JP3623790B2 - ペースト状樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理炭酸カルシウムを含有したペースト状樹脂組成物に関するものであり、ポリウレタンシーラント、変性シリコーンシーラント、シリコーンシーラント、ポリサルファイドシーラント、ポリ塩化ビニルゾル、アクリルゾル、印刷インキ、塗料等として用いることができるペースト状樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンシーラント、変性シリコーンシーラント、シリコーンシーラント、ポリサルファイドシーラントなどのシーラントや、ポリ塩化ビニルゾル、アクリルゾル、印刷インキ、塗料等においては、その粘度が塗工、塗装、施工及び混合に大きく影響する。粘度を高めるため、これらのシーラント等には、一般に無機質充填剤などからなる揺変性付与材が添加されている(特許文献1及び2など)。
【0003】
しかしながら、硬化物の物性などから、充填剤を多量に配合できない場合には、少量で高い粘度を付与することができるヒュームドシリカなどの充填剤が揺変性付与材として使用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−199155号公報
【特許文献2】
特開2000−336341号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヒュームドシリカは一般に価格が高いため、これに代わるものとして低価格で高い粘度を付与することができる揺変性付与材が従来から要望されている。一方、炭酸カルシウムは、シーラント、ゾル等の充填剤として従来から使用されている。従って、炭酸カルシウムを添加することにより、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を付与することができれば、比較的安価な揺変性付与材として用いることができる。
【0006】
本発明の目的は、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を付与することができる表面処理炭酸カルシウムが含有されたペースト状樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のペースト状樹脂組成物は、BET比表面積20〜100m 2 /gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm 3 /gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが、ポリウレタンシーラント、変性シリコーンシーラント、シリコーンシーラント、ポリサルファイドシーラント、ポリ塩化ビニルゾル、アクリルゾル、印刷インキ、または塗料中に含有されていることを特徴としている。
【0008】
本発明のペースト状樹脂組成物は、表面処理炭酸カルシウムが含有されているので、比較的安価に製造することができる。また、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gである表面処理炭酸カルシウムが用いられているので、ペースト状樹脂組成物中における表面処理炭酸カルシウムの分散性が優れており、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有するペースト状樹脂組成物である。また、本発明のペースト状樹脂組成物は、良好な貯蔵安定性を有する。
【0009】
本発明における表面処理炭酸カルシウムは、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)で表面処理された炭酸カルシウムである。また、BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを表面処理したものである。
【0010】
不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)は、酸の形態で表面処理してもよいし、金属塩またはエステルの形態で表面処理してもよい。不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)は、炭素数6〜31の脂肪酸であることが好ましい。また、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)は、0.5〜1.9である。
【0011】
不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)による表面処理の合計量は、炭酸カルシウム100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。
さらに、不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)による表面処理の合計量を(C)重量部とし、BET比表面積を(D)m2/gとすると、(C)/(D)は、0.1〜0.5であることが好ましい。
【0012】
また、ペースト状樹脂組成物に添加される表面処理炭酸カルシウムの水分量は、カールフィッシャー水分測定機で0.05〜1.0%であることが好ましい。
本発明のペースト状樹脂組成物は、シーラントとして用いることができる。シーラントは、主にビルや住宅などの建築物の目地部分、ジョイント部分、ひび割れ部分、二重ガラスの接着部分などに使用され、気密性または水密性を保持するために用いられる。
【0013】
シーラントとしては、ポリウレタンシーラント、変性シリコーンシーラント、シリコーンシーラント、ポリサルファイドシーラントなどが挙げられる。これらのシーラントは、その硬化機構によって、1液型と2液型に分類される。
【0014】
本発明のペースト状樹脂組成物は、ポリ塩化ビニルゾルまたはアクリルゾルであってもよい。ポリ塩化ビニルゾルは、主に自動車のタイヤ周りや車両底の防音材、ドアやトランクの開閉部分のクッション材などとして使用される。
【0015】
アクリルゾルもまた、自動車のタイヤ周りや車両底の防音材、ドアやトランクの開閉部分のクッション材などとして使用される。
また、本発明のペースト状樹脂組成物は、印刷インキまたは塗料であってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
(炭酸カルシウム粒子)
本発明において、表面処理の対象として用いる炭酸カルシウム粒子は、特に限定されるものではなく、各種高分子材料の充填剤として使用することができるものであればよい。炭酸カルシウムには、天然炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム)及び合成炭酸カルシウム(軽質(膠質)炭酸カルシウム)がある。天然炭酸カルシウムは、石灰石原石から直接製造されるもので、例えば、石灰石原石を機械的に粉砕・分級することにより製造することができる。
【0017】
合成炭酸カルシウムは、水酸化カルシウムから製造されるもので、例えば、水酸化カルシウムを炭酸ガスと反応させることによって製造することができる。水酸化カルシウムは、例えば、酸化カルシウムと水と反応させることによって製造することができる。酸化カルシウムは、例えば、石灰石原石をコークス等で混焼することによって製造することができる。この場合、焼成時に炭酸ガスが発生するので、この炭酸ガスを水酸化カルシウムと反応させることによって炭酸カルシウムを製造することができる。
【0018】
本発明において用いる炭酸カルシウムは、BET比表面積が20〜100m2/gである。BET比表面積が20m2/g未満であると、表面処理後の炭酸カルシウムにおいて、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピーク及び最多確率空隙容量が本発明の範囲内であるものを得ることが難しくなる場合がある。また、一般にBET比表面積が100m2/gより大きな炭酸カルシウムを製造することは困難である場合が多い。BET比表面積のさらに好ましい値は20〜80m2/gであり、さらに好ましくは30〜60m2/gである。
【0019】
(不飽和脂肪酸)
本発明においては、上述のように、不飽和脂肪酸(A)と、飽和脂肪酸(B)で炭酸カルシウムが表面処理されていることが好ましい。不飽和脂肪酸は、分子中に二重結合を持っている脂肪酸であり、例えば、飽和脂肪酸の脱水反応によって生体内で合成される。不飽和脂肪酸としては、炭素数6〜31の不飽和脂肪酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数8〜26であり、さらに好ましくは9〜21である。不飽和脂肪酸の具体例としては、オブッシル酸、カルロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、モリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレビン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、ソルビン酸、リノール酸などが挙げられる。これらの中でも、オレイン酸、エルカ酸及びリノール酸が特に好ましく用いられる。
【0020】
不飽和脂肪酸は、そのまま酸の形態で表面処理に用いてもよいが、金属塩及び/またはエステルの形態で用いてもよい。不飽和脂肪酸の金属塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの中でも、水溶性の金属塩が好ましく用いられる。不飽和脂肪酸の金属塩として、具体的には、上記不飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられ、オレイン酸ナトリウム、エルカ酸ナトリウム及びリノール酸ナトリウムが特に好ましく用いられる。
【0021】
不飽和脂肪酸のエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル等の低級脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。
不飽和脂肪酸、その金属塩、及びそのエステルは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
(飽和脂肪酸)
飽和脂肪酸(B)は、分子中に二重結合を持っていない脂肪酸であり、天然脂肪酸はそのほとんどが直鎖状の一塩基性酸である。飽和脂肪酸としては、炭素数6〜31の飽和脂肪酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数8〜26であり、さらに好ましくは9〜21である。飽和脂肪酸の具体例としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アライン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。これらの中でも、パルミチン酸、ステアリン酸及びラウリン酸が好ましく用いられる。
【0023】
飽和脂肪酸は、そのまま酸の形態で表面処理に用いてもよいが、金属塩及び/またはエステルの形態で用いてもよい。飽和脂肪酸の金属塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらの中でも、水溶性の金属塩が好ましく用いられる。飽和脂肪酸の金属塩として、具体的には、上記飽和脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられ、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム及びラウリン酸ナトリウムが特に好ましく用いられる。
【0024】
飽和脂肪酸のエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル等の低級脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。
飽和脂肪酸、その金属塩、及びそのエステルは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0025】
(表面処理炭酸カルシウム)
表面処理炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム表面を処理し、付加価値を付与させた炭酸カルシウムである。その処理剤としては(A)及び(B)などの脂肪酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸などの樹脂酸、ビニルシラン、アミノシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン樹脂などの樹脂、さらには高分子分散剤などが挙げられるが、この限りではない。本発明では飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸が好ましい。
【0026】
本発明の表面処理炭酸カルシウムは、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gである。微細な炭酸カルシウム粒子は非常に凝集しやすく、表面処理の方法によって、凝集体の大きさや数が大きく異なる。上記の最多確率空隙径のピーク及び最多確率空隙容量は、このような凝集体の大きさや数によって変化する。最多確率空隙径のピーク及び最多確率空隙容量が本発明の範囲内となるように表面処理することにより作製した表面処理炭酸カルシウムを用いたペースト状樹脂組成物は、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有する。表面処理炭酸カルシウムの最多確率空隙径のピークの下限値は特に限定されるものではないが、一般には0.002μm未満の最多確率空隙径のピークを有するものを製造することは困難であるので、最多確率空隙径のピークのより好ましい範囲は、0.002μm以上0.03μm未満である。さらに好ましい最多確率空隙径のピークの範囲は、0.005〜0.02μmである。また、最多確率空隙容量のより好ましい範囲は、0.1〜0.3cm3/gである。
【0027】
表面処理炭酸カルシウムの空隙径及び空隙容量は、例えば、水銀圧入式空隙径測定装置(POROSIMETER2000、CARLO ERBA INSTRUMENTS製)を用いて測定することができる。例えば、圧入最高圧力を160MPa・s、限界最小空隙径を0.002μmとして測定することができる。空隙容量は、炭酸カルシウム粒子間の空隙に水銀が注入されたときの容量から求めることができ、空隙径は炭酸カルシウム粒子間の空隙に水銀を注入したときの圧力及び水銀の表面張力から求めることができる。空隙径分布曲線で最も確率の高い空隙径ピークの中心空隙を最多確率空隙径とし、このピークに含まれる空隙容量を最多確率空隙容量として測定することができる。
【0028】
上述のように、本発明の表面処理炭酸カルシウムは、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)で表面処理されていることが好ましい。この場合、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との割合(A)/(B)は、0.3〜5であることが好ましい。このような範囲内で不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)を併用して表面処理することにより、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を付与することができるという本発明の効果がより確実に得られる。(A)/(B)のより好ましい範囲は0.7〜4であり、さらに好ましくは1〜2である。また、不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)による表面処理の合計量は、炭酸カルシウム100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。さらに好ましい範囲は、炭酸カルシウム100重量部に対して3〜30重量部であり、さらに好ましくは6〜20重量部である。また、不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)による表面処理の合計量を(C)重量部とし、BET比表面積を(D)m2/gとすると、(C)/(D)は、0.1〜0.5であることが好ましい。さらに好ましくは0.15〜0.45であり、さらに好ましくは0.2〜0.4である。表面処理の脂肪酸の合計量をこのような範囲とした表面処理炭酸カルシウムを用いたペースト状樹脂組成物は、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を示すという本発明の効果がより確実に得られる。
【0029】
表面処理炭酸カルシウム中の処理剤の組成は、例えば、ガスクロマトグラフィーによって測定することができる。また、表面処理剤の含有量は、例えば、示差熱分析によって測定することができる。
【0030】
また、製造の乾燥工程上水分量が少なくなるように乾燥すると、コストアップになる。逆に水分量が多くなりすぎると、ペースト状樹脂組成物にしたときに貯蔵安定性が悪くなる等の問題が発生するので、適当な水分値であることが望ましい。表面処理炭酸カルシウムの水分量は、カールフィッシャー水分測定機で測定して0.05〜1.0%であることが好ましい。さらに好ましくは0.1〜0.9%であり、さらに好ましくは0.2〜0.8%である。水分量をこのような範囲にした表面処理炭酸カルシウムを用いることにより、良好な貯蔵安定性を付与することができる。
【0031】
(表面処理炭酸カルシウムの製造)
表面処理炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム表面を処理し、付加価値を付与させた炭酸カルシウムである。その処理剤としては(A)及び(B)などの脂肪酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸などの樹脂酸、ビニルシラン、アミノシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤、ポリエチレン、ポリプロピレン、ウレタン樹脂などの樹脂、さらには高分子分散剤などが挙げられるが、この限りではない。本発明では飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸が好ましい。
【0032】
例えば、炭酸カルシウム粒子のスラリー液に表面処理剤を添加して攪拌した後、脱水することによって製造することができる。表面処理剤として、不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を用いる場合には、これらを混合して添加することができる。炭酸カルシウムのスラリー液中の炭酸カルシウムの固形分含有量は、炭酸カルシウム粒子の分散性や、脱水の容易さ等を考慮して適宜調節することができる。また、炭酸カルシウム粒子の粒子径等によって適宜調整することができる。一般的には、スラリーの固形分含有量を2〜30重量%、好ましくは5〜20重量%程度となるように調整することにより、適度な粘度のスラリー液とすることができる。水の使用量を多くしすぎると、脱水が困難となり、排水処理等の点でも好ましくない。
【0033】
不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)は、酸のままの形態でスラリー液中に容易に分散させることが困難な場合が多いので、一般には鹸化して、ナトリウムやカリウム塩などの形態で炭酸カルシウムのスラリー液に添加することが好ましい。
【0034】
また、表面処理炭酸カルシウムの他の製造方法として、乾燥した炭酸カルシウム粒子をヘンシェルミキサーなどの攪拌混合機で攪拌しておき、表面処理剤を添加する方法が挙げられる。この方法は、比較的粒子径の大きな炭酸カルシウムに適している。
【0035】
(ポリウレタンシーラント)
本発明のペースト状樹脂組成物は、ポリウレタンシーラントとなるように調製してもよい。ポリウレタンシーラントは、主にイソシアネート、ポリオール、可塑剤、充填剤、その他の添加剤を含むものである。
【0036】
イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びその変性品、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などが挙げられる。
【0037】
ポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸、セバチン酸、ダイマー酸などのジカルボン酸、並びに、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパンなどのグリコールが挙げられる。また、その他のポリオールとしては、カプロラクトンを開環重合したタイプのエステルなどが挙げられる。
【0038】
可塑剤としては、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)、フタル酸ジヘプチル(DHP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、テトラヒドロフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、アジピン酸ジn−アルキル、ジブチルジグリコールアジペート(BXA)、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、マレイン酸ジブチル(DBM)、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOM)、フマル酸ジブチル(DBF)、リン酸トリクレシル(TCP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリブチルホスフェート(TBP)、トリス・(2−エチルヘキシル)ホスフェート(TOP)、トリ(クロロエチル)ホスフェート(TCEP)、トリスジクロロプロピルホスフェート(CRP)、トリブトキシエチルホスフェート(TBXP)、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP)、トリフェニルホスフェート(TPP)、オクチルジフェニルホスフェート(CDP)、クエン酸アセチルトリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどがあり、その他にはトリメリット酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン、ステアリン酸系可塑剤など、さらにジメチルポリシロキサンなどがある。
【0039】
充填剤(増粘材を含む)としては、無機系のものと、有機系のものが挙げられる。無機系の充填剤としては、炭酸カルシウム(天然品、合成品)、カルシウム・マグネシウム炭酸塩(天然品、合成品)、塩基性炭酸マグネシウム、石英粉、珪石粉、微粉珪酸(乾式品、湿式品、ゲル法品)、微粉末珪酸カルシウム、微粉珪酸アルミニウム、カオリンクレー、パイオフィライトクレー、タルク、セリサイト、雲母、ベントナイト、ネフェリンサイナイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック(ファーネス、サーマル、アセチレン)、グラファイト、針状・繊維状では、セピオライト、ワラストナイト、ゾノトライト、チタン酸カリウム、カーボン繊維、ミネラル繊維、ガラス繊維、シラスバルン、フライアッシュバルン、ガラスバルン、シリカビーズ、アルミナビーズ、ガラスビーズなどが挙げられる。有機系の充填剤としては、木粉、クルミ粉、コルク粉、小麦粉、澱粉、エボナイト粉末、ゴム粉末、リグニン、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等の粉末状またはビーズ状のもの、セルロース粉末、パルプ粉末、合成繊維粉末、アマイドワックス、カストル油ワックス等の繊維状のものが挙げられる。
【0040】
本発明のペースト状樹脂組成物における表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、樹脂成分(可塑剤を含む)及び液状の添加剤の合計100重量部に対して、5〜400重量部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜300重量部である。
【0041】
ペースト状樹脂組成物がポリウレタンシーラントである場合、イソシアネート、ポリオール、可塑剤、及び液状の添加剤の合計100重量部に対して、上記配合割合となるように表面処理炭酸カルシウムを含有させることが好ましい。
【0042】
(変性シリコーンシーラント)
本発明のペースト状樹脂組成物は、変性シリコーンシーラントとなるように調製されてもよい。変性シリコーンシーラントは、主に変性シリコーン樹脂、可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤からなる。
【0043】
変性シリコーン樹脂としては、例えば以下のようにして製造されたものが用いられる。ポリオキシプロピレングリコールの末端ヒドロキシ基をアルコキシド基に転換させた後、多価ハロゲン化合物を反応させることによって分子量を増大させ、分子量延長反応により高分子量化した後、CH2=CHRXで示される有機ハロゲン化合物を反応させて末端にオレフィン基を導入し、脱塩素精製工程を経てヒドロシリル化反応によって末端に反応性のシリコーン官能基を導入して変性シリコーン樹脂を製造する。
【0044】
可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤は、ポリウレタンシーラントにおいて説明したのと同様のものを用いることができる。
表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、変性シリコーンシーラントの場合、変性シリコーン樹脂、可塑剤、及び液状の添加剤の合計100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜300重量部である。
【0045】
(シリコーンシーラント)
本発明のペースト状樹脂組成物は、シリコーンシーラントとなるように調製してもよい。シリコーンシーラントは、主にシリコーン樹脂、架橋剤、可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤を含む。
【0046】
シリコーン樹脂としては、例えば以下のようにして製造されたものが用いられる。二酸化珪素を電気炉で還元して得られた金属珪素(Si)の粉砕品と塩化メチル(CH3Cl)を銅触媒の存在下、高温で反応させて粗クロロシラン[(CH3)nSiCl4−n)]を合成し、これを精留して、ジメチルジクロロシラン(CH3)2SiCl2を取り出す。ジメチルジクロロシランは加水分解すると同時に縮合し、環状体と水酸基を持つ直鎖状体となる。環状体、直鎖状体ともにH2O存在下でアルカリ触媒または酸触媒を用いて重合することによって、両末端に水酸基を有するシリコーン樹脂とすることができる。
【0047】
架橋剤は、加水分解性の官能基が2個以上あるシランまたはシロキサン系化合物が用いられ、その種類としては、脱オキシム形、脱酢酸形、脱アルコール形、脱アミド形、脱ヒドロキシルアミン形、粉砕したオルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
【0048】
可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤としては、ポリウレタンシーラントにおいて説明したのと同様のものを用いることができる。
表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、シリコーンシーラントの場合、シリコーン樹脂、架橋剤、可塑剤、及び液状の添加剤の合計100重量部に対して、5〜400重量部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜300重量部である。
【0049】
(ポリサルファイドシーラント)
本発明のペースト状樹脂組成物は、ポリサルファイドシーラントとなるように調製してもよい。ポリサルファイドシーラントは、主にポリサルファイド樹脂、可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤を含む。
【0050】
ポリサルファイド樹脂としては、例えば以下のようにして製造されたものが用いられる。エチレンオキサイドと塩酸の反応によって得られるエチレンクロルヒドリンに、パラホルムアルデヒドを反応させて得られたジクロロエチルホルマールを出発原料とし、多硫化ナトリウムと少量の活性剤及び水酸化マグネシウムのコロイド状懸濁液中に、ジクロロホルマールを撹拌、加熱しながら添加し、ポリサルファイド樹脂を製造することができる。
【0051】
近年は、分子量末端にSH基(メルカプト基)を有し、主鎖中にウレタン結合を有する変性ポリサルファイド樹脂を用いる場合が多い。
可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤としては、ポリウレタンシーラントにおいて説明したものと同様のものを用いることができる。
【0052】
表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、ポリサルファイドシーラントの場合、ポリサルファイド樹脂(変性ポリサルファイド樹脂)、可塑剤、及び液状の添加剤の合計100重量部に対して、5〜400重量部とすることが好ましく、10〜300重量部とすることがさらに好ましい。
【0053】
(塩化ビニルゾル)
本発明のペースト状樹脂組成物は、塩化ビニルゾルとなるように調製してもよい。
【0054】
塩化ビニルゾルは、主に塩化ビニル樹脂、可塑剤、充填剤、その他の添加剤を含む。可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤としては、ポリウレタンシーラントにおいて説明したものと同様のものを用いることができる。
【0055】
表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、塩化ビニルゾルの場合、塩化ビニル樹脂、可塑剤、及び液状の添加剤の合計100重量部に対し、5〜400重量部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜300重量部である。
【0056】
(アクリルゾル)
本発明のペースト状樹脂組成物は、アクリルゾルとなるように調製してもよい。
アクリルゾルは、主にアクリル樹脂、架橋剤、可塑剤、充填剤、及びその他の添加剤を含む。
【0057】
アクリル樹脂を構成するモノマーとしては、メタクリルモノマーで大別すると、非官能性モノマー、一官能性モノマー及び多官能性モノマーに分類できる。非官能性モノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tertブチル、メタクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル−トルリデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸セチル−ステアリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどが挙げられ、一官能性モノマーとしては、メタクリル酸、メタクリル酸2ヒドロキシエチル、メタクリル酸2ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸tertブチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルなどが挙げられ、多官能性モノマーとしては、ジメタクリル酸エチレン、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸デカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタコンタヘクタエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリスリトール、ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコールなどが挙げられる。アクリル樹脂は、上記の非官能性モノマーと、一官能性モノマー及び/または多官能性モノマーを共重合して製造することができる。
【0058】
架橋剤としては、アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂などが挙げられる。可塑剤及び充填剤としては、ポリウレタンシーラントにおいて説明したものと同様のものを用いることができる。
【0059】
表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、アクリルゾルの場合、アクリル樹脂、可塑剤、及び液状の添加剤の合計100重量部に対して、5〜400重量部であることが好ましく、さらに好ましくは10〜300重量部である。
【0060】
(印刷インキ)
本発明のペースト状樹脂組成物は、印刷インキとなるように調製してもよい。
印刷インキは、主に色料、ビヒクル、添加剤などを含む。
【0061】
色料には、無機顔料及び有機顔料の顔料と、染料がある。無機顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、ブロンズ粉、ジスアゾイエロー、ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、フタロシアニンブルー、メチルバイオレットレーキ、昼光蛍光顔料などがある。有機系顔料としては、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、フタロシアニン顔料、染付けレーキ顔料などがある。染料としては、エオシン、ビクトリアブルー、ニグロシン、C.I.ディスパースレッド60などがある。さらに体質顔料が知られており、通常炭酸カルシウムなどは体質顔料として多く使用されている。体質顔料は、印刷インキの流動性、着色力、隠ぺい力、光沢などの調整用として用いられる。
【0062】
ビヒクルは主に油、樹脂、溶剤、及び添加剤からなる。
油は植物油、加工油、鉱油などの種類があり、植物油は主にアマニ油とシナキリ油、加工油は植物油を熱変成したものやマレイン化油、ウレタン油、ビニル化油、鉱油はマシン油、スピンドル油等が使用されている。
【0063】
樹脂としては、天然樹脂のガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、それらの誘導体、合成樹脂のロジン変成フェノール樹脂、尿素樹脂及びメラニン樹脂、ケトン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)、スチレン・マレイン酸樹脂、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹脂、クマロン・インデン樹脂、石油樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ニトロセルロース(硝化綿)、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、環化ゴム、塩化ゴム等が挙げられる。
【0064】
溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ゴム揮発油(工業ガソリン2号)、ミネラルスピリット、高沸点石油溶剤(インキオイル)、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、テトラリン、ジペンテン、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブチルアルコール、第二ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール、トリデシルアルコール(トリデカノール)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン(アノン)、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(DAA)、イソホロン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルセロソルブアセテート)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)等が挙げられる。
【0065】
添加剤としては、ワックス、ドライヤ、分散剤及び潤滑剤があり、ワックスは植物ろうのカルナウバろう、木ろう、動物ろうのみつろう、無水ラノリン(羊毛ろう)、鉱ろうのパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンろう、オゾケライト(地ろう)、ペトロラタム及びワセリン、合成ろうのポリエチレンワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、塩化パラフィン、脂肪酸アミド等が使用されている。ドライヤは金属石鹸を油脂に溶かした液状ドライヤ、ホウ酸マンガン、ホウ酸鉛、酢酸鉛などを乾性油ワニスに分散したペーストドライヤ等がある。分散剤及び潤滑剤は油性分散剤と水性分散剤があり、油性分散剤はレシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリアクリル酸の部分脂肪酸エステル、アルキルアミン脂肪酸塩、アルキルジアミン、アルキルトリアミン、ナフテン酸金属石鹸、また商品名ではICI社のソルスパース、ビックマリンクロット社のアンチテラ、楠本化学のディスパロン、水性分散剤はナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテルなどの非イオン界面活性剤、スチレンマレイン酸樹脂、ポリアクリル酸誘導体などのアルカリ可溶の樹脂などが使用されている。
【0066】
表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、印刷インキの場合、色料、ビヒクル及び添加剤の合計100重量部に対して、0.01〜50重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20重量部である。
【0067】
(塗料)
本発明のペースト状樹脂組成物は、塗料となるように調製してもよい。
塗料は、主に顔料、ビヒクル、及び添加剤を含む。
【0068】
顔料には無機顔料と有機顔料があり、無機顔料は亜鉛華、二酸化チタン、ベンがら、鉄黒、酸化クロム、コバルトブルー、チタンイエロー、シリカ、鉛丹、黄色酸化鉄、アルミナホワイト、黄鉛、ジンククロメート、モリブデンレッド、紺青、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、群青、マンガンバイオレット、カーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、有機系顔料はナフトールレッド、ベンズイミダゾロンボルドー、ファーストイエローG、ジスアゾイエローHR、縮合アゾイエロー、縮合アゾレッド、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、ニッケルアゾイエロー、キナクリドンレッド、キナクリドンスカーレット、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、ペリノンオレンジ、チオインジゴボルドー、フラバンスロンイエロー、ジアンスラキノリルレッド、インダスレンブルー、ジオキサジンバイオレット、キノフタロンイエロー、ピロールレッド、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、イソインドリノンイエロー、イソインドリンイエローなどが使用されている。さらに体質顔料が使用されており、通常炭酸カルシウムなどは無機顔料の中の体質顔料として多く使用されている。体質顔料は塗料の流動性、着色力、隠ぺい力、光沢などの調整用として用いられる。
【0069】
ビヒクルは主に樹脂、硬化剤、及び溶剤からなる。樹脂はアクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、セルロース系樹脂、天然樹脂、硬化剤はメラニン樹脂、ポリイソシアネート、ポリアミン樹脂、溶剤は炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、水などが使用されている。
【0070】
添加剤は主にレベリング剤、レオロジー調整剤、可塑剤、乳化剤、顔料分散剤、光安定剤などが使用されている。
表面処理炭酸カルシウムの配合割合は、塗料の場合、顔料、ビヒクル及び添加剤の合計100重量部に対して、0.1〜100重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜50重量部である。
【0071】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0072】
<表面処理炭酸カルシウムの製造>
(実施例1)
BET比表面積が40m2/gである合成炭酸カルシウム2kgに、固形分10重量%となるように80℃に調整した水を加え攪拌型分散機を用いて炭酸カルシウムスラリー液を調製した。該スラリー液を分散機で攪拌しながら、鹸化したオレイン酸/ステアリン酸=1.0の混合割合の混合脂肪酸200g(オレイン酸100gとステアリン酸100g)を、この炭酸カルシウムスラリー液に添加し、5分間攪拌した後、プレス脱水した。得られた脱水ケーキを乾燥した後、粉末化することにより、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウム約2kgを得た。
なお、BET比表面積は、比表面積測定装置フローソープII2300(マイクロメリチック社製)を用いて測定した。
【0073】
(実施例2)
BET比表面積が25m2/gの合成炭酸カルシウムを用いる以外は、上記の実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0074】
(実施例3)
オレイン酸/ステアリン酸=0.5の混合割合とした混合脂肪酸200g(オレイン酸67gとステアリン酸133g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0075】
(実施例4)
オレイン酸/ステアリン酸=1.9の混合割合とした混合脂肪酸200g(オレイン酸130gとステアリン酸70g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0076】
(実施例5)
オレイン酸/パルミチン酸=1.0の混合割合とした混合脂肪酸200g(オレイン酸100gとパルミチン酸100g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0077】
(実施例6)
オレイン酸/(ステアリン酸+パルミチン酸)=1.0の混合割合とした混合脂肪酸200g(オレイン酸100g、ステアリン酸50g、パルミチン酸50g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0078】
(実施例7)
オレイン酸/(ステアリン酸+ラウリン酸)=1.0の混合割合とした混合脂肪酸200g(オレイン酸100g、ステアリン酸50g、ラウリン酸50g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0079】
(実施例8)
オレイン酸/(ステアリン酸+パルミチン酸+ラウリン酸)=1.0の混合割合とした混合脂肪酸200g(オレイン酸100g、ステアリン酸34g、パルミチン酸33g、ラウリン酸33g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0080】
(実施例9)
(オレイン酸+リノール酸) /(ステアリン酸+パルミチン酸+ラウリン酸)=1.0の混合割合とした混合脂肪酸200g(オレイン酸80g、リノール酸20g、ステアリン酸34g、パルミチン酸33g、ラウリン酸33g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0081】
(比較例1)
BET比表面積が15m2/gである合成炭酸カルシウム2kgを用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0082】
(比較例2)
オレイン酸/ステアリン酸=1.0の混合割合の混合脂肪酸60g(オレイン酸30gとステアリン酸30g)を用いる以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0083】
(比較例3)
オレイン酸/ステアリン酸=0、すなわちオレイン酸を用いずにステアリン酸のみを200g用いた以外は、上記実施例1と同様にして、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸で表面処理した表面処理炭酸カルシウムを製造した。
【0084】
<粉体試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3で得られた表面処理炭酸カルシウムについて、水銀圧入式空隙径測定装置を用いて、最多確率空隙径及び最多確率空隙容量を測定した。測定条件は、圧入最高圧力を160MPa・sとし、限界最小空隙径を0.002μmとした。
【0085】
また、不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の合計の脂肪酸処理量を示差熱分析によって測定した。また、表面処理炭酸カルシウムにおける不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸の割合をガスクロマトグラフィーにより測定した。これらの結果を表1に示す。
【0086】
また、不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸の表面処理の合計量を(C)重量部とし、BET比表面積を(D)m2/gとしたときの(C)/(D)の値を表1に示す。
【0087】
また、カールフィッシャー水分測定機で測定した表面処理炭酸カルシウムの水分量を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
<DOPゾルの粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、DOPゾルを作製し、その粘度を測定した。DOPゾルは、表面処理炭酸カルシウム200gとDOP(ジオクチルフタレート、ジェイ・プラス社製)200gとを十分混練し、得られたDOPゾルの初期粘度を20℃で測定した。また、20℃×7日後の粘度を20℃で測定した。粘度は、BH型粘度計(TOKIMEC製)によって、2rpmと20rpmで測定した。測定結果を表2に示す。なお、粘度上昇率は、混練直後の粘度に対する7日後の粘度の上昇率を示している。
【0090】
【表2】
【0091】
表2に示す結果から明らかなように、本発明に従う実施例1〜3の表面処理炭酸カルシウムを用いたDOPゾルは、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有していることがわかる。また、貯蔵安定性においても優れていることがわかる。
【0092】
DOPゾルはほとんどのシーラントに可塑剤として含有されている。一般的にDOP粘度とシーラント粘度は相関性が得られている。よって、本発明に従う実施例1〜8の表面処理炭酸カルシウムを用いたシーラントの粘度も高い粘度及び良好なチキソトロピック性を示すと言える。
【0093】
<PPGゾルの粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、PPG(ポリプロピレングリコール)ゾルの粘度を測定した。PPGゾルの配合は、表面処理炭酸カルシウム200gとPPG(ポリプロピレングリコール、商品名「スミフェン3086」、住化バイエルウレタン社製)200gとを十分に混練し、得らたPPGゾルの初期粘度及び7日後の粘度を、上記と同様にして測定した。測定結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
表3から明らかなように、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いたPPGゾルは、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を示すことがわかる。また、貯蔵安定性においても優れていることがわかる。
【0096】
一般的に2液型ポリウレタンシーラントは硬化剤としてPPGを用い、2液型ポリウレタンシーラントの粘度はPPGゾルの粘度と良好な相関性を示す。よって、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いた2液型ポリウレタンシーラントの粘度も高い粘度及び良好なチキソトロピック性を示すと言える。
【0097】
<1液型変性シリコーンシーラントの粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、1液型変性シリコーンシーラントを調製し、その粘度を測定した。1液型変性シリコーンシーラントは、白艶華CCR(白石工業株式会社製)85g、変性シリコーンポリマー(商品名「MSポリマーS203」鐘淵化学株式会社製)100g、DOP50g、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトン305」白石工業株式会社製)35g、表面処理炭酸カルシウム15g、トリメトキシビニルシラン(商品名「KBM#1003」信越化学株式会社製)3.4g、及び触媒(商品名「#918」三共有機合成社製)2.5gを十分に混練して調製した。得られた1液型変性シリコーンシーラントについて、初期粘度及び7日後の粘度を上記と同様にして測定した。測定結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
【0099】
表4から明らかなように、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いた1液型変性シリコーンシーラントは、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有することがわかる。また、貯蔵安定性も良好であることがわかる。
【0100】
<2液型変性シリコーンシーラントの粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、2液型変性シリコーンシーラントを調製し、その粘度を測定した。2液型変性シリコーンシーラントの配合は、基剤としては、白艶華CCR(白石工業株式会社製)を120g、変性シリコーンポリマー(商品名「MSポリマーS203」鐘淵化学株式会社製)を35g、DOPを50g、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトンP−30白石工業株式会社製」)を20g、表面処理炭酸カルシウムを15g、及びエピコート828(油化シェルエポキシ製)5gを混合したものを用い、硬化剤として、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトンP−30白石工業株式会社製」20g、DOP6.3g、オクチル酸錫(製)3g、及びラウリルアミン(製)0.7gを混合したものを用いた。基剤及び硬化剤のそれぞれを十分に混練し、得られた2液型変性シリコーンシーラントの基剤について混練直後の粘度及び7日後の粘度を測定して、さらに、基剤と硬化剤を混合した直後の2液型変性シリコーンシーラントの粘度を上記と同様にして測定した。ただし、本評価に限ってBH型粘度計で1rpm及び10rpmの値を測定した。測定結果を表5に示す。
【0101】
【表5】
【0102】
表5から明らかなように、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いた2液型変性シリコーンシーラントの基剤及び2液型変性シリコーンシーラントは、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有することがわかる。また、貯蔵安定性も良好であることがわかる。
【0103】
<シリコーンゾルの粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、シリコーンゾルを製造し、その粘度を測定した。シリコーンゾルは、表面処理炭酸カルシウム200gとシリコーンオイル(商品名「TSF451−1M」GM東芝シリコーン社製)200gとを十分に混練して調製した。得られたシリコーンゾルの初期粘度及び7日後の粘度を、上記と同様にして測定した。測定結果を表6に示す。
【0104】
【表6】
【0105】
表6から明らかなように、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いたシリコーンゾルは、比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムを用いたシリコーンゾルに比べ、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を示すことがわかる。また、貯蔵安定性においても優れていることがわかる。
【0106】
一般的にシリコーンシーラントはシリコーンゾルの粘度と良好な相関性を示す。よって、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いたシリコーンゾル粘度も高い粘度及び良好なチキソトロピック性を示すと言える。
【0107】
<ポリ塩化ビニルゾルの粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、ポリ塩化ビニルゾルを調製し、その粘度を測定した。ポリ塩化ビニルゾルは、表面処理炭酸カルシウム200g、ポリ塩化ビニル樹脂(商品名「ZEST P21」新第一塩ビ社製)300g、DINP300g、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトンP−30」白石工業株式会社製)150g、接着付与剤(商品名「バーサミド140」ヘンケルジャパン製)10g、及び希釈剤(商品名「ミネラルターペン」山桂産業株式会社製)40gを十分に混練して調製した。得られたポリ塩化ビニルゾルについて初期粘度及び7日後の粘度を、上記と同様にして測定した。測定結果を表7に示す。
【0108】
【表7】
【0109】
表7から明らかなように、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いたポリ塩化ビニルゾルは、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有することがわかる。また、貯蔵安定性も良好であることがわかる。
【0110】
<アクリルゾルの粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、アクリルゾルを調製し、その粘度を測定した。アクリルゾルの配合は、表面処理炭酸カルシウム150g、アクリル樹脂300g、DINP300g、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトンP−30白石工業株式会社製」)100g、希釈剤(商品名「ミネラルターペン」山桂産業株式会社製)50g、接着付与剤(商品名「バーサミド140」ヘンケルジャパン製)100g、及びイソシアネート樹脂2.5gを十分に混練して調製した。得られたアクリルゾルについて初期粘度及び7日後の粘度を、上記と同様にして測定した。測定結果を表8に示す。
【0111】
【表8】
【0112】
表8から明らかなように、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いたアクリルゾルは、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有することがわかる。また、貯蔵安定性も良好であることがわかる。
【0113】
<印刷インキ及び塗料の粘度試験>
実施例1〜9及び比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムについて、印刷インキ及び塗料のそれぞれに共通する長油アルキドゾルを製造し、その粘度を測定した。長油アルキドゾルは、表面処理炭酸カルシウム7.5gと長油アルキド樹脂160g、酸化チタン63.0g、重質炭酸カルシウム(商品名「ホワイトンP−30」白石工業株式会社製)25.5g、合成炭酸カルシウム(商品名「ホモカルD」白石工業株式会社製)25.5g、ドライヤ(メチルエチルケトオキシム)1.7g、スキンナー(ナフテン酸ジルコン−ナフテン酸コバルト混合品)0.6gとを十分に混練して調製した。得られた長油アルキドゾルの混練1日後の粘度を、6rpmとする以外上記と同様にして測定した。測定結果を表9に示す。
【0114】
【表9】
【0115】
表9から明らかなように、本発明に従う実施例1〜9の表面処理炭酸カルシウムを用いた長油アルキドゾルは、比較例1〜3の表面処理炭酸カルシウムを用いた長油アルキドゾルに比べ、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を示すことがわかる。
【0116】
【発明の効果】
本発明のペースト状樹脂組成物は、ポリウレタンシーラント、変性シリコーンシーラント、シリコーンシーラント、ポリサルファイドシーラント、ポリ塩化ビニルゾル、アクリルゾル等として調製することができるものであり、高い粘度及び良好なチキソトロピック性を有する。また、粘度の経時変化が少なく、貯蔵安定性に優れている。
Claims (24)
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とするポリウレタンシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタンシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタンシーラント組成物。
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とする変性シリコーンシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項4に記載の変性シリコーンシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項4または5に記載の変性シリコーンシーラント組成物。
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とするシリコーンシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項7に記載のシリコーンシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項7または8に記載のシリコーンシーラント組成物。
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とするポリサルファイドシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項10に記載のポリサルファイドシーラント組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項10または11に記載のポリサルファイドシーラント組成物。
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とするポリ塩化ビニルゾル組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項13に記載のポリ塩化ビニルゾル組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項13または14に記載のポリ塩化ビニルゾル組成物。
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とするアクリルゾル組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項16に記載のアクリルゾル組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項16または17に記載のアクリルゾル組成物。
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とする印刷インキ組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項19に記載の印刷インキ組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項19または20に記載の印刷インキ組成物。
- BET比表面積20〜100m2/gの炭酸カルシウムを(A)不飽和脂肪酸と(B)飽和脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウムであって、水銀圧入法による空隙径分布曲線における最多確率空隙径のピークが0.03μm未満であり、かつ最多確率空隙容量が0.05〜0.5cm3/gであり、不飽和脂肪酸(A)と飽和脂肪酸(B)との混合割合(A)/(B)が0.5〜1.9である表面処理炭酸カルシウムが含有されたことを特徴とする塗料組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)を、それぞれ金属塩またはエステルの形態で表面処理していることを特徴とする請求項22に記載の塗料組成物。
- 不飽和脂肪酸(A)及び飽和脂肪酸(B)が炭素数6〜31の脂肪酸であることを特徴とする請求項22または23に記載の塗料組成物。
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