JP3624187B2 - 植毛用水分散型樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植毛用水分散型樹脂組成物に関する。より詳細には、自動車の内装、及びガラスチャンネルなどの自動車部品等に用いられるポリオレフィン製の基材の植毛に使用される植毛用水分散型樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の内装は、アクリルエマルジョン系接着剤を用いて、パイル(短繊維)が植毛されたABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)製の成形品が使用されていた。しかし、近年、車体の軽量化及びコストダウン等のため、ABS樹脂製の成形品の代りに、ポリオレフィンを基材として用いた成形品が用いられるようになった。ポリオレフィンにアクリルエマルジョン系接着剤は密着しにくいので、予めポリオレフィンを基材として用いた成形品にプライマーを塗布した(即ち、プライマー処理をした)後、アクリルエマルジョン系接着剤を塗布する必要がある。従って、ポリオレフィンを基材として用いた成形品への植毛は、プライマー処理が必要であり、非常に手間がかかるので、ABS樹脂製の成形品への植毛と比較して、コストアップになるという問題が有る。更に、自動車業界から、コストを削減するため、ポリオレフィン製の基材に対しても、プライマー処理をすることなく塗工することができる、植毛用として有用な接着剤組成物が望まれている。
【0003】
特開平1−153777号公報及び特開平1−107869号公報等は、プライマー処理をすることなく、ポリオレフィン(特に、ポリプロピレン)製の基材に塗布できる接着剤を開示している。ここで、特開平1−153777号公報は、水性エマルジョンからなる水性接着剤組成物を開示しているが、それを植毛分野に利用できることは記載されていない。特開平1−107869号公報は、乳化分散した塩素化ポリプロピレン及びアクリルエマルジョンからなる植毛用バインダーを開示するが、この植毛用バインダーは、トルエン及びキシレン等の有機溶剤を15重量%程度含有しているので人体に有害であり、しかも、地球環境保全の面からも好ましいものではない。
【0004】
また、特開平5−287251号公報は、有機溶剤を含有しない植毛用接着剤を開示し、この植毛用接着剤は、人体や環境面について好ましく、更に、ポリオレフィン製の基材にプライマー処理を施さなくても使用できることが記載されている。しかし、この植毛用接着剤には、形成される塗膜(又は皮膜)とポリオレフィン製の基材との密着性が十分ではないという問題が有る。さらに、この植毛用接着剤でパイルをポリオレフィン基材に植毛したとしても、パイルが長期間に渡って保持されないことがある(即ち、パイルの保持性が低い)という問題が有る。従って、ポリオレフィン製の基材との密着性が高く、しかもパイルを長期間に渡って保持することができる(即ち、パイルの保持性が良好な)塗膜を形成し得る水系植毛用接着剤が要求されている。
【0005】
特開平7−173347号公報及び特公平1−47309号公報には、ポリオレフィン樹脂に、(メタ)アクリル酸エステルモノマー及びその誘導体を共重合させることで、密着性が向上した共重合体組成物が記載されている。しかしながら、これらの共重合体組成物は、形成される塗膜のパイル保持性に十分優れているとはいえなかった。パイル保持性を向上させるために組成物から形成される塗膜を硬く設計すると、塗膜が脆くなりすぎることがある。脆くなりすぎた塗膜は、その耐磨耗性が劣るので、時間の経過とともに外観の損傷を生じ得る。このように、各種物性のバランスの良い組成物を設計することは困難であった。
【0006】
更に、特開平7−173347号公報及び特公平1−47309号公報は、組成物の良好な塗工条件を、詳細に開示していない。従って、両公報記載の組成物は、ポリオレフィン製の基材に組成物を塗工する際に、塗工不良を生ずる可能性がある。ポリオレフィン製の基材に対する組成物の塗工性を向上させるには、塗布される組成物の設計が重要であるが、この設計は非常に難しく、適切に組成物が設計されていない場合、塗膜の厚みが不足する、均一な厚みの塗膜が得られないという問題も生じ得る。良好な塗膜が得られない場合、塗工した組成物の層にパイルを植毛して形成される塗膜がパイルを目標量保持できないことがあり、塗膜のパイル保持性が悪い場合、基材と形成される塗膜との密着性及び植毛されて形成される塗膜の耐摩耗性等も低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、パイルを基材に植毛するために使用することができる水分散型樹脂組成物であり、特にポリオレフィン製の基材にプライマー処理をすることなく、パイルを植毛することができる水分散型樹脂組成物であり、樹脂組成物の塗工性、基材と形成される塗膜との密着性、植毛されて形成される塗膜の耐摩耗性、及び塗膜のパイル保持性から選択される少なくとも一種が向上され、更に、これらのバランスに優れた植毛用水分散型樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を行った結果、
(A)成分:化学式(1)で示される特定の単量体(以下「単量体(a)ともいう」)
【化2】
CH=C(R)−COO−R (1)
[化学式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基、Rは、単環式アルキル基である。]
及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含む水分散型樹脂組成物、並びに
(B)成分:塩素化ポリオレフィンの水分散型組成物
を含む水分散型樹脂組成物は、植毛用水分散型樹脂組成物として使用できるが、特にプライマー処理がされていないポリオレフィン製の基材にパイルを植毛することができる植毛用水分散型樹脂組成物として使用でき、更に、その樹脂組成物の塗工性、形成される塗膜と基材との密着性、植毛されて形成される塗膜の耐摩耗性、及び塗膜のパイル保持性から選択される少なくとも一種が向上され、また、それらのバランスに優れることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0009】
本明細書において「水分散型樹脂組成物」とは、その形態が水性媒体に樹脂が分散(又は懸濁)している組成物をいうが、樹脂の少なくとも一部が水性媒体に溶解していてもよい。「水性媒体」とは、一般的な水、例えば蒸留水、イオン交換水及び純水等をいうが、本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物の性質に悪影響を与えない限り、有機溶媒を含んでもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る(A)成分である水分散型樹脂組成物は、化学式(1)で示される特定の単量体(a)
【化3】
CH=C(R)−COO−R (1)
[化学式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基、Rは、単環式アルキル基である。]
及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含んで成る。
【0011】
単量体(a)とは、化学式(1)で示されるものであれば、特に制限されるものではない。
化学式(1)において「単環式アルキル基」とは、環式アルキル基のうち一つの環を有するアルキル基をいい、置換基を有していてもよい。Rの炭素数は、置換基が有する炭素数も含めて計算する。Rとして、例えば、シクロヘキシル基及びメチルシクロペンチル基を例示でき、シクロヘキシル基が好ましい。単量体(a)として、特にシクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0012】
尚、本明細書においては、アクリル酸とメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」ともいい、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを総称して「(メタ)アクリル酸エステル」又は「(メタ)アクリレート」ともいう。
【0013】
また「その他の不飽和単量体」とは、単量体(a)と共重合可能な不飽和単量体であって、目的とする(A)成分を得ることができるものであれば、特に制限されるものではない。その他の不飽和単量体として、例えば、下記の単量体を例示できる:
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル (メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル。
【0014】
単量体混合物に含まれる、「単量体(a)」と「その他の不飽和単量体」の重量比(単量体(a)/その他の不飽和単量体)は、30/70〜90/10であるのが好ましく、40/60〜80/20であるのがより好ましく、50/50〜70/30であるのが特に好ましい。単量体(a)/その他の不飽和単量体が30未満の場合、オレフィン基材と形成される塗膜との密着性が不十分と成り得、90を超える場合、塗膜のパイル保持性が不十分と成り得るので、良好な特性を有する植毛用水分散型樹脂組成物を得るために、単量体(a)/その他の不飽和単量体は、30/70〜90/10であるのが好ましい。
【0015】
(A)成分は、単量体(a)及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を、触媒及び乳化剤の存在下、せん断力を加えることができる攪拌機を用い、水性媒体中で共重合することによって製造することができる。
【0016】
ここで「触媒」及び「乳化剤」の種類、並びにそれらの濃度、さらに反応温度、反応時間及び攪拌速度等の重合反応条件は、目的とする本発明の植毛用水性樹脂組成物の特性によって適宜選択され得る。
【0017】
「触媒」とは、少量の添加によって単量体混合物の重合反応を起こさせることができる化合物であって、水性媒体で使用できるものが好ましい。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチル)バレロニトリル等を例示できるが、特に過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムが好ましい。
また、触媒の作用を促進させる還元作用を有する化合物を、助触媒として併用してもよく、そのような化合物として、例えば、チオ硫酸ナトリウム及び塩化第一鉄等を例示できる。
【0018】
「乳化剤」とは、水性媒体と単量体混合物とのエマルジョンを形成させるために使用する界面活性剤をいい、重合反応に悪影響を与えないものをいう。乳化剤は、スルホン酸基を有する化合物、スルホネート基を有する化合物及び硫酸エステル基を有する化合物、並びにそれらの混合物が好ましいが、通常の界面活性剤も使用できる。このような乳化剤として、例えば、下記化合物を例示できる:
石鹸、アルキルスルホン酸塩、及びポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤類;並びに
ポリオキシアルキルアリールエーテル及びオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤類。
【0019】
尚、乳化剤として、重合性乳化剤を使用するのがより好ましい。重合性乳化剤を使用すると、植毛用樹脂組成物から形成される塗膜の耐水性が向上する等の理由から好ましい。
【0020】
ここで「重合性乳化剤」とは、重合性の官能基を有し、かつ、水性媒体と単量体混合物とのエマルジョンを形成できる乳化剤として機能し得る化合物をいう。そのような化合物として、例えば、スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基又はエチレンオキサイド基を有するエチレン性炭素原子間二重結合を有する化合物、並びにそれらの混合物を例示できる。さらに、上記重合性乳化剤のスルホン酸基又はスルホネート基の対カチオンとして、アンモニウムイオン、カリウムイオン及びナトリウムイオンが好ましい。
【0021】
単量体(a)及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体のガラス転移温度(以下「共重合体のTg」ともいう)は、10〜60℃であることが好ましく、20〜40℃であることが好ましく、25〜35℃であることが特に好ましい。共重合体のTgが10℃未満の場合、得られる植毛用水分散型樹脂組成物から形成される塗膜の硬さが不十分なためパイルの保持強度が不十分となり得る。また、共重合体のTgが60℃を超える場合、最終的に得られる植毛用水分散型樹脂組成物から形成される塗膜が脆くなり、塗工された組成物の層に植毛されて形成される塗膜の耐磨耗性が低下し得る。
【0022】
(A)成分に含まれる共重合体は、単量体(a)と「その他の不飽和単量体」を含む単量体混合物を重合して得られるので、単量体(a)と「その他の不飽和単量体」の種類及び単量体(a)と「その他の不飽和単量体」の混合比(重量部)によって、共重合体のTgは定まる。所望のTgを有する共重合体を設計するには、単量体混合物中の単量体(a)及びその他の不飽和単量体の各々の単量体が単独重合したときに得られるホモポリマーのガラス転移温度(以下「ホモポリマーのTg」ともいう)を考慮して、単量体(a)と「その他の不飽和単量体」の混合比(重量部)を決める。
【0023】
具体的には「共重合体のTg」は、共重合体の理論Tgの算出式(2)を用いて計算によって求めることができる。
【数1】
1/Tg=C/Tg+C/Tg+・・・+C/Tg (2)
[算出式(2)において、
Tgは、共重合体の理論Tg、
は、n番目の単量体nが単量体混合物中に含まれる重量割合、Tgは、n番目の単量体nのホモポリマーのTg、
nは、共重合体を構成する単量体の数であり、正の整数。]
【0024】
単量体のホモポリマーのTgは、文献に記載されている値を用いることができる。そのような文献として、例えば、以下の文献を参照できる:三菱レーヨン社のアクリルエステルカタログ(1997年度版);並びに北岡協三著、「新高分子文庫7、塗料用合成樹脂入門」、高分子刊行会、1997年発行、第168〜169頁。
【0025】
以下に、上述の共重合体のTgの設計の一例について説明する。
単量体(a)として、ホモポリマーのTgが83℃である単量体であるシクロヘキシル(メタ)アクリレート(以下「CHMA」ともいう。)を使用し、単量体混合物に含まれる比率を40〜67重量部とした場合、「その他の不飽和単量体」として、例えばホモポリマーのTgが95℃以上の単量体及びホモポリマーのTgが−50℃以下の単量体を使用し、この場合、単量体混合物に含まれる比率は、前者については20〜30重量部とし、後者は13〜30重量部とする。
【0026】
具体的には、ホモポリマーのTgが83℃であるCHMAを、40〜67重量部、「その他の不飽和単量体」として、ホモポリマーのTgが95℃以上である単量体であるメチルメタクリレート(以下「MMA」ともいう。ホモポリマーのTgは105℃である)及び/もしくはスチレン(以下「St」ともいう。ホモポリマーのTgは100℃である)を20〜30重量部、並びにホモポリマーのTgが−50℃以下である2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2HEA」ともいう。ホモポリマーのTgは−85℃である)及び/もしくはブチルアクリレート(以下「BA」ともいう。ホモポリマーのTgは−54℃である)を13〜30重量部を使用し、単量体混合物を重合させることで、理論Tgが10〜60℃を示す共重合体を含む(A)成分を得ることができる。
【0027】
「単量体(a)」として、CHMAの他、例えば、メチルシクロペンチルメタクリレートを例示できる。
「ホモポリマーのTgが95℃以上である単量体」として、MMA、Stの他、例えば、アクリルアミド(ホモポリマーのTgは153℃である)、アクリル酸(以下「AA」ともいう。ホモポリマーのTgは106℃である)、メタクリル酸(以下「MAA」ともいう。ホモポリマーのTgは130℃である)、アクリロニトリル(ホモポリマーのTgは100℃である)及びマレイン酸(ホモポリマーのTgは130℃である)を例示できる。
「ホモポリマーのTgが−50℃以下である単量体」として、2EHA及びBAの他、例えば、ドデシルメタクリレート(ホモポリマーのTgは−65℃である)を例示できる。
【0028】
尚、CHMAのホモポリマーのTgの値については、三菱レーヨン社のアクリルエステルカタログ(1997年度版)の値を、MMA、St、2EHA、BA、AA、MAA、アクリルアミド、アクリルニトリル、マレイン酸、ドデシルメタクリレートについては、北岡協三著、「新高分子文庫7、塗料用合成樹脂入門」、高分子刊行会、1997年発行、第168〜169頁に記載の値を使用した。
【0029】
本発明の植毛用水分散型樹脂組成物に係る(B)成分は、塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物である。具体的には、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリブテン、塩素化イソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体の塩素化物及びプロピレン−1−ブテン共重合体の塩素化物等の水分散型樹脂組成物等を例示することができ、特に塩素化ポリプロピレンの水分散型樹脂組成物が好ましい。尚、これらは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0030】
(B)成分は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン(結晶性ポリプロピレン及び非結晶性ポリプロピレンを含む)、ポリブテン、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を、有機溶剤中にて塩素化した後、水及び乳化剤を加えてエマルジョン化することで得ることができる。有機溶剤は、その後、回収するのが好ましい。尚、ここで「乳化剤」とは、上述したものと同様である。
【0031】
(B)成分として、市販の塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物を使用することができる。そのような(B)成分として、例えば、日本製紙製のスーパークロンE633(商品名)、スーパークロンS−4032(商品名)及びスーパークロンS−4044(商品名)、並びに東洋化成工業株式会社製のハードレンEH202(商品名)を例示することができる。
【0032】
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、上述した(A)成分と(B)成分とを含んでなり、両者を混合することによって製造することができる。この際、必要に応じて、粘度調整剤を加えて、粘度を調節するのが好ましい。「混合」は、通常樹脂組成物を混合するために使用されている方法であって、本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物を得ることができる方法であれば、特に制限されるものではない。
【0033】
また、「粘度調整剤」とは、通常樹脂組成物の粘度を調整するために使用され、本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物を得ることができるものであれば、特に制限されるものではないが、樹脂組成物の性能に影響しないよう、できるだけ少量で調整できるのが好ましい。粘度調整剤として、例えば、日本エヌエスシー製のヨドゾールKA10(商品名)のようなアルカリ増粘タイプや旭電化製のアデカノールUH438のような会合タイプ等を例示できる。
【0034】
ここで、植毛用水分散型樹脂組成物の(A)成分と(B)成分との固形分比((A)/(B))は、40〜80/60〜20であるのが好ましく、45〜70/55〜30であるのがより好ましく、50〜60/50〜40であるのが特に好ましい。(A)成分が40重量部未満の((B)成分が60重量部を超える)場合、植毛用水分散型樹脂組成物から形成される塗膜のパイル保持性、及び塗工された植毛用水分散型樹脂組成物の層に植毛されて形成される塗膜の耐磨耗性が低くなり得る。(A)成分が80重量部を超える((B)成分が20重量部未満の)場合、植毛用水分散型樹脂組成物から形成される塗膜と基材との密着性が低くなり得る。
【0035】
ここで、(A)成分及び(B)成分の「固形分」とは、水分散型樹脂組成物である(A)成分及び(B)成分の各々を105℃で3時間加熱して得られる残分をいう。
尚、(A)成分の「濃度」及び(B)成分の「濃度」とは、上述の「固形分」を得る際に、(A)成分及び(B)成分を105℃で3時間加熱する前の質量に対する、(A)成分及び(B)成分の加熱後(固形分)の質量の百分率をいう。
【0036】
上述のようにして得られた本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は、30℃にてSB型回転式粘度計(スピンドルN0.4)を用いて測定して、100〜5000mPa・sであるのが好ましく、1000〜4000mPa・sであるのがより好ましく、2000〜3000mPa・sであるのが特に好ましい。粘度が100mPa・s未満の場合、植毛用水分散型脂組成物を基材に塗布して形成される塗膜が目的とする膜厚を有さないこともある。
【0037】
粘度が5000mPa・sを超える場合、植毛用水分散型樹脂組成物の基材への塗工性が低下し得る。後述するように、植毛用水分散型樹脂組成物をポリオレフィン製の基材に塗工する塗工方法として、例えばドクターナイフコーター、ロールコーター及びスプレーコーター等を例示できるが、いずれの塗工方法を用いても、レベリング性が低下し基材に植毛用水分散型樹脂組成物を均一な厚さで塗工することが困難となり得る。
【0038】
本明細書において「粘度」とは、JIS K5400に記載された「回転粘度計法」に準拠して測定された値をいう。より具体的には、「回転粘度計」として、JIS K7117に規定された単一円筒回転粘度計であるSB型回転式粘度計を用い、スピンドルNo.4を使用し、30℃に保った樹脂組成物内にて、スピンドルを60rpmで回転させて測定された値をいう。
【0039】
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物のチクソトロピーインデックス(以下「TI」ともいう)は、1.5〜6.0であることが好ましく、1.8〜4.0であることがより好ましく、2.0〜3.0であることが特に好ましい。
【0040】
TIが1.5未満の場合、塗工した際の樹脂組成物の流動性が高いという理由から、形成される塗膜が目的とする膜厚を有さないという問題が生じ得る。また、TIが6.0を超える場合、塗工した際の樹脂組成物の流動性が低いという理由から、レベリング性が低く均一な厚さの塗膜を得られないという問題が生じ得る。
【0041】
本明細書において「TI」とは、上述した粘度測定において、スピンドルを6rpmで回転させた以外は、同様の方法で得られた粘度(以下「粘度(6rpm)」ともいう)を、上述のスピンドルを60rpmで回転させて得た粘度(以下「粘度(60rpm)」ともいう)で除することによって得られる値をいう。このTIの計算式(3)を以下に示す。
【数2】
TI=粘度(6rpm)/粘度(60rpm) (3)
【0042】
上述の植毛用水分散型樹脂組成物は、このままでも植毛用水分散型樹脂組成物(又は接着剤)として使用することができるが、必要に応じて、例えば殺菌剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、界面活性剤、顔料、防錆剤、湿潤剤、シランカップリング剤及び架橋剤等の添加剤が添加されて使用される。
【0043】
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、基材に塗工されるが、その際基材に塗工されると同時に及び/もしくは基材に塗工された後に、塗工された組成物の層にパイルが植毛され、植毛された組成物の層が乾燥して塗膜が形成される。植毛用水分散型樹脂組成物は、通常樹脂組成物を基材に塗工するために使用される方法を用いて塗工することができる。例えば、スプレーコーター、ドクターナイフコーター、ロールコーターもしくはワイヤーコーターを用いて、ポリオレフィン製の基材に塗工することができる。
【0044】
基材に対する植毛用水分散型樹脂組成物の塗工量は、固形分として10〜200g/mであるのが好ましく、30〜150g/mであるのがより好ましく、40〜100g/mであるのが特に好ましい。
【0045】
本発明の植毛用水分散型樹脂組成物が塗布された基材に植毛する方法は、通常基材に植毛する方法として使用されている方法であれば、特に制限されるものではない。そのような方法として、パイルと共にスプレーコーティングする方法及び静電植毛法等を例示できる。パイルと共にスプレーコーティングする方法は、パイルを吹き付けることによりパイルが接着剤の層に刺さりやすくなるため、接着剤の塗工量を低減できる。また、静電植毛法を使用すると、パイル一本一本が隙間なく真直ぐに加工すべき面の接着剤の塗膜(塗布層)に固着するので好ましい。
【0046】
ここで「基材」とは、通常植毛用樹脂組成物が塗工され、パイルが植毛される基材であれば、特に制限されるものではない。「基材」として、例えば、ポリオレフィン製の基材及びABS樹脂製の基材等のプラスチック基材、並びに繊維基材等を例示できるが、本発明の植毛用水分散型樹脂組成物は、プライマー処理がされていないポリオレフィン製の基材にも好ましく使用できる。
【0047】
「ポリオレフィン製の基材」とは、通常ポリオレフィンとされる樹脂を使用して製造された基材をいい、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンを成形品にした基材を例示できる。更に、ガラス繊維、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤を混入ブレンドしたポリオレフィン製の基材、並びにポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンオキサイド、ナイロン、ポリエステル、ABS樹脂、ゴム等のポリマーで変性されたポリオレフィン製の基材でもよい。
【0048】
「パイル」とは、通常パイルとして使用されているものであれば、特に制限されるものではない。パイルとして、例えば、以下のものを例示できる:
綿、羊毛、麻等の天然繊維;
レーヨン、蛋白繊維等の羊毛繊維;
ポリウレタン系、ポリ塩化ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリエステル系、ポリアミド系(ナイロン)、アクリロニトリルの重合体及びアクリロニトリルの共重合体、ポリオレフィン系等の合成繊維;並びに
これらの混紡の編織布、不織布等の繊維製品。
【0049】
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、その塗工性、形成される塗膜の基材への密着性、植毛されて形成される塗膜の耐摩耗性、及び塗膜のパイル保持性から選択される少なくとも一種が向上され、これらのバランスに優れる。
【0050】
本明細書において「塗工性」とは、基材に全体的にむらなく均一な厚さで、組成物を塗工できることをいう。より具体的には、植毛用水分散型樹脂組成物を、ポリオレフィン製の基材に、スプレーコーティングした際の、スプレーのし易さをいう。均一にムラなく塗工することができているか否かを目視で観察して評価する。
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、ポリオレフィン製の基材に、スプレーコーティングして、ムラなく均一に塗工することができる(実施例では、◎及び○である。塗工性が良好である)ものが好ましい。
【0051】
本明細書において「密着性(又は付着性)」とは、JIS K5400に準拠した碁盤目テープ法を用いて得られた、塗膜とポリオレフィン製の基材との密着性をいう。具体的には、試験片上に形成した塗膜を貫通して、ポリオレフィンの素地面に達する切り傷を基盤目状に付け、この碁盤目状の切り傷の上に粘着テープを張り、はがした後の塗膜の付着状態を目視によって観察して評価する。密着性の試験は、基材と塗膜の密着性に注目して行ったので、植毛用水分散型樹脂組成物を基材に塗工した後、塗工した組成物の層に植毛することなく(パイル処理することなく)組成物の層が乾燥して形成された塗膜を用いて行った。JIS K5400に準拠したこの評価方法では、評価を0〜10点で数値化している。評価の良いものほど点が高く、最高点が10点である。
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、形成される塗膜の密着性の評価点数が8〜10である(実施例では、◎及び○である。密着性が優れる)ものが好ましい。
【0052】
本明細書において「耐磨耗性」とは、JIS L1096に準拠したテーバ形法を用いて測定された、植毛されて形成される塗膜の耐摩耗性をいう。具体的には、ポリオレフィンから円形試験片を作製し、本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物を円形試験片表面に塗布した後、形成された組成物の層に植毛して、組成物の層を乾燥させて塗膜を得た。その後、この円形試験片をテーバ形磨耗試験機に取り付け、1分間あたり70回転で回転摩擦し、500gの荷重を加えて1000回磨耗したときに、試験片の外観の変化を目視によって観察して評価する。本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物は、試験片上の植毛して形成された塗膜の磨耗部分の外観を観察し、異常が認められない(実施例では、◎及び○である。耐摩耗性に優れる)ものが好ましい。
【0053】
更に、本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物を用いて植毛された基材が提供され、特に植毛されたポリオレフィン製の基材が提供される。
【0054】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
【0055】
実施例の(A)成分を得るために使用した単量体を以下に示す:
シクロヘキシルメタクリレート(以下「CHMA」ともいう);
スチレン(以下「St」ともいう);
2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2EHA」ともいう)、及び
メタクリル酸(以下「MAA」ともいう)。
【0056】
(A)成分含まれる「共重合体のガラス転移温度(Tg)」は、共重合体の理論Tgの算出式(2)を用いて計算して求めた。
【数3】
1/Tg=C/Tg+C/Tg+・・・+C/Tg (2)
[算出式(2)において、
Tgは、共重合体の理論Tg、
は、n番目の単量体nが単量体混合物中に含まれる重量割合、Tgは、n番目の単量体nのホモポリマーのTg、
nは、共重合体を構成する単量体の数であり、正の整数。]
【0057】
上述の単量体のホモポリマーのTgは、文献に記載されている値を用いた。
CHMAについては、三菱レーヨン社のアクリルエステルカタログ(1997年度版)の値を、St、2EHA及びMMAについては、北岡協三著、「新高分子文庫7、塗料用合成樹脂入門」、高分子刊行会、1997年発行、第168〜169頁に記載の値を使用した。CHMA、St、2EHA及びMAAの各々のホモポリマーのTgの値として、83℃、100℃、−85℃及び130℃を用いた。
【0058】
(A)成分及び(B)成分の「固形分」は、水分散型樹脂組成物である(A)成分及び(B)成分の各々を105℃で3時間加熱して得た。
また、(A)成分の「濃度」及び(B)成分の「濃度」は、上述の「固形分」を得る際に、(A)成分及び(B)成分を105℃で3時間加熱する前の質量に対する、(A)成分及び(B)成分の加熱後(固形分)の質量の百分率として求めた。
【0059】
植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は、JIS K5400に記載された「回転粘度計法」に準拠して行い、回転粘度計、容器、温度計及び恒温水槽を使用した。「回転粘度計」として、JIS K7117に規定された単一円筒回転粘度計であるSB型回転式粘度計を用い、スピンドルNo.4を使用した。水温を30℃前後に設定できる「恒温水槽」を使用した。
恒温水槽を用いて、30℃に保った容器内の樹脂組成物内にて、スピンドルを60rpmで回転させ、樹脂組成物の抵抗によって生じたローターの回転の遅れを目盛板に指示し、粘度を求めた。
【0060】
尚、(A)成分の粘度は、上述の樹脂組成物の粘度測定と同様な方法を用いて行った。
【0061】
植毛用水分散型樹脂組成物のTIは、上述の粘度測定において、スピンドルを6rpmで回転させた以外は、同様の方法で得られた粘度(以下「粘度(6rpm)」ともいう)を上述のスピンドルを60rpmで回転させて得た粘度(以下「粘度(60rpm)」ともいう)で除することによって得た。このTIの計算式(3)を以下に示す。
【数4】
TI=粘度(6rpm)/粘度(60rpm) (3)
【0062】
得られた植毛用水分散型樹脂組成物は、樹脂組成物の塗工性、形成される塗膜と基材との密着性、及び植毛して形成される塗膜の耐摩耗性を評価した。
樹脂組成物の塗工性は、樹脂組成物を霧状にポリオレフィン製の基材に吹き付ける、スプレー性を試験することで評価した。塗工性は、基材に全体的にむらなく均一な厚さで、組成物を塗工できている場合を◎、基材に全体的にほぼ均一な厚さで組成物を塗工できている場合を○、全体的に不均一であり、塗膜の厚さにむらが有る場合、もしくは塗膜の厚さが目標とする厚さに達しない場合×とした。
【0063】
植毛用水分散型樹脂組成物から形成される塗膜と基材との密着性は、JIS K5400に記載された碁盤目テープ法に準拠する碁盤目試験を行い評価した。即ち、作製した試験片上の塗膜を貫通して、ポリオレフィン製の素地面に達する切り傷を基盤目状に付け、この基盤目の上に粘着テープを張った。テープを剥がした後の塗膜の付着状態を目視によって観察した。カットの交差点においても全く剥れを認めなかった場合を◎(評価点数が10に対応する)、カットの線及びカットの交差点においてわずかに剥れがある(5%未満)が、全体的な剥れはない場合を○(評価点数が8に対応する)、カットの線に沿って部分的又は全体的に剥れが有る(35%未満)場合を△(評価点数が6及び4に対応する)、全体的に大きな剥れが生じている(35%以上)場合を×(評価点数が2及び0に対応する)とした。
【0064】
植毛用水分散型樹脂組成物から得られる、植毛されて形成される塗膜の耐磨耗性は、JIS L1096に準拠したテーバ形法を用いる耐磨耗試験を行うことで評価した。即ち、ポリオレフィンから円形試験片を作製し、その円形試験片の表面に、樹脂組成物を塗布した後、形成された樹脂組成物の層に静電植毛法を用いて植毛し、組成物の層が乾燥することによって塗膜を得た。この植毛して形成された塗膜を有する円形試験片をテーバ形磨耗試験機に取り付け、1分間あたり70回転で回転させ、500gの荷重を加えて1000回磨耗されたときの試験片の磨耗部分の外観を目視にて観察した。
【0065】
実施例1の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた反応機に、160重量部の水及び0.5重量部の三洋化成株式会社製のアクアロンHS10(商品名)を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、混合物を80℃に加熱した。
一方、別に準備した下記の単量体からなる単量体混合物(得られる共重合体の理論Tgは32℃である)
シクロヘキシルメタクリレート:60重量部、
スチレン:20重量部、
2−エチルヘキシルアクリレート:19重量部、及び
メタクリル酸:1重量部
の均一溶液を、40重量部の水及び2.5重量部のアクアロンHS10からなる均一溶液に加えて、攪拌機を用いて攪拌しプレエマルジョンを調整した。
更にまた、重合触媒として、1重量部の過硫酸カリウム(以下「KPS」ともいう)を40重量部の水40に溶解した水溶液を調整した。
【0066】
上述の系内を窒素ガスで置換した反応機内に、上述のプレエマルジョン及び重合触媒であるKPSの水溶液の各々を同時に、反応機内の温度を80℃に保ったまま3時間かけて滴下し、更に80℃にて3時間攪拌を続けて、(A)成分の樹脂エマルジョンを得た。
得られた(A)成分の樹脂エマルジョンの粘度は40mPa・sであり、濃度は30重量%であった。
【0067】
(A)成分である上述の組成物の固形分344重量部に対して、(B)成分として塩素化ポリオレフィンディスパージョンである日本製紙製のスーパークロンE633(商品名)を固形分で344重量部を加え、更に粘度調整剤としてヨドゾールKA10(日本エヌエスシー製(商品名))を加えて粘度及びチクソトロピックインデックス(以下「TI」ともいう)を調節して、実施例1の植毛用水分散型樹脂組成物を得た。その粘度は4000mPa・sであり、TIは4.1であった。評価結果は表1に示した。
【0068】
実施例2の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
(B)成分としてスーパークロンE633を固形分で86重量部加え、更に粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加えて粘度及びTIを調節して、実施例2の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて実施例2の組成物を製造した。尚、実施例2の組成物の粘度は3500mPa・sであり、TIは3.5であった。
【0069】
実施例3の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
(B)成分としてスーパークロンE633を固形分で516重量部加え、更に粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加えて粘度及びTIを調節して、実施例3の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて実施例3の組成物を製造した。尚、実施例3の組成物の粘度は4100mPa・sであり、TIは4.5であった。
【0070】
実施例4の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは47℃である)
シクロヘキシルメタクリレート:60重量部、
スチレン:25重量部、
2−エチルヘキシルアクリレート:14重量部、及び
メタクリル酸:1重量部
に変更して、得られた樹脂のエマルジョンを(A)成分とした。
この(A)成分の樹脂エマルジョンの粘度は40mPa・sであり、濃度は30%であった。
【0071】
この(A)成分を固形分で344重量部用い、(B)成分としてスーパークロンE633を固形分で344重量部加え、更に粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加えて粘度及びTIを調節して、実施例4の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて実施例4の組成物を製造した。尚、実施例4の組成物の粘度は4000mPa・sであり、TIは3.9であった。
【0072】
実施例5の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加える量を変えて粘度及びTIを調節して、実施例5の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて実施例5の組成物を製造した。尚、実施例5の組成物の粘度は500mPa・sであり、TIは3.2であった。
【0073】
実施例6の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加える量を変えて粘度及びTIを調節して、実施例6の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて実施例6の組成物を製造した。尚、実施例6の組成物の粘度は4500mPa・sであり、TIは4.5であった。
【0074】
比較例1の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
(B)成分を使用しなかった以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて比較例1の組成物を製造した。尚、比較例1の組成物の粘度は4000mPa・sであり、TIは3.9であった。
【0075】
比較例2の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
(A)成分を使用しなかった以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて比較例2の組成物を製造した。尚、比較例2の組成物の粘度は3600mPa・sであり、TIは3.5であった。
【0076】
比較例3の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは−9℃である)
シクロヘキシルメタクリレート:60重量部、
2−エチルヘキシルアクリレート:39重量部、及び
メタクリル酸:1重量部
に変更して、得られた樹脂のエマルジョンを(A)成分とした。
この(A)成分の樹脂エマルジョンの粘度は35mPa・sであり、濃度は30%であった。
【0077】
この(A)成分を固形分で344重量部用い、(B)成分としてスーパークロンE633を固形分で344重量部加え、更に粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加えて粘度及びTIを調節して、比較例3の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて比較例3の組成物を製造した。尚、比較例3の組成物の粘度は3900mPa・sであり、TIは3.8であった。
【0078】
比較例4の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
単量体混合物を下記の単量体からなる混合物(得られる共重合体の理論Tgは73℃である)
シクロヘキシルメタクリレート:60重量部、
スチレン:34重量部
2−エチルヘキシルアクリレート:5重量部、及び
メタクリル酸:1重量部
に変更して、得られた樹脂のエマルジョンを(A)成分とした。
この(A)成分の樹脂エマルジョンの粘度は40mPa・sであり、濃度は30%であった。
【0079】
この(A)成分を固形分で344重量部用い、(B)成分としてスーパークロンE633を固形分で344重量部加え、更に粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加えて粘度及びTIを調節して、比較例4の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて比較例4の組成物を製造した。尚、比較例4の組成物の粘度は4000mPa・sであり、TIは3.8であった。
【0080】
比較例5の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加える量を変えて粘度及びTIを調節して、比較例5の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて比較例5の組成物を製造した。尚、比較例5の組成物の粘度は50mPa・sであり、TIは2.0であった。
【0081】
比較例6の植毛用水分散型樹脂組成物の製造
粘度調整剤としてヨドゾールKA10を加える量を変えて粘度及びTIを調節して、比較例6の植毛用水分散型樹脂組成物を得た以外は、実施例1に記載した方法と同様の方法を用いて比較例6の組成物を製造した。尚、比較例6の組成物の粘度は10000mPa・sであり、TIは6.5であった。
【0082】
実施例1〜6の植毛用水分散型樹脂組成物及び比較例1〜6の植毛用水分散型樹脂組成物について、上述した塗工性、密着性及び耐摩耗性を評価した。結果は、表1及び2に示した。
【0083】
【表1】
Figure 0003624187
【0084】
【表2】
Figure 0003624187
【0085】
【発明の効果】
本発明に係る植毛用水分散型樹脂組成物を使用すると、パイルを基材に植毛することができ、特にポリオレフィン製の基材にプライマー処理をすることなく植毛することができる。更に、この植毛用水分散型樹脂組成物は、基材に対する塗工性、形成される塗膜と基材との密着性、植毛されて形成される塗膜の耐摩耗性、及び形成される塗膜のパイル保持性から選択される少なくとも一種が向上される。

Claims (7)

  1. (A)成分:化学式(1)で示される単量体(a)
    Figure 0003624187
    [化学式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基、Rは、単環式アルキル基である。]
    及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体を含む水分散型樹脂組成物、並びに
    (B)成分:塩素化ポリオレフィンの水分散型樹脂組成物
    を含む植毛用水分散型樹脂組成物であって、
    (A)成分と(B)成分の固形分の比((A)/(B))は、40〜80重量部/60〜20重量部であり、
    (A)成分に含まれる単量体(a)及びその他の不飽和単量体を含む単量体混合物を重合して得られる共重合体のガラス転移温度は、10〜60℃であり、
    植毛用水分散型樹脂組成物の粘度は、SB型回転式粘度計(スピンドルNo.4)を用いて30℃で測定して100〜5000mPa・sであり、かつ、植毛用水分散型樹脂組成物のチクソトロピーインデックスはSB型回転式粘度計(スピンドルNo.4)を用いて30℃で測定して1.5〜6.0であることを特徴とする植毛用水分散型樹脂組成物。
  2. 式(1)で示される単量体(a)は、シクロヘキシル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の植毛用樹脂組成物。
  3. (B)成分は、塩素化ポリプロピレンの水分散型樹脂組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植毛用樹脂組成物。
  4. テーバ形磨耗試験機の試験片上に塗布され、植毛されて形成される塗膜が、500gの荷重を加えて1000回磨耗された後、試験片の磨耗部分の外観を観察し、異常が認められないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植毛用樹脂組成物。
  5. 形成される塗膜について碁盤目テープ法を用いて行われる密着性の評価点数が8〜10であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の植毛用樹脂組成物。
  6. ポリオレフィン製の基材に、パイルと共にスプレーコーティングして、ムラなく均一に塗工することができることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の植毛用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の植毛用水分散型樹脂組成物を用いて植毛されたポリオレフィン製基材。
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