JP3625336B2 - 磁気抵抗効果ヘッド - Google Patents

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    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク装置等に用いられる磁気抵抗効果ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磁気記録媒体に記録された情報の読み出しは、コイルを有する再生用磁気ヘッドを記録媒体に対して相対的に移動させ、そのときに発生する電磁誘導でコイルに誘起される電圧を検出する方法によって行われている。また、情報を読み出す場合に、磁気抵抗効果ヘッド(以下、MRヘッドと記す)を用いることも知られている。
【0003】
上述したMRヘッドは、ある種の強磁性体の電気抵抗が外部磁場の強さに応じて変化するという現象を利用したものであり、磁気記録媒体用の高感度ヘッドとして知られている。近年、磁気記録媒体の小型・大容量化が進められ、情報の読み出し時の再生用磁気ヘッドと磁気記録媒体との相対速度が小さくなってきている。このため、小さい相対速度であっても、大きな出力がとり出せるMRヘッドへの期待が高まっている。
【0004】
ここで、上述したMRヘッドとしては、電流の方向と強磁性層の磁化との成す角度に依存して電気抵抗が変化する異方性磁気抵抗効果(以下、AMRと記す)を示す Ni−Fe系合金いわゆるパーマロイ合金膜等を用いたAMRヘッドと、強磁性層と非磁性中間層との積層構造を有し、巨大磁気抵抗効果(以下、GMRと記す)を示すスピンバルブ膜や人工格子膜を用いたGMRヘッドが知られている。
AMRヘッドは、入力電流(センス電流)と磁化Mとが平行のときの抵抗率ρ〈平行〉と、垂直のときの抵抗率ρ〈垂直〉とが大きく異なることに基くものであり、一般にρ〈平行〉>>ρ〈垂直〉である。電流iと磁化Mとの成す角をθとすると、AMR膜の抵抗ρは、
ρ=ρ〈平行〉 cosθ+ρ〈垂直〉 sinθ
と表すことができ、図5に示すように抵抗ρが変化する。従って、AMRヘッドを再生ヘッドとして用いる場合には、θを45度付近まで傾けることによって最大の磁気抵抗変化率を得ることができる。
【0005】
AMRヘッドの具体的な構造としては、例えば図7に示す構造が知られている(信学技法MR87−3(1987)など)。図示される通り、AMR膜1は非磁性膜2を介して軟磁性バイアス膜3上に形成されており、AMR膜1の両端部上には反強磁性バイアス膜4、4とセンス電流を供給する端子5、5が積層形成されている。このようなAMRヘッドにセンス電流を流すことによって、その電流がつくる磁場が軟磁性バイアス膜3にかかる。これにより、軟磁性バイアス膜3は磁化され、その磁化がつくる磁場によってAMR膜1の磁化を回転させることができる。このようなAMRヘッドは、良好な軟磁気特性を示すものでも、磁気抵抗変化率が3%程度であり、高記録密度化に伴う磁気記録媒体からの信号磁界の低下に対応できないおそれが生じている。
【0006】
そこで最近では、図8に示すように、強磁性層6/非磁性中間層7/強磁性層8のサンドイッチ構造膜等のGMR膜9を用いたGMRヘッドが注目されている。GMRヘッドの磁気抵抗変化率は、常温で 10%を超えるものが報告されている(日本応用磁気学会誌17,91(1993)等参照)。
【0007】
GMRヘッドは、AMRヘッドとは異なり、強磁性層6、8に含まれる磁化が互いに平行のときに抵抗が低く、反平行のときに抵抗が高くなる。図8の構造の場合、上側の強磁性層8の磁化は反強磁性交換バイアス膜10により固着されており、下側の強磁性層6は磁化が自由に動くように構成されている。そして、この強磁性層6に接して軟磁性下地膜11を配置することによって、入力磁束をGMR膜9に確実に引き込むことができる。さらに、この軟磁性下地膜11と強磁性層6とは強磁性カップリングしていることから、軟磁性下地膜11の磁化回転に伴って強磁性層6の磁化が回転する。なお、軟磁性下地膜11の両端下部には、強磁性バイアス膜12、12がそれぞれ設けられている。
【0008】
ところで、AMRヘッドおよびGMRヘッドのいずれにおいても、信号磁界による抵抗変化を取出すことで記録の読み出しを行うため、センス電流を入力して抵抗変化を電圧の変化として取出すことになる。ここで、上述した軟磁性バイアス膜3および軟磁性下地膜11は、AMR膜1やGMR膜9と間接的または直接接して配置されているため、これら軟磁性膜3、11にもセンス電流が流れることになる。この軟磁性膜3、11に流れ込む電流の量、いわゆるシャント電流の量は無視できず、それがないときに比べて抵抗変化が小さくなってしまう。仮に、軟磁性膜3、11の抵抗がAMR膜1やGMR膜9の抵抗と同じであるとすると、磁気抵抗変化率が半分になってしまう。このようなことから、軟磁性膜3、11には抵抗が大きいことが望まれている。
【0009】
一方、図7および図8に示したように、軟磁性膜3、11はAMR膜1やGMR膜9の下側に形成される場合が多く、このような配置では軟磁性膜3、11がAMR膜1やGMR膜9の配向性に影響を与えることになる。ここで一般には、軟磁性膜3、11にAMR膜1やGMR膜9のfcc(111)配向性を高める働きを持たせることによって、素子特性を向上させることが可能となる。
【0010】
そこで、例えば軟磁性膜3、11にパーマロイ膜を用いて、GMR膜9のfcc (111) 配向性を向上させることが試みられている。しかし、十分な磁気抵抗変化率は得られていないことから、パーマロイ膜によるfcc(111)配向性はまだ不十分であることが分かる。
【0011】
また、軟磁性膜3,11の特性を改善するために、例えばNiFeを主成分とし、これに添加元素を加える方法が考えられる。実際に、Nb、Zr等を添加することにより、抵抗を増大させることが報告されている(J.Appl.Phys.69,5631(1991))が、もう 1つ重要な特性であるfcc(111)配向性についてはさほど改善されず、それどころか添加量をある程度以上増やすことで逆に低下してしまい、飽和磁化も下がってしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来はAMR膜やGMR膜の下地となる軟磁性膜の高抵抗化についての提案はなされているものの、AMR膜やGMR膜の配向性の向上については十分には検討されておらず、高抵抗化とfcc(111)配向性の向上を共に満足させ得る軟磁性膜は得られていない。
【0013】
本発明は、このような課題に対処するためになされたもので、MR膜の下地となる軟磁性膜の抵抗を増大させると共に、fcc(111)配向性を高めることで、磁気抵抗変化率等の特性の向上を図った磁気抵抗効果ヘッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の磁性抵抗効果ヘッドは、非磁性中間層を介して配置された少なくとも一対の強磁性層を有する巨大磁気抵抗効果膜と、前記一対の強磁性層の下地としていずれか一方に接して設けられた結晶性軟磁性膜とを有する磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記結晶性軟磁性膜は、Ni、FeおよびCoから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、実質的に前記主成分と固溶体を形成するCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM’元素とが同時に添加されていることを特徴としている。さらにまた請求項9に記載のように、非磁性中間層を介して配置された少なくとも一対の強磁性層を有し前記強磁性層の一方はその磁化が自由に動く第1の強磁性層で構成されている巨大磁気抵抗効果膜と、下地として前記第1の強磁性層に接して設けられた結晶性軟磁性膜とを有する磁気抵抗効果ヘッドであって、前記結晶性軟磁性膜は、Ni、FeおよびCoから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、Cr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM’元素とが同時に添加されていることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッドである。
【0015】また本発明の第2の磁気抵抗効果ヘッドは、異方性磁気抵抗効果膜と、前記異方性磁気抵抗効果膜の下地として直接接してまたは非磁性膜を介して設けられた結晶性軟磁性膜とを有する磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記結晶性軟磁性膜は、Ni、FeおよびCoから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、実質的に前記主成分と固溶体を形成するCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM´元素とが同時に添加されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の磁気抵抗効果ヘッドは、第1および第2の強磁性膜と、前記第1および第2の強磁性膜の間に配置された非磁性層を有する積層膜からなる巨大磁気抵抗効果膜と、前記第1および第2の強磁性膜のうち少なくとも1層と接して前記積層膜に配置されたNiFe合金を主成分とする結晶性軟磁性膜とからなる磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
前記第1および第2の強磁性膜のうち1層はCoまたはCo合金からなり、また前記結晶性軟磁性膜は、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、実質的に前記主成分と固溶体を形成するCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM’元素とが同時に添加されていることを特徴としている。
【0017】
以下さらに本発明について詳細に説明する。
【0018】
本発明で用いる結晶性軟磁性膜は、主成分としてNi、FeおよびCoから選ばれた少なくとも 1種の元素を用い、この主成分の抵抗と軟磁気特性を向上させるために、結晶粒界を形成する M元素を添加している。この主成分としては、NiFe合金が好ましく、特に一般式、Ni100−b Feで表される組成を有する合金がより好ましい。ここで bはat%で、0 < b ≦ 50 、より好ましくは10 < b≦ 40 を満足する数値である。
【0019】
また M元素としては、Nb、Mo、 V、 W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれる少なくとも 1種の元素を挙げることができる。ただし、 M元素の添加量を多くしていくと抵抗は増大するものの、粒界が細かくなり、最終的にはアモルファスに近くなる。このため、配向性を保つという観点からは M元素をあまり多く添加することができず、 M元素のみの添加だけでは求める特性を得ることはできない。
【0020】
そこで、結晶粒内で上記した主成分と固溶してfcc(111)配向性を高め、かつフェルミ面近傍の電子散乱に寄与するという、粒界形成とは異なる M′元素を本発明においてはさらに加える。これにより、結晶性軟磁性膜の例えば 100μΩcmを超える高抵抗化を図りながら、高透磁率の優れた軟磁気特性と良好なfcc(111)配向性を得ることが可能となる。このような M′元素としては、Cr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれる少なくとも 1種の元素を挙げることができる。ただし、このような M′元素のみの添加では、結晶性軟磁性膜の十分な高抵抗化を達成することができない。
【0021】
上述した M元素および M′元素は、いずれも過剰に添加し過ぎるとfcc(111)配向性や軟磁気特性が低下するため、 M元素および M′元素のいずれの添加量も 20at%以下とすることが好ましく、また0.1at%未満ではそれらの添加効果を十分に得ることができない。従って、本発明で用いる結晶性軟磁性膜は、
一般式: T1−(x+y M′
(式中、 TはNi、FeおよびCoから選ばれた少なくとも 1種の元素を、 MはNb、Mo、 V、 W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも 1種の元素を、 M′はCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも 1種の元素を、 xおよび yは 0.001≦ x≦ 0.200、 0.001≦ y≦ 0.200を満足する数を示す)
で実質的に表される組成を有することが好ましい。
【0022】
また、上述した結晶性軟磁性膜の膜厚は、 1〜 100nm程度とすることが好ましい。結晶性軟磁性膜の膜厚が 1nm未満であるとその結晶性が損われて配向性が低下しやすく、一方 100nmを超えると高抵抗の結晶性軟磁性膜であっても、それに流れ込むシャント電流の量が増大して、磁気抵抗効果ヘッドの抵抗変化が小さくなってしまうおそれがある。なお本発明においては、この結晶性軟磁性膜は、保磁力800A/m未満、より好ましくは 80A/m以下程度の軟磁気特性を有するものであればよく、また結晶性についてはX線回折により容易に確認できる。
【0023】
さらに本発明においては、結晶性軟磁性膜の下地にTi、Ta、Zr、Cr、NbおよびHfから選ばれた少なくとも 1種を主成分とする非磁性金属膜を設け、結晶性軟磁性膜の結晶性を高めることも有効である。このような下地の非磁性金属膜を結晶性軟磁性膜に接して設けることで、結晶性軟磁性膜の成長が促進されて、その膜厚が 1nm前後と薄い場合でも結晶化させることが容易となり、ひいてはfcc(111)配向性が向上する。ここで、上述した非磁性金属膜の膜厚は 1〜 100nm程度とすることが好ましい。非磁性金属膜の膜厚が 1nm未満であると、結晶性軟磁性膜の結晶性を十分に高めることが困難となり、一方 100nmを超えるとそれに流れ込むシャント電流の量が増大し、磁気抵抗効果ヘッドの抵抗変化が小さくなってしまうおそれがある。
【0024】
本発明の第1の磁気抵抗効果ヘッドは、上述したような結晶性軟磁性膜上に、非磁性中間層を介して配置された少なくとも一対の強磁性層を有する巨大磁気抵抗効果膜(GMR膜)を、一方の強磁性層が上記結晶性軟磁性膜と接するように形成したものである。
【0025】
前記強磁性層に使用する強磁性膜材料としては、Co、 CoFe 、CoNi、NiFe、センダスト、NiFeCo、FeN 等があげられる。これらの強磁性膜の厚さは、1 〜20nmであることが好ましい。この結晶性軟磁性膜上に配置された強磁性層は fcc (111) 配向強磁性層である。また前記強磁性層は、好ましくは、CoまたはCo合金であって、このCo合金はさらに好ましくはCoFe合金である。前記CoFe合金は、一般式、Co100−a Feで表される合金で、ここで aはat% で、0 <a ≦50、好ましくは5 ≦a ≦40を満足する数値である。
【0026】
さらにまた、非磁性膜としての材料としては、Mn、Fe、Ni、Cu、Al、Pd、Pt、Rh、Ru、Ir、Au、Ag等の非磁性金属やCuPd、CuPt、CuAu、CuNi等の合金があげられる。これらの非磁性膜の厚さは、0.5 〜20nmであることが好ましい。
このような構成とすることによって、GMR膜のfcc(111)配向性が高まり、それによってGMR膜の軟磁気特性や抵抗変化率を高めることができる。さらに、結晶性軟磁性膜の抵抗が高いことから、結晶性軟磁性膜に流れ込む電流の量を大幅に減らすことができる。従って、このようなGMR膜を用いて構成した磁気抵抗効果ヘッドの磁気抵抗変化率を向上させることができ、さらに一定の磁界に対して示すMR感度も上げることができる。ここで、上記巨大磁気抵抗効果膜としては、例えばCo/Cu/Co、CoFe/Cu/CoFe、NiFe/Cu/NiFe等のいわゆるスピンバルブ膜や (Fe/Cr)積層膜、 (Co/Cu)積層膜等の人工格子膜が用いられる。
【0027】
また、本発明の第2の磁気抵抗効果ヘッドは、上述したような結晶性軟磁性膜を例えば軟磁性バイアス膜として用い、その上に直接もしくは非磁性膜を介して異方性磁気抵抗効果を示す強磁性膜(AMR膜)を形成したものである。このような構成とすることにより、AMR膜のfcc(111)配向性が高まり、抵抗変化率を高めることができる。さらに、軟磁性バイアス膜の抵抗が高いことから、それに流れ込む電流の量を大幅に減らすことができる。従って、GMR膜の場合と同様に、このようなAMR膜を用いて構成した磁気抵抗効果ヘッドの磁気抵抗変化率を向上させ、さらにMR感度も上げることができる。
【0028】
ここで、異方性磁気抵抗効果膜としては、パーマロイ合金等の Ni−Fe系合金膜等が用いられる。また、必要に応じてAMR膜と結晶性軟磁性膜の間に形成される非磁性金属膜として、Ti、Ta、Zr、Pt、Au、Ag、Cu、Pd等を用いることができ、この非磁性膜の抵抗を考慮するとTi、Ta、Zrが、配向性の観点からはPt、Au、Ag、Cu、Pdが好ましい。なお、Pt、Au、Ag、Cu、Pdについては、Ni、Fe、Co、Cr、Mn等を添加して合金化することで、非磁性膜の高抵抗化を図ってもよい。ここで、この非磁性膜の膜厚は、そこに流れ込むシャント電流の量を抑える上で 100nm以下とすることが好ましい。
【0029】
前記第1および第2の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、本発明の磁気抵抗効果ヘッドは、下地層として前記結晶性軟磁性膜の下地膜としてアモルファス磁性層を含むことができる。
【0030】
つぎに、本発明の磁気抵抗効果デバイスは、NiFe合金からなる磁性膜は、Coをさらに含むこともできる。また前記NiFe合金は、一般式: T1−(x+y M′であらわされる組成を有する。式中、 TはNiおよびFe、 MはNb、Mo、 V、 W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも 1種の元素を、 M′はCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも 1種の元素を、 xおよび yは、それぞれ 0.001≦ x≦ 0.200、 0.001≦ y≦ 0.200を満足する数を示す。
【0031】
また、上記 Tは、一般式、Ni100−b Feで実質的に表される組成を有することが好ましい。ここで bはat% であって、0 < b≦50を満足する数値である。
【0032】
また前記磁気抵抗効果デバイスにおいて、第1および第2の強磁性層の1層はCoまたはCo合金のfcc(111)配向膜からなる。このCo合金は、一般式Co100−a Feであらわされる組成を有する。ここで aはat% であって、5 ≦ a≦40を満足する数値である。
【0033】
さらに、この磁気抵抗効果デバイスは、磁性膜の下地にTi、Ta、Zr、Cr、NbおよびHfから選ばれた少なくとも 1種を主成分とする非磁性金属膜を設けることもできる。
【0034】
また、磁性膜の下地層としてアモルファス磁性層を含むこともできる。
【0035】
【発明の実施の形態】
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0037】
実施例1
まず、熱酸化膜100nm 付きSi基板上に、NiFeパーマロイに、NbとCrを添加したNi73.7Fe19.0Nb3.8 Cr3.5 組成の結晶性軟磁性膜を10nmの膜厚で形成した。次いで、この結晶性軟磁性膜を軟磁性ヨーク膜として用いて、その上にCoFePd(4nm)/Cu(2.5nm)/CoFePd(4nm)の積層膜をスピンバルブ膜として形成し、さらにその上に反強磁性交換バイアス膜として膜厚15nmのFeMn合金膜を形成した。なお、軟磁性ヨーク膜の両端部下には、強磁性バイアス膜として膜厚20nmのCoPt膜を予め形成しておいた。そして、反強磁性交換バイアス膜上に、センス電流を供給するTa/Cu/Taからなる一対の端子を形成して、GMRヘッドを作製した。なお、GMRヘッドの具体的な構造は、図8に示した従来のGMRヘッドと同一とした。
【0038】
比較例1
また、従来のGMRヘッドとして、実施例1と同様の熱酸化膜100nm 付きSi基板上に、NiFe(10 nm)/CoFePd(4nm)/Cu(2.5nm)/CoFePd(4nm)/FeMn(15nm)の積層膜を形成して、GMRヘッド(比較例1)を作製した
このようにして得た実施例1および比較例1のGMRヘッドにおけるfcc(111)配向性を調べた。図1は実施例1のGMRヘッドにおけるGMR膜のX線回折による (111)ピーク付近のプロファイルであり、図2は比較例1のGMRヘッドにおけるGMR膜の (111)ピーク付近のプロファイルである。
【0039】
図1および図2から明らかなように、実施例1のGMRヘッドは、従来のGMRヘッドと比べて10倍以上の (111)ピーク強度が得られている。なお、肩になっているピークは積層構造に基くものであり、また fcc構造に関わるピークは他に見られないことから、 (111)ピーク強度をfcc(111)配向性のパラメータとして用いることができる。
【0040】
また、上述した実施例1および比較例1のGMRヘッドにおいて、比較例1のGMRヘッドで軟磁性ヨーク膜として用いたNiFeNbCr膜の抵抗は 110μΩcmであった。これは、比較例1のNiFeパーマロイの抵抗値が 30 μΩcmであることを考えると、 M元素および M′元素の両元素が添加されたことによって、高いfcc(111)配向性を示しながら抵抗値を高くし得ることが分かる。
【0041】
さらに、重要な特性の 1つである磁気抵抗変化率は、比較例1のGMRヘッドでは2.5%であったのに対し、実施例1のGMRヘッドでは 10%を超える良好な値(10.3%)が得られ、MR感度も比較例1の1.0%に対して2.0%と向上していた。これはGMR膜と積層された軟磁性膜の高抵抗化およびfcc(111)配向性の向上に起因するものであり、特にfcc(111)配向性の向上がこれらの特性を上げているものと考えられる。
【0042】
このように、NiFe合金等の主成分に性質の異なる 2種類の元素を添加した結晶性軟磁性膜を用いることによって、GMRヘッドの特性の向上がみられ、本発明の有用性を示している。なお、これらの結果を表1および表2に示す。
【0043】
次に、上記NiFeNbCr膜からなる結晶性軟磁性膜の膜厚と磁気抵抗変化率(GMR変化率)との関係を図3に示す。図3から、結晶性軟磁性膜の膜厚は 1〜 100nmの範囲とすることが望ましいことが分かる。結晶性軟磁性膜の膜厚が 1nm未満であると、膜の初期成長段階であるために結晶化し難く、配向性が悪くなることから、十分な磁気抵抗変化率が得られていない。一方、結晶性軟磁性膜の膜厚が 100nmを超えると、シャント電流を十分に減少させることができないことから、磁気抵抗変化率が低下する傾向がある。
【0044】
本実施例の主成分であるNiFeの成分の良好な範囲としては、軟磁気特性と磁気モーメントの大きさのバランスを考慮するとNiが60at.%から90at.%の範囲、Feが40at.%から10at.%の範囲が望ましい。
【0045】
また、主成分として、NiFeCoの3元系を用いることもできる。前述のNiFeの組成範囲に対して、Coを50at.%未満入れることにより軟磁気特性を改良させることができる。しかしこれ以上入れると保磁力Hcが大きくなりすぎて、軟磁気特性が悪くなってしまう。
【0046】
なお、本実施例については、熱酸化膜付きSi基板を用いたが、アルチック基板に成膜したアルミナ膜を用いても同様な効果が確認できた。
【0047】
実施例2
実施例1では、熱酸化膜付きSi基板、あるいはアルミナ膜上に直接結晶性軟磁性膜を成長させた場合について行ったが、実施例2では、熱酸化膜付きSi基板、あるいはアルミナ膜による下地の影響を緩和し、スピンバルブ膜のfcc(111)配向性を高めるために、結晶性軟磁性膜の下地膜として、アモルファスの Co 87Zr5.5 Nb7.5 膜を10nm成膜し、その上にNi73.7Fe19.0Nb3.8 Cr3.5 組成の結晶性軟磁性膜を5nm の膜厚で成膜した。ついでその上に実施例1と同様のスピンバルブ膜と反強磁性交換バイアス膜を形成した。
【0048】
このようにして作成したGMRヘッドにおけるGMR膜のfcc(111)配向性を調べた。その結果、fcc(111)ピークを示す強度が実施例1とほぼ等しいことを確認した。これは結晶性軟磁性膜の膜厚が実施例1の半分になっているにもかかわらず高いfcc(111)配向をしていることを示している。
【0049】
このように本実施例2では、下地膜にシャント電流が流れてしまうが、高いfcc(111)配向が得られ、結果としてGMR変化率が11%、GMR感度が2.2%/Oeと実施例1より高くなった。また下地膜を用いることにより結晶性軟磁性膜と併せて高い軟磁性を得ることができた。
【0050】
また、下地膜を形成した時の結晶性軟磁性膜の膜厚と磁気抵抗変化率(GMR変化率)との関係を図4に示す。図3とは異なり、5nm 付近の膜厚で高い磁気抵抗変化率が得られ、下地膜は結晶性軟磁性膜の成長を助けていることが分かる。
この結晶性軟磁性膜のfcc(111)配向性を高める下地膜にはアモルファスのCoZrNb系、FeTa系また微結晶膜のFeN 系、FeZrN 系などが同様な効果を示す。
【0051】
実施例3
前述の実施例2では結晶性軟磁性膜のfcc(111)配向性を高める下地膜として単層の下地膜を用いたが、その下地膜の代わりに非磁性の下地膜と磁性下地膜からなる多層膜も使用することができる。
【0052】
本実施例では、非磁性膜にTaを5nm 、その上にCo87Zr5.5 Nb7.5 膜を5nm 形成した下地の上に、Ni73.7Fe19.0Nb3.8 Cr3.5 組成の結晶性軟磁性膜を5nm 成膜し、次いで、その上に実施例1と同様のスピンバルブ膜と反強磁性交換バイアス膜を形成した。
【0053】
このようにして作成したGMRヘッドにおけるGMR膜のfcc(111)配向性を調べた。その結果、fcc(111)ピークを示す強度が実施例1とほぼ等しいことがわかり、前記のような2層の下地膜を用いても高いfcc(111)配向性を維持することが出来、結果としてGMR変化率が11%、GMR感度が2.2%/Oeと実施例2とほぼ同等な値が得られている。さらに本実施例では実施例2よりもトータルの磁気モーメントが少ない。そのためヘッド化した際に媒体からの磁束密度が増大し、出力向上が期待できる。
【0054】
本実施例の非磁性下地膜としては、Taの他に、Ti,Zr,Cr,Nb およびHfについても同様な効果を確認することができた。また非磁性下地膜の膜厚は1nm から10nmの範囲が望ましい。1nm 以下では1 層の膜としての成膜が難しいことと、10nmを越える膜厚ではシャント電流も増加する。磁性下地膜も1nm 以下では1 層の膜としての成膜が難しいことと、10nmを越える膜厚ではシャント電流も増加するし、この膜厚以上であれば、非磁性下地膜は必要としない。
【0055】
本実施例のヘッド構造としては図8の構造でも用いることができるが、強磁性バイアス膜12と軟磁性膜11との交換結合が、本非磁性下地膜により切れてしまう恐れがある。そのため図9のように非磁性下地膜13が強磁性バイアス膜12の下地に配置されることが配置されることが望ましい。
【0056】
前記実施例2および3において示された結晶性軟磁性膜の添加元素は次に述べる実施例4〜34に示す元素についても同様な効果が認められた。
【0057】
実施例4〜34、比較例2〜13
上記実施例1における結晶性軟磁性膜を表1および表2に示す各組成の結晶性軟磁性膜に代える以外は、実施例1と同様にしてGMRヘッドを作製した。また、本発明との比較例として、NiFe合金からなる主成分に M元素のみを添加した結晶性軟磁性膜を用いたGMRヘッド(比較例2〜9)、NiFe合金からなる主成分に M′元素のみを添加した結晶性軟磁性膜を用いたGMRヘッド(比較例10〜13)を、それぞれ実施例1と同様に作製した。
【0058】
これら各実施例および比較例のGMRヘッドにおける結晶性軟磁性膜の (111)ピーク強度および抵抗値を測定すると共に、GMRヘッドのGMR変化率およびGMR感度を測定した。それらの値を表1および表2に併せて示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003625336
【表2】
Figure 0003625336
表1および表2から明らかなように、各実施例のGMRヘッドにおいては、 fcc(111)配向性に優れると共に高抵抗を示しており、これらによって優れた特性が得られている。これに対して、 M元素のみを添加した結晶性軟磁性膜では、多少の高抵抗化は図られているものの十分ではなく、かつfcc(111)配向性を向上させることができないことが分かる。また、 M′元素のみを添加した結晶性軟磁性膜では、fcc(111)配向性は向上しているものの、やはり十分な高抵抗が得られていないことが分かる。これらによって、各比較例のGMRヘッドでは十分な特性が得られていない。
【0060】
実施例35、比較例14
熱酸化膜付きSi基板上に、NiFeパーマロイにZrとRhを添加したNi751.Fe18.2Zr1.7 Rh5.0 組成の結晶性軟磁性膜を30nmの膜厚で形成した。次いで、この結晶性軟磁性膜を軟磁性バイアス膜として用いて、その上に非磁性膜として膜厚40nmのTi膜とAMR膜として膜厚40nmのNiFe合金膜を形成した。そして、AMR膜上にセンス電流を供給するためのCuからなる一対の端子を形成することによって、AMRヘッドを作製した。なお、AMRヘッドの具体的な構造は、図5に示した従来のAMRヘッドと同一とした。
【0061】
上述した実施例によるAMRヘッドにおいては、磁気抵抗変化率は3%を超える良好な値(3.4%)を示した。一方、軟磁性バイアス膜に従来から用いられるCoZr系膜を用いた場合の磁気抵抗変化率は1%程度であった(比較例14)。CoZr系膜の抵抗率は 100μΩcmであり、NiFeZrRh軟磁性膜とほとんど変わらないので、磁気抵抗変化率の違いはAMR膜のfcc(111)配向性の向上が大きく影響していると考えることができ、本発明の有用性を示している。なお、結果を表3および表4に示す。
【0062】
実施例36〜67、比較例15〜26
上記実施例35における結晶性軟磁性膜を表3および表4に示す各組成の結晶性軟磁性膜に代える以外は、実施例35と同様にしてAMRヘッドを作製した。また、本発明との比較例として、NiFe合金からなる主成分に M元素のみを添加した結晶性軟磁性膜を用いたAMRヘッド(比較例15〜22)、NiFe合金からなる主成分に M′元素のみを添加した結晶性軟磁性膜を用いたAMRヘッド(比較例23〜26)を、それぞれ実施例35と同様に作製した。
【0063】
これら各実施例および比較例のAMRヘッドにおける磁気抵抗変化率を測定した。それらの値を表3および表4に併せて示す。
【0064】
【表3】
Figure 0003625336
【表4】
Figure 0003625336
上述した各実施例と比較例とを比較すると、磁気抵抗変化率が大きくなっていることが分かる。これは実施例35と同様に、結晶性軟磁性膜を用いたことによるAMR膜のfcc(111)配向性が向上したためと考えることができる。
【0065】
実施例68
熱酸化膜付きSi基板上に、下地として膜厚 5nmのTi膜からなる非磁性金属膜を介在させて、Ni73.7Fe19.0Nb3.8 Cr3.5 組成の結晶性軟磁性膜を10nmの膜厚で形成した。次いで、その上に実施例1と同様のスピンバルブ膜と反強磁性交換バイアス膜を形成した。
【0066】
このようにして得た実施例68のGMRヘッドにおけるfcc(111)配向性を調べた。その結果、fcc(111)強度を示すピークが1200と、下地の非磁性膜を介在させないときより約 5倍大きくなっていることを確認した。これはTi膜からなる非磁性金属膜が結晶性軟磁性膜の成長を助けることにより、10nmという薄い膜厚において結晶化させることができ、その上のGMR膜の配向性を高めることができたためである。そのため、GMR変化率は 12.4%、またGMR感度も2.4%/Oe と実施例1よりも高くなっている。
【0067】
また、下地膜として上記Ti膜からなる非磁性金属膜を形成したときの結晶性軟磁性膜の膜厚と磁気抵抗変化率(GMR変化率)との関係を図5に示す。図3と比較すると、特に膜厚が薄いときに高い磁気抵抗変化率が得られていることが分かる。
【0068】
本実施例のヘッド構造としては図8の構造でも用いることができるが、強磁性バイアス膜12と軟磁性膜11との交換結合が、本非磁性下地膜により切れてしまう恐れがある。そのため図9のように非磁性下地膜13が強磁性バイアス膜12の下地に配置されることが配置されることが望ましい。
【0069】
実施例69〜99
上記実施例68における結晶性軟磁性膜を表5および表6に示す各組成の結晶性軟磁性膜に代える以外は、実施例68と同様にしてGMRヘッドを作製した。これら各実施例のGMRヘッドにおける結晶性軟磁性膜の (111)ピーク強度を測定すると共に、GMRヘッドのGMR変化率およびGMR感度を測定した。それらの値を表5および表6に併せて示す。
【0070】
【表5】
Figure 0003625336
【表6】
Figure 0003625336
上述した各実施例は、比較例1〜13と比較してfcc(111)ピーク強度が 5倍近く大きくなっていることが分かる。また、GMR変化率およびGMR感度も向上していることを確認した。
【0071】
なお、Tiの他にTa、Zr、Cr、Nb、Hfについても、それぞれ結晶性軟磁性膜の下地として形成してGMRヘッドを作製し、fcc(111)ピーク強度が約 3〜 5倍程度大きくなることを確認した。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気抵抗効果ヘッドによれば、高抵抗でかつ配向性の向上を図ることが可能な結晶性軟磁性膜を、磁気抵抗効果膜の下地として配置しているため、磁気抵抗変化率等の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるGMRヘッドのX線プロファイルを示す図である。
【図2】従来のGMRヘッドのX線プロファイルを示す図である。
【図3】本発明の一実施例によるGMRヘッドの結晶性軟磁性膜の膜厚と磁気抵抗変化率との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の他の実施例によるGMRヘッドの結晶性軟磁性膜の膜厚と磁気抵抗変化率との関係を示す特性図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例によるGMRヘッドの結晶性軟磁性膜の膜厚と磁気抵抗変化率との関係を示す特性図である。
【図6】AMR効果を示す図である。
【図7】AMRヘッドの要部構造を示す斜視図である。
【図8】GMRヘッドの要部構造を示す斜視図である。
【図9】他のGMRヘッドの要部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……AMR膜
3……軟磁性バイアス膜
6、8……強磁性層
7……非磁性中間層
9……GMR膜、
11……軟磁性下地膜

Claims (9)

  1. 非磁性中間層を介して配置された少なくとも一対の強磁性層を有する巨大磁気抵抗効果膜と、前記一対の強磁性層の下地としていずれか一方に接して設けられた結晶性軟磁性膜とを有する磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記結晶性軟磁性膜は、Ni、FeおよびCoから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、実質的に前記主成分と固溶体を形成するCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM´元素とが同時に添加されていることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  2. 異方性磁気抵抗効果膜と、前記異方性磁気抵抗効果膜の下地として直接接してまたは非磁性膜を介して設けられた結晶性軟磁性膜とを有する磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記結晶性軟磁性膜は、Ni、FeおよびCoから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、実質的に前記主成分と固溶体を形成するCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM´元素とが同時に添加されていることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  3. 請求項1または請求項2記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記結晶性軟磁性膜は、
    一般式:T1−(x+y)M´
    (式中、TはNi、FeおよびCoから選ばれた1種の元素を、MはNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種の元素を、M´はCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種を、xおよびyは0.001≦x≦0.200、0.001≦y≦0.200を満足する数を示す)で実質的に表される組成を有することを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  4. 請求項1、請求項2または請求項3記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記結晶性軟磁性膜の膜厚が1〜100nmであることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  5. 請求項1、請求項2または請求項3記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記結晶性軟磁性膜の下地として、Ti、Ta、Zr、Cr、Nb、およびHfから選ばれた少なくとも1種を主成分とする非磁性金属膜が設けられていることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  6. 請求項1、請求項2または請求項3記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記結晶性軟磁性膜の下地として、アモルファス磁性膜が設けられていることを特徴する磁気抵抗効果ヘッド。
  7. 請求項1乃至6記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記結晶性軟磁性膜の主成分はNiFe合金からなることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  8. 第1および第2の強磁性膜と、前記第1および第2の強磁性膜の間に配置された非磁性層を有する積層膜からなる巨大磁気抵抗効果膜と、前記第1および第2の強磁性膜のうち少なくとも1層と接して前記積層膜に配置されたNiFe合金を主成分とする結晶性軟磁性膜とからなる磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記第1および第2の強磁性膜のうち1層はCoまたはCo合金からなり、また前記結晶性軟磁性膜は、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、実質的に前記主成分と固溶体を形成するCr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM’元素とが同時に添加されていることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド
  9. 非磁性中間層を介して配置された少なくとも一対の強磁性層を有し前記強磁性層の一方はその磁化が自由に動く第1の強磁性層で構成されている巨大磁気抵抗効果膜と、下地として前記第1の強磁性層に接して設けられた結晶性軟磁性膜とを有する磁気抵抗効果ヘッドであって、
    前記結晶性軟磁性膜は、Ni、FeおよびCoから選ばれた少なくとも1種を主成分とし、添加成分として実質的に結晶粒界を形成するNb、Mo、V、W、Ti、Zr、HfおよびTaから選ばれた少なくとも1種のM元素と、Cr、Rh、Os、Re、Si、Al、Be、GaおよびGeから選ばれた少なくとも1種のM’元素とが同時に添加されていることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
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