JP3622865B2 - 開封性を改善したフィルム包装体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は開封テープ(ティアテープ)を用いずに開封性を良くした磁気記録媒体、光記録媒体等を収納するケース等の直方体に対するフィルム包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製品の輸送や保管等に際しては、その価値と状態を保護するために、適切な材料、容器等を用いて包装を行なっている。特に、磁気記録媒体、光記録媒体等は塵埃が内部に侵入してテープやディスク等に付着すると、その性能を著しく損なってしまう。それ故、単品又は複数品にてフィルム包装している。一般に、フィルム製の包装体は薄くて強靱である上、フィルムを透明にすると、内部を透視できて好都合である。
【0003】
例えば、テープカセットを包装する場合には、通常は製品を1巻、プラスチック製の直方体ケースに入れた後、1枚の熱収縮性フィルムを用いてケースをキャラメル包装し、そのケースの両側面と胴部にフィルムの周辺部同士を互いに重ね合わせ、熱接着によりシール部に当る強接着部と弱接着部とを並べてそれぞれ形成し、特に胴部ではシール部を帯状のシール帯に形成してフィルム全体を熱収縮する。すると、包装形態が図21に示すような単品包装体10になる。又は、このような単品包装体10を複数巻例えば2段積み重ね、その積層した直方体に対してもう1度同様に包装すると、図22に示すような複数品ダブル包装体12になる。或いは、単品包装体せずに複数巻例えばケース14を2段積み重ね、その積層した直方体に対して同様に包装すると、図23に示すような複数品シングル包装体16になる。なお、キャラメル包装とは通常キャラメルの箱に施されている包装形態である。
【0004】
購入者がテープカセットを使用する場合、当然フィルム包装体10、12、16等は取り除かなければならない。そこで、一般には開封手段として、図24に示すように開封テープ18をケースの一側面の近くで胴部シール帯20と直交させて配置し、外装フィルム22の内側(外装フィルム22とケース又は個品包装フィルムとの間)に熱接着して用いている。又は、図25に示すように開封テープを使用せず、胴部シール帯24のケースの一側面の近くに重ねた外側と内側のフィルム26を接着しない非接着部28を設け、そこを開封口としている。そして、胴部シール帯20又は24を形成する外側に配置したフィルム(外側フィルム)22又は26の開封テープ18や非接着部28の近傍に、フィルム22又は26を破るきっかけとなる開封用の切り込みを1つ以上、後述するように外側フィルム22又は26の縁に達するように入れている。なお、開封用切り込みは製品(テープカセット収納ケース)をフィルム包装する包装機において、フィルム自動供給時に小口カッタにて入れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような熱収縮性フィルム22、26は厚さが20〜30μmあり、破れ方が一定しない。その上、熱収縮によりフィルム22、26がケースに密着している。このため、フィルムの破れ方を制御し難く、開封テープ18を用いても、図26に示すようにその周辺のフィルム22が破れるだけであり、ケース30から一部32を取り除けても、フィルム22の大部分34がケース30に密着したまま残ってしまったりする。又、胴部シール帯24の非接着部28を開封口にしたものでは、胴部シール帯24の略半分が帯状に強接着部になっているため、非接着部28の近傍にある強接着部に開封用切り込みを設けても、フィルム26をその切り込みから破り難い。しかも、フィルム26はその非接着部28から胴部シール帯24に沿っても剥がし難い。それ故、図27に示すようにその非接着部28にある外側フィルムの一部だけが小片36となって取れ、ケース38が少し露出するだけになってしまったりする。この結果、ナイフ等の道具を用いて残りのフィルムを切断しなければテープカセットを速やかに取り出せなくなる。
【0006】
なお、胴部シール帯24の全体を弱接着状態にして、外側フィルム26の縁まで切断するように開封用切り込み40を設けると、シュリンク炉に入れた時、外側フィルム26が熱収縮して開封用切り込み40が広がるように引っ張られ、図28に示すように外側フィルム26の開封用切り込み40の近傍箇所に皺42が発生し、或いは開封用切り込み40から縮れ44や捲れ46が発生し易い。結局、フィルム包装体の品位が劣ったものになる。因みに、48は外側フィルム26の縁である。
【0007】
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、開封テープを使用せず、胴部や側面にあるシール部の強接着部に非接着箇所や弱接着箇所を設けずに、フィルムに施す開封用切り込みの箇所等を選択してフィルムを破り易くし、広い範囲のフィルムを確実に速やかに取り除くことができる量産化に適し、品位の優れた開封性を改善したフィルム包装体を提供するを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明による開封性を改善したフィルム包装体108では1枚の熱収縮性フィルム70を用いて直方体50を包装し、その直方体50の胴部にフィルム70の周辺部同士を互いに重ね合わせ、熱接着により帯状のシール帯100を強接着部116と弱接着部110とで形成し、そのフィルム70を熱収縮する。
【0009】
そして、前記帯状のシール帯100の外側に配置したフィルム70の少なくとも弱接着部110に開封用切り込み62を入れ、その開封用切り込み62を外側フィルム70の縁部まで至らないように設ける。
又、開封用切り込み184を不連続的な多段階にすると好ましくなる。
【0010】
【作用】
上記のように構成すると、帯状のシール帯100の強接着部116を一様に強く接着できる。しかも、開封用切り込み62を少なくとも弱接着部110に設け、外側フィルム70の縁まで切断するようには設けていないため、フィルム70の熱収縮時にも開封用切り込み62が広がらない。それ故、開封用切り込み62の近傍箇所に皺、縮れ、捲れ等が発生しない。開封時には先ず爪先を開封用切り込み62に入れ、外側フィルム70を少し掻く。すると、開封用切り込み62は少なくとも弱接着部110に設けられているため、外側フィルム70の弱接着部110を形成する一部が内側に配置したフィルム70より簡単に剥がれる。
【0011】
そこで、剥がれた小片を摘んで、帯状のシール帯100の強接着部116に沿うように引っ張ると、外側フィルム70が強接着部116に沿って破れて行く。何故なら、強接着部116の部分はフィルム70の周辺部86等を互いに重ね合わせて強く接着してあり、弱接着部110との境目113が破れ易いからである。そして、強接着部116に沿って必要な長さだけ破った後、その破り長さを幅にしてフィルム70の新たに形成された縁部を摘んで、更に強接着部116と直角方向に引っ張る。すると、直方体40の胴部を覆うフィルム70の大部分を確実に速やかに取り除ける。なお、開封用切り込み128の場合には胴部シール帯142の強接着部144と直角方向に少し引っ張った後に、フィルム132の新たに形成された縁部を摘んで強接着部144に沿うように引っ張る。
【0012】
又、開封用切り込み184を不連続的な多段階にすると、単位切り込み204の数、長さ、配置等を適宜選択できる。そして、開封時に選んだ単位切り込み204に爪先を入れ、外側フィルム188を少し掻いて一部を破り、その小片を摘んで引っ張ると、隣接する単位切り込み204の間が順次破れて全ての単位切り込み204がつながる。それ故、破り箇所の長さ、形状、破り方向を選択でき、その後フィルム188を破り易くなる。
【0013】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
図1は本発明を適用した一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の2段重ねしたオーディオテープカセット収納ケースに対する包装状態を示す斜視図、図2はその包装工程を示す図である。図中、50はオーディオテープカセットを1巻収納したプラスチック製の直方体ケース、52はその2段重ねしたケース50に包装するフィルムを巻いたフィルムロール、54はそのフィルムロール52から矢印方向に引き出したポリプロピレン、ポリ塩化ビニール等の熱収縮性フィルム、56はその長尺フィルム54を案内するガイドロール、58は長尺フィルム54に開封用の切り込みを入れる小口カッタ付きロール、60はその小口カッタ付きロール58を受ける受けロールである。なお、小口カッタ付きロール58には回転軸を有する円筒体の外周面の所定箇所に小口カッタ(図示なし)が備えられている。
【0014】
これ等の小口カッタ付きロール58と受けロール60を用いると、それ等のロール58、60で長尺フィルム54を挟持し、小口カッタで図3に示すように長尺フィルム54の所定箇所に一定間隔毎に直線状の開封用切り込み62をそれぞれ入れることができる。その際、開封用切り込み62の長さを4〜8mm程にするのが好ましい。そして、ロール58、60より後方に設置した1対のニップロール64で長尺フィルム54を繰り出し、その長尺フィルム54に引っ張りを与えておく。なお、開封用切り込み62は太い実線で示す。
【0015】
又、このような長尺フィルム54の切断箇所を示すのが二点鎖線66であり、包装に備えた折り曲げ箇所を示すのが点線68である。それ故、長尺フィルム54の二点鎖線66で仕切られた間の長方形の部分が2段重ねしたケース50からなる直方体を包装するための一枚のフィルム70となる。そして、点線68で長方形状にそれぞれ囲まれた部分72、74、76と二点鎖線66と点線68で長方形状にそれぞれ囲まれた部分78、80とで後述する工程を経てフィルム包装体の胴部を形成し、その他の部分で両側面を形成する。
【0016】
又、フィルム70の細い実線82より外側に当る周辺部84をシール部の強接着部を形成するため、無印刷箇所にする。そして、二点鎖線66とその近傍にある細い実線82及びその両方向への延長線とで仕切られた間の細長い長方形周辺部86を胴部シール帯の強接着部を形成する際に外側に配置する重ね部分にする。又、点線68と細い実線82とフィルム70の縁88とで囲まれた台形状の周辺部90、92を両側面シール部の強接着部を形成する際にそれぞれ外側に配置する重ね部分にする。
【0017】
このようにして、開封用切り込み62を入れた長尺フィルム54を切断カッタ94付きの回転ロール96を経て送り出し、2段重ねしたケース50の胴部に1枚のフィルム70に相当する部分の巻き付けを行なう。なお、98は切断カッタ94の受け固定刃である。そして、切断カッタ94で二点鎖線66を切断し、長方形のフィルム70を分離する。なお、ロール96が回転すると、一定時間毎に切断カッタ94が長尺フィルム54に当るため、長尺フィルム54を送り出して端から二点鎖線66の位置で切断して行き、次々と一定の長さの長方形フィルム70を形成できる。
【0018】
このフィルム70を巻回した2段重ねしたケース50を胴部シール帯形成工程に送る。すると、2段重ねしたケース50を矢印方向に回転させながら、その胴部にフィルム70を筒状に巻き付け、フィルム70の対応する長方形周辺部を互いに重ね合わせ、加熱ヒーターの接触による熱接着により、胴部シール帯100として帯状に一様に強く接着した強接着部と帯状に一様に弱く接着した弱接着部とを並べてそれぞれ形成できる。その際、外側に配置した内面印刷なしの周辺部86と内側に配置した外面印刷なしの周辺部との重ね合わせ箇所が強接着部になり、外側に配置した内面印刷ありの周辺部と内側に配置した外面印刷なしの周辺部との重ね合わせ箇所が弱接着部になる。
【0019】
次に、側面シール部形成工程に送る。すると、2段重ねしたケース50の両側面に向けて配設した折り込み加熱装置102(102a、102b)により、それ等のケース50から突出する筒状フィルム70の両端部をそれぞれ各側面に接触するように折り込んだ後、やはりフィルム70の周辺部90、92等をそれぞれ対応する部分と互いに重ね合わせ、熱接着して2段重ねしたケース50の両側面に側面シール部104をそれぞれ形成できる。これ等の側面シール部104も強接着部と弱接着部とからなり、両者は隣接する。次に、熱収縮工程に送る。すると、シュリンク炉106を通過させることにより、フィルム70が熱収縮(シュリンク)して2段重ねしたケース50の全ての外面に密着し、図1に示すようなフィルム包装体108が完成する。
【0020】
このようなフィルム包装体108ではフィルム70に設けた開封用切り込み62が2段重ねしたケース50の底面を覆うフィルム70の胴部シール帯100の弱接着部110を形成する外側に配置したフィルム(外側フィルム)70に入る。しかも、開封用切り込み62は2段重ねしたケース50の一側面寄り位置にあり、胴部シール帯100の長手方向に対して直角方向に向く。そこで、図4に示すように開封用切り込み62の近傍に開封口であることを表示するOPEN等の文字や矢印を印ておく。図中、112は外側に配置したフィルム(外側フィルム)70の縁、114は内側に配置したフィルム(内側フィルム)70の縁である。なお、開封用切り込みは1mm以内ならば強接着部116にもかかるように設けてもよいが、外側フィルム70の縁部まで至るように設けてはならない。何故なら、開封用切り込みが1mm以内ならば強接着部116に掛かっても破る妨げとはならないが、外側フィルム70の縁部まで入れると、フィルム70の熱収縮時に開封用切り込みが広がり易くなり、その近傍箇所に皺、縮れ、捲れ等が発生し易いからである。
【0021】
次に、このようにしてフィルム包装した2段重ねのケース50を段ボール箱収納工程に送る。すると、順次段ボール箱118に入れ、接着テープ120等を用いて封をして保管或いは輸送等を行なえる。販売時には、当然段ボール箱118から出してフィルム包装したまま店頭に陳列する。それ故、購入者がオーディオテープカセットを使用する場合にはフィルム包装体108を破って取り除かなければならない。その際、胴部シール帯100の弱接着部110に設けた開封用切り込み62を開封口にする。そして、開封時には先ず爪先を開封用切り込み62に入れ、外側フィルム70を強接着部116に沿う方向に少し掻く。すると、開封用切り込み62が弱接着部110に設けられているため、外側フィルム70の一部が内側フィルム70より簡単に剥がれる。
【0022】
そこで、剥がれた小片を摘んで、胴部シール帯100の強接着部116に沿うように引っ張ると、図5に示すように外側フィルム70の一部110を開封用切り込み62の長さを幅としてほぼ保ったまま、強接着部116に沿わせて必要な長さだけ破ることができる。何故なら、強接着部116の部分はフィルム70の周辺部86等を互いに重ね合わせて強く接着してあるため、両者110、116の境目113に沿って破れ易くなっているからである。次に、その破り長さを幅にして、フィルム70の新たに形成された縁部を摘み、強接着部116の長手方向と直角方向で離れる方向に引っ張る。すると、フィルム70の一部124が破り長さを幅として保ったまま広い範囲に亘って破れるので、更に2段重ねしたケース50の胴部を回るように引っ張ると、胴部を覆うフィルム70の大部分を確実に速やかに取り除ける。
【0023】
図7は本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の原材料に当る長尺フィルムのフィルム包装体の内側から見た展開状態を示す平面図である。図中、126が長尺フィルム、その長尺フィルム126における太い実線128が開封用切り込み、二点鎖線130が切断線、二点鎖線130で仕切った間の部分132が1枚の長方形フィルムである。又、点線134が折り曲げ線、細い実線136から外側の周辺部138がシール部の強接着部形成用の無印刷箇所である。しかし、上述した長方形フィルム70と比べると、開封用切り込み128たる太い実線の方向が異なる。
【0024】
この長方形フィルム132を用い、オーディオテープカセット収納ケースを2個積み重ねたものにキャラメル包装を施して熱収縮すると、図8に示すようなフィルム包装体140が完成する。図中、142が2段重ねしたケースの底面を覆うフィルム132の胴部シール帯、144がその強接着部、146が弱接着部である。そして、開封用切り込み128が弱接着部146を形成する外側フィルム132に入る。しかも、開封用切り込み128は2段重ねしたケースの一側面寄り位置にあり、強接着部144の長手方向に平行となる。それ故、フィルム包装体108と比べると、開封用切り込み128の配置方向が異なる。そこで、図9に示すように開封用切り込み128の近傍に同様の開封表示を施しておく。なお、148が外側フィルム132の縁、150が内側フィルム132の縁である。
【0025】
購入者がオーディオテープカセットを使用するため、フィルム包装体140を取り除く場合、やはり開封用切り込み128を開封口にする。そして、開封時には爪先を開封用切り込み128に入れ、外側フィルム132を強接着部144と直角方向で離れる方向に少し掻く。すると、開封用切り込み128が弱接着部146に設けられているため、外側フィルム132の一部が内側フィルム132より簡単に剥がれる。
【0026】
そこで、剥がれた小片を摘んで図10に示すように更に強接着部144に直角方向に引っ張ると、開封用切り込み128の長さを幅としてほぼ保ったまま、フィルム132の一部152を剥ぐことができる。次に、フィルム132の新たに形成された縁部を摘んで、強接着部144に沿うように引っ張ると、図11に示すようにやはり外側フィルム132の一部154を強接着部144に沿わせて必要な長さだけ剥ぐことができる。次に、その破り長さを幅にして、フィルム132の新たに形成された縁部を摘み、強接着部144と直角方向で離れる方向に引っ張る。すると、フィルム132の一部が破り長さを幅として保ったまま広い範囲に亘って剥がれるので、更に2段重ねしたケース156の胴部を回るように引っ張ると、やはり胴部を覆うフィルム132の大部分を確実に速やかに取り除ける。
【0027】
上記各実施例では開封用切り込みを直線状にしたが、曲線状にしてもよい。例えば、図12に示すように外側フィルムに入れる開封用切り込み158をU形にし、その口側を開封方向に向けて配設する。図中、160が胴部シール帯、162がその強接着部、164が弱接着部、166が外側フィルムの縁、168が内側フィルムの縁である。或いは、図13に示すように外側フィルムに入れる開封用切り込み170をV形にし、その口側を開封方向に向けて配設する。図中、172が胴部シール帯、174がその強接着部、176が弱接着部、178が外側フィルムの縁、180が内側フィルムの縁である。
【0028】
図14は本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の原材料に当る長尺フィルムのフィルム包装体の内側から見た展開状態を示す平面図である。図中、182が長尺フィルム、その長尺フィルム182における太い実線184が開封用切り込み、二点鎖線186が切断線、二点鎖線186で仕切った間の部分188が1枚の長方形フィルムである。又、点線190が折り曲げ線、細い実線192から外側の周辺部194がシール部の強接着部形成用の無印刷箇所である。しかし、上述した長方形フィルム70と比べると、開封用切り込み184が異なる。
【0029】
この長方形フィルム188を用い、オーディオテープカセット収納ケースを2個積み重ねたものにキャラメル包装を施して熱収縮すると、図15に示すようなフィルム包装体196が完成する。図中、198が2段重ねしたケースの底面を覆うフィルム188の胴部シール帯、200がその強接着部、202が弱接着部である。そして、開封用切り込み184が弱接着部202を形成する外側フィルム188の2段重ねしたケースの一側面寄り位置に入る。この開封用切り込み184は不連続的な多段階構造を有し、強接着部200に平行な5個の単位切り込み204を互いに離して大略山形状に配置したものである。しかも、弱接着部の強度と開封し易さを考慮して、隣接する単位切り込み204の間の距離を1.5〜2mm程にし、各単位切り込み204の長さを5〜10mm程にするのが好ましい。やはり、図16に示すように開封用切り込み184の近傍に同様の開封表示を施しておく。なお、206が外側フィルムの縁、208が内側フィルムの縁である。
【0030】
購入者がオーディオテープカセットを使用するため、フィルム包装体196を取り除く場合、やはり開封用切り込み184を開封口にする。そして、開封時には爪先を例えば頂点に位置する単位切り込み204に入れ、外側フィルム188を強接着部200と直角方向に少し掻く。すると、開封用切り込み196が弱接着部202に設けられているため、外側フィルム188の一部が内側フィルム188より簡単に剥がれる。
【0031】
そこで、剥がれた小片を摘んで更に強接着部200に直角方向に引っ張ると、隣接する単位切り込み204の間が順次破れて行き、全ての単位切り込み204がつながって、図17に示すように外側フィルム188の一部210が内側フィルム188より広い範囲に亘って剥がれる。更に、強接着部200に直角方向に引っ張ると、開封用切り込み184の両端間の長さを幅としてほぼ保ったまま、図18に示すようにフィルム188の一部212を破ることができる。
【0032】
そこで、フィルム188の新たに形成された縁部を摘んで強接着部200に沿うように引っ張り、やはり外側フィルム188の一部を強接着部200に沿わせて必要な長さだけ破る。次に、その破り長さを幅にしてフィルム188の新たに形成された縁部を摘み、強接着部200と直角方向に引っ張る。すると、フィルム188の一部が破り長さを幅として保ったまま広い範囲に亘って剥がれるので、更に2段重ねしたケース214の胴部を回るように引っ張ると、やはり胴部を覆うフィルム188のの大部分を確実に速やかに取り除ける。
【0033】
上記各実施例では不連続的な多段階構造を有する開封用切り込みを構成するため、5個の単位切り込みを互いに離して大略山形状に配置したが、3個以上の単位切り込みを互いに離して階段状に配置すればよい。例えば、図19に示すように外側フィルムに入れる3個の単位切り込み216をいずれも強接着部218に平行にし、互いに離して階段状に配置して開封用切り込み220を構成する。図中、222が胴部シール帯、224が弱接着部、226が外側フィルムの縁、228が内側フィルムの縁である。或いは、図20に示すように外側フィルムに入れる6個の単位切り込み230をいずれも強接着部232に対して同一角度で少し傾斜させ、互いに離して階段状に配置して開封用切り込み234を構成する。図中、236が胴部シール帯、238が弱接着部、240が外側フィルムの縁、242が内側フィルムの縁である。
【0034】
【発明の効果】
請求項1では帯状のシール帯の外側に配置したフィルムの少なくとも弱接着部に開封用切り込みを入れ、その開封用切り込みを外側フィルムの縁部まで至らないように設けるため、フィルムの熱収縮時にも開封用切り込みが広がらない。それ故、開封用の切り込みの近傍に皺、縮れ、捲れ等が発生せず、品質が優れたものになる。開封時には爪先を開封用切り込みに入れ、外側フィルムを少し掻くと、開封用切り込みは少なくとも弱接着部に設けられているため、外側フィルムの一部を内側フィルムより簡単に剥ぐことができる。それ故、剥がれた小片を摘みとして用い、外側フィルムを強接着部に沿って必要な長さだけ破り、その破り長さを幅にして、強接着部と直角方向に引っ張る等して、直方体の胴部を覆うフィルムの大部分を確実に速やかに取り除ける。
【0035】
このため、開封テープを必要とせず、製品を安価にできる。又、開封に備えて胴部や側面にあるシール部の強接着部に非接着箇所や弱接着箇所等を設ける必要もなく、仕上がりが良好になる。しかも、熱接着を簡単に行なえるし、側面接着、胴接着不良等の品質不良が減ってフィルムの歩留まりが良くなり、生産性が向上する。従って、量産化に適する。
【0036】
請求項2では開封用切り込みを不連続的な多段階にするため、単位切り込みの数、長さ、配置等を選択できる。そして、開封時に爪先を入れる単位切り込みを選び、外側フィルムを掻き、小片を形成して引っ張り、全ての単位切り込みをつなげて、破り箇所の長さ、形状、破り方向等を選択できる。それ故、フィルムを破り易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の2段重ねしたオーディオテープカセット収納ケースを包装した状態を示す底面側から見た斜視図である。
【図2】同開封性を改善したフィルム包装体の2段重ねしたオーディオテープカセット収納ケースに対する包装工程等を示す図である。
【図3】同開封性を改善したフィルム包装体の原材料に当る長尺フィルムのフィルム包装体の内側から見た展開状態を示す平面図である。
【図4】同開封性を改善したフィルム包装体の胴部シール帯を示す底面図である。
【図5】同開封性を改善したフィルム包装体の開封用切り込みを起点として強接着部に沿って弱接着部にある外側フィルムの一部を剥がした状態を示す底面図である。
【図6】同開封性を改善したフィルム包装体の開封用切り込みを起点として形成した破り口からオーディオテープカセット収納ケースの底面を覆うフィルムを広い範囲に亘って剥がした状態を示す底面図である。
【図7】本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の原材料に当る長尺フィルムのフィルム包装体の内側から見た展開状態を示す平面図である。
【図8】同開封性を改善したフィルム包装体の2段重ねしたオーディオテープカセット収納ケースを包装した状態を示す底面側から見た斜視図である。
【図9】同開封性を改善したフィルム包装体の胴部シール帯を示す底面図である。
【図10】同開封性を改善したフィルム包装体の開封用切り込みを起点として強接着部と直角方向に弱接着部にある外側フィルムの一部を剥がした後、更に同一方向にフィルムを少し剥がした状態を示す底面図である。
【図11】同開封性を改善したフィルム包装体の開封用切り込みを起点として形成した破り口からオーディオテープカセット収納ケースの底面を覆うフィルムを広い範囲に亘って剥がした状態を示す底面図である。
【図12】本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の胴部シール帯を示す底面図である。
【図13】本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の胴部シール帯を示す底面図である。
【図14】本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の原材料に当る長尺フィルムのフィルム包装体の内側から見た展開状態を示す平面図である。
【図15】同開封性を改善したフィルム包装体の2段重ねしたオーディオテープカセット収納ケースを包装した状態を示す底面側から見た斜視図である。
【図16】同開封性を改善したフィルム包装体の胴部シール帯を示す底面図である。
【図17】同開封性を改善したフィルム包装体の開封用切り込みを起点として強接着部と直角方向に弱接着部にある外側フィルムの一部を剥がした状態を示す底面図である。
【図18】同開封性を改善したフィルム包装体の開封用切り込みを起点として強接着部と直角方向に弱接着部にある外側フィルムの一部を剥がした後、更に同一方向にフィルムを剥がした状態を示す底面図である。
【図19】本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の胴部シール帯を示す底面図である。
【図20】本発明を適用した他の一実施例たる開封性を改善したフィルム包装体の胴部シール帯を示す底面図である。
【図21】従来のシュリンクしたキャラメル包装によるフィルム包装体のオーディオテープカセット収納ケースに対する包装状態を示す斜視図である。
【図22】同フィルム包装体の個別にフィルム包装し、積層したオーディオテープカセット収納ケースに対する包装状態を示す斜視図である。
【図23】同フィルム包装体の積層した複数のオーディオテープカセット収納ケースに対する包装状態を示す斜視図である。
【図24】同フィルム包装体に開封テープを備えた状態を示す底面側から見た斜視図である。
【図25】同フィルム包装体の胴部シール帯に開封に備えて非接着部を設けた状態を示す底面側から見た斜視図である。
【図26】同フィルム包装体に備えた開封テープによる開封状態を示す斜視図である。
【図27】同フィルム包装体の胴部シール帯に設けた非接着部から開封した状態を示す斜視図である。
【図28】同フィルム包装体の胴部シール帯に設けた開封用切り込みの近傍を示す斜視図である。
【符号の説明】
50、156、214…オーディオテープカセット収納ケース 52…フィルムロール 54、126、182…長尺フィルム 58…小口カッタ付きロール62、128、158、170、184、220、234…開封用切り込み 66、130、186…切断線 68、134、190…折り曲げ線 70、132、188…長方形フィルム 72、74、76、78、80…胴部形成部 84、138、194…周辺部(無印刷箇所) 86…胴部シール帯の強接着部形成箇所 90、92…側面シール部の強接着部形成箇所 96…切断カッタ付きロール 100、142、160、172、198、222、236…胴部シール帯 102…折り込み加熱装置 106…シュリンク炉 108、140、196…フィルム包装体 110、146、164、176、202、224、238…弱接着部 112、148、166、178、206、226、240…外側フィルムの縁 114、150、168、180、208、228、242…内側フィルムの縁 116、144、162、174、200、218、232…強接着部 204、216、230…単位切り込み
Claims (2)
- 1枚の熱収縮性フィルムを用いて直方体を包装し、該直方体の胴部に前記フィルムの周辺部同士を互いに重ね合わせ、熱接着により帯状のシール帯を強接着部と弱接着部とで形成し、前記フィルムを熱収縮してなるフィルム包装体において、前記帯状のシール帯の外側に配置したフィルムの少なくとも弱接着部に開封用切り込みを入れ、該開封用切り込みが前記外側フィルムの縁部まで至らないように設けたことを特徴とする開封性を改善したフィルム包装体。
- 前記開封用切り込みを不連続的な多段階にすることを特徴とする請求項1記載の開封性を改善したフィルム包装体。
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