JP3624303B2 - 双方向情報伝送システム、及びリモコン - Google Patents
双方向情報伝送システム、及びリモコン Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報再生装置と利用者との間で情報の双方向伝送が可能に成された双方向情報伝送システム、及びこの双方向情報伝送システムに用いるリモコンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような双方向情報伝送システムは、例えば教育用システムとして用いられている。そしてそのような従来例として、特開平5−266579号公報記載のものを挙げることができる。図9は、この従来のシステムを示す概略構成図である。このシステムは、コンパクトディスク(以下、「CD」という。)52を装填して音響信号の再生を行うことができるよう成された情報再生装置51と、ヘッドホン55が接続されたコントローラ54とを備えて構成されている。そして前記情報再生装置51に設けられた送受信部53とコントローラ54との間で、赤外線信号IRが双方向に伝送されるようになっている。また前記コントローラ54には、利用者が操作可能なスイッチ(図示せず)が設けられている。そしてCD52に記録された音声の再生を情報再生装置51によって行うと、再生された音声は、赤外線信号IRとして前記送受信部53からコントローラ54へと送信される。そこで利用者は、送信された音声をヘッドホン55で聴取しながら、コントローラ54に設けられたスイッチの操作を行う。するとそのときの操作情報が赤外線信号IRとしてコントローラ54から前記送受信部53に送信され、この操作情報の内容に従って前記情報再生装置51が所定の動作を行うようになっている。
【0003】
次に、前記CD52が「歴史の年号暗記用教育ソフト」である場合を例として、前記システムの動作を説明する。CD52の再生が開始されると、ヘッドホン55を介してまず次のような質問が利用者に供される。
「鎌倉幕府が制定されたのは1192年である。正しいと思う場合はAスイッチ、正しくないと思う場合はBスイッチを押してください。」
前記情報再生装置51は、このメッセージを再生した後に一時停止状態となる。そこで利用者は、自己の判断に基づいてコントローラ54に設けられたAスイッチ又はBスイッチのいずれかを押下する。すると前記情報再生装置51は、押下されたスイッチがいずれのスイッチであるかの情報を前記送受信部53を介して入力し、これが正解か不正解かを判断する。そして正解であったときは、「正解です。」という正解メッセージが記録されているトラックへジャンプする一方、不正解であったときは、「間違いです。」という不正解メッセージが記録されているトラックへジャンプし、そののち一時停止を解除して各トラックに記録されたメッセージの再生を行うのである。このように再生された音声とコントローラ54のスイッチとによって利用者はシステムの操作を進め、対話形式で歴史の年号を暗記することができるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記CD52には、利用者に供するための音声メッセージの他、情報再生装置51に一時停止を命令したり再生開始位置をジャンプさせたりするための制御情報が記録されている。一方、前記情報再生装置51には、Aスイッチ又はBスイッチのいずれが押下されたかの情報を含む信号が、コントローラ54から送信される。そして情報再生装置51は、CD52から読み取った前記制御情報とコントローラ54から入力した択一的なスイッチ情報とに基づいて、一時停止、ジャンプ、再生開始等の種々の動作を行うようになっている。すなわち、この情報再生装置51は、コントローラ54から「0」又は「1」で表されるような択一的な情報を入力し、この情報に従って動作の選択を行うよう予め構成されたものだということである。
【0005】
ところが前記のような教育用システムにおいても、その質問の内容によってはAスイッチとBスイッチとだけでは対応できない場合もある。例えばテキストに4種類の時計の絵を印刷しておき、「8時30分を指しているのはどれでしょう。」という質問を情報再生装置から出力するような場合には、4種類の絵に対応して入力された4種類の信号に従って情報再生装置の動作を決定しなければならない。あるいは「鎌倉幕府が制定されたのは何年ですか。」という質問を情報再生装置から出力する場合には、前記コントローラにテンキーを設けておき、テンキーによって入力された数字の列を表現する信号に従って情報再生装置の動作を決定しなければならない。しかしながらこれらの場合にはそれぞれ入力する信号の形式が異なるし、また各入力信号に従って情報再生装置の動作を決定するのに必要となるハードウェア構成も、それぞれに異なるものとなる。従って前記情報再生装置51を予め種々の質問形式に対応できるような構成にしようとすると、そのハードウェア構成はきわめて複雑なものとなり、これによって多大なコストアップを招くことにもなりかねない。とくに前記のような教育用システムが特定の年齢や時期においてだけ必要となるものである場合が多いことを考慮すると、利用者にとってこれは非常に不経済である。一方、同形式の質問にのみ対応できるハードウェア構成とすると、情報再生装置51自体のコストはある程度抑えられるものの、利用者には大きな不便を強いることになる。
【0006】
この発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高度かつ柔軟な対話型システムを経済的に構成することが可能な双方向情報伝送システム、及びこの双方向情報伝送システムに用いるリモコンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の双方向情報伝送システムは、情報記録媒体に記録されており、利用者に供するために音響信号及び/又は映像信号として再生されるべき第1情報信号を、再生プロセスに従って再生して出力することにより利用者に供することが可能であると共に、前記第1情報信号の前記情報記録媒体上の記録エリアとは別に記録された所定の制御情報を含む第2情報信号を再生して出力する情報再生装置と、この情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するリモコンとを含む双方向情報伝送システムにおいて、前記リモコンは、前記情報再生装置から出力された前記第2情報信号を入力する信号入力部と、利用者が判断情報を入力することができる情報入力部と、該情報入力部へ入力された判断情報と、前記信号入力部から入力された第2情報信号に含まれる制御情報とから前記情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するための制御信号を形成する信号形成部と、該信号形成部が形成した制御信号を前記情報再生装置に向けて出力する信号出力部とを備えることを特徴としている。
【0008】
また請求項3のリモコンは、情報記録媒体に記録されており、利用者に供するために音響信号及び/又は映像信号として再生されるべき第1情報信号を、再生プロセスに従って再生して出力することにより利用者に供することが可能であると共に、前記第1情報信号の前記情報記録媒体上の記録エリアとは別に記録された所定の制御情報を含む第2情報信号を再生して出力する情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するリモコンであって、前記情報再生装置から出力された前記第2情報信号を入力する信号入力部と、利用者が判断情報を入力することができる情報入力部と、該情報入力部へ入力された判断情報と、前記信号入力部から入力された第2情報信号に含まれる制御情報とから前記情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するための制御信号を形成する信号形成部と、該信号形成部が形成した制御信号を前記情報再生装置に向けて出力する信号出力部とを備えることを特徴としている。
【0009】
これらの双方向情報伝送システム又はリモコンでは、情報再生装置の再生プロセスを制御するための制御情報を含む第2情報信号を情報再生装置から一旦リモコンに送信するようにしている。そしてリモコン内において、利用者がリモコンに入力した判断情報と情報再生装置から送信された第2情報信号に含まれる制御情報とから情報再生装置を制御するための制御信号を形成し、この制御信号を情報再生装置に出力するようにしている。従って情報再生装置の構成を、その動作が利用者の判断情報に応じてどのように決定されるかにかかわらず、リモコンによって遠隔制御されると共に制御情報を含む第2情報信号をリモコンへ出力するものであれば十分とすることが可能となる。またここでいう「制御信号を形成する」には、予め形成された複数の制御信号から適切な制御信号を選択することも含まれる。
【0010】
請求項2の双方向情報伝送システム又は請求項4のリモコンは、前記第1情報信号は、複数の判断情報の内のいずれかを利用者に選択させるための命題情報を含み、前記制御情報は、前記リモコンの前記情報入力部へ入力された判断情報と対比すべき参照情報と、前記情報記録媒体上での前記第1情報信号の再生位置に関する互いに異なる複数の移動先情報情報とを含み、前記信号形成部は、前記情報入力部へ入力された判断情報と参照情報とに基づいて前記複数の移動先情報の内のいずれかの移動先情報を選択し、選択した移動先へ前記第1情報信号の再生位置を移動させるための制御信号を形成するようにしてあることを特徴としている。
【0011】
これらの双方向情報伝送システム又はリモコンでは、互いに異なる複数の再生位置の移動先情報を制御情報としてリモコンに送信し、利用者の入力した判断情報に基づいてその中から移動先情報を選択するようにしている。従って情報再生装置の再生プロセスが利用者の判断に応じて展開するようなシステムを構成することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の双方向情報伝送システム、及びリモコンの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
(実施形態1)図1は、実施形態1の双方向情報伝送システムを示すブロック図である。このシステムは、所定の第1情報信号及び第2情報信号が記録されたCD、ミニディスク(以下、「MD」という。)、カセットテープ等の情報記録媒体2を装填し、この情報記録媒体2に記録された第1情報信号を再生して利用者に供することができるように成された情報再生装置1と、この情報再生装置1を遠隔制御するリモコン11とを備えて構成されている。ここでは、前記情報記録媒体2としてMDを用いた場合について説明する。前記情報再生装置1は、MD2を回転させたり光ピックアップを移動させたりするための駆動部3と、MD2から読み出された信号を2チャンネルの音響信号(第1情報信号)に復号化する信号再生部4と、再生された音響信号を利用者に供するスピーカ7とを有している。また受信センサ6は、リモコン11の信号出力部12から出力された赤外線信号IRを受け、コントローラ5に第2情報信号を出力する。このコントローラ5はマイクロコンピュータの機能を有し、前記受信センサ6から入力した制御信号や、情報再生装置1本体に設けられた操作スイッチ(図示せず)の操作に基づいて、前記駆動部3及び信号再生部4を制御するものである。
【0014】
また前記MD2では、第1情報信号である音響信号の記録エリアとは別に、この音響信号に付随するサブコード(第2情報信号)が記録できるサブコードエリアが確保されている。このエリアに記録されるサブコードは、MD2の曲間や経過時間等を符号化した制御用コードと、曲名や演奏者等を示すグラフィック、文字、合成音声等を符号化した利用者用コードとから成るものである。このようなサブコードは、MD2から読み出された信号を前記信号再生部4で復号化することによって得られ、さらに前記コントローラ5を介してデータ送信LED8からリモコン11に、赤外線信号IRとして出力されるようになっている。
【0015】
一方、前記リモコン11は、MD2として幼児教育用ソフトを用いる場合に対応するよう構成されている。前記リモコン11には、前記データ送信LED8から赤外線信号IRとして出力されたサブコードを入力するための信号入力部15が設けられている。入力したサブコードはさらにこの信号入力部15で復号化され、マイクロコンピュータの機能を有するコントローラ13に送られる。またこのコントローラ13には、データの読み書きが可能なメモリ14、利用者8に対して種々の表示を行う表示部17が接続されている。さらにこのリモコン11には、テキスト等に示された印刷パターンを読み取ることのできるスキャナ(情報入力部)18が設けられている。そしてこのスキャナ18は、前記印刷パターンの示すデータを復号化するデコーダ16を介して、前記コントローラ13に接続されている。
【0016】
図2は、前記MD2に記録された信号を示す概念図である。MD2は物理的には円盤状であるが、ここでは図を簡明にして理解を容易とするため、時間軸を横にとってテープ状に描いている。さらに、ここではMD2が前記幼児教育用ソフトである場合を例にして説明する。まずその1番目のトラック(TNO=1)には、利用者に対して所定の判断を求める質問(命題情報)Q1が記録されている。そしてこの質問Q1に続いて2番目のトラック(TNO=2)には正解メッセージCM1が、3番目のトラック(TNO=3)には不正解メッセージWM1が記録されている。そして4番目のトラック(TNO=4)には次の質問Q2が記録され、以後、これを繰り返すように記録されている。これらQ1、CM1、WM1、Q2は、第1情報信号である音響信号として記録されているが、各トラックに設けられたサブコードエリアには、これらの第1情報信号に付随してサブコードが記録されている。そしてこのサブコードには、前記情報再生装置1の再生プロセスを制御するための制御情報が含められている。ここで再生プロセスとは、再生の一時停止やその解除、あるいは所定の再生位置へのジャンプ等を含むものであって、情報再生装置1における再生の進行過程を指していうものである。そこで次に、前記制御情報をどのようにしてサブコードに含めているかについて説明する。
【0017】
MD2のサブコードのうち、前述の利用者用コードには文字情報を含めることができる。そこでこのMD2は、前記制御情報を文字情報として利用者用コードに含めている。この場合、含めた文字情報が制御情報であるのか表示部17で表示するための表示情報であるのかを判別できることが必要である。そこで通常の表示ではほとんど使用されることのない特殊文字列「**」を、その判別記号として用いている。つまり、ある文字列が特殊文字列「**」で囲まれていれば、その文字列は制御情報を示すものだということである。表1は、このようにして符号化される各文字列と制御情報との関係を一例として示している。
【0018】
【表1】
【0019】
次に、MD2として幼児教育用ソフトを用いた場合の前記システムの動作について説明する。図3は、前記システムを構成する情報再生装置1及びリモコン11と、所定の印刷パターン9が印刷されたテキスト10とを示している。また図4は、前記リモコン11の動作を示すフローチャートである。まず、図2に示すような信号が記録されたMD2の再生を、前記情報再生装置1によって開始する。すると1番目のトラックの再生がなされ、質問Q1がスピーカ7から利用者に供される。これは、例えば「問1、二つある果物はどれでしょう。」というようなものである。そしてこの1番目のトラックの再生に伴って、そのサブコードエリアに記録されたサブコードが再生される。これは、トラック番号が「1」であるという情報と図2に示すような「**A2G2N3P**」という文字情報とを含んだものである。このような文字情報を含んだサブコードは、上述のようにデータ送信LED8からリモコン11に出力される。そしてリモコン11に入力されたサブコードから信号入力部15によって文字情報が取り出され、この文字情報はコントローラ13を介してメモリ14に格納される(ステップS1)。
【0020】
ところで信号入力部15によって取り出された前記文字情報は、文字列「**」で囲まれている。従ってこれは、情報再生装置1の再生プロセスを制御するための制御情報である。この制御情報には、質問Q1の正解が2番であるという情報、すなわち質問Q1に対して利用者が入力した解答(判断情報)と対比できる参照情報と、利用者の入力した解答が正解であったときは再生位置の移動先が2番目のトラックの先頭であり、前記解答が不正解であったときは再生位置の移動先が3番目のトラックの先頭であるという情報、すなわち音響信号の再生位置に関する互いに異なる複数の移動先情報と、現トラックの再生が終了すれば一時停止するというポーズ情報とが含まれている。そこでコントローラ13は、1番目のトラックの再生が終了すると、前記ポーズ情報に基づいて情報再生装置1の再生を一時停止させるための制御信号を形成する。そしてこの制御信号を、信号出力部12から情報再生装置1に出力する(ステップS2)。すると情報再生装置1は、受信センサ6でこの制御信号を受信し、そのコントローラ5は駆動部3及び信号再生部4を一時停止状態にする。
【0021】
この動作を利用者から見ると、質問Q1が再生されたのちに、情報再生装置1が一時停止状態になっている。そこで利用者は、テキスト10の印刷パターン9をリモコン11のスキャナ18で走査することにより、質問Q1で求められた判断に答える。リモコン11は、ステップS3において、スキャナ18から印刷パターン9の示すデータを読み込む。この印刷パターン9は、その形状によって種々の整数値を表現するものである。そしてスキャナ18で読み込んだ印刷パターン9は、例えば4ビットのディジタル信号で表現されるような整数値に、前記デコーダ16で復号化される。このときメモリ14内には、情報再生装置1から送信された制御情報に基づいて、質問Q1の正解番号が2番である旨が記憶されている。そこで前記リモコン11のコントローラ13は、ステップS4において、前記印刷パターン9の示すデータと前記正解番号とを比較する。
【0022】
そしてこの比較によって、利用者8のした判断が質問Q1の解答として正解であると判定されたときは、次にステップS5へ進む。そして前記移動先情報に従って、2番目のトラックの先頭位置へ再生位置をジャンプさせる信号をコントローラ13で形成し、この信号を信号出力部12から出力する。つまり、ここではコントローラ13が信号形成部として機能するということである。そしてこれに続いて情報再生装置1の一時停止状態を解除するための制御信号を形成し、この信号を信号出力部12から出力する。すると前記情報再生装置1の一時停止が解除され、2番目のトラックの先頭から音響信号の再生が開始される。そしてこれにより、正解メッセージCM1がスピーカ7から利用者に供される。これは、例えば「正解。よくできました。」というようなものである。そしてこの2番目のトラックの再生に伴って、そのサブコードエリアに記録されたサブコードが再生される。このサブコードには、図2に示すように「**J4**」という文字情報が含まれている。このサブコードも前記と同様にデータ送信LED8を介してリモコン11に出力される。そして信号入力部15で前記文字情報が取り出された後、この文字情報はコントローラ13を介してメモリ14に格納される(ステップS6)。
【0023】
ところでこの文字情報も文字列「**」で囲まれたものであるから、情報再生装置1の再生プロセスを制御するための制御情報である。そしてこの制御情報は、現在のトラックの再生が終了した後に4番目のトラックにジャンプするというものである。そこでコントローラ13は、この制御情報に基づいて4番目のトラックにジャンプするための制御信号を形成する。そして2番目のトラックの再生が終了すれば、この制御信号を前記信号出力部12から出力する(ステップS7)。すると情報再生装置1は、2番目の質問Q2が含まれる4番目のトラックの再生を開始するとともに前記ステップS1と同様にサブコードを受信し(ステップS8)、以後、上記ルーチンを繰り返す。
【0024】
一方、前記比較によって、利用者の入力した判断が質問Q1の解答として不正解であると判定されたときは、ステップS9へ進む。そして前記移動先情報に従って、3番目のトラックの先頭位置へ再生位置をジャンプさせる信号をコントローラ13で形成し、この信号を信号出力部12から出力する。そしてこれに続いて情報再生装置1の一時停止状態を解除するための制御信号を形成し、この信号を信号出力部12から出力する。すると前記情報再生装置1の一時停止が解除され、3番目のトラックの先頭から再生が開始される。そしてこの再生により、不正解メッセージWM1がスピーカ7から利用者に供される。これは、例えば「残念でした。正解は2番のさくらんぼだよ。」というようなものである。そしてこの3番目のトラックの再生に伴って、そのサブコードエリアに記録されたサブコードが再生される。このサブコードには、例えば「セイカイハサクランボ」というような文字情報が含まれている。この文字情報は文字列「**」で囲まれていないから、表示情報である。従ってこの表示情報はコントローラ13から表示部17に出力され、この表示部17でそのまま文字として表示されることになる(ステップS10)。そして3番目のトラックの再生が終了すると、引き続き4番目のトラックの再生を開始し(ステップS8)、以後、上記ルーチンを繰り返す。なお、サブコードエリアに記録できる最大文字数は制限されているから、問題数が多い等のためにサブコードエリアが容量不足となる場合には、前記のような表示情報をサブコードに含めなくてもよい。
【0025】
次に、MD2として中等教育用ソフトを用いる場合について説明する。図5は、このようなMD2に対応するリモコン45を用いた双方向情報伝送システムを示す概略構成図である。このリモコン45は、前記質問Q1等に対する判断を利用者が入力できる解答ボタン(情報入力部)22を有している。この解答ボタン22は、各種数字を入力するテンキー22aと、入力した数字を確定するための確定キー22bと、入力した数字を取り消すための取消キー22cとから成っている。またこのリモコン45には、前記解答ボタン22の他に、直接に情報再生装置1を遠隔制御するための操作ボタン23も設けられている。そしてこのリモコン45においても、情報再生装置1から赤外線信号IRとして出力されたサブコードを入力するための信号入力部15と、制御信号を赤外線信号IRとして情報再生装置1に送信するための信号出力部12とが設けられている。
【0026】
このシステムに用いる中等教育用ソフトとしては、例えば歴史の年号暗記用教育ソフトがある。このソフトは、質問Q1として例えば「鎌倉幕府が制定されたのは何年ですか。」という音響信号を記録し、その年号をリモコン45を介して利用者に入力させるものである。そこで次に、MD2としてこのようなソフトを用いた場合のシステムの動作を説明するが、リモコン45の動作を示すフローチャート及びMD2の記録パターンは、基本的にはそれぞれ前述した図4、図2に示す通りである。ただフローチャートのステップS1では、前記のような質問Q1に付随して、「**A1192G2N3P**」という制御情報が情報再生装置1から送信される。そして利用者は、フローチャートのステップS3において、前記質問Q1に対して「1」「1」「9」「2」「確定」というように解答ボタン22を押下する。このようにして解答ボタン22を押下すると、各ボタン毎に例えば4ビットの信号が発生し、4×4ビットの信号として判断情報がコントローラ13に送られる。そしてコントローラ13はステップS4において、1192年が正解である旨を示す「A1192」という参照情報と、利用者によって入力された前記4×4ビットの判断情報とを比較するのである。なお利用者の入力した判断情報が前記以外のものであったときはステップS9で不正解メッセージWM1が再生されるが、これは例えば「残念でした。正解は1192年です。」というようなものである。
【0027】
上記システムでは、MD2に記録された制御情報をいったん情報再生装置1からリモコン11、45に送信している。そしてリモコン11、45内において、このリモコン11、45に入力された利用者の判断情報と前記制御情報とから情報再生装置1を制御するための制御信号を形成し、この制御信号を情報再生装置1に出力している。従って、スキャナ18で読み取った4ビットの判断情報と「A2」という2文字の参照情報とに基づいて情報再生装置1の再生プロセスを制御する場合と、テンキー22aで入力された4×4ビットの判断情報と「A1192」という5文字の参照情報とに基づいて情報再生装置1の再生プロセスを制御する場合とで、何ら情報再生装置1の構成を変更する必要はない。すなわち、情報再生装置1の構成としては、リモコン11、45によって遠隔制御される他に、MD2に記録された制御情報をリモコン11、45へ出力できるように成されていれば十分だということである。そのため情報再生装置1の構成を簡素なものとすることができるとともに、リモコン11、45を取り替えるだけで種々の質問形式に対応した教育用システムを構成することができる。さらに教育用システムに限らず、リモコン11、45を取り替えることによってロールプレイングゲーム等を行う娯楽用システムを構成することもできる。従って利用者にとっては非常に経済的かつ柔軟なシステムとなる。
【0028】
また上記システムでは、互いに異なる複数の再生位置の移動先を、制御情報としてリモコン11、45に送信している。そして利用者の入力した判断情報に基づいて、再生位置の移動先を選択するようにしている。従って情報再生装置の再生プロセスが利用者の判断に応じて展開する高度な対話型システムを構成することができる。そしてこれにより、前記のように正解と不正解とで再生するトラックを変更できるのみならず、例えば正解が続けば次第に難度の高い問題に進むようなシステムとすることもできる。
【0029】
以上にこの発明の実施形態1について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。上記では、情報再生装置1からリモコン11、45へ赤外線信号IRとしてサブコードを送信したが、これは電波信号として出力してもよいし、情報再生装置が携帯型であってリモコンとが有線接続されているような場合には、電気信号として出力してもよい。またこのようにリモコンと有線接続された携帯型の情報再生装置には、ヘッドホンステレオとして一般に普及しているものがある。従ってこのようなヘッドホンステレオを用いれば、前記システムを安価に構成することができる。また前記情報再生装置では、赤外線信号IRの送信系統を内蔵している。しかしながらこれは、所定の出力端子からサブコードを取り出すことができるように成されたヘッドホンステレオや、デジタルリンク出力端子を備えたラジカセ又はオーディオコンポ等を用いるとともに、この出力端子に赤外線信号IRの送信ユニットを接続して前記情報再生装置を構成するようにしてもよい。
【0030】
また上記では、情報再生装置としてMD2の再生を行うものを用いたが、これはCDやLD、あるいはDVDを再生するものを用いてもよい。必ずしもMD2のように利用者があとから信号を記録できるような情報記録媒体を用いる必要はない。またMD2等の情報記録媒体を装填してその再生を行う情報再生装置に限らず、第1及び第2情報信号を蓄積した遠隔地にある装置と有線又は無線の通信網で接続され、この通信網を通じて第1及び第2情報信号を入力するとともにその再生を行うように成された情報再生装置を用いてもよい。このような情報再生装置は、通信網を通じて入力した前記第1及び第2情報信号を一旦メモリに記憶してから再生するようにしたものでもよいし、メモリに記憶することなく実時間処理で再生するものであってもよい。
【0031】
さらに前記リモコン11、45は、質問Q1等に対する判断を利用者が入力できる情報入力部としてスキャナ18や解答ボタン22を有するものであったが、これら以外に例えばタッチパネルやペン入力装置を有するものであってもよい。また一時停止やジャンプなどのように情報再生装置1の再生プロセスを制御する制御情報だけでなく、出力音量や音質、L−Rバランス等を制御する制御情報をサブコードに含めてもよい。
【0032】
(実施形態2)次に、実施形態2の双方向情報伝送システム及びリモコンについて説明する。図6は、このシステムのブロック図である。図1に示す実施形態1のシステムと同一のブロックについては同一の符号を付し、ここで繰り返して詳説することを避ける。この双方向情報伝送システムが上記実施形態1のシステムと異なっているのは、第2情報信号を情報再生装置1からリモコン11へ音波信号ASとして送信している点である。従って情報再生装置1には図1に示すようなデータ送信LED8はなく、その代わりリモコン11には、スピーカ7から出力された音波信号ASを受信するマイク(信号入力部)19が設けられている。そしてこのマイク19からの出力信号は、次にフィルタ20に入力され、所定の周波数帯域に存する信号のみが取り出される。取り出された信号はデコーダ21で復号化され、コントローラ13に送られる。
【0033】
図7は、MD2に記録された第1及び第2情報信号を示す概念図である。このMD2は、2チャンネルの音響信号を前記第1及び第2情報信号として記録できるものである。またMD2は物理的には円盤状であるが、ここでは図を簡明にして理解を容易とするため、時間軸を横にとってテープ状に描いている。さらに、ここではMD2が教育用ソフトである場合を例にして説明する。まずその1番目のトラックの最初には、トラック番号が「1」であることを示すトラック番号コードTNOが記録されている。そして次に、利用者8(図6参照)に対して所定の判断を求める質問(命題情報)Q1が記録されている。さらにこの質問Q1に続いて、利用者がした判断が正解であるか不正解であるかを判定するための参照情報として正解コードCCが記録され、また音声信号の再生位置に関する互いに異なる複数の移動先情報として、前記判断が正解であった場合における再生開始位置を示す正解時ジャンプ先CJと不正解であった場合における再生開始位置を示す不正解時ジャンプ先WJとが記録され、さらに前記リモコン11を介して情報再生装置1の再生を一時停止させるための一時停止命令PIが記録されている。そしてこの一時停止命令PIに続いて正解メッセージCM1が記録され、1番目のトラックの最後には次質問ジャンプ先NJが記録されている。また2番目のトラックには、上記と同様にその最初にトラック番号が「2」であることを示すトラック番号コードTNOが記録され、これに続いて不正解メッセージWM1が記録されている。さらに前記MD2には、2番目の質問Q2、この質問Q2に関する正解メッセージCM2、不正解メッセージWM2、3番目の質問Q3等が引き続いて記録されている。ただその記録パターンは前記1番目の質問Q1に関する記録パターンと同じであるので、説明を簡明にするためここでの詳説は省略する。
【0034】
ところで前記Q1、CM1、WM1等は音声信号(第1情報信号)として記録されているが、情報再生装置1の再生プロセスを制御するための制御情報である前記TNO、CC、CJ、WJ、PI、NJは、10kHz〜20kHzの周波数帯域において、DTMF信号(第2情報信号)として記録されている。このDTMF信号は、例えば電話機のように前記周波数帯域中の高域側と低域側とのそれぞれにおいて互いに調音の関係にない4つのトーン信号を選び、高域側のトーン信号の一つと低域側のトーン信号の一つとを組み合わせて一つのシンボルを形成するものである。従ってこの例のDTMF信号によれば、それぞれ意味の異なる16種類のシンボルを構成することができる。表2に、各シンボルと、このシステムにおいて各シンボルに割り当てられたそれぞれの意味とを示している。そしてこのようなDTMF信号によって前記制御情報を符号化し、これをMD2に記録しておくのである。表3は、記録された符号と制御情報との関係を一例として示している。この表3にあるように、例えば「12番目のトラックにジャンプする」という制御情報であれば、シンボル「B」を表すDTMF信号と、シンボル「1」を表すDTMF信号と、シンボル「2」を表すDTMF信号とを、所定時間継続するバースト信号として順次に記録することになる。そしてこのときDTMF信号のうち高域側の信号を2チャンネルの一方のチャンネルに記録し、低域側の信号を他方のチャンネルに記録する。またバースト信号の包絡線は、その立ち上がり部において信号のない状態から滑らかに振幅を増加させ、またその立ち下がり部において信号のない状態へと滑らかに振幅を減少させるようにしている。そしてバースト信号の継続時間は、約100mS以下である。
【0035】
【表2】
【表3】
【0036】
次に、MD2として幼児教育用ソフトを用いた場合における上記システムの動作について説明する。前記システムの概略構成は、図3に示すものと同様であるが、情報再生装置1から音波信号ASが送信され、これをリモコン11のマイク19で受信する点だけが異なっている。図8は、前記リモコン11の動作を示すフローチャートである。まず、図7に示すような信号が記録されたMD2の再生を、前記情報再生装置1によって開始する。するとスピーカ7からは、前記TNOを符号化したDTMF信号が出力される。これは10kHz以上の周波数を有する音波信号ASであるため利用者8にはほとんど聞こえないが、リモコン11のマイク19によって受信することができる(ステップS21)。受信した音波信号ASはマイク19で電気信号に変換され、フィルタ20によってDTMF信号が抽出される。そしてデコーダ21によってこのDTMF信号が復号化され、トラック番号が「1」であるという制御情報が前記コントローラ13に入力される。次に前記スピーカ7からは、質問Q1が音波信号ASとして出力される。この音波信号ASは主として500Hz〜10kHzの周波数帯域内にある音声信号であって、例えば「二つある果物はどれでしょう。」というようなものである。
【0037】
質問Q1の再生が終わると、前記スピーカ7からは、制御情報CC、CJ、WJを符号化したDTMF信号が出力される。リモコン11は、図8のステップS22において、前記マイク19でこれらのDTMF信号を受信する。受信したDTMF信号は、前記TNOと同様に、フィルタ20及びデコーダ21によって制御情報CC、CJ、WJに復号化され、コントローラ13に入力される。そしてさらにこのコントローラ13を介して、前記制御情報CC、CJ、WJはメモリ14に格納される。次に情報再生装置1のスピーカ7からは、一時停止命令PIを符号化したDTMF信号が出力される。このDTMF信号も前記フローチャートのステップS23においてマイク19で受信され、フィルタ20及びデコーダ21によって復号化される。前記コントローラ13は、復号化された一時停止命令PIから情報再生装置1を一時停止させるための一時停止信号PSを形成する。そしてこの一時停止信号PSは、ステップS24において、前記コントローラ13から信号出力部12を介し、赤外線信号IRとして前記情報再生装置1に送信される。情報再生装置1は、受信センサ6でこの赤外線信号IRを受信し、そのコントローラ5は駆動部3及び信号再生部4を一時停止状態にする。
【0038】
上記の動作を利用者8から見ると、質問Q1が再生されたのちに、情報再生装置1が一時停止状態になっている。そこで利用者8は、テキスト10の印刷パターン9をリモコン11のスキャナ18で走査することにより、質問Q1に対する解答(判断情報)を入力する。リモコン11は、ステップS25において、スキャナ18から印刷パターン9の示すデータを読み込む。このときメモリ14内には、情報再生装置1から送信された「#2」という正解コードCCに基づいて、正解番号が2番である旨が記憶されている。そこで前記リモコン11のコントローラ13は、ステップS26において、利用者8が入力した解答と前記正解番号とを対比する。
【0039】
そしてこの対比によって、利用者8の入力した判断が質問Q1の解答として正解であると判定されたときは、ステップS27へ進んで一時停止解除信号RSを信号出力部12から出力する。すると前記情報再生装置1の一時停止が解除され、そのスピーカ7からは正解メッセージCM1が音声信号として出力される。これは、例えば「正解。よくできました。」というようなものである。そしてこの正解メッセージCM1の再生が終わると、情報再生装置1のスピーカ7からは、次質問ジャンプ先NJがDTMF信号として出力される。リモコン11はこれをステップS28で受信し、前記と同様にして復号化したのち、3番目のトラックの先頭まで情報再生装置1の再生位置をジャンプさせるジャンプ信号NJSを形成する。そしてこのジャンプ信号NJSを赤外線信号IRとして、信号出力部12を介して情報再生装置1に出力する(ステップS29)。すると情報再生装置1は、2番目の質問Q2が含まれるトラックの再生を開始し、そして以後、上記ルーチンを繰り返す。
【0040】
一方、前記比較によって、利用者8の入力した判断が質問Q1の解答として不正解であると判定されたときは、ステップS30へ進んで不正解時ジャンプ信号WJSをコントローラ13が形成し、これを信号出力部12から出力する。この不正解時ジャンプ信号WJSは、MD2が図2のように記録されている場合には、情報再生装置1の再生開始位置を2番目のトラックの先頭に移動させる信号である。すなわち、このシステムではコントローラ13が信号形成部として機能するということである。そして再生開始位置を2番目のトラックの先頭としたのち、ステップS31で前記信号出力部12から一時停止解除信号RSを出力する。すると情報再生装置1のスピーカ7からは、不正解メッセージWM1が音声信号として出力される。これは、例えば「残念でした。正解は2番のさくらんぼだよ。」というようなものである。そしてこのときは続いて3番目のトラックの再生を開始し、再び上記ルーチンを繰り返す。
【0041】
次に、MD2として中等教育用ソフトを用いる場合について説明する。この場合に対応するリモコン45を用いた双方向情報伝送システムを示す概略構成も、およそ図5に示すとおりである。ただこの場合にも、情報再生装置1から音波信号ASが送信され、これをリモコン45のマイク19で受信する点だけが異なっている。
【0042】
このシステムに用いる中等教育用ソフトとしては、例えば歴史の年号暗記用教育ソフトがある。このソフトは、質問Q1として例えば「鎌倉幕府が制定されたのは何年ですか。」という音響信号を記録し、その年号をリモコン45を介して利用者に入力させるものである。そこで次に、MD2としてこのようなソフトを用いた場合のシステムの動作を説明するが、リモコン45の動作を示すフローチャート及びMD2の記録パターンは、基本的にはそれぞれ前述した図8、図7に示す通りである。ただフローチャートのステップS22では、正解コードCCとして「#1192」という参照情報が送信される。そして利用者は、フローチャートのステップS25において、前記質問Q1に対して「1」「1」「9」「2」「確定」というように解答ボタン22を押下する。このようにして解答ボタン22を押下すると、実施形態1の場合と同様に各ボタン毎に例えば4ビットの信号が発生し、4×4ビットの信号として判断情報がコントローラ13に送られる。そしてコントローラ13はステップS26において、1192年が正解である旨を示す「#1192」という参照情報と、利用者によって入力された前記4×4ビットの判断情報とを比較するのである。
【0043】
上記システムにおいても、MD2に記録された制御情報をいったん情報再生装置1からリモコン11、45に送信している。そしてリモコン11、45内において、このリモコン11、45に入力された利用者の判断情報と前記制御情報とから情報再生装置1を制御するための制御信号を形成し、この制御信号を情報再生装置1に出力している。従って、スキャナ18で読み取った4ビットの判断情報と「#2」という短い参照情報とに基づいて情報再生装置1の再生プロセスを制御する場合と、テンキー22aで入力された4×4ビットの判断情報と「#1192」という長い参照情報とに基づいて情報再生装置1の再生プロセスを制御する場合とで、何ら情報再生装置1の構成を変更する必要はない。すなわち、情報再生装置1の構成としては、リモコン11、45によって遠隔制御される他に、MD2に記録された制御情報をリモコン11、45へ出力できるように成されていれば十分だということである。そのため情報再生装置1の構成を簡素なものとすることができるとともに、リモコン11、45を取り替えるだけで種々の質問形式に対応した教育用システムを構成することができる。さらに教育用システムに限らず、リモコン11、45を取り替えることによってロールプレイングゲーム等を行う娯楽用システムを構成することもできる。従って利用者にとっては非常に経済的かつ柔軟なシステムとなる。またこのシステムでは制御情報をスピーカ7から音波信号ASとして送信しているので、特別な送信機能を持たない情報再生装置を用いることができ、これによってシステムをより安価に構成することができる。
【0044】
また上記システムでは、互いに異なる複数の再生位置の移動先を、制御情報としてリモコン11、45に送信している。そして利用者の入力した判断情報に基づいて、再生位置の移動先を選択するようにしている。従って情報再生装置の再生プロセスが利用者の判断に応じて展開する高度な対話型システムを構成することができる。そしてこれにより、前記のように正解と不正解とで再生するトラックを変更できるのみならず、例えば正解が続けば次第に難度の高い問題に進むようなシステムとすることもできる。
【0045】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。上記では情報再生装置としてMD2の再生を行うものを用いたが、これはカセットテープやCD、LD、あるいはDVDを再生するものを用いてもよい。必ずしもMD2のように利用者があとから信号を記録できるような情報記録媒体を用いる必要はない。またMD2等の情報記録媒体を装填してその再生を行う情報再生装置に限らず、第1及び第2情報信号を蓄積した遠隔地にある装置と有線又は無線の通信網で接続され、この通信網を通じて第1及び第2情報信号を入力するとともにその再生を行うように成された情報再生装置を用いてもよい。このような情報再生装置は、通信網を通じて入力した前記第1及び第2情報信号を一旦メモリに記憶してから再生するようにしたものでもよいし、メモリに記憶することなく実時間処理で再生するものであってもよい。さらに前記リモコン11、45は、質問Q1等に対する判断を利用者が入力できる情報入力部としてスキャナ18や解答ボタン22を有するものであったが、これら以外に例えばタッチパネルやペン入力装置を有するものであってもよい。
【0046】
【発明の効果】
上記のように請求項1の双方向情報伝送システム又は請求項3のリモコンでは、情報再生装置の構成を簡素なものとすることが可能となる。またリモコンを取り替えるだけで種々の対話型システムを構成することができるので、利用者にとっては非常に経済的かつ柔軟なシステムを構成することが可能となる。
【0047】
また請求項2の双方向情報伝送システム又は請求項4のリモコンでは、利用者の判断に応じて情報再生装置の再生が展開するようなシステムを構成できるので、高度な制御を要する複雑な対話型システムを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1の双方向情報伝送システムを示すブロック図である。
【図2】前記システムに用いるMDの記録パターンを示す説明図である。
【図3】前記システムの使用状態を示す概略構成図である。
【図4】前記システムを構成するリモコンの動作を示すフローチャートである。
【図5】前記システムの変形例を示す概略構成図である。
【図6】この発明の実施形態2の双方向情報伝送システムを示すブロック図である。
【図7】前記システムに用いるMDの記録パターンを示す説明図である。
【図8】前記システムを構成するリモコンの動作を示すフローチャートである。
【図9】従来例の双方向情報伝送システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 情報再生装置
2 MD
11 リモコン
12 信号出力部
13 コントローラ
15 信号入力部
18 スキャナ
22 解答ボタン
45 リモコン
Claims (4)
- 情報記録媒体に記録されており、利用者に供するために音響信号及び/又は映像信号として再生されるべき第1情報信号を、再生プロセスに従って再生して出力することにより利用者に供することが可能であると共に、前記第1情報信号の前記情報記録媒体上の記録エリアとは別に記録された所定の制御情報を含む第2情報信号を再生して出力する情報再生装置と、この情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するリモコンとを含む双方向情報伝送システムにおいて、
前記リモコンは、
前記情報再生装置から出力された前記第2情報信号を入力する信号入力部と、
利用者が判断情報を入力することができる情報入力部と、
該情報入力部へ入力された判断情報と、前記信号入力部から入力された第2情報信号に含まれる制御情報とから前記情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するための制御信号を形成する信号形成部と、
該信号形成部が形成した制御信号を前記情報再生装置に向けて出力する信号出力部と
を備えること
を特徴とする双方向情報伝送システム。 - 前記第1情報信号は、複数の判断情報の内のいずれかを利用者に選択させるための命題情報を含み、
前記制御情報は、前記リモコンの前記情報入力部へ入力された判断情報と対比すべき参照情報と、前記情報記録媒体上での前記第1情報信号の再生位置に関する互いに異なる複数の移動先情報とを含み、
前記信号形成部は、前記情報入力部へ入力された判断情報と参照情報とに基づいて前記複数の移動先情報の内のいずれかの移動先情報を選択し、選択した移動先へ前記第1情報信号の再生位置を移動させるための制御信号を形成するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の双方向情報伝送システム。 - 情報記録媒体に記録されており、利用者に供するために音響信号及び/又は映像信号として再生されるべき第1情報信号を、再生プロセスに従って再生して出力することにより利用者に供することが可能であると共に、前記第1情報信号の前記情報記録媒体上の記録エリアとは別に記録された所定の制御情報を含む第2情報信号を再生して出力する情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するリモコンであって、
前記情報再生装置から出力された前記第2情報信号を入力する信号入力部と、
利用者が判断情報を入力することができる情報入力部と、
該情報入力部へ入力された判断情報と、前記信号入力部から入力された第2情報信号に含まれる制御情報とから前記情報再生装置の再生プロセスを遠隔制御するための制御信号を形成する信号形成部と、
該信号形成部が形成した制御信号を前記情報再生装置に向けて出力する信号出力部と
を備えることを特徴とするリモコン。 - 前記第1情報信号は、複数の判断情報の内のいずれかを利用者に選択させるための命題情報を含み、
前記制御情報は、前記リモコンの前記情報入力部へ入力された判断情報と対比すべき参照情報と、前記情報記録媒体上での前記第1情報信号の再生位置に関する互いに異なる複数の移動先情報とを含み、
前記信号形成部は、前記情報入力部に入力された判断情報と参照情報とに基づいて前記複数の移動先情報の内のいずれかの移動先情報を選択し、選択した移動先へ前記第1情報信号の再生位置を移動させるための制御信号を形成するようにしてあること
を特徴とする請求項3に記載のリモコン。
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