N4膜303、50nmのSiO2膜304、30nmのSi3N4膜305を順次堆積する。
次に、周知の光リソグラフィーおよびドライエッチング法により、上記Si3N4305/SiO2304積層膜を順次エッチングした後、1%のHF水溶液により上記SiO2膜304の側壁部をエッチングしてSi3N4膜305よりも後退させる。本実施例においては、約10nmのエッチングを行った。続いて、800℃のアンモニア(NH3)雰囲気中で10分間の熱処理を行い、CVD−SiO2膜304膜の側壁部を窒化する。
次に、図3(b)において、CVD法により厚さ2.5nmの非晶質Si膜を堆積した後、短時間ランプアニール法を用いて900℃、30秒の窒素雰囲気中で熱処理を行い、非晶質Si膜を多結晶Si膜306に変換する。本実施例では非晶質Si膜の堆積にジシラン(Si2H6)を用い450℃の温度で堆積を行った。
CVD法により堆積する薄いSi膜は、下地表面の核発生密度と密接な関係があり核発生密度の小さい膜上では薄い連続膜を得ることが出来ない。一般に、SiO2膜上に比べSi3N4膜上に堆積する方が薄い連続膜が得られるため、超薄膜Si膜の下地膜としてはSiO2膜は好ましくない。しかし、Si膜を堆積する前にアンモニア雰囲気中で熱窒化を行えば、下地膜種に依らず薄い連続膜を得ることが可能となる。本実施例では、Si3N4305/SiO2304のパターニングを行った後に、アンモニアによる窒化処理を行ったが、SiO2304堆積直後に窒化処理を行っても同様な結果が得られる。
一方、多結晶Si膜のグレインサイズは、膜厚と結晶化方法によって大きく異なる。より小さいグレインサイズを得るには、Si膜厚を薄くすること、および高温短時間で結晶化する方法が有効である。本実施例で作製した多結晶Si膜306のグレインサイズは、3〜8nmと非常に微細な結晶粒が得られた。
次に、図3(c)において、実施例2と同様の方法で、多結晶Si膜306のエッチングの保護膜となるCVD−SiO2膜307を10nm堆積した後、異方性ドライエッチング法により上記CVD−SiO2307/多結晶Si膜306を順次エッチングして、窒化したSiO2膜204パターン側壁に多結晶Si膜306を残す。
【0020】
(実施例4)
次に、第4の実施例として、実施例1、3で示した方法を用いて試作した超薄膜多結晶Siトランジスタの実施例を示す(図4〜図8、図13〜図14)。図4〜図8に本実施例の製作工程を、また図13に、本実施例で試作した超薄膜多結晶Siトランジスタのメモリアレー部の等価回路図を、図14にそのメモリアレー部の平面レイアウト図をそれぞれ示す。
図4、図14において、P型、(100)単結晶Si基板401を熱酸化して、500nmのSiO2膜402を形成した後、CVD法により50nmのSi3N4膜403、および高濃度にリンを含んだ70nmのリンドープ多結晶Si膜404を順次堆積する。続いて、クリプトンフロライド(KrF)エキシマレーザリソグラフィーおよびドライエッチング法により、上記リンドープ多結晶Si膜404をパターンニングして、多結晶Siトランジスタのソース、ドレインとなる共通ソース線404(a),601、およびデータ線404(b),602(a),602(b)を形成する。本実施例においては、上記リンドープ多結晶Si膜404,601,602の堆積にモノシラン(SiH4)とフォスフィン(PH3)ガスを用い、600℃の温度で堆積を行った。この後、CVD法により70nmのSiO2膜405、30nmのSi3N4膜406を順次堆積した後、共通ソース線404(a),601、データ線404(b),602,(a)(b)に直交するようにSi3N4406/SiO2405積層膜のパターンニングを行う。
【0021】
次に、図5、図14において、1%のフッ酸水溶液を用いて上記70nmのSiO2膜405の側壁部をエッチングしてSi3N4膜406パターンエッジから約15nm後退させた後、750℃のアンモニア雰囲気中で熱処理を行いSiO2膜405の側壁部を窒化処理する。続いて、CVD法を用いて約3nmの非晶質Si膜を堆積した後、短時間アニール法により900℃、30秒の熱処理を行い上記非晶質Si膜を多結晶Si膜407,603に変換する。本実施例においては、上記非晶質Si膜の堆積にモノシラン(SiH4)を用い、500℃の温度で堆積を行った。
【0022】
次に、図6、図14において、異方性ドライエッチング法により多結晶Si膜407,603をエッチングする。Si3N4膜406がマスクとなっている部分はエッチングされないため、Si3N4406/SiO2405積層膜周辺は、厚さ約3nm、幅70nm程度の多結晶Si膜407のパターンが形成される。
【0023】
次に、図7、図14において、エキシマリソグラフィー法により所定の形状にホトレジストパターン408を形成した後、等方性ドライエッチング技術により多結晶Si膜407の不要な部分(図7(b)で共通ソース線404(a)、データ線404(b)の配線と平行する405の両端部分、および図14のチャネル層除去部分)をエッチングする。この工程で、多結晶Si膜パターン407(a),407(b),603は個々に絶縁されることになる。
次に、酸素プラズマアッシャ処理を行い、ホトレジストパターン408を除去した後、稀フッ酸水溶液によりウエーハ表面の洗浄を行う。
【0024】
次に、図8、図14において、CVD法によりゲート絶縁膜409となるSiO2膜409を20nm、ゲート電極410,604となるリンドープ多結晶Si膜410,604を50nm堆積した後、エキシマレーザリソグラフィーおよびドライエッチング法により上記リンドープ多結晶Si膜410,604パターンニングしてワード線(ゲート電極)410(a),410(b),604とする。
【0025】
図13、図14において、共通ソース線601、データ線602(a),(b)、およびワード線604のパターンニングには、KrFエキシマレーザリソグラフィーと位相シフト技術を適用し、最小加工寸法0.16μm(ピッチ0.32μm)のライン/スペースを実現した。また、チャネルが形成される超薄膜多結晶Si膜603の線幅は、光リソグラーフィー解像限界以下の70nmを達成した。
【0026】
(実施例5)
次に、図9〜図12、図15〜図16を用いて本発明の第5の実施例を示す。図9〜図12に本実施例の製作工程を、また図15に、本実施例で試作した超薄膜多結晶Siトランジスタのメモリアレー部の等価回路図を、図16にそのメモリアレー部の平面レイアウト図を示す。
図9において、実施例3と同様の方法で、単結晶Si基板501上に500nmのSiO2膜502、50nmのCVD−Si3N4膜503、および50nmのリンドープ多結晶Si膜504を形成した後、上記リンドープ多結晶Si膜504をパターンニングして共通ソース線504(a),701、データ線504(b),702(a),(b)とする。次に、50nmのCVD−SiO2膜505、30nmのCVD−Si3N4膜506を順次堆積した後、Si3N4506/SiO2505/Si3N4503積層絶縁膜を所定の形状に加工する。続いて、1%フッ酸水溶液で積層絶縁膜のSiO2膜505側壁部分をエッチングして、パターンエッジより20nm後退させる。この後、750℃のアンモニア雰囲気中で10分間の熱処理を行い、SiO2膜505側壁部分の窒化を行う。
【0027】
次に、図10、図16において、ジシラン(Si2H6)の熱分解を用いたCVD法により、6nmの非晶質Si膜を堆積した後、ランプ加熱による短時間酸化法により上記非晶質Si膜を酸化して多結晶Si膜507,703に変換すると共に、6nmのSiO2膜508を形成する。本実施例においては、上記SiO2膜508を1000℃の乾燥酸素雰囲気により形成した。このSiO2膜508の形成により、多結晶Si膜507,703の膜厚は堆積時の7nmから3nmへ薄膜化されると同時に、多結晶Si膜507,703のドライエッチングによるダメージ、汚染等の保護膜となる。次に、多結晶Si膜507,703のエッチングの保護膜となるSiO2508膜、および多結晶Si膜507,703を順次エッチングして、窒化したSiO2膜505パターン側壁に多結晶Si膜507,703を残す。
【0028】
次に、図11、図16において、1%希フッ酸水溶液により、上記多結晶Si膜507上のSiO2508膜を除去した後、実施例4と同様にエキシマリソグラフィー法により所定の形状にホトレジストパターンを形成し、等法性ドライエッチング技術により多結晶Si膜507,703の不要な部分(図11では共通ソース線504(a)、データ線504(b)の配線と平行する505の両端部分および図16のチャネル層除去部分)をエッチングする。この工程で、多結晶Si膜パターン507(a),507(b),703は個々に絶縁されることになる。
【0029】
次に図12、図16において、CVD法によりゲート絶縁膜509となるSiO2膜509を20nm、ゲート電極510,704となるリンドープ多結晶Si膜510,704を50nm堆積した後、エキシマレーザリソグラフィーおよびドライエッチング法により上記リンドープ多結晶Si膜510,704パターンニングしてワード線(ゲート電極)510,704とする。
【0030】
図15、図16に示すように、本実施例では、1つのゲート電極(ワード線)704で、独立した2つのトランジスタが動作するようになっている。すなわち、ドレイン電流はしきい値の低いトランジスタの方で律速するようになるため、トランジスタ1つの場合に比べ素子間のしきい値のバラツキを低減することができる。また、本実施例では2つのトランジスタを同一ゲート電極で制御するようにしたが、2つ以上の制御も可能である。また、チャネルが形成される超薄膜多結晶Si膜703の線幅は、光リソグラーフィー解像限界以下の50nmを達成した。
【0031】
【発明の効果】
本発明の単一電子素子によれば、超薄膜多結晶Si膜の幅を下地の絶縁膜の膜厚により制御できるため、100nm以下の幅でも極めて容易に制御できる。また、通常の光リソグラフィー、およびエキシマレーザリソグラフィー技術が適用できるので、量産性が飛躍的に向上する。したがって、単一電子素子を用いた半導体記憶素子を容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施例を示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施例を示す平面図および断面図。
【図5】本発明の第4の実施例を示す平面図および断面図。
【図6】本発明の第4の実施例を示す平面図および断面図。
【図7】本発明の第4の実施例を示す平面図および断面図。
【図8】本発明の第4の実施例を示す平面図および断面図。
【図9】本発明の第5の実施例を示す平面図および断面図。
【図10】本発明の第5の実施例を示す平面図および断面図。
【図11】本発明の第5の実施例を示す平面図および断面図。
【図12】本発明の第5の実施例を示す平面図および断面図。
【図13】本発明の第4の実施例を示すメモリアレー部の等価回路図。
【図14】本発明の第4の実施例を示すメモリアレー部の平面レイアウト図。
【図15】本発明の第5の実施例を示すメモリアレー部の等価回路図。
【図16】本発明の第5の実施例を示すメモリアレー部の平面レイアウト図。
【図17】従来方法を説明する平面図および断面図。
【図18】単一電子素子の説明を行う補足図。
【図19】単一電子素子の問題点の説明を行う補足図。
【符号の説明】
101,201,301,401,501,801………………結晶Si基板
102,202,302,402,502,802………………Si熱酸化膜
103,203,304,405,505……………………CVD−SiO2
104,204,303,305403,406,503,506………CVD−Si3N4
105,205,306,407,507,804………………超薄膜多結晶Si(チャネル層)
409,509,805………………………………ゲート酸化膜
410,510,604,704,806……………………ゲート電極(ワード線)
404(a),504(a),601,701,803(a)…………ソース(共通ソース線)
404(b),504(b),602,702,803(b)…………ドレイン(データ線)
Claims (10)
- ソースとドレインと前記ソースとドレイン間に接続された多結晶シリコン薄膜内に電流経路となるチャネルが形成されるとともに前記チャネルからはじき出された電子が注入できる程度の前記チャネル近傍に電子を蓄積する蓄積ノードとして作用するグレインが形成される前記多結晶シリコン薄膜からなるチャネル層を有する絶縁ゲート型電界効果トランジスタとしての単一電子素子において、
上記ソースとドレインをまたぎ、かつチャネル層の幅に相当する厚さの絶縁膜を有し、その側壁に上記チャネル層を形成したことを特徴とする単一電子素子。 - 請求項1記載の単一電子素子において、上記チャネル層の膜厚が10nm以下で、チャネル層の幅が100nm以下であることを特徴とする単一電子素子。
- 請求項1または請求項2記載の単一電子素子において、上記チャネル層の断面形状がコの字形であることを特徴とする単一電子素子。
- 請求項1から請求項3の何れかに記載の単一電子素子において、上記チャネル層に接しているチャネル層の幅に相当する厚さの前記絶縁膜の側壁の表面に、窒素原子が含まれていることを特徴とする単一電子素子。
- 請求項1から請求項4の何れかに記載の単一電子素子において、上記チャネル層の表面に保護膜としての絶縁膜を備えることを特徴とする単一電子素子。
- 複数のデータ線と、これに交叉するワード線と、その交叉する位置に記憶素子を有するメモリアレー構成の半導体記憶装置において、
上記記憶素子が請求項1から請求項5の何れかに記載の単一電子素子であり、該単一電子素子のソースとドレインをそれぞれ隣合うデータ線に接続し、ゲートをワード線に接続した構成を備えることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項6記載の半導体記憶装置において、複数の単一電子素子が、それぞれのソースを共通のデータ線に接続し、該共通のデータ線を挟んで隣合うデータ線にそれぞれのドレインを接続し、さらにそれぞれのゲートを共通のワード線に接続する構成を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
- 請求項7記載の半導体記憶装置において、上記複数の単一電子素子の複数組がさらにワード線を共通にする構成を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
- シリコン基板上に、その基板の表面層を形成させる第1の絶縁膜を形成し前記第1の絶縁膜上に単一電子素子のソース、ドレインとなる導電体膜を形成した後、前記導電体膜および第1の絶縁膜上にチャネル層の下地膜としてチャネル層の幅に相当する厚さの第2の絶縁膜と、その第2の絶縁膜よりエッチングレートの遅い第3の絶縁膜とを順次形成する工程と、前記第2、第3の絶縁膜を前記導電体膜に直交する形状に加工する工程と、前記第3の絶縁膜と第2の絶縁膜のエッチングレートの違いを用いて前記第2の絶縁膜の側壁をエッチングして、第3の絶縁膜のエッジ部分より後退させて前記第1、第2、第3の絶縁膜からなるコの字形の断面形状を形成する工程と、上記第1、第2、第3の絶縁膜上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、前記多結晶シリコン膜を異方性ドライエッチングによりエッチングして前記第1、第3の絶縁膜上の前記多結晶シリコン膜を除去して、前記第2の絶縁膜の側壁に電流経路となるチャネルが形成されるとともに前記チャネルからはじき出された電子が注入できる程度の前記チャネル近傍に電子を蓄積する蓄積ノードとして作用するグレインが形成される多結晶シリコン膜を残し、前記ソース、ドレインとなる導電体膜間をつなぐチャネル部分を形成する工程と、前記チャネル部分の上にゲート絶縁膜、ゲート電極を形成する工程を少なくとも含むことを特徴とする単一電子素子の製造方法。
- 複数のデータ線と、これに交叉するワード線と、その交叉する位置に記憶素子を有するメモリアレー構成の半導体記憶装置の製造方法において、上記記憶素子の形成工程に、請求項9記載の単一電子素子の製造方法の工程を含むことを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
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