JPS6228965B2 - - Google Patents

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JPS6228965B2
JPS6228965B2 JP56003506A JP350681A JPS6228965B2 JP S6228965 B2 JPS6228965 B2 JP S6228965B2 JP 56003506 A JP56003506 A JP 56003506A JP 350681 A JP350681 A JP 350681A JP S6228965 B2 JPS6228965 B2 JP S6228965B2
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JP
Japan
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parts
water
group
soluble
acid
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Application number
JP56003506A
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English (en)
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JPS57117555A (en
Inventor
Keita Toba
Masatoshi Mikumo
Masahiro Asami
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
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Priority to US06/337,336 priority patent/US4415703A/en
Priority to GB8200737A priority patent/GB2090842B/en
Priority to FR8200417A priority patent/FR2497811A1/fr
Priority to DE19823200765 priority patent/DE3200765A1/de
Publication of JPS57117555A publication Critical patent/JPS57117555A/ja
Priority to US06/521,866 priority patent/US4521565A/en
Publication of JPS6228965B2 publication Critical patent/JPS6228965B2/ja
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は溶剤、可塑剤、水溶性樹脂等の添加混
合に対して安定なセルロース誘導体含有水性分散
液に関するものである。 従来セルロース誘導体含有エマルジヨンの製造
法に関しては特開昭51―28188号公報中に開示さ
れており、この方法で得られるセルロース誘導体
含有エマルジヨンの塗膜は耐ガソリン性、研摩
性、光沢に優れ、耐ブロツキング性の面で特に従
来のエマルジヨン塗膜に見られない性能を有して
いる。しかしながら上記のセルロース誘導体含有
エマルジヨンは、セルロース誘導体を含有するた
めに、エマルジヨンの造膜温度が高くなり、低温
(0〜20℃)で造膜させるには、通常造膜助剤と
しての有機溶剤の添加が必要である。通常、エチ
レングリコールn―ブチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールn―ブチルエーテルアセテ
ートなどが適しているが、その他の有機溶剤では
添加混合後のエマルジヨンの安定性が低下するこ
とが多い。 さらにエマルジヨン塗工時の流動性の改良を目
的として、アルコール系溶剤が添加されたり、エ
マルジヨン塗料の顔料の分散を良くするために、
水溶性有機溶剤や中和剤としてのアミン等を含有
する水溶性樹脂が使用されることが多いが、上記
のセルロース誘導体含有エマルジヨンは特に水溶
性有機溶剤の添加混合に対して不安定となりやす
く、セルロース誘導体含有エマルジヨン100重量
部に対して5〜10重量部の水溶性有機溶剤、例え
ばエチレングリコールモノブチルエーテル、イソ
プロピルアルコール、アセトン、ジエチルエタノ
ールアミン等を添加混合するとエマルジヨンが凝
集破壊されるために、高度の表面平滑性、顔料混
和性、速乾性等高度の性能、広範囲の混和性が要
求されるような高級塗料用エマルジヨンとしては
致命的とも云える欠点を有し、実用化の範囲が著
るしく制限されている。 そこで本発明者らは上記セルロース誘導体含有
エマルジヨンの水溶性有機溶剤の添加混合に対す
る安定性を改良するために、一般に使用されてい
る界面活性剤を用いて種々検討を行なつたが、水
溶性有機溶剤の添加混合に対する安定性を顕著に
改良したセルロース誘導体含有エマルジヨンを得
ることはできなかつた。そこで、水溶性ビニル重
合体を分散安定剤として、乳化重合を行なつたと
ころ、水溶性有機溶剤の添加混合に対する安定性
が、かなり改良されたセルロース誘導体含有エマ
ルジヨンが得られることがわかつた。しかしなが
ら、上記の水溶性有機溶剤に対する添加混合安定
性を与える水溶性ビニル系重合体は、セルロース
誘導体やセルロース誘導体を溶解するラジカル重
合性不飽和単量体から生成する重合体との相溶性
等を考慮して選定しなければならない。また乳化
重合系に多量の水溶性有機溶剤が添加された場合
には、エマルジヨンが凝集破壊されたり得られた
エマルジヨン塗膜の光沢が低いものであつた。更
に、水溶性ビニル系重合体に不飽和結合(炭素二
重結合)を導入して乳化重合中にグラフト反応を
起させて相溶性を改良することも考えられるが、
多数個の不飽和結合が導入された場合には、かな
りの確率でグラフト反応が期待できるが、不飽和
結合の数が少ない場合には、ほとんどグラフト反
応を期待することができない。また、多数個の不
飽和結合が導入された場合には、太陽光線等によ
るエマルジヨン塗膜の劣化や黄変がつきまとうと
いう欠点があり適用の巾が限定されていた。 そこで水溶性ビニル系重合体の適用の巾を広
げ、十分な水溶性有機溶剤の添加安定性を有する
セルロース誘導体含有エマルジヨンを得る目的で
さらに鋭意検討を行なつた結果、分散安定剤とし
て分子中に官能基を有し且つ水溶性である高分子
物質と、該官能基と反応して水中に於いて解離し
ない結合を形成する反応基を有し且つ目的とする
重合体と混合して存在し得る様な油性物質との相
溶性を有する非水溶性高分子物質との親水性反応
生成物を用いることにより完全に欠点が解消され
ることを見出した。 即ち本発明は、セルロース誘導体とそれを溶解
する少なくとも1種のラジカル重合性不飽和単量
体と水との混合物をラジカル重合条件下で重合さ
せて得られる水性分散液において、 1 α,β―エチレン性不飽和カルボン酸、スチ
レンスルホン酸又はその塩及びアクリル酸又は
メタクリル酸のポリアルキレングリコールエス
テルの少なくとも1種の単独重合体又は2種以
上の共重合体、或いはこれらとその他のラジカ
ル重合性不飽和単量体の1種又は2種以上との
共重合体、及び水溶性セルロースエーテルから
選ばれた分子中に官能基を有し且つ水溶性であ
る平均分子量300〜100000の高分子物質と、 2 ラジカル重合性不飽和単量体の1種又は2種
以上からなる非水溶性重合体であつて、重合体
連鎖中にエポキシ基、カルボキシル基、酸ハラ
イド、酸無水物、イソシアナート基、活性ハロ
ゲン、N―メチロール基、及びN―メチロール
エーテル基からなる群から選ばれた少なくとも
1種の反応基を有する平均分子量300〜200000
の非水溶性高分子物質、 とを高分子間反応せしめて得られた親水性反応生
成物を分散安定剤として含有してなるセルロース
誘導体含有水性分散液を提供するものである。 本発明のエマルジヨン組成物は、分散安定剤が
高分子量であり通常のイオン性又は非イオン性の
低分子量の界面活性剤によつて分散重合されたエ
マルジヨン組成物に比して、低発泡性であり、塗
膜の耐水性や塗膜の基材への付着性が著るしく向
上する上に、界面活性物質の移行が極度に抑制さ
れる利点を有しており、さらに本発明で使用され
る分散安定剤は水溶性高分子鎖の部分と親油性高
分子鎖の部分とからなるために、親油性高分子鎖
の部分がエマルジヨン粒子中に強固に固定され、
水溶性高分子鎖の部分が水相に存在し、エマルジ
ヨン粒子の合一、凝集が防止されるために、機械
的安定性、化学的安定性、凍結安定性等の安定性
の面で優れたものとなる。しかも本発明の水性分
散液から形成される塗膜は、セルロース誘導体含
有エマルジヨン組成物の典型的特徴と云える非粘
着性の表面と、良好な肌ざわり感(風合い)を有
し、優れた耐ガソリン性、研磨性を保持してお
り、木、紙、金属、皮革、プラスチツクス、建造
物等の塗料として、又印刷インキ、接着剤として
の用途が期待出来る。 本発明のセルロース誘導体含有水性分散液に使
用されるセルロース誘導体としては、得られるエ
マルジヨン組成物からの塗膜表面が粘着性を示さ
ず、良好な肌ざわり感(風合い)を有し、研磨性
その他の塗膜性状を改良するものであれば特に限
定されるものではない。その代表例としては、ニ
トロセルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、硫酸
セルロース、リン酸セルロース等のエステル変性
タイプのセルロース誘導体類、およびメチルセル
ロース、エチルセルロース、ブチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等のエーテル変性タイプのセルロース
誘導体が含まれる。工業的に入手し易く、比較的
安価なものとして、ニトロセルロース、とセルロ
ースアセテートブチレートが望ましい。これらの
セルロース誘導体の分子量は、特に制限されるも
のではないが平均分子量が約5000〜50000のもの
が好適であり、5000以下では得られるセルロース
誘導体含有エマルジヨン組成物の塗膜が脆くなる
傾向があり、50000以上のものでは得られるエマ
ルジヨン粒子径が大きくなり、分散性が若干低下
する。上記セルロース誘導体は単独あるいは2種
以上併用してもよい。 本発明のセルロース誘導体を溶解するラジカル
重合性不飽和単量体としては単独又は2種以上の
混合物がセルロース誘導体を溶解するものであれ
ば使用し得る。従つて、単独でセルロース誘導体
を溶解しないラジカル重合性不飽和単量体も適当
な他のセルロース誘導体を溶解するラジカル重合
性不飽和単量体と混合して使用し得る。これらの
ラジカル重合性不飽和単量体の代表例を挙げると 1 アクリル酸又はメタクリル酸のエステル類 一般式
【式】 で示され、Rは水素又はメチルであり、R1
C1〜20のアルキル基、C5〜6のシクロアルキル
基、メトキシブチル、エトキシブチル、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、フエニル、ベンジルC2〜8のヒドロキシア
ルキル、グリシジル、ジシクロペンチニル等で
ある。 2 アクリル酸又はメタクリル酸のアミド類 例えば、アクリルアミド、N―メチロールア
クリルアミド等が挙げられる。 3 ビニル芳香族化合物 一般式
【式】 で示されR2は水素又はメチル基、Xは水素、
メチル、ハロゲン、−NO2,−NH2,−N
(CH32,−N(C2H52,−SO3H,−SO3Na,−
SO3NH4等である。 4 α,β―エチレン性不飽和カルボン酸 例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸等である。 5 その他;酢酸ビニル、エチレン、ブタジエ
ン、アクリロニトリル、カルボン酸ビニル、N
―ビニル―2―ピロリドン等である。 セルロース誘導体とこれを溶解するラジカル重
合性不飽和単量体との重量比は、特に限定されな
いが、望ましくは1〜55:99〜45であり、最終の
セルロース誘導体含有エマルジヨン組成物に要求
される性能によつて適当な割合が選択される。 本発明に使用される分散安定剤をつくるため
の、分子中に官能基を有し且つ水溶性である高分
子物質は次の第一表(B)に示すいずれか一つ又は二
つ以上の官能基を分子鎖内に含むものである。 具体的には、α,β―エチレン性不飽和カルボ
ン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸等)、スチレンスルホン酸(又はその
塩)、アクリル酸又はメタクリル酸のポリアルキ
レングリコールエステルの少なくとも1種の単独
重合体は2種以上の共重合体あるいはこれらとそ
の他のラジカル重合性不飽和単量体の1種又は2
種以上との共重合体である。
【表】
【表】 又メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性セ
ルロースエーテルも含まれる。尚上記その他のラ
ジカル重合性不飽和単量体は特に限定されるもの
ではなく、ラジカル重合性を有し、共重合可能な
不飽和単量体であればよい。 その代表的なものを挙げると次の様になる。 1 アクリル酸又はメタクリル酸のエステル類 一般式
【式】 で示され、Rは水素又はメチル基であり、R1
はC1〜20のアルキル基、C5〜6のシクロアルキル
基、メトキシブチル、エトキシブチル、フエニ
ル、ベンジル、アリル、グリシジル、C2〜8のヒ
ドロキシアルキル、ジシクロペンチニル等 2 アクリル酸又はメタクリル酸のアミド類 例えば、アクリルアミド、N―メチロールア
クリルアミド等 3 ビニル芳香族化合物 R2は水素又はメチル基 Xは水素、メチル基、ハロゲン、ニトロ基、
アミノ基、−N(アルキル)基 4 その他;酢酸ビニル、エチレン、ブタジエ
ン、クロロプレン、イソプレン、アクリロニト
リル、塩化ビニル、カルボン酸ビニルエステル
等 これらの単量体より目的とする水溶性高分子物
質を得るに当つては、親水性有機溶剤を用いて溶
液重合するのが次の非水溶性高分子物質との高分
子反応にも好適であるが、特に溶液重合に限定さ
れるものではなく、公知の重合方法、例えば塊状
重合法、懸濁重合法、乳化重合法等により製造さ
れ得る。 これらの重合方法で重合する際の重合温度およ
び時間は、一般のラジカル重合に適用される温度
および時間の範囲であればよく、一般に重合開始
剤の存在下で0〜200℃であり、通常40〜150℃の
温度が採用され、約1〜10時間の重合反応が行な
われるが、これに限定されるものではない。水溶
性ビニル系重合体の製造に用いられるラジカル開
始剤は、一般に公知のものを用いればよく、例え
ば有機過酸化物、アゾ系化合物、スルフイド類、
スルフイン類、ニトリロ化合物等のラジカル開始
剤やレドツクス型のラジカル開始剤が使用され得
る。また連鎖移動剤として、一般に公知のもの、
例えばメルカプタン類、α―メチルスチレンダイ
マー等が使用され得る。 このようにして得られた水溶性高分子物質の数
平均分子量は300〜100000であり、好ましくは500
〜30000のものである。数平均分子量が300未満の
低分子量のものでは本発明の分散安定剤として使
用した時の分散性が低下する。また数平均分子量
が100000より大きい場合には、分散安定剤として
使用した際の得られる最終のエマルジヨンの系の
粘度が異常に高くなり、乳化重合操作が困難とな
る。 次に本発明に使用される分散安定剤をつくるた
めの非水溶性高分子物質はその分子鎖内に第一表
(A)で示す官能基のいずれかを反応基として含んで
いるものである。 かかるエポキシ基、カルボキシル基、酸ハライ
ド、酸無水物、イソシアナート基、活性ハロゲ
ン、N―メチロール基、N―メチロールエーテル
基等から選ばれた少なくとも1種の官能基を有す
る非水溶性高分子物質は、ラジカル重合性不飽和
単量体の1種又は2種以上からなる重合体であつ
て、その重合体連鎖中に上記の官能基群の中より
選ばれた少なくとも1種の官能基を有する重合体
である。かゝる官能基を有する重合体としては、
ラジカル重合性不飽和単量体より重合体を製造
し、これに加水分解等の後処理を行なうことによ
り上記の如き官能基を導入したものも含まれる
が、通常はこれらの官能基を有するラジカル重合
性不飽和単量体の単独重合又は共重合により官能
基を導入して、目的とする官能基を有する重合体
が製造される場合が多い。 かゝる非水溶性高分子物質の製造に使用される
ラジカル重合性不飽和単量体としては、ラジカル
重合性のエチレン性不飽和結合(〓C=C〓)を
有する限り、特に制約がないが、その代表例を示
すと次のようなものがある。 (i) アクリル酸又はメタクリル酸のエステル類 一般式
【式】 で示され、Rは水素又はメチル基であり、R1
はC1〜20のアルキル基、C5〜6のシクロアルキ
ル基、メトキシブチル、エトキシブチル、フエ
ニル、ベンジル、アリル、C2〜8のヒドロキシ
アルキル、ジシクロペンチニル、ポリエチレン
グリコール等、 (ii) アクリル酸はメタクリル酸のアミド類 例えば、アクリルアミド、N―メチロールア
クリルアミド等 (iii) ビニル芳香族化合物 R2は水素又はメチル基 Xは水素、メチル基、ハロゲン、ニトロ基、
アミノ基、N(アルキル)基等 (iv) その他;酢酸ビニル、エチレン、ブタジエ
ン、クロロプレン、イソプレン、アクリロニト
リル、塩化ビニル、カルボン酸ビニルエステル
等 (v) 官能基を有するビニル単量体 グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、アリルグリシジルエーテル、アクリ
ル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド、ア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フ
マル酸等 これらの不飽和単量体は、単独で用いてもよ
く、あるいは2種以上組合せて使用することがで
きる。単独で用いる例として、アクリル酸エステ
ル類又はメタクリル酸エステル類の単独重合体を
部分加水分解して、カルボキシル基を導入する等
がある。 上記した単量体を用いて、それ自体公知の重合
方法、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重
合法等により重合を行ない、必要な後処理を行な
つて、本発明の官能基を有する非水溶性高分子物
質を製造することができる。これらの重合法のう
ち有利には溶液重合に従つて行なうことが好まし
く、適当な不活性溶媒中で、重合開始剤(重合触
媒)の存在下に通常0〜約200℃、好ましくは、
30℃〜150℃(エポキシ基を有する不飽和単量体
を使用する場合には0゜〜90℃、好ましくは30℃
〜80℃)の反応温度において、約0.5〜20時間、
好ましくは約2〜10時間反応させることにより行
なうことができる。 使用する溶媒としては、生成する重合体を溶解
するものが好ましく、エポキシ基、酸ハライドの
官能基を有する単量体が使用される場合には、活
性水素を有さない溶媒を選定し、官能基の変質を
防止することが望ましい。 また重合触媒としては、公知の重合触媒を用い
ればよく、例えばアゾ系化合物、有機過酸化物、
スルフイド類、スルフイン類、ニトロソ化合物等
の通常のラジカル開始剤が使用される。 さらに連鎖移動剤として、一般に公知のメルカ
プタン類、α―メチルスチレンタイマー等が使用
される。 このようにして製造された官能基を有する非水
溶性高分子物質の分子量は約300〜約200000であ
り、好ましくは約300〜約20000である。 上記した非水溶性高分子物質中の反応基は2種
以上含ませてもよいが、水溶性高分子物質は官能
基が即水溶性賦与基であつて、官能基を多数有す
るため、非水溶性高分子物質の反応基を多くする
と両者の結合が多くなりすぎ、一般に水溶性高分
子物質と非水溶性高分子物質との反応生成物が水
溶性を失うに至る。従つて反応基は理想的には非
水溶性高分子物質1分子当り数個以内が好まし
く、又反応基を2種以上含ませる必要性はない。 これらの反応基は水溶性高分子物質の中の官能
基との反応性の点から選択されねばならず、具体
的に例示すると第一表に於て左右に対応させた様
になる。 又これらの非水溶性高分子物質は油性物質と良
好な相溶性を有することが重要で、特に本発明の
如く油性物質がラジカル重合性単量体である場合
その単量体とは勿論それから生成する重合体に相
溶性を有することにより本発明の分散安定剤中の
親油性分子鎖が生成重合体にからみ合うことによ
り、分散安定剤がエマルジヨン粒子に固定され、
分散安定剤の親水性分子鎖の部分が水相にあつ
て、エマルジヨン粒子の合一、凝集を防止すると
考えられる。 一般に、重合体相互の相溶性は狭く、異種の重
合体を相溶させることは難しいことが多い。しか
しながら本発明に使用される分散安定剤は親水性
分子鎖の部分が水相にあり、親油性分子鎖の部分
が乳化重合の初期段階にあつては単量体に溶解し
ており、乳化重合の進行と共に単量体が重合体に
変換して行くと、単量体から生成した重合体中に
親油性分子鎖が比較的容易に埋め込まれて行く。
但し相溶性の極度に悪い場合には、乳化重合の進
行中に親油性分子鎖が重合中生成した重合体より
追い出され、エマルジヨン粒子から本発明の分散
安定剤全体が脱離することがある。その結果、分
散安定剤が通常使用されるポリビニルアルコール
等の水溶性重合体と同様、単なる保護コロイドと
してしか作用せず効果は激減する。それ故、親油
性分子鎖は少なくとも単量体に溶解する、即ち単
量体と相溶性を有する必要があり、目的とする重
合体と混合して存在し得るものでなければならな
い。この相溶性については通常知られているよう
に重合体同志の相互のSP値(solubility
parameter)が近いとか共重合体である場合には
組成が類似しているとか、あらかじめ予想するこ
とが可能であり、これらの点を配慮して分散安定
剤の組成や構造が設計される。例えば、重合しよ
うとする単量体がアクリル酸又はメタクリル酸の
エステルが主体(全量の50%以上)である場合に
は、本発明の分散安定剤の油溶性高分子鎖もアク
リル酸又はメタクリル酸のエステルが主体となる
組成であることが望ましい。但し、アクリル酸又
はメタクリル酸のエステル種が変更(例えばメチ
ルメタクリレートの代りにn―ブチルメタクリレ
ートを用いる)されたり、アクリル酸又はメタク
リル酸のエステル以外の少量成分の単量体の変更
は可能である(例えば、スチレンの代りにα―メ
チルスチレンを用いる。) また、重合しようとする単量体の組成と油溶性
高分子鎖の組成とが全く異なる場合には、単量体
からの重合体と油溶性高分子鎖の重合体とのsp
値の差が±1.0以内であることが望ましく、sp値
の差がこの範囲を越える場合には単に水溶性樹
脂、例えばポリビニルアルコールを分散安定剤に
使用した場合のように、水溶性有機溶剤の添加混
合に対して不安定なエマルジヨンになり易い。こ
れに対し重合しようとする重合体の組成と、油溶
性高分子鎖の組成が完全に同一である場合は、両
者は非常によく相溶し、最も望ましい。この場
合、本発明の分散安定剤はその水溶性高分子鎖に
対し重合しようとしている単量体がグラフト重合
したものと類似の構造を有することになる。 しかし、かゝるグラフト重合体は本発明の高分
子間の反応で合成した分散安定剤とは異り、幹高
分子への活性点の生成、活性点から生長する高分
子鎖長、組成などの調節が困難であり、ひいては
目標とする組成、構造を有する分散安定剤に設計
することが至難となる。 これに対し本発明の分散安定剤の場合は、油溶
性高分子鎖中の反応基の数を調節することは極め
て容易であり、油溶性高分子鎖を製造する際に、
設定される平均重合度に対して反応基を有する単
量体が数個以下、望ましくは1個になるよう単量
体の配合を選べばよい。 本発明の分散安定剤はこれまで説明した如き官
能基を有する水溶性高分子物質と反応基を有する
非水溶性高分子物質とを高分子間反応させて結合
することにより製造される。このためには一般的
には両者の溶液重合物を混合し、0〜200℃で1
分〜48時間反応させることにより目的とする親水
性反応生成物が得られるが、この方法に限定され
るものではなく、例えば両重合体を慣用の混合装
置、即ち熱ロール、バンバリーミキサー又は押出
機等で溶融混合することによつても製造され得
る。この際には1〜30時間で十分な反応を行なわ
せることができる。しかし混合方法、反応時間は
特に限定されるものではない。また必要に応じて
反応促進剤を加えることは特にさしつかえない。 このようにして製造された重合体はアルカリ金
属の水酸化物、アミン類、アンモニア等により中
和反応を行ない親水性高分子鎖の部分を水溶化す
ることができる。得られた親水性重合体は水に分
散された場合に、完全には溶解せずかすかに白濁
した状態を呈する場合もある。これは親水性高分
子鎖の部分は水に溶解するが、親油性高分子鎖の
部分の部分が水に溶解しないので水分散体として
水中に浮遊しているためと、若干の未反応の非水
溶性重合体が存在しているためである。しかしな
がら、これらの水に難溶性の部分又は分子は重合
しようとする単量体に溶解され、エマルジヨン粒
子中に混入されるため生成エマルジヨンの安定性
に対しては全く影響がない。 本発明の水性分散液を得るには、以上に述べた
分散安定剤を用いて、その存在下にセルロース誘
導体およびこれを溶解するラジカル重合性不飽和
単量体とからなる混合物を乳化重合する。この際
の乳化重合の方法としては、一般に公知の方法を
用いれば良く、ラジカル開始剤、連鎖移動剤等も
公知のものを使用すればよい。セルロース誘導
体、ラジカル重合性不飽和単量体以外に、造膜助
剤としての溶剤、可塑剤等を添加し乳化重合を行
なうことは何らさしつかえない。 このようにして得られるセルロース誘導体含有
エマルジヨン組成物は汎用塗料や接着剤、樹脂加
工添加剤等として巾広く使用され得る。さらにこ
のエマルジヨン組成物に必要に応じて、造膜助
剤、有機溶剤、可塑剤、染顔料、消泡剤、防錆
剤、防黴剤、その他の水溶性樹脂、メラミン等の
架橋剤等を通常用いられている量で含有させるこ
とができる。又必要に応じてその他のエマルジヨ
ンとブレンドして使用することも何らさしつかえ
ない。 さらに本発明を実施例について以下に説明す
る。 実施例 1 (1) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内にエチレングリコールモノブチルエーテ
ル45.1部(部は重量部、以下同じ)を仕込み
120℃に加熱する。このものに、メタクリル酸
メチル25.7部、アクリル酸2―エチルヘキシル
11.0部、アクリル酸9.8部及びα,α′―アゾビ
スイソブチロニトリル2.9部の混合物を2時間
かけて滴下する。滴下終了1時間後、さらに
α,α′―アゾビスイソブチロニトリル0.5部及
びエチレングリコールモノブチルエーテル5.0
部の混合物を加える。その後120℃で7時間重
合反応を行なう。かくして、固形分49.3%の水
溶性重合体溶液が得られた。 (2) 一方、別の撹拌機、還流冷却器及び滴下装置
を付けた反応器内にエチレングリコールモノブ
チルエーテル42.2部を仕込み70℃に加熱する。
このものに、メタクリル酸メチル33.3部、アク
リル酸2―エチルヘキシル14.3部、メタクリル
酸グリシジル1.8部、n―ドデシルメルカプタ
ン0.5部及びα,α′―アゾビスイソブチロニト
リル2.7部の混合物を2時間かけて滴下する。
滴下終了1時間後、さらにα,α′―アゾビス
イソブチロニトリル0.4部、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル4.7部の混合物を加え
て、70℃で7時間重合反応を行なう。かくして
固形分52.1%のエポキシ基を含有する重合体溶
液が得られた。 (3) 次に前記(1)の水溶性重合体溶液84.1部と(2)の
エポキシ基を含有する重合体溶液15.9部を混合
し、130℃に加熱して4時間反応を行なう。か
くして、固形分49.4%のエポキシ基とカルボキ
シル基との反応によつて結合した分枝を有する
水溶性重合体溶液が得られた。 前記(3)のエポキシ基とカルボキル基との反応
によつて結合した分枝を有する水溶性重合体溶
液21.8部に、水45.0部、25%アンモニア水1.4
部、30%水湿硝化綿(SS1/4,ダイセル化学工
業(株)製)8.1部、メタクリル酸メチル15.6部及
びアクリル酸2―エチルヘキシル6.7部を加え
て、良く撹拌しながら分散を行なう。得られた
水分散液に過硫酸カリウム0.1部を水1.3部に溶
かした水溶液を加えて、70℃で3時間重合反応
を行なう。かくして得られたセルロース誘導体
含有エマルジヨン組成物の性状及び塗膜の性能
を表1に示す。塗装は4ミルアプリケーターを
用いて行なつた(以下の実施例及び比較例にお
いても同様に行なつた)。 実施例 2 実施例1において使用した水湿硝化綿に代えて
セルロースアセテートブチレート(CA B―381
0.1、イーストマンケミカル社製)5.7部、さらに
水2.4部を追加した以外は実施例1と同様の配合
及び方法でセルロース誘導体含有エマルジヨン組
成物を得た。このものの性状及び塗膜性能は表1
に示す。 実施例 3 (1) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内にエチレングリコールモノブチルエーテ
ル46.1部を仕込み70℃に加熱する。このものに
メタクリル酸n―ブチル47.4部、メタクリル酸
グリシジル1.5部、n―ドデシルメルカプタン
0.7部及び、α,α′―アゾビスイソブチロニト
リル2.2部の混合物を2時間かけて、滴下す
る。滴下終了1時間後さらに、α,α′―アゾ
ビスイソブチロニトリル0.4部及びエチレング
リコールモノブチルエーテル1.7部の混合物を
加える。その後、70℃で7時間重合反応を行な
う。かくして固形分50.6%のエポキシ基を含有
する重合体溶液が得られた。 (2) 次に前記(1)のエポキシ基を含有する重合体溶
液16.3部と、実施例1の(1)で得られた水溶性重
合体溶液83.7部を混合し、130℃に加熱して、
4時間反応を行なう。かくして固形分49.5%の
エポキシ基とカルボキシル基との反応によつて
結合した分枝を有する水溶性重合体溶液が得ら
れた。 前記(2)のエポキシ基とカルボキシル基との反
応によつて結合した分枝を有する水溶性重合体
溶液21.8部に、水45.1部、25%アンモニア水1.4
部、30%水湿硝化綿(SS1/4,ダイセル化学工
業(株)製)8.1部、メタクリル酸メチル15.6部及
びアクリル酸2―エチルヘキシル6.7重量部を
加えて、良く撹拌しながら分散を行なう。得ら
れた水分散液に過硫酸カリウム0.1部を水1.3部
に溶かした水溶液を加えて、80℃で3時間重合
反応を行なう。かくして得られたセルロース誘
導体含有エマルジヨン組成物の性状及び塗膜の
性能を表1に示す。 実施例 4 (1) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内にトルエン45.1部を仕込み100℃に加熱
する。このものに、メタクリル酸メチル25.7
部、アクリル酸2―エチルヘキシル11.0部、ア
クリル酸9.8部及びα,α′―アゾビスイソブチ
ロニトリル2.9部の混合物を2時間かけて滴下
する。滴下終了1時間後、さらにα,α′―ア
ゾビスイソブチロニトリル0.5部及びトルエン
5.0部の混合物を加える。その後100℃で7時間
重合反応を行なう。かくして、固形分49.3%の
水溶性重合体溶液が得られた。 (2) 一方、別の撹拌機、還流冷却器及び滴下装置
を付けた反応器内に、トルエン42.4部を仕込み
100℃に加熱する。このものに、メタクリル酸
メチル33.3部、アクリル酸2―エチルヘキシル
14.3部、メタクリル酸2―ヒドロキシエチル
1.7部、n―ドデシルメルカプタン0.5部及び
α,α′―アゾビスイソブチロニトリル2.7部の
混合物を2時間かけて滴下する。滴下終了1時
間後、さらにα,α′―アゾビスイソブチロニ
トリル0.4部及びトルエン4.7部の混合物を加え
て、100℃で7時間重合を行なう。かくして固
形分52.1%の水酸基を含有する重合体溶液が得
られた。 (3) 前記(1)の水溶性重合体溶液84.1部、(2)の水酸
基を含有する重合体溶液15.9部及びp―トルエ
ンスルホン酸0.01部を混合し、生成する水を系
外に除去しながら、20時間還流を続ける。その
後、蒸留によりトルエンを除去する。トルエン
が約半分除去された時点で、50℃まで冷却し、
エチレングリコールモレブチルエーテル50.0部
を加えて、減圧蒸留を行ない、残りのトルエン
とエチレングリコールモノブチルエーテルの一
部を除去する。かくして、固形分55.4%のカル
ボキシル基と水酸基との反応によつてエステル
結合した水溶性グラフト重合体溶液が得られ
た。 (4) 前記(3)の水溶性グラフト重合体溶液20.0部
に、水45.4部、25%アンモニア水1.8部、30%
水湿硝化綿(SS1/4,ダイセル化学工業(株)製)
8.3部、メタクリル酸メチル16.1部、アクリル
酸2―エチルヘキシル6.9部を加えて、良く撹
拌をしながら分散を行なう。得られた水分散液
に過硫酸カリウム0.1部を水1.4部に溶かした水
溶液を加えて、80℃で3時間重合反応を行な
う。かくして得られたセルロース誘導体含有エ
マルジヨン組成物の性状及び塗膜の性能を表1
に示す。 実施例 5 実施例4において使用した水湿硝化綿に代え
て、セルロースアセテートブチレート(CAB―
381 0.1,イーストマンケミカル社製)5.7部、さ
らに水2.5部を追加した以外は実施例1と同様の
配合及び方法でセルロース誘導体含有エマルジヨ
ン組成物を得た。このものの性状及び塗装性能は
表1に示す。 実施例 6 (1) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内にエチレングリコールメチルエーテルア
セテート50.2部を仕込み120℃に加熱する。こ
のものにメタクリル酸メチル24.9部、アクリル
酸2―エチルヘキシル10.7部、アクリル酸9.7
部、メタクリル酸2―ヒドロキシエチル1.1部
及びα,α′―アゾビスイソブチロニトリル2.9
部の混合物を2時間かけて滴下する。滴下終了
1時間後、さらにα,α′―アゾビスイソブチ
ロニトリル0.5部を加えて、その後120℃で6時
間重合反応を行なう。かくして、固形分49.3%
の、水酸基を含有する重合体溶液が得られた。 (2) 一方、別の撹拌機、還流冷却器及び滴下装置
を付けた反応器内にエチレングリコールメチル
エーテルアセテート50.3部を仕込み、80℃に加
熱する。このものに、メタクリル酸n―ブチル
44.7部と4,4′―アゾビス(4―シアノペンタ
ン酸クロリド)4.5部の混合物を3時間かけて
滴下する。滴下終了1時間後、さらに4,4′―
アゾビス(4―シアノペンタン酸クロリド0.5
部を加え、80℃で6時間重合反応を行なう。か
くして固形分49.1%の連鎖末端に酸クロリド基
を含有する重合体溶液が得られた。 (3) 前記(1)の水酸基を含有する重合体溶液83.3部
と(2)の連鎖末端に酸クロリド基を含有する重合
体溶液16.7部を混合し、100℃で10時間反応を
行なう。その後減圧蒸留によつてエチレングリ
コールメチルエーテルアセテートの一部を除去
する。かくして固形分72.1%のエステル化反応
によつて生成した水溶性グラフト重合体溶液が
得られた。 (4) 前記(3)の水溶性グラフト重合体溶液15.4部
に、水50.0部、25%アンモニア水1.7部、メタ
クリル酸メチル16.1部、アクリル酸2―エチル
ヘキシル7.0部及び30%水湿硝化綿(SS1/4,
ダイセル化学工業(株)製)8.3部を加え、良く撹
拌しながら分散を行なう。得られた水分散液に
過硫酸カリウム0.1部を水1.4部に溶かした水溶
液を加えて、80℃で3時間重合反応を行なう。
かくして、得られたセルロース誘導体含有エマ
ルジヨンの性状及び塗膜の性能は表1に示す。 実施例 7 (1) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内に、トルエン45.1部を仕込み100℃に加
熱する。このものに、メタクリル酸メチル25.7
部、アクリル酸2―エチルヘキシル11.0部、ア
クリル酸9.8部及び、α,α′―アゾビス(イソ
ブチロニトリル)2.9部の混合物を2時間かけ
て滴下する。滴下終了1時間後、さらにα,
α′―アゾビス(イソブチロニトリル)0.5部及
びトルエン5.0部の混合物を加える。その後100
℃で7時間重合反応を行なう。かくして、固形
分49.3%の水溶性重合体溶液が得られた。 (2) 一方別の、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置
を付けた反応器内に、トリレンジイソシアナー
ト57.2部を仕込み50℃に加熱する。このもの
に、メタクリル酸2―ヒドロキシエチル42.7部
にハイドロキノン0.1部を加えた溶液を4時間
にわたつて滴下する。その後、50℃でさらに3
時間反応を続けた後、1日間放置する。かくし
て白色ワツクス状のイソシアナート変性アクリ
ル系単量体が得られる。 トルエン48.2部を仕込んだ撹拌機、還流冷却
器及び滴下装置を付けた反応器の内温を100℃
に保ち、上記イソシアナート変性アクリル系単
量体3.7部、メタクリル酸メチル31.6部、アク
リル酸2―エチルヘキシル13.5部及びα,α′
―アゾビス(イソブチロニトリル)2.6部の混
合物を2時間かけて滴下する。滴下終了1時間
後、さらに2,2′―アゾビス(イソブチロニト
リル)0.4部を加え、その後100℃で7時間重合
反応を行なう。かくして固形分51.0%のイソシ
アナート基を有する重合体溶液が得られた。 (3) 前記(1)の水溶性重合体溶液54.0部、(2)のイソ
シアナート基を有する重合体溶液10.4部を混合
し、100℃に加熱し、撹拌しながら、100℃で3
時間反応を行なう。その後蒸留によつてトルエ
ンの一部を除去し、さらにエチレングリコール
モノブチルエーテル35.6部を加えて、蒸留を行
ない、残りのトルエンとエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの一部を除去する。かくして
固形分78.4%の、高分子間での反応によつて生
成したグラフト重合体溶液が得られた。 (4) 前記(3)のグラフト重合体溶液14.8部に水49.1
部、25%アンモニア水1.9部、30%水湿硝化綿
(SS1/4,ダイセル化学工業(株)製)8.7部、メタ
クリル酸メチル16.8部、アクリル酸2―エチル
ヘキシル7.2部を加えて、良く撹拌しながら分
散を行なう。得られた水分散液に過硫酸カリウ
ム0.1部を水1.4部に溶かした水溶液を加えて、
80℃で3時間重合反応を行なう。かくして得ら
れたセルロース誘導体含有エマルジヨン組成物
の性状及び塗膜の性能を表1に示す。 実施例 8 (1) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内に、トルエン43.7部を仕込み100℃に加
熱する。このものに、メタクリル酸メチル34.4
部、アクリル酸2―エチルヘキシル14.7部、メ
タクリル酸2―ヒドロキシエチル1.7部及び
2,2′―アゾビス(イソブチロニトリル)2.8
部の混合物を2時間かけて滴下する。滴下終了
1時間後、さらにα,α′―アゾビス(イソブ
チロニトリル)0.4部を加え、その後100℃で7
時間重合反応を行なつた後80℃まで冷却する。 さらにトリレンジイソシアナート2.3部を十
分に撹拌しながら加えて、80℃で5時間反応を
行ない、固形分55.2%のイソシアナート基を有
する重合体溶液が得られた。 (2) 上記(1)のイソシアナート基を有する重合体溶
液9.7部と実施例1の(1)で得られた水溶性重合
体溶液54.5部を混合し、100℃に加熱し、撹拌
しながら100℃で3時間反応を行なう。その後
蒸留によつてトルエンの一部を除去し、さらに
エチレングリコールモノブチルエーテル35.8部
を加えて、蒸留を行ない、残りのトルエンとエ
チレングリコールモノブチルエーテルの一部を
除去する。かくして、固形分71.3%の高分子間
での反応によつて生成したグラフト重合体溶液
が得られた。 (3) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内に、前記(2)のグラフト共重合体15.5部に
水49.9部、25%アンモニア水1.8部、30%水湿
硝化綿(SS1/4,ダイセル化学工業(株)製)8.3
部、メタクリル酸n―ブチル23.0部の混合物を
加えて、良く撹拌しながら分散を行なう。得ら
れた水分散液に過硫酸カリウム0.1部を水1.4部
に溶かした水溶液を加えて、80℃で3時間重合
反応を行なう。かくして、得られたセルロース
誘導体含有エマルジヨン組成物の性状及び塗膜
性能を表1に示す。 実施例 9 (1) 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反
応器内に、トルエン48.4部を仕込み100℃に加
熱する。このものにアクリル酸エチル6.7部、
メタクリル酸メチル15.1部、アクリル酸9.4
部、メタクリル酸2―エチルヘキシル17.2部及
びα,α′―アゾビス(イソブチロニトリル)
2.8部の混合物を2時間かけて滴下する。滴下
終了1時間後、さらにα,α′―アゾビス(イ
ソブチロニトリル)0.4部を加える。その後100
℃で7時間重合反応を行なう。かくして固形分
51.6%の水溶性重合体溶液が得られた。 (2) 一方別の、撹拌機、還流冷却器及び滴下装置
を付けた反応器内に、トルエン46.0部を仕込み
100℃に加熱する。このものに、メタクリル酸
n―ブチル47.2部と4,4′―アゾビス(4―シ
アノペンタン酸)4.1部の混合物を2時間かけ
て滴下する。滴下終了4時間後、さらにα,
α′―アゾビスイソブチロニトリル0.4部を加え
る。その後、100℃で3時間重合反応を行なつ
た後、80℃まで冷却する。さらにトリレンジイ
ソシアナート2.3部を十分に撹拌しながら加え
て、80℃で5時間反応を行なう。かくして固形
分53.5%のイソシアナート基を有する重合体溶
液が得られた。 (3) 上記(1)の水溶性重合体溶液53.2部と上記(2)の
イソシアナート基を有する重合体溶液10.3部を
混合し、100℃に加熱し、撹拌しながら100℃で
3時間反応を行なう。その後蒸留によつてトル
エンの一部を除去し、さらにエチレングリコー
ルモノブチルエーテル36.5部を加えて蒸留を行
ない、残りのトルエンとエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの一部を除去する。かくし
て、固形分78.3%の高分子反応によつて生成し
たグラフト重合体溶液が得られた。 (4) 次に、前記(3)のグラフト重合体溶液14.5部に
水52.6部、25%アンモニア水1.8部、セルロー
スアセテートブチレート(CAB―381 0.1,イ
ーストマンケミカル社製)6.0部及びメタクリ
ル酸n―ブチル23.6部の混合物を加えて、十分
に撹拌しながら分散を行なう。得られた水分散
液に過硫酸カリウム0.1部を水1.4部に溶かした
水溶液を加えて、80℃で3時間重合反応を行な
う。かくして得られたセルロース誘導体含有エ
マルジヨン組成物の性状及び塗膜性能を表1に
示す。 比較例 1 撹拌機及び還流冷却器を付けた反応器内に、30
%水湿硝化綿(SS1/4,ダイセル化学工業(株)製)
9.3部、メタクリル酸メチル22.5部、アクリル酸
2―エチルヘキシル12.2部、メタクリル酸0.3
部、水51.4部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム1.3部及びアニオン系複合リン酸エステル
系乳化剤(Gafac RE―610 東邦化学工業(株)
製)1.3部を仕込み、十分に撹拌しながら分散を
行なう。得られた水分散液を80℃に加熱し、過硫
酸カリウム0.1部を水1.6部に溶かした水溶液を加
えて、3時間重合反応を行なう。かくして得られ
た、セルロース誘導体含有エマルジヨン組成物の
性状及び塗膜の性能は表1に示す。 比較例 2 撹拌機、還流冷却器及び滴下装置を付けた反応
器内に、エチレングリコールモノブチルエーテル
45.1部を仕込み120℃に加熱する。このものに、
メタクリル酸メチル25.7部、アクリル酸2―エチ
ルヘキシル11.0部、アクリル酸9.8部及びα,
α′―アゾビスイソブチロニトリル2.9部の混合物
を2時間かけて滴下する。滴下終了1時間後さら
に、α,α′―アゾビスイソブチロニトリル0.5部
及びエチレングリコールモノブチルエーテル5.0
部の混合物を加える。その後7時間重合反応を行
なう。かくして、固形分49.3%の水溶性重合体溶
液が得られた。 前記水溶性重合体溶液21.8部に水44.9部、25%
アンモニア水1.6部、30%水湿硝化綿(SS1/4,
ダイセル化学工業(株)製)8.0部、メタクリル酸メ
チル15.6部及びアクリル酸2―エチルヘキシル
6.7部を加えて撹拌しながら分散を行なう。得ら
れた水分散液に、過硫酸カリウム0.1部を水1.3部
に溶かした水溶液を加えて、80℃に加熱し重合反
応を行なつたが、重合の途中で重合体と水が分離
し、それ以上重合を続けることは困難であつた。 比較例 3 比較例2で得られた水溶性重合体溶液から減圧
蒸留によつてエチレングリコールモノブチルエー
テルの一部を除去した。かくして、固形分86.3%
の水溶性重合体溶液が得られた。 前記水溶性重合体溶液12.4部に水54.3部、25%
アンモニア水1.6部、30%水湿硝化綿(SS1/4,
ダイセル化学工業(株)製)8.0部、メタクリル酸メ
チル15.6部及びアクリル酸2―エチルヘキシル
6.7部を加え、良く撹拌しながら分散を行なう。
得られた水分散液に過硫酸カリウム0.1部を水1.3
部に溶かした水溶液を加えて、80℃で3時間重合
反応を行なう。かくして、得られた、セルロース
誘導体含有エマルジヨン組成物の性状と塗膜の性
能を表1に示す。
【表】 尚表1におけるエマルジヨンの性状及び塗膜性
能の試験方法は次の如くである。 粘度;ブルツクフイールド粘度計を用いて、30
℃、30rpmで測定した。 放置安定性 (室温1カ月);エマルジヨンを室温で1カ月間
放置し、清浄なガラス板上にガラス棒で均一
に薄く塗付し、ただちに凝集物等の有無を観
察した。 (50℃ 7日間);エマルジヨンを50℃の雰囲気
下の恒温槽内で7日間連続して放置したの
ち、3時間放冷し、清浄なガラス板上にガラ
ス棒で均一に薄く塗布し、ただちに凝集物等
の有無を観察した。 水溶性有機溶剤添加安定性 (溶剤10%/エマルジヨン);エマルジヨン50g
を撹拌しながら水溶性有機溶剤5gを滴下
し、撹拌を1時間行なう。その後試料を清浄
なガラス板上にガラス棒で均一に薄く塗布
し、ただちに凝集物等の有無を観察した。 (溶剤50%/エマルジヨン);エマルジヨン50g
を撹拌しながら水溶性有機溶剤25gを滴下
し、撹拌を1時間行なう。その後、(溶剤10
%/エマルジヨン)と同様にして評価した。 透明性;ガラス板に塗布し、その透明性を肉眼で
判定した。 光沢;ガラス板に塗布し、塗膜の60゜鏡面反射率
を測定した。 硬度;表面処理した軟鋼板に塗布し、7日間室温
で乾燥後の鉛筆硬度を測定した。 不粘着性;ガラス板に塗布し、3日間室温で乾燥
後、塗面を上向きにして水平にガラス板を保
ち、50℃,90%RHに調整した恒温恒湿槽の
中で、塗面の中央に50mm平方のガーゼを5枚
重ね、ガーゼの中央に径40mm、重さ500gで
底面が平らなおもりをのせて、18時間放置し
た。その後、ガーゼを塗面から引き離し、塗
面とガーゼとの粘着の程度と塗面についた布
目の跡を調べた。 耐水性;ガラス板に塗布し、3日間室温で乾燥し
た後、塗面に水をのせて3時間後の塗膜の変
化を調べた。 付着性;JIS K―5400に準じて調整した軟鋼板に
塗布し、3日間室温で乾燥した後、塗面に1
mm間隔で縦横11本の線を切り込み、このごば
ん目にセロハン粘着テープを圧着してテープ
を引きはがした後のごばん目のはがれ状態を
評価した。 耐ガソリン性;ガラス板に塗布し、3日間室温で
乾燥した後、塗面にガソリンをのせて自然蒸
発させた跡に、さらにガソリンを滴下し、こ
れを5回くり返す。その後の塗膜の状態を観
察する。 研磨性;軟鋼板に塗布し、3日間室温で乾燥した
後、#400の耐水研磨紙を用いて塗面を10回
研磨し、研磨紙にカラミが生じていないかを
観察する。 評価結果は◎,〇,○△,△,×,の5段階で表
わし、◎〜○△は使用にさしつかえないものであ
り、△〜×は実用性のないものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 セルロース誘導体とそれを溶解する少なくと
    も1種のラジカル重合性不飽和単量体と水との混
    合物をラジカル重合条件下で重合させて得られる
    水性分散液において、 1 α,β―エチレン性不飽和カルボン酸、スチ
    レンスルホン酸又はその塩及びアクリル酸又は
    メタクリル酸のポリアルキレングリコールエス
    テルの少なくとも1種の単独重合体又は2種以
    上の共重合体、或いはこれらとその他のラジカ
    ル重合性不飽和単量体の1種又は2種以上との
    共重合体、及び水溶性セルロースエーテルから
    選ばれた分子中に官能基を有し且つ水溶性であ
    る平均分子量300〜100000の高分子物質と、 2 ラジカル重合性不飽和単量体の1種又は2種
    以上からなる非水溶性重合体であつて、重合体
    連鎖中にエポキシ基、カルボキシル基、酸ハラ
    イド、酸無水物、イソシアナート基、活性ハロ
    ゲン、N―メチロール基、及びN―メチロール
    エーテル基からなる群から選ばれた少なくとも
    1種の反応基を有する平均分子量300〜200000
    の非水溶性高分子物質、 とを高分子間反応せしめて得られた親水性反応生
    成物を分散安定剤として含有してなるセルロース
    誘導体含有水性分散液。
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